説明

運送貨物コンテナ

【課題】運送貨物コンテナを提供する。
【解決手段】4つの壁1a、頂部2及び底部3を備え、内側天井4及び内側底面を形成する運送貨物コンテナに関する。内側天井4及び内側底面5の間には、少なくとも1つの負荷支持部6が配置され、該負荷支持部は、前記コンテナ内に搭載されるべき貨物7を、該負荷支持部6に対して少なくとも一つの方向に支持することができるように該貨物7に対して移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、4つの壁、頂部、底部を含んで内側天井及び内側底面を有する内部を形成する、運送貨物コンテナに関する。
【従来技術】
【0002】
本文脈において、コンテナは、シーコンテナ、又は、例えばコンテナキャリアシップ、トレイン、トラック又は平底荷船によって貨物を輸送するように意図された型式の類似の大きな輸送リセプタクルを指す。本明細書を通して、コンテナへの参照は、上述された型式の運送荷物コンテナへの参照として受け取られるべきである。
【0003】
重い貨物、例えば金属プレート及び延べ棒、積み重ね木材プレート等がコンテナ内に輸送されたとき、これらの貨物は、輸送又は貯蔵の間にコンテナ内で動くべきではない。これらの貨物がコンテナに損傷を及ぼしかねず、或いは、コンテナ内の貨物が損傷を受けかねないからである。1つのコンテナ内で輸送されるべき貨物は、例えば30トンの重量を占め、これによって、コンテナ及び貨物の合計重量は例えば35トンにもなる。
【0004】
船が回動するときの移送の間に貨物が僅かにでさえ動くことを可能にする態様で該貨物がコンテナ内に固定されている場合、この動きは時間の経過と共に大きくなり、結局のところ、貨物の制御不能の動きへと至らしめ、上述した結果をもたらしてしまう。このため、貨物が輸送又は貯蔵の間のコンテナ内で動かないように、該貨物を固定することが非常に重要となる。
【0005】
コンテナ内に貨物を固定するための様々な構成が以前より知られている。これらの構成では、重い貨物が硬い外皮を備えたコンテナ内に輸送され、木材等のパッキング材料が内壁と貨物との間に配置されている。これらの貨物は、例えば鎖でコンテナに固定されている。この既知の構成は、それが貨物を搭載するために大量の木材を使うという欠点を有する。貨物の体積がコンテナの体積と比べて小さい場合、かなりの量のパッキング材料が要求される。この既知の構成に関する別の欠点は、コンテナのサイズに対して、比較的大きいサイズの貨物をコンテナ内に固定することが困難であるということである。この理由は、コンテナの内壁と貨物との間にほとんどスペースが存在せず、例えば0.5m以下でしかないため、搭載中に、搭載機を貨物の回りに全ての側に置くことが困難であるということである。このことは、貨物の固定機能を低下させることにつながる。或いは、貨物をコンテナに固定することが単に不可能であるため、周囲の状況により、その固定を劣化させた状態で実行せざるを得ない。
【0006】
重い貨物が固定されるところの平坦面上で該重い貨物が輸送される構成も知られている。しかし、この種の平坦面は貨物を保護せず、その結果、船の荷物空間の外側では、該貨物をこの構成により輸送することができない。近年では、例えば輸送されるべき金属プレートのブランクの加工の度合いが増大してきたため、貨物の保護は、ますます重要になってきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述された問題を解決することができる、運送貨物コンテナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、少なくとも1つの負荷支持部が、内側天井及び内側底面の間に配置され、該負荷支持部は、コンテナ内に搭載されるべき貨物を、該負荷支持部に対して少なくとも一つの方向に支持することができるように該貨物に対して移動可能であることを特徴とする運送貨物コンテナによって達成される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項で開示される。
【0010】
本発明のコンテナは、貨物の背後に配置されるべき負荷支持部が、該貨物がコンテナ内に搭載される前に、適所に再配列/調整されることができるという利点を有する。従って、貨物をコンテナに固定するために該貨物の背後に回り込む必要がなく、該貨物は、フォークリフトトラックにより負荷支持部に対して該貨物を押し付けることによって簡単に適所へと押されていく。
【0011】
本発明のコンテナは、該貨物をコンテナに指示するため、例えば、木材等のパッキング材料を必要としないという別の利点を有する。このことは材料を節約させる。
【0012】
本発明のコンテナは、硬い外皮を備えたコンテナにおいて重い貨物の確実な固定を可能にするという更に別の利点を有する。
【発明の実施の形態】
【0013】
図面は、4つの壁1a乃至1d、頂部2及び底部3を含むコンテナを示している。壁1a乃至1d、頂部2及び底部3は、内側天井4及び内側底面5を有する内部(参照番号によっては指示されていない)を一緒に形成する。図4は、4つの側部ドア13を備えたコンテナを示している。図面のコンテナにおいては、側部ドア13は、4つのコンテナ壁の少なくとも1つ、壁1dをほぼ完全に開放するように構成されている。これは、コンテナの積載及び積荷おろしを容易にする。
【0014】
内側天井4と内側底面5との間には、少なくとも1つの負荷支持部6が設けられており、該負荷支持部は、貨物7を少なくとも一つの方向に負荷支持部6に対して支持することができるように、コンテナ内に積載されるべき貨物7に対して移動可能とされている。かくして、負荷支持部6は、コンテナの内壁(参照番号によっては指示されていない)からある距離のところにある。
【0015】
より好ましくは、コンテナは、図面に示されるように、複数の負荷支持部6を含んでおり、これらの負荷支持部6は貨物7の少なくとも2つの対向し合う側部へと移動可能であり、対向し合う負荷支持部6の間の適所に該貨物が保持されるようにしている。図1は、貨物7の4つの側部(参照番号によっては指示されていない)上の適所に該貨物7を保持することができる、コンテナを示している。
【0016】
図面は、少なくとも1つのレイル8等を含むコンテナを示しており、該レイル8に沿って負荷支持部6を移動させることができる。
【0017】
図面のコンテナは、内側天井4内のレイル8と、内側底面5のレイル8と、を含んでいる。図2では、天井4のレイル8及び底面5のレイル8は、内側天井4内のレイル8と内側底面5のレイル8との間で略垂直位置に負荷支持部6を配置させることを可能にするように、ほぼ整列されている。
【0018】
図面において、少なくとも2つのレイル8が互いに略垂直であるように、レイル8のうち幾つかは、壁1a及び1cと略平行であり、他のレイル8は、壁1b及び1dと略平行である。その代わりに、コンテナは、壁1a−1dの任意のものと略平行であるレイル8と、壁1a−1dのうち任意のものと平行である方向から逸れる方向に走っているレイル8と、を備え付けることができる。これは、負荷支持部6が、貨物7の少なくとも2つの対向する側に容易な仕方で移動されることを可能にする。
【0019】
本発明のコンテナは、有利には、例えば巻き取り品等、円柱形状の貨物を適所に保持するための、少なくとも1つの凹部11、受け台等を含む。図3は、この種の6つの凹部11を有するコンテナを示している。
【0020】
平坦ベースを必要とする貨物7がコンテナで追加として又は単独で輸送されるべきとき、カバープレート11等の上に貨物7を配置することが可能であるように凹部11即ち受け台等を少なくとも1つのカバープレート12等で有利に覆うことができる。図3は、各凹部11即ち受け台等を2部品カバープレート12で覆うことができる、コンテナを示している。
【0021】
負荷支持部6は、カバープレートが凹部11即ち受け台等を覆うとき、カバープレート12等に有利に支持されることができる。カバープレート12等は、レイル8(図面には図示せず)を有利に含んでいる。これらのレイルは、コンテナの長さ方向軸に沿って有利に走っている。この構成は、コンテナの長さ方向の適所に巻き取り品7を保持することを可能にしている。
【0022】
負荷支持部6は、該負荷支持部6が凹部11の底面(参照番号によっては指示されていない)と内側天井4との間にあるように、凹部11に有利に配置されることができる。この種の有利な構成は、巻き取り品7が巻き取り中心(参照番号によっては指示されていない)から螺旋状に解きほぐされることを防止することを可能にする。一つの負荷支持部6は、該負荷支持部6が凹部11の底面と内側天井との間に配置されるように、巻き取り品7のいずれかの側に有利に配置される。凹部11の底面は、有利には、レイル8を含んでいる。これらの凹部11の間にあるリッジ(参照番号によっては指示されていない)は、有利には、レイル8を含んでいる。
【0023】
本発明のコンテナは、コンテナに対して負荷支持部6を係止させるための構成(参照番号によっては指示されていない)を有利に含んでいる。例えば、レイル8は、負荷支持部6のためのシート(参照番号によっては指示されていない)を、ほぼ均等に間隔を隔てられた状態で含んでいてもよい。負荷支持部6は、これらのシート内でコンテナに対して動かないように配置することができる。例えば、レイル8は、該レイルに交差するように取り付けられた鉄バー9、凹部等を等間隔に配置された状態で含むことができ、これによって負荷支持部6がレイル8に沿って動くことを防止する、図7では、上部レイル8は、等間隔に隔てられた凹部14を含み、該凹部には、負荷支持部6の上端部を配置することができる。
【0024】
本発明のコンテナは、負荷支持部6が貨物7によりかかるように、貨物7に対して該負荷支持部6を押し付けるための構成部10を有利に含んでいる。貨物7に対して該負荷支持部6を押し付けるための前記構成部10は、最初にコンテナに対して負荷支持部6を係止するため前記構成部を用いて負荷支持部6が適所に係止され、その後、負荷支持部6は、貨物7に対して該負荷支持部6を押し付けるための前記構成部10を用いて押され、それが貨物7を押し付けるように作動するように構成することができる。貨物7の上側端部(参照番号によっては指示されていない)が動くことを可能にされないことが特に重要である。通常、貨物7の下側端部は置かれたようにそこに留まる。貨物7の重量がそれを適所に保持するからである。貨物7に対して負荷支持部6を押し付けるための前記構成部10は、負荷支持部6が貨物7の少なくとも上部(参照番号によっては指示されていない)に対してよりかかるように、負荷支持部6の上端部を貨物7に対して移動させるべく有利に構成されている。貨物7に対して負荷支持部6を押し付けるための前記構成部10は、天井のレール8で走るように構成され、負荷支持部6の上端部を配置することができる、例えば、キャリッジ(参照番号によっては指示されていない)を含んでいる。第1に、キャリッジは、レイル8に有利に係止させることができ、その次に、負荷支持部6の上端部を、負荷支持部6が貨物7に対して押し付けるように有利に移動させることができる。
【0025】
図7では、上側レイルが、負荷支持部6の上端部を配置することができる多数の凹部14を持つように、歯が形成された構成が示されている。負荷支持部の上端部が特定の凹部14内に配置された後では、負荷支持部が貨物7の上端部に対してよりかかり、該貨物が2つの負荷支持部の間に押されるように、負荷支持部の上端部を、貨物7の方向に移動させることができる。図10では、貨物7に対して負荷支持部6を押し付けるための前記構成部10は、負荷支持部6と、上側レイル8の凹部14内に配置されるようになった係止装置15との間に配置されたねじ切りロッド16を含んでいる。係止装置15は、負荷支持部6に枢動可能に取り付けられている。負荷指示部6と、係止装置15との間の角度(参照符号によっては指示されていない)を調整することによって、負荷支持部5の合計長さが変化し、負荷支持部6は貨物7に対して移動したり、そこから離れたりする。
【0026】
貨物は、細長いポールからなる負荷支持部を示している。負荷支持部6は、有利には、例えばアルミニウムから作られている。
【0027】
図7に示された負荷支持部6のうち幾つかは、2つの部品17及び18を含んで、はめ込み式となっている。負荷支持部の2つの部品は、一緒に作動する複数の孔19が設けられており、該孔の中には、これらの部品が相互係止されるように、ピン20を挿入することができる。ピン20は、有利には、孔19内のピン20を係止させるための手段(図示せず)を含んでいる。
【0028】
図5及び図6では、負荷支持部のうち幾つかが、コンテナの内側の各端部に配置された可動壁21の形態にあるコンテナが示されている。そのような可動壁21を用いて、パイプ又は類似の細長い貨物を、可動壁32の間に押しやり、かくして適所に保持させることができる。図5及び図6のコンテナは、細長いパイプの形態の負荷支持部6も含んでいる。図5及び図6に示されたコンテナは、有利には、コンテナに関連して適所に可動壁21を係止させるための構成部(図示せず)を含んでいる。図5及び図6に示されたコンテナは、有利には、貨物7に対して可動壁21を押し付けるための構成部(図示せず)も含んでいる。前記構成部は、例えば、複数又は一つの可動壁21と、コンテナとの間に配置されたストラップ(図示せず)を含んでいる。ストラップに張力をかけることによって、可動壁を負荷に対抗して移動させることができ、負荷物7は、可動壁の間で押圧される。
【0029】
当業者にとって、技術が進歩するにつれて本発明の基本的アイディアを様々な仕方で実行することができることは明らかである。本発明及びその実施形態は、上述した例に限定されず、請求の範囲内で変更し得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、上部ドア及び側部ドアを備えていないコンテナの上面図である。
【図2】図2は、側部ドアを備えていないコンテナの側面図である。
【図3】図3は、コンテナ内の適所に、柱状貨物を保持するため、底部に凹部を備えたコンテナを示す。
【図4】図4は、コンテナの概略図である。
【図5】図5は、上部ドア及び側部ドアを備えていないコンテナの上面図である。
【図6】図6は、側部ドアを備えていないコンテナの側面図である。
【図7】図7は、図1に示されたコンテナのラインA−Aに沿って取られた断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの壁(1a乃至1d)、頂部(2)及び底部(3)を備え、内側天井(4)及び内側底面を形成する運送貨物コンテナであって、
少なくとも1つの負荷支持部(6;21)が、内側天井(4)及び内側底面(5)の間に配置され、該負荷支持部は、前記コンテナ内に搭載されるべき貨物(7)を、該負荷支持部(6;31)に対して少なくとも一つの方向に支持することができるように該貨物(7)に対して移動可能である、運送貨物コンテナ。
【請求項2】
複数の負荷支持部(6;21)を含んでおり、これらの負荷支持部が、前記貨物(7)が対向する負荷支持部(6;21)の間の適所に保持されるように、該貨物(7)の少なくとも2つの対向する側部に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項3】
少なくとも1つのレイル(8)等を含み、少なくとも1つの負荷支持部(6;21)が前記レイル(8)に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項4】
前記内側天井(4)に前記レイル(8)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項5】
前記内側底面(5)に前記レイル(8)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項6】
前記内側天井(4)の前記レイル(8)及び前記内側底面(5)の前記レイル(8)は、前記内側天井(4)及び前記内側底面(5)の間の実質的に垂直位置に前記負荷支持部(6)が配置されることを可能にするように実質的に整列されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項7】
1つの側部(1a乃至1d)と略平行である少なくとも1つのレイル(8)を備えることを特徴とする、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項8】
互いに略垂直である少なくとも2つのレイル(8)を備えることを特徴とする、請求項7に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項9】
巻き取り品(7)を始めとする柱状貨物を適所に保持するため、少なくとも1つの凹部(11)、受け台等を備えることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項10】
前記凹部(11)、受け台等を、少なくとも1つのカバープレート(12)で覆うことができ、該カバープレート(12)上に該貨物(7)を配置できるようにしたことを特徴とする、請求項9に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項11】
前記負荷支持部(6;21)は、前記カバープレートが前記凹部(12)、受け台等を覆うとき、該カバープレート(12)に支持されることができることを特徴とする、請求項10に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項12】
前記カバープレート(12)がレイル(8)を含むことを特徴とする、請求項11に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項13】
前記負荷支持部(6;21)が前記凹部(11)の底面及び前記内側天井(4)の間にあるように、該凹部(11)内に前記負荷支持部(6;21)を配置することができることを特徴とする、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項14】
レイル(8)が前記凹部(11)の前記底面内にあることを特徴とする、請求項13に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項15】
前記コンテナに対して前記負荷支持部(6)を係止させるための構成部(10)を備えることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項16】
前記負荷支持部(6)が前記貨物(7)を押すように、該貨物(7)に対して該負荷支持部(6;21)を押し付けるための構成部(10)を備えることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項17】
前記負荷支持部(6)は細長いポールであることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の運送貨物コンテナ。
【請求項18】
前記負荷支持部(6)は可動壁であることを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の運送貨物コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−66880(P2012−66880A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−240951(P2011−240951)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【分割の表示】特願2001−584148(P2001−584148)の分割
【原出願日】平成13年5月16日(2001.5.16)
【出願人】(502236079)
【Fターム(参考)】