説明

遠赤外線輻射塗料

【目的】加熱過程を経ずとも塗膜が硬化し、かつ、基材との密着性が良好な遠赤外線輻射塗料を提供する。
【構成】塗料成分として、(a)平均粒径が100μm以下のセラミックス(b)水酸基を有する樹脂および(c)分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びウレタンプレポリマーのうちの少なくとも一種を含有し、(a)成分100重量部に対して、(b)成分と(c)成分の合計量が25〜550重量部であり、かつ、(b)成分と(c)成分の配合割合(重量比)が(b)/(c)=15/85〜90/10である遠赤外線輻射塗料。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠赤外線輻射性に優れた塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス材料を添加した遠赤外線輻射塗料が提案されている(特開平1−104668号、特開平3−136807号)が、これらの先行文献に開示された遠赤外線輻射塗料は、塗料として基材への接着性・固着性が低下したり、遠赤外線輻射効果が不充分である等の欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】遠赤外線輻射効果を高めようとすれば、塗料におけるセラミックス粉末の含有量を増大させる必要があるが、セラミックス粉末の含有量の増大に伴って塗膜が脆くなりセラミックス粉末が脱落したり、さらには加工時に塗膜に割れを生じることがある。したがって、従来の塗料ではセラミックス粉末の含有量が比較的少ない範囲に限定されていた。また、セラミックス粉末を塩化ビニルフィルムに含有させれば、かかるセラミックス含有フィルムの加工性、塗膜物性は著しく低下する。他方、セラミックス粉末を含有する塗料は、塩化ビニルフィルム等の基材に対する付着性・接着性が劣っているので、塩化ビニルフィルム等の基材への塗装は困難である。そこで、遠赤外線輻射塗料においてセラミックス粉末が高濃度で含有されているにもかかわらず、種々の基材(被塗物)に対して良好な諸物性を維持し、比較的薄い膜厚でも優れた遠赤外線輻射効果を発揮する塗料が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、塗料成分としてセラミックス、水酸基を有する樹脂及び分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を含有させれば、たとえ充分な遠赤外線輻射効果を得るためにセラミックスを塗料中に高含有量で配合しても、セラミックス粉末が脱落することがなく、また塩化ビニルフィルム等の基材に対しても付着性・接着性の良好な遠赤外線輻射塗料が得られることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、塗料成分として、(a)平均粒径が100μm以下のセラミックス(b)水酸基を有する樹脂および(c)分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びウレタンプレポリマーのうちの少なくとも一種を含有し、(a)成分100重量部に対して(b)成分と(c)成分の合計量が25〜550重量部であり、かつ、(b)成分と(c)成分の配合割合(重量比)が(b)/(c)=15/85〜90/10である遠赤外線輻射塗料である。また、必要に応じて(d)顔料0.1〜30重量部を添加すれば、遠赤外線輻射塗料を任意に着色できる。そして、本発明の遠赤外線輻射塗料は、フィルム、塩ビラミネート、基板等の被塗物にスプレーガン、ロールコーター、ローラー、ハケ等の手法を用いて塗装される。一方、本発明は、水酸基を有する樹脂(b)を含む塗料と分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物若しくはウレタンプレポリマー(c)を含む塗料を塗装前に混合することを特徴とし、さらに、これらを塗装前に混合して被塗物に塗装する方法を提供するものである。
【0006】本発明で使用されるセラミックス(a)としては、例えばSiO2 、Al23、TiO2 、ZrO2 、Fe23 、CuO、MgO、NiO、Li2O、CoO等の遠赤外線輻射性を有する焼成セラミックスが挙げられ、その平均粒径は100μm以下、より好ましくは15μm以下である。セラミックスの平均粒径が100μmを超えると均一な塗料塗膜が得られなくなったり、塗膜外観が低下することがある。これらのセラミックスは、一種若しくは二種以上で使用され、これらのうちSiO2 、Al23 およびTiO2の混合セラミックスは遠赤外線輻射効果が顕著に優れている。
【0007】本発明の水酸基を有する樹脂(b)は、イソシアネート化合物と反応しうる樹脂であり、例えば水酸基を有するポリエステル樹脂、水酸基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。このようなポリエステル樹脂として、高分子ポリエステル、油変性ポリエステル、オイルフリーポリエステル、シリコーン変性ポリエステル樹脂等が挙げられ、市販されているものも使用できる。また、水酸基を有するアクリル樹脂として、フッ素で変性したフッ素系アクリル樹脂も使用できる。
【0008】市販されている水酸基を有するポリエステル樹脂又は水酸基を有するアクリル樹脂としては、例えばデスモフェン670、デスモフェン680、デスモフェンA565〔住友バイエルウレタン社製〕、ダイヤナールLR2543〔三菱レーヨン社製〕、アクリディク54−480〔大日本インキ化学工業社製〕等を挙げることができる。これらの水酸基を有するポリエステル樹脂及び水酸基を有するアクリル樹脂は、それぞれ単独で使用することも、二種以上を混合して使用することもできる。
【0009】本発明では、フィルム、建材等の基材との付着性・接着性を向上させる必須成分として、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物若しくはウレタンプレポリマー(c)が使用される。
【0010】分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、脂肪族または芳香族ポリイソシアネート化合物が挙げられ、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロジンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、m−フェニレンジイソシアネート、これらのジイソシアネート化合物の二量体、三量体などが挙げられる。
【0011】分子中に2個以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリオールを前記脂肪族または芳香族ポリイソシアネート化合物と反応させることによって得られる。
【0012】かかる分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物およびウレタンプレポリマーは、水酸基を有する樹脂との反応性に富み、また、セラミックス粉末に対して優れた吸着・固着特性をもつ塗料成分である。さらに、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物若しくはウレタンプレポリマー(c)に、ジブチルスズジラウレート等の触媒を成分(b)と成分(c)の合計量に対して0.5〜2.0PHR添加すれば硬化反応を促進させることができる。
【0013】ところで、成分(b)と成分(c)の合計量は、(a)成分100重量部に対して25〜550重量部であり、より好ましくは30〜500重量部である。成分(b)と成分(c)の合計量が25重量部未満では、塗膜中にセラミックスを固着させることが困難となり、他方、550重量部を超えると、遠赤外線輻射効果が不充分となる。また、成分(b)と成分(c)の配合割合(重量比)は、(b)/(c)=15/85〜90/10であり、より好ましくは20/80〜85/15である。(b)/(c)が90/10を超えると塗膜の硬化不良が生じ、他方、15/85未満であれば、軟弱な塗膜となるからである。
【0014】さらに、本発明の遠赤外線輻射塗料には、顔料(d)を任意に配合することができる。顔料は、無機系着色顔料であっても、有機系着色顔料であってもよい。顔料としては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクドリン、インダンスロン、イソインドリノン、ペリレン、アンスラピリミジン、カーボンブラック、ベンズイミダゾロン、グラファイト、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄等が挙げられる。これらの顔料は、遠赤外線輻射塗料を着色するのに有効であり、顔料(d)は、(a)成分100重量部に対して0.1〜30重量部であり、より好ましくは1〜10重量部である。無機系着色顔料にあっては(a)成分100重量部に対して30重量部を超えて使用すれば遠赤外線の輻射効率が低下し、また、有機系着色顔料については20重量部を超えて使用すれば遠赤外線の輻射効率が低下する。
【0015】本発明の遠赤外線輻射塗料の被塗物は限定されないが、被塗物として例えば亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、冷延鋼板、木質板、合成樹脂板、合板、繊維板、珪酸カルシウムボード、石膏ボード、パルプセメントボード等の基板、塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、壁紙、合成樹脂製の壁紙などの被塗物が挙げられる。なお、基板はシート状のものであっも、コイル状に巻き取られたものであっても差し支えない。また、これらの基板、フィルム(例えば塩ビラミネート)等にあらかじめ接着剤層が設けられておれば、天井、壁、床等の建築物に対して簡易に接着できる遠赤外線輻射塗膜層の形成された基板、フィルム等を提供することが可能となる。
【0016】本発明の遠赤外線輻射塗料を塗装する前に、錆止めのためやその後に形成される塗膜との密着性の向上を図るためなど必要に応じてあらかじめ下塗り塗料を塗装することができる。
【0017】本発明の遠赤外線輻射塗料の水酸基を有する樹脂(b)と分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物若しくはウレタンプレポリマー(c)は、混合すれば加熱せずとも徐々に反応して硬化する。したがって、成分(b)と成分(c)は塗装前(塗装の直前)に混合して使用するのが好ましい。
【0018】本発明の遠赤外線輻射塗料の塗装方法は限定されないが、例えばスプレーガン、ロールコーター、カーテンフローコーター、ローラー、ハケ等を用いて塗装できる。遠赤外線輻射塗料の塗装された被塗物は、10〜60℃であれば2〜24時間、60〜100℃であれば5〜100分程度乾燥すれば、被塗物の塗膜が硬化する。したがって、本発明の遠赤外線輻射塗料は、塗料成分(b)と(c)を混合すれば加熱せずとも塗膜を硬化できるので、加熱できない条件下での塗装(例えば建造物、定着物、熱変形する基材等への塗装など)に好適である。そして、本発明の遠赤外線輻射塗料は、セラミックス微粉末を高濃度に含有することが可能であるので、比較的薄い膜厚(乾燥塗膜として10〜30μm)でも優れた遠赤外線輻射効果がある。
【0019】
【実施例】つぎに、実施例及び比較例を掲げて本発明を説明する。表中の数字は、特に断らない限り固形分の重量(g)を示す。
【0020】セラミックス粉末の調製各セラミックス材料を計量・混合し、1000〜1400℃で焼成後、オングミルAM−15(ホソカワミクロン社製)を用いて、10μm以下、30μm以下、80μm以下になるように粉砕・分級してセラミックス粉末を得た。
【0021】1.遠赤外線輻射塗料の調製〔配合例1〜7及び比較配合例1〜5〕
セラミックス粉末、樹脂および溶剤(酢酸ブチル/キシレン=1/1)を加えて粘度を調整した後、ロールミルを使って混合した。つぎに、イソシアネート化合物を加えて混合することにより遠赤外線輻射塗料を得た。これらの結果を表1〜2に示す。
【0022】
【表1】


【0023】注)*1:ポリエステルポリオール〔デスモフェン670〕(住友バイエルウレタン社製)
*2:アクリルポリオール〔ダイヤナールLR2543〕(三菱レイヨン社製)
*3:ヘキサメチレンジイソシアネートアダクト〔スミジュールNー75〕(住友バイエルウレタン社製)
*4:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート〔デスモジュルHL〕(住友バイエルウレタン社製)
【0024】
【表2】


【0025】2.塩化ビニルフィルムを基材とする試験〔実施例1〜7及び比較例1〜5〕
試験用基材として裏面にアクリル系の粘着剤層を装着した塩化ビニルフィルム〔ニッペタックペイント(日本ペイント社製)〕に、配合例1〜7及び比較配合例1〜5の各塗料を乾燥膜厚で20〜30μmとなるようにスプレー塗装し、80℃で20分間乾燥した。さらに、20℃で5日間放置後、この遠赤外線輻射塗料が塗装された試験用フィルムについて以下の試験を実施した。これらの試験結果を表3〜4に示す。
【0026】(1)遠赤外線輻射性試験遠赤外線輻射性試験は、ブリキ缶内部の温水の冷却時間を測定して、冷却時間の差から遠赤外線輻射性を評価する。攪拌機及び温度計を備えた4リッターのブリキ缶(厚み:0.27mm,表面積:1225cm2 )の外面に遠赤外線輻射塗料を塗装した試験用フィルムを貼り付けた。この缶に3800gの温水を加え、この缶を無風状態の室内(20℃)に放置して缶内の温度変化を計測した。缶内の温水が80℃から70℃になるまでの時間(分)を測った。
【0027】(2)折り曲げ性試験厚さ1mmの鉄板にこの鉄板の角部を包み込むように遠赤外線輻射塗料を塗装した試験用フィルムを折り曲げて貼り付けた。つぎに、この試験用フィルムの折り曲げ部を指で擦り、折り曲げ部の塗膜状態を目視で観察して評価した。
◎:塗膜の剥離、割れがまったくない。
○:ルーペで観察してはじめて塗膜の微小剥離、割れを確認できる。
△:肉眼で塗膜に剥離、割れが生じていることを確認できる。
×:折り曲げ部の塗膜が剥離している。
【0028】(3)密着性試験遠赤外線輻射塗料を塗装した試験用フィルムの塗装面にセロファンテープを貼り、セロファンテープを剥離した後に塗膜の剥離が生じているか否かを観察した。さらに、熱変化を伴った場合における遠赤外線輻射塗料を塗装した試験用フィルムの密着性を試験するために、以下に示す■〜■のサイクルを50回繰り返した。
■−20℃で1時間、■−20℃から+60℃に2時間かけて昇温、■+60℃で1時間、■+60℃から−20℃に2時間かけて降温50回の繰り返しによる熱変化試験の終了後、前記と同様に碁盤目を施した試験用フィルムにセロファンテープを貼り、セロファンテープを剥離した後に塗膜の剥離が生じているか否かを観察した。
◎:塗膜の剥離が全くない。
○:極めて小さな塗膜の剥離がある。
△:部分的に塗膜が剥離する。
×:塗膜が剥離する。
【0029】
【表3】


【0030】
【表4】


注)*5:折り曲げ性試験及び密着性試験は良好であるが、塗膜が充分に硬化せず軟弱となりすぎる
【0031】3.亜鉛メッキ鋼板を基材とする試験〔実施例8〜15及び比較例6〜10〕
試験用基材として、亜鉛メッキ鋼板(Z−25:厚み0.5mm,リン酸亜鉛処理済)を用い、下塗り塗料としてハイポン20デクロブラウン(二液型エポキシ塗料,日本ペイント社製)を乾燥膜厚で10μmになるようにハケで塗装した。この試験用鋼板に、配合例1〜7及び比較配合例1〜5の各塗料をローラーまたはスプレーガンを用いて塗装し、20℃で5日間放置乾燥して25μmの膜厚の乾燥塗料塗膜を得た。この遠赤外線輻射塗料が塗装された試験用鋼板について以下の試験を実施した。これらの試験結果を表5〜6に示す。
【0032】(1)遠赤外線輻射性試験遠赤外線輻射性試験は、ブリキ缶内部の温水の冷却時間を測定して、冷却時間の差から遠赤外線輻射性を評価する。攪拌機及び温度計を備えた4リッターのブリキ缶(厚み:0.27mm,表面積:1225cm2 )の外面に乾燥膜厚で25μmとなるように本発明の遠赤外線輻射塗料をスプレー塗装した。この缶に3800gの温水を加え、この缶を無風状態の室内(20℃)に放置して缶内の温度変化を計測した。缶内の温水が80℃から70℃になるまでの時間(分)を測った。
(2)碁盤目密着性試験遠赤外線輻射塗料を塗装した試験用鋼板の塗装面にカッターナイフを用いて、2mm間隔で縦、横それぞれ11本の線を引き、2mm四方の碁盤目(100個)を作成した。この碁盤目部にセロファンテープを貼り、セロファンテープを剥離した後に碁盤目部に剥離が生じているか否かを観察し、剥離せずに残存している碁盤目の数を数えた。さらに、熱変化を伴った場合における遠赤外線輻射塗料を塗装した試験用鋼板の密着性を試験するために、以下に示す■〜■のサイクルを50回繰り返した。
■−20℃で1時間、■−20℃から+60℃に2時間かけて昇温、■+60℃で1時間、■+60℃から−20℃に2時間かけて降温50回の繰り返しによる熱変化試験の終了後、前記と同様に碁盤目を施した試料の碁盤目部にセロファンテープを貼り、セロファンテープを剥離した後に碁盤目部に剥離を生じているか否かを観察し、剥離せずに残存している碁盤目の数を数えた。これらの試験結果を表5〜6に示す。
【0033】
【表5】


【0034】
【表6】


【0035】注)*6:碁盤目密着性試験は良好であるが、塗膜が充分に硬化せず軟弱となりすぎる
【0036】
【発明の効果】表3〜6より明らかなように、本発明の遠赤外線輻射塗料は、比較的薄い膜厚でも遠赤外線輻射性に優れた効果を発揮する。また、本発明の遠赤外線輻射塗料は、水酸基を有する樹脂との反応性に富み、かつ、セラミックス粉末に対して優れた吸着・固着特性をもつイソシアネート成分を含有しているので、セラミックス成分を高含有量で配合しても、塗料としての諸物性(付着性、密着性等)に優れている。さらに、本発明の塗料は、塗料成分を混合するだけで加熱せずとも塗膜を硬化できるので、加熱できない条件下での塗装(例えば建造物、定着物、熱変形する基材等への塗装)に好適であり、本発明の塗料を塩化ビニルフィルムに塗装すれば、加工性に優れた遠赤外線輻射フィルムが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】塗料成分として、(a)平均粒径が100μm以下のセラミックス(b)水酸基を有する樹脂および(c)分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びウレタンプレポリマーのうちの少なくとも一種を含有し、(a)成分100重量部に対して(b)成分と(c)成分の合計量が25〜550重量部であり、かつ、(b)成分と(c)成分の配合割合(重量比)が(b)/(c)=15/85〜90/10である遠赤外線輻射塗料。
【請求項2】(a)成分が、SiO2 、Al23 、TiO2 、ZrO2 、Fe23 、CuO、MgO、NiO、Li2O及びCoOのうちの少なくとも一種以上である請求項1記載の遠赤外線輻射塗料。
【請求項3】(b)成分が、水酸基を有するポリエステル樹脂及びアクリル樹脂のうちの少なくとも一種以上である請求項1記載の遠赤外線輻射塗料。
【請求項4】(c)成分が、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート若しくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1記載の遠赤外線輻射塗料。
【請求項5】請求項1記載の塗料に、さらに、(a)成分100重量部に対して(d)顔料0.1〜30重量部を含有することを特徴とする遠赤外線輻射塗料。
【請求項6】(d)成分が、無機系着色顔料または有機系着色顔料である請求項5記載の遠赤外線輻射塗料。
【請求項7】第1の成分と第2の成分を塗装前に混合する二液型遠赤外線輻射塗料において、第1の成分が平均粒径が100μm以下のセラミックス(a)及び水酸基を有する樹脂(b)を含み、第2の成分が分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びウレタンプレポリマーのうちの少なくとも一種(c)を含むことを特徴とする二液型遠赤外線輻射塗料。
【請求項8】平均粒径が100μm以下のセラミックス(a)及び水酸基を有する樹脂(b)を含む第1の成分と分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びウレタンプレポリマーのうちの少なくとも一種(c)を含む第2の成分を塗装前に混合して被塗物に塗装する方法。
【請求項9】接着剤層を有することがある基板上に、請求項1〜7の遠赤外線輻射塗料を塗装してなる遠赤外線輻射塗膜層を形成した基板。
【請求項10】接着剤層を有することがあるフィルム上に、請求項1〜7の遠赤外線輻射塗料を塗装してなる遠赤外線輻射塗膜層を形成したフィルム。
【請求項11】請求項1〜7の遠赤外線輻射塗料を被塗物にスプレーガン、ロールコーター、カーテンフローコーター、ローラーまたはハケを用いて塗装する方法。