説明

遮光性を備えたサングラス及び鼻当てパット

【課題】 強い太陽光線から目を守ると共に顔との隙間から太陽光線が射し込むことを防止したサングラスの提供。
【解決手段】 フロント部1は顔になじむように大きく湾曲し、フロント部中央に設けた鼻当てパット3は鼻の両脇に当るパット部9,9の上部は繋がって概略山形とし、そして、パット部9,9の上部から上方へ遮光板10を延ばしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフなどをする際に、斜めから太陽光線が目に射し込まないように遮光性を備えたサングラスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
強い太陽光線から目を守る為にサングラスを着用するのが一般的であり、例えば、車を運転する場合、海でマリンスポーツを行なう時などに多用される。又、野球選手が屋外球場のデーゲームの守備時に太陽の眩しさで捕球に支障を出さないように着用することも多い。このように、サングラス とは、日差しを防ぐために着用する保護メガネであり、眩しさや紫外線などを低減することが出来る。
【0003】
しかし、サングラスを着用した場合であっても、該サングラスのフロント部と顔の隙間から太陽光線が入射することがあり、特にプロスポーツ選手にとって該隙間からの一瞬の光の入射が勝敗に大きく影響する。例えば、ゴルフをする場合にはゴルフボールを斜めに見つめてクラブを振上げて打圧するが、この際、地面に反射した光が斜め下方から射し込んで手元が狂うことが懸念される。
【0004】
一方、斜め上から射し込む太陽光線を遮るためにはサンバイザを着用する人も多い。しかし、太陽の位置によってはサンバイザによって常に遮ることが出来るものではない。又サンバイザを着用することを嫌う人も多い。そこで、メガネ自体に太陽光線を遮るようなサンバイザを取付けたものも知られている。
【0005】
特開2007−52180号に係る「メガネ用サンバイザ」は、サンバイザとして最低限必要な遮光範囲をカバーして、使用者の視認性を悪化させず、かつ視野を狭めることがないメガネ用サンバイザである。
すなわち、該メガネ用サンバイザは、メガネのフロント部にて両方のレンズの上側の一部を覆う遮光板と、遮光板をメガネのフロント部または両方のレンズに取り付ける支持材とを有するように構成したので、遮光板は両方のレンズの一部を覆うに過ぎない。これにより、日差し除け機能を十分に発揮できると同時に、左右上下において十分な明視野を確保でき、よって自動車の運転などでの利便性はきわめて高い。
【0006】
しかし、メガネのフロント部に遮光板を取付けたのでは運動をするスポーツ選手にとっては重たくて邪魔になる。又、該遮光板では地面に反射して斜め下方から射し込む太陽光線を遮ることは出来難く、少なくともゴルフ選手には適さない。
【特許文献1】特開2007−52180号に係る「メガネ用サンバイザ」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来のサングラス、及びメガネ用サンバイザには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、スポーツ選手が着用しても何ら違和感なく、しかも太陽光線が顔との隙間から射し込で目に入ることがないように、遮光性を備えたサングラス及びサングラスのフロント部中央に取付けられる鼻当てパットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遮光性を備えた鼻当てパットはサングラスを着用した際にフロント部と顔の隙間から射し込む太陽光線を遮ることで目に入らないようにしている。そこで、該鼻当てパットの形状は鼻の両脇に当る両パット部はその上部にて繋がり、しかも上部から上方へ延びる遮光板を有している。ここで、鼻当てパットをフロント部中央に取付ける手段は特に限定せず、上記遮光板に連結片を形成してネジ止めすることもあり、又はフロント部と一体成形することも可能である。
【0009】
そして、本発明のサングラスのフロント部は顔になじむ様に大きく湾曲し、顔との間に形成される隙間を小さくしている。サングラスの基本形態は従来と共通し、フロント部の両側端にはツルが継手を介して折畳み出来るように取付けられ、ツルは顔の側面になじむように滑らかに湾曲して延びている。そして、該ツルの材質は金属製としたり樹脂製とする場合がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るサングラスは正面からの太陽光線の眩しさや紫外線などを低減することが出来るのは勿論であり、地面に反射して斜め下方から射し込む光を遮ることが出来る。すなわち、フロント部は顔になじむように大きく湾曲した形状とし、顔との間の隙間は小さく成っており、この隙間から光りの射し込みを抑えることが出来る。
【0011】
一方、滑らかに湾曲した形状のフロント部は、その中央部での顔との隙間を小さくすることは容易ではないが、本発明では鼻当てパットにて斜め下方から射し込んで目に入る太陽光線を遮ることが出来る。すなわち、鼻当てパットの両パット部は上部で繋がって概略山形を成していることで、従来のように離れている両パット部の上部空間から光が射し込まない。そして、鼻当てパットの上部には上方へ延びる遮蔽板が起立していることで、この遮蔽板も射し込む光を遮り目に入らないようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るサングラスを示す実施例であり、平面図と正面図を表している。
【図2】本発明に係るサングラスを示す実施例であり、側面図を表している。
【図3】本発明に係る鼻当てパットを示す具体例。
【図4】従来のサングラスを着用した概略図。
【図5】本発明のサングラスを着用した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1、図2は本発明に係るサングラスを示す実施例であり、図1は平面図と正面図、図2は側面図を夫々表している。同図において、1はフロント部、2はツル、3は鼻当てパットを示している。フロント部1は2枚のレンズ4,4が鼻当てパット3に設けた連結片と正面側に水平に配置した正面部材20に挟まれてネジ止めされて構成している。そして、該フロント部1の両側端にはヨロイ5,5がネジ止めされ、このヨロイ5,5に継手6,6を介して上記ツル2,2が折畳み出来るように取付けられている。
【0014】
ところで、同図に示しているように、上記フロント部1は大きく湾曲した形状と成っていて、従来のサングラスに比較した場合、顔に着用した状態では顔との間の隙間を極力抑えることが出来る。同図のフロント部1は中央と継手6を結ぶ直線と基線16との交差角θは19.6°としている。勿論、本発明では交差角θの具体的な大きさを限定するものではないが、一般的には18°〜21°が適している。
【0015】
フロント部1は2枚のレンズ4,4が左右対称に配置されて鼻当てパット3と正面部材20にて連結されるが、連結には図3に示している鼻当てパット3に形成している連結片11,11が用いられる。鼻当てパット3は鼻の両脇に当る両パット部9,9がその上部にて繋がれて概略山形を形成している。勿論、パット部9,9は鼻の両脇になじむように滑らかな曲面を形成し、又、必要に応じて内面となる接触面は柔らかいシリコン層を形成することが出来る。
【0016】
そして、上部からは遮光板10が上方へ延び、該遮光板10の両側には上記連結片11,11を外方向へ延ばしている。そして、連結片11,11の先端にはネジが挿通する為の小さい穴が貫通して設けられている。この小さい穴からネジを挿通して正面側に配置される正面部材20とでレンズ4,4を挟み込んでネジ止めされる。そして、遮光板10は一定厚さを有し、内側(背面側)上部は滑らかな円弧を成し、サングラスを着用した際に顔の額に当らないようにしている。ただし、両パット部9,9の形状、及び遮光板10の形状は同図の場合に限定するものではない。
【0017】
このように、両レンズ4,4はこの鼻当てパット3を間にして左右対称に連結されるが、両連結片11,11の先端とレンズ4,4はネジ止めされる。この場合、1本のネジにてレンズ4が回転することなく安定して固定されるように、遮光板10の縁を両レンズ4,4の間に嵌めた状態で連結片11,11と正面部材20で挟み込んでネジ止めすることでガタ付くことなく固定される。
【0018】
そして、滑らかに湾曲したフロント部1の両側端には、図1に示すようにツル2が継手6を介して連結され、上記継手6はヨロイ5の先端に形成している継手片7とツル2の端に形成している継手片8とが互いに組み合わされた構造としている。ただし、継手構造に関しては限定せず、従来から多用されている蝶番継手を使用することは自由である。
【0019】
ツル2は図2に示しているように先端にて繋がっているが、所定の間隔をおいて延びる2本の線材12,12を有し、該線材12,12のフロント側先端は継手片8と連結し、該継手片8はヨロイ5の継手片7と噛み合ってネジピン14にて連結している。又、ツル2の先端部であるモダン部13はストレートでなく、凹凸状に波打って延びている。
【0020】
図4は従来のサングラスを掛けてゴルフをしている場合の光の射し込み状態を示し、図5は本発明のサングラスを着用してゴルフをする場合の光の射し込み状態を比較して示している。同図の15は地面に位置するゴルフボールを示している。そこで、ゴルフボール15を正面に見る場合には、従来のサングラスであっても何ら問題ない。すなわち、太陽光線が直接目に入ることはない。
【0021】
ところが、(b)に示すようにゴルフボール15をゴルフクラブにて打つ場合、ゴルフボール15に対して顔は斜めに向くことから、着用しているサングラス17の隙間から地面に当って反射した太陽光線が射し込んで目に入る。その結果、ゴルフボール15を正確に打つことが出来なくなり、ゴルフボールはバンカー又は林の中へ落下してしまう。サングラスではなく一般的な矯正用メガネを着用している場合であれば、隙間から射し込む光に対して気にならないが、サングラスを着用しているばあいには、隙間からの僅かな光りが気になってプレーに大きく影響する。
【0022】
勿論、使用するゴルフクラブがドライバーであれ、アイアンであれ、同じような問題が起きる。図4(b)は従来のサングラスを着用している場合であるが、フロント部1と顔19の間には隙間18が形成され、この隙間18から地面に反射した太陽光線が射し込んで目に入る。従来のサングラスのフロント部1は比較的平坦であり、顔19との間に形成される隙間18は大きくなる。
【0023】
これに対して、本発明のサングラス17の場合、該フロント部1は顔19になじんで大きく湾曲している為に、顔19との隙間18は小さく成っている。
そして、本発明のサングラスでは、フロント部1の中央部には鼻当てパット3が取付けられている。この鼻当てパット3は両パット部9,9の上部が繋がって概略山形をしている。そして、パット部9,9の上部から上方へ延びる遮光板10を設けている為に、この鼻当てパット3にて地面に反射した太陽光線は遮られる。すなわち、フトント部1の中央部の隙間18から射し込んだ太陽光線が鼻当てパット3を通過して右目21aに入ることはない。
【0024】
勿論、このサングラスは主として地面に反射した太陽光線が直接目に入らないように構成しているが、斜め上方から射し込む太陽光線を遮ることも可能と成る。すなわち、鼻当てパットの両パット部9,9の上部から上方へ起立する遮蔽板10は、ゴルフボール15を打つ際に斜め上方に位置する太陽から直接射し込む光も遮断することが出来る。
【0025】
このように、本発明に係るサングラス17を着用してゴルフを行う場合、太陽を気にしてプレーすることはなく、太陽光線に邪魔されることなくゴルフボールを正確に打つことが出来る。勿論、本発明のサングラス17は何もゴルフのみを対象とするものではなく、野球やスキーを行なう場合にも着用することは自由であり、その効果は大きい。
【符号の説明】
【0026】
1 フロント部
2 ツル
3 鼻当てパット
4 レンズ
5 ヨロイ
6 継手
7 継手片
8 継手片
9 パット部
10 遮光板
11 連結片
12 線材
13 モダン部
14 ネジピン
15 ゴルフボール
16 基線
17 サングラス
18 隙間
19 顔
20 正面部材
21 目


【特許請求の範囲】
【請求項1】
強い太陽光線から目を守ると共に顔との隙間から光が射し込むことを防止するサングラスにおいて、フロント部は顔になじむように大きく湾曲し、フロント部中央に設けた鼻当てパットは鼻の両脇に当るパット部上部が繋がって概略山形とし、そして、パット部の上部から上方へ遮光板を延ばしたことを特徴とするサングラス。
【請求項2】
上記フロント部の湾曲度として、その中央とツルの継手部を連結する直線と、水平基線との交差角θを18°〜21°とした請求項1記載のサングラス。
【請求項3】
上記フロント部は、両レンズを鼻当てパットの遮光板から両側へ延びる連結片と正面側に配置した正面部材とで挟み込んでネジ止めし、遮光板の縁を両レンズの間に介在した請求項1、又は請求項2記載のサングラス。
【請求項4】
サングラスのフロント部に取付けて鼻の両脇に当って該フロント部を支える為の鼻当てパットにおいて、両パット部の上部を繋いで概略山形とし、そしてパット部の上部から上方へ遮光板を延ばし、さらに遮光板の両側へレンズをネジ止めする為の連結片を延ばしたことを特徴とするサングラスの鼻当てパット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−107486(P2011−107486A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263524(P2009−263524)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(502281080)
【Fターム(参考)】