説明

遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリー

【課題】ネイティブヒト抗体において見出される多様性を模倣する、長さおよび配列の多様性を有するライブラリーを得る。
【解決手段】抗体ペプチド、抗体ポリペプチド、および抗体タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの焦点を合わせた多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年12月18日に出願した米国特許仮出願60/256,380号の、米国特許法第120条の下での利益を請求する。この仮出願およびそれに添付された表は、本明細書中で参考として特に援用される。
【0002】
本発明は、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを各々が提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつそのファミリーの焦点を合わせた多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーに関する。本発明のライブラリーの焦点を合わせた多様性は、配列多様性および長さの多様性の両方を含む。好ましい実施形態において、本発明のライブラリーの焦点を合わせた多様性は、選択されたファミリーの天然の多様性へと偏向している。より好ましい実施形態において、このライブラリーは、ヒト抗体の天然の多様性へと偏向しており、そしてそれらの重鎖および軽鎖の相補性決定領域(「CDR」)における多彩さにより特徴付けられる。
【0003】
本発明はさらに、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の焦点を合わせた多様性ファミリーを提示するためか、または提示しかつ発現するための、ベクターおよび遺伝的パッケージ(例えば、細胞、胞子、またはウイルス)に関する。好ましい実施形態において、この遺伝的パッケージは、繊維状ファージまたはファージミドあるいは酵母である。また、このファミリーの焦点を合わせた多様性は、配列の多様性および長さの多様性を含む。
【0004】
本発明はさらに、本発明の焦点を合わせたライブラリーをスクリーニングする方法、ならびにこのようなスクリーニングにより同定されたペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質に関する。
【背景技術】
【0005】
ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつそのファミリーのアミノ酸の多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、遺伝的パッケージのライブラリーを調製することは、当該分野における現在一般的な実務である。多くの一般的なライブラリーにおいて、そのペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、抗体(例えば、単鎖Fv(scFv)、Fv、Fab、抗体全体、またはミニ抗体(すなわち、Vに連結されたVからなる二量体))に関する。しばしば、それらは、ヒト抗体の重鎖および軽鎖の、CDRおよびフレームワーク領域のうちの1つ以上を含む。
【0006】
ペプチドライブラリー、ポリペプチドライブラリー、またはタンパク質ライブラリーは、先行技術においていくつかの様式で生成されている。例えば、Knappikら、J.Mol.Biol.,296,pp.57−86(2000)(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。1つの方法は、未刺激(naive)であるかまたは免疫されているかいずれかである、ネイティブドナーの多様性を捕捉することである。別の方法は、合成の多様性を有するライブラリーを作製することである。第3の方法は、この最初の2つの組み合わせである。代表的には、これらの方法により生成される多様性は、配列の多様性に限定される。すなわち、そのライブラリーの各メンバーは、そのペプチド鎖、ポリペプチド鎖、またはタンパク質鎖の所定の位置にて異なるアミノ酸すなわち多様性を有することによって、そのファミリーの他のメンバーと異なる。しかし、天然で多様なペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、それらのアミノ酸配列でのみの多様性に限定されない。例えば、ヒト抗体は、それらのアミノ酸における配列多様性には限定されず、それらはまた、それらのアミノ酸鎖の長さでも多様である。
【0007】
抗体に関し、長さの多様性は、例えば、可変領域の再配列の間に生じる。例えば、Corbettら、J.Mol.Biol.,270,pp.587−97(1997)を参照のこと。例えば、V遺伝子をJ遺伝子に連結すると、その重鎖抗体配列のほぼ半分においてCDR3中の認識可能なDセグメントが含まれ、それにより、種々の長さのアミノ酸をコードする領域が作製される。以下もまた、抗体遺伝子セグメントを連結する間に生じ得る:(i)V遺伝子の末端が、欠失しているかまたは変化した0〜数個の塩基を有し得る;(ii)Dセグメントの末端が、除去されているかまたは変化した0個〜多くの塩基を有し得る;(iii)多数のランダムな塩基が、VとDとの間かまたはDとJとの間に挿入され得る;ならびに(iv)Jの5’末端が、数塩基を除去するかまたは変化するように変更され得る。これらの再配列は、アミノ酸配列と長さとの両方が多様である、抗体を生じる。
【0008】
従って、アミノ酸配列の多様性のみを含むライブラリーは、そのライブラリーが模倣することを意図するペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の天然での多様性を反映していないという点で、不利である。さらに、長さの多様性は、そのタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドの最終的機能にとって重要であり得る。例えば、抗体領域を含むライブラリーに関して、そのライブラリーの遺伝的パッケージにより提示されるか、提示されかつ発現されるか、または含まれる、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質の多くは、適切にフォールディングされないかもしれず、または配列と長さとの両方での多様性がそのライブラリー中に表されていない場合は、抗原にそれが結合することが不利になり得る。
【0009】
ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質を提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、先行技術のライブラリーまたは遺伝的パッケージのさらなる不利は、それらが、天然に存在する多様性に基づくメンバーに、従って、機能的である可能性が最も高いメンバーに、焦点を合わせていないことである。むしろ、これらの先行技術のライブラリーは、代表的には、どのアミノ酸残基にも可能な限り多くの多様性または多彩さを含むことを企図する。これにより、ライブラリーの構築が時間がかかるものになり、そして可能な効率よりも少ない効率になる。完全な多様性を捕捉することを試みることにより生成されるメンバーの多数さによってもまた、スクリーニングが、必要とされるよりも扱いにくくなる。このことは、そのライブラリーの多くのメンバーが機能しないことを考慮すると、特に当てはまる。
【0010】
【非特許文献1】Knappikら、J.Mol.Biol.,296,pp.57−86(2000)
【非特許文献2】Corbettら、J.Mol.Biol.,270,pp.587−97(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の1つの目的は、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の多様なファミリーのメンバーをコードする、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、ここで、このライブラリーは、長さと配列との両方が多様である集団をコードする。この多様な長さは、親のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の状況でフォールディングしかつ機能する可能性が高いモチーフを含む成分を含む。
【0012】
本発明の別の目的は、ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつそのファミリーの焦点を合わせた多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーである。これらのライブラリーは、それらのアミノ酸配列が多様であるだけでなく、それらの長さもまた多様である。そして、それらの多様性は、そのライブラリーが表す特定のファミリーの天然に存在する多様性をより近似的に模倣するかまたはその多様性を考慮に入れるように、焦点を合わせられる。
【0013】
本発明の別の目的は、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質をコードするDNA配列の、多様であるが焦点を合わせた集団であって、この集団は、ライブラリーの特定の結合成分の選択を可能にする遺伝的パッケージ(例えば、ファージまたはファージミド)または他のレジメンを使用する、提示または提示かつ発現に適切である。
【0014】
本発明のさらなる目的は、アミノ酸配列と長さとの両方が多様であるヒト抗体のCDRを含む、焦点を合わせたライブラリー(このようなライブラリーの例としては、単鎖Fv(scFv)、Fv、Fab、抗体全体、またはミニ抗体(すなわち、Vに連結されたVからなる二量体)のライブラリーが挙げられる)である。このような領域は、重鎖または軽鎖あるいはその両方に由来し得、そしてそれらの鎖のCDRのうちの1つ以上を含み得る。より好ましくは、その多様性または多彩さは、重鎖CDRおよび軽鎖CDRのすべてにおいて生じる。
【0015】
上記のライブラリーを作製およびスクリーニングする方法、ならびにそのようなスクリーニングにて得られるペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質を提供することが、本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の好ましい実施形態の中には、以下が存在する:
1. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択される重鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)<1><1><1>であって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物である、<1><1><1>
(2)(S/T)(S/G/X)(S/G/X)(S/G/W)であって、ここで、(S/T)は、S残基およびT残基の1:1混合物であり、(S/G/X)は、Sが0.2025、Gが0.2025、ならびにアミノ酸残基A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、およびYの各々が0.035の混合物である、(S/T)(S/G/X)(S/G/X)(S/G/W)
(3)V<1><1><1>10111213<1>14であって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物である、V<1><1><1>10111213<1>14;ならびに
(4)上記DNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物であって、好ましくは、重鎖CDR1(1):(2):(3)の比が、0.80:0.17:0.02である、混合物。
【0017】
2. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択される重鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)<2>I<2><3>SGG<1>T<1>YADSVKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;<2>は、アミノ酸残基Y、R、W、V、G、およびSの各々の等モル混合物であり;そして<3>は、アミノ酸残基P、S,およびGの各々の等モル混合物であるかまたはPおよびSの等モル混合物である、<2>I<2><3>SGG<1>T<1>YADSVKG;
(2)<1>I<4><1><1>G<5><1><1><1>YADSVKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;<4>は、残基D、I、N、S、W、Yの等モル混合物であり;そして<5>は、残基S、G、D、およびNの等モル混合物である、<1>I<4><1><1><G><5><1><1><1>YADSVKG;
(3)<1>I<4><1><1>G<5><1><1>YNPSLKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;そして<4>および<5>は、上記に規定される通りである、<1>I<4><1><1>G<5><1><1>YNPSLKG;
(4)<1>I<8>S<1><1><1>GGYY<1>YAASVKGでここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;<8>は、Rが0.27およびADEFGHIKLMNPQSTVWYの各々が0.027である、<1>I<8>S<1><1><1>GGYY<1>YAASVKG;ならびに
(5)上記DNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物であって、
好ましくは、重鎖CDR2(1)/(2)(等モル):(3):(4)の比が、0.54:0.43:0.03である、混合物。
【0018】
3. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択される重鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)YYCA21111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA21111YFDYWG;
(2)YYCA2111111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA2111111YFDYWG;
(3)YYCA211111111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA211111111YFDYWG;
(4)YYCAR111S2S3111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、SおよびGの等モル混合物であり;そして3は、YおよびWの等モル混合物である、YYCAR111S2S3111YFDYWG;
(5)YYCA2111CSG11CY1YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA2111CSG11CY1YFDYWG;
(6)YYCA211S1TIFG11111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA211S1TIFG11111YFDYWG;
(7)YYCAR111YY2S3344111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;2は、DおよびGの等モル混合物であり;そして3は、SおよびGの等モル混合物である、YYCAR111YY2S3344111YFDYWG;
(8)YYCAR1111YC2231CY111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;2は、SおよびGの等モル混合物であり;そして3は、T、DおよびGの等モル混合物である、YYCAR1111YC2231CY111YFDYWG;ならびに
(9)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物であって、好ましくは、重鎖CDR3(1)〜(8)が、この混合物中で以下の比:
(1)0.10
(2)0.14
(3)0.25
(4)0.13
(5)0.13
(6)0.11
(7)0.04および
(8)0.10
であり;そしてより好ましくは、重鎖CDR3(1)〜(8)が、この混合物中で以下の比:
(1)0.02
(2)0.14
(3)0.25
(4)0.14
(5)0.14
(6)0.12
(7)0.08および
(8)0.11
である、混合物。
【0019】
好ましくは、重鎖CDR3(1)〜(8)のうちの1つまたはすべてにおける1は、GおよびYの各々が0.095、ならびにA、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、およびWの各々が、0.048である。
【0020】
4. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるκ軽鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)RASQ<1>V<2><2><3>LA
(2)RASQ<1>V<2><2><2><3>LAであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<2>は、Sが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044であり;そして<3>は、Yが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWおよびYの各々が0.044である、RASQ<1>V<2><2><2><3>LA;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物であって、好ましくは、CDR1(1):(2)の比が、0.68:0.32である、混合物。
【0021】
5. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、κ軽鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられ、このκ軽鎖CDR1は、配列:
<1>AS<2>R<4><1>
を有し、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<2>は、Sが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044であり;そして<4>は、Aが0.2、ならびにDEFGHIKLMNPQRSTVWYの各々が0.044である、焦点を合わせたライブラリー。
【0022】
6. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるκ軽鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)QQ<3><1><1><1>P<1>Tであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<3>は、Yが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWの各々が0.044である、QQ<3><1><1><1>P<1>T;
(2)QQ33111Pであって、ここで、1および3は、上記(1)に規定される通りである、QQ33111P;
(3)QQ3211PP1Tであって、ここで、1および3は、上記(1)に規定される通りであり、そして2は、Sが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044である、QQ3211PP1T;ならびに
(4)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物であって、好ましくは、CDR3(1):(2):(3)の比が、0.65:0.1:0.25である、混合物。
【0023】
7. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるλ軽鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)TG<1>SS<2>VG<1><3><2><3>VSであって、ここで、<1>は、Tが0.27、Gが0.27、およびADEFHIKLMNPQRSVWYの各々0.027であり、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり、そして<3>は、Yが0.36、およびADEFGHIKLMNPQRSTVWの各々が0.036である、TG<1>SS<2>VG<1><3><2><3>VS;
(2)G<2><4>L<4><4><4><3><4><4>であって、ここで、<2>は、上記(1)に規定される通りであり、そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物である、G<2><4>L<4><4><4><3><4><4>;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物であって、好ましくは、CDR1(1):(2)の比が、0.67:0.33である、混合物。
【0024】
8. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、λ軽鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられ、このλ軽鎖CDR2は、配列:
<4><4><4><2>RPS
を有し、ここで、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMNPQRSTVWYの各々が0.027であり、そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWの等モル混合物である、
焦点を合わせたライブラリー。
【0025】
9. ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつこの抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、このベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるλ軽鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)<4><5><4><2><4>S<4><4><4><4>Vであって、ここで、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり;<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWの等モル混合物であり;そして<5>は、Sが0.36、およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.0355である、<4><5><4><2><4>S<4><4><4><4>V;
(2)<5>SY<1><5>S<5><1><4>Vであって、ここで<1>は、ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;そして<4>および<5>は、上記(1)にて規定される通りである、<5>SY<1><5>S<5><1><4>V;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物であって、好ましくは、CDR3(1):(2)の比が1:1である、混合物。
【0026】
10. 以下からなる群より選択される重鎖CDRをコードする多彩なDNA配列を含む焦点を合わせたライブラリー:
(1)上記段落1の重鎖CDR1のうちの1つ以上;
(2)上記段落2の重鎖CDR2のうちの1つ以上;
(3)上記段落3の重鎖CDR3のうちの1つ以上;ならびに
(4)(1)、(2)および(3)により特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【0027】
11. 段落1、段落2、および段落3の重鎖CDRをコードする多彩なDNA配列のうちの1つ以上を含む焦点を合わせたライブラリーであって、以下:
(1)段落4の1つ以上のκ軽鎖CDR1;
(2)段落5のκ軽鎖CDR2;
(3)段落6のκ軽鎖CDR3のうちの1つ以上;
(4)段落7のκ軽鎖CDR1のうちの1つ以上;
(5)段落8のλ軽鎖CDR2;
(6)段落9のλ軽鎖CDR3のうちの1つ以上;ならびに
(7)(1)〜(6)のうちの1つ以上により特徴付けられるベクターおよび遺伝的パッケージの混合物;
からなる群より選択される軽鎖CDRをコードする多彩なDNA配列をさらに含む、焦点を合わせたライブラリー。
【0028】
12. 上記段落1〜11に記載される多彩なDNA配列の集団。
【0029】
13. 上記段落1〜11に記載される多彩なDNA配列を含む、ベクターの集団。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
抗体(「Ab」)は、特定の標的に対するAbの親和性および特異性を決定することに関与する領域に、その多様性を集中させる。これらの領域は、配列または長さが多様であり得る。一般に、これらは、両方の様式で多様である。しかし、ヒト抗体のファミリー内では、配列および長さの両方の多様性は、真にランダムではない。むしろ、いくつかのアミノ酸残基はCDRの特定の位置で好まれ、そしてCDRのいくつかの長さが好まれる。これらの好ましい多様性は、抗体ファミリーの天然の多様性を説明する。
【0031】
本発明に従って、そして以下により完全に記載されるように、配列および長さの両方の天然の多様性をより密に反映する、抗体ファミリーまたはその部分のベクターライブラリーもしくは遺伝子パッケージが調製され、そして使用される。
【0032】
(ヒト抗体重鎖の配列および長さの多様性)
((a)フレームワーク)
重鎖(「HC」)生殖系列遺伝子(GLG)3−23(VP−47としても公知)は、全てのヒトAbの約12%を占め、本発明の好ましい実施形態においてフレームワークとして好まれる。しかし、他の周知のフレームワーク(例えば、4−34、3−30、3−30.3および4−30.1)がまた、本発明の焦点を合わせた多様性の原則から逸脱することなく、使用され得ることが理解されるべきである。
【0033】
さらに、JH4(YFDYWGQGTLVTUSS)は、ネイティブの抗体においてJH3よりも頻繁に生じる。従って、本発明の焦点を合わせたライブラリーについて好ましい。しかしJH3(AFDIWGQGTMVTVSS)も同様に使用され得る。
【0034】
((b)焦点を合わせた長さの多様性:CDR1、CDR2およびCDR3)
((i)CDR1)
CDR1について、GLGは、5、6および7の長さのCDR1のみを提供する。しかし、Vドメイン遺伝子の成熟の間の変異は、2程度の短さおよび16程度の長さを有するCDR1を生じ得る。それにもかかわらず、長さ5が優勢である。従って、本発明の好ましい実施形態において、好ましいHC CDR1は、5アミノ酸であり、そしてあまり好ましくないCDR1は、7および14の長さを有する。本発明の最も好ましいライブラリーにおいて、3つ全ての長さが、天然の抗体において見出される割合と類似の割合で使用される。
【0035】
((ii)CDR2)
GLGは、15〜19の長さのCDR2のみを提供するが、成熟の間の変異は、16〜28アミノ酸の長さのCDR2を生じ得る。長さ16および17は、成熟Ab遺伝子において優勢である。従って、長さ17は、本発明のHC CDR2について好ましい長さである。本発明のより好ましくないHC CDR2は、長さ16および19を有する。本発明の最も好ましい焦点を合わせたライブラリーにおいて、3つ全ての長さが、天然の抗体ファミリーにおいて見出される割合と類似の割合で含まれる。
【0036】
((iii)CDR3)
HC CDR3は、長さが異なる。約半分のヒトHCは、成分V::nz::D::ny::JHnからなり、ここでVは、V遺伝子であり、nzは、実質的にランダムな塩基の連続(平均12)であり、Dは、しばしば両端で大きい編集を受ける、Dセグメントであり、nyは、実質的にランダムな塩基の連続(平均6)であり、そしてJHは、しばしば5’末端で大きい編集を受ける、6つのJHセグメントのうち1つである。Dセグメントは、IgGの折り畳みを可能にするスペーサーセグメントを提供するようである。最も高い多様性は、DとVとの連結部およびDとJHとの連結部である。
【0037】
本発明の好ましいライブラリーにおいて、両方の型のHC CDR3が使用される。同定可能なDセグメントを有さないHC CDR3において、この構造は、V::nz::JHnであり、ここで、JHは、通常5’末端で編集される。同定可能なDセグメントを有するHC CDR3において、この構造は、V::nz::D::ny::JHnである。
【0038】
((c)焦点を合わせた配列多様性:CDR1、CDR2およびCDR3)
((i)CDR1)
5アミノ酸長のCDR1において、ヒト化Abの3Dモデルの試験は、残基1、3および5の側鎖が、結合ポケットに指向されることを示した。結果として、本発明の焦点を合わせたライブラリーにおいて、これらの位置の各々は、システイン(「C」)を除く任意のネイティブのアミノ酸残基から選択され得る。システインは、標準的なIg折り畳みの重要な成分であるジスルフィド結合を形成し得る。従って、遊離のチオール基を有することは、HCの適切な折り畳みを妨害し得、そして選択されたAbの産生または操作において問題を生じ得る。従って、本発明の焦点を合わせたライブラリーにおいて、システインは、好ましい5アミノ酸のCDR1の位置1、3および5から排除される。他の19種の天然のアミノ酸残基が、位置1、3および5において使用され得る。好ましくは、各々は、本発明の多彩なライブラリーにおいて等モル比で存在する。
【0039】
3Dモデリングはまた、5アミノ酸のCDR1における残基2の側鎖が、結合ポケットから離されることを示唆する。この位置は、GLGおよび成熟遺伝子の両方において、実質的な多様性を示すが、本発明の焦点を合わせたライブラリーにおいて、この残基は、好ましくはTyr(Y)である。なぜなら、これは、820の成熟抗体遺伝子のうちの681において生じるからである。しかし、Cyc(C)以外の任意の他の天然アミノ酸残基もまた、この位置で使用され得る。
【0040】
位置4について、GLGおよび成熟抗体遺伝子においていくらかの多様性が存在する。しかし、ほとんど全ての成熟遺伝子は、この位置で、非荷電の疎水性アミノ酸残基:A、G、L、P、F、M、W、I、Vを有する。3Dモデルの検査はまた、残基4の側鎖が、HCの内部にパックされることを示す。従って、フレームワーク3−23を使用する本発明の好ましい実施形態において、残基4は、好ましくはMetである。なぜなら、これは、3−23のフレームワークに、非常に良好に適合する可能性があるからである。他のフレームワークを用いて、類似の適合考慮を使用して、残基4を割り当てる。
【0041】
従って、本発明の最も好ましいHC CDR1は、アミノ酸配列<1>Y<1>M<1>からなる。ここで、<1>は、アミノ酸残基:A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y(Cを除く)のいずれか1つであり得、好ましくは、各位置において等モル量で存在する。この多様性は、表1において、フレームワーク3−23:JH4に関して示される。これは、6859倍の多様性を有する。
【0042】
本発明の2つのあまり好ましくないHC CDR1は、長さ7および14を有する。長さ7について、好ましい多彩性は、(S/T)(S/G/<1>)(S/G/<1>)(S/G/<1>)であり;ここで、(S/T)は、SerおよびThrコドンの等モルの混合を示し;(S/G/<1>)は、Sが0.2025、Gが0.2025およびA、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、Yの各々について0.035の混合を示す。この設計は、成熟HC遺伝子において生じるような、位置2、3および7での優勢なSerおよびGlyを与える。長さ14について、好ましい多彩性は、VSGGSIS<1><1><1>YYW<1>であり、ここで<1>は、Cys(C)以外の19種の天然アミノ酸残基の等モルの混合である。
【0043】
これらの好ましいHC CDR1をコードするDNAは、好ましくは、トリヌクレオチドの構築ブロックを使用して合成され、その結果、各アミノ酸残基は、実質的に等モルでか、または他の記載された量で存在する。<1>のアミノ酸残基についての好ましいコドンは、gct、gat、gag、ttt、ggt、cat、att、aag、ctt、atg、aat、cct、cag、cgt、tct、act、gtt、tggおよびtatである。もちろん、選択されたアミノ酸残基についての他のコドンもまた使用される。
【0044】
多様性オリゴヌクレオチド(ON)は、好ましくは、BspEIからBstXIへと合成され(表1に示すように)、従って、重複ONを使用するPCR合成によって組み込まれるか、またはBspEI/BstXI切断されたフラグメントのライゲーションによって導入されるかのいずれかであり得る。表2は、本発明の好ましい長さ5のHC CDR1の特定の多彩性を具体化するオリゴヌクレオチドを示す。ON−R1V1vg、ON−R1topおよびON−Rlbotを使用するPCRは、73塩基対のdsDNA産物を生じ、BspEIおよびBspXIでの切断は、末端から11塩基および13塩基をトリミングし、そして表1に示される3−23ドメインを有する、同様に切断されたベクターに連結され得る粘着末端を提供する。ONR1V2vgまたはONR1V3vgのいずれかでのON−R1V1vgの置換(表2を参照のこと)は、2つの代替的な多様性パターン(7残基長および14残基長のHC CDR1)の合成を可能にする。
【0045】
本発明のより好ましいライブラリーは、3つの好ましいHC CDR1長さの多様性を含む。最も好ましくは、この3つの長さは、CDRの長さを参照せずに選択された抗体において観察されるおよその比率で組み込まれるはずである。例えば、1095個のHC遺伝子の1つのサンプルは、以下の比率で存在する3つの長さを有する:L=5:L=7:L=14::820::175::23::0.80::0.17::0.02。これは、本発明に従う好ましい比率である。
【0046】
((ii)CDR2)
HC CDR2における多様性を、HC CDR1:GLG配列、成熟配列および3D構造についての考慮と同じ考慮を用いて設計した。CDR2についての好ましい長さは、表1に示すように、17である。この好ましい17の長さのCDR2について、本発明に従う好ましい多彩性は、以下:<2>I<2><3>SGG<1>T<1>YADSVKGであり、ここで<2>は、Y、R、W、V、GおよびS(等モルの混合物)の群から選択される任意のアミノ酸残基を示し、<3>は、P、SおよびGまたはPおよびSのみであり(等モルの混合物)、そして<1>は、C以外の任意の天然のアミノ酸残基である(等モルの混合物)。
【0047】
表3に示されるON−R2V1vgは、この多様性パターンを具体化する。これは、好ましくは、BstXI部位およびXbaI部位を含むdsDNAのフラグメントが、PCRによって作製され得るように合成される。ON−R2V1vg、ON−R2topおよびONR2botを用いるPCRは、122塩基対のdsDNA産物を生じる。BstXIおよびXbaIによる切断は、各末端から約10塩基を除去し、そして表1に示される3−23遺伝子を含む、同様に切断されたベクターに連結され得る粘着末端を生じる。
【0048】
17の長さのHC CDR2についての代替の実施形態において、以下の多彩性:<1>I<4><1><1>G<5><1><1><1>YADSVKG、が使用され得;ここで、<1>は、HC CDR2のより好ましい代替について上記された通りであり;<4>は、等モルのDINSWYの混合物を示し;そして<5>は、等モルのSGDNの混合物を示す。この多様性パターンは、表3に示されるON−R2V2vgにおいて具体化される。好ましくは、これら2つの実施形態は、本発明のライブラリーにおいて、等モル混合物で使用される。
【0049】
他の好ましいHC CDR2は、長さ16および19を有する。長さ16:<1>I<4><1><1>G<5<1><1>YNPSLKG;長さ19:<1>I<8>S<1><1><1>GGYY<1>YAASVKG、ここで、<1>は、C以外の全ての天然のアミノ酸残基の等モルの混合物であり;<4>は、DINSWYの等モル混合物であり;<5>は、SGDNの等モルの混合物であり;そして<8>は、Rが0.27および残基ADEFGHIKLMNPQSTVWYの各々が0.027である。表3は、長さ16の好ましいCDR2多彩性を具体化するON−R2V3vg、および長さ19の好ましいCDR2多彩性を具体化するON−R2V4vgを示す。これらの多彩性を調製するため、ON−R2V3vgは、ON−R2topおよびON−R2bo3を用いてPCR増幅され得、そしてON−R2V4vgは、ON−R2topおよびON−R2−bo4を用いてPCR増幅され得る。表3を参照のこと。本発明の最も好ましい実施形態において、HC CDR2の3つ全ての長さが使用される。好ましくは、これらは、以下の比で存在する:17:16:19::579:464:31::0.54:0.43:0.03。
【0050】
((iii)CDR3)
本発明の好ましいライブラリーは、いくつかのHC CDR3成分を含む。これらのいくつかは、配列多様性のみを有する。その他は、長さを伸ばすために嵌め込まれたDセグメントを含む配列多様性を有し、一方でまた、Igが折り畳まれるのを可能にする既知の配列を取り込む。本発明の好ましいライブラリーのHC
CDR3成分およびその多様性は、表4:成分1〜8に示される。
【0051】
この成分のセットを、1383個のヒトHC配列の配列の研究後に選択した。
提案された成分は、以下の目的を満たすはずである:
1)ネイティブのAb遺伝子において見られるのとほぼ同じ長さ分布;
2)ネイティブのAb遺伝子において高い多様性を有する場所での高レベルの配列多様性;および
3)ネイティブのAb遺伝子においてしばしば見られる定常配列の組み込み。
【0052】
成分1は、長さ0〜8(FR3の末端のYYCARモチーフ〜J領域(すなわち、FR4)の開始点近くのWGジペプチドモチーフからなる)を有する全ての遺伝子を示す。成分2は、長さ9または10を有する全ての遺伝子に対応する。成分3は、長さ11または12を有する遺伝子および長さ13を有する遺伝子の半分に対応する。成分4は、長さ14を有する遺伝子、および長さ13を有する遺伝子の半分に対応する。成分5は、長さ15を有する遺伝子、および長さ16を有する遺伝子の半分に対応する。成分6は、長さ17を有する遺伝子、および長さ16を有する遺伝子の半分に対応する。成分7は、長さ18を有する遺伝子に対応する。成分8は、長さ19以上を有する遺伝子に対応する。表4を参照のこと。
【0053】
多様性<1>を有する各HC CDR3残基について、等モルの比率は、好ましくは使用されない。むしろ、以下の比率が使用される:0.095[GおよびY]および0.048[A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、VおよびW]。従って、等モル比の他の残基と共に、二倍用量のGおよびYが存在する。他の多様性について、例えば、KRまたはSGの残基が、等モルの混合物中に存在する。
【0054】
本発明の好ましいライブラリーにおいて、8つの成分は、以下の割合で存在する:1(0.10)、2(0.14)、3(0.25)、4(0.13)、5(0.13)、6(0.11)、7(0.04)および8(0.10)。表4を参照のこと。
【0055】
本発明のより好ましい実施形態において、8つの成分の量は調整される。なぜなら、第1の成分は、それがライブラリーの10%として含まれることを証明するには十分複雑でないからである。例えば、最終ライブラリーが、1×10のメンバーを含むとすると、1×10の配列が成分1から生じることになるが、たった2.6×10のCDR3配列しか生じず、その結果、各々の配列は、約385個のCDR1/2の状況で生じる。従って、8つの成分のより好ましい量は、1(0.02)、2(0.14)、3(0.25)、4(0.14)、5(0.14)、6(0.12)、7(0.08)、8(0.11)である。より好ましい実施形態に従って、成分1は、約77個のCDR1/2の状況で生じ、そしてその他(より長いCDR3)が、より頻繁に生じる。
【0056】
表5は、表4に示される8つのHC CDR3成分の各々を具体化するvgDNAを示す。表5において、オリゴヌクレオチド(ON)Ctop25、CtprmA、CBprmBおよびCBot25は、以下の多彩化ON(vgDNA)の各々のPCR増幅を可能にする:C1t08、C2t10、C3t12、C4t14、C5t15、C6t17、C7t18およびC8t19。増幅後、dsDNAを、AflIIおよびBstEII(またはKpnI)で切断し得、そして3−23ドメインの残りを含む、同様に切断されたベクターに連結され得る。好ましくは、このベクターはすでに、本明細書中に開示されるようなCDR1およびCDR2の一方または両方において多様性を含む。最も好ましくは、これは、CDR1領域およびCDR2領域の両方において多様性を含む。もちろん、種々の多様性が、任意の順序でベクター中に組み込まれ得ることが理解されるべきである。
【0057】
好ましくは、受容側のベクターは、元々、CDR1、CDR2およびCDR3の場所にスタッファー(stuffer)を含み、その結果、得られたライブラリー中に続いて生じる親配列は存在しない。表6は、各CDRが、終止コドンおよびスタッファーが除去されていない任意のベクターの特異的な切断を可能にする制限部位の両方を含む短いセグメントによって置換された、V3−23遺伝子セグメントのバージョンを示す。スタッファーは、短いか、最終ライブラリー中に生じない制限酵素部位を含むかのどちらでもよく、AflIIおよびBstEII(またはKpnI)の両方によって切断されず、再連結されないベクターの除去を可能にする。あるいは、このスタッファーは、200〜400塩基長であり得、その結果、切断されないかまたは1回切断されたベクターは、二重に切断されたベクターから容易に分離され得る。
【0058】
(ヒト抗体軽鎖:配列および長さの多様性)
((i)κ鎖)
((a)フレームワーク)
本発明の好ましい実施形態において、κ軽鎖は、JK1領域と共にA27フレームワークに構築される。これらは、ネイティブな遺伝子において最も一般的なV領域およびJ領域である。しかし、他のフレームワーク(例えば、O12、L12およびA11)および他のJ領域(例えば、JK4)は、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0059】
((b)CDR1)
ネイティブなヒトκ鎖において、11、12、13、16および17の長さを有するCDR1が観察され、長さ11が優勢であり、そして長さ12が十分に示される。従って、本発明の好ましい実施形態において、長さ11および長さ12のLC CDR1は、単独でか、またはネイティブな抗体において観察される混合と類似の混合で使用され、長さ11が最も好ましい。長さ11は、以下の配列:RASQ<1>V<2><2><3>LAを有し、そして長さ12は、以下の配列:RASQ<1>V<2><2><2><3>LAを有する。ここで、<1>は、C以外のネイティブなアミノ酸残基全ての等モルの混合であり、<2>は、Sが0.2およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044であり、そして<3>は、Yが0.2およびA、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、WおよびYの各々が0.044である。本発明の最も好ましい実施形態において、両方のCDR1の長さが使用される。好ましくは、これらは、11:12::154:73::0.68:0.32の比で存在する。
【0060】
((c)CDR2)
ネイティブのκにおいて、CDR2は、長さ7のみを示す。この長さは、本発明の好ましい実施形態において使用される。これは、配列<1>AS<2>R<4><1>を有し、ここで<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合であり;<2>は、Sが0.2およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.004であり、そして<4>は、Aが0.2およびDEFGHIKLMNPQRSTUWYの各々が0.044である。
【0061】
(d)CDR3
ネイティブなκにおいて、CDR3は、1、4、6、7、8、9、10、11、12、13および19の長さを示す。これらの長さのいずれかおよびこれらの混合物は、本発明において使用され得るが、長さ8、9および10が好ましく、長さ9が最も好ましい。好ましい長さ9について、その配列は、QQ<3><1><1><1>P<1>Tであり、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり、そして<3>は、Yが0.2およびADEFGHIKLMNPQRSVWの各々が0.044である。長さ8は、好ましくは、QQ33111Pであり、そして長さ10は、好ましくはQQ3211PP1Tであり、ここで、1および3は、長さ9で規定されたものであり、そして2は、S(0.2)およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044である。3つの長さ全ての混合物が、最も好ましい(ネイティブな抗体における比)(すなわち、8:9:10::28:166:63::0.1:0.65:0.25である)。
【0062】
表7は、placZプロモーター(リボソーム結合部位およびシグナル配列(M13
IIIシグナル))を含む本発明のκ鎖遺伝子を示す。DNA配列は、GLGアミノ酸配列をコードするが、GLG DNA配列を含まない。制限部位は、各フレームワーク領域内に含まれるように設計され、その結果、多様性がCDR中にクローニングされ得る。XmaIおよびEspIはFR1内に、SexAIはFR2内に、RsrIIはFR3内に、そしてKpnI(またはAcc65I)はFR4内にある。さらなる部位が、この遺伝子の構築を容易にするために、定常κ鎖内に提供される。
【0063】
表7はまた、κについての適切な多彩性(variegation)スキームを示す。CDR1において、最も好ましい長さ11が示される。しかし、最も好ましい長さ11および12の両方が使用される。CDR1中の長さ12は、<2>(すなわち、Serバイアス混合物)としてコドン51を導入することによって構築され得る。κのCDR2は、常に7コドンである。表7は、CDR2について好ましい多彩性スキームを示す。表7は、最も好ましいCDR3(長さ9)についての多彩性スキームを示す。同様の多彩性が、長さ8および10のCDRについて使用され得る。本発明の好ましい実施形態において、これら3つの長さ(8、9および10)は、上記のように、ネイティブな比率で本発明のライブラリー中に含まれる。
【0064】
表9は、表7に示されるκ鎖多様性を構築するために使用され得る、オリゴヌクレオチドおよびプライマーの一連の多様性を示す。
【0065】
(ii)λ鎖
(a)フレームワーク
λ鎖は、好ましくはL2J領域を用いて2a2フレームワーク中に作製され得る。これらは、最も一般のネイティブな遺伝子におけるV領域およびJ領域である。しかし、他のフレームワーク(例えば、31、4b、1aおよび6a)および他のJ領域(例えば、L1J、L3JおよびL7J)は、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0066】
(b)CDR1
ネイティブなヒトλ鎖において、長さ14を有するCDR1が優勢であるが、長さ11、12および13もまた生じる。これらの長さのいずれかが本発明において使用され得るが、長さ11および14が好ましい。長さ11について、その配列は:TG<2><4>L<4><4><4><3><4><4>であり、そして長さ14について、その配列は:TG<1>SS<2>VG<1><3><2><3>VSであり、ここで、<1>は、Tが0.27、Gが0.27およびADEFHIKLMNPQRSVWYの各々が0.027であり;<2>は、Dが0.27、Nが0.27およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり;<3>は、Yが0.36およびADEFGHIKLMNPQRSTVWの各々が0.0355であり;そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物である。最も好ましくは、混合物(ネイティブな抗体中に生じるものと類似)(好ましくは、これら3つの長さの比が11:14::23:46::0.33:0.67である)が使用される。
【0067】
(c)CDR2
ネイティブなヒトλ鎖において、長さ7を有するCDR2が、はるかに一般的である。この長さは、本発明において好ましい。この長さ7のCDR2の配列は、<4><4><4><2>RPSであり、ここで、<2>は、Dが0.27、Nが0.27およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり;そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWの等モル混合物である。
【0068】
(d)CDR3
ネイティブなヒトλ鎖において、長さ10および11のCDR3が優勢であるが、長さ9もまた一般的である。これら3つの長さのいずれかが本発明において使用され得る。長さ11が好ましく、そして10および11の混合物がより好ましい。長さ11の配列は:<4><5><4><2><4>S<4><4><4><4>Vであり、ここで、<2>および<4>は、λCDR1について規定したものであり、そして<5>は、Sが0.36およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.0355である。長さ10の配列は:<5>SY<1><5>S<5><1><4>Vであり、ここで、<1>は、ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;そして<4>および<5>は、長さ11について規定したものである。本発明の好ましい混合物としては、長さ10および11の等モル混合物が挙げられる。表8は、本発明に従う、好ましい重点的なλ軽鎖多様性を示す。
【0069】
表9は、表7に示されたλ鎖多様性を構築するために使用され得る、一連の多様性オリゴヌクレオチドおよびプライマーを示す。
【0070】
(遺伝的パッケージの構築方法)
別々のベクターに構築される重鎖ならびにκ軽鎖およびλ軽鎖の多様性が、最良である。第一に、合成遺伝子を設計して、合成可変ドメインの各々を具体化する。軽鎖は、ApaLI(シグナル配列のまさに末端に位置する)およびAscI(終止コドンの後ろに位置する)に対する制限部位によって結合される。重鎖は、SfiI(PelBシグナル配列内に位置する)およびNotI(CH1とアンカータンパク質との間のリンカー中に位置する)によって結合される。PelB以外のシグナル配列(例えば、M13 pIIIシグナル配列)もまた必要であり得る。
【0071】
最初の遺伝子を、所望のCDRの代わりに「スタッファー(stuffer)」配列を用いて作成する。「スタッファー」は、裁断されて多様なDNAによって置換されるべき配列であるが、機能的抗体遺伝子の発現を可能にしない。例えば、スタッファーは、正確に完成したライブラリーベクターを生じない、いくつかの終止コドンおよび制限部位を含み得る。例えば、表10には、κA27のCDR1についてのスタッファーは、StuI部位を含む。CDR1についてのvgDNAは、EspI、XmaIまたはAflII〜SexAIまたはKasIのいずれかのカセットとして導入される。連結後、DNAは、StuIで切断され;所望のベクター中にはStuI部位は存在すべきではない。
【0072】
スタッファーを有する重鎖遺伝子の配列が、表6に示される。スタッファーを有するκ軽鎖遺伝子の配列が、表10に示される。スタッファーを有するλ軽鎖遺伝子の配列が、表11に示される。
【0073】
本発明の別の実施形態において、重鎖およびκ軽鎖またはλ軽鎖の多様性は、これらの鎖のクローニングを可能にする適切な制限部位を有する単一のベクターまたは遺伝的パッケージ中に構築される(例えば、表示または表示および発現のために)。このようなベクターを構築するためのプロセスは、当該分野において周知であり、そして広範に用いられている。好ましくは、重鎖およびκ軽鎖のライブラリー、ならびに重鎖およびλ軽鎖のライブラリーは、単独に好ましい。次いで、最も好ましくは、2つのライブラリーを等モル量で混合して、最大の多様性を得る。
【0074】
最も好ましくは、表示が、M13ファージの誘導体の表面上に有される。最も好ましいベクターは、M13の全ての遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、および表示カセットを含む。好ましいベクターは、カセットとして遺伝子の多様なファミリーのメンバーを導入および切除を可能にする制限部位を有して提供される。好ましいベクターは、増幅ファージに用いられる増殖条件下での再配列に対して安定である。
【0075】
本発明の別の実施形態において、本発明の方法によって捕捉される多様性は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を表示および/または発現するファージミドベクター(例えば、pCES1)中で、表示および/または発現され得る。このようなベクターをまた使用して、他のベクターまたはファージを使用する次の表示および/または発現についての多様性を保存し得る。
【0076】
本発明の別の実施形態において、本発明の方法によって捕捉された多様性は、酵母ベクター中で表示および/または発現され得る。
【0077】
【表1】



表2:ヒトHCのCDR1を多彩にするために使用したオリゴヌクレオチド
【0078】
【表2】

表3:ヒトHCのCDR2を多彩にするために使用したオリゴヌクレオチド
【0079】
【表3】


表4:HC CDR3の好ましい成分
【0080】
【表4】

表5:HC CDR3の8成分を多彩にするために使用したオリゴヌクレオチド
【0081】
【表5】

CtprmAの3’末端側の20塩基は、各vgDNA分子の最も5’側の20塩基と同一である。
Ctop25は、CtprmAの最も5’側の25塩基と同一である。
CBprmBの最も3’側の23塩基は、各vgDNA分子の最も3’側の23塩基の逆相補体である。
CBot25は、CBprmBの5’末端の25塩基と同一である。
【0082】
【表5A】





【0083】
【表6】



【0084】
【表7】









【0085】
【表8】







【0086】
【表9】





【0087】
【表10】





【0088】
【表11】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択される重鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)<1><1><1>であって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物である、<1><1><1>
(2)(S/T)(S/G/X)(S/G/X)(S/G/X)であって、ここで、(S/T)は、S残基およびT残基の1:1混合物であり、(S/G/X)は、Sが0.2025、Gが0.2025、ならびにアミノ酸残基A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、およびYの各々が0.035の混合物である、(S/T)(S/G/X)(S/G/X)(S/G/X)
(3)V<1><1><1>10111213<1>14であって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物である、V<1><1><1>10111213<1>14;ならびに
(4)上記DNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【請求項2】
請求項1に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、重鎖CDR1(1)、(2)、および(3)が、比0.80:0.17:0.02で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項3】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択される重鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)<2>I<2><3>SGG<1>T<1>YADSVKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;<2>は、アミノ酸残基Y、R、W、V、G、およびSの各々の等モル混合物であり;そして<3>は、アミノ酸残基P、S、およびGの各々の等モル混合物であるかまたはPおよびSの等モル混合物である、<2>I<2><3>SGG<1>T<1>YADSVKG;
(2)<1>I<4><1><1>G<5><1><1><1>YADSVKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;<4>は、残基D、I、N、S、W、Yの等モル混合物であり;そして<5>は、残基S、G、D、およびNの等モル混合物である、<1>I<4><1><1><G><5><1><1><1>YADSVKG;
(3)<1>I<4><1><1>G<5><1><1>YNPSLKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;そして<4>および<5>は、上記に規定される通りである、<1>I<4><1><1>G<5><1><1>YNPSLKG;
(4)<1>I<8>S<1><1><1>GGYY<1>YAASVKGでここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;そして<8>は、Rが0.27、ならびにADEFGHIKLMNPQSTVWYの各々が0.027である、<1>I<8>S<1><1><1>GGYY<1>YAASVKG;ならびに
(5)上記DNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【請求項4】
請求項3に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、重鎖CDR2(1)/(2)(等モル)、(3)、および(4)の混合物が、比0.54:0.43:0.03で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項5】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択される重鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)YYCA21111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA21111YFDYWG;
(2)YYCA2111111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA2111111YFDYWG;
(3)YYCA211111111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA211111111YFDYWG;
(4)YYCAR111S2S3111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、SおよびGの等モル混合物であり;そして3は、YおよびWの等モル混合物である、YYCAR111S2S3111YFDYWG;
(5)YYCA2111CSG11CY1YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA2111CSG11CY1YFDYWG;
(6)YYCA211S1TIFG11111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA211S1TIFG11111YFDYWG;
(7)YYCAR111YY2S3344111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、DおよびGの等モル混合物であり;そして3は、SおよびGの等モル混合物である、YYCAR111YY2S3344111YFDYWG;
(8)YYCAR1111YC2231CY111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;2は、SおよびGの等モル混合物であり;そして3は、T、DおよびGの等モル混合物である、YYCAR1111YC2231CY111YFDYWG;ならびに
(9)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【請求項6】
請求項5に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、重鎖CDR3(1)〜(8)のうちの1つまたはすべてにおける1が、GおよびYの各々が0.095、ならびにA、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、およびWの各々が0.048である、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、重鎖CDR3(1)〜(8)が、以下の比:
(1)0.10
(2)0.14
(3)0.25
(4)0.13
(5)0.13
(6)0.11
(7)0.04および
(8)0.10
で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、重鎖CDR3(1)〜(8)が、以下の比:
(1)0.02
(2)0.14
(3)0.25
(4)0.14
(5)0.14
(6)0.12
(7)0.08および
(8)0.11
で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項9】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるκ軽鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)RASQ<1>V<2><2><3>LA
(2)RASQ<1>V<2><2><2><3>LAであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<2>は、Sが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044であり;そして<3>は、Yが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWおよびYの各々が0.044である、RASQ<1>V<2><2><2><3>LA;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【請求項10】
請求項9に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、CDR1(1)および(2)が、比0.68:0.32で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項11】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、κ軽鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられ、該κ軽鎖CDR1は、配列:
<1>AS<2>R<4><1>
を有し、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<2>は、Sが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044であり;そして<4>は、Aが0.2、ならびにDEFGHIKLMNPQRSTVWYの各々が0.044である、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項12】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるκ軽鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)QQ<3><1><1><1>P<1>Tであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<3>は、Yが0.2、およびADEFGHIKLMNPQRTVWの各々が0.044である、QQ<3><1><1><1>P<1>T;
(2)QQ33111Pであって、ここで、1および3は、上記(1)に規定される通りである、QQ33111P;
(3)QQ3211PP1Tであって、ここで、1および3は、上記(1)に規定される通りであり、そして2は、Sが0.2、およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044である、QQ3211PP1T;ならびに
(4)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【請求項13】
請求項12に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、CDR3(1)、(2)、および(3)が、比0.65:0.1:0.25で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項14】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるλ軽鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)TG<1>SS<2>VG<1><3><2><3>VSであって、ここで、<1>は、Tが0.27、Gが0.27、およびADEFHIKLMNPQRSVWYの各々が0.027であり、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり、そして<3>は、Yが0.36、およびADEFGHIKLMNPQRSTVWの各々が0.036である、TG<1>SS<2>VG<1><3><2><3>VS;
(2)G<2><4>L<4><4><4><3><4><4>であって、ここで、<2>は、上記(1)に規定される通りであり、そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物である、G<2><4>L<4><4><4><3><4><4>;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【請求項15】
請求項14に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、CDR1(1)および(2)が、比0.67:0.33で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項16】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、λ軽鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられ、該λ軽鎖CDR2は、配列:
<4><4><4><2>RPS
を有し、ここで、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり、そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWの等モル混合物である、
焦点を合わせたライブラリー。
【請求項17】
ヒト抗体関連ペプチド、ヒト抗体関連ポリペプチド、およびヒト抗体関連タンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示するか、提示しかつ発現するか、または含み、かつ該抗体ファミリーの多様性の少なくとも一部を集合的に提示するか、提示しかつ発現するか、または含む、ベクターまたは遺伝的パッケージの焦点を合わせたライブラリーであって、該ベクターまたは遺伝的パッケージは、以下からなる群より選択されるλ軽鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列により特徴付けられる、焦点を合わせたライブラリー:
(1)<4><5><4><2><4>S<4><4><4><4>Vであって、ここで、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり;<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWの等モル混合物であり;そして<5>は、Sが0.36、およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.0355である、<4><5><4><2><4>S<4><4><4><4>V;
(2)<5>SY<1><5>S<5><1><4>Vであって、ここで<1>は、ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;そして<4>および<5>は、上記(1)にて規定される通りである、<5>SY<1><5>S<5><1><4>V;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物。
【請求項18】
請求項17に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、CDR3(1)および(2)が、等モル混合物の状態で該ライブラリー中に存在する、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項19】
請求項1または請求項2に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、以下:
(1)請求項3または請求項4にて規定される重鎖CDR2のうちの1つ以上;
(2)請求項5、請求項6、請求項7、または請求項8にて規定される重鎖CDR3のうちの1つ以上;ならびに
(3)(1)および(2)により特徴付けられるベクターまたは遺伝的パッケージの混合物;
からなる群より選択される重鎖CDRをコードする多彩なDNA配列をさらに含む、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項20】
請求項3に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、請求項5、請求項6、請求項7、または請求項8にて規定される群から選択される1つ以上の重鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列をさらに含む、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項21】
請求項19または20に記載の焦点を合わせたライブラリーであって、以下:
(1)請求項9または請求項10にて規定されるκ軽鎖CDR1のうちの1つ以上;
(2)請求項11にて規定されるκ軽鎖CDR2;
(3)請求項12または請求項13にて規定されるκ軽鎖CDR3のうちの1つ以上;
(4)請求項14または請求項15にて規定されるκ軽鎖CDR1のうちの1つ以上;
(5)請求項16にて規定されるλ軽鎖CDR2;
(6)請求項17または請求項18にて規定されるλ軽鎖CDR3のうちの1つ以上;ならびに
(7)(1)〜(6)のうちの1つ以上により特徴付けられるベクターおよび遺伝的パッケージの混合物;
からなる群より選択される軽鎖CDRをコードする多彩なDNA配列をさらに含む、焦点を合わせたライブラリー。
【請求項22】
以下からなる群より選択される重鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列の集団:
(1)<1><1><1>であって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物である、<1><1><1>
(2)(S/T)(S/G/X)(S/G/X)(S/G/X)であって、ここで、(S/T)は、S残基およびT残基の1:1混合物であり、(S/G/X)は、Sが0.2025、Gが0.2025、ならびにアミノ酸残基A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、およびYの各々が0.035の混合物である、(S/T)(S/G/X)(S/G/X)(S/G/X)
(3)V<1><1><1>10111213<1>14であって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物である、V<1><1><1>10111213<1>14;ならびに
(4)上記DNA配列のいずれかにより特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物。
【請求項23】
請求項22に記載の多彩なDNA配列の集団であって、重鎖CDR1(1)、(2)、および(3)が、比0.80:0.17:0.02で該集団中に存在する、集団。
【請求項24】
以下からなる群より選択される重鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列の集団:
(1)<2>I<2><3>SGG<1>T<1>YADSVKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;<2>は、アミノ酸残基Y、R、W、V、G、およびSの各々の等モル混合物であり;そして<3>は、アミノ酸残基P、S、およびGの各々の等モル混合物であるかまたはPおよびSの等モル混合物である、<2>I<2><3>SGG<1>T<1>YADSVKG;
(2)<1>I<4><1><1>G<5><1><1><1>YADSVKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;<4>は、残基D、I、N、S、W、Yの等モル混合物であり;そして<5>は、残基S、G、D、およびNの等モル混合物である、<1>I<4><1><1><G><5><1><1><1>YADSVKG;
(3)<1>I<4><1><1>G<5><1><1>YNPSLKGであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;そして<4>および<5>は、上記に規定される通りである、<1>I<4><1><1>G<5><1><1>YNPSLKG;
(4)<1>I<8>S<1><1><1>GGYY<1>YAASVKGでここで、<1>は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々の等モル混合物であり;そして<8>は、Rが0.27、およびADEFGHIKLMNPQSTVWYの各々が0.027である、<1>I<8>S<1><1><1>GGYY<1>YAASVKG;ならびに
(5)上記DNA配列のいずれかにより特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物。
【請求項25】
請求項24に記載の多彩なDNA配列の集団であって、重鎖CDR2(1)/(2)(等モル)、(3)、および(4)の混合物が、比0.54:0.43:0.03で該集団中に存在する、集団。
【請求項26】
以下からなる群より選択される重鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列の集団:
(1)YYCA21111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA21111YFDYWG;
(2)YYCA2111111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA2111111YFDYWG;
(3)YYCA211111111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA211111111YFDYWG;
(4)YYCAR111S2S3111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、SおよびGの等モル混合物であり;そして3は、YおよびWの等モル混合物である、YYCAR111S2S3111YFDYWG;
(5)YYCA2111CSG11CY1YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA2111CSG11CY1YFDYWG;
(6)YYCA211S1TIFG11111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;そして2は、KおよびRの等モル混合物である、YYCA211S1TIFG11111YFDYWG;
(7)YYCAR111YY2S3344111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;2は、DおよびGの等モル混合物であり;そして3は、SおよびGの等モル混合物である、YYCAR111YY2S3344111YFDYWG;
(8)YYCAR1111YC2231CY111YFDYWGであって、ここで、1は、アミノ酸残基A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの各々等モル混合物であり;2は、SおよびGの等モル混合物であり;そして3は、T、DおよびGの等モル混合物である、YYCAR1111YC2231CY111YFDYWG;ならびに
(9)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物。
【請求項27】
請求項26に記載の多彩なDNA配列の集団であって、重鎖CDR3(1)〜(8)のうちの1つまたはすべてにおける1が、GおよびYの各々が0.095であり、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、およびWの各々が0.048である、集団。
【請求項28】
請求項26または請求項27に記載の多彩なDNA配列の集団であって、重鎖CDR3(1)〜(8)が、以下の比:
(1)0.10
(2)0.14
(3)0.25
(4)0.13
(5)0.13
(6)0.11
(7)0.04および
(8)0.10
で該集団中に存在する、集団。
【請求項29】
請求項26または請求項27に記載の多彩なDNA配列の集団であって、重鎖CDR3(1)〜(8)が、以下の比:
(1)0.02
(2)0.14
(3)0.25
(4)0.14
(5)0.14
(6)0.12
(7)0.08および
(8)0.11
で該集団中に存在する、集団。
【請求項30】
以下からなる群より選択されるκ軽鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列の集団:
(1)RASQ<1>V<2><2><3>LA
(2)RASQ<1>V<2><2><2><3>LAであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<2>は、Sが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044であり;そして<3>は、Yが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWおよびYの各々が0.044である、RASQ<1>V<2><2><2><3>LA;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物。
【請求項31】
請求項30に記載の多彩なDNA配列の集団であって、CDR1(1)および(2)が、比0.68:0.32で該集団中に存在する、集団。
【請求項32】
κ軽鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列の集団であって、該κ軽鎖CDR1は、配列:
<1>AS<2>R<4><1>
を有し、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<2>は、Sが0.2、ならびにADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044であり;そして<4>は、Aが0.2、ならびにDEFGHIKLMNPQRSTVWYの各々が0.044である、集団。
【請求項33】
以下からなる群より選択されるκ軽鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列の集団:
(1)QQ<3><1><1><1>P<1>Tであって、ここで、<1>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;<3>は、Yが0.2、およびADEFGHIKLMNPQRTVWの各々が0.044である、QQ<3><1><1><1>P<1>T;
(2)QQ33111Pであって、ここで、1および3は、上記(1)に規定される通りである、QQ33111P;
(3)QQ3211PP1Tであって、ここで、1および3は、上記(1)に規定される通りであり、そして2は、Sが0.2、およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々が0.044である、QQ3211PP1T;ならびに
(4)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物。
【請求項34】
請求項33に記載の多彩なDNA配列の集団であって、CDR3(1)、(2)、および(3)が、比0.65:0.1:0.25で該集団中に存在する、集団。
【請求項35】
以下からなる群より選択されるλ軽鎖CDR1をコードする多彩なDNA配列の集団:
(1)TG<1>SS<2>VG<1><3><2><3>VSであって、ここで、<1>は、Tが0.27、Gが0.27、およびADEFHIKLMNPQRSVWYの各々が0.027であり、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり、そして<3>は、Yが0.36、およびADEFGHIKLMNPQRSTVWの各々が0.036である、TG<1>SS<2>VG<1><3><2><3>VS;
(2)G<2><4>L<4><4><4><3><4><4>であって、ここで、<2>は、上記(1)に規定される通りであり、そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物である、G<2><4>L<4><4><4><3><4><4>;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物。
【請求項36】
請求項35に記載の多彩なDNA配列の集団であって、CDR1(1)および(2)が、比0.67:0.33で該集団中に存在する、集団。
【請求項37】
λ軽鎖CDR2をコードする多彩なDNA配列の集団であって、該λ軽鎖CDR2は、配列:
<4><4><4><2>RPS
を有し、ここで、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり、そして<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWの等モル混合物である、
集団。
【請求項38】
以下からなる群より選択されるλ軽鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列の集団:
(1)<4><5><4><2><4>S<4><4><4><4>Vであって、ここで、<2>は、Dが0.27、Nが0.27、およびAEFGHIKLMPQRSTVWYの各々が0.027であり;<4>は、アミノ酸残基ADEFGHIKLMNPQRSTVWの等モル混合物であり;そして<5>は、Sが0.36、およびADEFGHIKLMNPQRTVWYの各々Sが0.0355である、<4><5><4><2><4>S<4><4><4><4>V;
(2)<5>SY<1><5>S<5><1><4>Vであって、ここで<1>は、ADEFGHIKLMNPQRSTVWYの等モル混合物であり;そして<4>および<5>は、上記<1>にて規定される通りである、<5>SY<1><5>S<5><1><4>V;ならびに
(3)上記のDNA配列のいずれかにより特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物。
【請求項39】
請求項38に記載の多彩なDNA配列の集団であって、CDR3(1)および(2)が、等モル混合物の状態で該集団中に存在する、集団。
【請求項40】
請求項22または請求項23に記載の多彩なDNA配列の集団であって、以下:
(1)請求項24または請求項25にて規定される重鎖CDR2のうちの1つ以上;
(2)請求項26、請求項27、請求項28、または請求項29にて規定される重鎖CDR3のうちの1つ以上;ならびに
(3)(1)および(2)により特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物;からなる群より選択される重鎖CDRをコードする多彩なDNA配列をさらに含む、集団。
【請求項41】
請求項24に記載の多彩なDNA配列の集団であって、請求項26、請求項27、請求項28、または請求項29にて規定される群から選択される1つ以上の重鎖CDR3をコードする多彩なDNA配列をさらに含む、集団。
【請求項42】
請求項40または41に記載の多彩なDNA配列の集団であって、以下:
(1)請求項30または請求項31にて規定されるκ軽鎖CDR1のうちの1つ以上;
(2)請求項32にて規定されるκ軽鎖CDR2;
(3)請求項33または請求項34にて規定されるκ軽鎖CDR3のうちの1つ以上;
(4)請求項35または請求項36にて規定されるκ軽鎖CDR1のうちの1つ以上;
(5)請求項37にて規定されるλ軽鎖CDR2;
(6)請求項38または請求項39にて規定されるλ軽鎖CDR3のうちの1つ以上;ならびに
(7)(1)〜(6)のうちの1つ以上により特徴付けられる多彩なDNA配列の混合物;
からなる群より選択される軽鎖CDRをコードする多彩なDNA配列をさらに含む、集団。
【請求項43】
請求項22〜42のうちのいずれか1項に記載の多彩なDNA配列を含む、ベクターの集団。

【公開番号】特開2008−183014(P2008−183014A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99833(P2008−99833)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【分割の表示】特願2002−561628(P2002−561628)の分割
【原出願日】平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願人】(502352519)ダイアックス、コープ (16)
【氏名又は名称原語表記】DYAX CORP.
【Fターム(参考)】