部材嵌合用治具
【課題】構造物の壁の表面を覆って補強する構造物壁の補強工法に用いられ、作業スペースの狭い環境であっても、容易に補強部材の組み立てを行うことができる部材嵌合用冶具を提供する。
【解決手段】上記部材嵌合用冶具は、連結用孔61に係止するための第1係止部22a及び連結部材に係止するための第2係止部22bのうちの少なくともいずれか1つを一端部に形成した係止部22を備えている。また、係止部22の他端部に形成された把持操作用レバー部21と、係止部22と把持操作用レバー部21との間に形成され、係止部22を支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13のうちの少なくともいずれか1つを、補強用リンク11に嵌合するための当接部とを備えている。
【解決手段】上記部材嵌合用冶具は、連結用孔61に係止するための第1係止部22a及び連結部材に係止するための第2係止部22bのうちの少なくともいずれか1つを一端部に形成した係止部22を備えている。また、係止部22の他端部に形成された把持操作用レバー部21と、係止部22と把持操作用レバー部21との間に形成され、係止部22を支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13のうちの少なくともいずれか1つを、補強用リンク11に嵌合するための当接部とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の壁の表面を覆って補強する構造物壁の補強工法に用いられる部材嵌合用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に形成されており電力ケーブル等が収容される用途などに用いられる人孔を補強する工法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この特許文献1に記載の人孔補強工法は、人孔の内面に繊維シートを貼り付け、当該繊維シートの上にモルタルを塗布し、このモルタルの上に繊維シートを貼り付けて、この中間部のモルタルを上述する両側の繊維シートで挟み込んで3層構造となる繊維シートとモルタルを併用した人孔の補強工法である。また、特許文献2に記載の老朽人孔の更生工法は、人孔の内面に繊維シートを貼り付け、この繊維シートの隅角部の上にモルタルを塗布して2層構造とし、隅角部と隅角部との間の中央部は繊維シートのみとした老朽人孔の更生工法である。
【0003】
また、劣化の進んだ大口径の下水道管路や雨水管路、あるいは各種交通機関などに使用されるトンネル等の補修を行うのに適した工法が知られている(例えば、特許文献3参照)。この工法は、管路内に搬入可能な複数の補強部材を用いて当該既設管内面に略沿った中空骨組み状補強体を組み立て、その補強体の内側に複数の内面部材を取り付けて既設管路の筒長方向に沿って筒状に組み立てた後、その内面部材と既設管内面との間の空隙内に硬化性充填材を注入する既設管路の補修工法である。
【0004】
【特許文献1】特開2003−155755号公報
【特許文献2】特開2005−48399号公報
【特許文献3】特開2001−311387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された人孔補強工法や特許文献2に記載された老朽人孔の更生工法は、人孔のような狭い作業スペースであっても補強構造を構築することができるが、例えば、この人孔内の壁面に沿って電力ケーブル等が収容されている場合、その収容状態によっては、作業員の壁面へのアクセスが容易でない場合がある。また、人孔のような狭い作業スペースでは、作業の効率向上が望まれる。
【0006】
また、特許文献3に記載された既設管路の補修工法は、作業環境の広い大口径の下水道管路やトンネル等の補修には非常に有効な工法である。しかし、内面部材を補強部材に嵌合する作業は、木製ハンマーや金属性ハンマー等を用いるのが一般的であり、人孔のような作業スペースの狭い箇所においては、内面部材を補強部材に嵌合する作業性が良いとは言えない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業スペースの狭い環境であっても、容易に補強部材の組み立てを行うことができる部材嵌合用冶具を提供することにある。これにより、作業の効率を従来よりも向上させることができる。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明に係る部材嵌合用冶具は、複数の連結用孔と長手方向片側に配置される複数の第1嵌合部とが設けられた補強用リンクと、前記補強用リンクを連結するための連結部材と、前記第1嵌合部に嵌合される第1嵌合部材と、前記補強用リンク及び前記第1嵌合部材により形成される第2嵌合部に嵌合される第2嵌合部材と、を備えるフレーム体により構造物の壁の表面を覆って補強する構造物壁の補強工法に用いられる部材嵌合用冶具に関する。そして、本発明に係る部材嵌合用冶具は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の部材嵌合用冶具は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る部材嵌合用冶具における第1の特徴は、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを前記補強用リンクに嵌合するための部材嵌合用冶具であって、前記連結用孔に係止するための第1係止部及び前記連結部材に係止するための第2係止部のうちの少なくともいずれか1つを一端部に形成した係止部と、前記係止部の他端部に形成された把持操作用レバー部と、前記係止部と前記把持操作用レバー部との間に形成され、前記係止部を支点に前記把持操作用レバー部を回転操作して、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部のうちの少なくともいずれか1つの対応する嵌合部に嵌合するための当接部と、を備えていることである。
【0010】
この構成によると、いわゆる、てこのしくみを利用して小さな力で上記第1嵌合部材及び上記第2嵌合部材をそれぞれ補強用リンクに嵌合させることができるので、例えば、木製ハンマーや金属性ハンマー等を振り回して打撃により嵌合させる場合に比較して、作業スペースの狭い環境であっても、作業の効率を向上させることができる。また、第1嵌合部材を補強用リンクに嵌合するための第1部材嵌合用冶具と、第2嵌合部材を補強用リンクに嵌合するための第2部材嵌合用冶具とを兼用できる部材嵌合用冶具とすることもできる。したがって、作業スペースの狭い環境であっても容易に補強部材の組み立てを行うことができ、作業の効率を従来よりも向上させることができる。尚、電力ケーブル等が収容された洞道(とうどう)や人孔などのように、障害物があり作業スペースの狭い構造物の壁に本発明を適用することができるが、必ずしも上記のような障害物のある構造物に限らず、作業スペースが狭い等の作業環境の良くない構造物の壁に対しても本発明を適用することができる。
【0011】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第2の特徴は、前記部材嵌合用冶具は、前記第1嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第1部材嵌合用冶具であって、前記第1係止部には、前記連結用孔に嵌合可能な突起部が形成され、前記第2係止部には、前記連結部材に係止可能なフック部が形成され、前記係止部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して一方の直角方向片側に前記第1係止部と、対向する他方の直角方向片側に前記第2係止部とを備え、前記当接部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して前記直角方向両側に形成されていることである。
【0012】
この構成によると、この第1部材嵌合用冶具は、第1係止部と第2係止部とをいずれも備えているため、補強用リンクに設けられた連結用孔に係止することもできるし、また、補強用リンクを連結するための連結部材に係止することもできるので作業環境・作業状況に合わせて適宜係止先を選択することが可能となる。したがって、作業の効率を向上させることができる。また、第1嵌合部材用に専用の取付具とすることで、上記当接部と第1嵌合部材との当接具合をより適切にすることができる。
【0013】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第3の特徴は、前記当接部は、前記係止部から離れるにつれて前記把持操作用レバー部の長手方向に対し広がる方向に傾斜していることである。
【0014】
この構成によると、上記係止部を支点に把持操作用レバー部を回転操作して、第1嵌合部材もしくは第2嵌合部材を、それぞれ対応する第1嵌合部もしくは第2嵌合部に押し込んだ際、把持操作用レバー部と、補強用リンクや連結部材との間に一定の空間ができるので、把持操作用レバー部と、補強用リンクや連結部材との間に作業員の手が挟み込まれることを防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第4の特徴は、前記部材嵌合用冶具は、前記第2嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第2部材嵌合用冶具であって、前記当接部は、前記補強用リンクに係止するための前記第1係止部及び前記第2係止部のうちのいずれか1つを一端部に設けた第2嵌合部材当接板に形成され、前記把持操作用レバー部は、前記第2嵌合部材当接板とは異なる部材として形成され、前記第2嵌合部材当接板を連結固定するための複数のレバー側孔が片側に設けられた第2把持操作用レバーであり、前記第2嵌合部材当接板には、前記第2把持操作用レバーを複数の取り付け角度で連結固定するための複数の当接板側孔が設けられ、前記レバー側孔のうちの少なくとも1つの孔が長孔であることである。
【0016】
この構成によると、第2部材嵌合用冶具を第2把持操作用レバーと、第2嵌合部材当接板との2つの部品に分けて、互いに複数の角度で連結することができるようにすることで、作業状態に応じて第2把持操作用レバーを回転操作し易いように第2把持操作用レバーの角度調整をすることができる。また、第2嵌合部材用に専用の取付具とすることで、第2嵌合部材当接板と、構造物の補強面を形成する第2嵌合部材との当接具合をより適切にすることができる。
【0017】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第5の特徴は、前記第1係止部は、前記連結用孔に嵌合可能な突起部を備えていることである。
【0018】
この構成によると、第2部材嵌合用冶具を補強用リンクに設けられた連結用孔を利用して容易に係止することができるので、この係止部を支点に第2把持操作用レバーを回転操作して、構造物の補強面を形成する第2嵌合部材を補強用リンクに容易に嵌合することができる。
【0019】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第6の特徴は、前記第2係止部は、前記連結部材に係止可能なフック部を備えていることである。
【0020】
この構成によると、第2部材嵌合用冶具を、補強用リンクを連結するための連結部材を利用して容易に係止することができるので、この係止部を支点に第2把持操作用レバーを回転操作して、構造物の補強面を形成する第2嵌合部材を補強用リンクに容易に嵌合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明の部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の補強工法は、構造物の壁の表面を覆って補強するものとして広く用いることができるものである。例えば、各種管路や洞道、人孔、トンネル等の地中に形成されている孔構造の内壁として設けられている構造物の壁に適用することができる。そして、特に、電力ケーブル等が多数配置されている洞道や人孔などのように作業スペースの狭い孔構造における構造物の壁を補強する場合に有効となる。また、必ずしも孔構造に限らず、孔構造以外において設けられて補強部材の組み立てや配置が困難な作業環境における構造物の壁に対しても有効に本構造物壁の補強工法を適用することができる。
【0022】
図1は、本発明に係る部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の補強工法が人孔120内に施された状態を一部切欠き断面とともに示す概略の斜視図である。図2は、この構造物壁の補強工法によって人孔120の壁面に沿って構築される図1に示すフレーム体1の概略の斜視図である。本発明に係る部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の補強工法を行うことにより、図1及び図2に示すように、補強用リンク11と、第1嵌合部材12と、第2嵌合部材13と、を備えたフレーム体1と、内面補強層15とが形成され、これらにより人孔120の壁の表面が覆われ補強される。
【0023】
図3は、補強用リンク11の一例を示す斜視図である。図3に示すように、補強用リンク11は細長い板状の部材で、その長手方向片側に複数の第1嵌合部11aと、複数の連結用孔61と、が設けられている。第1嵌合部11aは、凹の形状を有し、略中央部が広く、開口部分はそれよりも狭く形成されている。補強用リンク11の材質は、コスト面と強度面とから炭素鋼とすることが好ましいが、ステンレス鋼、合成樹脂等とすることもできる。補強用リンク11の長さは、作業スペース等を考慮して適宜決定でき、補強用リンク11の形状は、例えば、構造物壁のコーナー部を補強する場合には、そのコーナー部に沿う半径をもった形状とすることもできる。
【0024】
図4は、第1嵌合部材12を示す斜視図である。図4に示すように、第1嵌合部材12は、略一様の厚みをもった一様断面の長尺部材であり、その断面形状は、上記第1嵌合部11aとほぼ同一の形状で角張ったC字形となっている。第1嵌合部材12の材質は、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂とすることが好ましいが、より強度の高い繊維強化プラスチック、ステンレス鋼等とすることもできる。
【0025】
図5は、第2嵌合部材13を示す斜視図である。図5に示すように、第2嵌合部材13は、略一様の厚みをもった一様断面の長尺部材であり、その断面形状は、人孔120の補強面を形成する平らな面を有し、その両側端部には嵌合用凸部51aと51bとが形成されて対称形をなした略コ字形となっている。第2嵌合部材13の材質は、上記第1嵌合部材12の材質と同様であり、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂とすることが好ましいが、より強度の高い繊維強化プラスチック、ステンレス鋼等とすることもできる。
【0026】
次に、図6は、補強用リンク11を並列に複数連結して形成されたリンク連結体6を示す斜視図である。図6に示すように、リンク連結体6は、連結部材である連結用ボルト14とナットを用いて複数の補強用リンクを連結したものである。このリンク連結体6の上下左右に補強用リンク11を追加連結する工程と、本発明に係る部材嵌合用冶具を用いて、第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合する工程とを複数回繰り返すことにより人孔120内の壁面に沿ってフレーム体1を形成することになる。
【0027】
(第1実施形態)
図7は、本発明の部材嵌合用冶具における第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2を示す斜視図である。図7に示すように、本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2は、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止するための第1係止部22aと、連結部材である上記連結用ボルト14に係止するための第2係止部22bとを一端部に形成した係止部22と、この係止部の他端部に形成された把持操作用レバー部21と、この係止部と把持操作用レバー部21との間に形成され、この係止部を支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12を、第1嵌合部11aに嵌合するための当接部23とを備えている。
【0028】
ここで、第1係止部22aは、第1部材嵌合用冶具2の両面に突出した突起形状を有しており、第2係止部22bは、連結用ボルト14に係止可能なフック形状を有している。また、上記当接部23は、第1係止部22aに対応する第1当接部23aと、第2係止部22bに対応する第2当接部23bとを、把持操作用レバー部21の長手方向に対して直角方向両側に形成している。また、第1嵌合部材12を第1嵌合部11aに押し込んだ際、把持操作用レバー部21と補強用リンク11や連結部材との間に作業員の手が挟み込まれることを防ぐために、第1当接部23a及び第2当接部23bは、いずれも第1係止部22a及び第2係止部22bから離れるにつれて把持操作用レバー部21の長手方向に対し広がる方向に傾斜している。第1部材嵌合用冶具2の材質は、鋼材、合成樹脂等とすることができる。
【0029】
図10は、第1部材嵌合用冶具2を用いて第1嵌合部材12を補強用リンク11に嵌合する状態を示す図である。図11は、第1部材嵌合用冶具2を用いるが、第1嵌合部材12を補強用リンク11に図10とは形態を異にして嵌合する状態を示す図である。
【0030】
図10に示すように、まず、第1嵌合部材12を凹の形状を有した第1嵌合部11a付近に配置し、第1部材嵌合用冶具2の一端に設けられた突起状の第1係止部22aを、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止する。次に、第1当接部23aの当接面Aを第1嵌合部材12に当接させながら第1係止部22aを支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12を、第1嵌合部11aに嵌合する。
【0031】
また、本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2を用いて、図11に示すように、第1嵌合部材12を第1嵌合部11aに嵌合することもできる。まず、第1嵌合部材12を凹の形状を有した第1嵌合部11a付近に配置し、第1部材嵌合用冶具2の一端に設けられたフック状の第2係止部22bを、補強用リンク11の連結部材である連結用ボルト14に係止する。次に、第2当接部23bの当接面Bを第1嵌合部材12に当接させながら第2係止部22bを支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12を、第1嵌合部11aに嵌合する。
【0032】
ここで、本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2は、本第1部材嵌合用冶具2の両面に突出した突起形状を有する第1係止部22aと、連結用ボルト14に係止可能なフック形状を有する第2係止部22bとを両方備えているが、当然、このうちのいずれか1つのみを備えたものとすることは可能である。また、この第1部材嵌合用冶具2は、上記第1嵌合部材12を補強用リンク11に嵌合するためのものであるが、上記当接部23の長手方向の長さや、上記当接部23と上記係止部22との位置関係を調整することで、第1嵌合部材12だけでなく第2嵌合部材13も補強用リンク11に嵌合することが可能となる。また、第1係止部22aは、第1部材嵌合用冶具2の片面のみに突出した突起形状であっても良く、係止部22は、突起形状やフック形状に限られるものではない。また、当接部23は、係止部22から離れるにつれて把持操作用レバー部21の長手方向に対し広がる方向に傾斜している形状に限られるものでもない。また、上記において、第2係止部22bの係止先について、補強用リンク11を並列に連結する連結ボルト14を係止先として説明したが、補強用リンクを長さ方向に連結するボルト等に係止することもできる。
【0033】
以上より、作業スペースの狭い環境であっても、例えば、木製ハンマーや金属性ハンマー等に比較して、第1嵌合部材12を補強用リンク11に嵌合させる作業性を向上させることができる。よって、作業スペースの狭い環境であっても容易に補強部材の組み立てを行うことができる。
【0034】
(第2実施形態)
図8は、本発明の部材嵌合用冶具における第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aを示す斜視図である。このうち、図8(a)は組み立て後の状態を示す図であり、図8(b)は、組み立て前の状態を示す図である。また、図8(c)は、第2把持操作用レバー31の取り付け角度を変えた組み立て後の状態を示す図である。図8に示すように、本発明の第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aは、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止するための第1係止部33aを一端部に設けた第2嵌合部材当接板32aと、この第2嵌合部材当接板32aとは異なる部材として形成され、2つのレバー側孔31fがその長さ方向の片側に設けられた第2把持操作用レバー31とを備えている。また、第2嵌合部材当接板32aには、第2把持操作用レバー31を複数の取り付け角度で連結固定するための複数の当接板側孔32fが設けられ、上記レバー側孔31fのうちの1つは長孔となっている。これにより、複数の当接板側孔32fの間隔が異なっても2本のボルト及びナットを用いて連結固定することができる。これら第2嵌合部材当接板32aと第2把持操作用レバー31とをボルト34等で連結固定することにより第2部材嵌合用冶具3aは形成される。
【0035】
ここで、第1係止部33aは、第2部材嵌合用冶具3aの両面に突出した突起形状を有している。また、第2部材嵌合用冶具3aの材質は、第1部材嵌合用冶具2の材質と同様に、鋼材、合成樹脂等とすることができる。
【0036】
図12は、第2部材嵌合用冶具3aを用いて第2嵌合部材13を補強用リンク11に取り付けられた第1嵌合部材12に嵌合する状態を示す図である。まず、第2把持操作用レバー31を回転操作し易いように、作業状態に応じてボルト34を取り付ける位置を選択して、第2把持操作用レバー31の角度調整を行う。次に、図12に示すように、まず、第2嵌合部材13を補強用リンク11及び第1嵌合部材12により形成される第2嵌合部11b付近に配置し、第2嵌合部材当接板32aの一端に設けられた突起状の第1係止部33aを、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止する。そして、第2嵌合部材当接板32aの当接面Cを第2嵌合部材13に当接させながら第1係止部33aを支点に第2把持操作用レバー31を回転操作して、第2嵌合部材13を、第2嵌合部11bに嵌合する。ここで、第1係止部33aは、第2部材嵌合用冶具3aの片面のみに突出した突起形状であっても良い。
【0037】
(第3実施形態)
図9は、本発明の部材嵌合用冶具における第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3bを示す斜視図である。このうち、図9(a)は組み立て後の状態を示す図であり、図9(b)は、組み立て前の状態を示す図である。尚、この第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3bの説明においては、上記の第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aの構成部材と同様の構成部材についての説明は省略する。
【0038】
図9に示すように、第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3bと第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aとが異なる点は、第2係止部33bが、連結用ボルト14に係止可能なフック形状を有している点である。尚、第2部材嵌合用冶具3bも、図8(c)に示す第2部材嵌合用冶具3aと同様に第2把持操作用レバー31の取り付け角度を変えることができる。また、第2部材嵌合用冶具3bの材質は、第1部材嵌合用冶具2や第2部材嵌合用冶具3aの材質と同様に、鋼材、合成樹脂等とすることができる。
【0039】
図13は、第2部材嵌合用冶具3bを用いて第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合する状態を示す図である。まず、上述する第2部材嵌合用冶具3aの調整と同様、第2把持操作用レバー31の角度調整を行う。次に、図13に示すように、まず、第2嵌合部材13を第2嵌合部11b付近に配置し、第2嵌合部材当接板32bの一端に設けられたフック状の第2係止部33bを、補強用リンク11の連結部材である連結用ボルト14に係止する。そして、第2嵌合部材当接板32bの当接面Dを第2嵌合部材13に当接させながら第2係止部33bを支点に第2把持操作用レバー31を回転操作して、第2嵌合部材13を、第2嵌合部11bに嵌合する。
【0040】
以上より、作業スペースの狭い環境であっても、例えば、木製ハンマーや金属性ハンマー等に比較して、第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合させる作業性を向上させることができる。よって、作業スペースの狭い環境であっても容易に補強部材の組み立てを行うことができる。
【0041】
図14は、補強用リンク11と、第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13との嵌合状態を示す図である。図14に示すように、本発明に係る部材嵌合用冶具を用いることで、狭い作業スペースであっても容易にかつ効率良く第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合することができる。ここで、図10に示すように、第2嵌合部材13の嵌合用凸部51a及び51bと、第1嵌合部材12との間に例えば合成ゴムや水膨潤ゴム等のシール材71を介在させるとシール性が向上する。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の一補強工法が施された状態を一部切欠き断面とともに示す概略の斜視図である。
【図2】図1に示すフレーム体の概略の斜視図である。
【図3】図2に示す補強用リンクの斜視図である。
【図4】図2に示す第1嵌合部材の斜視図である。
【図5】図2に示す第2嵌合部材の斜視図である。
【図6】リンク連結体を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具を示す斜視図である。
【図10】第1嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図11】図10とは形態を異にする第1嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図12】第2嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図13】図12とは形態を異にする第2嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図14】補強用リンクと嵌合部材との嵌合状態を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 フレーム体
2 第1部材嵌合用冶具
3 第2部材嵌合用冶具
11 補強用リンク
12 第1嵌合部材
13 第2嵌合部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の壁の表面を覆って補強する構造物壁の補強工法に用いられる部材嵌合用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に形成されており電力ケーブル等が収容される用途などに用いられる人孔を補強する工法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この特許文献1に記載の人孔補強工法は、人孔の内面に繊維シートを貼り付け、当該繊維シートの上にモルタルを塗布し、このモルタルの上に繊維シートを貼り付けて、この中間部のモルタルを上述する両側の繊維シートで挟み込んで3層構造となる繊維シートとモルタルを併用した人孔の補強工法である。また、特許文献2に記載の老朽人孔の更生工法は、人孔の内面に繊維シートを貼り付け、この繊維シートの隅角部の上にモルタルを塗布して2層構造とし、隅角部と隅角部との間の中央部は繊維シートのみとした老朽人孔の更生工法である。
【0003】
また、劣化の進んだ大口径の下水道管路や雨水管路、あるいは各種交通機関などに使用されるトンネル等の補修を行うのに適した工法が知られている(例えば、特許文献3参照)。この工法は、管路内に搬入可能な複数の補強部材を用いて当該既設管内面に略沿った中空骨組み状補強体を組み立て、その補強体の内側に複数の内面部材を取り付けて既設管路の筒長方向に沿って筒状に組み立てた後、その内面部材と既設管内面との間の空隙内に硬化性充填材を注入する既設管路の補修工法である。
【0004】
【特許文献1】特開2003−155755号公報
【特許文献2】特開2005−48399号公報
【特許文献3】特開2001−311387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された人孔補強工法や特許文献2に記載された老朽人孔の更生工法は、人孔のような狭い作業スペースであっても補強構造を構築することができるが、例えば、この人孔内の壁面に沿って電力ケーブル等が収容されている場合、その収容状態によっては、作業員の壁面へのアクセスが容易でない場合がある。また、人孔のような狭い作業スペースでは、作業の効率向上が望まれる。
【0006】
また、特許文献3に記載された既設管路の補修工法は、作業環境の広い大口径の下水道管路やトンネル等の補修には非常に有効な工法である。しかし、内面部材を補強部材に嵌合する作業は、木製ハンマーや金属性ハンマー等を用いるのが一般的であり、人孔のような作業スペースの狭い箇所においては、内面部材を補強部材に嵌合する作業性が良いとは言えない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業スペースの狭い環境であっても、容易に補強部材の組み立てを行うことができる部材嵌合用冶具を提供することにある。これにより、作業の効率を従来よりも向上させることができる。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明に係る部材嵌合用冶具は、複数の連結用孔と長手方向片側に配置される複数の第1嵌合部とが設けられた補強用リンクと、前記補強用リンクを連結するための連結部材と、前記第1嵌合部に嵌合される第1嵌合部材と、前記補強用リンク及び前記第1嵌合部材により形成される第2嵌合部に嵌合される第2嵌合部材と、を備えるフレーム体により構造物の壁の表面を覆って補強する構造物壁の補強工法に用いられる部材嵌合用冶具に関する。そして、本発明に係る部材嵌合用冶具は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の部材嵌合用冶具は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る部材嵌合用冶具における第1の特徴は、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを前記補強用リンクに嵌合するための部材嵌合用冶具であって、前記連結用孔に係止するための第1係止部及び前記連結部材に係止するための第2係止部のうちの少なくともいずれか1つを一端部に形成した係止部と、前記係止部の他端部に形成された把持操作用レバー部と、前記係止部と前記把持操作用レバー部との間に形成され、前記係止部を支点に前記把持操作用レバー部を回転操作して、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部のうちの少なくともいずれか1つの対応する嵌合部に嵌合するための当接部と、を備えていることである。
【0010】
この構成によると、いわゆる、てこのしくみを利用して小さな力で上記第1嵌合部材及び上記第2嵌合部材をそれぞれ補強用リンクに嵌合させることができるので、例えば、木製ハンマーや金属性ハンマー等を振り回して打撃により嵌合させる場合に比較して、作業スペースの狭い環境であっても、作業の効率を向上させることができる。また、第1嵌合部材を補強用リンクに嵌合するための第1部材嵌合用冶具と、第2嵌合部材を補強用リンクに嵌合するための第2部材嵌合用冶具とを兼用できる部材嵌合用冶具とすることもできる。したがって、作業スペースの狭い環境であっても容易に補強部材の組み立てを行うことができ、作業の効率を従来よりも向上させることができる。尚、電力ケーブル等が収容された洞道(とうどう)や人孔などのように、障害物があり作業スペースの狭い構造物の壁に本発明を適用することができるが、必ずしも上記のような障害物のある構造物に限らず、作業スペースが狭い等の作業環境の良くない構造物の壁に対しても本発明を適用することができる。
【0011】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第2の特徴は、前記部材嵌合用冶具は、前記第1嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第1部材嵌合用冶具であって、前記第1係止部には、前記連結用孔に嵌合可能な突起部が形成され、前記第2係止部には、前記連結部材に係止可能なフック部が形成され、前記係止部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して一方の直角方向片側に前記第1係止部と、対向する他方の直角方向片側に前記第2係止部とを備え、前記当接部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して前記直角方向両側に形成されていることである。
【0012】
この構成によると、この第1部材嵌合用冶具は、第1係止部と第2係止部とをいずれも備えているため、補強用リンクに設けられた連結用孔に係止することもできるし、また、補強用リンクを連結するための連結部材に係止することもできるので作業環境・作業状況に合わせて適宜係止先を選択することが可能となる。したがって、作業の効率を向上させることができる。また、第1嵌合部材用に専用の取付具とすることで、上記当接部と第1嵌合部材との当接具合をより適切にすることができる。
【0013】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第3の特徴は、前記当接部は、前記係止部から離れるにつれて前記把持操作用レバー部の長手方向に対し広がる方向に傾斜していることである。
【0014】
この構成によると、上記係止部を支点に把持操作用レバー部を回転操作して、第1嵌合部材もしくは第2嵌合部材を、それぞれ対応する第1嵌合部もしくは第2嵌合部に押し込んだ際、把持操作用レバー部と、補強用リンクや連結部材との間に一定の空間ができるので、把持操作用レバー部と、補強用リンクや連結部材との間に作業員の手が挟み込まれることを防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第4の特徴は、前記部材嵌合用冶具は、前記第2嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第2部材嵌合用冶具であって、前記当接部は、前記補強用リンクに係止するための前記第1係止部及び前記第2係止部のうちのいずれか1つを一端部に設けた第2嵌合部材当接板に形成され、前記把持操作用レバー部は、前記第2嵌合部材当接板とは異なる部材として形成され、前記第2嵌合部材当接板を連結固定するための複数のレバー側孔が片側に設けられた第2把持操作用レバーであり、前記第2嵌合部材当接板には、前記第2把持操作用レバーを複数の取り付け角度で連結固定するための複数の当接板側孔が設けられ、前記レバー側孔のうちの少なくとも1つの孔が長孔であることである。
【0016】
この構成によると、第2部材嵌合用冶具を第2把持操作用レバーと、第2嵌合部材当接板との2つの部品に分けて、互いに複数の角度で連結することができるようにすることで、作業状態に応じて第2把持操作用レバーを回転操作し易いように第2把持操作用レバーの角度調整をすることができる。また、第2嵌合部材用に専用の取付具とすることで、第2嵌合部材当接板と、構造物の補強面を形成する第2嵌合部材との当接具合をより適切にすることができる。
【0017】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第5の特徴は、前記第1係止部は、前記連結用孔に嵌合可能な突起部を備えていることである。
【0018】
この構成によると、第2部材嵌合用冶具を補強用リンクに設けられた連結用孔を利用して容易に係止することができるので、この係止部を支点に第2把持操作用レバーを回転操作して、構造物の補強面を形成する第2嵌合部材を補強用リンクに容易に嵌合することができる。
【0019】
本発明に係る部材嵌合用冶具における第6の特徴は、前記第2係止部は、前記連結部材に係止可能なフック部を備えていることである。
【0020】
この構成によると、第2部材嵌合用冶具を、補強用リンクを連結するための連結部材を利用して容易に係止することができるので、この係止部を支点に第2把持操作用レバーを回転操作して、構造物の補強面を形成する第2嵌合部材を補強用リンクに容易に嵌合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明の部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の補強工法は、構造物の壁の表面を覆って補強するものとして広く用いることができるものである。例えば、各種管路や洞道、人孔、トンネル等の地中に形成されている孔構造の内壁として設けられている構造物の壁に適用することができる。そして、特に、電力ケーブル等が多数配置されている洞道や人孔などのように作業スペースの狭い孔構造における構造物の壁を補強する場合に有効となる。また、必ずしも孔構造に限らず、孔構造以外において設けられて補強部材の組み立てや配置が困難な作業環境における構造物の壁に対しても有効に本構造物壁の補強工法を適用することができる。
【0022】
図1は、本発明に係る部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の補強工法が人孔120内に施された状態を一部切欠き断面とともに示す概略の斜視図である。図2は、この構造物壁の補強工法によって人孔120の壁面に沿って構築される図1に示すフレーム体1の概略の斜視図である。本発明に係る部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の補強工法を行うことにより、図1及び図2に示すように、補強用リンク11と、第1嵌合部材12と、第2嵌合部材13と、を備えたフレーム体1と、内面補強層15とが形成され、これらにより人孔120の壁の表面が覆われ補強される。
【0023】
図3は、補強用リンク11の一例を示す斜視図である。図3に示すように、補強用リンク11は細長い板状の部材で、その長手方向片側に複数の第1嵌合部11aと、複数の連結用孔61と、が設けられている。第1嵌合部11aは、凹の形状を有し、略中央部が広く、開口部分はそれよりも狭く形成されている。補強用リンク11の材質は、コスト面と強度面とから炭素鋼とすることが好ましいが、ステンレス鋼、合成樹脂等とすることもできる。補強用リンク11の長さは、作業スペース等を考慮して適宜決定でき、補強用リンク11の形状は、例えば、構造物壁のコーナー部を補強する場合には、そのコーナー部に沿う半径をもった形状とすることもできる。
【0024】
図4は、第1嵌合部材12を示す斜視図である。図4に示すように、第1嵌合部材12は、略一様の厚みをもった一様断面の長尺部材であり、その断面形状は、上記第1嵌合部11aとほぼ同一の形状で角張ったC字形となっている。第1嵌合部材12の材質は、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂とすることが好ましいが、より強度の高い繊維強化プラスチック、ステンレス鋼等とすることもできる。
【0025】
図5は、第2嵌合部材13を示す斜視図である。図5に示すように、第2嵌合部材13は、略一様の厚みをもった一様断面の長尺部材であり、その断面形状は、人孔120の補強面を形成する平らな面を有し、その両側端部には嵌合用凸部51aと51bとが形成されて対称形をなした略コ字形となっている。第2嵌合部材13の材質は、上記第1嵌合部材12の材質と同様であり、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂とすることが好ましいが、より強度の高い繊維強化プラスチック、ステンレス鋼等とすることもできる。
【0026】
次に、図6は、補強用リンク11を並列に複数連結して形成されたリンク連結体6を示す斜視図である。図6に示すように、リンク連結体6は、連結部材である連結用ボルト14とナットを用いて複数の補強用リンクを連結したものである。このリンク連結体6の上下左右に補強用リンク11を追加連結する工程と、本発明に係る部材嵌合用冶具を用いて、第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合する工程とを複数回繰り返すことにより人孔120内の壁面に沿ってフレーム体1を形成することになる。
【0027】
(第1実施形態)
図7は、本発明の部材嵌合用冶具における第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2を示す斜視図である。図7に示すように、本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2は、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止するための第1係止部22aと、連結部材である上記連結用ボルト14に係止するための第2係止部22bとを一端部に形成した係止部22と、この係止部の他端部に形成された把持操作用レバー部21と、この係止部と把持操作用レバー部21との間に形成され、この係止部を支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12を、第1嵌合部11aに嵌合するための当接部23とを備えている。
【0028】
ここで、第1係止部22aは、第1部材嵌合用冶具2の両面に突出した突起形状を有しており、第2係止部22bは、連結用ボルト14に係止可能なフック形状を有している。また、上記当接部23は、第1係止部22aに対応する第1当接部23aと、第2係止部22bに対応する第2当接部23bとを、把持操作用レバー部21の長手方向に対して直角方向両側に形成している。また、第1嵌合部材12を第1嵌合部11aに押し込んだ際、把持操作用レバー部21と補強用リンク11や連結部材との間に作業員の手が挟み込まれることを防ぐために、第1当接部23a及び第2当接部23bは、いずれも第1係止部22a及び第2係止部22bから離れるにつれて把持操作用レバー部21の長手方向に対し広がる方向に傾斜している。第1部材嵌合用冶具2の材質は、鋼材、合成樹脂等とすることができる。
【0029】
図10は、第1部材嵌合用冶具2を用いて第1嵌合部材12を補強用リンク11に嵌合する状態を示す図である。図11は、第1部材嵌合用冶具2を用いるが、第1嵌合部材12を補強用リンク11に図10とは形態を異にして嵌合する状態を示す図である。
【0030】
図10に示すように、まず、第1嵌合部材12を凹の形状を有した第1嵌合部11a付近に配置し、第1部材嵌合用冶具2の一端に設けられた突起状の第1係止部22aを、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止する。次に、第1当接部23aの当接面Aを第1嵌合部材12に当接させながら第1係止部22aを支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12を、第1嵌合部11aに嵌合する。
【0031】
また、本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2を用いて、図11に示すように、第1嵌合部材12を第1嵌合部11aに嵌合することもできる。まず、第1嵌合部材12を凹の形状を有した第1嵌合部11a付近に配置し、第1部材嵌合用冶具2の一端に設けられたフック状の第2係止部22bを、補強用リンク11の連結部材である連結用ボルト14に係止する。次に、第2当接部23bの当接面Bを第1嵌合部材12に当接させながら第2係止部22bを支点に把持操作用レバー部21を回転操作して、第1嵌合部材12を、第1嵌合部11aに嵌合する。
【0032】
ここで、本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具2は、本第1部材嵌合用冶具2の両面に突出した突起形状を有する第1係止部22aと、連結用ボルト14に係止可能なフック形状を有する第2係止部22bとを両方備えているが、当然、このうちのいずれか1つのみを備えたものとすることは可能である。また、この第1部材嵌合用冶具2は、上記第1嵌合部材12を補強用リンク11に嵌合するためのものであるが、上記当接部23の長手方向の長さや、上記当接部23と上記係止部22との位置関係を調整することで、第1嵌合部材12だけでなく第2嵌合部材13も補強用リンク11に嵌合することが可能となる。また、第1係止部22aは、第1部材嵌合用冶具2の片面のみに突出した突起形状であっても良く、係止部22は、突起形状やフック形状に限られるものではない。また、当接部23は、係止部22から離れるにつれて把持操作用レバー部21の長手方向に対し広がる方向に傾斜している形状に限られるものでもない。また、上記において、第2係止部22bの係止先について、補強用リンク11を並列に連結する連結ボルト14を係止先として説明したが、補強用リンクを長さ方向に連結するボルト等に係止することもできる。
【0033】
以上より、作業スペースの狭い環境であっても、例えば、木製ハンマーや金属性ハンマー等に比較して、第1嵌合部材12を補強用リンク11に嵌合させる作業性を向上させることができる。よって、作業スペースの狭い環境であっても容易に補強部材の組み立てを行うことができる。
【0034】
(第2実施形態)
図8は、本発明の部材嵌合用冶具における第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aを示す斜視図である。このうち、図8(a)は組み立て後の状態を示す図であり、図8(b)は、組み立て前の状態を示す図である。また、図8(c)は、第2把持操作用レバー31の取り付け角度を変えた組み立て後の状態を示す図である。図8に示すように、本発明の第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aは、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止するための第1係止部33aを一端部に設けた第2嵌合部材当接板32aと、この第2嵌合部材当接板32aとは異なる部材として形成され、2つのレバー側孔31fがその長さ方向の片側に設けられた第2把持操作用レバー31とを備えている。また、第2嵌合部材当接板32aには、第2把持操作用レバー31を複数の取り付け角度で連結固定するための複数の当接板側孔32fが設けられ、上記レバー側孔31fのうちの1つは長孔となっている。これにより、複数の当接板側孔32fの間隔が異なっても2本のボルト及びナットを用いて連結固定することができる。これら第2嵌合部材当接板32aと第2把持操作用レバー31とをボルト34等で連結固定することにより第2部材嵌合用冶具3aは形成される。
【0035】
ここで、第1係止部33aは、第2部材嵌合用冶具3aの両面に突出した突起形状を有している。また、第2部材嵌合用冶具3aの材質は、第1部材嵌合用冶具2の材質と同様に、鋼材、合成樹脂等とすることができる。
【0036】
図12は、第2部材嵌合用冶具3aを用いて第2嵌合部材13を補強用リンク11に取り付けられた第1嵌合部材12に嵌合する状態を示す図である。まず、第2把持操作用レバー31を回転操作し易いように、作業状態に応じてボルト34を取り付ける位置を選択して、第2把持操作用レバー31の角度調整を行う。次に、図12に示すように、まず、第2嵌合部材13を補強用リンク11及び第1嵌合部材12により形成される第2嵌合部11b付近に配置し、第2嵌合部材当接板32aの一端に設けられた突起状の第1係止部33aを、補強用リンク11に設けられた連結用孔61に係止する。そして、第2嵌合部材当接板32aの当接面Cを第2嵌合部材13に当接させながら第1係止部33aを支点に第2把持操作用レバー31を回転操作して、第2嵌合部材13を、第2嵌合部11bに嵌合する。ここで、第1係止部33aは、第2部材嵌合用冶具3aの片面のみに突出した突起形状であっても良い。
【0037】
(第3実施形態)
図9は、本発明の部材嵌合用冶具における第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3bを示す斜視図である。このうち、図9(a)は組み立て後の状態を示す図であり、図9(b)は、組み立て前の状態を示す図である。尚、この第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3bの説明においては、上記の第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aの構成部材と同様の構成部材についての説明は省略する。
【0038】
図9に示すように、第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3bと第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具3aとが異なる点は、第2係止部33bが、連結用ボルト14に係止可能なフック形状を有している点である。尚、第2部材嵌合用冶具3bも、図8(c)に示す第2部材嵌合用冶具3aと同様に第2把持操作用レバー31の取り付け角度を変えることができる。また、第2部材嵌合用冶具3bの材質は、第1部材嵌合用冶具2や第2部材嵌合用冶具3aの材質と同様に、鋼材、合成樹脂等とすることができる。
【0039】
図13は、第2部材嵌合用冶具3bを用いて第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合する状態を示す図である。まず、上述する第2部材嵌合用冶具3aの調整と同様、第2把持操作用レバー31の角度調整を行う。次に、図13に示すように、まず、第2嵌合部材13を第2嵌合部11b付近に配置し、第2嵌合部材当接板32bの一端に設けられたフック状の第2係止部33bを、補強用リンク11の連結部材である連結用ボルト14に係止する。そして、第2嵌合部材当接板32bの当接面Dを第2嵌合部材13に当接させながら第2係止部33bを支点に第2把持操作用レバー31を回転操作して、第2嵌合部材13を、第2嵌合部11bに嵌合する。
【0040】
以上より、作業スペースの狭い環境であっても、例えば、木製ハンマーや金属性ハンマー等に比較して、第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合させる作業性を向上させることができる。よって、作業スペースの狭い環境であっても容易に補強部材の組み立てを行うことができる。
【0041】
図14は、補強用リンク11と、第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13との嵌合状態を示す図である。図14に示すように、本発明に係る部材嵌合用冶具を用いることで、狭い作業スペースであっても容易にかつ効率良く第1嵌合部材12及び第2嵌合部材13を補強用リンク11に嵌合することができる。ここで、図10に示すように、第2嵌合部材13の嵌合用凸部51a及び51bと、第1嵌合部材12との間に例えば合成ゴムや水膨潤ゴム等のシール材71を介在させるとシール性が向上する。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る部材嵌合用冶具が用いられる構造物壁の一補強工法が施された状態を一部切欠き断面とともに示す概略の斜視図である。
【図2】図1に示すフレーム体の概略の斜視図である。
【図3】図2に示す補強用リンクの斜視図である。
【図4】図2に示す第1嵌合部材の斜視図である。
【図5】図2に示す第2嵌合部材の斜視図である。
【図6】リンク連結体を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る第1部材嵌合用冶具を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る第2部材嵌合用冶具を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る第2部材嵌合用冶具を示す斜視図である。
【図10】第1嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図11】図10とは形態を異にする第1嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図12】第2嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図13】図12とは形態を異にする第2嵌合部材を補強用リンクに嵌合する状態を示す図である。
【図14】補強用リンクと嵌合部材との嵌合状態を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 フレーム体
2 第1部材嵌合用冶具
3 第2部材嵌合用冶具
11 補強用リンク
12 第1嵌合部材
13 第2嵌合部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の連結用孔と長手方向片側に配置される複数の第1嵌合部とが設けられた補強用リンクと、前記補強用リンクを連結するための連結部材と、前記第1嵌合部に嵌合される第1嵌合部材と、前記補強用リンク及び前記第1嵌合部材により形成される第2嵌合部に嵌合される第2嵌合部材と、を備えるフレーム体により構造物の壁の表面を覆って補強する構造物壁の補強工法に用いられ、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを前記補強用リンクに嵌合するための部材嵌合用冶具であって、
前記連結用孔に係止するための第1係止部及び前記連結部材に係止するための第2係止部のうちの少なくともいずれか1つを一端部に形成した係止部と、
前記係止部の他端部に形成された把持操作用レバー部と、
前記係止部と前記把持操作用レバー部との間に形成され、前記係止部を支点に前記把持操作用レバー部を回転操作して、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部のうちの少なくともいずれか1つの対応する嵌合部に嵌合するための当接部と、
を備えていることを特徴とする、部材嵌合用治具。
【請求項2】
前記部材嵌合用冶具は、前記第1嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第1部材嵌合用冶具であって、
前記第1係止部には、前記連結用孔に嵌合可能な突起部が形成され、
前記第2係止部には、前記連結部材に係止可能なフック部が形成され、
前記係止部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して一方の直角方向片側に前記第1係止部と、対向する他方の直角方向片側に前記第2係止部とを備え、
前記当接部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して前記直角方向両側に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の部材嵌合用治具。
【請求項3】
前記当接部は、前記係止部から離れるにつれて前記把持操作用レバー部の長手方向に対し広がる方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の部材嵌合用治具。
【請求項4】
前記部材嵌合用冶具は、前記第2嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第2部材嵌合用冶具であって、
前記当接部は、前記補強用リンクに係止するための前記第1係止部及び前記第2係止部のうちのいずれか1つを一端部に設けた第2嵌合部材当接板に形成され、
前記把持操作用レバー部は、前記第2嵌合部材当接板とは異なる部材として形成され、前記第2嵌合部材当接板を連結固定するための複数のレバー側孔が片側に設けられた第2把持操作用レバーであり、
前記第2嵌合部材当接板には、前記第2把持操作用レバーを複数の取り付け角度で連結固定するための複数の当接板側孔が設けられ、
前記レバー側孔のうちの少なくとも1つの孔が長孔であることを特徴とする、請求項1に記載の部材嵌合用治具。
【請求項5】
前記第1係止部は、前記連結用孔に嵌合可能な突起部を備えていることを特徴とする、請求項4に記載の部材嵌合用冶具。
【請求項6】
前記第2係止部は、前記連結部材に係止可能なフック部を備えていることを特徴とする、請求項4に記載の部材嵌合用治具。
【請求項1】
複数の連結用孔と長手方向片側に配置される複数の第1嵌合部とが設けられた補強用リンクと、前記補強用リンクを連結するための連結部材と、前記第1嵌合部に嵌合される第1嵌合部材と、前記補強用リンク及び前記第1嵌合部材により形成される第2嵌合部に嵌合される第2嵌合部材と、を備えるフレーム体により構造物の壁の表面を覆って補強する構造物壁の補強工法に用いられ、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを前記補強用リンクに嵌合するための部材嵌合用冶具であって、
前記連結用孔に係止するための第1係止部及び前記連結部材に係止するための第2係止部のうちの少なくともいずれか1つを一端部に形成した係止部と、
前記係止部の他端部に形成された把持操作用レバー部と、
前記係止部と前記把持操作用レバー部との間に形成され、前記係止部を支点に前記把持操作用レバー部を回転操作して、前記第1嵌合部材及び前記第2嵌合部材のうちの少なくともいずれか1つを、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部のうちの少なくともいずれか1つの対応する嵌合部に嵌合するための当接部と、
を備えていることを特徴とする、部材嵌合用治具。
【請求項2】
前記部材嵌合用冶具は、前記第1嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第1部材嵌合用冶具であって、
前記第1係止部には、前記連結用孔に嵌合可能な突起部が形成され、
前記第2係止部には、前記連結部材に係止可能なフック部が形成され、
前記係止部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して一方の直角方向片側に前記第1係止部と、対向する他方の直角方向片側に前記第2係止部とを備え、
前記当接部は、前記把持操作用レバー部の長手方向に対して前記直角方向両側に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の部材嵌合用治具。
【請求項3】
前記当接部は、前記係止部から離れるにつれて前記把持操作用レバー部の長手方向に対し広がる方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の部材嵌合用治具。
【請求項4】
前記部材嵌合用冶具は、前記第2嵌合部材を前記補強用リンクに嵌合するための第2部材嵌合用冶具であって、
前記当接部は、前記補強用リンクに係止するための前記第1係止部及び前記第2係止部のうちのいずれか1つを一端部に設けた第2嵌合部材当接板に形成され、
前記把持操作用レバー部は、前記第2嵌合部材当接板とは異なる部材として形成され、前記第2嵌合部材当接板を連結固定するための複数のレバー側孔が片側に設けられた第2把持操作用レバーであり、
前記第2嵌合部材当接板には、前記第2把持操作用レバーを複数の取り付け角度で連結固定するための複数の当接板側孔が設けられ、
前記レバー側孔のうちの少なくとも1つの孔が長孔であることを特徴とする、請求項1に記載の部材嵌合用治具。
【請求項5】
前記第1係止部は、前記連結用孔に嵌合可能な突起部を備えていることを特徴とする、請求項4に記載の部材嵌合用冶具。
【請求項6】
前記第2係止部は、前記連結部材に係止可能なフック部を備えていることを特徴とする、請求項4に記載の部材嵌合用治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−95370(P2008−95370A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277662(P2006−277662)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
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