説明

配管保持具

【課題】複数の配管に対して壁に開ける貫通孔が一箇所でよく、しかも、配管の屈曲程度を少なくして配管に対する負荷を軽減することができ、さらに配管施工をスムーズにできる配管保持具の提供を目的とする。
【解決手段】壁の貫通孔の外周に固定される横長な外周フランジ部11と、外周フランジ部11で包囲される部分に形成された空間部21と、記空間部の底面25に外周フランジ部の側へ向かって上向きに傾斜した状態で複数立設された配管保持筒部41とより配管保持具本体10を構成し、外周フランジ部11における壁との当接面に配管保持具本体用止水材51を設け、配管保持筒部41の内周に配管用止水材55を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁を貫通する配管を保持するために壁の貫通孔に取り付けられる配管保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の建造物の壁に形成された円形の貫通孔を通して配管を行う場合、配管1本当たり1個の配管保持具を用いて施工を行っている。例えば、ガス給湯器の場合、ガス給湯器1台当たり、給水管、給湯管、追い炊き往き管、追い炊き戻り管、ガス管からなる最大5本の配管を壁に通す必要があり、施工時には配管の数に応じた複数の貫通孔を壁に開けて配管及びその配管保持具の施工を行っている(特許文献1〜3)。
【0003】
しかし、従来の配管保持具においては、施工時に複数の貫通孔を壁に開ける必要があるため、(1)外壁の強度が低下したり、孔開け時に壁が割れたりする問題、(2)施工に手間取る問題、(3)施工状態にバラツキを生じやすい問題、(4)壁に複数の貫通孔を開けるスペースがない場合がある、等の問題があった。
【0004】
また、円板状のフランジ部材内に設けた筒状のリード管に、配水管保護用のソケットと電線保護管用のソケットからなる複数のソケットを設けた壁貫通配管具が提案されている(特許文献4)。
【0005】
しかし、複数のソケットを筒状のリード管に設けた壁貫通配管具にあっては、筒状のリード管内の狭い空間に同心円上に配置したソケットに配管等を通さなければならないため、作業が容易とは言い難く、しかもソケットが壁面に対して垂直になっているため、ソケットに通した配管等を壁に沿って略直角に屈曲させねばならないため、配管が破損しやすい問題がある。さらに筒状のリード管とソケットの間をシールし難く、雨水等が侵入するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−71672号公報
【特許文献2】特開2001−324061号公報
【特許文献3】特開昭63−251684号公報
【特許文献4】特開2002−372173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、複数の配管の施工に対して壁に開ける貫通孔が一箇所でよく、しかも、配管の屈曲程度を少なくして配管に対する負荷を軽減することができ、さらに配管の施工をスムーズにできる配管保持具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、建築物の壁に形成された貫通孔に取り付けられる配管保持具であって、配管保持具本体と配管保持具本体用止水材と配管用止水材とよりなり、前記配管保持具本体は、前記壁の貫通孔の外周に固定される外周フランジ部と、前記外周フランジ部で包囲される部分が前記配管保持具本体の前面側又は背面側へ屈曲して外周フランジ部の側で開口してなる空間部と、前記空間部を形成している面に立設されて内側が前記空間部を形成している面を貫通した配管挿通孔となっている配管保持筒部とを有し、前記配管保持筒部は複数個形成され、前記配管保持具本体用止水材は、弾性材からなって前記外周フランジ部の壁との当接面に設けられ、前記外周フランジ部を前記壁の貫通孔外周に固定した際に前記外周フランジ部と前記壁との間をシールし、前記配管用止水材は、弾性材からなって前記配管保持筒部の内周に設けられ、前記配管保持筒部に挿通した配管と前記配管保持筒部の内面との間をシールすることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記外周フランジ部の内周から前記配管保持具本体の前面側又は背面側へ屈曲して前記空間部を形成している一の面が、前記外周フランジ部の側から前記空間部の奥に向かって傾斜し、前記傾斜した面に前記配管保持筒部が立設されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記配管保持筒部は、前記外周フランジ部の側から前記空間部の奥に向かって上向きあるいは下向きに傾斜した状態で前記空間部を形成している面に横方向に並んで立設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、外周フランジ部で包囲された部分に形成されている空間部を構成する面に配管保持筒部が複数個設けられているため、壁の一箇所に開けた貫通孔に配管保持具を取り付けて配管保持具の複数の配管保持筒部に配管を通すことにより、複数の配管の施工をすることができ、複数の配管の施工に際して壁に開ける貫通孔が一箇所で済み、複数の貫通孔を壁に開ける場合の従来の問題を解決することができる。
【0012】
また、請求項1の発明によれば、外周フランジ部における壁との当接面に設けられた配管保持具本体用止水材によって、外周フランジ部と壁間をシールすることができ、壁の貫通孔から雨水等が壁内に侵入することを防ぐことができる。また、本発明の配管保持具は、配管保持筒部の内周に設けた配管用止水材によって、配管保持筒部の内面と配管との間をシールすることができ、配管保持筒部の内面と配管との間から雨水等が壁内に侵入することを防ぐことができる。さらに、プレハブ工法の建物にあっては、壁となるパネルにあらかじめ本発明の配管保持具を備えつけておき、建物の施工時にはパネルを組付けるだけですみ、現場での施工工数を低減することもできる。
【0013】
請求項2の発明によれば、外周フランジ部の側から前記空間部の奥に向かって傾斜した面に配管保持筒部が立設されているため、配管保持筒部に挿通保持された配管が、壁に対して傾斜した状態となり、配管を壁に垂直に挿通した場合と比べて、配管を壁面に沿わせる際に配管の屈曲程度を少なくでき、管の取り回しが容易で、配管への負荷を軽減することができる。すなわち、配管保持具の上方に通常位置する給湯器等への接続が容易になる。
【0014】
請求項3の発明によれば、外周フランジ部の側から前記空間部の奥に向かって上向きあるいは下向きに傾斜した状態で空間部を形成している面に配管保持筒部が立設されているため、配管保持筒部に挿通保持された配管が、壁に対して傾斜した状態となり、配管を壁に垂直に挿通した場合と比べて、配管を壁面に沿わせる際に配管の屈曲程度を少なくでき、管の取り回しが容易で、配管への負荷を軽減することができる。すなわち、配管保持具の上方に通常位置する給湯器等への接続が容易になる。さらに、配管保持筒部が横方向に並んで空間部を形成している面に立設されているため、壁に対して平行方向(横方向)に並ぶことになり、複数の配管保持筒部が壁に対して奥行き方向に並ぶ場合と比べて複数の配管保持筒部に配管を通す作業がし易くなり、施工をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る配管保持具を壁に取り付けて配管を保持した状態の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る配管保持具の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る配管保持具における配管保持具本体の斜視図である。
【図4】図3の4−4断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る配管保持具における配管保持具本体を壁に取り付けた状態の断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る配管保持具を壁に取り付けて配管を保持した状態の断面図である。
【図7】図6に示した配管保持具における配管保持具本体の斜視図である。
【図8】図7の8−8断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び図2に示す本発明の一実施形態に係る配管保持具1は、建築物の壁61に形成された横長な貫通孔63に取り付けられて、壁61を貫通する複数の配管Pを保持するものであり、配管保持具本体10と配管保持具本体用止水材51と配管用止水材55とよりなる。
【0017】
配管保持具本体10は、図3及び図4に示すように外周フランジ部11と、空間部21と、配管保持筒部41とを有し、金属又は樹脂で形成されている。前記配管保持具本体10は、建築物の壁61に形成された横長な貫通孔63に取り付けられる。図示の貫通孔63は横長な長方形で形成されている。なお、前記配管保持具本体10は、強度及び耐候性の点からは金属製が好ましい。
【0018】
外周フランジ部11は、前記壁61の貫通孔63より大きな外形からなって、前記貫通孔63の外周の壁面に固定される。図示の例では、外周フランジ部11の内周12は、前記壁61の貫通孔63の形状及び大きさと略等しくされている。前記外周フランジ部11の内周12と外周13間の寸法は、前記外周フランジ部11を前記貫通孔63の外周の壁面に固定できる寸法であればよい。図示の外周フランジ部11は、前記壁61の貫通孔63に合わせた横長な長方形の枠状からなり、外周フランジ部11の四隅及び中間部には壁61に対する固定用孔14が形成されている。前記固定用孔14には図1及び図5に示すように固定用のネジやビスなどのネジ類57が挿入される。前記外周フランジ部11の一例として、外周フランジ部11の外周13における横方向Wの寸法が240mm、縦方向(高さ方向、垂直方向)Tの寸法が125mm、内周12における横方向Wの寸法が210mm、縦方向Tの寸法が85mmの例を挙げる。
【0019】
空間部21は、前記外周フランジ部11で包囲される部分に形成されている。具体的には前記外周フランジ部11で包囲される部分が、当該外周フランジ部11の内周12から配管保持具本体10の背面側Bへ屈曲して外周フランジ部の側Fで開口した空間で構成されている。なお、前記配管保持具本体10の背面側Bは、前記配管保持具本体10が取り付けられる壁61の内方側(建物の内方側)に相当する。前記空間部21は、上面23、底面25、側面27、29からなる一連の面で配管保持具本体10の背面側Bが包囲され、前記背面側Bとは反対の外周フランジ部側Fが開口している。また、この実施形態では、前記外周フランジ部の側Fは、前記配管保持具本体10の背面側Bとは反対の前面側と称することもできる。
【0020】
前記空間部21の上面23は、前記外周フランジ部11の上側内周12aから屈曲して延設された部分であり、それに対して前記底面25は、前記外周フランジ部11の下側内周12bから屈曲して延設された部分である。前記上面23と底面25は配管保持具本体の背面側Bの端部で略くの字状に屈曲して一連となっており、前記底面25が前記外周フランジ部の側Fから前記配管保持具本体の背面側Bへ向けて上向きに傾斜している。図示の例では前記上面23と底面25は、前記外周フランジ部11の上側内周12aと下側内周12bを結ぶ垂直線との角度θ1、θ2が45°に設定されている。
【0021】
前記空間部21の底面25の少なくとも片面に配管保持筒部41が、前記底面25の横方向Wに並んで複数個(図示の例では5個)立設されている。なお、図示の例では、前記配管保持筒部41は、前記空間部21の底面25の内面(図1に示す25a)に立設されている。前記配管保持筒部41は、内側が前記空間部21の底面25を貫通した配管挿通孔43となっている。前記配管保持筒部41は、図1に示すように配管Pが挿通されて配管Pを保持する部分であり、配管Pの外径よりも所定量大径となっている。前記配管保持筒部41は、前記配管保持具本体の背面側Bから前記外周フランジ部の側Fへ向かって上向きに傾斜した状態で前記空間部21の底面25に立設され、前記配管保持筒部41に挿通された配管を壁部61に対して傾斜した状態に保持するようになっている。図示の例では、前記空間部21において、前記底面25が外周フランジ部の側Fから配管保持具本体の背面側B(空間部21の奥)へ向けて上向きに傾斜し、該傾斜している前記底面25に対して垂直に前記配管保持筒部41が立設され、これによって前記配管保持筒部41が前記配管保持具本体の背面側Bから外周フランジ部側Fへ向けて上向きに傾斜している。なお、前記配管保持具本体10は、金属製の場合、一枚の金属板をプレス等によって屈曲加工して前記外周フランジ部11と空間部21と配管保持筒部41を一体に形成することができる。一方、前記配管保持具本体10を樹脂製とする場合、射出成形等によって前記外周フランジ部11と空間部21と配管保持筒部41を一体に形成することができる。
【0022】
配管保持具本体用止水材51は、ゴムスポンジ等の弾性材からなり、前記外周フランジ部11における壁との当接面に設けられて、図5に示すように、前記外周フランジ部11を前記壁61の貫通孔63の外周に固定した際に圧縮され、前記外周フランジ部11と前記壁61との間をシールして雨水等が貫通孔63を通って壁61の内側に侵入するのを防止する。前記配管保持具本体用止水材51は、図示の例では、前記外周フランジ部11とほぼ等しい枠形状をした所定厚み(例えば30mm)のものからなる。
【0023】
配管用止水材55は、ゴムスポンジ等の弾性材からなり、前記配管保持筒部41の内周に設けられ、前記配管保持筒部41に挿通された配管Pと前記配管保持筒部41の内面との間をシールし、雨水等が前記配管保持筒部41の内面と配管Pとの間を通って壁61の内側に侵入するのを防止する。前記配管用止水材55は、図示の例では、角棒状からなり、前記配管保持筒部41に配管Pを挿通した後に、前記配管保持筒部41と配管Pとの間に詰め込むようになっている。なお、前記配管用止水材55は環状に形成して前記配管保持筒部41の内面に接着してもよい。
【0024】
前記配管保持具1を用いる施工は、次のようにして行われる。図2に示すように、まず、建築物の壁61に前記空間部21が嵌ることができ、かつ前記外周フランジ部11の外周13よりも小さい大きさの横長な四角形の貫通孔63を形成する。次に、前記配管保持具本体10の外周フランジ部11における壁61との当接面に前記配管保持具本体用止水材51を装着した状態で、図5に示すように、前記空間部21の外面側(配管保持具本体の背面側B)を前記壁61の貫通孔63に挿入し、前記外周フランジ部11を前記壁61における貫通孔63の外周の壁面にネジ類57で固定する。その際、前記外周フランジ部11と貫通孔63の外周の壁61との間で配管保持具本体用止水材51を圧縮してシールする。その後、前記空間部21の底面25に形成されている複数の配管保持筒部41に樹脂製の配管Pをそれぞれ挿通する。そして、前記配管用止水材55を、前記配管保持筒部41の内面と配管Pとの間に詰め込んで、前記配管保持筒部41の内面と配管Pとの間をシールする。その後、前記配管保持筒部41の外方部分で配管Pを壁61に沿うように屈曲させて配設する。前記配管Pを壁に沿わせるための屈曲時、前記配管Pが配管保持筒部41によって壁61に対して傾斜した状態となっているため、前記配管Pに加わる負荷が少なくなり、破損等を防ぐことができる。また、複数の配管保持筒部41が壁に対して平行方向(横方向)に並ぶことになるため、複数の配管保持筒部41が壁に対して奥行き方向に並ぶ場合と比べて複数の配管保持筒部に配管を通す作業がし易くなり、施工をスムーズに行うことができるようになる。なお、前記複数の配管保持筒部41のうち、配管を挿通しないものについては、前記角棒状の配管用止水材55を詰めて封止し、雨水等が侵入しないようにする。
【0025】
図6に示す配管保持具1Aは、本発明の他の実施形態に係るものであり、図7及び図8に示すように配管保持具本体10Aにおける外周フランジ部11Aで包囲される部分が、配管保持具本体10Aの前面側Aへ屈曲して外周フランジ部の側Fで開口して空間部21Aとされ、外周フランジ部の側Fにおける外周フランジ部の上側内周121Aから空間部21Aの奥(前記前面側A)へ向かって下向きに傾斜している上面23Aに配管保持筒部41Aが複数立設されている点で前記図1〜図5の実施例と異なる。また、前記配管保持具1Aは、前記空間部21Aの奥側(配管保持具本体の前面側A)を壁61の外面側へ向けて取り付けられ、それにより前記空間部21Aが壁61の外面に突出し、一方、前記配管保持筒部41Aが空間部21Aの上面23Aから壁61の貫通孔63へ向けて突出した状態となる。なお、前記前面側Aは、前記配管保持具1Aが壁61に取り付けられた際に壁61の外方を向く側である。なお、この実施形態において配管保持具本体10Aの背面側は壁61の内方を向く側であり、前記前面側Aとは反対側である外周フランジ部の側Fと等しくなる。その他の構成は図1〜図5の実施例と同様である。
【0026】
図6〜図8において、符号1Aは配管保持具、10Aは配管保持具本体、11Aは外周フランジ部、12Aは外周フランジ部の内周、121Aは外周フランジ部の上側内周、121Bは外周フランジ部の下側内周、13Aは外周フランジ部の外周、14Aは固定用孔、21Aは空間部、23Aは空間部の上面、25Aは空間部の底面、27A、29Aは空間部の側面、41Aは配管保持筒部、43Aは配管挿通孔、51Aは配管保持具本体用止水材、55Aは配管用止水材である。その他、図1〜図5と同じ符号のものは同一の部分あるいは部材を示す。
【0027】
このように、本発明によれば、壁の一箇所に開けた貫通孔に配管保持具を取り付けて複数の配管の施工をすることができるため、複数の配管の施工に際して壁に開ける貫通孔が一箇所でよくなり、複数の貫通孔を開ける場合と比べて作業が簡単になり、複数の孔開けと比べて孔開け時に壁が割れたりするおそれが少なくなる。さらに、配管保持筒部を傾斜させて設けることにより、配管保持筒部に挿通保持された配管は、壁に対して傾斜した状態となり、配管が壁に垂直に挿通された場合と比べて、配管を壁面に沿わせる際に配管の屈曲程度を少なくでき、配管への負荷を軽減することができる。また、複数の配管保持筒部を、空間部を形成している面に横方向に並んで立設することにより、複数の配管保持筒部が壁に対して平行方向(横方向)に並ぶことになるため、複数の配管保持筒部に配管を通す作業がし易くなり、施工をスムーズに行うことができるようになる。また、配管保持具本体用止水材によって外周フランジ部と壁の間をシールすることができるため、壁の貫通孔から雨水等が壁内に侵入することを防ぐことができ、さらに、配管用止水材によって、配管保持筒部の内面と配管との間をシールすることができるため、配管保持筒部の内面と配管との間から雨水等が壁内に侵入することを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0028】
1、1A 配管保持具
10、10A 配管保持具本体
11、11A外周フランジ部
21、21A 空間部
23、23A 空間部の上面
25、25A 空間部の底面
41、41A 配管保持筒部
43、43A 配管挿通孔
51、51A 配管保持具本体用止水材
55、55A 配管用止水材
61 壁
63 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の壁に形成された貫通孔に取り付けられる配管保持具であって、
配管保持具本体と配管保持具本体用止水材と配管用止水材とよりなり、
前記配管保持具本体は、
前記壁の貫通孔の外周に固定される外周フランジ部と、
前記外周フランジ部で包囲される部分が前記配管保持具本体の前面側又は背面側へ屈曲して外周フランジ部の側で開口してなる空間部と、
前記空間部を形成している面に立設されて内側が前記空間部を形成している面を貫通した配管挿通孔となっている配管保持筒部とを有し、
前記配管保持筒部は複数個形成され、
前記配管保持具本体用止水材は、弾性材からなって前記外周フランジ部の壁との当接面に設けられ、前記外周フランジ部を前記壁の貫通孔外周に固定した際に前記外周フランジ部と前記壁との間をシールし、
前記配管用止水材は、弾性材からなって前記配管保持筒部の内周に設けられ、前記配管保持筒部に挿通した配管と前記配管保持筒部の内面との間をシールすることを特徴とする配管保持具。
【請求項2】
前記外周フランジ部の内周から前記配管保持具本体の前面側又は背面側へ屈曲して前記空間部を形成している一の面が、前記外周フランジ部の側から前記空間部の奥に向かって傾斜し、前記傾斜した面に前記配管保持筒部が立設されていることを特徴とする請求項1に記載の配管保持具。
【請求項3】
前記配管保持筒部は、前記外周フランジ部の側から前記空間部の奥に向かって上向きあるいは下向きに傾斜した状態で前記空間部を形成している面に横方向に並んで立設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−21576(P2012−21576A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159350(P2010−159350)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(508321823)株式会社イノアック住環境 (22)