説明

配線構造体およびその製造方法

【課題】化学処理を行わない低コストで高精度の配線構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の配線構造体の製造方法は、凸部52を有する上型50および凹部62を有する下型60を用いて、金属箔14が形成された樹脂フィルム10を押さえ付けることにより、金属箔14を金属配線の境界部にて切断する工程と、所定の熱源を用いて金属箔14の不要部分の局部加熱を行う工程と、樹脂フィルム10から不要な金属箔14aを除去する工程とを行う工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂フィルム上に金属配線が形成された配線構造体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薄い金属板をプレス加工することにより製造されたアンテナコイルが知られている。しかし、プレス加工によるアンテナコイルは、複数の金型を用いた複数の工程を経て製造されるため、コストが高くなる。また、その製品強度が弱いために複数の工程間における位置合わせが困難であり、アンテナコイルの精度を向上させることができない。
【0003】
一方、樹脂フィルムなどの絶縁部材の上に導電体(金属)を形成して構成されたアンテナがある。例えば特許文献1には、絶縁部材の表面全体に接着された導電性箔を所定のパターンでエッチングすることにより、絶縁部材の表面に導電体が形成されたアンテナコイルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−344226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、導電性箔をエッチングする(化学処理を行う)ことにより導電体を形成すると、アンテナコイルの製造コストが高くなる。
【0006】
そこで本発明は、化学処理を行わない低コストで高精度の配線構造体の製造方法、および、その製造方法に用いられる金型を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての配線構造体の製造方法は、凸部を有する第1金型および凹部を有する第2金型を用いて、金属箔が形成された樹脂フィルムを押さえ付けることにより、該金属箔を金属配線の境界部にて切断する工程と、所定の熱源を用いて前記金属箔の不要部分の局部加熱を行う工程と、前記樹脂フィルムから不要な金属箔を除去する工程とを有する。
【0008】
本発明の他の側面としての金型は、金属箔が形成された樹脂フィルムを押さえ付けることにより、該金属箔を金属配線の境界部にて切断するために用いられる金型であって、連続的な直線であって規則的な折り曲げ部を備えた凸部を有する第1金型と、前記凸部に対応するように形成された凹部を有する第2金型とを有する。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、化学処理を行わない低コストで高精度の配線構造体の製造方法、および、その製造方法に用いられる金型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施例における配線構造体(アンテナ)の平面図である。
【図2】実施例1における配線構造体の製造工程図である。
【図3】実施例1における配線構造体の製造工程図である。
【図4】実施例1における配線構造体の製造工程図である。
【図5】実施例2における配線構造体の製造工程図である。
【図6】実施例2における配線構造体の製造工程図である。
【図7】実施例3における配線構造体の製造工程図である。
【図8】配線構造体の他の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0013】
まず、図1乃至図4を参照して、本発明の実施例1における配線構造体およびその製造方法について説明する。
【0014】
図1は、本実施例における配線構造体の一例であるアンテナ1の平面図である。アンテナ1は、くし歯状の金属配線(導電性部材)を備えて構成されている。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば渦巻き状の金属配線など、連続的な直線であって規則的な折り曲げ部を有する金属配線に広く適用可能である。本実施例のアンテナ1は、可撓性を有する樹脂フィルムの上に金属箔(導電性箔)を形成して構成されたフィルムアンテナである。ただし、本実施例の配線構造体はアンテナ(フィルムアンテナ)に限定されるものではなく、金属配線を備える他の構造体にも適用可能である。
【0015】
図2乃至図4は、配線構造体(アンテナ1)の製造方法を説明する製造工程図であり、図1中の線A−Aにおける断面を示す。図2(a)〜(d)は、金型を用いて配線構造体の中間構造体を製造する工程図である。図3(a)〜(d)は、図2(d)に示される中間構造体を製造した後の工程図である。図4(a)、(b)は、完成した配線構造体を対象物に貼り付ける工程図である。
【0016】
図2(a)に示されるように、本実施例では、樹脂フィルム10および樹脂フィルム10上に接着剤12を介して形成された金属箔14を有する可撓性フィルム部材が用いられる。樹脂フィルム10は例えば透光性を有するポリプロピレン(PP)からなるが、これに限定されるものではく、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの可撓性を有する他の樹脂から構成されるものであってもよい。なお、透光性を有しないものを用いてもよい。本実施例において、樹脂フィルム10の厚さは一例として約100μm程度のものを使用することができるが、これに限定されるものではない。また金属箔14は、例えばアルミ(Al)からなるが、これに限定されるものではなく、金(Au)や銅(Cu)など他の金属箔を用いてもよい。
【0017】
本実施例における配線構造体の製造方法では、まず、可撓性フィルム部材の半抜きを行うことにより、金属箔14を切断する。本実施例の半抜き工程で用いられる金型は、パンチとしての上型50(第1金型)とダイとしての下型60(第2金型)を備えて構成されている。
【0018】
上型50には、可撓性フィルム部材側(下型60側)に突出した凸部52が設けられている。凸部52は、連続的な直線部と規則的な折り曲げ部を有する金属配線を形成するため、所望の金属配線に対応する形状を有する。例えば図1に示されるアンテナ1を製造する場合、凸部52は平面から見てつづら折り状に均等に折り曲がったくし歯状になるように形成される。すなわち、凸部52の形状により、配線構造体の金属配線の形状が決定される。換言すれば、凸部52の外縁形状が配線構造体の金属配線の形状に相当する。上型50は、図2(b)に示されるように、可撓性フィルム部材の半抜き時において可撓性フィルム部材を上面側から押さえ付ける。本実施例において、凸部52を有する上型50は、樹脂フィルム10の金属箔14の形成面側(図中の上面側)から樹脂フィルム10を押し付ける。
【0019】
下型60には、可撓性フィルム部材の当接面において窪んだ凹部62が設けられている。凹部62は、上型50に設けられた凸部52に対応するように形成されている。具体的には、凹部62は、凸部52よりも幅広に形成され、その平面視形状が凸部52と同様に形成されている。下型60は、図2(b)に示されるように、可撓性フィルム部材の半抜き時において可撓性フィルム部材を下面側から押さえ付ける。
【0020】
このように本実施例の金型は、上型50と下型60とを主体として構成されている。可撓性フィルム部材の半抜き時には、図2(c)に示されるように、上型50と下型60とで可撓性フィルム部材をクランプし(挟み)、金属箔14を所定の部位にて切断する。この所定の部位としては、例えば金属配線の境界部(縁部)に相当する線状の部位にて切断することができる。
【0021】
本実施例の金型は、1スタンプで樹脂フィルム10上の全ての金属箔14が打ち抜けるように構成されている。また、可撓性フィルム部材の半抜き時には、上型50の凸部(刃先)は金属箔14のみ切断し、樹脂フィルム10にはその途中の厚さまでしか刃が入らないように設定されている。このように本実施例によれば、金属箔14を金属構造体の外形を一括加工できるため刃先部品点数を減らして金型のコストを低減させながら、高精度な配線構造体を製造することができる。
【0022】
可撓性フィルム部材の半抜きが完了した場合には、図2(d)に示されるように、上型50と下型60とを引き離して、可撓性フィルム部材から離型する。この結果、金属箔14が所定の部位にて切断され、不要な金属箔14aおよび配線構造体の金属配線となる金属箔14bに分離された中間構造体が形成される。
【0023】
続いて、所定の熱源を用いて金属箔14の不要部分の局部加熱(選択的加熱)を行う。本実施例では、熱源としてレーザ光を用いたレーザ照射により金属箔14の局部加熱が行われる。また本実施例において、接着剤12はその接着力(接着性)をレーザ照射により加熱して弱めることができる。具体的には、図3(a)に示されるように、不要な金属箔14aに対してレーザ照射して局部加熱することで樹脂フィルム10を透過したレーザ光により接着剤12を加熱することができる。この場合、接着剤12が金属箔14aと比較して大きく伸びるために接着面でせん断応力が作用して接着力が低下するため不要部分のみを剥離しやすくする。なお、不要な金属箔14aに対して直接レーザ照射することで金属箔14aと接着剤12とのを同時に加熱することで線膨張係数の違いによりせん断力を作用させて剥離しやすくすることもできる。また、熱源はレーザ光に限定されるものではなく、突起した不要な金属箔14aを加熱型に接触させることで選択的に加熱することもできる。
【0024】
続いて、樹脂フィルム10から不要な金属箔14aを除去する。この工程では、まず図3(b)に示されるように、樹脂フィルム10上に接着剤12を介して設けられている不要な金属箔14aに粘着テープ20を貼り付ける。不要な金属箔14aは、前述のレーザ照射により、接着剤12との接着性が弱められている。このため、粘着テープ20を剥ぎ取ると、図3(c)に示されるように、不要な金属箔14aは粘着テープ20に粘着したまま樹脂フィルム10から剥ぎ取られる。この結果、不要な金属箔14aは樹脂フィルム10から除去され、樹脂フィルム10上には配線構造体の金属配線として用いられる金属箔14bのみが残る。この場合、粘着テープ20を用いずに、図3(a)の上面方向において不要な金属箔14aを端部から順次吸引することで不要な金属箔14aを除去することもできる。これによれば、不要な金属箔14aを容易に再利用できる。なお、不要な金属箔14aにおける接着剤12の粘着力を十分に弱めてあれば一括して吸引して剥離させることもできる。
【0025】
樹脂フィルム10から不要な金属箔14aを除去した後、図3(d)に示されるように、前述の半抜き工程で凹凸部が形成された樹脂フィルム10(可撓性フィルム部材)の平坦化処理を行う。本実施例の平坦化処理では、アニール用上型70(第1アニール用金型)およびアニール用下型80(第2アニール用金型)を用いて樹脂フィルム10の加熱および加圧を行う。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、他の方法により平坦化処理を行ってもよい。この平坦化処理により、凹凸部が形成されていた樹脂フィルム10(可撓性フィルム部材)は平坦化される。なお、このような平坦化処理は必要に応じて行われる工程であり、本実施例に必須なものではない。その後、この可撓性フィルム部材を所定のサイズに切断し、配線構造体であるアンテナ1(フィルムアンテナ)が製造される。
【0026】
樹脂フィルム10の平坦化処理を行った後(可撓性フィルム部材を所定のサイズに切断した後)、図4(a)に示されるように、樹脂フィルム10(フィルムアンテナ)を対象物に貼り付けるための接着剤30を樹脂フィルム10上に塗布する。接着剤30は、樹脂フィルム10における金属箔14bの形成面側(接着剤12が設けられている面側)に塗布される。続いて図4(b)に示されるように、接着剤30を介してアンテナ1を対象物40に貼り付ける。本実施例のアンテナ1は、例えば対象物40である基板に貼り付けられ、アンテナ1の金属配線(金属箔14b)が基板上の配線と電気的に接続される。この際に、樹脂フィルム10は必要に応じて剥離して用いてもよいが、そのまま残すことで金属配線の保護用に用いることができ、保護用の樹脂フィルム10を用いて成形を補助することで成形コストを削減可能となる。
【0027】
なお本実施例において、アンテナ1は熱圧着により対象物40に固定することも可能であり、この場合には対象物40への取り付けが容易になり、更なるコスト低減が図れる。
【0028】
本実施例によれば、エッチングなどの化学処理を行うことなく機械的処理により配線構造体(フィルムアンテナ)を製造することが可能である。このため、低コストで高精度の配線構造体の製造方法、および、その製造方法に用いられる金型を提供することができる。
【実施例2】
【0029】
次に、図5および図6を参照して、本発明の実施例2における配線構造体およびその製造方法について説明する。本実施例は、ダイとしての下型60(第2金型)で金属箔の抜きを行う点で、実施例1と異なる。図5および図6は、配線構造体(アンテナ1)の製造方法を説明する製造工程図であり、図1中の線A−Aにおける断面を示す。図5(a)〜(d)は、金型を用いて配線構造体の中間構造体を製造する工程図である。図6(a)〜(c)は、図5(d)に示される中間構造体を製造してから配線構造体が完成するまでの工程図である。
【0030】
図5(a)〜(d)に示されるように、本実施例の金型は、実施例1と同様に凸部52を有する上型50および凹部62を有する下型60を備えている。そして、上型50と下型60とで可撓性フィルム部材をクランプして金属箔の抜き(可撓性フィルム部材の半抜き)を行う。
【0031】
本実施例の可撓性フィルム部材は、実施例1と同様に、樹脂フィルム10と樹脂フィルム10の上に接着剤12を介して形成された金属箔14とを備えて構成される。また本実施例では、実施例1とは異なり、金属箔14を下型60側(図中の下側)に向けて、可撓性フィルム部材を上型50および下型60でクランプする。このため、実施例2と同様に、樹脂フィルム10は上型50の凸部52により押され、金属箔14は下型60の凹部62の内部に押し出されることで半抜きが行われる。このとき、上型50の凸部と下型60の凹部により、金属箔15は切断されるが、樹脂フィルム10はその途中の厚さまでしか切断されない(半抜き)ように設定されている。前述の半抜きが完了した後、図5(d)に示されるように、上型50および下型60を引き離して離型する。この結果、金属箔14が所定の部位にて切断され、不要な金属箔14aおよび配線構造体の金属配線となる金属箔14bに分離された中間構造体が形成される。
【0032】
次に、図6(a)に示されるように、例えば実施例1と同様にレーザ光などの熱源を用いて金属箔14の局部加熱(選択的加熱)を行う。続いて、樹脂フィルム10から不要な金属箔14aを除去する。この工程では、例えば実施例1と同様に、不要な金属箔14aに粘着テープを貼り付けて剥ぎ取ることにより行うことができる。本実施例では、図6(b)に示されるように、この工程において不要な金属箔14aとともに金属箔14aを接着する接着剤12aも樹脂フィルム10から除去される。この結果、樹脂フィルム10上には配線構造体の金属配線として用いられる金属箔14b(および接着剤12b)のみが残る。
【0033】
樹脂フィルム10から不要な金属箔14a(および接着剤12b)を除去した後、図6(c)に示されるように、前述の半抜き工程で凹凸部が形成された樹脂フィルム10(可撓性フィルム部材)の平坦化処理が行われる。その後、この可撓性フィルム部材を所定のサイズに切断し、配線構造体であるアンテナ1(フィルムアンテナ)が製造される。また、樹脂フィルム10(フィルムアンテナ)を対象物に貼り付けるための接着テープ32(接着剤)を、樹脂フィルム10の金属箔14bの形成面と反対側の面に貼り付ける(塗布する)。その後、接着テープ32を介してアンテナ1を対象物に貼り付ける。
【0034】
なお、図6(d)に示されるように、金属箔14bを保護するための保護テープ35(保護部材)を金属箔14bの端子部分を除いて樹脂フィルム10の金属箔14bの形成面に貼り付けることで接着面を持たないフィルムアンテナとしてもよい。この場合、接着する必要がない製品において利用可能である。なお、接着テープ32を介してアンテナ1を対象物に貼り付けてもよい。
【0035】
本実施例では、ダイとしての下型で金属箔の抜きを行うことによっても、低コストで高精度の配線構造体の製造方法、および、その製造方法に用いられる金型を提供することができる。
【実施例3】
【0036】
次に、図7を参照して、本発明の実施例3における配線構造体およびその製造方法について説明する。本実施例も、ダイとしての下型60(第2金型)で金属箔の抜きを行う点で、実施例1と異なる。図7は、配線構造体(アンテナ1)の製造方法を説明する製造工程図であり、図1中の線A−Aにおける断面を示す。金型を用いて配線構造体の中間構造体を製造する工程は、図5を参照して説明した実施例2と同様であるため、ここでの説明は省略する。図7(a)〜(c)は、図5(d)に示される中間構造体を製造してから配線構造体が完成するまでの工程図である。
【0037】
図5(d)に示されるように、実施例2と同様の半抜き工程を経て、不要な金属箔14aおよび配線構造体の金属配線となる金属箔14bに分離された中間構造体が形成されると、続いて図7(a)に示されるように、例えば実施例1、2と同様にレーザ光などの熱源を用いて金属箔14の局部加熱(選択的加熱)を行う。続いて、樹脂フィルム10から不要な金属箔14aを除去する。この工程では、例えば実施例1、2と同様に、不要な金属箔14aに粘着テープを貼り付けて剥ぎ取ることにより行うことができる。
【0038】
本実施例では、図7(b)に示されるように、この工程において不要な金属箔14aのみが除去され、不要な金属箔14aを接着する接着剤12aは樹脂フィルム10上に残ったままとなる。この結果、樹脂フィルム10上には配線構造体の金属配線として用いられる金属箔14bおよび接着剤12a、12bが残る。
【0039】
樹脂フィルム10から不要な金属箔14aを除去した後、図7(c)に示されるように、前述の半抜き工程で凹凸部が形成された樹脂フィルム10(可撓性フィルム部材)の平坦化処理が行われる。その後、この可撓性フィルム部材を所定のサイズに切断し、配線構造体であるアンテナ1(フィルムアンテナ)が製造される。
【0040】
本実施例では、樹脂フィルム10上に接着剤12(12a、12b)が残っている。このため、接着剤12を介してアンテナ1を対象物に貼り付けることができる。このように本実施例では、樹脂フィルム10(フィルムアンテナ)を対象物に貼り付けるため、実施例3のように接着テープを貼り付ける必要はない。
【0041】
前記各実施例によれば、エッチングなどの化学処理を行うことなく機械的処理により配線構造体(フィルムアンテナ)を製造することが可能である。このため、低コストで高精度の配線構造体の製造方法、および、その製造方法に用いられる金型を提供することができる。
【0042】
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
【0043】
例えば、図8に示されるように、実施例1の配線構造体を3層積層した配線構造体(積層配線構造体)を構成してもよい。この場合、例えば金属箔14bをコイル状に形成し接続端子を配線構造体間で接続する構成とすることでアンテナとしての性能を向上させることもできる。なお、積層配線構造体は、実施例1の配線構造体を積層したものに限定されるものではなく、実施例2、3の配線構造体を積層して構成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 アンテナ(配線構造体)
10 樹脂フィルム
12 接着剤
14 金属箔
20 粘着テープ
30 接着剤
32 接着テープ
35 保護テープ
40 対象物
50 上型(第1金型)
52 凸部
60 下型(第2金型)
62 凹部
70 アニール用上型(第1アニール用金型)
80 アニール用下型(第2アニール用金型)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸部を有する第1金型および凹部を有する第2金型を用いて、金属箔が形成された樹脂フィルムを押さえ付けることにより、該金属箔を金属配線の境界部にて切断する工程と、
所定の熱源を用いて前記金属箔の不要部分の局部加熱を行う工程と、
前記樹脂フィルムから不要な金属箔を除去する工程と、を有することを特徴とする配線構造体の製造方法。
【請求項2】
前記不要な金属箔を除去した後、前記樹脂フィルムの平坦化処理を行う工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項3】
前記金属箔の局部加熱は、レーザ照射により行われることを特徴とする請求項1または2に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項4】
前記金属箔の局部加熱は、前記不要な金属箔に対して行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項5】
前記不要な金属箔は、前記金属箔の上に粘着テープを貼り付けてから剥ぎ取ることで除去されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項6】
前記金属箔は、接着剤を介して前記樹脂フィルムの上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂フィルムの平坦化処理は、第1アニール用金型および第2アニール用金型を用いて前記樹脂フィルムの加熱および加圧を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項8】
前記凸部を有する前記第1金型は、前記樹脂フィルムの前記金属箔の形成面側から該樹脂フィルムを押さえ付けることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項9】
前記樹脂フィルムの平坦化処理を行った後、該樹脂フィルムを対象物に貼り付けるための接着剤を該樹脂フィルム上に塗布する工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項10】
前記配線構造体はフィルムアンテナであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の配線構造体の製造方法。
【請求項11】
金属箔が形成された樹脂フィルムを押さえ付けることにより、該金属箔を所定の部位にて切断するために用いられる金型であって、
連続的な直線であって規則的な折り曲げ部を備えた凸部を有する第1金型と、
前記凸部に対応するように形成された凹部を有する第2金型と、を有することを特徴とする金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−30864(P2013−30864A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163921(P2011−163921)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000144821)アピックヤマダ株式会社 (194)