説明

配送支援システム及び配送支援方法

【課題】部品緊急配送に係る処理効率を高め、迅速且つ的確な部品緊急配送を実現する。
【解決手段】本発明の配送支援システムは、荷主保有の携帯電話機13と、物品の注文を受けたときに注文情報をサーバに送信する管理者用端末1と、配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機16と、部品の配送状況を確認する注文管理機能と、注文のあった部品の配送担当者を割り当てる配送担当者割り当て機能と、注文のあった部品の配送状況を確認する配送状況確認機能と、配送担当者からのステータス登録により注文のあった部品の配送状態を管理するステータス管理機能と、を有するサーバ4と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送支援システム及び配送支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば事務機器等に関してメンテナンスを行う者が当該事務機器について顧客先で部品の交換が必要であると判断した場合には電話連絡により管理者に部品の配送を発注し、当該発注を受けた管理者が適切な配送担当者を選定し電話連絡により部品の配送を指示し、配送担当者が配送トラック等により部品を配送することがなされている。そして、最近では配送担当者の位置情報をリアルタイムで把握するために、上記配送トラック等に予めGPS(Global Positioning System)機器が搭載されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、個々の配送手段に対してGPSのようにリアルタイムに位置情報の把握が可能な機器を塔載し、配送手段の配送ルートを動的に変更することによって配送効率を確保し緊急の消耗品要求に対応する配送システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−206032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、配送効率を確保することに主眼が置かれた発明が開示されているにすぎず、部品の発注、部品配送者の手配、倉庫への部品のピッキングに係る指示、当該部品配送者の状況把握等からなる部品緊急配送に係る処理効率を高めることについては何等示唆も開示もされていない。
【0005】
本発明の目的とするところは、部品緊急配送に係る処理効率を高め、迅速且つ的確な部品緊急配送を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様では、荷主保有の携帯電話機と、物品の注文を受けたときに注文情報をサーバに送信する管理者用端末と、配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機と、部品の配送状況を確認する注文管理機能と、注文のあった部品の配送担当者を割り当てる配送担当者割り当て機能と、注文のあった部品の配送状況を確認する配送状況確認機能と、配送担当者からのステータス登録により注文のあった部品の配送状態を管理するステータス管理機能と、を有するサーバと、を具備することを特徴とする配送支援システムが提供される。
【0007】
本発明の第2の態様では、物品を注文する荷主保有の携帯電話機と、物品の注文を受けたときに注文情報をサーバに送信する管理者用端末と、GPS機能により位置検出可能な配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機と、上記管理者用端末からの注文情報を受信すると、配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機に注文割当確認メールを送信し、当該配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機からの応答を受信すると、データベースの内容を更新し、上記荷主保有の携帯電話機に確認メールを送信し、上記GPS機能付携帯電話機の位置情報を管理し、荷主の携帯電話機からの位置確認要求がなされた場合には上記配送担当者の位置情報を送信するサーバと、を具備することを特徴とする配信支援システムが提供される。
【0008】
本発明の第3の態様では、管理者端末が物品の注文を受けたときに注文情報をサーバに送信し、サーバが上記管理者用端末からの注文情報を受信すると、配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機に注文割当確認メールを送信し、当該配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機からの応答を受信すると、データベースの内容を更新し、上記荷主保有の携帯電話機に確認メールを送信し、上記GPS機能付携帯電話機の位置情報を管理し、荷主の携帯電話機からの位置確認要求がなされた場合には上記配送担当者の位置情報を送信する、ことを特徴とする配信支援方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品緊急配送に係る処理効率を高め、迅速且つ的確な部品緊急配送を実現する部品緊急配送支援システム及び部品緊急配送支援方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0011】
図1には本発明の一実施の形態に係る配送支援システムの構成を示し説明する。
【0012】
この図1に示されるように、本実施の形態に係る配送支援システムでは、管理者用端末1はルータ2をインターネット3に接続されている。そして、サーバ4はルータ5を介して第1の通信網11、第2の通信網12からなる通信網10やインターネット3に接続されている。第1の通信網11は例えばiモード(R)対応の通信網等であり、第2の通信網12は位置情報センタ14との連携を図るDoPa(R)対応の通信網等である。
【0013】
荷主(以下、CEと称する)保有の携帯電話機13は、第1の通信網11を介してサーバ4等と通信可能となっており、配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機16は、第2の通信網12を介してサーバ4等と通信可能となっている。このGPS機能付携帯電話機16の現在位置は、第2の通信網12と位置情報センタ14、GPS衛星15の働きにより、サーバ4側で随時把握可能となっている。サーバ4は、本実施の形態に係る配送支援システムによる各種支援制御を司るものであり、少なくとも位置情報DB6a、配送情報DB6b、顧客情報DB6c、商品情報DB6dを管理している。以上のほか、部品を保管した倉庫には、少なくとも伝票印刷用プリンタ7、パトランプ8が配設されており、これらがルータ9を介してインターネット3に接続されている。尚、配送支援する対象を部品としたが、それ自体独立して取引の対象となる物品も配送支援の対象となる。
【0014】
このような構成において、サーバ4は、注文管理機能、配送担当者(以下、CSDと称する)割り当て機能、配送状況確認機能、CSDステータス管理機能を有している。
【0015】
より詳細には、注文管理機能とは、部品の注文を配送支援システムに登録して配送状況等を確認する機能である。CSD割り当て機能とは、注文のあった部品を配送するCSDを割り当てる機能である。そして、配送状況確認機能とは、注文のあった部品の配送状況を確認する機能である。CSDステータス管理機能とは、CSDからのステータス登録により注文のあった部品の配送状態を管理する機能である。サーバ4は、これら機能により各種DB6a乃至6dの連携を図りつつ、部品の緊急配送支援動作を実行する。
【0016】
尚、この図1においては、物理的に1つのサーバ4に上記した各機能を論理的に区分けして実装する例を示したが、物理的に複数のサーバに上記した各機能、或いは当該機能の任意の組み合わせを実装するようにしてもよいことは勿論である。
【0017】
以下、図2のフローチャートを参照して、本発明の一実施の形態に係る配送支援システムによる動作を詳細に説明する。ここでは、図3乃至図12を適宜参照する。
【0018】
尚、図3は以下で参照する画面100乃至106の画面遷移図である。
【0019】
さて、管理者がCE保有の携帯電話機13等からの連絡を受け新規の部品注文を受け付けると(ステップS1)、当該管理者は管理者用端末1に表示された図4に示されるような画面100の新規注文入力ボタン100aをクリック等して、図5に示されるような画面101を表示し、当該画面101の各領域101a乃至101dに電話連絡を受けた際に入手した情報を入力することになる。即ち、図5の例では、画面101の領域101aには受注日時、領域101bにはCE社員番号等、領域101cには機種、機械番号、領域101dには顧客名や配送先住所、受取人、電話番号等が入力される。これらの入力の後に登録ボタン101eがクリック等されると画面100に戻る。
【0020】
画面100に戻ると、この入力された注文は領域100fに表示される。管理者は、管理者端末1を操作することによりCSD未割当注文一覧表示領域100bの中から割当を所望とする受付番号を選択し、さらにCSD一覧表示領域100cの中から割当の確認対象を選択し、CSD割当ボタン100dをクリック等する。すると、管理者用端末1で入力された各種データはサーバ4側に送信される(ステップS2)。
【0021】
サーバ4では、倉庫側の伝票印刷プリンタ7に新規伝票のデータを送信する(ステップS3)。倉庫では、このサーバ4からのデータをルータ9を介して受信し、パトランプ8が点灯し、伝票印刷用プリンタ7が図6に示すような新規注文伝票102を出力する。この新規注文伝票102は、図6に示されるように、タイトル部分102aとヘッダ部分102b、ボディ部分102cからなる。即ち、伝票の頭部分(受付番号とページ表示)をタイトル部分102aとし、注文部品の情報をボディ部分102c、その他の情報をヘッダ部分102bとしている。こうして、パトランプ8の点灯に気づいた倉庫側従業員は、新規注文伝票102の内容に従い部品をピッキングすることになる。
【0022】
続いて、サーバ4はCSDのGPS機能付携帯電話機16に注文割当確認メールを送信する(ステップS4)。GPS機能付携帯電話機16は、この注文割当確認メールを受信すると図8に示されるような画面201を表示する(ステップS5)。そして、この画面201より図9に示される画面202に切り換え、当該画面202の領域202aの選択肢(即ち、この例では「対応確認」、「対応不可(積載不可)」、「対応不可(渋滞中)」、「対応不可(休憩中)」)についてCSDによる選択を受け付ける。この選択がなされると、画面203に切り換わり、更に当該画面203のOKボタンをクリック等すると、確認内容をサーバ4に回答すると共に、画面204に切り換わる(ステップS6)。
【0023】
サーバ4は、このGPS機能付携帯電話機16からの回答を受信するとDB6bの内容を更新する(ステップS7)。このような回答がなされると、CSDのGPS機能付携帯電話機16のCDS用ステータス登録画面205の領域205aに自己が既に回答した受付番号が表示される。そして、このステータス登録画面205の領域205bの出発ボタンを選択すると、当該出発の通知がGPS機能付携帯電話機16からサーバ4へと送られ(ステップS8)、配送情報DB6が更新される(ステップS9)。
【0024】
そして、サーバ4は確認メールを携帯電話機13に送信する(ステップS10)。CEの携帯電話機13は、この確認メールを受信すると、図11に示されるような画面206を表示する(ステップS11)。即ち、この画面206では、受付番号、CDS位置確認をするためのURL、受付時刻、更新時刻、顧客名、電話番号、受取人名、発注内容、CSDの氏名、出発地、出発時刻、到着予定時刻等が少なくとも表示される。
【0025】
さらに、CSDによりCSD位置確認のURLが選択されると、CSDの位置確認の問い合わせがサーバ4になされ(ステップS12)、サーバ4はこの問い合わせを受けると位置情報を位置情報DB6aより抽出し(ステップS13)、位置確認画面のデータをCEの携帯電話機13に送信する(ステップS14)。CEの携帯電話機13は、このデータを受信すると、図12に示されるようなCE用CSD位置確認画面207を表示する(ステップS15)。即ち、このCE用CDS位置確認画面207では、CSD氏名と時刻(hh時mm分)、現在のCSDの現在地が表示されることになる。ここで、更に地図表示のボタンを画面207内に設けて、当該ボタンを押下した場合には、CSDの現在地をCE保有の携帯電話機13にて地図表示するようにしてもよいことは勿論である。
【0026】
ついで、CSDによる配送が完了したときに図10の領域205cの配送完了ボタンが選択されると、配送完了の通知がサーバ4になされ(ステップS16)、サーバ4は配送情報DB6bの内容を当該通知の内容に従い更新する(ステップS17)。以上で、本実施の形態に係る部品緊急配送支援システムによる一例の動作を終了する。
【0027】
ここで、上記動作ではふれなかったが、管理者用端末1は、サーバ4にCSDの位置情報を適宜要求し、図13乃至図16に示される画面103乃至106を表示することができる。即ち、図4の画面100において、現在地ボタン100iが選択された場合には図13に示される現在地地図画面103が、現在地地図画面103の最新位置表示ボタン103aが選択された場合には図14の全台地図画面104が、履歴ボタン100jが選択された場合には図15の移動履歴地図画面105が、配送ルート図ボタン100kが選択された場合には図16の配送ルート地図画面106が、適宜表示される。
【0028】
また、図4の画面100のCSD再割当ボタンが押下された場合にはCSDの再割当が許容され、その一方で確認/取消ボタン100eが押下された場合にはCSDの割当の確認や取消しを行うことができる。このほか、本システムにおけるサーバ4は、管理者用端末1より要求があった場合等には、DB6a乃至6dの連携を図りつつ、図17に示されるようなCSD毎の日報を作成することも可能となっている。この日報画面107の領域107aには検索条件、107bにはCSDの社員情報、CSD情報、領域107cには注文配送情報が、適宜表示されることになる。
【0029】
以上詳述したように、本発明の実施の形態に係る部品緊急配送支援システム及び部品緊急配送支援方法によれば、GPS機能付携帯電話機を用いることで部品緊急配送に係る処理効率を高め、迅速且つ的確な部品緊急配送を実現することができる。
【0030】
即ち、この実施の形態に係る配送支援システム及び方法によれば、受注/配送作業・業務の標準化を図ることができ、作業指示・完了報告等のシステム化を図ることができ、更には履歴管理や顧客管理、商品管理も簡易なものとなる。さらに、車両配置の適正化、荷役ピッキング業務の簡素化を図ることができる。また、荷主に対して到着時間を明確に示唆することができ、作業の先読みに寄与することができる。そして、複数のDBの相互連携により更なる業務効率の改善を図ることが可能である。また、作業要時間等も管理されているので、作業別の料金体系を適用することも可能である。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施の形態では、部品の発注は管理者への電話連絡により行うものとして説明をしたが、これに限定されることなく、電子メール等による発注も可能である。この場合には、電子メールの本文に記載のデータを自動的に認識して、サーバが当該データに基いて発送担当者の手配やデータベースを更新するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態に係る配送支援システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る配送支援システムによる配送支援動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】画面100乃至106の遷移図である。
【図4】基本画面100の一例を示す図である。
【図5】新規注文入力画面101の一例を示す図である。
【図6】新規注文伝票102の一例を示す図である。
【図7】CSD割当確認画面103の一例を示す図である。
【図8】注文割当確認メールの表示画面201の一例を示す図である。
【図9】CSD注文割当/修正回答画面202の遷移図である。
【図10】CSD用ステータス登録画面205の一例を示す図である。
【図11】CEへ送信される確認メールの表示画面206の一例を示す図である。
【図12】CE用CSD位置確認画面207の一例を示す図である。
【図13】現在地地図画面103の一例を示す図である。
【図14】全台地図画面104の一例を示す図である。
【図15】移動履歴地図画面105の一例を示す図である。
【図16】配送ルート地図画面106の一例を示す図である。
【図17】日報の出力形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・管理者用端末、2・・・ルータ、3・・・インターネット、4・・・サーバ、5・・・ルータ、6・・・データベース、7・・・伝票印刷用プリンタ、8・・・パトランプ、9・・・ルータ、10・・・通信網、11・・・第1の通信網、12・・・第2の通信網、13・・・携帯電話機、14・・・位置情報センタ、15・・・GPS衛星、16・・・GPS機能付携帯電話機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷主保有の携帯電話機と、
物品の注文を受けたときに注文情報をサーバに送信する管理者用端末と、
配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機と、
部品の配送状況を確認する注文管理機能と、注文のあった部品の配送担当者を割り当てる配送担当者割り当て機能と、注文のあった部品の配送状況を確認する配送状況確認機能と、配送担当者からのステータス登録により注文のあった部品の配送状態を管理するステータス管理機能と、を有するサーバと、
を具備することを特徴とする配送支援システム。
【請求項2】
物品を注文する荷主保有の携帯電話機と、
物品の注文を受けたときに注文情報をサーバに送信する管理者用端末と、
GPS機能により位置検出可能な配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機と、
上記管理者用端末からの注文情報を受信すると、配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機に注文割当確認メールを送信し、当該配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機からの応答を受信すると、データベースの内容を更新し、上記荷主保有の携帯電話機に確認メールを送信し、上記GPS機能付携帯電話機の位置情報を管理し、荷主の携帯電話機からの位置確認要求がなされた場合には上記配送担当者の位置情報を送信するサーバと、
を具備することを特徴とする配信支援システム。
【請求項3】
管理者端末が物品の注文を受けたときに注文情報をサーバに送信し、
サーバが上記管理者用端末からの注文情報を受信すると、配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機に注文割当確認メールを送信し、当該配送担当者保有のGPS機能付携帯電話機からの応答を受信すると、データベースの内容を更新し、上記荷主保有の携帯電話機に確認メールを送信し、上記GPS機能付携帯電話機の位置情報を管理し、荷主の携帯電話機からの位置確認要求がなされた場合には上記配送担当者の位置情報を送信する、
ことを特徴とする配信支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−1706(P2006−1706A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180182(P2004−180182)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(504235034)富士フイルムロジスティックス株式会社 (2)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)