説明

配電盤

【課題】配電盤下部のチャンネルベースで囲まれた空間内の換気の際、チャンネルベースに加工した穴からの昆虫などの侵入を防ぎ、換気を行うことが出来る配電盤を提供する。
【解決手段】チャンネルベースの吸入口に簡単に着脱可能なフィルタユニットを取り付ける。フィルタユニット内部のフィルタは使用者にて容易に交換できるものとする。フィルタユニットだけでは効果が十分に得られない場合は、フィルタユニットの前面に強制換気ユニットを取付けることにより、換気を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電盤などに用いられる換気機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配電盤には、図5に示すように、変圧器、ユニット基板、コントローラーなどの電気機器収納部12がある。使用中には電気機器の自己発熱による温度上昇から生じる故障や動作不良を防ぐ必要がある。
【0003】
その為に図6に示すように、配電盤の筐体フレーム6下部のチャンネルベース5に通風用の吸入口10を設け、筐体フレームの上部には排気用のファン11を設ける。そしてファンを作動させることで、筐体フレーム内部に蓄積された熱を外部に放熱する。そうすることで、配電盤の安定稼動に寄与できる(特許文献1、2)。
【0004】
前記配電盤以外については、図7、8に示すように配電盤下部に設けられたケーブル敷設用のピット14から、配電盤底面に設けられた穴を通じて、配電盤内部にケーブル15を敷設し、配電盤底面の穴をコーキング16で密閉処理した配電盤がある。しかし、このような配電盤の場合は、配電密閉空間内部に湿気が滞留することになる。
【0005】
具体的には、図9に示すようにケーブル敷設用のピットと配電盤の底面、及び四方をチャンネルベースで囲まれた密閉空間17には、湿気が滞留するということである。
【0006】
湿気が滞留したまま放置しておくと、前記空間内の湿気により、配電盤底面やチャンネルベースに発錆が生じ、やがて腐食等に至ることがある。
【0007】
このような不具合を回避する為に、図7に示すようにチャンネルベースにφ12程度の換気穴13を多数設ける事により、空間内の換気を行っている。
【0008】
【特許文献1】特開平8−65826号公報
【特許文献2】実開昭58−105710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
チャンネルベースに加工する換気穴はφ12程度の為、チャンネルベースの外部から小動物が侵入することはないが、山間部などに設置した場合は昆虫が侵入する可能性が考えられる。
【0010】
特に蜂などの巣を作る昆虫が侵入した場合、配電盤が架電運用されている為、駆除することが困難である。
【0011】
その防止策として、チャンネルベースにメッシュ(金網)を取り付ける場合があるが、目詰まりが生じた場合、換気効率が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、配電盤下部に設置されたチャンネルベースの吸入口に、清掃、交換が容易に行えるフィルタユニットを取り付けることを特徴としている。
【0013】
また、本発明は、前記フィルタユニットだけでは換気効果が得られない場合(例えば、周辺の温度が高い、日当たりが悪いなど)、強制換気ユニットをフィルタユニットに取り付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
チャンネルベースにフィルタユニット及び必要に応じて強制換気ユニットを取り付けることにより、内部空間の湿気を換気できると共に、昆虫などの侵入防止効果が得られる。
【0015】
フィルタユニット及び強制換気ユニットは、使用者がチャンネルベースから容易に取り外すことが出来るように構成されているので、フィルタの交換、及び清掃が容易に出来る為、メンテナンスに係る時間と費用を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の実施形態に係るフィルタユニットの全体図である。
【図2】図2は本発明の実施形態に係るフィルタユニットをチャンネルベースに取り付ける側面図である。
【図3】図3は本発明の実施形態に係る強制換気ユニットと図1フィルタユニットの全体図である。
【図4】図4は本発明の実施形態に係る強制換気ユニットとフィルタユニットをチャンネルベースに取り付ける側面図である。
【図5】図5は従来の配電盤の側面図である。
【図6】図6は従来の配電盤の正面図である。
【図7】図7は従来の配電盤において、ピットから配線した場合の正面図である。
【図8】図8は従来の配電盤において、ピットから配線した場合の側面図である。
【図9】図9はチャンネルベース内部の密閉空間の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕
本実施の形態1について図1及び図2を用いて説明する。図1のフィルタユニット1はユニット部分2とフィルタ部分3で構成されている。このフィルタユニット1を自身の持つバネ圧縮機構及びマグネット4を介して、図2に示すようにチャンネルベース5に固定されている。
【0018】
フィルタを交換する場合は、図2のフィルタユニット1をチャンネルベース5から引き外し、図1のフィルタ3をフィルタユニット1から上方向に取り出し、新しいフィルタを入れ替えたフィルタユニット1を再度、図2のチャンネルベース5に取り付ける。
【0019】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2について図3及び図4を用い、実施の形態1と異なる点についてのみ説明する。図3はフィルタユニット1と強制換気ユニット7と各々を固定するマグネット4で構成されている。図4に示すように、フィルタユニット1と強制換気ユニット7はマグネット4によって一体化され、チャンネルベース5に固定される。
【0020】
上記のように強制換気ユニットを取り付け、動作させることにより、自然環境では十分な排気を行えない場合でも対応することができる。本発明品を屋外に設置する場合は、強制換気ユニットの電源を、配電盤外部に取付けた太陽光発電から得ることも出来る。
【符号の説明】
【0021】
1 フィルタユニット
2 ユニット
3 フィルタ
4 マグネット
5 チャンネルベース
6 筐体フレーム
7 強制換気ユニット
8 扉
9 屋根
10 吸入口
11 ファン
12 電気機器収納部
13 換気穴
14 ピット
15 ケーブル
16 コーキング
17 密閉空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電盤下部のチャンネルベースで囲まれた空間内に溜まった湿気を換気するため、チャンネルベースに設けられた吸入口に、着脱自在なフィルタユニットを設けたことを特徴とする配電盤。
【請求項2】
前記フィルタユニットに、強制換気ユニットを取付けたことを特徴とする請求項1記載の配電盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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