説明

酸性染料洗浄用組成物

【目的】 酸性染料に対して高い洗浄効果を有し、しかも使用感、安全性にも優れる酸性染料洗浄用組成物を提供する。
【解決手段】 N,N,N',N'-テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン又はその塩を配合する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄用組成物、特に酸性染料に対する洗浄力、皮膚刺激性等の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、口紅などのメークアップ製品には、色落ちしないことを目的として、無機顔料の他にジブロモフルオロセイン、テトラブロモフルオロセイン(エオシンY)、テトラクロロテトラブロモフルオロセインなどのタール色素や天然色素等のいわゆる酸性染料を油分に練り込んだ染料スラリーやカルシウム、アルミニウムなどに吸着させ不溶化した染料レーキが配合されている。これらの酸性染料は、多少なりとも皮膚に対して染着する性質を有しているため、口紅などのメークアップ製品を落ちにくくするという利点の反面、洗顔やクレンジングによってもなかなか落ちないという欠点がある。
【0003】従来より、洗浄料には通常、石鹸、アルキル硫酸エステル(塩)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル(塩)、ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸(塩)などのアニオン界面活性剤、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系両性界面活性剤などの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ショ糖エステル、アルキルグルコシド、マルチトールヒドロキシ脂肪族エーテルなどの非イオン界面活性剤が配合されているが、特にアルキルモノエタノールアマイド、アルキルジエタノールアマイドなどアマイド系の非イオン界面活性剤は酸性染料を含むメークアップの洗浄力に優れていることが知られている(特開平5−279226号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に界面活性剤は何れもその界面活性作用に起因する皮膚刺激性を大なり小なり有することが知られており、その使用量をいくらかでも低減することが要望されている。また、アマイド系界面活性剤や両性界面活性剤は安全性上、拭き取りでも使用できるメークアップリムーバーに用いられることは実質的に少なく、また、これらは水で洗浄する際にはぬめり感を生じることがあり、使用感上好ましくない場合があった。本発明は、このような従来技術の課題に鑑み成されたものであり、その目的は、酸性染料に対する洗浄力が高く、使用感や安全性にも優れる洗浄用組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、N,N,N',N'-テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンが僅かな量でも酸性染料の洗浄に優れた効果を発揮し、これを配合することにより酸性染料に対し洗浄力の高い洗浄料組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明にかかる酸性染料洗浄用組成物は、N,N,N',N'-テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン又はその塩を配合したことを特徴とする。
【0006】なお、本発明において、N,N,N',N'-テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンは組成物全量中、0.03重量%以上であることが好適である。また、本発明にかかるメーキャップ洗浄料は、前記酸性染料洗浄用組成物において、ノニオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤を配合したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の必須成分であるN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンは下記構造式(1)で示される。
【化1】


本化合物は公知物質であり、例えば、商品名ニュートロールTE(BASF社)として市販されている。
【0008】N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンをアルキルリン酸エステルの中和剤として用い、起泡性、刺激性を改善した界面活性剤組成物や、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンを配合した酸化染料を除去するための組成物も公知である(特表平5−506018号公報、特開昭63−203607号広報)。
【0009】しかしながら、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンが、単独でも皮膚や毛髪等に付着した酸性染料に対して洗浄効果を有するということはこれまで全く知られておらず、このような効果は本発明者等によって初めて見出されたものである。そして、該物質はその構造からもわかるように表面張力低下作用や、乳化、可溶化、起泡作用等の界面活性剤としての作用はなく、界面活性剤の特徴である臨界ミセル濃度(cmc)も持たない。また、皮膚刺激性も極めて低いため、これを配合することにより洗浄料組成物中の界面活性剤配合量を低減し、安全性に優れる組成物とすることができる。
【0010】なお、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの洗浄における作用機作については明らかではないが、通常の洗浄料のような界面活性作用による洗浄効果ではないと考えられる。一般に酸性染料はタンパク質のアミノ基やペプチド結合の窒素に吸着する(染料の化学;黒木宣彦、p.131、槇書店(1992))といわれており、このことから考えると、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの窒素部分が被染着物(例えば皮膚)のタンパク質のアミノ基等の窒素と入れ替わり、酸性染料と会合体を形成するためではないかと推測される。
【0011】本発明においてはN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン又はその塩の1種又は2種以上を用いることができ、このような塩としては塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、酸性アミノ酸等の有機酸との塩が挙げられる。これらの塩は通常の方法により容易に製造することができる。
【0012】また、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンはアルカリ剤であるから、イオン性界面活性剤の中和剤や増粘剤の中和剤として配合することもできる。なお、界面活性剤の中和剤として用いた場合には、洗浄力はさらに向上する。本発明の洗浄用組成物においてN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの配合量は、好ましくは0.03〜50重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。配合量が少なすぎる場合には本発明の効果が十分に得られず、また、多すぎる場合には臭いや安定性の面から好ましくない。
【0013】本発明の酸性染料洗浄用組成物の用途は、酸性染料を被染着物から除去するものであれば特に限定されず、例えば口紅、ファンデーション、マスカラ、アイブロウ等の顔のメークを落とすメーキャップ洗浄料や、酸性染毛料を落とす毛髪用洗浄料の他、衣類洗浄料、染み抜き剤などにも応用することができる。剤型としては特に限定されず、液状、乳液状、クリーム状、オイル状、ジェル状、ペースト状、固型状、粉末、ムース、スプレー等が挙げられる。また、通常の洗い流すタイプの洗浄料の他、拭き取り用としてコットン等のシートに含ませたシート状製品としてもよい。
【0014】本発明の洗浄用組成物には、上記必須成分に加えて本発明の効果を損なわない範囲で洗浄料組成物に通常配合される他の成分を1種又は2種以上配合することができる。例えば、メーキャップ洗浄料においては、化粧品、医薬部外品、医薬品などの洗浄料組成物に配合される成分を配合でき、石鹸、アルキル硫酸エステル(塩)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル(塩)、ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸(塩)などのアニオン界面活性剤、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系両性界面活性剤などの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ショ糖エステル、アルキルグルコシド、マルチトールヒドロキシ脂肪族エーテルなどの非イオン界面活性剤、トリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン界面活性剤、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エリスリトールなどの保湿剤、センブリ、シャクヤク、イリス、スギナなどの植物抽出成分、トラネキサム酸、アルブチンなどの薬剤、流動パラフィン、スクワラン、オリーブ油、シリコーン油などの油分、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコールなどの高級アルコール、アルギン酸、キサンタンガム、タマリンドガムなどの増粘剤、パラヒドロキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどの防腐剤、香料等が挙げられる。
【0015】また、通常メーキャップ化粧料には酸性染料の他に、油分や被膜剤などその他の成分を多量に含んでいる。従って、本発明の洗浄料組成物、特にメーキャップ洗浄料には、酸性染料以外の成分の洗浄のために、通常用いられている界面活性剤を併用することが好ましいが、特にその洗浄性や使用感等から、ノニオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤を配合することが好ましい。以下、具体例を挙げて本発明を説明する。
【0016】試験例1 洗浄効果ジブロモフルオロセイン、テトラブロモフルオロセイン及びテトラクロロテトラブロモフルオロセインを油分で練って調製した口紅を人工皮革に塗布し、3時間乾燥させた。別に表1に示した処方で被験洗浄料を調製し、各試料0.5mlを含ませたコットン(1×3cm)を四角い板にそれぞれ取り付けた。この板に100gの一定加重をかけながら、先に用意した口紅を塗布した人工皮革上を5往復させた後、残った口紅汚れを色差計を用いて元の口紅塗布部に対する色差(ΔE値)で測定した。
【0017】
【表1】
──────────────────────────────────── 成分 試料No. 1 2 3 4────────────────────────────────────流動パラフィン 49 49 48 50トリ2-エチルヘキサン酸グリセリン 20 20 20 20シリコーン油 20 20 20 20POEオレイルエーテル 10 10 10 10N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル) エチレンシ゛アミン 一塩酸塩 1 − 1 −ラウリルモノエタノールアマイド − 1 1 −──────────────────────────────────── 洗浄効果(△E値) 55.2 53.6 57.3 30.4────────────────────────────────────
【0018】表1から解るように、通常の洗浄料(試料4)では洗浄効果が低い。これにN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンを配合した場合(試料1)には、色差が非常に大きく、酸性染料に対する洗浄効果が格段に向上した。そして、その効果はアマイド系界面活性剤(ラウリルモノエタノールアマイド)を配合した場合(試料2)と同等以上のものであった。また、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンをアマイド系界面活性剤に併用した場合にはさらに洗浄効果が向上した。このように、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンは酸性染料に対する優れた洗浄効果を有していることが理解される。
【0019】試験例2 配合量0.01Mのテトラブロモフルオロセインナトリウム塩(エオシンY、東京化成(株))水溶液100mlに豚皮膚由来のハイドパウダー(シグマ社)5gを入れて24時間室温にて放置した。濾過後、60℃で4時間乾燥し、酸性染料が染着したハイドパウダーを得た。このハイドパウダー1gに、各種濃度のN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン水溶液20ml(pH8.2に塩酸で調整したもの)を添加し、5時間撹拌後、メンブレンフィルターで濾過した。リン酸緩衝液(pH7.0)で希釈後、517nmの吸光度を測定することにより、ハイドパウダーから溶出した酸性染料の量を定量した。
【0020】また、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン水溶液の代わりに、ラウリン酸のN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン中和液を用いて、同様に試験を行った。なお、この中和液はラウリン酸1モル/l水溶液にN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンをpH8.2になるまで添加し、得られた水溶液を水で適宜希釈して、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの濃度を調整した。
【0021】結果を図1に示す。図1からわかるように、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの濃度が高くなるに従い、溶出する酸性染料が増大し、洗浄効果が高くなった。また、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンをイオン性界面活性剤の対イオンとして用いた場合には、より高い洗浄効果を発揮した。これは、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン自体の洗浄作用と界面活性作用によるものであると考えられる。
【0022】また、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの分子量は292.4であり、これらの結果からN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの配合量は、組成物中0.03重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であることが示された。
【0023】以上のように、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンは界面活性作用がないにも関わらず酸性染料に対して優れた洗浄効果を有しており、これを配合した酸性染料洗浄用組成物は従来のアマイド系界面活性剤を配合したものと同等もしくはそれ以上の洗浄効果を発揮する。また、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンは皮膚刺激性が非常に低く、また、これを配合することにより洗浄力を低下させることなく界面活性剤使用量を低減することができるので、洗浄料組成物の刺激性を改善することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明にかかる洗浄料の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各種成分の配合量は特に指定のない限り重量%である。
【0025】
実施例1 クレンジングオイル(1)流動パラフィン 50.0(2)トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 20.0(3)シリコーン油 18.0(4)POEオレイルアルコールエーテル 10.0(5)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 一塩酸塩 1.0(6)香料 残余
【0026】
実施例2 クレンジングクリーム(1)ステアリン酸 2.0(2)セチルアルコール 3.0(3)ワセリン 10.0(4)流動パラフィン 38.0(5)イソプロピルミリステート 10.0(6)プロピレングリコール 5.0(7)モノステアリン酸グリセリン 2.5(8)POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.5(9)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 一塩酸塩 0.2(10)パラベン 適量(11)酸化防止剤 適量(12)香料 適量(13)精製水 残余
【0027】
実施例3 メーク落としジェル(1)流動パラフィン 12.0(2)トリ2-エチルヘキサン酸グリセリン 40.0(3)ソルビトール 10.0(4)PEG400 5.0(5)アシルメチルタウリン 5.0(6)POEオクチルドデシルアルコールエーテル 10.0(7)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 一塩酸塩 2.0(8)香料 適量(9)精製水 残余
【0028】
実施例4 無水油性クレンジングクリーム(1)セレシン 8.0(2)マイクロクリスタリンワックス 5.0(3)ワセリン 35.0(4)流動パラフィン 48.0(5)低分子ポリエチレン 2.0(6)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル) 0.3 エチレンジアミン(7)香料 適量
【0029】
実施例5 クレンジングフォーム(1)ステアリン酸 10.0(2)パルミチン酸 10.0(3)ミリスチン酸 12.0(4)ラウリン酸 4.0(5)ヤシ油 2.0(6)水酸化カリウム 5.0(7)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 一塩酸塩 3.0(8)ソルビット 14.0(9)グリセリン 8.0(10)1,3-ブチレングリコール 10.0(11)POE(20)グリセロールモノステアリン酸エステル 2.0(12)アシルメチルタウリン 4.0(13)EDTA 0.1(14)香料 適量(15)精製水 残余
【0030】
実施例6 酸化染料落とし用シャンプー(1)エチレングリコールヤシ油脂肪酸エステル 2.0(2)ラウロイル加水分解シルクペプタイドカリウム 10.0(3)ドデシルマルトシド 5.0(4)ラウリルスルホベタイン 8.0(5)ラウリン酸タウリンジエタノールアミン塩 5.0(6)プロピレングリコール 2.0(7)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 一塩酸塩 2.0(8)色剤 適量(9)香料 適量(10)精製水 残余
【0031】
実施例7 ボディーシャンプー(1)グリセリン 5.0(2)ショ糖ミリスチン酸エステル 1.0(3)ラウリン酸N-メチルタウリンカリウム塩 10.0(4)ラウリン酸スルホコハク酸ナトリウム 5.0(5)ヤシ油ジエタノールアマイド 3.0(6)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 一塩酸塩 5.0(7)キレート剤 0.1(8)色剤 適量(9)香料 適量(10)精製水 残余
【0032】
実施例8 液体洗浄料(1)ラウリン酸 3.0(2)ミリスチン酸 7.0(3)パルミチン酸 3.0(4)オレイン酸 2.5(5)ラウロイルジエタノールアマイド 6.0(6)プロピレングリコール 11.0(7)エリスリトール 4.0(8)ラウロイル加水分解コラーゲンカリウム液 10.0(9)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル) 2.0 エチレンジアミン (10)水酸化ナトリウム 1.5(11)ショ糖 5.0(12)EDTA 1.0(13)p-アミノベンザミジン 1.0(14)香料 適量(15)精製水 残余
【0033】
実施例9 衣料用液体洗浄料(1)POE(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 40.0(2)エチレングリコールヤシ油脂肪酸エステル 15.0(3)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)
エチレンジアミン 一塩酸塩 10.0(4)漂白剤 適量(5)精製水 残余
【0034】
実施例10 衣料用粉末洗剤(1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 15.0(2)N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル) エチレンジアミン 一塩酸塩 4.0(3)硫酸ナトリウム 30.0(4)2-フェニルアセトアミド 2.0(5)CMC(66%) 1.5(6)メタケイ酸ソーダ(無水) 20.0(7)蛍光増白剤 0.2(8)炭酸ナトリウム 残余
【0035】上記実施例1〜10を常法により調製した。これらは何れも皮膚や毛髪、衣類に染着した酸性染料に対して非常に高い洗浄効果を有し、使用感も良好で、しかも皮膚に対する刺激性の低いものであった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、N,N,N',N'-テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン又はその塩を配合することにより、酸性染料に対して非常に高い洗浄力を有し、使用感、安全性にも優れる酸性染料洗浄用組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン濃度に対する酸性染料洗浄力の変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 N,N,N',N'-テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン又はその塩を配合したことを特徴とする酸性染料洗浄用組成物。
【請求項2】 請求項1記載の組成物において、N,N,N',N'-テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンが組成物全量中、0.03重量%以上であることを特徴とする酸性染料洗浄用組成物。
【請求項3】 請求項1又は2記載の組成物において、ノニオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤を配合したことを特徴とするメーキャップ洗浄料。

【図1】
image rotate