説明

重力駆動流量制御器を具備した安全注入タンク

【課題】加圧軽水炉型原子炉における大型低温管の破断事故時に、原子炉容器に速かに大量の非常炉心冷却水を充水するための安全注入タンクを提供する。
【解決手段】重力駆動流量制御器130は、垂直パイプ120の上端に配置されたスプリング131と、スプリング131上に位置して上下動可能な上下移動水タンク132とを備える。安全注入タンク100の圧力容器110内部に充水された非常炉心冷却水が垂直パイプ120から外部に放出されることによって、圧力容器110における非常炉心冷却水の水位が上下移動水タンク132の垂直位置よりも低くなった場合、スプリング131によって弾性支持されていた上下移動水タンク132は下降する。よって、上下移動水タンク132の下面は垂直パイプ120に密着し、大流量流入口123を閉鎖する。その結果、大流量放出から小流量放出に円滑に流量転換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧軽水炉型原子炉における大型低温管の破断事故時に、原子炉容器に速かに大量の非常炉心冷却水を充水するために使用される安全注入タンクに関する。更に詳細には、低温管破断事故の初期に必要な大流量注入から、事故の後半期に必要な低流量注入への流動転換を円滑に行なう流量制御器に関する。特に本発明は、安全注入タンクが作動した以後、時間経過によって大流量放出から小流量放出に遷移される流動転換を、安全注入タンク内に内蔵した重力駆動流量制御器によって実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
加圧軽水炉型原子炉は、非常に厳格な安全基準によって設計、施工および運転される必要がある。特に原子炉冷却システムにおいては、低温管破断事故による大型冷却材喪失事故(LBLOCA;Large Break Loss−of−Coolant Accident)に備える非常炉心冷却水注入システムが重要な項目として評価される。
【0003】
本発明は、前記のような非常炉心冷却水注入システムの構成要素のうち、特に非常炉心冷却水を別途に貯蔵するための容器である安全注入タンクに関する。安全注入タンクは、圧力差によって受動的に非常炉心冷却水を原子炉システムに注入できるように、タンク上部の空の空間に窒素ガスを充填して運転する。
【0004】
安全注入タンクが作動する大型冷却材喪失事故時において、事故初期には大流量放出特性が必要であり、事故後期には小流量放出特性が必要である。これは事故初期の原子炉炉心が露出した状態では急速な非常炉心冷却水の充水が必要な一方、非常炉心冷却水が相当に充水された状態である事故後期には、原子炉炉心外部に流失する非常炉心冷却水を補うだけで十分だからである。
【0005】
安全注入タンクとして使用される従来の渦流型(vortex type)流量制御器は、垂直パイプの上端に具備された流入口の高さと安全注入タンク内の水面との間の相対的な高さの差を利用して大流量から小流量に転換する方式を使用している。
【0006】
図1(a)は特許文献1の安全注入タンク10を示す。図1(b)に示すように安全注入タンク10の水位が供給流路入口20よりも高い高流量排出運転時には、供給流路入口20と制御流路入口30を通過して流入した非常炉心冷却水が、供給流路21と制御流路31を経て渦流室55の円周部分で互いに出会った後、渦流室55の半径方向に流れて排出口に排出される。図1(c)に示すように安全注入タンク10の水位が供給流路入口20よりも低い低流量排出運転時には、供給流路入口20を通過する非常炉心冷却水は止まり、制御流路入口30を通過して非常炉心冷却水が流入した後、渦流室55内で強い渦流を形成して排出口に排出される。
【0007】
しかし特許文献1の流量制御器は、図1(b)と図1(c)に示すように複雑な内部断面構造を有していて、渦流の回転方向転換と各放出経路上の流路面積比および相対角度等によって特性が変わるため、大流量流入口面積と小流量流入口面積の比による流動転換比特性を予測するのがとても難しいという問題点がある。原子炉システムに求められる特性に柔軟に対応する流量制御器を設計するためには、単純な流動面積比から最大流量と最小流量の間の流動転換比の予測が可能でなければならない。しかし図1(a)の流量制御器はこのような予測が非常に困難である。
【0008】
また図1(a)の流量制御器では、大流量から小流量に放出流量が転換される時の転換
点および窒素ガス早期混入時点を概念的に示す図2に示すように、窒素ガス早期混入現象が発生する。窒素ガス早期混入現象というのは、低流量排出運転時の供給流路入口20が安全注入タンク10の内部に充填された窒素ガスに露出することによって、低流量排出運転時に窒素ガスが非常炉心冷却水とともに混入して原子炉システムに早期に注入される現象のことである。窒素ガスが早期混入されると、原子炉システムで蒸気凝縮を妨害するだけでなく、熱水力解析の不正確度を増加させて好ましくない。
【0009】
図1(a)に示す特許文献1の他に安全注入タンクに関する従来技術としては、特許文献2と特許文献3を参照できる。これら従来技術は、すべて窒素ガス早期混入が発生する構造を有する。
【0010】
図3に示すように、特許文献4は前記のような窒素ガス早期混入現象を防止するため浮力板50を利用して、流量制御器の垂直パイプの最上部入口すなわち供給流路入口20を塞ぐ遮断技術を示す。ところが、安全注入タンクに満たされた高濃度ホウ酸水の中で浮力を有する材質は一般的に比重が軽いものであり、このような材質の浮力板は原子力発電所の寿命期間の40〜60年の間に損傷してはいけないという寿命健全性条件を満足させにくい。また流量制御器が作動しない長期間の待機状態で浮力板が固着して作動しない恐れがあるため、実際に安全注入タンクに適用するには難しいという問題点を有する。
【特許文献1】韓国特許第369247号明細書
【特許文献2】韓国特許第402750号明細書
【特許文献3】特開平4−328494号公報
【特許文献4】韓国特許第556288号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って本発明が解決しようとする課題は、更に単純な構造の流量制御器を具現することによって、大流量放出から小流量放出に流動転換する時の流量転換比を容易に予測でき、同時に窒素ガスの早期混入現象を完全に防止できる構造を有する重力駆動流量制御器を具備する安全注入タンクを提供することである。
【0012】
すなわち従来の流量制御器は、大流量流入口の直径と小流量流入口の直径比では流量転換比(Turndown Ratio;TDR)が決定されなかった。渦流回転強度と流量制御器内部の各流路の面積比および相対角度など、流量転換比に影響を与える因子が流量制御器内部にもあるからである。しかし本発明は、流量転換比を大流量流入口と小流量流入口の直径比によって単純に決定できるようにすることによって、流量制御器の流量転換比などの設計を非常に容易にする。
【0013】
また本発明は、従来流量制御器に含まれた垂直パイプの入口が開放された構造を有することによって、垂直パイプの入口に窒素ガスが早期に混入して安全注入タンク外に排出される現象を基本的に防止する。つまり従来技術とは異なり、単純に浮力のみを利用するのではなく、浮力とともに上下移動水タンクの自重とスプリングの復原力を適切に組合わせることによって、垂直パイプの上部開放口を完全受動型で開閉および遮断する流量制御器を具備する安全注入タンクを提供することを目的とする。
【0014】
図1(a)に示すように、従来の安全注入タンクでは、流量制御器の上面以下に蓄積した非常炉心冷却水は、安全注入タンクの下部半球面に下向き排出流路が形成されていない関係上、安全注入タンク外に放出されないで残留する構造を有する。従って本発明はこのような従来安全注入タンクの問題点を解決できるように安全注入タンクの下部半球面の壁面近くに小流量注入口を位置させて、下部半球面に蓄積された安全注入水もすべて放出されるようにする。そうすることによって、原子炉炉心の冷却に寄与できる有効非常炉心冷
却水放出体積を増加させた安全注入タンクを提供することをまた他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記のような課題を解決するための本発明による安全注入タンクは、従来技術において安全注入タンクの下部に装着された流量制御器を除去して、安全注入タンクの下部半球面近くの放出ノズル壁面に小流量流入口を位置させて、垂直パイプの上端に大流量流入口を位置させることによって、大流量流入口と小流量流入口の流動面積比によって決定される流量転換比を有するように、その構造を単純化した。
【0016】
このように単純化された流量転換比は、下記の関係式によって決定される。
【0017】
【数1】

【0018】
ここでdは小流量流入口の直径であり、Nは小流量流入口の数であり、TDRは大流量と小流量の流量転換比(Turndown Ratio)であり、Dは大流量流入口の直径である。従って大流量流入口と小流量流入口の流動条件が類似になるように設計すると、大流量流入口の直径に相当する垂直パイプの内径(D)と、小流量流入口の数(N)および小流量流入口の直径(d)から流動転換比を容易に決定できる。
【0019】
本発明では、大流量放出から小流量放出への流動転換を、重力によって駆動する流量制御器が大流量流入口である垂直パイプの上端を遮断するように配置することによって具現した。重力駆動流量制御器は、スプリングによって支持された上下移動水タンクを含み、安全注入タンクが作動して水位が低くなれば、垂直パイプの上端においてスプリングによって支持されていた上下移動水タンクの内外で作用する浮力の平衡が崩れる。よって上下移動水タンクに満たされていた水の重さ程度増加した垂直荷重が、スプリングの弾性力を克服することによって、上下移動水タンクの下面が垂直パイプの上端の大流量流入口に密着して大流量流入口を遮断するようにした。
【0020】
従来の流量制御器は、小流量放出時に垂直パイプが開放された状態を維持する。これに比べて本発明は、重力駆動流量制御器の上下移動水タンク内外部の水位によって誘発される垂直荷重の変化とスプリングの復原力との間の相互力の均衡によって、大流量放出時には大流量流入口が開放され、そして小流量放出に転換した時点以後には上下移動水タンクの下面が大流量注入口に密着して大流量注入口を遮断して、安全注入タンク下部に設置された小流量流入口からのみ冷却水が放出されるように構成した。従って安全注入タンクの作動時にタンクが枯渇するまでは、窒素ガス放出遮断が可能である。
【0021】
そして上下移動水タンクの内部に満たされた水が上下移動水タンクの下部の側面に開けられた小さな排水口から全て排出されると、スプリングに加えられた水の重さ程度の垂直荷重増加分が消滅することによって、スプリングが上下移動水タンクを再び上に押上げて大流量流入口が再開放されるようにした。これは水が満たされた上下移動水タンクがスプリングを長期間圧縮した場合に発生し得るスプリングの塑性変形または弾性力低下を防止するためである。
【0022】
前記のように上下移動水タンクがその内外を満たした水の浮力の有無によって受動的に上下に移動するためには、上下移動水タンクの最大変位と上下移動水タンクの自重および
上下移動水タンクに満たされた水の重さ、そしてスプリングのスプリング係数との間に下記の式で表現される条件が満足されなければならない。
【0023】
【数2】

【0024】
ここでWwは上下移動水タンク内部に満たされた水の重さであり、Wは上下移動水タンクの自重であり、kはスプリングのスプリング係数であり、Hはスプリングの垂直厚さである。yは、上下移動水タンクが空の状態における垂直パイプの上端部から上下移動水タンクまでの垂直離隔距離を示す。すなわち前記式に表現されたように、スプリングのスプリング係数は、水が満たされていない上下移動水タンクを上に持ち上げることができる程度に大きくならなければならないし、また水が満たされた上下移動水タンクが垂直離隔距離の程度下に下がることができる程度に小さくなければならないことを示す。万一、スプリングを多数個設置する場合、全体スプリングの合成されたスプリング係数kが前記式の条件を満足すれば良い。
【0025】
上下移動水タンクの外側には、それを取囲む形態に配置されるガイドシリンダを更に含むことができる。ガイドシリンダは、上下移動水タンクがその上下移動方向に垂直な平面上で揺れることを抑制する役割をする。ガイドシリンダには、ガイドシリンダの外部から垂直パイプの大流量流入口に向かう流動の通路を構成する貫通孔が多数個形成されなければならない。ここで貫通孔の全体流動面積は、ガイドシリンダの側面からの大流量流入が可能になるように充分に大きな値を持たなければならない。たとえば上下移動水タンクの垂直離隔距離(y)に対応するガイドシリンダの部分に位置する複数の貫通孔の全体流動面積は、大流量流入口流動面積の1.2〜1.5倍の範囲になければならない。
【0026】
本発明の重力駆動流量制御器の設計値は、大流量流入口である垂直パイプの内径(D)を基準にして設定できる。まず上下移動水タンクの垂直離隔距離であるyは、安全注入タンク水位の減少によって適切な時間以内に垂直パイプの上部を遮断できるように0.5〜1.0Dの範囲に含まれる値を有することが好ましく、この値が小さいほど流量転換に必要な時間は減少する。そして上下移動水タンクの外径(OD)は1.5D、上下移動水タンクの高さ(H)は1.5〜2.0Dで、ガイドシリンダの内径(ID)は1.6Dであることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
前記のような本発明による重力駆動流量制御器を具備した安全注入タンクによると、従来流量制御器の垂直パイプ入口では開放された構造のために垂直パイプ入口から窒素ガスが早期に流入して安全注入タンク外に排出される問題点を有するのに比べて、垂直パイプの上部開放口を上下移動水タンクの自重とスプリングの復原力によって開放および遮断する。よって、基本的に窒素ガスの早期混合排出現象を防止できる。従って大型冷却材喪失事故(LBLOCA)に備えた原子炉システム設計に必要な非常炉心冷却水の流量転換比を容易に調節すると同時に、窒素ガスの早期混入を防止できる効果を有する。
【0028】
また従来の流量制御器は、上面以下に蓄積された非常炉心冷却水が、下部半球面に下向き排出流路が形成されていないために安全注入タンク外に放出され得ない構造を有していた。これに比べて本発明では、安全注入タンクの下部半球面の壁面近くに小流量注入口を
位置させて、下部半球面に蓄積された安全注入水もすべて放出させることによって、原子炉の冷却に寄与できる有効非常炉心冷却水放出体積を増加可能になる。従って低流量注入時間を更に長く延長させることによって、原子炉の冷却水水位低下を更に長く防止でき、低流量注入時間(LBLOCA:再潅水期間)に冷却水水位低下を防止すれば、原子炉炉心温度の急激な上昇を防止できて、原子炉の安全性を一層向上できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図4〜図14は、本発明の実施例を詳しく説明する。まず図面中で同一な構成要素または部品は、できるだけ同じ参照符号を示すことに留意する必要がある。本発明を説明するにおいて、関連した公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にさせないために省略する。
【0030】
まず本発明による重力駆動流量制御器130を具備した安全注入タンク100が、非常炉心冷却水112の水位変化にしたがって完全受動型で大流量流入口123を開閉する原理を下記に簡略に説明する。
【0031】
図4は、本発明による重力駆動流量制御器130を具備した安全注入タンク100において、非常炉心冷却水112が重力駆動流量制御器130上に充分に充水された状態を示す断面図である。安全注入タンク100が重力駆動流量制御器130上まで充水されるため、上下移動水タンク132内の内外の浮力が互いに相殺される。よって、上下移動水タンク132中に溜まっている水の重さは、スプリング131の垂直荷重増加に寄与できない。従ってスプリング131の弾性力によって重力駆動流量制御器130の上下移動水タンク132は上に持ち上げられていて、大流量流入口123は開放された状態を維持する。
【0032】
図5は、安全注入タンク100が作動して安全注入タンク100内の非常炉心冷却水112の水位が重力駆動流量制御器130よりも下になるように低下した状態を示す断面図である。このような状態では、重力駆動流量制御器130の上下移動水タンク132の中の水の重さが、スプリング131に加えられる垂直荷重として作用する。したがって上下移動水タンク132の下面がスプリング131の弾性力に勝って下降することによって、垂直パイプ120上端の大流量流入口123に密着して大流量流入口123を閉鎖する。この時、放出流量が大流量放出から小流量放出に転換され、以後安全注入タンク100下部の小流量流入口124からのみ非常炉心冷却水112が流入して安全注入タンク100外に放出される。
【0033】
図4と図5は本発明による重力駆動流量制御器130を具備した安全注入タンク100を全体的に示す。図6〜図10は重力駆動流量制御器130の実施例を詳しく示す。
【0034】
本発明による安全注入タンク100は、圧力容器110、垂直パイプ120、および重力駆動流量制御器130を含む。圧力容器110は、内部空間に非常炉心冷却水112を充水できる円筒形状である。垂直パイプ120は、中心部に中空部を有するパイプ形状であり、圧力容器110の内部空間に直立する。垂直パイプ120の下端部122は、圧力容器110の下面に連通する。垂直パイプ120の下端部122の側面は、少なくとも一つ以上の小流量流入口124を有し、垂直パイプ120は圧力容器110の内部空間に開放される。垂直パイプ120の上端部121は、大流量流入口123を有する。重力駆動流量制御器130は、スプリング131と上下移動水タンク132を備える。垂直パイプ120の上端部121は、上端フランジ125を有する。スプリング131は上端フランジ125上に配置される。上下移動水タンク132は、スプリング131上に位置する。上下移動水タンク132は上下に移動可能であり、上下移動水タンク132の内部には非常炉心冷却水112を充水できる。圧力容器110内部に充水された非常炉心冷却水11
2が、垂直パイプ120を通過して外部に放出されることによって、圧力容器110内部の非常炉心冷却水112の水位が上下移動水タンク132の垂直位置よりも低くなった場合、スプリング131によって弾性支持されていた上下移動水タンク132が下降する。その結果、上下移動水タンク132の下面は、垂直パイプ120に密着し、大流量流入口123を閉鎖する。
【0035】
前記のような構成を有する本発明の安全注入タンク100は、従来技術において安全注入タンク100の下部に装着された流量制御器を除去した。そして安全注入タンク100の下部半球面近くの放出ノズル壁面に、小流量流入口124を配置する。更に垂直パイプ120の上端に、大流量流入口123を配置する。その結果、大流量流入口123と小流量流入口124の流動面積比によって決定される流量転換比を有するように、安全注入タンク100の構造は単純化された。
【0036】
このように単純化された流量転換比は、下記の関係式(1)によって決定される。
【0037】
【数3】

【0038】
ここでdは小流量流入口124の直径であり、Nは小流量流入口124の数であり、TDRは大流量と小流量の流量転換比(Turndown Ratio)であり、Dは大流量流入口123の直径である。従って大流量流入口123と小流量流入口124の流動条件を類似になるように設計すると、大流量流入口123の直径に相当する垂直パイプ120の内径D、小流量流入口124の数N、および小流量流入口124の直径dから流動転換比を容易に決定できる。逆に、原子炉システムの設計過程で適切な流動転換比を事前に決定する場合にも、関係式(1)を使用できることは勿論である。
【0039】
安全注入タンク100の外形をなす圧力容器110と垂直パイプ120の構成は、従来技術とほとんど同じであるため詳細な説明は省略する。以下では、本発明の核心的な技術的特徴である重力駆動流量制御器130の構成を詳しく説明する。但し本発明の安全注入タンク100が従来技術とほとんど同じ構成の圧力容器110と垂直パイプ120を有するため、本発明の重力駆動流量制御器130を非常に容易に従来の安全注入タンク100に適用できる点は見過ごせない。
【0040】
図6は、本発明の重力駆動流量制御器130の構造を示す分解斜視図である。垂直パイプ120の上端フランジ125上に、スプリング131が固定される。本発明の実施例では、スプリング131として弧形をなすように曲がった三つの板スプリング131aが、大流量流入口123外側の仮想円周上に固定される。本実施例で前記のような弧形の板スプリング131aを採択したのは、スプリング131が大流量流入口123の側面流路を塞ぐことを最小化できるようにするためである。但し本発明の構成を説明するのに使用した「スプリング」という用語は、弾性力と復原力を有する手段を通称する用語として使用したものであり、従ってスプリング131は、弧形の板スプリング131aはもちろん、コイルスプリングや合成樹脂剤弾性体などもすべて使用できることを念頭に留めおく必要がある。
【0041】
スプリング131に何を採択するかに関わらず、スプリング131のスプリング係数が
一定の条件を満足する必要があるという点では共通的である。先に本発明の原理に対して説明したように、上下移動水タンク132がその内外を満たした水の浮力の有無によって受動的に上下に移動するためには、上下移動水タンク132の最大変位と上下移動水タンク132の自重および上下移動水タンク132に満たされた水の重さ、そしてスプリング131のスプリング係数との間に下記の関係式(2)によって表される条件を満足する必要がある。
【0042】
【数4】

【0043】
ここでWwは上下移動水タンク132内部に満たされた水の重さであり、Wは上下移動水タンク132の自重であり、kはスプリング131のスプリング係数であり、Hはスプリング131の垂直厚さであり、yは上下移動水タンク132の垂直離隔距離である。すなわち関係式(2)に表現されたように、スプリング131のスプリング係数は、水が満たされていない上下移動水タンク132を上に持ち上げることができる程度に大きくなければならないし、また水が満たされた上下移動水タンク132が垂直離隔距離程度下に下がることができる程度に小さくなければならないことを示す。万一、スプリング131を多数個に分けて設置する場合、全体スプリングの合成されたスプリング係数kが関係式(2)の条件を満足すれば良い。
【0044】
図8は、本発明の実施例に適用された三つの板スプリング131aの配置を示す。三つの弧形の板スプリング131aは、垂直パイプ120上端の大流量流入口123よりも外側の仮想円周上に円形をなすように配置され、弧形の板スプリング131aそれぞれの円周長さは、垂直パイプ120上端面に対する正射影を基準にして円周角90゜以内に制限される。そして三つの板スプリング131aは円周上でそれぞれ120゜角度で離隔して配置する。板スプリング131aの間の30゜円周角の間隔は、板スプリング131aの収縮膨脹による離隔余裕である。図8にHで表示された長さは、板スプリング131aの垂直厚さを示す。関係式(2)でのyの値、すなわち上下移動水タンク132と大流量流入口123との間の間隔が、大流量流入口123の内径Dの0.5〜1.0倍に維持されるようにスプリング131のスプリング係数kを決定することが良い。
【0045】
そしてスプリング131の上には上下移動水タンク132が配置される。上下移動水タンク132は、水を溜めることができる内部空間を有し、上下移動水タンク132の上面が開放されていて水の流入が自由な限り、上下移動水タンク132の形状は何の構成上の制限もない。但し上下移動水タンク132の下面に接触するスプリング131が収縮した時、上下移動水タンク132の下面が大流量流入口123に密着できるように、スプリング131の厚さHよりも1.5倍長い突出高さ(H=1.5×H)を有する突出面133を上下移動水タンク132の下面に形成する必要がある。もちろん、安全注入水(非常炉心冷却水)や窒素ガスが大流量流入口123に流入できないように、突出面133が大流量流入口123の流動面積全体を塞ぐ必要がある。
【0046】
また上下移動水タンク132の下部の側面には、少なくとも一つ以上の小さな排水口134が形成されることが好ましい。排水口134は、上下移動水タンク132内部を満たした水を徐々に排出するためのものであり、これは水が満たされた上下移動水タンク13
2がスプリング131を長期間圧縮した場合に発生し得るスプリング131の塑性変形または弾性力低下を防止するためである。特に、窒素ガスの早期混入現象を充分に抑制するためには、一つ以上の排水口134の全体流動面積を、安全注入タンク100に充水されていた非常炉心冷却水112が垂直パイプ120を通過して外部にすべて排出された以後は、上下移動水タンク132内部に充水されていた非常炉心冷却水112がすべて排出されていることを可能にする大きさに形成することが更に好ましい。
【0047】
上下移動水タンク132の外側には、上下移動水タンク132を取巻く形態に配置されるガイドシリンダ135を更に備えることができる。ガイドシリンダ135は、垂直パイプ120の上端にフランジによって連結される。ガイドシリンダ135は、上下移動水タンク132が上下移動方向に対して垂直な平面上において揺れることを抑制する。ガイドシリンダ135の上端には、突出部137が形成される。突出部137は、上下移動水タンク132が上方に離脱しないようにする役割をする。
【0048】
図9に示すように、ガイドシリンダ135の表面には、多数個の貫通孔136を形成する必要がある。これら貫通孔136は、垂直パイプ120上面における大流量流入口123と、上下移動水タンク132の下面との間に区画される空間に非常炉心冷却水112を流入させる流路を区画形成する。これら貫通孔136によって形成された流動面積は、上下移動水タンク132の側面からの大流量流入が可能なように充分に大きい値を有する必要がある。たとえば垂直離隔距離yに対応するガイドシリンダ135の部分に位置する複数の貫通孔136の全体流動面積は、大流量流入口123の流動面積の1.2〜1.5倍の範囲でなければならない。また貫通孔136は、ガイドシリンダ135と上下移動水タンク132の間にボロン結晶体やその他の異物が挟まっても、異物をガイドシリンダ135外に円滑に排出させる通路としての付加的な機能も有する。
【0049】
図7は、重力駆動流量制御器130の各構成要素同士の相対的な大きさを示す。
【0050】
垂直パイプ120の内径D、すなわち大流量流入口123の直径を基準にそれぞれの大きさを例示すると、上下移動水タンク132の外径ODは1.5D、ガイドシリンダ135の内径IDは1.6Dが好ましい。これはガイドシリンダ135の内径を上下移動水タンク132の外径よりも大きくして上下移動水タンク132の上下移動中に摩擦力による固着状態を誘発させないで、上下移動水タンク132が上下移動中過度に揺れないように案内する適切な余裕を持たせる必要があるからである。上下移動水タンク132の高さHは、1.5〜2.0D程度が適当である。
【0051】
そして上下移動水タンク132の垂直離隔距離yは、側面からの流路面積(π×ID×y)を確保できるように、垂直パイプ120の大流量流入口123の面積よりも大きく設定する必要がある。また上下移動水タンク132の最大移動距離に相当する上下移動水タンク132の垂直離隔距離yは、安全注入タンク100の水位の減少によって適正な時間以内に垂直パイプ120の上部を遮断できる値でなければならない。このような条件と上下移動水タンク132の大きさをともに考慮すると、上下移動水タンク132の垂直離隔距離yは、0.5〜1.0Dの範囲に含まれる値を有することが好ましく、この値が小さいほど流量転換に必要な時間が減少する。
【0052】
図10は、小流量流入口124の構成を示す断面図である。特に図10は、垂直パイプ120の下端部122に大流量流入口123の直径の1/2の直径を有する下部放出ノズル126がフランジで連結されて、下部放出ノズル126に小流量流入口124が形成された場合を示す。もちろん小流量流入口124が垂直パイプ120の下端部122に直接形成されることも可能である。
【0053】
小流量流入口124は常に開放されていて、小流量流入口124の設置高さは安全注入タンク100の下部半球面最下部近くが好ましい。小流量流入口124の高さが安全注入タンク100の最下部近くに位置すると、安全注入タンク100の下部に蓄積された安全注入水をすべて放出させて原子炉システムに使用でき、安全注入タンク100下部に蓄積され得る異物の自然排出が可能な下向き流路を形成できるからである。図10は、安全注入タンク100の下部放出ノズル126に、90゜間隔で四つの小流量流入口124を開けた場合を例示する。小流量流入口124の直径dは、関係式(1)によって決定できる。
【0054】
図11〜図14は、本発明の安全注入タンク100の一連の作動状態を、前記のような構成を有する重力駆動流量制御器130を中心にして示す。
【0055】
図11は、安全注入タンク100が充水された初期状態で上下移動水タンク132がスプリング131、特に三つの弧形の板スプリング131aの力によって押上げられ垂直パイプ120の大流量流入口123が開放された状態を示す。安全注入タンク100が充水されて水位が上下移動水タンク132よりも高いため、上下移動水タンク132内部および外部にはすべて水が満ちていて浮力が相互に相殺される。従って上下移動水タンク132内部の水は板スプリング131aに荷重として作用しないため、板スプリング131aに作用する重力方向の力は、上下移動水タンク132の自重だけである。板スプリング131aは、関係式(2)の条件を満足させるスプリング係数を有するため、このような状態で板スプリング131aは、上下移動水タンク132を上に押上げて垂直パイプ120の大流量流入口123が開かれた状態を維持する。
【0056】
図12は、安全注入タンク100が作動を始めて安全注入タンク100の水位が減少して、それによって安全注入タンク100の水位よりも高い部位の上下移動水タンク132内部の水の重さ程度に垂直荷重が増加して、その力で板スプリング131aを押下げる結果、上下移動水タンク132の下面が垂直パイプ120の大流量流入口123を塞いでいる状態を示す。やはり板スプリング131aは、関係式(2)の条件を満足させるスプリング係数を有するため、このような状態で板スプリング131aは上下移動水タンク132を押す。よって上下移動水タンク132の下面と垂直パイプ120の大流量流入口123がお互いに密着する。
【0057】
図13と図14は、時間経過につれて上下移動水タンク132内部の水が上下移動水タンク132の下部の側面に開けられた小さな排水口134から徐々にすべて排出されて、水の重さが消滅することによって板スプリング131aに作用する垂直荷重が再び減少することによって、板スプリング131aが垂直パイプ120の大流量流入口123を塞いでいた上下移動水タンク132を上に押上げて大流量流入口123が再開放される順次過程を示す。結局、図11と図14の状態は、板スプリング131aに作用する荷重が、上下移動水タンク132の自重だけであるという点では、互いに同じであると言える。
【0058】
以上のように本発明による重力駆動流量制御器130を具備した安全注入タンク100を例示した図面を参照にして説明したが、本明細書に開示された実施例と図面によって本発明が限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で当業者によって多様な変形が成立し得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1(a)は、特許文献1の安全注入タンクに具備された渦流型流量制御器の縦断面図。図1(b)は、大流量放出時の渦流回転方向を示す水平断面図。図1(c)は、小流量放出時の渦流回転方向を示す水平断面図。
【図2】図1(a)の従来の安全注入タンクに具備された渦流型流量制御器の流量特性と窒素ガス早期混入時点を概念的に示す流量−時間グラフ。
【図3】特許文献4の浮力板を利用して流量制御器の垂直パイプ最上部を塞ぐ構成を示す縦断面図。
【図4】本発明による重力駆動流量制御器を具備した安全注入タンクに、非常炉心冷却水が充水された準備状態を示す断面図。
【図5】図4の安全注入タンクの作動による非常炉心冷却水の水位低下によって、垂直パイプの大流量流入口が閉鎖された状態の断面図。
【図6】図4の重力駆動流量制御器の分解斜視図。
【図7】図6のA−B線断面図。
【図8】図8(a)は図6の3つの板スプリングの平面図。図8(b)はそのうちの1つの板スプリングの側面図。図8(c)は3つの板スプリングの側面図。
【図9】図6のガイドシリンダの部分断面図。
【図10】図10(a)は図6の下部放出ノズルの水平断面図であり4つの小流量流入口を示す。図10(b)は縦断面図。
【図11】図4の重力駆動流量制御器の拡大断面図。
【図12】図11から非常炉心冷却水が減った状態を示す拡大断面図。
【図13】図12から非常炉心冷却水が減った状態を示す拡大断面図。
【図14】図13から非常炉心冷却水が減った状態を示す拡大断面図。
【符号の説明】
【0060】
100:安全注入タンク
110:圧力容器
112:非常炉心冷却水
120:垂直パイプ
121:垂直パイプの上端部
122:垂直パイプの下端部
123:大流量流入口
124:小流量流入口
125:上端フランジ
126:下部放出ノズル
130:重力駆動流量制御器
131:スプリング
131a:板スプリング
132:上下移動水タンク
133:突出面
134:排水口
135:ガイドシリンダ
136:貫通孔
137:ガイドシリンダの突出部
d:小流量流入口の直径
D:大流量流入口の直径
OD:上下移動水タンクの外径
ID:ガイドシリンダの内径
H:上下移動水タンクの高さ
:突出面の突出高さ
:スプリングの垂直厚さ
:上下移動水タンクの垂直離隔距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力駆動流量制御器を具備した安全注入タンクであって、前記安全注入タンクは、
内部空間に非常炉心冷却水を充水できる円筒形状の圧力容器と、
パイプ形状を有し前記圧力容器の内部空間において直立する垂直パイプと
を備え、
前記垂直パイプの下端部の側面には、前記圧力容器の下面付近において前記圧力容器の内部空間に連通する少なくとも一つ以上の小流量流入口が形成され、前記垂直パイプの上端部は前記圧力容器の内部空間に開放する大流量流入口を有し、
前記重力駆動流量制御器はスプリングと上下移動水タンクを備え、前記スプリングは前記垂直パイプの上端部に配置され、前記上下移動水タンクは前記スプリングの上に位置して上下に移動可能であり、前記上下移動水タンクは内部に前記非常炉心冷却水を充水でき、
前記圧力容器内部に充水された非常炉心冷却水が前記垂直パイプを通過して外部に放出されることによって、前記圧力容器内部における非常炉心冷却水の水位が前記上下移動水タンクの垂直位置よりも低くなった場合、前記スプリングによって弾性支持されていた前記上下移動水タンクが下降し、前記上下移動水タンクの下面が前記垂直パイプに密着することによって前記大流量流入口を閉鎖することを特徴とする、重力駆動流量制御器を具備した安全注入タンク。
【請求項2】
前記重力駆動流量制御器は更にガイドシリンダを備え、前記ガイドシリンダは前記上下移動水タンクの外側面全体と上面の一部を取囲む状態で前記垂直パイプの上端部に固定され、前記ガイドシリンダの表面には多数個の貫通孔が形成される、請求項1に記載の安全注入タンク。
【請求項3】
前記垂直パイプの下端部には、前記大流量流入口の直径の1/2の直径を有する下部放出ノズルが形成され、前記下部放出ノズルに前記小流量流入口が形成される、請求項1に記載の安全注入タンク。
【請求項4】
前記大流量流入口の直径、前記小流量流入口の直径、および前記小流量流入口の数は、事前に決定された流量転換比によって、
【数1】

によって表わされた関係式を満足し、
ここでdは小流量流入口の直径であり、Nは小流量流入口の数であり、TDRは大流量と小流量の流量転換比であり、Dは大流量流入口の直径である、請求項1に記載の安全注入タンク。
【請求項5】
前記スプリングのスプリング係数は、
【数2】

によって表わされた関係式を満足し、
ここでWwは上下移動水タンク内部に満たされた非常炉心冷却水の重さであり、Wは上下移動水タンクの自重であり、kはスプリングのスプリング係数であり、Hはスプリングの垂直厚さであり、yは上下移動水タンクが空の状態における垂直パイプの上端部から上下移動水タンクまでの垂直離隔距離である、請求項1に記載の安全注入タンク。
【請求項6】
前記上下移動水タンクの下部の側面には、少なくとも一つ以上の排水口が形成される、請求項1〜5の何れか一項に記載の安全注入タンク。
【請求項7】
前記上下移動水タンクの前記一つ以上の排水口の全体流動面積は、前記圧力容器に充水されていた非常炉心冷却水が前記垂直パイプを通過して外部にすべて排出された以後は、前記上下移動水タンク内部に充水されていた非常炉心冷却水がすべて排出されていることを許容する大きさに形成される、請求項6に記載の安全注入タンク。
【請求項8】
前記スプリングは、前記大流量流入口よりも外側において円周方向に沿って設置される少なくとも一つ以上の弧形の板スプリングである、請求項1に記載の安全注入タンク。
【請求項9】
前記弧形の板スプリングは三つの板スプリングからなり、各々の板スプリングは前記垂直パイプの上端面への正射影が90゜円周角に対応する円周長さを有し、これら三つの板スプリングは互いに離間した状態で120゜間隔に設置される、請求項8に記載の安全注入タンク。
【請求項10】
前記上下移動水タンクの外径(OD)は前記垂直パイプの内径(D)の1.5倍であり、前記上下移動水タンクの高さ(H)は前記垂直パイプの内径(D)の1.5〜2.0倍であり、前記ガイドシリンダの内径(ID)は前記垂直パイプの内径(D)の1.6倍である、請求項2に記載の安全注入タンク。
【請求項11】
前記上下移動水タンクの前記垂直離隔距離(y)は前記垂直パイプの内径(D)の0.5〜1.0倍である、請求項5に記載の安全注入タンク。
【請求項12】
上下移動水タンクが空の状態における前記垂直パイプの上端部から前記上下移動水タンクまでの距離を垂直離隔距離(y)と称し、
前記垂直離隔距離(y)に対応する前記ガイドシリンダの部分に位置する複数の前記貫通孔の全体流動面積は、前記大流量流入口の流動面積の1.2〜1.5倍である、請求項2に記載の安全注入タンク。
【請求項13】
前記小流量流入口は、前記圧力容器の最下面に隣接するように形成される、請求項1〜3の何れか一項に記載の安全注入タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−271041(P2009−271041A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141811(P2008−141811)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(597060645)コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート (22)
【出願人】(506094677)コリア ハイドロ アンド ヌクリア パワー カンパニー リミテッド (11)