説明

重心位置変動情報処理装置及び重心位置変更方法

【課題】情報処理装置を操作する際にユーザの持ち手側に装置の重心位置を容易に変更できる情報処理装置及び重心位置変更方法を提供する。
【解決手段】外付け型電池と外付け型電池を装着可能な情報処理装置であって、装置に電源を供給するための接続端子と、外付け型電池を装着固定するための少なくとも1以上の被装着部と、被装着部に嵌め合う少なくとも1以上の装着部を設けた外付け型電池と、を有し、外付け型電池は、装着部を中心として左側または右側に装着することで前記装置の重心位置が移動可能であり、かつ被装着部に嵌め合った装着部により装置を支持する握り手部となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片手で持って操作する情報処理装置に関し、特に、重心位置を容易に変動できる情報処理装置及び重心位置変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のノート型パソコン(ノートPC)は表示画面を大きくしてディスクトップ型パソコンと変わらない程の使い勝手であったが、折り畳んで持ち運びができるなど便利であるという特徴を有している。
【0003】
近年は無線通信網などの発達により、どこに居ても情報を入手可能になったため、情報処理装置本体を小型化して、外出先でも長時間使用できる大容量バッテリーやバッテリーを外部増設できるモバイル型のノートPCが増えてきた。
【0004】
このようなモバイル型のノートPCを手持ち状態で使用するときは、例えば、左手でノートPCの左側縁部を片持ち状態に掴み、右手で入力操作を行なう状態になる。
【0005】
このような使用状態では、モバイル型のノートPCは安定な状態で持ち易く、かつ操作し易い形態であることが望ましい。
【0006】
また大勢の人が混在する空間でモバイル型のノートPCを使用したい場合、例えば、朝の通勤電車などの人が混み合っている状況で立ったまま使用するときには、不安定な支持形態で操作をすることとなってしまうので、長時間使用していると持ち手が疲労してしまうことになる。
【0007】
そこで持ち手の疲労を軽減するために、持ち手が疲れたら違う手に持ち替えたりして対応しているのが現状である。
【0008】
また従来のモバイル型のノートPCは、どのようにノートPCを持っても良いように装置の中心に重心がくるような設計が行われている。
【0009】
例えば特許文献1においては、電動コンプレッサに給電するバックアップ用バッテリーの車両配置位置を変更可能にして重量バランスを変えることができる冷凍車の発明が開示されている。
【0010】
また特許文献2においては、電池を内蔵し、ユーザが片手で保持して使用する携帯可能な情報端末装置であり、長時間駆動させるために複数の電池を装置の中心軸に配置し、片手で操作する時の安定感を増すという発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−324254号公報
【特許文献2】特開2004−126727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし特許文献1に記載されている方法は、要素機器である電動コンプレッサやバックアップ用バッテリーなどの重量物をバランス良く配置するための変更が行えるものであるが、容易に位置変更を行うことができないという問題がある。
【0013】
また特許文献2に記載されている方法は、複数の電池を搭載しているので長時間駆動が可能であり、かつ、重量物となる複数の電池が筐体の中心軸上に配列されているので、情報端末装置の中心軸周りの重量バランスがとれることで片手で両縁部を握って操作する時の安定感は高められるが、装置の縁部を片持ち状態に掴んで使用するには重心のバランスが悪く、長時間片手で持つ使用状態では持ち手の疲労を軽減することができないという問題がある。
【0014】
そこで装置の片側を片持ち状態に掴んで使用する時には、装置の重量バランス(重心)を保持している持ち手側にシフトした方が持ちやすく、持ち手の疲労を軽減することが可能となる。
【0015】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、情報処理装置を操作する際にユーザの持ち手側に装置の重心位置を容易に変更できる情報処理装置及び重心位置変更方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明に係る重心位置変動情報処理装置は、外付け型電池と外付け型電池を装着可能な情報処理装置であって、装置に電源を供給するための接続端子と、外付け型電池を装着固定するための少なくとも1以上の被装着部と、被装着部に嵌め合う少なくとも1以上の装着部を設けた外付け型電池と、を有し、外付け型電池は、装着部を中心として左側または右側に装着することで前記装置の重心位置が移動可能であり、かつ被装着部に嵌め合った装着部により装置を支持する握り手部となることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る重心位置変動情報処理装置の重心位置変更方法は、装置に装着されている外付け型電池を被装着部から取り外す工程と、重心位置を反対側に移動させるために取り外した外付け型電池の表裏面を180度回転させる工程と、表裏面を回転させた外付け型電池を再度被装着部に装着する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、情報処理装置を操作する際にユーザの持ち手側に装置の重心位置を容易に変更できる情報処理装置及び重心位置変更方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の概略図である。
【図2】第1の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【図3】第1の実施形態に係る重心位置の変更手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の概略図である。
【図5】第2の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【図6】第2の実施形態に係る重心位置の変更手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置の概略図である。
【図8】第3の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る情報処理装置の概略図である。
【図10】第4の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好適な実施の形態について以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置(モバイル型ノートPC)の概略図である。図1(a)は正面から見た図であり外付け型電池の取り付け状態を説明する図であり、図1(b)は外付け型電池の斜視図であり、図1(c)は外付け型電池を取り付けた装置本体を背面から見た図であり、図1(d)は装置本体を裏面から見た図である。
【0022】
本実施形態のモバイル型ノートPCは、装置本体1と表示パネル部2と外付け型電池(第2の電池)3と図示しない内部電池(第1の電池)とを備えて構成される。
【0023】
装置本体1は、入力部4と外付け型電池3の被装着部5とを備える。入力部4は例えばキーボードや、マウスパッドでカーソルを移動させて操作することで、ユーザからの情報入力部となるものである。
【0024】
外付け型電池3を取り付けるための被装着部5は装置本体1の後ろ側に設けられている内部電池を装着するためのものである。本実施形態においては内部電池の取り付け部を外付け型電池3の被装着部5として利用する。
【0025】
その他、情報処理のための制御部、外部機器とのインターフェイスやハードディスクなどの記録装置など、公知のノートPCと同様であるので詳細な説明は省略する。
【0026】
表示パネル部2は、画像を表示する液晶パネルで構成されている。
【0027】
図1(b)及び(c)に示すように外付け型電池3は、装置本体1に電源を供給するために電気的に接続するための接続端子6と装置本体1に装着するための装着部7とを備える。なお装着部7には電池(例えば第1の電池と同等な物)が組み込まれている。
【0028】
接続端子6は、装置本体1に接続していない場合は、図示しない外部の充電器にて外付け型電池3を充電する時の電気を受電する端子となる。また装置本体1に接続している場合では、装置本体1から外付け型電池3を充電するための受電する端子となる。
【0029】
装着部7は、外付け型電池3を装置本体1に固定するための端子であり、被装着部5に嵌め合うようになっている。そして装着部7を被装着部5に嵌め合うことで接続端子6は電気的に接続されるようになっている。例えば図1(c)においては、外付け型電池3の装着部7を装置本体1の後ろ側面にある被装着部5に押し込むことで外付け型電池3を取り付ける。
【0030】
図1(d)は外付け型電池3を装置本体1に取り付けた状態を裏面から見た図である。装着部7は外付け型電池3を被装着部5に装着した際には図示しないロック機構により装置本体1に固定されるようになっている。
【0031】
なお被装着部5と装着部7は外付け型電池3を掴んで持ち上げた時でも本体1のノートPCの重量を支えられる程度の強度を持っている。
【0032】
なお外付け型電池3のロック機構及び外付け型電池3を取り外す際のリリース機構としては公知の機構を適用可能である。
【0033】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【0034】
図2(a)は本体を左手持ちした場合を示し、外付け型電池3を装置本体1の左側となるように取り付けて、本体の重心を手持ちする左側に変更した状態である。図2(b)は本体を右手持ちした場合を示し、外付け型電池3を装置本体1の右側となるように、図1(b)に示すように外付け型電池3を180度ひっくり返して取り付けて、本体の重心を手持ちする右側に変更した状態である。
【0035】
このように外付け型電池3は本体側面に装着されるので、片手持ちした場合に重心が持ち手側に移動するとともに外付け型電池3を手で握りしめることができて持ち手の安定感が増すことになる。この様に装置の片側を片持ち状態に掴んで使用する時には、装置の重量バランス(重心)を保持している持ち手側にシフトした方が持ちやすく、持ち手の疲労を軽減することが可能となる。
【0036】
また外付け型電池3の形状は図1(b)に示した形状に限定されることはなく片手で握りやすい形状であることが好ましい。例えば握り手のような形状でも良い。さらに外付け型電池3の表面は握りやすいように滑り止めの処理をすることが好ましい。
【0037】
図2(a)から図2(b)への外付け型電池3の位置変更は、被装着部5のロック機構を外して外付け型電池3の装着部7を取り外す。そして図1(b)に示すように外付け型電池3を180度回転(外付け型電池3Aの面を裏側にして3Bの面を表側にする)させた後に、外付け型電池3の装着部7を再度、被装着部5に押し込んで装置本体1に取り付ける。
【0038】
なお本実施形態においては装置本体1に電源を供給するための内部電池の取り付け部を被装着部5として兼用しているため、外付け型電池3は長時間使用可能な大容量バッテリーであることが望ましい。通常、装着部7には電池(例えば第1の電池と同等な物)が入っているが、装置本体1の重量が重くなるため軽量性を重視する際には装着部7部分は電池でなくても構わない。
【0039】
図3は、第1の実施形態に係る重心位置の変更手順を示すフローチャートである。
【0040】
最初に装置本体1に既に装着されている外付け型電池3を被装着部5のロックを解除して取り外す(ステップS1)。取り外した外付け型電池3を反対側(左右逆方向)へ装着するために表裏面を180度回転させる(ステップS2)。外付け型電池3の装着部7は対称の構造になっているため、装着部7を再度被装着部5に押し込むことで装着する(ステップS3)。これにより外付け型電池3は、例えば左側から右側に取り付け位置を変更できると共に重心位置も変更することができる。
【0041】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置(モバイル型ノートPC)の概略図である。図4(a)は正面から見た図であり外付け型電池の取り付け状態を説明する図であり、図4(b)は外付け型電池の斜視図であり、図4(c)は外付け型電池を取り付けた装置本体を背面から見た図であり、図4(d)は装置本体を裏面から見た図である。
【0042】
本実施形態の情報処理装置は、第1の実施形態と同様の部分は同じ符号をつけてある。また第1の実施形態と相違する点について以下に説明し、同様の部分については詳細な説明を省略する。
【0043】
装置本体1は、入力部4と外付け型電池(第2の電池)13の被装着部5とを備える。外付け型電池13を取り付けるための被装着部5は装置本体1の後ろ側に設けられている内部電池(第1の電池)を装着するためのものである。本実施形態においては内部電池の取り付け部を外付け型電池13の被装着部5として利用する。
【0044】
その他、情報処理のための制御部、外部機器とのインターフェイスやハードディスクなどの記録装置など、公知のノートPCと同様であるので詳細な説明は省略する。
【0045】
図4(b)及び(c)に示すように外付け型電池13は、装置本体1に電源を供給するために電気的に接続するための接続端子6と装置本体1に装着するための装着部7とを備える。なお装着部7には電池(例えば第1の電池と同等な物)が組み込まれている。
【0046】
接続端子6は、装置本体1に接続していない場合は、図示しない外部の充電器にて外付け型電池13を充電する時の電気を受電する端子となる。また装置本体1に接続している場合では、装置本体1から外付け型電池13を充電するための受電する端子となる。
【0047】
装着部7は、外付け型電池13を装置本体1に固定するための端子であり、被装着部5に嵌め合うようになっている。そして装着部7を被装着部5に嵌め合うことで接続端子6は電気的に接続されるようになっている。例えば図4(c)においては、外付け型電池13の装着部7を装置本体1の後ろ側面にある被装着部5に押し込むことで外付け型電池13を取り付ける。
【0048】
図4(d)は外付け型電池13を装置本体1に取り付けた状態を裏面から見た図である。装着部7は外付け型電池13を被装着部5に装着した際には図示しないロック機構により装置本体1に固定されるようになっている。
【0049】
なお被装着部5と装着部7は外付け型電池13を掴んで持ち上げた時でも本体1のノートPCの重量を支えられる程度の強度を持っている。
【0050】
なお外付け型電池13のロック機構及び外付け型電池13を取り外す際のリリース機構としては公知の機構を適用可能である。
【0051】
外付け型電池13の握り手部と装着部7は、回動可能な第1のヒンジ機構8と第2のヒンジ機構9により接続されて構成されている。図4(b)に示すように外付け型電池13を表面13Aの状態で装着後に、回動可能な第1のヒンジ機構8と第2のヒンジ機構9により外付け型電池13の握り手部を装置本体1の裏面に固定する。なお外付け型電池13の握り手部と装着部7は回動可能な第1のヒンジ機構8と第2のヒンジ機構9を通じて電気的な接続がなされている。
【0052】
次に装着部7を被装着部5から取り外して、外付け型電池13を裏返して、裏面13Bの状態で装着後に、回動可能な第1のヒンジ機構8と第2のヒンジ機構9により外付け型電池13の握り手部を装置本体1の裏面に固定することで、外付け型電池13の位置を左側から右側に変更することができる。
【0053】
なお外付け型電池13は、図4(c)の左側及び右側取り付け状態において本体1に固定されるように第1のヒンジ機構8と第2のヒンジ機構9にはロック機構が備えられている。なお上記に限定されることはなく第1のヒンジ機構8と第2のヒンジ機構9や図示しないロック機構としては公知の機構が適用可能である。
【0054】
なお第1のヒンジ機構8と第2のヒンジ機構9は外付け型電池13を掴んで持ち上げた時でも本体1のノートPCの重量を支えられる程度の強度を持っている。
【0055】
図5は、第2の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【0056】
図5(a)は本体を左手持ちした場合を示し、外付け型電池13を装置本体1の左下側となるように取り付けて、本体の重心を手持ちする左側に変更した状態である。
【0057】
図5(b)は本体を右手持ちした場合を示し、外付け型電池13を装置本体1の右下側となるように、外付け型電池13を180度ひっくり返して取り付けて、本体の重心を手持ちする右側に変更した状態である。
【0058】
このように外付け型電池13は本体裏面に装着されるので、片手持ちした場合に重心が持ち手側に移動するとともに外付け型電池13に指をかけて手で握りしめることができるので、さらに持ち手の安定感が増すことになる。この様に装置の片側を片持ち状態に掴んで使用する時には、装置の重量バランス(重心)を保持している持ち手側にシフトした方が持ちやすく、持ち手の疲労を軽減することが可能となる。
【0059】
また外付け型電池13の形状は図4(b)に示した形状に限定されることはなく片手で握りやすい形状であることが好ましい。例えば握り手のような形状でも良い。さらに外付け型電池13の表面は握りやすいように滑り止めの処理をすることが好ましい。
【0060】
図5(a)から図5(b)への外付け型電池13の位置変更は、被装着部5のロック機構を外して外付け型電池13の装着部7を取り外す。そして図4(b)に示すように外付け型電池13を180度回転(外付け型電池13Aの面を裏側にして13Bの面を表側にする)させた後に、外付け型電池13の装着部7を再度、被装着部5に押し込んで装置本体1に取り付ける。
【0061】
その後、図4(c)に示すように、第1のヒンジ部8と第2のヒンジ部9を回動させて調整し、装置本体1の裏側に外付け型電池13の握り手部を配置して固定する。このとき第1のヒンジ部8及び第2のヒンジ部9はロック機構によりロックされて固定される。
【0062】
なお本実施形態においては装置本体1に電源を供給するための内部電池の取り付け部を被装着部5として兼用しているため、外付け型電池13は長時間使用可能な大容量バッテリーであることが望ましい。通常、装着部7には電池(例えば第1の電池と同等な物)が入っているが、装置本体1の重量が重くなるため軽量性を重視する際には装着部7部分は電池でなくても構わない。
【0063】
図6は、第2の実施形態に係る重心位置の変更手順を示すフローチャートである。
【0064】
最初に装置本体1に既に装着されている外付け型電池13を被装着部のロックを解除して取り外す(ステップS11)。取り外した外付け型電池13を反対側(左右逆方向)へ装着するために表裏面を180度回転させる(ステップS12)。外付け型電池13の装着部7は対称の構造になっているため、装着部7を再度被装着部5に押し込むことで装着する(ステップS13)。これにより外付け型電池13は、例えば左側から右側に取り付け位置を変更できると共に重心位置も変更することができる。その後、第1のヒンジ部8と第2のヒンジ部9を回動させて調整し、装置本体1の裏側に外付け型電池13を配置して固定する(ステップS14)。このとき第1のヒンジ部8及び第2のヒンジ部9はロック機構によりロックされて固定される(ステップS15)。
【0065】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置(モバイル型ノートPC)の概略図である。図7(a)は正面から見た図であり外付け型電池の取り付け状態を説明する図であり、図7(b)は外付け型電池を取り付ける被装着部5の配置を示すために装置本体を裏面から見た図である。
【0066】
本実施形態の情報処理装置は、第1の実施形態と同様の部分は同じ符号をつけてある。また第1の実施形態と相違する点について以下に説明し、同様の部分については詳細な説明を省略する。
【0067】
装置本体1は、入力部4と外付け型電池(第2の電池)23の被装着部5とを備える。外付け型電池23を取り付けるための被装着部5は装置本体1の裏側に複数設けられている。なお装置本体1は図示しない内部電池(第1の電池)を装着している。
【0068】
その他、情報処理のための制御部、外部機器とのインターフェイスやハードディスクなどの記録装置など、公知のノートPCと同様であるので詳細な説明は省略する。
【0069】
図7(a)に示すように外付け型電池23は、装置本体1に電源を供給するために電気的に接続するための接続端子6と装置本体1に装着するための装着部7とを備える。
【0070】
接続端子6は、装置本体1に接続していない場合は、図示しない外部の充電器にて外付け型電池23を充電する時の電気を受電する端子となる。また装置本体1に接続している場合では、装置本体1から外付け型電池23を充電するための受電する端子となる。
【0071】
装着部7は、外付け型電池23を本体に固定するための端子であり、被装着部5に嵌め合うようになっている。そして装着部7を被装着部5に嵌め合うことで接続端子6は電気的に接続されるようになっている。例えば図7(b)においては、外付け型電池23の装着部7を装置本体1の裏面側にある2つの被装着部5に押し込むことで外付け型電池23を取り付けて固定する。なお上述したように被装着部5及び装着部7は2つに限定されることではなく、1つ以上であれば良い。
【0072】
装着部7は外付け型電池23を被装着部5に装着した際には図示しないロック機構により装置本体1に固定されるようになっている。
【0073】
なお被装着部5と装着部7は外付け型電池23を掴んで持ち上げた時でも本体1のノートPCの重量を支えられる程度の強度を持っている。なお被装着部5の数や配置は図7(b)に示すことに限定されず様々な変形が可能である。
【0074】
なお外付け型電池23のロック機構及び外付け型電池23を取り外す際のリリース機構としては公知の機構を適用可能である。
【0075】
図8は、第3の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【0076】
図8(a)は本体を左手持ちした場合を示し、外付け型電池23を装置本体1の左下側となるように取り付けて、本体の重心を手持ちする左側に変更した状態である。
【0077】
図8(b)は本体を右手持ちした場合を示し、外付け型電池23を装置本体1の右下側となるように取り付けて、本体の重心を手持ちする右側に変更した状態である。
【0078】
このように外付け型電池23は本体裏面に装着されるので、片手持ちした場合に重心が持ち手側に移動するとともに外付け型電池23に指をかけて手で握りしめることができるので、さらに持ち手の安定感が増すことになる。この様に装置の片側を片持ち状態に掴んで使用する時には、装置の重量バランス(重心)を保持している持ち手側にシフトした方が持ちやすく、持ち手の疲労を軽減することが可能となる。
【0079】
また外付け型電池23の形状は図7(a)に示した形状に限定されることはなく片手で握りやすい形状であることが好ましい。例えば握り手のような形状でも良い。さらに外付け型電池23の表面は握りやすいように滑り止めの処理をすることが好ましい。
【0080】
図8(a)から図8(b)への外付け型電池23の位置変更は、被装着部5のロック機構を外して外付け型電池23の装着部7を取り外す。そして外付け型電池23を移動して外付け型電池23の装着部7を再度、反対側の被装着部5に押し込んで装置本体1に取り付ける。
【0081】
なお本実施形態においては装置本体1に電源を供給するための内部電池を装着しているため、外付け型電池23は通常の使用時間である電池でも、長時間使用可能な大容量電池であっても良い。また内部電池は必ず備えている必要はなく、外付け型電池23だけを備えていても構わない。
【0082】
図9は、本発明の第4の実施形態に係る情報処理装置(モバイル型ノートPC)の概略図である。図9(a)は正面から見た図であり外付け型電池の取り付け状態を説明する図であり、図9(b)は装置を右側面から見た図であり、図9(c)は外付け型電池を上から見た図である。
【0083】
本実施形態の情報処理装置は、第1の実施形態と同様の部分は同じ符号をつけてある。また第1の実施形態と相違する点について以下に説明し、同様の部分については詳細な説明を省略する。
【0084】
装置本体1は、入力部4と外付け型電池(第2の電池)33の被装着部5とを備える。外付け型電池33を取り付けるための被装着部5は装置本体1の左右側面に複数設けられている。なお装置本体1は図示しない内部電池(第1の電池)を装着している。
【0085】
その他、情報処理のための制御部、外部機器とのインターフェイスやハードディスクなどの記録装置など、公知のノートPCと同様であるので詳細な説明は省略する。
【0086】
図9(a)及び(c)に示すように外付け型電池33は、本体1に電源を供給するために電気的に接続するための接続端子6と本体1に装着するための装着部7とを備える。
【0087】
接続端子6は、本体1に接続していない場合は、図示しない外部の充電器にて外付け型電池33を充電する時の電気を受電する端子となる。また本体1に接続している場合では、本体1から外付け型電池33を充電するための受電する端子となる。
【0088】
装着部7は、外付け型電池33を本体に固定するための端子であり、被装着部5に嵌め合うようになっている。そして装着部7を被装着部5に嵌め合うことで接続端子6は電気的に接続されるようになっている。例えば図9(a)においては、外付け型電池33の装着部7を装置本体1の左右側面にある2つの被装着部5に押し込むことで外付け型電池33を取り付ける。なお上述したように被装着部5及び装着部7は2つに限定されることではなく、1つ以上であれば良い。
【0089】
装着部7は外付け型電池33を被装着部5に装着した際には図示しないロック機構により本体1に固定されるようになっている。
【0090】
なお被装着部5と装着部7は外付け型電池33を掴んで持ち上げた時でも本体1のノートPCの重量を支えられる程度の強度を持っている。
【0091】
なお外付け型電池33のロック機構及び外付け型電池33を取り外す際のリリース機構としては公知の機構を適用可能である。
【0092】
図10は、第4の実施形態に係る情報処理装置の使用状態を説明する図である。
【0093】
図10(a)は本体を左手持ちした場合を示し、外付け型電池33を装置本体1の左側となるように取り付けて、本体の重心を手持ちする左側に変更した状態である。
【0094】
図10(b)は本体を右手持ちした場合を示し、外付け型電池33を装置本体1の右側となるように取り付けて、本体の重心を手持ちする右側に変更した状態である。
【0095】
このように外付け型電池33は本体左右側面に装着されるので、片手持ちした場合に重心が持ち手側に移動するとともに外付け型電池33を手で握りしめることができるので、持ち手の安定感が増すことになる。この様に装置の片側を片持ち状態に掴んで使用する時には、装置の重量バランス(重心)を保持している持ち手側にシフトした方が持ちやすく、持ち手の疲労を軽減することが可能となる。
【0096】
また外付け型電池33の形状は図9(a)に示した形状に限定されることはなく片手で握りやすい形状であることが好ましい。例えば握り手のような形状でも良い。さらに外付け型電池33の表面は握りやすいように滑り止めの処理をすることが好ましい。
【0097】
図10(a)から図10(b)への外付け型電池33の位置変更は、被装着部5のロック機構を外して外付け型電池33の装着部7を取り外す。そして外付け型電池33を移動して外付け型電池33の装着部7を再度、反対側の被装着部5に押し込んで装置本体1に取り付ける。
【0098】
なお本実施形態においては装置本体1に電源を供給するための内部電池を装着しているため、外付け型電池33は通常の使用時間であるバッテリーでも、長時間使用可能な大容量バッテリーであっても良い。また内部電池は必ず備えている必要はなく、外付け型電池33だけを備えていても構わない。
【0099】
上記に実施形態によれば、情報処理装置において外付け型電池(バッテリー)の取り付け位置によりバランス(重心)を変更し、持ち手の疲労を軽減することが可能となる。
【0100】
また上記の実施形態によれば、情報処理装置を右手持ち、左手持ちした場合に、その状況に合わせて容易に外付け型電池の位置を変更して重心位置を変えることができるので長時間持った場合でも持ち手の疲労を軽減することが可能となる。
【0101】
また上記の実施形態によれば、外付け型電池の位置を変えることでユーザの持ち方に合わせた重心位置を最適化することが可能となる。
【0102】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0103】
本発明に係る重心位置変動情報処理装置は、前記外付け型電池の前記装着部が、前記被装着部に嵌め合って固定されることにより前記接続端子が電気的に接続されることを特徴とする。
【0104】
また本発明に係る重心位置変動情報処理装置は、前記外付け型電池は、前記握り手部と前記装着部とを回動可能に接続する第1のヒンジ部と第2のヒンジ部と、を有し、前記外付け型電池は、前記装着部を中心として左側または右側に装着した場合、前記第1のヒンジ部と前記第2のヒンジ部の回動動作により前記装置の裏側に前記握り手部を配置可能であることを特徴とする。
【0105】
また本発明に係る重心位置変動情報処理装置の前記第1のヒンジ部と前記第2のヒンジ部は、予め定められた位置において回動動作を係止するロック機構を有することを特徴とする。
【0106】
また本発明に係る重心位置変動情報処理装置の前記被装着部は前記装置の裏面の左右端に設けられ、前記外付け型電池を左側または右側の前記被装着部に装着することにより前記装置を支持するための握り手部となるとともに重心位置を前記握り手部側に移動することを特徴とする。
【0107】
また本発明に係る重心位置変動情報処理装置の前記被装着部は前記装置の左右両側面に設けられることを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明によれば、ノート型パソコン、モバイル型ノートパソコンなどの情報処理装置の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0109】
1 装置本体
2 表示パネル部
3、13、23、33 外付け型電池
4 入力部
5 被装着部
6 接続端子
7 装着部
8 第1のヒンジ機構
9 第2のヒンジ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外付け型電池と前記外付け型電池を装着可能な情報処理装置であって、
装置に電源を供給するための接続端子と、
外付け型電池を装着固定するための少なくとも1以上の被装着部と、
前記被装着部に嵌め合う少なくとも1以上の装着部を設けた外付け型電池と、
を有し、
前記外付け型電池は、前記装着部を中心として左側または右側に装着することで前記装置の重心位置が移動可能であり、かつ前記被装着部に嵌め合った前記装着部により前記装置を支持する握り手部となることを特徴とする重心位置変動情報処理装置。
【請求項2】
前記外付け型電池の前記装着部が、前記被装着部に嵌め合って固定されることにより前記接続端子が電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の重心位置変動情報処理装置。
【請求項3】
前記外付け型電池は、前記握り手部と前記装着部とを回動可能に接続する第1のヒンジ部と第2のヒンジ部と、を有し、
前記外付け型電池は、前記装着部を中心として左側または右側に装着した場合、前記第1のヒンジ部と前記第2のヒンジ部の回動動作により前記装置の裏側に前記握り手部を配置可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の重心位置変動情報処理装置。
【請求項4】
前記第1のヒンジ部と前記第2のヒンジ部は、予め定められた位置において回動動作を係止するロック機構を有することを特徴とする請求項3に記載の重心位置変動情報処理装置。
【請求項5】
前記被装着部は前記装置の裏面の左右端に設けられ、
前記外付け型電池を左側または右側の前記被装着部に装着することにより前記装置を支持するための握り手部となるとともに重心位置を前記握り手部側に移動することを特徴とする請求項1または2に記載の重心位置変動情報処理装置。
【請求項6】
前記被装着部は前記装置の左右両側面に設けられることを特徴とする請求項5に記載の重心位置変動情報処理装置。
【請求項7】
装置に装着されている外付け型電池を被装着部から取り外す工程と、
重心位置を反対側に移動させるために取り外した前記外付け型電池の表裏面を180度回転させる工程と、
表裏面を回転させた前記外付け型電池を再度被装着部に装着する工程と、
を有することを特徴とする重心位置変動情報処理装置の重心位置変更方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−210122(P2011−210122A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78925(P2010−78925)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)