重量物載置装置
【課題】 コンテナに積み込むべき重量物を載置した時に、重量物が転倒する虞が無い重量物載置装置を提供する。
【解決手段】 重量物載置装置は、コイル4を載置するコンテナ用パレットと、コンテナ用パレットの移動を阻止する固定治具とから構成されている。コンテナ用パレットは、長手方向に延びる一対の支持部材7a、7b(図示せず)と、所定間隔をおいて短手方向に水平に配置される一対の第1鋼管8及び第2鋼管9とを備えている。固定治具は、ガイド部材22a、22b(図示せず)と、第1鋼管8の下流側に配置される一対の第1移動阻止部材25a、25b(図示せず)及び第2鋼管9の上流側に配置される一対の第2移動阻止部材26a、26b(図示せず)とを備えている。コンテナ用パレットは長手方向上を移動自在であり、移動時において各々の鋼管と各々の移動阻止部材とが移動方向の上流側で係合する。
【解決手段】 重量物載置装置は、コイル4を載置するコンテナ用パレットと、コンテナ用パレットの移動を阻止する固定治具とから構成されている。コンテナ用パレットは、長手方向に延びる一対の支持部材7a、7b(図示せず)と、所定間隔をおいて短手方向に水平に配置される一対の第1鋼管8及び第2鋼管9とを備えている。固定治具は、ガイド部材22a、22b(図示せず)と、第1鋼管8の下流側に配置される一対の第1移動阻止部材25a、25b(図示せず)及び第2鋼管9の上流側に配置される一対の第2移動阻止部材26a、26b(図示せず)とを備えている。コンテナ用パレットは長手方向上を移動自在であり、移動時において各々の鋼管と各々の移動阻止部材とが移動方向の上流側で係合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は重量物載置装置に関し、特にコンテナに積み込むべき重量物を載置するための重量物載置装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
重量物をコンテナに積載し運搬するには、輸送中の慣性力や衝撃力を無視できないため、種々の対策が採られている。
【0003】
図10は特許文献1に示されている一般のドライコンテナの外観形状を示した図であり、図11は図10で示したXI−XIラインの拡大断面図である。
【0004】
図10に示すように、コンテナ53内にはコイル4a、4bのようにコイルが2個積載されるため、コンテナ53内に広い空間を生ずる。そこで、コンテナ用パレットに載置されたコイル4a、4bとコンテナ側壁や妻壁との空間に木材を設置することによって、慣性力や衝撃力による鋼板コイルの移動や転倒を防ぐ提案がされている。
【0005】
次に、図11を参照して、平面視井桁状に配置された鋼材よりなるコンテナ用パレット50は、コンテナ53の底板34上に配置されている。又、コンテナ53の側板31a、31b方向への移動を阻止するため、これらとコンテナ用パレット50との間には固定材55a、55bが配置されている。
【0006】
コンテナ用パレット50の上部には敷板51が配置され、敷板51上にコイル4aがその移動を防止するための回り止め52a〜52dを介して配置される。又、コンテナ用パレットの平面視における四隅には固定部材57a〜57dが設けられており、ワイヤ54a、54bをコイル4aの巻芯に通し、各固定部材と接続することによって、コイル4aをコンテナ用パレット50に固定している。
【0007】
図12は図11で示した重量物載置装置の転倒状況を示す模式図である。
【0008】
図を参照して、輸送中の衝撃等によって、水平方向の力Fがコイル4を載置した状態のコンテナ用パレット50の重心Gに作用したとき、コンテナ用パレット50には固定部材55により固定された点Pを中心とする回転モーメントが作用する。このとき、図における左回転のモーメントが右回転のモーメントより大きくなると、コンテナ用パレット50は左に回転し、転倒することになる。
【0009】
このような転倒をしないためには、左回転のモーメントが右回転のモーメントより小さくならなければならない。即ち、コイル4を載置した状態のコンテナ用パレット50の重量をW、点Pを通る水平面から重心Gまでの垂直距離をH、点Pを通る垂直面から重心Gまでの水平距離をLとすると、
F・H<W・L・・・・・・・・・・・(1)
とならなければならない。ここで、力Fは重量WのN倍、即ち、F=N・Wと仮定すると、
N・W・H<W・L・・・・・・・・・(2)
となり、(2)式を計算すると、
N<L/H・・・・・・・・・・・・・(3)
となり、(3)式の条件を満たせば、コンテナ用パレット50は転倒する虞が無くなる。
【特許文献1】特開2001−315782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような従来の重量物載置装置では、重量物を載置した状態のコンテナ用パレットを転倒させないためには上記の(3)式の条件を満たさなければならない。そして、この条件を満たすためには、Hが一定とすれば(3)式におけるLを大きくすれば良い。即ち、コンテナ用パレットを力が作用する方向に長くする方法が考えられるが、コンテナの大きさやコストの問題から限界がある。従って、Nが想定外の大きさになると上記の条件を満たせず、重量物がコンテナ用パレットと共に転倒する虞がある。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、コンテナに積み込むべき重量物を載置した時に、重量物が転倒する虞が無い重量物載置装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コンテナに積み込むべき重量物を載置するための重量物載置装置であって、コンテナの床面に対して所定方向に移動自在に設置され、重量物を載置するための載置手段と、床面に固定され、重量物を載置した状態の載置手段の重心を通り且つ所定方向に直交する垂直面に対して所定方向の上流側の位置で載置手段の移動を阻止する移動阻止手段とを備えたものである。
【0013】
このように構成すると、載置手段に所定方向への力が加わると、載置手段を床面に押し付ける回転モーメントが生じる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、重量物は、円筒形状のコイルを含み、載置手段は、所定方向の上流側へも移動自在に構成されると共に、所定方向に対して直交する方向に上流側から所定間隔をおいて水平に配置され、コイルの側壁を支持する一対の第1鋼管及び第2鋼管を含み、移動阻止手段は、第1鋼管に係合して所定方向の下流側への移動を阻止する第1移動阻止部材と、第2鋼管に係合して上流側への移動を阻止する第2移動阻止部材とを含むものである。
【0015】
このように構成すると、載置手段の移動方向に関わらず、移動方向の上流側で移動が阻止される。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分は、下流側に上昇する第1傾斜平面を有し、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分は、上流側に上昇する第1傾斜平面を有するものである。
【0017】
このように構成すると、係合時の衝撃が緩和されると共に、衝撃に応じて係合位置が上昇する。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分は、下流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面を有し、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分は、上流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜曲面を有するものである。
【0019】
このように構成すると、係合位置が上がるにつれて移動阻止部材からの反力が増加する。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、載置手段は、第1鋼管及び第2鋼管を支持し、所定方向に平行に配置された一対の支持部材を含み、移動阻止手段は、支持部材の所定方向の上流側及び下流側への移動をガイドするように所定方向に平行に配置された状態で床面に固定される一対のガイド部材を含み、第1移動阻止部材及び第2移動阻止部材の各々は一対設けられ、ガイド部材の各々に支持されるものである。
【0021】
このように構成すると、載置手段はガイド部材に移動がガイドされる。又、鋼管の移動は2箇所で阻止される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、載置手段に所定方向への力が加わると、載置手段を床面に押し付ける回転モーメントが生じるため、載置手段が転倒する虞が無い。
【0023】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、載置手段の移動方向に関わらず、移動方向の上流側で移動が阻止されるため、載置状態がより安定する。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、係合時の衝撃が緩和されると共に、衝撃に応じて係合位置が上昇するため、重量物の損傷を軽減し、衝撃エネルギーが効率的に吸収される。
【0025】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、係合位置が上がるにつれて移動阻止部材からの反力が増加するため、移動阻止状態がより安定する。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、載置手段はガイド部材に移動がガイドされるため、載置手段が所定方向以外に不用意に移動する虞がなくなり、載置状態の信頼性が向上する。又、鋼管の移動は2箇所で阻止されるため、移動阻止状態が安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1はこの発明の第1の実施の形態による重量物載置装置の概略斜視図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図であり、図3は図1で示したIII−IIIラインの拡大断面図であり、図4は図1で示したIV−IVラインの拡大断面図である。
【0028】
これらの図を参照して、重量物であるコイル4は重量物載置装置10を介してコンテナ53内に積み込まれている。この重量物載置装置10は、コイル4を載置する載置手段であるコンテナ用パレット20と、コンテナ用パレット20に係合してその移動を阻止する移動阻止手段である固定治具30とから構成されている。以下にこれらの詳細について説明する。
【0029】
コンテナ用パレット20は、コンテナ53の長手方向(所定方向)に平行に床面33上に配置されたH型鋼よりなる支持部材7a、7bと、長手方向に直交する短手方向に所定間隔をおいて水平に支持部材7a、7b上に配置される一対の第1鋼管8及び第2鋼管9とから主に構成されている。尚、第1鋼管8及び第2鋼管9は、支持部材7a、7bの各々に一対ずつ設けられた架台14a〜14d上に設置されている。
【0030】
円筒形状のコイル4は、第1鋼管8及び第2鋼管9の間において、その側壁を第1鋼管8及び第2鋼管9によって支持されると共に、ベルト12a、12bで第1鋼管8及び第2鋼管9と一体化されている。
【0031】
コンテナ用パレット20は上記のように構成されているため、コンテナ53の長手方向における上流及び下流に移動自在となる。
【0032】
次に、このコンテナ用パレット20の移動を阻止する固定治具30について説明する。
【0033】
固定治具30は、コンテナ用パレット20の長手方向上の移動をガイドするように支持部材7a、7bの各々の内方側に平行に床面33上に配置されたH型鋼よりなる一対のガイド部材22a、22bを備えている。ガイド部材22a、22bの各々の高さは、コンテナ用パレット20の長手方向上の移動を妨げないよう、第1鋼管8及び第2鋼管9の下方端と若干の隙間を有するように設定されている。更に、ガイド部材22a、22bは、各々の両端に設置され床面33に固定された固定材11a〜11dによって長手方向の移動が阻止されている。コンテナ用パレット20の長手方向の上流側及び下流側への移動においては、ガイド部材22a、22bに沿ってこの移動がガイドされるため、コンテナ用パレット20の移動が長手方向以外に不用意に移動する虞が無くなる。従って、コイル4の載置状態の信頼性が向上する。
【0034】
更に、支持部材7a、7b上の第1鋼管8の下流側に各々が配置される一対の第1移動阻止部材25a、25b及び支持部材7a、7b上の第2鋼管9の上流側に各々が配置される一対の第2移動阻止部材26a、26bを備えている。
【0035】
第1移動阻止部材25a、25bは、短手方向の断面状態において下流側に上昇する第1傾斜平面35a、35bを有する楔形状に形成されている。この第1傾斜平面35a、35bの各々の下方端は、第1鋼管8の下方端とほぼ同じ高さに設定されている。又、第2移動阻止部材26a、26bは、短手方向の断面状態において上流側に上昇する第2傾斜平面36a、36bを有する楔形状に形成されている。この第2傾斜平面36a、36bの各々の下方端は、第2鋼管9の下方端とほぼ同じ高さに設定されている。そのため、コンテナ用パレット20の長手方向の下流側への移動に伴い、第1鋼管8と第1移動阻止部材25a、25bの第1傾斜平面35a、35bの各々とがスムースに係合してその移動を阻止する。又、コンテナ用パレット20の長手方向の上流側への移動に伴い、第2鋼管9と第2移動阻止部材26a、26bの第2傾斜平面36a、36bの各々とがスムースに係合してその移動を阻止する。これらの効果については後述する。
【0036】
次に、この実施の形態による重量物載置装置10が転倒しない理由について説明する。
【0037】
図5は図1で示した重量物載置装置の移動時に作用する力関係を示した模式図である。
【0038】
図を参照して、コンテナ輸送中の衝撃等によって、図における左側へ水平方向の力Fがコイル4を載置した状態の載置手段の重心Gに作用すると、載置手段はコンテナの長手方向上において移動自在であるため、コイル4は図の左方向へ移動することになる。
【0039】
前述した通り、コイル4は第1鋼管8及び第2鋼管9と一体化されているため、コイル4の図の左方向への移動に伴い、第1鋼管8及び第2鋼管9も図の左方向へと移動することになる。
【0040】
すると、第1鋼管8は第1移動阻止部材25aと係合する。尚、この状態の時、第1鋼管8は同時に第1移動阻止部材25b(図示せず)とも係合しているが、効果は同じであるため、説明は省略する。そして、この時、第1移動阻止部材25aは第1傾斜平面35aを備えているため、第1傾斜平面35aからの反力と摩擦抵抗とを受けながら力Fの大きさに応じて第1鋼管8と第1移動阻止部材25aとの当接点Pの位置が上昇する。それに伴って、重心Gの位置も上昇することになる。このように、力Fのエネルギーは重心Gの位置を上昇させるエネルギーに使用されるため、第1鋼管8と第1移動阻止部材25aとの係合時の衝撃が緩和される。従って、コイル4の損傷を軽減すると共に、力Fのエネルギーが効率的に吸収されることになる。
【0041】
又、上記の通り、第1移動阻止部材25aは当接点Pにおいて第1鋼管8の図における左方向への移動を阻止しようとする。そのため、当接点Pを中心とした、力Fとコイル4を載置した状態の載置手段の重量Wとによる回転モーメントMが発生する。当接点Pは重心Gの垂直線に対して常に図の右側に位置しているため、力Fと重量Wとは載置手段を図において左回転させようとする。つまり、回転モーメントMは載置手段を床面33に押し付けるようにのみ作用する。従って、回転モーメントMの大きさがコンテナの床面33の強度を超えない範囲であれば、コイル4を載置した重量物載置装置が回転する虞は無い。この範囲について、以下で説明する。
【0042】
コンテナの床面33の下部には、床面33の補強を目的とした複数のクロスメンバー15が設置されている。回転モーメントMによって載置手段が床面33に押し付けられると、クロスメンバー15に反力Rが発生する。この反力Rに基づく反対方向の回転モーメントが回転モーメントMより大きい場合、上記の範囲であると言える。
【0043】
ここで、当接点Pを通る水平面から重心Gまでの垂直距離をH、当接点Pを通る垂直面から重心Gまでの水平距離をLとする。更に、当接点Pの垂直線から図の左側のクロスメンバーの各々までの距離を、L1〜L4とすると、上記の範囲を満たす式は、
F・H+W・L<R(L1+L2+L3+L4)・・・・・・・(4)
である。力Fは重量WのN倍、即ち、F=N・Wと仮定すると、
W(N・H+L)<R(L1+L2+L3+L4)・・・・・・(5)
となり、(5)式を計算すると、
W<R(L1+L2+L3+L4)/(N・H+L)・・・・・(6)
となる。クロスメンバーの本数をi本とすると、
W<R・ΣLi/(N・H+L)・・・・・・・・・・・・・・(7)
即ち、(7)式の条件を満たせば、コイル4を載置した重量物載置装置はコンテナの床面33の崩壊による転倒の虞が無い。
【0044】
上記の条件は第2鋼管9と第2移動阻止部材26a、26bにも同様に当てはめることが出来る。従って、載置手段のコンテナの長手方向の移動方向に関わらず、移動方向に対して常に上流側で係合し移動を阻止するため、コイルを載置した載置手段が転倒する虞が無くなる。従って、コイル4の載置状態が安定する。
【0045】
又、第1鋼管8は第1移動阻止部材25a、25bの2箇所で係合し、その移動が阻止され、第2鋼管9は第2移動阻止部材26a、26bの2箇所で係合し、その移動が阻止される。例えば、第1鋼管8が第1移動阻止部材25aのみで係合し移動を阻止しようとすると、第1鋼管8が平面視において傾く虞がある。従って、上記のように2箇所で係合することで移動阻止状態が安定する。
【0046】
次に、移動阻止部材における傾斜平面について説明する。
【0047】
図6は鋼管と移動阻止部材とが係合した状態の力関係を示した模式図である。
【0048】
図を参照して、第1鋼管8に図の左方向に水平の力Pを加え、傾斜角θの第1移動阻止部材25と第1鋼管8とが係合した状態を想定する。この場合、作用点にコイルを載置した状態の載置手段の重量Wが第1移動阻止部材25に対して鉛直方向に加わる。一方、その作用点に対して傾斜面に直交する反力Rが第1移動阻止部材25から第1鋼管8に加わることになる。そして第1移動阻止部材25の第1傾斜平面35と第1鋼管8とで規定される動摩擦係数μによって生じる摩擦力Fが、第1移動阻止部材25の第1傾斜平面35に沿って第1鋼管8に対して加わることになる。
【0049】
図7は図6で示した状態の力の釣合いを示したベクトル図である。
【0050】
図を参照して、種々の力の釣合っている状態の時、重量W、力P、反力R及び摩擦力Fは力の釣合いから図のような閉ループを構成することになる。この時、
F=R・μ
であるから、
μ=tanφ・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
となる。従って、
P=W・tan(θ+φ)・・・・・・・・・・・(9)
となる。ここで、力Pは重量WのN倍、即ち、P=N・Wと仮定すると、
N・W=W・tan(θ+φ)・・・・・・・・・(10)
となる。(10)式を計算すると、
θ+φ=tan−1N・・・・・・・・・・・・・(11)
となる。ここで、(8)式を変形すると、
φ=tan−1μ・・・・・・・・・・・・・・・(12)
となり、(12)式を(11)式に代入すると、
θ=tan−1N−tan−1μ・・・・・・・・・(13)
となる。
【0051】
(13)式により算出される傾斜角θは、種々の力が釣合っている状態のものである。即ち、
θ≧tan−1N−tan−1μ・・・・・・・・・(14)
であるならば、(9)式により傾斜角θの第1移動阻止部材25は、第1鋼管8の図の左方向への移動、即ち、コイルを載置した載置手段の移動を阻止することが出来ることになる。そして、この釣合い以上の力Pが一定時間働いた場合、生じたエネルギーは摩擦力Fと重心Gの位置の上昇とで吸収される。
【0052】
図8はこの発明の第2の実施の形態による重量物載置装置の断面図であって第1の実施の形態の図4に対応するものである。
【0053】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態と同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0054】
図を参照して、この実施の形態にあっては、第1移動阻止部材25a、25b(図示せず)及び第2移動阻止部材26a、26b(図示せず)の形状が異なっている。即ち、第1移動阻止部材25a、25b(図示せず)は図の左側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面18a、18b(図示せず)を備えている。これと共に、第2移動阻止部材26a、26b(図示せず)は図の右側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜曲面19a、19b(図示せず)を備えている。
【0055】
このような傾斜曲面を備えた移動阻止部材における効果について、以下に説明する。
【0056】
図9は図8で示した移動阻止部材の形状を示す模式図である。
【0057】
図を参照して、第1移動阻止部材25は図の左側にいくにつれて傾斜角度が上昇する傾斜曲面18を備えている。この傾斜曲面18の設定方法について説明する。
【0058】
傾斜曲線18は、上記の(13)式に基づいて設定されている。即ち、力の大きさがP1<P2<P3<Pkとなるような種々の水平力Pに対して、各傾斜角θを設定している。水平力P1に対応する傾斜角はθ1、水平力P2には傾斜角θ2、水平力Pkには傾斜角θkと算出し、第1移動阻止部材25の鋼管と係合する部分に対応させる。すると、水平力Pが大きくなる程、傾斜角θも大きくなるため、図のように傾斜角度が徐々に上昇する面となる。この面と近似する半径Xの側面視円弧状の傾斜曲面18を設定する。
【0059】
このように設定された傾斜曲面18を備える第1移動阻止部材25は、鋼管との係合位置が上がるにつれて、(9)式より明らかなように釣合うべき水平力Pが増加することになる。つまり、重心Gの位置が上昇する割合が徐々に大きくなるため、係合した当初から吸収エネルギー量が徐々に増加していくと共に、移動阻止部材からの反力も徐々に増加する。従って、係合時の急激な衝突による衝撃を緩和させることができると共に、重量物を載置した載置手段の移動阻止状態をより安定させることが可能となる。
【0060】
尚、上記の第1の実施の形態では、第1移動阻止部材は特定形状を有しているが、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分が下流側に上昇する第1傾斜平面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第1鋼管に係合して所定方向の下流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0061】
又、上記の第1の実施の形態では、第2移動阻止部材は特定形状を有しているが、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分が上流側に上昇する第2傾斜平面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第2鋼管に係合して所定方向の上流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0062】
更に、上記の第2の実施の形態では、第1移動阻止部材は特定形状を有しているが、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分が下流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第1鋼管に係合して所定方向の下流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0063】
更に、上記の第2の実施の形態では、第2移動阻止部材は特定形状を有しているが、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分が上流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜局面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第2鋼管に係合して所定方向の上流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0064】
更に、上記の各実施の形態では、重量物として円筒形状のコイルを載置しているが、コイル以外の重量物であっても同様に適用できる。
【0065】
更に、上記の各実施の形態では、載置手段であるコンテナ用パレットの構造を特定しているが、コンテナの床面に対して所定方向に移動自在に設置され、重量物を載置するものであれば、他の構造であっても良い。
【0066】
更に、上記の各実施の形態では、移動阻止手段である固定治具の構造を特定しているが、床面に固定され、重量物を載置した状態の載置手段の重心を通り且つ所定方向に直交する垂直面に対して所定方向の上流側の位置で載置手段の移動を阻止するものであれば、他の構造であっても良い。
【0067】
更に、上記の各実施の形態では、第1移動阻止部材と第2移動阻止部材とを備えているが、一方の移動阻止部材を備えていれば、他方の移動阻止部材は備えていなくても良い。又、第1移動阻止部材は一方のガイド部材上にのみ設けられていても良く、第2移動阻止部材は一方のガイド部材上にのみ設けられていても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、支持部材は特定形状を有しているが、支持部材は第1鋼管及び第2鋼管を支持し、長手方向に平行に配置された一対のものであれば良い。又は、支持部材を備えていなくても良い。
【0069】
更に、上記の各実施の形態では、各々のガイド部材は各々の支持部材の内方側に配置されているが、各々の支持部材の所定方向の上流側及び下流側の移動をガイドするものであれば、例えば、各々の支持部材の外方側に配置されているものであっても良い。又は、ガイド部材は無くても良い。
【0070】
更に、上記の各実施の形態では、移動阻止手段の一部となるガイド部材は、その両端の固定材を床面に固定することによって間接的に床面に固定されている。ここで、床面に固定とは、このような固定のみならず、ガイド部材を床面に直接的に固定するものや、少なくともコンテナ用パレットの移動方向に対して移動が阻止されるようにガイド部材が保持されるものを含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明の第1の実施の形態による重量物載置装置の概略斜視図である。
【図2】図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【図3】図1で示したIII−IIIラインの拡大断面図である。
【図4】図1で示したIV−IVラインの拡大断面図である。
【図5】図1で示した重量物載置装置の移動時に作用する力関係を示した模式図である。
【図6】鋼管と移動阻止部材とが係合した状態の力関係を示した模式図である。
【図7】図6で示した状態の力の釣合いを示したベクトル図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態による重量物載置装置の断面図であって第1の実施の形態の図4に対応するものである。
【図9】図8で示した移動阻止部材の形状を示す模式図である。
【図10】従来の一般のドライコンテナの外観形状を示した図である。
【図11】図10で示したXI−XIラインの拡大断面図である。
【図12】図11で示した重量物載置装置の転倒状況を示す模式図である。
【符号の説明】
【0072】
4…コイル
7…支持部材
8…第1鋼管
9…第2鋼管
10…重量物載置装置
18…第1傾斜曲面
19…第2傾斜曲面
20…コンテナ用パレット
22…ガイド部材
25…第1移動阻止部材
26…第2移動阻止部材
30…固定治具
35…第1傾斜平面
36…第2傾斜平面
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は重量物載置装置に関し、特にコンテナに積み込むべき重量物を載置するための重量物載置装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
重量物をコンテナに積載し運搬するには、輸送中の慣性力や衝撃力を無視できないため、種々の対策が採られている。
【0003】
図10は特許文献1に示されている一般のドライコンテナの外観形状を示した図であり、図11は図10で示したXI−XIラインの拡大断面図である。
【0004】
図10に示すように、コンテナ53内にはコイル4a、4bのようにコイルが2個積載されるため、コンテナ53内に広い空間を生ずる。そこで、コンテナ用パレットに載置されたコイル4a、4bとコンテナ側壁や妻壁との空間に木材を設置することによって、慣性力や衝撃力による鋼板コイルの移動や転倒を防ぐ提案がされている。
【0005】
次に、図11を参照して、平面視井桁状に配置された鋼材よりなるコンテナ用パレット50は、コンテナ53の底板34上に配置されている。又、コンテナ53の側板31a、31b方向への移動を阻止するため、これらとコンテナ用パレット50との間には固定材55a、55bが配置されている。
【0006】
コンテナ用パレット50の上部には敷板51が配置され、敷板51上にコイル4aがその移動を防止するための回り止め52a〜52dを介して配置される。又、コンテナ用パレットの平面視における四隅には固定部材57a〜57dが設けられており、ワイヤ54a、54bをコイル4aの巻芯に通し、各固定部材と接続することによって、コイル4aをコンテナ用パレット50に固定している。
【0007】
図12は図11で示した重量物載置装置の転倒状況を示す模式図である。
【0008】
図を参照して、輸送中の衝撃等によって、水平方向の力Fがコイル4を載置した状態のコンテナ用パレット50の重心Gに作用したとき、コンテナ用パレット50には固定部材55により固定された点Pを中心とする回転モーメントが作用する。このとき、図における左回転のモーメントが右回転のモーメントより大きくなると、コンテナ用パレット50は左に回転し、転倒することになる。
【0009】
このような転倒をしないためには、左回転のモーメントが右回転のモーメントより小さくならなければならない。即ち、コイル4を載置した状態のコンテナ用パレット50の重量をW、点Pを通る水平面から重心Gまでの垂直距離をH、点Pを通る垂直面から重心Gまでの水平距離をLとすると、
F・H<W・L・・・・・・・・・・・(1)
とならなければならない。ここで、力Fは重量WのN倍、即ち、F=N・Wと仮定すると、
N・W・H<W・L・・・・・・・・・(2)
となり、(2)式を計算すると、
N<L/H・・・・・・・・・・・・・(3)
となり、(3)式の条件を満たせば、コンテナ用パレット50は転倒する虞が無くなる。
【特許文献1】特開2001−315782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような従来の重量物載置装置では、重量物を載置した状態のコンテナ用パレットを転倒させないためには上記の(3)式の条件を満たさなければならない。そして、この条件を満たすためには、Hが一定とすれば(3)式におけるLを大きくすれば良い。即ち、コンテナ用パレットを力が作用する方向に長くする方法が考えられるが、コンテナの大きさやコストの問題から限界がある。従って、Nが想定外の大きさになると上記の条件を満たせず、重量物がコンテナ用パレットと共に転倒する虞がある。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、コンテナに積み込むべき重量物を載置した時に、重量物が転倒する虞が無い重量物載置装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コンテナに積み込むべき重量物を載置するための重量物載置装置であって、コンテナの床面に対して所定方向に移動自在に設置され、重量物を載置するための載置手段と、床面に固定され、重量物を載置した状態の載置手段の重心を通り且つ所定方向に直交する垂直面に対して所定方向の上流側の位置で載置手段の移動を阻止する移動阻止手段とを備えたものである。
【0013】
このように構成すると、載置手段に所定方向への力が加わると、載置手段を床面に押し付ける回転モーメントが生じる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、重量物は、円筒形状のコイルを含み、載置手段は、所定方向の上流側へも移動自在に構成されると共に、所定方向に対して直交する方向に上流側から所定間隔をおいて水平に配置され、コイルの側壁を支持する一対の第1鋼管及び第2鋼管を含み、移動阻止手段は、第1鋼管に係合して所定方向の下流側への移動を阻止する第1移動阻止部材と、第2鋼管に係合して上流側への移動を阻止する第2移動阻止部材とを含むものである。
【0015】
このように構成すると、載置手段の移動方向に関わらず、移動方向の上流側で移動が阻止される。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分は、下流側に上昇する第1傾斜平面を有し、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分は、上流側に上昇する第1傾斜平面を有するものである。
【0017】
このように構成すると、係合時の衝撃が緩和されると共に、衝撃に応じて係合位置が上昇する。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分は、下流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面を有し、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分は、上流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜曲面を有するものである。
【0019】
このように構成すると、係合位置が上がるにつれて移動阻止部材からの反力が増加する。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、載置手段は、第1鋼管及び第2鋼管を支持し、所定方向に平行に配置された一対の支持部材を含み、移動阻止手段は、支持部材の所定方向の上流側及び下流側への移動をガイドするように所定方向に平行に配置された状態で床面に固定される一対のガイド部材を含み、第1移動阻止部材及び第2移動阻止部材の各々は一対設けられ、ガイド部材の各々に支持されるものである。
【0021】
このように構成すると、載置手段はガイド部材に移動がガイドされる。又、鋼管の移動は2箇所で阻止される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、載置手段に所定方向への力が加わると、載置手段を床面に押し付ける回転モーメントが生じるため、載置手段が転倒する虞が無い。
【0023】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、載置手段の移動方向に関わらず、移動方向の上流側で移動が阻止されるため、載置状態がより安定する。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、係合時の衝撃が緩和されると共に、衝撃に応じて係合位置が上昇するため、重量物の損傷を軽減し、衝撃エネルギーが効率的に吸収される。
【0025】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、係合位置が上がるにつれて移動阻止部材からの反力が増加するため、移動阻止状態がより安定する。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、載置手段はガイド部材に移動がガイドされるため、載置手段が所定方向以外に不用意に移動する虞がなくなり、載置状態の信頼性が向上する。又、鋼管の移動は2箇所で阻止されるため、移動阻止状態が安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1はこの発明の第1の実施の形態による重量物載置装置の概略斜視図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図であり、図3は図1で示したIII−IIIラインの拡大断面図であり、図4は図1で示したIV−IVラインの拡大断面図である。
【0028】
これらの図を参照して、重量物であるコイル4は重量物載置装置10を介してコンテナ53内に積み込まれている。この重量物載置装置10は、コイル4を載置する載置手段であるコンテナ用パレット20と、コンテナ用パレット20に係合してその移動を阻止する移動阻止手段である固定治具30とから構成されている。以下にこれらの詳細について説明する。
【0029】
コンテナ用パレット20は、コンテナ53の長手方向(所定方向)に平行に床面33上に配置されたH型鋼よりなる支持部材7a、7bと、長手方向に直交する短手方向に所定間隔をおいて水平に支持部材7a、7b上に配置される一対の第1鋼管8及び第2鋼管9とから主に構成されている。尚、第1鋼管8及び第2鋼管9は、支持部材7a、7bの各々に一対ずつ設けられた架台14a〜14d上に設置されている。
【0030】
円筒形状のコイル4は、第1鋼管8及び第2鋼管9の間において、その側壁を第1鋼管8及び第2鋼管9によって支持されると共に、ベルト12a、12bで第1鋼管8及び第2鋼管9と一体化されている。
【0031】
コンテナ用パレット20は上記のように構成されているため、コンテナ53の長手方向における上流及び下流に移動自在となる。
【0032】
次に、このコンテナ用パレット20の移動を阻止する固定治具30について説明する。
【0033】
固定治具30は、コンテナ用パレット20の長手方向上の移動をガイドするように支持部材7a、7bの各々の内方側に平行に床面33上に配置されたH型鋼よりなる一対のガイド部材22a、22bを備えている。ガイド部材22a、22bの各々の高さは、コンテナ用パレット20の長手方向上の移動を妨げないよう、第1鋼管8及び第2鋼管9の下方端と若干の隙間を有するように設定されている。更に、ガイド部材22a、22bは、各々の両端に設置され床面33に固定された固定材11a〜11dによって長手方向の移動が阻止されている。コンテナ用パレット20の長手方向の上流側及び下流側への移動においては、ガイド部材22a、22bに沿ってこの移動がガイドされるため、コンテナ用パレット20の移動が長手方向以外に不用意に移動する虞が無くなる。従って、コイル4の載置状態の信頼性が向上する。
【0034】
更に、支持部材7a、7b上の第1鋼管8の下流側に各々が配置される一対の第1移動阻止部材25a、25b及び支持部材7a、7b上の第2鋼管9の上流側に各々が配置される一対の第2移動阻止部材26a、26bを備えている。
【0035】
第1移動阻止部材25a、25bは、短手方向の断面状態において下流側に上昇する第1傾斜平面35a、35bを有する楔形状に形成されている。この第1傾斜平面35a、35bの各々の下方端は、第1鋼管8の下方端とほぼ同じ高さに設定されている。又、第2移動阻止部材26a、26bは、短手方向の断面状態において上流側に上昇する第2傾斜平面36a、36bを有する楔形状に形成されている。この第2傾斜平面36a、36bの各々の下方端は、第2鋼管9の下方端とほぼ同じ高さに設定されている。そのため、コンテナ用パレット20の長手方向の下流側への移動に伴い、第1鋼管8と第1移動阻止部材25a、25bの第1傾斜平面35a、35bの各々とがスムースに係合してその移動を阻止する。又、コンテナ用パレット20の長手方向の上流側への移動に伴い、第2鋼管9と第2移動阻止部材26a、26bの第2傾斜平面36a、36bの各々とがスムースに係合してその移動を阻止する。これらの効果については後述する。
【0036】
次に、この実施の形態による重量物載置装置10が転倒しない理由について説明する。
【0037】
図5は図1で示した重量物載置装置の移動時に作用する力関係を示した模式図である。
【0038】
図を参照して、コンテナ輸送中の衝撃等によって、図における左側へ水平方向の力Fがコイル4を載置した状態の載置手段の重心Gに作用すると、載置手段はコンテナの長手方向上において移動自在であるため、コイル4は図の左方向へ移動することになる。
【0039】
前述した通り、コイル4は第1鋼管8及び第2鋼管9と一体化されているため、コイル4の図の左方向への移動に伴い、第1鋼管8及び第2鋼管9も図の左方向へと移動することになる。
【0040】
すると、第1鋼管8は第1移動阻止部材25aと係合する。尚、この状態の時、第1鋼管8は同時に第1移動阻止部材25b(図示せず)とも係合しているが、効果は同じであるため、説明は省略する。そして、この時、第1移動阻止部材25aは第1傾斜平面35aを備えているため、第1傾斜平面35aからの反力と摩擦抵抗とを受けながら力Fの大きさに応じて第1鋼管8と第1移動阻止部材25aとの当接点Pの位置が上昇する。それに伴って、重心Gの位置も上昇することになる。このように、力Fのエネルギーは重心Gの位置を上昇させるエネルギーに使用されるため、第1鋼管8と第1移動阻止部材25aとの係合時の衝撃が緩和される。従って、コイル4の損傷を軽減すると共に、力Fのエネルギーが効率的に吸収されることになる。
【0041】
又、上記の通り、第1移動阻止部材25aは当接点Pにおいて第1鋼管8の図における左方向への移動を阻止しようとする。そのため、当接点Pを中心とした、力Fとコイル4を載置した状態の載置手段の重量Wとによる回転モーメントMが発生する。当接点Pは重心Gの垂直線に対して常に図の右側に位置しているため、力Fと重量Wとは載置手段を図において左回転させようとする。つまり、回転モーメントMは載置手段を床面33に押し付けるようにのみ作用する。従って、回転モーメントMの大きさがコンテナの床面33の強度を超えない範囲であれば、コイル4を載置した重量物載置装置が回転する虞は無い。この範囲について、以下で説明する。
【0042】
コンテナの床面33の下部には、床面33の補強を目的とした複数のクロスメンバー15が設置されている。回転モーメントMによって載置手段が床面33に押し付けられると、クロスメンバー15に反力Rが発生する。この反力Rに基づく反対方向の回転モーメントが回転モーメントMより大きい場合、上記の範囲であると言える。
【0043】
ここで、当接点Pを通る水平面から重心Gまでの垂直距離をH、当接点Pを通る垂直面から重心Gまでの水平距離をLとする。更に、当接点Pの垂直線から図の左側のクロスメンバーの各々までの距離を、L1〜L4とすると、上記の範囲を満たす式は、
F・H+W・L<R(L1+L2+L3+L4)・・・・・・・(4)
である。力Fは重量WのN倍、即ち、F=N・Wと仮定すると、
W(N・H+L)<R(L1+L2+L3+L4)・・・・・・(5)
となり、(5)式を計算すると、
W<R(L1+L2+L3+L4)/(N・H+L)・・・・・(6)
となる。クロスメンバーの本数をi本とすると、
W<R・ΣLi/(N・H+L)・・・・・・・・・・・・・・(7)
即ち、(7)式の条件を満たせば、コイル4を載置した重量物載置装置はコンテナの床面33の崩壊による転倒の虞が無い。
【0044】
上記の条件は第2鋼管9と第2移動阻止部材26a、26bにも同様に当てはめることが出来る。従って、載置手段のコンテナの長手方向の移動方向に関わらず、移動方向に対して常に上流側で係合し移動を阻止するため、コイルを載置した載置手段が転倒する虞が無くなる。従って、コイル4の載置状態が安定する。
【0045】
又、第1鋼管8は第1移動阻止部材25a、25bの2箇所で係合し、その移動が阻止され、第2鋼管9は第2移動阻止部材26a、26bの2箇所で係合し、その移動が阻止される。例えば、第1鋼管8が第1移動阻止部材25aのみで係合し移動を阻止しようとすると、第1鋼管8が平面視において傾く虞がある。従って、上記のように2箇所で係合することで移動阻止状態が安定する。
【0046】
次に、移動阻止部材における傾斜平面について説明する。
【0047】
図6は鋼管と移動阻止部材とが係合した状態の力関係を示した模式図である。
【0048】
図を参照して、第1鋼管8に図の左方向に水平の力Pを加え、傾斜角θの第1移動阻止部材25と第1鋼管8とが係合した状態を想定する。この場合、作用点にコイルを載置した状態の載置手段の重量Wが第1移動阻止部材25に対して鉛直方向に加わる。一方、その作用点に対して傾斜面に直交する反力Rが第1移動阻止部材25から第1鋼管8に加わることになる。そして第1移動阻止部材25の第1傾斜平面35と第1鋼管8とで規定される動摩擦係数μによって生じる摩擦力Fが、第1移動阻止部材25の第1傾斜平面35に沿って第1鋼管8に対して加わることになる。
【0049】
図7は図6で示した状態の力の釣合いを示したベクトル図である。
【0050】
図を参照して、種々の力の釣合っている状態の時、重量W、力P、反力R及び摩擦力Fは力の釣合いから図のような閉ループを構成することになる。この時、
F=R・μ
であるから、
μ=tanφ・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
となる。従って、
P=W・tan(θ+φ)・・・・・・・・・・・(9)
となる。ここで、力Pは重量WのN倍、即ち、P=N・Wと仮定すると、
N・W=W・tan(θ+φ)・・・・・・・・・(10)
となる。(10)式を計算すると、
θ+φ=tan−1N・・・・・・・・・・・・・(11)
となる。ここで、(8)式を変形すると、
φ=tan−1μ・・・・・・・・・・・・・・・(12)
となり、(12)式を(11)式に代入すると、
θ=tan−1N−tan−1μ・・・・・・・・・(13)
となる。
【0051】
(13)式により算出される傾斜角θは、種々の力が釣合っている状態のものである。即ち、
θ≧tan−1N−tan−1μ・・・・・・・・・(14)
であるならば、(9)式により傾斜角θの第1移動阻止部材25は、第1鋼管8の図の左方向への移動、即ち、コイルを載置した載置手段の移動を阻止することが出来ることになる。そして、この釣合い以上の力Pが一定時間働いた場合、生じたエネルギーは摩擦力Fと重心Gの位置の上昇とで吸収される。
【0052】
図8はこの発明の第2の実施の形態による重量物載置装置の断面図であって第1の実施の形態の図4に対応するものである。
【0053】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態と同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0054】
図を参照して、この実施の形態にあっては、第1移動阻止部材25a、25b(図示せず)及び第2移動阻止部材26a、26b(図示せず)の形状が異なっている。即ち、第1移動阻止部材25a、25b(図示せず)は図の左側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面18a、18b(図示せず)を備えている。これと共に、第2移動阻止部材26a、26b(図示せず)は図の右側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜曲面19a、19b(図示せず)を備えている。
【0055】
このような傾斜曲面を備えた移動阻止部材における効果について、以下に説明する。
【0056】
図9は図8で示した移動阻止部材の形状を示す模式図である。
【0057】
図を参照して、第1移動阻止部材25は図の左側にいくにつれて傾斜角度が上昇する傾斜曲面18を備えている。この傾斜曲面18の設定方法について説明する。
【0058】
傾斜曲線18は、上記の(13)式に基づいて設定されている。即ち、力の大きさがP1<P2<P3<Pkとなるような種々の水平力Pに対して、各傾斜角θを設定している。水平力P1に対応する傾斜角はθ1、水平力P2には傾斜角θ2、水平力Pkには傾斜角θkと算出し、第1移動阻止部材25の鋼管と係合する部分に対応させる。すると、水平力Pが大きくなる程、傾斜角θも大きくなるため、図のように傾斜角度が徐々に上昇する面となる。この面と近似する半径Xの側面視円弧状の傾斜曲面18を設定する。
【0059】
このように設定された傾斜曲面18を備える第1移動阻止部材25は、鋼管との係合位置が上がるにつれて、(9)式より明らかなように釣合うべき水平力Pが増加することになる。つまり、重心Gの位置が上昇する割合が徐々に大きくなるため、係合した当初から吸収エネルギー量が徐々に増加していくと共に、移動阻止部材からの反力も徐々に増加する。従って、係合時の急激な衝突による衝撃を緩和させることができると共に、重量物を載置した載置手段の移動阻止状態をより安定させることが可能となる。
【0060】
尚、上記の第1の実施の形態では、第1移動阻止部材は特定形状を有しているが、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分が下流側に上昇する第1傾斜平面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第1鋼管に係合して所定方向の下流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0061】
又、上記の第1の実施の形態では、第2移動阻止部材は特定形状を有しているが、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分が上流側に上昇する第2傾斜平面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第2鋼管に係合して所定方向の上流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0062】
更に、上記の第2の実施の形態では、第1移動阻止部材は特定形状を有しているが、第1移動阻止部材の第1鋼管に係合する部分が下流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第1鋼管に係合して所定方向の下流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0063】
更に、上記の第2の実施の形態では、第2移動阻止部材は特定形状を有しているが、第2移動阻止部材の第2鋼管に係合する部分が上流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜局面を有するものであれば、他の形状であっても良い。又は、第2鋼管に係合して所定方向の上流側への移動を阻止するものであれば、他の形状であっても良い。
【0064】
更に、上記の各実施の形態では、重量物として円筒形状のコイルを載置しているが、コイル以外の重量物であっても同様に適用できる。
【0065】
更に、上記の各実施の形態では、載置手段であるコンテナ用パレットの構造を特定しているが、コンテナの床面に対して所定方向に移動自在に設置され、重量物を載置するものであれば、他の構造であっても良い。
【0066】
更に、上記の各実施の形態では、移動阻止手段である固定治具の構造を特定しているが、床面に固定され、重量物を載置した状態の載置手段の重心を通り且つ所定方向に直交する垂直面に対して所定方向の上流側の位置で載置手段の移動を阻止するものであれば、他の構造であっても良い。
【0067】
更に、上記の各実施の形態では、第1移動阻止部材と第2移動阻止部材とを備えているが、一方の移動阻止部材を備えていれば、他方の移動阻止部材は備えていなくても良い。又、第1移動阻止部材は一方のガイド部材上にのみ設けられていても良く、第2移動阻止部材は一方のガイド部材上にのみ設けられていても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、支持部材は特定形状を有しているが、支持部材は第1鋼管及び第2鋼管を支持し、長手方向に平行に配置された一対のものであれば良い。又は、支持部材を備えていなくても良い。
【0069】
更に、上記の各実施の形態では、各々のガイド部材は各々の支持部材の内方側に配置されているが、各々の支持部材の所定方向の上流側及び下流側の移動をガイドするものであれば、例えば、各々の支持部材の外方側に配置されているものであっても良い。又は、ガイド部材は無くても良い。
【0070】
更に、上記の各実施の形態では、移動阻止手段の一部となるガイド部材は、その両端の固定材を床面に固定することによって間接的に床面に固定されている。ここで、床面に固定とは、このような固定のみならず、ガイド部材を床面に直接的に固定するものや、少なくともコンテナ用パレットの移動方向に対して移動が阻止されるようにガイド部材が保持されるものを含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明の第1の実施の形態による重量物載置装置の概略斜視図である。
【図2】図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【図3】図1で示したIII−IIIラインの拡大断面図である。
【図4】図1で示したIV−IVラインの拡大断面図である。
【図5】図1で示した重量物載置装置の移動時に作用する力関係を示した模式図である。
【図6】鋼管と移動阻止部材とが係合した状態の力関係を示した模式図である。
【図7】図6で示した状態の力の釣合いを示したベクトル図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態による重量物載置装置の断面図であって第1の実施の形態の図4に対応するものである。
【図9】図8で示した移動阻止部材の形状を示す模式図である。
【図10】従来の一般のドライコンテナの外観形状を示した図である。
【図11】図10で示したXI−XIラインの拡大断面図である。
【図12】図11で示した重量物載置装置の転倒状況を示す模式図である。
【符号の説明】
【0072】
4…コイル
7…支持部材
8…第1鋼管
9…第2鋼管
10…重量物載置装置
18…第1傾斜曲面
19…第2傾斜曲面
20…コンテナ用パレット
22…ガイド部材
25…第1移動阻止部材
26…第2移動阻止部材
30…固定治具
35…第1傾斜平面
36…第2傾斜平面
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナに積み込むべき重量物を載置するための重量物載置装置であって、
前記コンテナの床面に対して所定方向に移動自在に設置され、前記重量物を載置するための載置手段と、
前記床面に固定され、前記重量物を載置した状態の前記載置手段の重心を通り且つ前記所定方向に直交する垂直面に対して前記所定方向の上流側の位置で前記載置手段の移動を阻止する移動阻止手段とを備えた、重量物載置装置。
【請求項2】
前記重量物は、円筒形状のコイルを含み、
前記載置手段は、前記所定方向の前記上流側へも移動自在に構成されると共に、前記所定方向に対して直交する方向に前記上流側から所定間隔をおいて水平に配置され、前記コイルの側壁を支持する一対の第1鋼管及び第2鋼管を含み、
前記移動阻止手段は、前記第1鋼管に係合して前記所定方向の下流側への移動を阻止する第1移動阻止部材と、前記第2鋼管に係合して前記上流側への移動を阻止する第2移動阻止部材とを含む、請求項1記載の重量物載置装置。
【請求項3】
前記第1移動阻止部材の前記第1鋼管に係合する部分は、前記下流側に上昇する第1傾斜平面を有し、前記第2移動阻止部材の前記第2鋼管に係合する部分は、前記上流側に上昇する第1傾斜平面を有する、請求項2記載の重量物載置装置。
【請求項4】
前記第1移動阻止部材の前記第1鋼管に係合する部分は、前記下流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面を有し、前記第2移動阻止部材の前記第2鋼管に係合する部分は、前記上流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜曲面を有する、請求項2記載の重量物載置装置。
【請求項5】
前記載置手段は、前記第1鋼管及び前記第2鋼管を支持し、前記所定方向に平行に配置された一対の支持部材を含み、
前記移動阻止手段は、前記支持部材の前記所定方向の前記上流側及び前記下流側への移動をガイドするように前記所定方向に平行に配置された状態で前記床面に固定される一対のガイド部材を含み、前記第1移動阻止部材及び前記第2移動阻止部材の各々は一対設けられ、前記ガイド部材の各々に支持される、請求項2から請求項4のいずれかに記載の重量物載置装置。
【請求項1】
コンテナに積み込むべき重量物を載置するための重量物載置装置であって、
前記コンテナの床面に対して所定方向に移動自在に設置され、前記重量物を載置するための載置手段と、
前記床面に固定され、前記重量物を載置した状態の前記載置手段の重心を通り且つ前記所定方向に直交する垂直面に対して前記所定方向の上流側の位置で前記載置手段の移動を阻止する移動阻止手段とを備えた、重量物載置装置。
【請求項2】
前記重量物は、円筒形状のコイルを含み、
前記載置手段は、前記所定方向の前記上流側へも移動自在に構成されると共に、前記所定方向に対して直交する方向に前記上流側から所定間隔をおいて水平に配置され、前記コイルの側壁を支持する一対の第1鋼管及び第2鋼管を含み、
前記移動阻止手段は、前記第1鋼管に係合して前記所定方向の下流側への移動を阻止する第1移動阻止部材と、前記第2鋼管に係合して前記上流側への移動を阻止する第2移動阻止部材とを含む、請求項1記載の重量物載置装置。
【請求項3】
前記第1移動阻止部材の前記第1鋼管に係合する部分は、前記下流側に上昇する第1傾斜平面を有し、前記第2移動阻止部材の前記第2鋼管に係合する部分は、前記上流側に上昇する第1傾斜平面を有する、請求項2記載の重量物載置装置。
【請求項4】
前記第1移動阻止部材の前記第1鋼管に係合する部分は、前記下流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第1傾斜曲面を有し、前記第2移動阻止部材の前記第2鋼管に係合する部分は、前記上流側にいくにつれて傾斜角度がより上昇する第2傾斜曲面を有する、請求項2記載の重量物載置装置。
【請求項5】
前記載置手段は、前記第1鋼管及び前記第2鋼管を支持し、前記所定方向に平行に配置された一対の支持部材を含み、
前記移動阻止手段は、前記支持部材の前記所定方向の前記上流側及び前記下流側への移動をガイドするように前記所定方向に平行に配置された状態で前記床面に固定される一対のガイド部材を含み、前記第1移動阻止部材及び前記第2移動阻止部材の各々は一対設けられ、前記ガイド部材の各々に支持される、請求項2から請求項4のいずれかに記載の重量物載置装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−234608(P2009−234608A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82382(P2008−82382)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(501404804)住友金属物流株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(501404804)住友金属物流株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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