説明

野菜収穫機

【課題】
作物を収穫しながら茎葉と根を処理できると共に、切断された茎葉や根が機体に散らばらない野菜収穫機を提供する。
【解決手段】
作物Oの茎葉を挟持して引抜搬送する引抜搬送装置43と、搬送中に作物Oの根を除去する根部処理装置100と、作物Oを根部処理装置100に押付搬送する押圧搬送装置110と、作物Oの茎葉を切断する茎葉切断部材117と、作物Oの茎葉を排出する排葉装置118を設けた野菜収穫機において、根部処理装置100を作物Oを搬送する無端帯79,80と、無端帯79,80の巻回域内に設ける作物Oの根を切除する根部切断部材91,92と、根部切断部材91,92の下部に作物Oの根を引き込む引込回転体93,93と、切断された作物Oの根が無端帯79,80の巻回域内への入り込むのを防止すると共に根部処理装置100を支持する支持部材67,67から構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に植生する玉葱等の野菜作物を収穫すると共に、収穫した野菜作物の根部や茎葉部の処理を行う野菜収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、玉葱等を収穫する野菜収穫機としては、特許文献1に示されるように、複数の引抜搬送装置で圃場から作物を引き抜き収穫し、茎葉部を切断して回収するものがある。
また、特許文献2に示されるように、茎葉搬送装置に茎葉が挟持された状態の作物の根部を左右一対のカッタが切断するものがある。
【特許文献1】特開2007−319025号公報
【特許文献2】特開2004−073060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示される野菜収穫機は、収穫作業中に作物の根部の処理を行うことができないため、作業者は収穫作業後に作物から根部を切除する作業を行わねばならないので、作業者の労力が増えてしまうという問題点がある。
【0004】
また、特許文献2に示される野菜収穫機は、作物の茎葉部を挟持した状態で作物の根部を切断するカッタに接触させるため、切断位置が低過ぎると根部が切り残されてしまい、収穫作業後に作業者が切除する作業を行わねばならず作業者の労力が増えてしまうという問題点があると共に、切断位置が高過ぎると作物を切って傷つけてしまうので、作物の品質が低下してしまうという問題点がある。
【0005】
さらに、カッタに根部が接触しても、切断されずに逃げてしまうことがあるので、根部が切り残されてしまい、収穫作業後に作業者が切除する作業を行わねばならず作業者の労力が増えてしまうという問題点がある。
【0006】
そして、切断された根部はカッタの周囲に散らばるため、作業後の掃除にかかる労力が増してしまうので作業者の労力が増大すると共に、散らばった根が他の部材に絡み付いて作業能率を悪くしてしまうことや機体を停止させてしまうという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために次の技術的手段を講じた。
請求項1記載の発明は、作物(O)の茎葉部を挟持して引き抜き機体後方へ搬送する引抜搬送装置(43)と、該引抜搬送装置(43)で搬送された作物(O)を引き継いで搬送しながら作物(O)の根部を除去する根部処理装置(100)と、作物(O)を該根部処理装置(100)に押さえつけながら搬送する押圧搬送装置(110)と、作物(O)の茎葉部を切断する茎葉切断部材(117)と、作物(O)の茎葉部を排出する排葉装置(118)とを設けた野菜収穫機において、該根部処理装置(100)を作物(O)を搬送する一対の搬送無端帯(79,80)と、該一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に設ける作物(O)の根部を切除する根部切断部材(91,92)と、該根部切断部材(91,92)の下部に作物(O)の根部を引き込んで揃える一対の引込回転体(93,93)と、根部切断部材(91,92)に切断された作物(O)の根部が一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に入り込むことを防止すると共に根部処理装置(100)を支持する一対の支持部材(67,67)とから構成したことを特徴とする野菜収穫機とした。
【0008】
従って、収穫した作物(O)の根部を切断する根部処理装置(100)を構成する一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に根部切断部材(91,92)を設けると共に、該根部切断部材(91,92)の下部に作物(O)の根部を引き込んで揃える一対の引込回転体(93,93)を設けたことによって、作物(O)の根部が一対の引込回転体(93,93)によって集められるので、作物(O)の根部を一対の引込回転体(93,93)で揃えてから根部切断部材(91,92)によって切断することができると共に、切断した根部を根部処理装置(100)の下方に落下させることができる。
【0009】
また、根部切断部材(91,92)に切断された根部が一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に入り込むのを防止する一対の支持部材(67,67)で根部処理装置(100)を支持することによって、切断された根部が一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に入り込むことを防止できると共に、根部処理装置(100)の構成を簡単にすることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記一対の搬送無端帯(79,80)の間の空間部(Q)の下方に一対の引込回転体(93,93)を接合させて配置したことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機とした。
【0011】
従って、左右搬送無端帯(79,80)の間の空間部(Q)を作物(O)の根部が通過するので、根部が根部処理装置(100)の作用範囲の外に逃げるのを防止することができる。
【0012】
また、一対の引込回転体(93,93)を空間部(Q)の下方で接合させて配置したことによって、茎葉処理装置(100)をコンパクトに構成することができると共に、空間部(Q)を通過する作物(O)の根部を引き込んでまとめることができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記一対の引込回転体(93,93)の前端部を根部切断部材(91,92)の前端部よりも搬送方向前側に配置すると共に、後端部を根部切断部材(91,92)の後端部よりも搬送方向前側に配置したことを特徴とする請求項1及び2記載の野菜収穫機とした。
【0014】
従って、一対の引込回転体(93,93)の前端部を根部切断部材(91,92)の前端部よりも搬送方向前側に配置したことによって、作物(O)の根部を一対の引込回転体(93,93)でまとめてから根部切断部材(91,92)で切断することができる。
【0015】
また、一対の引込回転体(93,93)の後端部を根部切断部材(91,92)の後端部よりも搬送方向前側に配置したことによって、根部切断部材(91,92)によって切断された作物(O)の根部を確実に下方に落下させることができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、前記一対の引込回転体(93,93)を接合方向に移動自在に設けると共に、バネ部材(94)で接合方向に付勢したことを特徴とする請求項1乃至3記載の野菜収穫機とした。
【0017】
従って、一対の引込回転体(93,93)が接合方向に移動自在であることによって、作物(O)の根部の大きさや状態に応じて一対の引込回転体(93,93)の間隔を自由に変更することができる。
【0018】
また、一対の引込回転体(93,93)をバネ部材(94)で接合方向に付勢したことによって、作物(O)の根部の大きさに合わせて一対の引込回転体(93,93)の間隔を自動的に変更させることができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記一対の支持部材(67,67)の上端部を一対の引込回転体(93,93)の底部に接触させて配置したことを特徴とする請求項1乃至4記載の野菜収穫機とした。
【0020】
従って、一対の支持部材(67,67)の上端部を一対の引込回転体(93,93)の底部に接触させて配置したことによって、一対の引込回転体(93,93)に付着した泥土等の汚れや作物(O)の根部などを一対の引込回転体(93,93)の上端部で取り除くことができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、駆動軸(103)を回動支点として回動自在に構成した前記押圧搬送装置(110)を設けたと共に、該駆動軸(103)の両側に前記根部処理装置(100)から駆動力を受ける一対の駆動回転体(104,104)を設けたことを特徴とする請求項1乃至5記載の野菜収穫機とした。
【0022】
従って、駆動軸(103)を回動支点として回動自在に構成した前記押圧搬送装置(110)を設けたことによって、押圧搬送装置(110)と根部処理装置(100)との間を通過する作物(O)の大きさや形状に応じて押圧搬送装置(110)を自動的に上下動させることができる。
【0023】
また、駆動軸(103)の両側に前記根部処理装置(100)から駆動力を受ける一対の駆動回転体(104,104)を設けたことによって、機体の伝動構成を簡単にすることができる。
【0024】
請求項7記載の発明は、前記押圧搬送装置(110)の搬送終端部の上方に排葉装置(118)の搬送始端部を配置すると共に、押圧搬送装置(110)の搬送終端部と排葉装置(118)の搬送始端部よりも後方に茎葉切断部材(117)を設けたことを特徴とする請求項1乃至6記載の野菜収穫機とした。
【0025】
従って、押圧搬送装置(110)の搬送終端部の上方に排葉装置(118)の搬送始端部を配置することにより、作物(O)の茎葉部が排葉装置(118)に挟持される前に押圧搬送装置(110)が作物(O)を押圧するため、作物(O)の根部を根部処理部材(117)で確実に切断することができる。
【0026】
また、押圧搬送装置(110)の搬送終端部と排葉装置(118)の搬送始端部よりも後方に茎葉切断部材(117)を設けたことによって、作物(O)が根部処理装置(100)に押さえ付けられた状態で排葉装置(118)は作物(O)の茎葉部を挟持するので、適切な位置で茎葉部を切断することができる。
【0027】
請求項8記載の発明は、根部処理装置(100・・・)を複数配置し、複数の根部処理装置(100・・・)間に駆動力を伝達する連結部材(75)を設けたことを特徴とする請求項1乃至7記載の野菜収穫機とした。
【0028】
従って、複数の根部処理装置(100・・・)を駆動力を伝達する連結部材(75)で連結したことによって、一つの動力装置から複数の根部処理装置(100・・・)に駆動力を伝達することができる。
【0029】
また、連結部材(75)を外すことによって、使用しない根部処理装置(100)への伝動を切ることができる。
【発明の効果】
【0030】
請求項1記載の発明によれば、一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に根部切断部材(91,92)を設けると共に、根部切断部材(91,92)の下部に一対の引込回転体(93,93)を設けたことによって、作物(O)の根部を一対の引込回転体(93,93)で揃えてから根部切断部材(91,92)によって切断することができるので、根部が根部切断部材(91,92)に押されて逃げて切り損なわれることが防止され、作業者が手作業で作物(O)の根部を除去する労力が軽減される。
【0031】
また、切断した根部を根部処理装置(100)の下方に落下させることができるので、切断された根部が飛散することが防止され、根部を巻き込むことなどによる故障が防止されると共に、切断された茎葉を容易に集めて廃棄できるので、メンテナンス性が向上する。
【0032】
そして、根部処理装置(100)を支持する一対の支持部材(67,67)が切断された根部を一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に入り込むことを防止するので、根部を巻き込むことなどによる故障が防止されると共に、根部処理装置(100)の構成を簡単にすることができるので、メンテナンス性が向上すると共に省資源化を図ることができる。
【0033】
請求項2記載の発明の効果は、請求項1記載の発明の効果に加えて、作物(O)の根部が空間部(Q)を通過する構成としたことにより、根部が根部処理装置(100)の作用範囲の外に逃げるのを防止することができるので、根部を確実に切断でき、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物(O)の根部を除去する労力が軽減される。
【0034】
また、根部処理装置(100)をコンパクトに構成することができるので、機体構成を簡単になり、メンテナンス性が向上すると共に、空間部(Q)を通過する作物(O)の根部を引き込んでまとめることができるので、根部を確実に切断でき、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物(O)の根部を除去する労力が軽減される。
【0035】
請求項3記載の発明の効果は、請求項1及び2記載の発明の効果に加え、作物(O)の根部を一対の引込回転体(93,93)でまとめてから根部切断部材(91,92)で切断することができるので、根部根部を確実に切断でき、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物(O)の根部を除去する労力が軽減される。
【0036】
また、根部切断部材(91,92)によって切断された作物(O)の根部を確実に下方に落下させることができるので、根部を巻き込むことなどによる故障が防止されると共に、切断された茎葉を容易に集めて廃棄できるので、メンテナンス性が向上する。
【0037】
請求項4記載の発明の効果は、請求項1乃至3記載の発明の効果に加え、作物(O)の根部の大きさや状態に応じて一対の引込回転体(93,93)の左右間隔を接合方向に自由に変更することができるので、作物(O)の根部が一対の引込回転体(93,93)の間に詰まり作業が停止することが防止され、作業能率が向上する。
【0038】
また、一対の引込回転体(93,93)をバネ部材(94)で接合方向に付勢したことにより、作物(O)の根部の大きさに合わせて一対の引込回転体(93,93)の左右間隔を自動的に変更させることができるので、作業能率が向上すると共に、作業者が一対の引込回転体(93,93)の左右間隔を調節する作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0039】
請求項5記載の発明の効果は、請求項1乃至4記載の発明の効果に加え、一対の引込回転体(93,93)に付着した泥土等の汚れや作物(O)の根部などを一対の支持部材(67,67)の上端部で取り除くことができるので、根部を確実に切断でき、作業能率が向上し、作業者が手作業で作物(O)の根部を除去する労力が軽減されると共に、構成部品を減らすことができるので、省資源化を図ることができる。
【0040】
請求項6記載の発明の効果は、請求項1乃至5記載の発明の効果に加え、押圧搬送装置(110)と根部処理装置(100)との間を通過する作物(O)の大きさや形状に応じて押圧搬送装置(110)を自動的に上下動させることができるので、押圧搬送装置(110)と根部処理装置(100)との間に作物(O)が詰まり作業が停止することが防止され、作業能率が向上する。
【0041】
また、押発搬送そう知(110)の駆動軸(103)の両側に前記根部処理装置(100)から駆動力を受ける一対の駆動回転体(104,104)を設ける構成としたことによって、機体の伝動構成を簡単にすることができるので、機体構成が簡単になりメンテナンス性が向上すると共に、構成部品数が減るので省資源化を図ることができる。
【0042】
請求項7記載の発明の効果は、請求項1乃至6記載の発明の効果に加え、作物(O)の茎葉部が排葉装置(118)に挟持される前に押圧搬送装置(110)が作物(O)を押圧するため、作物(O)の根部を根部処理部材(117)で確実に切断することができるので、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物()の根部を除去する労力が軽減される。
【0043】
また、作物(O)が根部処理装置(100)に押さえ付けられた状態で排葉装置(118)は作物(O)の茎葉部を挟持するため、適切な位置で茎葉部を切断することができるので、作物(O)を傷つけることが防止され、作物(O)の商品価値が向上する。
【0044】
請求項8記載の発明の効果は、請求項1乃至7記載の発明の効果に加え、複数の根部処理装置(100・・・)を駆動力を伝達する連結部材(75)で連結したことによって、一つの動力装置から複数の根部処理装置(100・・・)に駆動力を伝達することができるので、構成部品数が減り、省資源化を図ることができる。
【0045】
また、連結部材(75)を外すことによって、使用しない根部処理装置(100)への伝動を切ることができるので、機体動作に要するエネルギーが減り、省資源化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の実施の形態について、一実施例として2条ずつ玉葱Oを圃場から引き抜き収穫し、根部と茎葉部の処理を行う玉葱収穫機を説明する。
図1〜図16に示すように、玉葱収穫機は、機体の走行クローラ6L,6Rや操縦装置14、ミッションケース4等の駆動系を備えた走行車体Aと、圃場から玉葱Oの茎葉部を挟持して引き抜き収穫して機体後方へ搬送する収穫搬送装置Bと、引抜搬送装置Bに搬送されてきた玉葱Oの茎葉部と根部とを除去して調整する調製装置Cと、調製された玉葱Oを選別搬送する選別搬送装置Dと、選別搬送装置Dで選別された玉葱Oをコンテナ137やフレキシブルコンテナ138等の収容部材139で収容する収容部Eとから構成される。
【0047】
以下に、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行車体Aについて説明する。
図1〜図3で示すように、メインフレーム1の上側で且つ後部左右一側にエンジン2を取り付け、該エンジン2の上部に燃料タンク3を取り付ける。そして、前記メインフレーム1及びエンジン2の下部にエンジン2の駆動力を伝達する走行ミッションケース4を取り付け、該ミッションケース4から機体他側方向に亘って駆動シャフト5を取り付けると共に、該駆動シャフト5の左右両端に圃場を走行するための左右クローラ6L,6Rを取り付ける。
【0048】
また、前記メインフレーム1の上側で且つ前部左右一側にメイン操縦パネル7を取り付け、該メイン操縦パネル7よりも機体後側に操縦者が着座する操縦座席8を回転自在に取り付ける。さらに、前記メイン操縦パネル7の上部で且つ操縦座席8側に機体の走行・停止を切り替えると共に走行速度を変速する走行クラッチレバー9を取り付け、機体を旋回動作させる左右旋回レバー10L,10Rを取り付け、収穫搬送装置Bの作業位置を調節する調節レバー11を取り付けると共に、収穫搬送装置Bの動作を切り替える作業クラッチレバー12を取り付ける。また、後述する選別搬送装置Dの選別搬送コンベア131の電動モータ123の入切を行う選別コンベアスイッチ13を取り付けることによって、図5に示す操縦装置14が構成される。
【0049】
そして、前記メインフレーム1の上側で且つエンジン2の後部に補助作業者が機体の操作を行うための補助操縦パネル15を取り付け、該補助操縦パネル15の上部に機体の走行・停止を切り替えると共に走行速度を変速する補助走行クラッチレバー16を取り付け、機体を旋回動作させる左右補助旋回レバー17L,17Rを取り付け、選別搬送装置Dの選別搬送コンベア131の入切を行う補助選別コンベアスイッチ18を取り付けると共に、緊急時に機体全体の駆動力供給を停止させるデッドマンクラッチレバー19を取り付けることにより図6で示す補助操縦装置20が構成され、走行車体Aが構成される。
【0050】
上記構成によれば、操縦装置14と補助操縦装置20とを取り付けたことによって、作業者だけでなく補助作業者も作業に応じた走行速度の調節や左右旋回操作ができると共に、選別搬送コンベア131の入切を行うことができるので、作業能率や作業の安全性が向上する。
【0051】
また、機体後部の補助操縦装置20にデッドマンクラッチレバー19を設けたことによって、補助作業者も機体の動作を止めることができるので、機体が異常な動作をしたり、機体と壁等の間に人が挟まれかけたりしたときでもすぐに機体が停止するので、作業の安全性が向上する。
【0052】
なお、図4で示すように前記操縦装置14と操縦座席8とをメインフレーム1の上側で且つ前部左右他側に配置する構成としてもよい。
上記構成によれば、操縦装置14と操縦者が搭乗する操縦座席8が、重量のあるエンジン2や燃料タンク3の対角線上に配置されるので、作業時に機体の左右重量バランスが取れて作業姿勢が安定するので、作業能率が向上すると共に作業の安全性が向上する。
【0053】
次に、収穫搬送装置Bについて説明する。
図1〜図4及び図7で示すように、前記メインフレーム1の後部上側で且つエンジン2よりも機体内側にエンジン2の動力を伝達する伝動フレーム21を機体前後方向に回動自在に取り付け、該伝動フレーム21の機体前側に出力軸22,22,22,22の基部を夫々取り付けると共に、該出力軸22,22,22,22の端部に伝動ケース23,23,23,23を夫々取り付ける。そして、該伝動ケース23,23,23,23の内部に夫々駆動スプロケット24と従動スプロケット25とを内装すると共に、該駆動スプロケット24と従動スプロケット25とに伝動チェーン26を無端状に巻き掛ける。また、前記従動スプロケット25,25,25,25に伝動軸27,27,27,27の基部を取り付け、該伝動軸27,27,27,27の端部に駆動プーリ28,28,28,28を軸着する。さらに、該駆動プーリ28,28,28,28の上部から機体前方に亘って搬送部カバー29,29,29,29を取り付けると共に、該搬送部カバー29,29,29,29の前端部に従動プーリ30,30,30,30を取り付ける。
【0054】
そして、前記搬送部カバー29,29,29,29のうち、機体内側の左右搬送カバー29,29の機体前側で且つ機体外側部に左右内側挟持補助フレーム31,31を機体前後方向に亘って取り付け、該左右内側挟持補助フレーム31,31に複数の内側挟持補助ローラ32・・・を回転自在に取り付ける。また、前記左右内側挟持補助フレーム31,31の後部に左右内側テンションフレーム33,33を取り付け、該左右内側テンションフレーム33,33の機体外側部に複数の内側テンションローラ34・・・を取り付ける。なお、前記左右内側挟持補助フレーム31,31の先端部を従動プーリ30,30の溝部に接触させて配置すると、左右内側挟持補助フレーム31,31が従動プーリ30,30の溝部に詰まった泥土や茎葉等を取るスクレーパとなるため、メンテナンス性が向上する。さらに、前記駆動プーリ28,28と従動プーリ29,29と内側挟持補助ローラ32・・・と内側テンションローラ34・・・とに左右内側挟持搬送ベルト35,35を無端状に巻き掛ける。そして、該左右内側挟持搬送ベルト35,35の挟持搬送作用面側で左右内側テンションフレーム33,33の下面で且つ挟持搬送後部寄りに挟持搬送される玉葱Oを調整装置Cに高さを揃えながら送る送り爪部材65,65を夫々取り付ける。
【0055】
そして、機体外側の左右搬送カバー29,29の機体前側に左右外側挟持補助フレーム36,36を回動支点Pを支点に機体左右方向に回動自在に取り付け、該左右外側挟持補助フレーム36,36の機体内側部に複数の外側挟持補助ローラ37・・・を回転自在に取り付けると共に、機体外側部に左右外側挟持補助フレーム36,36を開閉する左右開閉レバー38,38を機体左右方向に回動自在に取り付ける。また、前記左右外側挟持補助フレーム36,36の後部に左右外側テンションフレーム39,39を取り付け、該左右外側テンションフレーム39,39に複数の外側テンションローラ40・・・を回転自在に取り付ける。さらに、前記駆動プーリ28,28と従動プーリ29,29と外側挟持補助ローラ37・・・と外側テンションローラ40・・・とに左右外側挟持搬送ベルト41,41を無端状に巻き掛ける。また、左右両外側の従動プーリ30,30の軸の下部に左右スターホイル42,42を取り付け、左右内側テンションフレーム33,33の下部を連結プレート63で連結すると共に、該連結プレート63とメインフレーム1との間に電動シリンダ64を伸縮自在且つ機体前後方向に回動自在に取り付ける。さらに、該左右外側挟持搬送ベルト41,41の挟持搬送作用面側で左右外側テンションフレーム39,39の下面で且つ挟持搬送後部寄りに挟持搬送される玉葱Oを調整装置Cに高さを揃えながら送る送り爪部材65,65を夫々取り付ける。左右引抜搬送装置43L,43Rが構成される。なお、前記電動シリンダ64は、油圧シリンダやエアシリンダ等の伸縮部材に置き換えても構わない。
【0056】
なお、本実施例は玉葱を圃場から2条ずつ引き抜き収穫するため上記構成としているが、例えば4条ずつ引き抜く場合は、左右引抜搬送装置43L,43Rを一対追加すればよく、さらに条数を増やしたいときは、その数に応じて左右引抜搬送装置43L,43Rを追加すればよい。
【0057】
そして、前記メインフレーム1の前側に左右引起し支持フレーム44,44を前下がり傾斜姿勢に取り付け、該左右引起し支持フレーム44,44のうち機体外側の引起し支持フレーム44に振動装置45と伸縮自在な電動シリンダ46とを取り付ける。また、前記ミッションケース4から機体前側に向けて伝動軸を取り付け、該伝動軸の端部を振動装置45に取り付ける。また、該振動装置45に左右振動フレーム48を機体上下方向に回動自在に取り付けると共に、該左右振動フレーム48に土中の玉葱Oの周囲の土を掘り解す左右一対の振動ソイラ49,49を取り付ける。さらに、前記電動シリンダ46の下部に屈曲自在なゲージ輪アーム50を取り付けると共に、該ゲージ輪支持アーム50の前端部外側にゲージ輪51を回転自在に取り付ける。前記電動シリンダ46は、油圧シリンダやエアシリンダ等の伸縮部材に置き換えても構わない。
【0058】
また、前記ミッションケース4に引起し伝動シャフト52を機体前側に向けて取り付け、該引起し伝動シャフト52の端部を左右引抜搬送装置43L,43Rの上方に機体左右方向に配置する引起し伝動ケース53に取り付ける。そして、複数の引起し爪66・・・を取り付けた引起しチェーン57を巻き掛けた引起し駆動スプロケット55と引起し従動スプロケット56とを引起しケース58に内装して構成する引起し装置59,59,59,59を前記伝動ケース53に内装する伝動軸54に機体上下方向に回動自在に装着する。さらに、該引起し装置59,59,59,59のうち左右両外側の引起し装置59,59の引起しケース58,58の外側に複数の穴部を形成し、この複数の穴部に上下方向に長穴を形成した左右引起し支持アーム60,60を合わせてボルト等の固定部材で取り付けると共に、該引起し支持アーム60,60の端部を前記左右引起し支持フレーム44,44の外側に取り付ける。また、前記装置59,59,59,59の下部に玉葱Oの茎葉部を持ち上げる分草体61,61,61,61を取り付けると共に、該分草体61,61,61,61に茎葉部を掻き分けて後方に送る掻分部材62,62,62,62を取り付けることにより、収穫搬送装置Bが構成される。
【0059】
上記構成によれば、夫々内側挟持搬送ベルト35と外側挟持搬送ベルト41で玉葱Oを引き抜いて搬送する左右一対の引抜搬送装置43L,43Rを設けたことによって、2条の玉葱Oを引き抜いても引抜搬送装置43L,43Rには夫々1条分の玉葱Oの茎葉部が挟持されるだけであるので、引抜搬送装置43L,43Rに玉葱Oの茎葉部が詰まることが防止され、作業能率が向上すると共に、作業者が詰まった茎葉を取り除く作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0060】
また、複数の内側挟持補助ローラ32・・・を機体外側部に取り付けた左右内側挟持補助フレーム31,31と、複数の外側挟持補助ローラ37・・・を機体内側部に取り付けた左右外側挟持補助フレーム36,36とを設けたことによって、玉葱Oの茎葉部を挟持して圃場から引き抜く左右引抜搬送装置43L,43Rの挟持搬送始端側の挟持力を強くすることができるので、玉葱Oの抜き残しが少なくなり作業能率が向上すると共に、作業者が手作業で抜き残された玉葱Oを収穫する作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0061】
そして、左右外側挟持補助フレーム36,36を回動支点Pを支点として機体左右方向に回動自在に設けたと共に、左右開閉レバー38,38を機体左右方向に回動自在に取り付けたことによって、作業者は左右開閉レバー38,38を機体外側に回動させて引けば左右外側挟持補助フレーム36,36を機体外側方向に動かして左右引抜搬送装置43L,43Rの挟持搬送始端側の挟持状態を解除することができるので、玉葱Oの茎葉部や石等の夾雑物を左右引抜搬送装置43L,43Rの挟持搬送始端側で噛み込んでしまっても、作業者は簡単に噛み込み状態を解消して収穫作業に戻ることができるので作業能率が向上する。また、作業時には左右開閉レバー38,38を機体内側に回動させておくと、左右開閉レバー38,38が引抜搬送作業の邪魔にならないので、作業能率が向上する。
【0062】
また、土中の玉葱Oの周囲の土を掘り解す左右一対の振動ソイラ49,49を取り付けたことによって、土質の硬い圃場であっても玉葱Oを引き抜きやすくすることができるので、玉葱Oの抜き残しが少なくなり作業能率が向上すると共に、作業者が手作業で抜き残された玉葱Oを収穫する作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。さらに、引き抜きの際に左右引抜搬送装置43L,43Rにかかる負荷が軽減されるので、左右引抜搬送装置43L,43Rを構成する各部材の耐久性が向上し、機体寿命が長くなる。
【0063】
さらに、1条の玉葱Oに対して2基の引起し装置59,59で茎葉部を引き起こすことによって、玉葱Oの茎葉部が左右に乱雑に倒れていても確実に茎葉部を引き起こすため、左右引抜搬送装置43L,43Rが茎葉部を確実に掴むことができるので、玉葱Oの抜き残しが少なくなり作業能率が向上すると共に、作業者が手作業で抜き残された玉葱Oを収穫する作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0064】
また、機体左右両外側の引起しケース58,58の機体外側部に複数の穴部を形成し、この複数の穴部に上下方向に長穴を形成した左右引起し支持アーム60,60を合わせて取り付けることによって、引起し装置59,59,59,59の作業高さを作業条件に合わせて変更することができるので、様々な作業の適応性が向上し、作業能率が向上する。
【0065】
次に、調整装置Cについて説明する。
図8〜図11で示すように、前記メインフレーム1の上部で且つ左引抜搬送装置43Lの搬送経路下方に左右第1根切フレーム67L,67Lを機体左右方向に所定間隔離間させて空間部Qを構成して配置すると共に、右引抜搬送装置43Rの搬送経路下方に左右第2根切フレーム67R,67Rを機体左右方向に所定間隔離間させて空間部Qを構成して配置する。また、該左右第1根切フレーム67L,67Lに内側駆動プーリ68Lと外側駆動プーリ69Lとを所定間隔離間させて軸着すると共に端部に第1駆動ベベルギア70Lを軸着した左伝動軸71Lを取り付け、左右第2根切フレーム67R,67Rに内側駆動プーリ68Rと外側駆動プーリ69Rとを所定間隔離間させて軸着すると共に端部に第1駆動ベベルギア70Rを軸着した右伝動軸71Rを取り付ける。
【0066】
そして、該左右伝動軸71L,71Rのどちらか一方の基部に受動プーリ72を軸着し、前記ミッションケース4から動力を出力する出力軸に伝動プーリを軸着すると共に、該受動プーリ72と伝動プーリとの間に伝動ベルト74を無端状に巻き掛ける。さらに、前記左右伝動軸71L,71R間に、左伝動軸71Lと右伝動軸71Rとを連結するカップリング75を着脱自在に取り付ける。
【0067】
そして、前記左右第1根切フレーム67L,67Lの機体前側に従動軸76Lを回転自在に装着し、該従動軸76Lの左右に内側従動プーリ77Lと外側従動プーリ78Lとを軸着し、前記内側駆動プーリ68Lと内側従動プーリ77Lとに内側搬送ベルト79Lを無端状に巻き掛けると共に、前記外側駆動プーリ69Lと外側従動プーリ78Lとに外側搬送ベルト80Lを無端状に巻き掛ける。また、前記従動軸76Lの左右両端部に左右出力プーリ81L,81Lを軸着する。
【0068】
さらに、前記左右第2根切フレーム67R,67Rの機体前側に従動軸76Rを回転自在に装着し、該従動軸76Rの左右に内側従動プーリ77Rと外側従動プーリ78Rとを軸着し、前記内側駆動プーリ68Rと内側従動プーリ77Rとに内側搬送ベルト79Rを無端状に巻き掛けると共に、前記外側駆動プーリ69Rと外側従動プーリ78Rとに外側搬送ベルト80Rを無端状に巻き掛ける。そして、前記従動軸76Rの左右両端部に左右出力プーリ81R,81Rを軸着する。
【0069】
また、前記第1駆動ベベルギア70Lに第1従動ベベルギア82Lを噛み合わせ、該第1従動ベベルギア82Lに端部に第2駆動ベベルギア84Lを軸着すると共に、第1従動ベベルギア82Lと第2駆動ベベルギア84Lとの前後間に駆動スプロケット85Lを軸着した伝動軸83Lを取り付ける。そして、該第2駆動ベベルギア84Lに第1回転軸86Lの上端部に軸着した第2従動ベベルギア87Lを噛み合わせ、該第1回転軸86Lの下端部に駆動スプロケット88Lを軸着すると共に、該駆動スプロケット88Lと第2回転軸89Lの下端部に軸着した従動スプロケット90Lとに伝動チェーン150Lを無端状に巻き掛ける。さらに、該第2回転軸89Lの上端部で且つ外側搬送ベルト80Lの巻回域内下方に玉葱Oの根部を切断する回転刃91Lを軸着すると共に、機体内側の第1根切フレーム67Lの上部で且つ内側搬送ベルト79Lの巻回域内下方に玉葱Oの根部を切断する固定刃92Lを取り付ける。
【0070】
また、前記第1駆動ベベルギア70Rに第1従動ベベルギア82Rを噛み合わせ、該第1従動ベベルギア82Rに端部に第2駆動ベベルギア84Rを軸着すると共に、第1従動ベベルギア82Rと第2駆動ベベルギア84Rとの前後間に駆動スプロケット85Rを軸着した伝動軸83Rを取り付ける。そして、該第2駆動ベベルギア84Rに第1回転軸86Rの上端部に軸着した第2従動ベベルギア87Rを噛み合わせ、該第1回転軸86Rの下端部に駆動スプロケット88Rを軸着すると共に、該駆動スプロケット88Rと第2回転軸89Rの下端部に軸着した従動スプロケット90Rとに伝動チェーン150Rを無端状に巻き掛ける。さらに、該第2回転軸89Rの上端部で且つ外側搬送ベルト80Rの巻回域内下方に玉葱Oの根部を切断する回転刃91Rを軸着すると共に、機体内側の第2根切フレーム67Rの上部で且つ内側搬送ベルト79Rの巻回域内下方に玉葱Oの根部を切断する固定刃92Rを取り付ける。
【0071】
そして、前記左右第1根切フレーム67L,67Lの内側駆動プーリ68L,外側駆動プーリ69Lと内側従動プーリ77L,外側従動プーリ78Lとの間で且つ回転刃91Lと固定刃92Lとの下部に玉葱Oの根部を下方に引き込んで整える左右引込ローラ93L,93Lを、先端部を内側従動プーリ77L,外側従動プーリ78Lの後部にオーバラップさせ、下端部を左右第1根切フレーム67L,67Lの上端部に近接させると共に、左右一端を内側搬送ベルト79Lと外側搬送ベルト80Lの下方に位置させて且つ左右他端を左右第1根切りフレーム67L,67Lの空間部Qで近接させて回転自在且つ左右方向に移動自在に取り付ける。また、該左右引込ローラ93L,93Lの後部をスプリング94Lで連結すると共に、左右引込ローラ93L,93Lの後部に左右受動スパーギア95L,95Lを取り付ける。さらに、該左右受動スパーギア95L,95Lに左右回転軸97L,97Lに軸着した左右受動スパーギア95L,95Lよりも大径である左右伝動スパーギア96L,96Lを噛み合せ、機体内側の回転軸97Lの端部に従動スプロケット98Lを軸着すると共に、該従動スプロケット98Lと駆動スプロケット85Lとに伝動チェーン99Lを無端状に巻き掛けることにより、根部処理装置100Lが構成される。
【0072】
そして、前記左右第2根切フレーム67R,67Rの内側駆動プーリ68R,外側駆動プーリ69Rと内側従動プーリ77R,外側従動プーリ78Rとの間で且つ回転刃91Rと固定刃92Rとの下部に玉葱Oの根部を下方に引き込んで整える左右引込ローラ93R,93Rを、先端部を内側従動プーリ77R,外側従動プーリ78Rの後部にオーバラップさせ、下端部を左右第2根切フレーム67R,67Rの上端部に近接させると共に、左右一端を内側搬送ベルト79Rと外側搬送ベルト80Rの下方に位置させて且つ左右他端を左右第2根切りフレーム67R,67Rの空間部Qで近接させて回転自在且つ左右方向に移動自在に取り付ける。また、該左右引込ローラ93R,93Rの後部をスプリング94Rで連結すると共に、左右引込ローラ93R,93Rの後部に左右受動スパーギア95R,95Rを取り付ける。さらに、該左右受動スパーギア95R,95Rに左右回転軸97R,97Rに軸着した受動スパーギア95R,95Rよりも大径である左右伝動スパーギア96R,96Rを噛み合せ、機体内側の回転軸97Rの端部に従動スプロケット98Rを軸着すると共に、該従動スプロケット98Rと駆動スプロケット85Rとに伝動チェーン99Rを無端状に巻き掛けることにより、根部処理装置100Rが構成される。
【0073】
なお、図9、図10で示すように、左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rの機体前側部分をテーパ形状とすると、玉葱Oの根部が太さに係らず左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rの間に入り込むため、玉葱Oの根部が左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rに確実に引き込まれて整えられるので、根部を確実に切断でき、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で玉葱Oの根部を除去する労力が軽減される。また、左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rの先端部に左右ガイド101L,101L及び101R,101Rを取り付けると、上記効果がいっそう向上する。さらに、第1根切フレーム67L,67L及び第2根切フレーム67R,67Rをメインフレーム1に着脱自在に取り付けて、根部処理装置100L,100Rを着脱自在にすると、根切り作業を人手で行いたい場合や根を残したまま収穫したい場合等の作業条件に合わせた作業を行うことができると共に、根部処理に必要な動力が不要となるので省エネルギー化を図ることができる。
【0074】
図11、図12に示すように、前記搬送カバー29,29,29,29のうち、左右両外側の搬送カバー29,29の内側下部に押圧フレーム102,102,102,102を機体上下方向に回動自在に取り付けるそして、該押圧フレーム102,102,102,102に、押圧フレーム102,102,102,102の回動支点を兼ねる駆動軸103,103,103,103を夫々回転自在に取り付け、該駆動軸103,103,103,103に駆動プーリ104,104,104,104を夫々軸着する。また、該駆動プーリ104,104,104,104と前記出力プーリ81L,81L,81R,81Rとに連繋伝動ベルト105,105,105,105を無端状に巻き掛ける。
【0075】
さらに、前記駆動軸103,103,103,103の両外側端に押圧駆動プーリ145,145,145,145を軸着し、押圧フレーム102,10R102,102との前側端部に第1押圧従動プーリ106,106,106,106を回転自在に取り付け、後側端部に第2押圧従動プーリ107,107,107,107を回転自在に取り付けると共に、該第1押圧従動プーリ106,106,106,106と第2押圧従動プーリ107,107,107,107の前後間で且つ上部位置に第3押圧従動プーリ108,108,108,108を回転自在に取り付ける。
【0076】
そして、該第1押圧従動プーリ106,106,106,106と第2押圧従動プーリ107,107,107,107と第3押圧従動プーリ108,108,108,108とに玉葱Oを根部処理装置100L,100Rに押圧する押圧ベルト109,109,109,109を巻き掛けると共に、該押圧ベルト109,109,109,109の搬送作用面側を前記押圧駆動プーリ145,145,145,145で押圧することによって、左右押圧搬送装置110L,110Rが構成される。
【0077】
なお、押圧フレーム102,102,102,102を搬送カバー29,29,29,29に着脱自在に取り付けることによって、根部処理が必要ない場合や、強い圧力をかけると傷んでしまう品種の玉葱Oを収穫する際に左右押圧搬送装置110L,110Rを外しておくことができるので、様々な作業条件に対応できて作業能率が向上し、省エネルギー化を図ることができると共に、玉葱Oが傷付くことが防止されて玉葱Oの商品価値が向上する。
【0078】
また、図11及び図13、図14に示すように、前記伝動フレーム21の機体後側に後部出力軸111,111,111,111の基部を夫々取り付けると共に、該後部出力軸111,111,111,111の端部に排葉駆動プーリ112,112,112,112を軸着する。そして、該排葉駆動プーリ112,112,112,112の上部から機体前側に亘って排葉カバー113,113,113,113を取り付け、該排葉カバー113,113,113,113の前端部で且つ左右押圧搬送装置110L,110Rの終端部上方に排葉従動プーリ114,114,114,114を回転自在に取り付ける。
【0079】
また、前記排葉駆動プーリ112,112,112,112と排葉従動プーリ114,114,114,114との前後間に伝動プーリ115,115,115,115を回転自在に取り付け、該伝動プーリ115,115,115,115に伸縮自在な回転軸116,116,116,116を軸着すると共に、該回転軸116,116,116,116の下端部に玉葱Oの茎葉部を切断する茎葉切断刃117,117,117,117を軸着する。そして、前記排葉駆動プーリ112,112,112,112と排葉従動プーリ114,114,114,114と伝動プーリ115,115,115,115とに排葉搬送ベルト142,142,142,142を無端状に巻き掛けることによって、切断された玉葱Oの茎葉部を搬送終端部まで搬送して機体後部から排出する左右排葉搬送装置118,118が構成される。
【0080】
そして、根部処理装置100L,100Rと左右押圧装置110L,110Rと左右排葉搬送装置118,118から、玉葱Oの根部や茎葉部を除去する調整装置Cが構成される。
【0081】
上記構成によれば、左右第1根切フレーム67L,67L及び左右第2根切フレーム67R,67Rを所定間隔離間させて空間部Qを構成したことによって、玉葱Oの根部が空間部Qを通過するため、根部が根部処理装置100L,100Rの作用範囲の外に逃げるのを防止することができるので、根部を確実に切断でき、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物の根部を除去する労力が軽減される。加えて、左右第1根切フレーム67L,67L及び左右第2根切フレーム67R,67Rが切断された根部が内側駆動ベルト79L,79R及び外側駆動ベルト80L,80Rの巻回域内に入り込むことを防止すると共に、下方に落下するガイドとなることによって、内側駆動ベルト79L,79R及び外側駆動ベルト80L,80Rの巻回域内に根部を巻き込むことなどによる故障が防止されると共に、切断された茎葉を根部処理装置100L,100Rの下方に集めて容易に廃棄できるので、メンテナンス性が向上する。
【0082】
また、切断された根部を空間部Qから下方に落下させることができるので、切断された根部が飛散することが防止され、根部を巻き込むことなどによる故障が防止されると共に、切断された茎葉を容易に集めて廃棄できるので、メンテナンス性が向上する。
【0083】
さらに、左右第1根切フレーム67L,67L及び左右第2根切フレーム67R,67Rを根部処理装置100L,100Rを支持するフレームとしたことによって、構成部品数を減らすことができ、省資源化が図られる。
【0084】
そして、左伝動軸71Lと右伝動軸71Rとを着脱自在なカップリング75で連結したことによって、一つの受動プーリ72だけで駆動力を根部処理装置100L,100Rの両方に伝達することができるので、機体の構成が簡単になりメンテナンス性が向上すると共に、構成部品数が減るので省資源化を図ることができる。加えて、カップリング75を外すことにより、使用しない根部処理装置100Lもしくは100Rへの伝動を切ることができるので、機体動作に要するエネルギーを軽減させ、省資源化を図ることができる。
【0085】
さらに、外側搬送ベルト80L,80Rの下方に回転刃91L,91Rを設けると共に、内側搬送ベルト79L,79Rの下方に固定刃92L,92Rを設けたことによって、搬送途中の玉葱Oの根部を確実に切断することができるので、根部を確実に切断でき、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物の根部を除去する労力が軽減される。加えて、一方の切断刃を固定刃92L,92Rとしたことによって、伝動部品の数を減らすことができるので、構成部品数が減り、省資源化が図られる。
【0086】
また、玉葱Oの根部を下方に引き込んで揃える左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rを先端部が回転刃91L,91R及び固定刃92L,92Rの先端部よりも機体前側に位置し、且つ、左右一端を内側搬送ベルト79L,79Rと外側搬送ベルト80L,80Rの下方に位置させて且つ左右他端を左右第1根切フレーム67L,67L及び左右第2根切フレーム67R,67Rの空間部Qで近接させて取り付けたことによって、根部を十分に下方に引き込んで揃えてから切断するため、根部が根部処理装置100L,100Rの作用範囲の外に逃げるのを防止することができるので、根部を確実に切断でき、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物の根部を除去する労力が軽減される。また、左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rの後端部が回転刃91L,91R及び固定刃92L,92Rの後端部よりも機体前側にあることによって、切断された根部が回転刃91L,91R及び固定刃92L,92Rの後端部に挟まって作業を停止させることが防止されるので、作業能率が向上する。
【0087】
加えて、左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rを左右移動自在に設けていると共に、後端部を夫々スプリング94で連結していることによって、玉葱Oの根部の太さに応じて左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rの間隔が自動的に変更されるので、作業能率が向上すると共に、作業者が左右間隔を調節する作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0088】
さらに、左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rの下端部を左右第1根切フレーム67L,67L及び左右第2根切フレーム67R,67Rの上端部に近接させて配置したことによって、左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rに玉葱Oと共に搬送されてきた泥土や茎葉部の破片等の夾雑物が付着しても、左右第1根切フレーム67L,67L及び左右第2根切フレーム67R,67Rの上端部を泥土や茎葉部の破片等の夾雑物を削ぎ落とすスクレーパとして作用させることができるので、左右引込ローラ93L,93L及び93R,93Rが常に玉葱Oの根部を下方に引き込んでまとめることのできる状態に保たれ、作業能率が向上すると共に、根部を確実に切断でき、作業者が手作業で作物の根部を除去する労力が軽減される。
【0089】
また、左右押圧搬送装置110L,110Rが左右駆動軸103,103を回動支点として機体上下方向に回動自在に構成されたことによって、玉葱Oの大きさや形状に応じて左右押圧搬送装置110L,110Rが自動的に上下動するため、左右押圧搬送装置110L,110Rと根部処理装置100L,100Rとの間に玉葱Oが詰まることを防止できるので、作業能率が向上する。
【0090】
そして、左右押圧搬送装置110L,110Rの駆動力を、根部処理装置100L,100Rの左右出力プーリ81L,81L及び81R,81Rから押圧駆動プーリ104,104,104,104で受けて得ることによって、伝動部品を減らすことができるので省資源化が図られると共に、機体構成が簡単になりメンテナンス性が向上する。
【0091】
さらに、押圧ベルト109,109,109,109の搬送作用面側を押圧駆動プーリ104,104,104,104で押圧することによって、テンションプーリが不要となるので、省資源化を図ることができる。
【0092】
また、玉葱Oの茎葉部を切断する茎葉切断刃117,117,117,117を伸縮自在な回転軸116,116,116,116の下端部に軸着したことによって、茎葉部を残さずに玉葱Oを収穫する場合は回転軸116,116,116,116を伸ばして茎葉部全体を切断できると共に、茎葉部をワイヤー等に吊るして乾燥させるために茎葉部を残して切断する場合は、回転軸116,116,116,116を縮めて茎葉部の上部だけを切断することができるので、収穫作業後の乾燥作業方法に応じた収穫を行えて作業能率が向上すると共に、茎葉部を前部切断して乾燥作業を行う場合、作業者が手作業で茎葉部を除去する必要がなくなるので、作業者の労力が軽減される。
【0093】
さらに、左右押圧搬送装置110L,110Rの搬送終端部上方に左右排葉搬送装置118,118の搬送始端部を配置すると共に、左右押圧搬送装置110L,110Rの搬送終端部と左右排葉搬送装置118,118の搬送始端部との後方に茎葉切断刃117,117,117,117を配置したことによって、玉葱Oの茎葉部が左右排葉搬送装置118,118に挟持される前に左右押圧搬送装置110L,110Rが玉葱Oを押圧するため、玉葱Oの根部を根部処理装置100L,110Rで確実に切断することができるので、作業能率が向上すると共に作業者が手作業で作物の根部を除去する労力が軽減される。
【0094】
また、玉葱Oが根部処理装置100L,100Rに押さえ付けられた状態で左右排葉搬送装置118,118は玉葱Oの茎葉部を挟持するため、適切な位置で茎葉部を切断することができるので、玉葱Oを傷つけることが防止され、作物の商品価値が向上する。
【0095】
次に、選別搬送装置Dについて説明する。
図1〜図4及び図15、図16に示すように、前記メインフレーム1の上部で且つ根部処理装置100L,100Rの後部に、根部処理装置100L,100Rの搬送終端部から排出される玉葱Oを受けて後方に送る引継シュータ119を後下がり傾斜姿勢に取り付け、該引継シュータ119の後部に前後選別搬送フレーム120,120を取り付ける。そして、該前後選別搬送フレーム120,120の機体左右一側端に選別駆動ローラ121を回転自在に取り付けると共に、前後選別搬送フレーム120,120のどちらか一方の外側に選別駆動ローラ121を回転させる電動モータ122を取り付ける。なお、電動モータ122は、油圧モータあるいはその他の動力装置を用いても構わない。
【0096】
また、前記前後選別搬送フレーム120,120の機体内側に伝動中継ローラ123を回転自在に取り付け、該伝動中継ローラ123の回転軸の前後に前後延長選別搬送フレーム124,124を機体左右他側方向ほど上方傾斜姿勢で且つ上下方向に回動自在に取り付けると共に、該前後延長選別搬送フレーム124,124の機体左右他側端に選別従動ローラ125を取り付ける。そして、該選別駆動ローラ121と伝動中継ローラ123と選別従動ローラ125とに玉葱Oの逆流を防止する複数の弾性突起127・・・を形成した選別搬送ベルト126を無端状に巻き掛けると共に、該選別搬送ベルト126の巻回域外で且つ前後延長選別搬送フレーム124,124の下部を連結プレート128で連結する。さらに、該連結プレート128とメインフレーム1との間に伸縮自在な電動シリンダ129を取り付けると共に、前後延長選別搬送フレーム124,124の終端部に玉葱Oを排出する排出シュータ130を取り付けて、前記引継シュータ119から玉葱Oを受けて機体左右一側方向から機体左右他側方向に向けて選別搬送する選別搬送コンベア131を構成する。なお、上記電動シリンダ129は油圧シリンダやエアシリンダとしてもよく、またはその他の手段による伸縮部材で構成しても構わない。加えて、後述するフレキシブルコンテナ138で玉葱Oを回収する場合に、該フレキシブルコンテナ138を吊り下げる前後吊り下げアーム136,136を前後延長選別搬送フレーム124,124の終端部外側に機体上下方向に回動自在に取り付けてもよく、フレキシブルコンテナ138を使用しない場合は他の部材に接触しない位置に回動させて移動させることによって、作業能率を維持することができる。又は、該前後吊り下げアーム136,136は着脱自在としても構わない。
【0097】
そして、前記メインフレーム1の下部に基部を有する側面視でコの字型の補助作業座席支持フレーム132を機体左右方向に回動自在に取り付け、選別搬送コンベア131の後方で且つメインフレーム1の上方に位置する該補助作業座席支持フレーム132の屈曲部上部に玉葱Oの選別作業や後述するコンテナ137やフレキシブルコンテナ138等の収容部材139の積み替えなどの補助作業を行う補助作業者が着座する補助作業座席133を回転自在に取り付けることによって、選別搬送装置Dが構成される。
【0098】
なお、補助座席支持フレーム132は左方向に90度傾けたU字型でもよく、メインフレーム1と補助座席支持フレーム132の上部屈曲部との上下間隔は、後述するコンテナ137の上下長さよりも長く設定することによって、コンテナ137をより多く収容することができるので、コンテナ137等の収容部材139を積み降ろす回数が少なくなり、作業能率が向上する。また、補助作業座席133の近傍には、選別搬送コンベア131を昇降させて作業高さを変更する電動シリンダ129を伸縮させる手動操作用の昇降スイッチ134aや、足踏み操作用の昇降ペダル134bを設けてもよく、補助作業者がコンテナ137やフレキシブルコンテナ138の玉葱Oの収容量に応じて選別搬送コンベア131の作業高さを変更できるので、落下の衝撃で玉葱Oが傷付くことが防止されて玉葱Oの品質が向上すると共に、コンテナ137を複数段積み上げて収容することができるので、コンテナ137の収容量が増えてコンテナ137を積み降ろす回数が少なくなり、作業能率が向上する。
【0099】
上記構成によれば、根部処理装置100L,100Rの搬送終端部から排出される玉葱Oを引継シュータ119で受けてから選別搬送コンベア131の搬送始端部に引き継がせることができるので、落下の衝撃で玉葱Oが傷付くことが防止されて玉葱Oの品質が向上する。なお、引継シュータ119をゴム材や弾性樹脂などの軟質部材でコーティングしておくと、上述の効果をさらに高めることができる。
【0100】
また、選別搬送コンベア131の前後延長選別搬送フレーム124,124を機体上下方向に回動自在に設けると共に、選別コンベア131を上下動させる伸縮自在な電動シリンダ129を設けたことによって、コンテナ137やフレキシブルコンテナ138の玉葱Oの収容量に応じて選別搬送コンベア131の作業高さを変更できるので、落下の衝撃で玉葱Oが傷付くことが防止されて玉葱Oの品質が向上すると共に、コンテナ137を複数段積み上げて収容することができるので、コンテナ137の収容量が増えてコンテナ137を積み降ろす回数が少なくなり、作業能率が向上する。なお、操縦装置14に操縦者が手動で電動シリンダ129を伸縮させる昇降スイッチ135aを設けてもよく、操縦座席8の下方に操縦者が足踏みで電動シリンダ129を伸縮させる昇降ペダル135を設けてもよい。
【0101】
そして、選別搬送ベルト126に複数の弾性突起127・・・を形成したことによって、選別搬送コンベア131を上昇させて傾斜角度が大きくなっても、選別搬送ベルト126を玉葱Oが逆流することを弾性突起127・・・が防止するので、落下の衝撃で玉葱Oが傷付くことが防止されて玉葱Oの品質が向上すると共に、玉葱Oの選別搬送が滞ることが防止されるので、作業能率が向上する。
【0102】
さらに、補助作業座席133を選別搬送コンベア131の後方に配置したことによって、補助作業者は補助作業座席133に着座したまま選別搬送コンベア131に搬送される玉葱Oの選別作業を行うことができるので、補助作業者の労力が軽減される。加えて、補助作業座席133が回転自在に設けられていることによって、補助作業者は自分の作業に適切な方向に補助作業座席133を回して身体の向きを変えることができるので、作業能率が向上する。
【0103】
次に、収容部Eについて説明する。
図3、図4及び図15、図16で示すように、前記選別搬送装置Dの選別搬送コンベア131の搬送終端部下方に、選別搬送コンベア131の終端部から排出される玉葱Oを回収する箱状のコンテナ137や袋状のフレキシブルコンテナ138等の収容部材139を設置する収容部材載置台140をメインフレーム1の機体側部に機体上下方向に回動自在に取り付け、該収容部材載置台140の前側で且つメインフレーム1の機体側部に玉葱Oを収容したコンテナ137やフレキシブルコンテナ138等の収容部材139もしくは空のコンテナ137やフレキシブルコンテナ138等の収容部材139を載置する載置補助台141を機体上下方向に回動自在に取り付けて、収容部Eが構成される。
【0104】
上記構成によれば、収容部材載置台140を機体上下方向に回動自在に取り付けたことによって、収容部材載置台140を下方向に回動させると、玉葱Oを大量に収容したコンテナ137やフレキシブルコンテナ138等の収容部材139を機外に滑らせて下ろすことができるので、作業能率が向上する。また、機体をトラック等の搬送手段で搬送する際や、倉庫等に収納する際には、収容部材載置台140を上方向に回動させることによって機体の左右幅を小さくすることができるので、収納性が向上すると共に、搬送時の安定性が向上し、搬送作業の安全性が向上する。
【0105】
そして、載置補助台141を機体内側方向に回動自在に設けたことによって、玉葱Oが満載された、あるいは空のコンテナ137やフレキシブルコンテナ138等の収容部材139を機体上に多く積むことができるので、機外に収容部材139を下ろす作業や機外から収容部材139を積み込む作業の回数が減少し、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
【0106】
また、載置補助台141を下方向に回動させると、玉葱Oを大量に収容したコンテナ137やフレキシブルコンテナ138等の収容部材139を機外に滑らせて下ろすことができるので作業能率が向上すると共に、機体をトラック等の搬送手段で搬送する際や、倉庫等に収納する際には、載置補助台141を上方向に回動させることによって機体の左右幅を小さくすることができるので、収納性が向上すると共に、搬送時の安定性が向上し、搬送作業の安全性が向上する。
【0107】
以下、本件玉葱Oの収穫機の別実施例を説明する。
図17で示すように、左右排葉搬送装置118,118の後部出力軸111,111,111,111と伝動フレーム21の後部との間にユニバーサルジョイント142,142,142,142を取り付けて、該左右排葉搬送装置118,118を後上り傾斜姿勢に配置してもよい。
【0108】
上記構成によれば、根部処理装置100L,100Rで玉葱Oの根部を切断した後、後上り傾斜姿勢の左右排葉搬送装置118,118に搬送される玉葱Oは一定の高さまで引上げられてから茎葉部を茎葉切断刃117,117,117,117によって切断されるので、茎葉部の切断位置が安定して玉葱Oを傷つけることなく茎葉だけを切断できるので、玉葱Oの商品価値が向上する。
【0109】
なお、上記別実施例では左右排葉搬送装置118,118を後上り傾斜姿勢にしているが、圃場の状態や玉葱の品種・生育状況等作業条件に合わせて傾斜角度を変更することによって、茎葉部の切断位置を最適な位置に合わせることができるので、玉葱Oを傷つけることなく茎葉だけが切断され、玉葱Oの商品価値が向上する。
【0110】
図18で示すように、左右排用搬送装置118,118の伝動プーリ115,115,115,115のうち、機体外側の排葉搬送ベルト142,142の巻回域内で且つ機体内側に接触させる伝動プーリ115,115よりも機体内側の排葉搬送ベルト142,142の巻回域内で且つ機体外側に接触させる伝動プーリ115,115を機体前側に配置する。そして、機体外側の伝動プーリ115,115に取り付ける伸縮自在な回転軸116,116の下端部に外側切断刃117a,117aと軸着すると共に、機体内側の伝動プーリ115,115に取り付ける伸縮自在な回転軸116,116の下端部に外側切断刃117a,117aよりも小径の内側切断刃117b,117bを左右排用搬送装置118,118の排葉挟持搬送経路の下方でオーバラップするように配置してもよい。
【0111】
上記構成によれば、機体外側の伝動プーリ115,115と機体内側の伝動プーリ115,115とを機体前後方向に位相をずらして配置したことによって、排葉搬送ベルト142,142にかかる挟持力を分散させることができると共に排葉搬送ベルト142,142が移動できる幅が大きくなるので、玉葱Oの茎葉部の量が多くても左右排葉搬送装置118,118が詰まることが防止されて作業能率が向上すると共に、左右排葉搬送装置118,118にかかる負荷が軽減されるので、左右排葉搬送装置118,118を構成する各部材の耐久性が向上し、機体寿命が長くなる。
【0112】
また、外側切断刃117a,117aと外側切断刃117a,117aよりも小径の内側切断刃117b,117bを左右排用搬送装置118,118の排葉挟持搬送経路の下方でオーバラップするように配置したことによって、搬送経路直下に外側切断刃117aと内側切断刃117bとの交点が形成されるので、玉葱Oの茎葉部が確実に切断されて作業能率が向上する。
【0113】
図19で示すように、伝動プーリ115,115を排葉搬送ベルト142,142,142,142の機体外側部で且つ巻回域内に接触させて配置し、機体外側の伝動プーリ115,115に取り付ける伸縮自在な回転軸116,116の下端部に外側切断刃117a,117aを軸着すると共に、機体内側の伝動プーリ115,115に取り付ける伸縮自在な回転軸116,116の下端部に外側切断刃117a,117aよりも小径の内側切断刃117b,117bを左右排用搬送装置118,118の排葉挟持搬送経路の下方でオーバラップするように配置してもよい。
【0114】
上記構成によれば、排葉搬送ベルト142,142にかかる挟持力を分散させることができると共に排葉搬送ベルト142,142が移動できる幅が大きくなるので、玉葱Oの茎葉部の量が多くても左右排葉搬送装置118,118が詰まることが防止されて作業能率が向上すると共に、左右排葉搬送装置118,118にかかる負荷が軽減されるので、左右排葉搬送装置118,118を構成する各部材の耐久性が向上し、機体寿命が長くなる。
【0115】
また、外側切断刃117a,117aと外側切断刃117a,117aよりも小径の内側切断刃117b,117bを左右排用搬送装置118,118の排葉挟持搬送経路の下方でオーバラップするように配置したことによって、搬送経路直下に外側切断刃117aと内側切断刃117bとの交点が形成されるので、玉葱Oの茎葉部が確実に切断されて作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】玉葱収穫機の側面図
【図2】一部部材を取り除いた玉葱収穫機の側面図
【図3】玉葱収穫機の平面図
【図4】玉葱収穫機の別実施例の平面図
【図5】操縦装置の要部平面図
【図6】補助操縦装置の要部平面図
【図7】引抜搬送装置の要部平面図
【図8】根部処理装置の背面図
【図9】根部処理装置の側面図
【図10】2基の根部処理装置を連結した平面図
【図11】調整装置の部分側面図
【図12】2基の押圧搬送装置の正面図
【図13】排葉搬送装置の側面図
【図14】2基の排葉搬送装置の平面図
【図15】選別搬送装置の平面図
【図16】選別搬送装置の背面図
【図17】玉葱収穫機の別実施例の側面図
【図18】2基の排葉搬送装置の別実施例の平面図
【図19】2基の排葉搬送装置の別実施例の平面図
【符号の説明】
【0117】
43 引抜搬送装置
75 カップリング(連結部材)
67,67 第1(第2)根切フレーム(支持部材)
79 内側搬送ベルト(搬送無端帯)
80 外側搬送ベルト(搬送無端帯)
91 回転刃(根部切断部材)
92 固定刃(根部切断部材)
93,93 引込ローラ(引込回転体)
100 根部処理装置
103 駆動軸
104,104 駆動プーリ(駆動回転体)
110 押圧搬送装置
117 茎葉切断刃(茎葉切断部材)
118 排葉搬送装置(排葉装置)
O 玉葱(作物)
Q 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物(O)の茎葉部を挟持して引き抜き機体後方へ搬送する引抜搬送装置(43)と、該引抜搬送装置(43)で搬送された作物(O)を引き継いで搬送しながら作物(O)の根部を除去する根部処理装置(100)と、作物(O)を該根部処理装置(100)に押さえつけながら搬送する押圧搬送装置(110)と、作物(O)の茎葉部を切断する茎葉切断部材(117)と、作物(O)の茎葉部を排出する排葉装置(118)とを設けた野菜収穫機において、
該根部処理装置(100)を作物(O)を搬送する一対の搬送無端帯(79,80)と、該一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に設ける作物(O)の根部を切除する根部切断部材(91,92)と、該根部切断部材(91,92)の下部に作物(O)の根部を引き込んで揃える一対の引込回転体(93,93)と、根部切断部材(91,92)に切断された作物(O)の根部が一対の搬送無端帯(79,80)の巻回域内に入り込むことを防止すると共に根部処理装置(100)を支持する一対の支持部材(67,67)とから構成したことを特徴とする野菜収穫機。
【請求項2】
前記一対の搬送無端帯(79,80)の間の空間部(Q)の下方に一対の引込回転体(93,93)を接合させて配置したことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機。
【請求項3】
前記一対の引込回転体(93,93)の前端部を根部切断部材(91,92)の前端部よりも搬送方向前側に配置すると共に、後端部を根部切断部材(91,92)の後端部よりも搬送方向前側に配置したことを特徴とする請求項1及び2記載の野菜収穫機。
【請求項4】
前記一対の引込回転体(93,93)を接合方向に移動自在に設けると共に、バネ部材(94)で接合方向に付勢したことを特徴とする請求項1乃至3記載の野菜収穫機。
【請求項5】
前記一対の支持部材(67,67)の上端部を一対の引込回転体(93,93)の底部に接触させて配置したことを特徴とする請求項1乃至4記載の野菜収穫機。
【請求項6】
駆動軸(103)を回動支点として回動自在に構成した前記押圧搬送装置(110)を設けたと共に、該駆動軸(103)の両側に前記根部処理装置(100)から駆動力を受ける一対の駆動回転体(104,104)を設けたことを特徴とする請求項1乃至5記載の野菜収穫機。
【請求項7】
前記押圧搬送装置(110)の搬送終端部の上方に排葉装置(118)の搬送始端部を配置すると共に、押圧搬送装置(110)の搬送終端部と排葉装置(118)の搬送始端部よりも後方に茎葉切断部材(117)を設けたことを特徴とする請求項1乃至6記載の野菜収穫機。
【請求項8】
根部処理装置(100・・・)を複数配置し、複数の根部処理装置(100・・・)間に駆動力を伝達する連結部材(75)を設けたことを特徴とする請求項1乃至7記載の野菜収穫機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−201488(P2009−201488A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50206(P2008−50206)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】