野菜移植機
【構成】 開閉自在な分割された爪体18a,18bを有する植付爪18を備えると共に、植付爪18の昇降途中で付着泥土を落す掃除体77を設ける野菜移植機において、植付爪18が上昇時に開状態の爪体18a,18bが閉じ乍ら掃除体77位置を通過する植付カム73を設けたものである。
【効果】 爪体18a,18bの閉じ力を利用して掃除体77による泥土の除去を容易に行わせることができ、水分の多い圃場または粘土質の圃場などでも苗の植付を適正に行うことができ、取扱い操作性の向上並びに苗詰り防止などを容易に図ることができる。
【効果】 爪体18a,18bの閉じ力を利用して掃除体77による泥土の除去を容易に行わせることができ、水分の多い圃場または粘土質の圃場などでも苗の植付を適正に行うことができ、取扱い操作性の向上並びに苗詰り防止などを容易に図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば苗載台の苗トレイから苗取出爪によって取出した1株分のポット苗を植付爪に受取って順次圃場に植付ける野菜移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、開閉自在な爪体を有する植付爪によってポット苗を植付ける技術があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、爪体に付着する泥土をブラシで除去する作業が必要である等の取扱い上の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を備えると共に、植付爪の昇降途中で付着泥土を落す掃除体を設ける野菜移植機において、植付爪が上昇時に開状態の爪体が閉じ乍ら掃除体位置を通過する植付カムを設けたもので、爪体の閉じ力を利用して掃除体による泥土の除去を容易に行わせ得、水分の多い圃場または粘土質の圃場などでも苗の植付を適正に行い得、取扱い操作性の向上並びに苗詰り防止などを容易に図り得るものである。
【0005】また、開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を植付アームに設ける野菜移植機において、植付アームの植付カムにより摺動して前記爪体を開閉させるロッドを植付アームに抜出し自在に突入させると共に、前記爪体を取付ける爪支持体を植付アームに着脱自在にボルト止め固定させたもので、ボルトの脱着だけで植付爪をユニット状態で脱着し得、爪体の組立並びに修理交換などを容易に行い得るものである。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は植付部の側面図、図2は全体側面図、図3は同全体平面図であり、図中(1)はエンジン(2)を搭載するベースフレーム、(3)は前記フレーム(1)後端に連設するミッションケース、(4)は前記ミッションケース(3)に左右スイングケース(5)を介し上下揺動可能に支持する左右の走行駆動輪である後輪、(6)は前記前フレーム(1)の前端側にスイングアーム(7)を介し上下揺動可能に支持する左右の前輪、(8)は前記ミッションケース(3)の後方にシャーシフレーム(9)を介し装設する苗供給装置、(10)は左右の後輪(4)(4)間で前記ミッションケース(3)に植付伝動ケース(11)を介して装設する苗植付部、(12)は畝面(A)を鎮圧する鎮圧ローラ、(13)は前記苗植付部(10)を上下揺動可能に支持する左右一対の培土ローラであり、前記苗供給装置(8)における左右往復移動する苗載台(14)上の苗トレイ(15)より1株分のポット苗を苗取出爪(16)でもって取出すと共に、この取出されたポット苗を前記苗植付部(10)のホッパ形植付爪(18)に供給し、操向ハンドル(19)操作による機体の走行中畝面(A)に一定間隔毎のポット苗の植付けつまり移植を行うように構成している。
【0007】また、(20)は車高調節レバー、(21)は走行クラッチレバー、(22)は植付クラッチレバー、(23)は走行変速レバー、(24)は株間変速レバー、(25)は培土調節レバー、(26)は左右サイドクラッチレバー、(27)は上面ボンネット、(28)は燃料タンク、(29)は予備苗台である。
【0008】さらに、図1、図4、図5に示す如く、略同一軸芯線上に設けるフローティング支点である植付駆動軸(30)とフローティング支点軸(31)を介し、前記植付伝動ケース(11)と植付爪昇降ガイド板(32)をミッションケース(3)両側に揺動自在に設け、平面視U字形の植付ガードフレーム(33)の両側前端を前記ケース(11)及びガイド板(32)にボルト(34)(35)止め固定させると共に、前記ガードフレーム(33)に支軸(36)を介してゲージフレーム(37)前端を揺動自在に連結させ、ゲージフレーム(37)後端に培土ローラ(13)を軸支させ、またレバーガイド(38)を介して位置調節自在に植深レバー(39)をガードフレーム(33)後端に取付け、ピンの差し換えにより連結長さを二段に切換自在な門形の連結金具(40)を介して前記レバー(39)をゲージフレーム(37)に連結させ、レバー(39)操作により植付爪(18)に対する培土ローラ(13)の支持高さを変更し、植付爪(18)の苗移植深さを変化させるように構成している。
【0009】また、図6、図7、図8に示す如く、ガードフレーム(33)にレバーガイド(38)を固定させるブラケット(41)にレバー上下支点(42)を設け、該支点(42)のブラケット(43)にレバー左右支点(44)を介して植深レバー(39)を取付け、該レバー(39)を上下及び左右に揺動自在に支持させると共に、前記レバー上下支点(42)のアーム(45)(45)にピン(46)を介して連結金具(40)を連結させるもので、植付駆動軸(30)及びフローティング支点軸(31)を中心に植付部(10)及び培土ローラ(13)が一体的に上下に揺動し、前記ローラ(13)が畦(A)上面に接地し乍ら移動すると共に、一対の培土ローラ(13)(13)上方に植深レバー(39)を取付け、植付部(10)の前後方向中心線上にレバー(39)を位置させ、また各ローラ(13)(13)間に連結金具(40)を配設させ、ローラ(13)の交換などを容易に行えるように構成している。
【0010】さらに、図6、図7、図9に示す如く、前記シャーシフレーム(9)に苗台フレーム(47)を一体連設させ、各フレーム(9)(47)間にレバーガイド(48)を連結させ、左右のシャーシフレーム(9)(9)を連結する補強フレーム(49)のアーム(50)とレバーガイド(48)にレバー軸(51)を設け、レバーガイド(48)にレバー支点(52)を介して取付ける前記培土調節レバー(25)をレバー軸(51)のアーム(53)に培土圧設定バネ(54)を介して連結させると共に、U形リンク(55)中間をレバー軸(51)のアーム(56)にピン(57)を介して連結させ、前記リンク(55)のU形両端を左の前記ブラケット(41)にピン(58)を介して連結させるもので、前記レバー(12)操作によりバネ(54)を伸張させたとき、バネ(54)によるガードフレーム(33)押下げ力が増大し、培土ローラ(13)が畦(A)上面に接する圧力を大きくする一方、前記バネ(54)の縮少によりガードフレーム(33)押下げ力が減少し、培土ローラ(13)が畦(A)上面に接する圧力を小さくし、ローラ(13)の培土圧を変更して作業条件に合った培土状態を得ると共に、前記シャーシフレーム(9)側面にレバーガイド(48)を設けてレバー(12)を操作し易く構成し、また前記U形リンク(55)のU形中間部によりアーム(56)との展開角度を制限し、回行時などにおけるガードフレーム(33)及び培土ローラ(13)の下方移動(下降)を規制するように構成している。
【0011】さらに、図1、図5、図10に示す如く、前記植付爪(18)は、植付伝動ケース(11)の出力軸である植付駆動軸(59)にロータリケース(60)及びクランクアーム(61)を介し支持する植付アーム(62)に取付けるもので、前記駆動軸(59)中心としてロータリケース(60)を図10の時計方向に回転させるとき、クランクアーム(61)をロータリケース(60)と反対の反時計方向のに回転させると共に、前記ケース(11)に一体固定させる固定ギヤ(60a)に中間ギヤ(60b)を介してクランクギヤ(60c)を噛合させ、ケース(60)に各ギヤ(60a)(60b)(60c)を内設させ、前記軸(59)をケース(60)に固定させる。そしてクランクギヤ(60c)にアーム(61)を固定させ、前記駆動軸(59)軸芯とクランクギヤ(60c)軸芯の軸間(L1)よりも、クランクアーム(61)長であるクランクギヤ(60c)軸芯と植付カム(73)の軸(63)軸芯の軸間(L2)を長くし、植付爪(18)先端が楕円形軌跡(上下方向に長い)を形成し、図11の如く、最上点及び最下点で植付爪(18)が略垂直に立設するように構成すると共に、前記植付アーム(62)にクランクアーム(61)先端を基端アーム軸(63)を介して連結させ、先端に植付爪(18)を取付ける爪支持体(39)(64)を植付アーム(62)に2本のボルト(65)(65)で固定させると共に、前記昇降ガイド板(32)に固定するレール(66)のガイド溝(67)に、植付アーム(62)上端のガイドローラ(68)を上下動自在に嵌入させ、前記クランクアーム(61)が回転時にガイド溝(67)に沿って植付アーム(62)を前後に揺動させ乍ら上下動させて植付爪(18)を楕円形状の植付軌跡で上下運動させるように構成している。
【0012】さらに、前記植付爪(18)は、開閉自在な分割された半円錐形状の2つの爪体(18a)(18b)を備え、各爪体(18a)(18b)の上端側を爪支持体(64)の軸受用ボス(69a)(69b)に各アーム(70a)(70b)を介してそれぞれ回動自在に支持させ、該アーム(70a)(70b)基端に固設する各揺動板(71a)(71b)の中央を係合ローラ(72)を介し相互に係合連結させると共に、前記植付アーム(62)の基端部内のアーム軸(63)に一体回動可能に設ける植付カム(73)に、前記揺動板(71a)に一端を係止した進退ロッド(74)他端を当接連結させ、前記クランクアーム(61)が1回転するとき、カム(73)でロッド(74)を進出させて爪体(18a)(18b)の下部を開閉させ、また各揺動板(71a)(71b)間のバネ(75)で爪体(18a)(18b)下部を閉じるもので、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を植付アーム(62)に設ける野菜移植機において、植付アーム(62)の植付カム(73)により摺動して前記爪体(18a)(18b)を開閉させるロッド(74)を植付アーム(62)に抜出し自在に突入させると共に、前記爪体(18a)(18b)を取付ける爪支持体(64)を植付アーム(62)に着脱自在にボルト(65)止め固定させている。
【0013】また、ゴム板製の前後掃除体(76)(77)を備え、ガードフレーム(33)に一端を固定する支軸(78)他端に前掃除体(76)を固設させると共に、ガードフレーム(33)の支点軸(79)に一端を回転自在に軸支させるL形の支軸(80)他端に後掃除体(77)を固設させ、ストッパ(81)で規制する前方位置に後掃除体(77)をバネ(82)により弾圧支持し、バネ(82)に抗して後掃除体(77)が後方に移動自在に取付け、下降させる閉状態の爪体(18a)(18b)が前後掃除体(76)(77)の間を通過し、各爪体(18a)(18b)外側の泥土を各掃除体(76)(77)によって掻き落す一方、上昇させる開状態の爪体(18a)(18b)が後掃除体(77)の前後を通過し、各爪体(18a)(18b)内側の泥土を後掃除体(77)によって掻き落すもので、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を備えると共に、植付爪(18)の昇降途中で付着泥土を落す掃除体(77)を設ける野菜移植機において、植付爪(18)が上昇時に開状態の爪体(18a)(18b)が閉じ乍ら掃除体(77)位置を通過する植付カム(73)を設け、図11の如く、植付爪(18)が下方の植付け位置から上方の苗受取り位置に上昇するとき、後掃除体(77)が爪体(18a)(18b)内に位置している状態で、爪体(18a)(18b)が閉じるように前記カム(73)を形成し、爪体(18a)(18b)の閉じ力によって爪体(18a)(18b)内面に後掃除体(77)が圧着されるもので、バネ(75)に抗して後掃除体(77)が爪体(18a)(18b)を押し開け、爪体(18a)(18b)先端の内面凹部の泥土を落すように構成している。
【0014】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を備えると共に、植付爪(18)の昇降途中で付着泥土を落す掃除体(77)を設ける野菜移植機において、植付爪(18)が上昇時に開状態の爪体(18a)(18b)が閉じ乍ら掃除体(77)位置を通過する植付カム(73)を設けたもので、爪体(18a)(18b)の閉じ力を利用して掃除体(77)による泥土の除去を容易に行わせることができ、水分の多い圃場または粘土質の圃場などでも苗の植付を適正に行うことができ、取扱い操作性の向上並びに苗詰り防止などを容易に図ることができるものである。
【0015】また、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を植付アーム(62)に設ける野菜移植機において、植付アーム(64)の植付カム(73)により摺動して前記爪体(18a)(18b)を開閉させるロッド(74)を植付アーム(62)に抜出し自在に突入させると共に、前記爪体(18a)(18b)を取付ける爪支持体(64)を植付アーム(62)に着脱自在にボルト(65)止め固定させたもので、ボルト(65)の脱着だけで植付爪(18)をユニット状態で脱着でき、爪体(18a)(18b)の組立並びに修理交換などを容易に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】植付部の側面図。
【図2】全体の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】ガードフレーム部の側面図。
【図5】植付部の平面図。
【図6】培土ローラ部の平面図。
【図7】植深レバー部の側面図。
【図8】培土ローラ部の背面図。
【図9】培土調節レバー部の側面図。
【図10】植付爪部の側面図。
【図11】植付カムの説明図。
【符号の説明】
(18) 植付爪
(18a)(18b) 爪体
(62) 植付アーム
(65) ボルト
(73) 植付カム
(74) ロッド
(77) 掃除体
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば苗載台の苗トレイから苗取出爪によって取出した1株分のポット苗を植付爪に受取って順次圃場に植付ける野菜移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、開閉自在な爪体を有する植付爪によってポット苗を植付ける技術があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、爪体に付着する泥土をブラシで除去する作業が必要である等の取扱い上の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を備えると共に、植付爪の昇降途中で付着泥土を落す掃除体を設ける野菜移植機において、植付爪が上昇時に開状態の爪体が閉じ乍ら掃除体位置を通過する植付カムを設けたもので、爪体の閉じ力を利用して掃除体による泥土の除去を容易に行わせ得、水分の多い圃場または粘土質の圃場などでも苗の植付を適正に行い得、取扱い操作性の向上並びに苗詰り防止などを容易に図り得るものである。
【0005】また、開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を植付アームに設ける野菜移植機において、植付アームの植付カムにより摺動して前記爪体を開閉させるロッドを植付アームに抜出し自在に突入させると共に、前記爪体を取付ける爪支持体を植付アームに着脱自在にボルト止め固定させたもので、ボルトの脱着だけで植付爪をユニット状態で脱着し得、爪体の組立並びに修理交換などを容易に行い得るものである。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は植付部の側面図、図2は全体側面図、図3は同全体平面図であり、図中(1)はエンジン(2)を搭載するベースフレーム、(3)は前記フレーム(1)後端に連設するミッションケース、(4)は前記ミッションケース(3)に左右スイングケース(5)を介し上下揺動可能に支持する左右の走行駆動輪である後輪、(6)は前記前フレーム(1)の前端側にスイングアーム(7)を介し上下揺動可能に支持する左右の前輪、(8)は前記ミッションケース(3)の後方にシャーシフレーム(9)を介し装設する苗供給装置、(10)は左右の後輪(4)(4)間で前記ミッションケース(3)に植付伝動ケース(11)を介して装設する苗植付部、(12)は畝面(A)を鎮圧する鎮圧ローラ、(13)は前記苗植付部(10)を上下揺動可能に支持する左右一対の培土ローラであり、前記苗供給装置(8)における左右往復移動する苗載台(14)上の苗トレイ(15)より1株分のポット苗を苗取出爪(16)でもって取出すと共に、この取出されたポット苗を前記苗植付部(10)のホッパ形植付爪(18)に供給し、操向ハンドル(19)操作による機体の走行中畝面(A)に一定間隔毎のポット苗の植付けつまり移植を行うように構成している。
【0007】また、(20)は車高調節レバー、(21)は走行クラッチレバー、(22)は植付クラッチレバー、(23)は走行変速レバー、(24)は株間変速レバー、(25)は培土調節レバー、(26)は左右サイドクラッチレバー、(27)は上面ボンネット、(28)は燃料タンク、(29)は予備苗台である。
【0008】さらに、図1、図4、図5に示す如く、略同一軸芯線上に設けるフローティング支点である植付駆動軸(30)とフローティング支点軸(31)を介し、前記植付伝動ケース(11)と植付爪昇降ガイド板(32)をミッションケース(3)両側に揺動自在に設け、平面視U字形の植付ガードフレーム(33)の両側前端を前記ケース(11)及びガイド板(32)にボルト(34)(35)止め固定させると共に、前記ガードフレーム(33)に支軸(36)を介してゲージフレーム(37)前端を揺動自在に連結させ、ゲージフレーム(37)後端に培土ローラ(13)を軸支させ、またレバーガイド(38)を介して位置調節自在に植深レバー(39)をガードフレーム(33)後端に取付け、ピンの差し換えにより連結長さを二段に切換自在な門形の連結金具(40)を介して前記レバー(39)をゲージフレーム(37)に連結させ、レバー(39)操作により植付爪(18)に対する培土ローラ(13)の支持高さを変更し、植付爪(18)の苗移植深さを変化させるように構成している。
【0009】また、図6、図7、図8に示す如く、ガードフレーム(33)にレバーガイド(38)を固定させるブラケット(41)にレバー上下支点(42)を設け、該支点(42)のブラケット(43)にレバー左右支点(44)を介して植深レバー(39)を取付け、該レバー(39)を上下及び左右に揺動自在に支持させると共に、前記レバー上下支点(42)のアーム(45)(45)にピン(46)を介して連結金具(40)を連結させるもので、植付駆動軸(30)及びフローティング支点軸(31)を中心に植付部(10)及び培土ローラ(13)が一体的に上下に揺動し、前記ローラ(13)が畦(A)上面に接地し乍ら移動すると共に、一対の培土ローラ(13)(13)上方に植深レバー(39)を取付け、植付部(10)の前後方向中心線上にレバー(39)を位置させ、また各ローラ(13)(13)間に連結金具(40)を配設させ、ローラ(13)の交換などを容易に行えるように構成している。
【0010】さらに、図6、図7、図9に示す如く、前記シャーシフレーム(9)に苗台フレーム(47)を一体連設させ、各フレーム(9)(47)間にレバーガイド(48)を連結させ、左右のシャーシフレーム(9)(9)を連結する補強フレーム(49)のアーム(50)とレバーガイド(48)にレバー軸(51)を設け、レバーガイド(48)にレバー支点(52)を介して取付ける前記培土調節レバー(25)をレバー軸(51)のアーム(53)に培土圧設定バネ(54)を介して連結させると共に、U形リンク(55)中間をレバー軸(51)のアーム(56)にピン(57)を介して連結させ、前記リンク(55)のU形両端を左の前記ブラケット(41)にピン(58)を介して連結させるもので、前記レバー(12)操作によりバネ(54)を伸張させたとき、バネ(54)によるガードフレーム(33)押下げ力が増大し、培土ローラ(13)が畦(A)上面に接する圧力を大きくする一方、前記バネ(54)の縮少によりガードフレーム(33)押下げ力が減少し、培土ローラ(13)が畦(A)上面に接する圧力を小さくし、ローラ(13)の培土圧を変更して作業条件に合った培土状態を得ると共に、前記シャーシフレーム(9)側面にレバーガイド(48)を設けてレバー(12)を操作し易く構成し、また前記U形リンク(55)のU形中間部によりアーム(56)との展開角度を制限し、回行時などにおけるガードフレーム(33)及び培土ローラ(13)の下方移動(下降)を規制するように構成している。
【0011】さらに、図1、図5、図10に示す如く、前記植付爪(18)は、植付伝動ケース(11)の出力軸である植付駆動軸(59)にロータリケース(60)及びクランクアーム(61)を介し支持する植付アーム(62)に取付けるもので、前記駆動軸(59)中心としてロータリケース(60)を図10の時計方向に回転させるとき、クランクアーム(61)をロータリケース(60)と反対の反時計方向のに回転させると共に、前記ケース(11)に一体固定させる固定ギヤ(60a)に中間ギヤ(60b)を介してクランクギヤ(60c)を噛合させ、ケース(60)に各ギヤ(60a)(60b)(60c)を内設させ、前記軸(59)をケース(60)に固定させる。そしてクランクギヤ(60c)にアーム(61)を固定させ、前記駆動軸(59)軸芯とクランクギヤ(60c)軸芯の軸間(L1)よりも、クランクアーム(61)長であるクランクギヤ(60c)軸芯と植付カム(73)の軸(63)軸芯の軸間(L2)を長くし、植付爪(18)先端が楕円形軌跡(上下方向に長い)を形成し、図11の如く、最上点及び最下点で植付爪(18)が略垂直に立設するように構成すると共に、前記植付アーム(62)にクランクアーム(61)先端を基端アーム軸(63)を介して連結させ、先端に植付爪(18)を取付ける爪支持体(39)(64)を植付アーム(62)に2本のボルト(65)(65)で固定させると共に、前記昇降ガイド板(32)に固定するレール(66)のガイド溝(67)に、植付アーム(62)上端のガイドローラ(68)を上下動自在に嵌入させ、前記クランクアーム(61)が回転時にガイド溝(67)に沿って植付アーム(62)を前後に揺動させ乍ら上下動させて植付爪(18)を楕円形状の植付軌跡で上下運動させるように構成している。
【0012】さらに、前記植付爪(18)は、開閉自在な分割された半円錐形状の2つの爪体(18a)(18b)を備え、各爪体(18a)(18b)の上端側を爪支持体(64)の軸受用ボス(69a)(69b)に各アーム(70a)(70b)を介してそれぞれ回動自在に支持させ、該アーム(70a)(70b)基端に固設する各揺動板(71a)(71b)の中央を係合ローラ(72)を介し相互に係合連結させると共に、前記植付アーム(62)の基端部内のアーム軸(63)に一体回動可能に設ける植付カム(73)に、前記揺動板(71a)に一端を係止した進退ロッド(74)他端を当接連結させ、前記クランクアーム(61)が1回転するとき、カム(73)でロッド(74)を進出させて爪体(18a)(18b)の下部を開閉させ、また各揺動板(71a)(71b)間のバネ(75)で爪体(18a)(18b)下部を閉じるもので、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を植付アーム(62)に設ける野菜移植機において、植付アーム(62)の植付カム(73)により摺動して前記爪体(18a)(18b)を開閉させるロッド(74)を植付アーム(62)に抜出し自在に突入させると共に、前記爪体(18a)(18b)を取付ける爪支持体(64)を植付アーム(62)に着脱自在にボルト(65)止め固定させている。
【0013】また、ゴム板製の前後掃除体(76)(77)を備え、ガードフレーム(33)に一端を固定する支軸(78)他端に前掃除体(76)を固設させると共に、ガードフレーム(33)の支点軸(79)に一端を回転自在に軸支させるL形の支軸(80)他端に後掃除体(77)を固設させ、ストッパ(81)で規制する前方位置に後掃除体(77)をバネ(82)により弾圧支持し、バネ(82)に抗して後掃除体(77)が後方に移動自在に取付け、下降させる閉状態の爪体(18a)(18b)が前後掃除体(76)(77)の間を通過し、各爪体(18a)(18b)外側の泥土を各掃除体(76)(77)によって掻き落す一方、上昇させる開状態の爪体(18a)(18b)が後掃除体(77)の前後を通過し、各爪体(18a)(18b)内側の泥土を後掃除体(77)によって掻き落すもので、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を備えると共に、植付爪(18)の昇降途中で付着泥土を落す掃除体(77)を設ける野菜移植機において、植付爪(18)が上昇時に開状態の爪体(18a)(18b)が閉じ乍ら掃除体(77)位置を通過する植付カム(73)を設け、図11の如く、植付爪(18)が下方の植付け位置から上方の苗受取り位置に上昇するとき、後掃除体(77)が爪体(18a)(18b)内に位置している状態で、爪体(18a)(18b)が閉じるように前記カム(73)を形成し、爪体(18a)(18b)の閉じ力によって爪体(18a)(18b)内面に後掃除体(77)が圧着されるもので、バネ(75)に抗して後掃除体(77)が爪体(18a)(18b)を押し開け、爪体(18a)(18b)先端の内面凹部の泥土を落すように構成している。
【0014】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を備えると共に、植付爪(18)の昇降途中で付着泥土を落す掃除体(77)を設ける野菜移植機において、植付爪(18)が上昇時に開状態の爪体(18a)(18b)が閉じ乍ら掃除体(77)位置を通過する植付カム(73)を設けたもので、爪体(18a)(18b)の閉じ力を利用して掃除体(77)による泥土の除去を容易に行わせることができ、水分の多い圃場または粘土質の圃場などでも苗の植付を適正に行うことができ、取扱い操作性の向上並びに苗詰り防止などを容易に図ることができるものである。
【0015】また、開閉自在な分割された爪体(18a)(18b)を有する植付爪(18)を植付アーム(62)に設ける野菜移植機において、植付アーム(64)の植付カム(73)により摺動して前記爪体(18a)(18b)を開閉させるロッド(74)を植付アーム(62)に抜出し自在に突入させると共に、前記爪体(18a)(18b)を取付ける爪支持体(64)を植付アーム(62)に着脱自在にボルト(65)止め固定させたもので、ボルト(65)の脱着だけで植付爪(18)をユニット状態で脱着でき、爪体(18a)(18b)の組立並びに修理交換などを容易に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】植付部の側面図。
【図2】全体の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】ガードフレーム部の側面図。
【図5】植付部の平面図。
【図6】培土ローラ部の平面図。
【図7】植深レバー部の側面図。
【図8】培土ローラ部の背面図。
【図9】培土調節レバー部の側面図。
【図10】植付爪部の側面図。
【図11】植付カムの説明図。
【符号の説明】
(18) 植付爪
(18a)(18b) 爪体
(62) 植付アーム
(65) ボルト
(73) 植付カム
(74) ロッド
(77) 掃除体
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を備えると共に、植付爪の昇降途中で付着泥土を落す掃除体を設ける野菜移植機において、植付爪が上昇時に開状態の爪体が閉じ乍ら掃除体位置を通過する植付カムを設けたことを特徴とする野菜移植機。
【請求項2】 開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を植付アームに設ける野菜移植機において、植付アームの植付カムにより摺動して前記爪体を開閉させるロッドを植付アームに抜出し自在に突入させると共に、前記爪体を取付ける爪支持体を植付アームに着脱自在にボルト止め固定させたことを特徴とする野菜移植機。
【請求項1】 開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を備えると共に、植付爪の昇降途中で付着泥土を落す掃除体を設ける野菜移植機において、植付爪が上昇時に開状態の爪体が閉じ乍ら掃除体位置を通過する植付カムを設けたことを特徴とする野菜移植機。
【請求項2】 開閉自在な分割された爪体を有する植付爪を植付アームに設ける野菜移植機において、植付アームの植付カムにより摺動して前記爪体を開閉させるロッドを植付アームに抜出し自在に突入させると共に、前記爪体を取付ける爪支持体を植付アームに着脱自在にボルト止め固定させたことを特徴とする野菜移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開平5−276807
【公開日】平成5年(1993)10月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−112228
【出願日】平成4年(1992)4月3日
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【公開日】平成5年(1993)10月26日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)4月3日
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
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