説明

金属プリント基板上で製作するリアクトル及びそのリアクトルを使用したインバータ装置

【目的】 インバータ装置を小形軽量化を図るためにパワー素子ののっている基板状にリアクトルを搭載するする必要があった。
【構成】 絶縁基板110とリング状のコア112と、コア112のリングを横切るように、絶縁基板110に所定の間隔をあけて配置された複数の短冊状パターン111と、一つの短冊状パターン111と所定個離れた他の一つの短冊状パターン111とを接続するワイヤ113とからなり、絶縁基板110の複数の短冊状パターン111に近接してコア112を配し、コア112のリング内側の一つの短冊状パターン111とワイヤ113をコア112を跨ぐように配置して、所定個離れたコア112のリング外側の他の一つの短冊状パターン111に接続し、これを繰り返すことにより、リング状のコア112にパターン111とワイヤ113からなるコイルを捲回した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インバータのフィルタなどに使用されるリアクトルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来のインバータ装置のブロック図とその接続図である。図において、50は交流入力電源、51はインバータ装置、52はモータ、14〜19は交流を直流に変換するためのダイオード、53は平滑コンデンサ、2〜7は直流をPWM変調するためのスイッチング素子、8〜13はスイッチング素子2〜7に逆並列に接続され無効電流を処理するための帰還ダイオード、101〜103は電位安定点Nに対する出力線U、V、Wの電位VUN、VVN、VWNである。
【0003】図8は、図7に示した従来のインバータ装置のスイッチング素子2〜7がスイッチングしている際の電圧波形を示す図であり、図7のVUN、VVN、VWNに対応する。また、54はアースEに対する出力U、V、Wの中性点電位であり、VC=(VUN+VVN+VWN)/3と表される。電圧変化dV/dtがノイズ発生源となるが、出力U、V、W同士の電圧変化によるノイズがノーマルモードノイズの原因となり、アースEとか直流電圧母線P、N等の電位安定点に対する出力U、V、Wの中性点の電圧変化がコモンモードノイズの原因となる。以下、主にコモンモードノイズの対策フィルタについて説明する。
【0004】図9は従来のインバータ装置の主回路部の断面図である。図において、1はスイッチング素子2〜7及び帰還ダイオード8〜13等の主回路素子(以後、主回路素子2〜13という)等を搭載する主回路基板、46は主回路素子2〜13の熱を外気に伝える冷却フィン、59は主回路素子2〜13と冷却フィン46の間を電気的に絶縁する絶縁層である。また、49はインバータ装置の筐体であり、冷却フィン46はこの筐体49に固定されるが、冷却フィン46と筐体49は電気的には接続されている。
【0005】図10は、図7に示した従来のインバータ装置の主回路において、コモンモードノイズの経路を示す等価回路図である。図において、55は主回路基板1と冷却フィン46間の浮遊容量Ci、56はアースEに対する出力配線の浮遊容量Cc、57はモータ52の巻線とフレーム(フレームはアースEに接続されている)間の浮遊容量Cm、58はi=C・dV/dtで表される同相電流ioである。電位安定点NとAC入力線の中性点P1はPWNのキャリア周波数に対しては同一電位である。この電位安定点に対してVc54の電圧が出力線U,V,Wの中性点P3に対してかかる。またP3は浮遊容量Cc56及び浮遊容量Cm57を通してアースEに接続される。
【0006】図9において、絶縁層59は電気的には絶縁する必要があるが、熱的には主回路素子2〜13の発熱を効率良く、冷却フィン46に伝える必要があるため、その厚さは薄く、面積は大きいものとなる。従って、その間の浮遊容量Ci55はかなり大きなものとなる。主回路素子2〜13の中性点P2は、出力線U,V,Wの中性点P3と同電位となるので、等価回路図では図10のようにCi55が表わされる。また、筐体49は主回路素子2〜13の電位変化をCi55を通して直接受けることになるので、人間が筐体49に触れると感電の危険がある。従って、筐体49は安全上アースEに接続されるので、結局図10の等価回路が得られる。
【0007】図10に示すように、浮遊容量Ci55、Cc56及びCm57に対して階段上の同相電圧Vc54が加わるために、i=C・dV/dtで表される同相電流io58が電源線を流れ、コモンモードノイズを引き起こすと共に、入力の同相電流(零相電流)感知器、すなわち、漏電ブレーカが接地事故が生じていないのに動作してしまう等の悪影響が生じる。
【0008】この同相電流io58を減少させるには、i=C・dV/dtにおいて、Cを減らす方法と、電圧変化率dV/dtを減らす方法とある。以下、電圧変化dV/dtを減らす方法について説明する。
【0009】図11は同相電圧Vc54の変化をなめらかにする同相フィルタとその接続図である。60は3本の出力線が1つのコアに同方向に巻かれ、同相電圧にのみ対して動作する同相リアクトルであり、電流の和が零にならない成分のみリアクトルとして動作する。62〜64はコンデンサで直流電圧母線Nに接続される。61は電圧クランプダイオードで、同相リアクトル60とコンデンサ62〜64の共振周波数での共振電圧を直流電圧母線P、NのVDCにクランプするためのものである。
【0010】図12はこの同相フィルタを等価回路図上で表わしたものである。図において、65は等価回路上の同相リアクトル、66は等価回路上のコンデンサである。図に示すように、このフィルタは階段上の同相電圧Vc54に動作し、出力線のCc56,Cm57にかかる同相電圧の電位変化をなめらかにすることにより、io58は減少する。この際、出力同相フィルタは、出力線U、V、Wの中性点に動作するものであり、主回路素子中性点P2、すなわち、図10の主回路基板1の電位には働かない、よって図12の等価回路に示すようにCi55に起因するio58は減少しない。
【0011】図13は出力線U、V、Wの差動電圧変化をなめらかにするための差動フィルタを用いた場合の構成図である。図において、70〜72は差動リアクトル、73〜75はコンデンサで有り、両者でLCフィルタを構成する。
【0012】図14は、図11の同相フィルタ付インバータ主回路部の実体配線図を示したものである。主回路素子2〜13が組み込まれた主回路基板1から出力線U、V、Wが出され、同相リアクトル60を介し、コンデンサ62〜64、電圧クランプダイオード61を通してインバータ出力に接続される。また、電圧クランプダイオード61の両端は平滑コンデンサ53へと接続される。
【0013】図15は図14のように配線を行った場合の等価回路を示したものである。図14に示すように、主回路基板1から同相リアクトル60を介して、コンデンサ62〜64までの配線が長くなるので、ノーマルモードの配線インダクタンスL176が存在し、また、電圧クランプダイオード61から平滑コンデンサ53までの配線が長くなるので、配線インダクタンスL278が存在することになる。
【0014】図16は、図15で配線インダクタンスL176がある場合の線間電圧、図17は配線インダクタンスL278がある場合の電圧クランプダイオード61の両端の電圧波形を示す。図16において、配線が短い場合は配線インダクタンスL176が小さく、L0は同相リアクトルなので線間電圧はコンデンサ62〜64とほとんど共振しないが、配線が長い場合は配線インダクタンスL176が存在するために、下図のような波形となり、モータ52に所望の電圧が印加されない。
【0015】また、配線インダクタンスL278があると、図17のように共振電圧がVDCを越え、これにより線間電圧のVDCへのクランプが効かなくなり、線間電圧のピーク値がVDCを越え、また、ダイオードの耐圧破壊を起こすことになる。
【0016】図18は、インバータ装置の他の部分に、リアクトルを用いる場合を示す。79は、力率改善用リアクトルで、整流ダイオード14〜19と平滑コンデンサ53の間に挿入することで、ACの入力電流波形をなめらかにするものである。
【0017】図19は、従来の同相リアクトル60の製作部材と製作課程を示す図である。図において、42はコア、45は3相分で構成される巻線、80はコア42を巻線45から保護するケースである。コア42をケース80で外包し、その外側に巻線45を巻いて、同相リアクトル60を製作する。また、同相リアクトル60を1つの大きなコイルで構成すると、コイルが多重巻きになり、入出力間に浮遊容量が存在するため、高周波になるとリアクタンス値が下がり、リアクトルとして効かなくなる。また、リアクトルが多重巻きされると、巻線が銅損により発熱し、更に高周波で動作しているためにコアより鉄損が発生するが、巻線が巻かれているため放熱が悪くコアの温度が上昇する。このコアの温度上昇によりコイルのリアクタンス値が減少し、また、磁気飽和し易くなる。この対策としてコアを大型にする必要があり、コスト上昇及び装置の大型化へつながる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のリアクトルは、以上のように構成されているので、以下の問題点があった。コイルの巻き方において、1つの大きなコイルに多重巻きすると重なった所で線間浮遊容量が存在し、高周波になるとリアクトルとして動作しなくなる。リアクトルが従来の方法で製作すると熱が内部にこもり、リアクタンス値が下がると共に、磁気飽和を起こし易くなる。
【0019】また、従来のインバータ装置は、以上のように構成されているので、以下の問題点があった。リアクトルがある程度の厚みがあって、主回路基板上に表面実装出来ず、別置きとなるために、電圧クランプダイオードから平滑コンデンサまでの配線が長くなる。このために電圧クランプダイオードの両端電圧が上昇し、線間電圧を直流母線電圧にクランプできなくなり、また、クランプダイオードの耐圧を越え、ダイオードを破壊することがある。また、リアクトルが主回路基板上に表面実装出来ず、別置きとなるために、同相フィルタ回路では配線長により漏れリアクタンスが存在し、線間電圧が共振して所望電圧が得られない。また、リアクトルを小型薄型化し、同一基板上に表面実装する先行技術としては、例えば、特開平3−135371号公報及び特開平3−135373号公報があるが、インバータ装置に使用するためには小型薄型でかつ線間耐圧600Vで使用出来るリアクトルが必要となった。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるリアクトルは、金属基板の上に絶縁薄膜を施し、その上に導電性薄膜でパターンを形成する金属プリント基板とリング状の鉄心と、前記鉄心のリングを横切るように、前記金属プリント基板に所定の間隔をあけて配置された複数の短冊状パターンと、前記短冊状パターンのランド部に設けられたボンディングパットと、一つの前記短冊状パターンと所定個離れた他の一つの前記短冊状パターンとを接続するワイヤと、前記リング状の鉄心と前記短冊状パターンとを絶縁する絶縁材からなり、前記金属プリント基板の前記複数の短冊状パターンに近接して、絶縁材を介して前記鉄心を配し、前記鉄心のリング内側の一つの前記短冊状パターンと前記ワイヤの一端を接続、またはボンディングパットを介して接続し、前記ワイヤを前記鉄心を跨ぐように配置して、所定個離れた前記鉄心のリング外側の他の一つの前記短冊状パターンに接続、またはボンディングパットを介して接続し、これを繰り返すことにより、前記リング状の鉄心に前記パターンと前記ワイヤからなるコイルを捲回したものである。
【0021】第2の発明による同相リアクトルは、第1の発明によるリアクトルにおいて、前記リング状の鉄心に前記パターンと前記ワイヤからなるコイルを複数相分、相毎に同方向に捲回し、同相電圧にのみ対して動作する同相リアクトルとしたものである。
【0022】第3の発明は、直流電源から電力の供給を受け直流を交流に変換する複数のスイッチング素子からなるインバータ装置において、前記複数のスイッチング素子を搭載する金属プリント基板上に、第2の発明の同相リアクトルを含む同相フィルタを前記スイッチング素子の出力側に設けたものである。
【0023】
【作用】第1及び第2の発明によるリアクトル及び同相リアクトルは、熱伝導性の良い金属プリント基板の複数の短冊状パターンに近接してリング状の鉄心を配し、前記鉄心のリング内側の一つの前記短冊状パターンとワイヤの一端を接続し、前記ワイヤを前記鉄心を跨ぐように配置して、所定個離れた前記鉄心のリング外側の他の一つの前記短冊状パターンに接続し、これを繰り返すことにより前記リング状の鉄心に前記パターンと前記ワイヤからなるコイルを捲回したため、線間浮遊容量が存在しにくく、高周波になってもリアクトルとして動作することが出来、また、ワイヤの熱が金属プリント基板から放熱され、熱が内部にこもりにくいため、リアクタンス値が下がることも少なくなり、磁気飽和を起こしにくくなる。
【0024】第3の発明は、直流電源から電力の供給を受け直流を交流に変換する複数のスイッチング素子からなるインバータ装置において、前記複数のスイッチング素子を搭載する金属プリント基板上に、第2の発明に記載の同相リアクトルを含む同相フィルタを前記スイッチング素子の出力側に設けたため、配線長が短くて済み、漏れリアクタンスにより線間電圧が共振することがなく、また、クランプダイオードから平滑コンデンサまでの配線長が短くて済むことにより、クランプダイオードの両端電圧が、線間電圧を直流母線電圧にクランプ出来ず上昇することがなくなり、また、クランプダイオードの耐圧を越え、ダイオードを破壊するといったこともなくなる。
【0025】
【実施例】
実施例1.第1及び第2の発明を図により説明する。図1は第2の発明の一実施例における同相リアクトルの製作例であり、(a)はリアクトルの平面図、(b)は(a)のA−A断面を示すリアクトルの断面図である。図において、110は例えば熱伝導性の良い金属基板の上に絶縁薄膜を施し、その上に導電性薄膜でパターンを形成する金属プリント基板等の絶縁基板、111は絶縁基板110上のパターン、112は絶縁塗装を施したリング状のコア、113はワイヤ(U相、V相、W相分)、114はリング状のコア112とパターン111との間に挿入する例えばアンダーレジスト等の絶縁材である。この実施例のリアクトルは、絶縁基板110とリング状のコア112と、コア112のリングを横切るように、絶縁基板110に所定の間隔をあけて配置された複数の短冊状パターン111と、一つの短冊状パターン111と所定個離れた他の一つの短冊状パターン111とを接続するワイヤ113とからなり、絶縁基板110の複数の短冊状パターン111に近接して、絶縁材114を介してコア112を配し、3相分、相毎にコア112のリング内側の一つの短冊状パターン111とワイヤ113の一端を接続し、ワイヤ113をコア112を跨ぐように配置して、所定個離れたコア112のリング外側の他の一つの短冊状パターン111に接続し、これを繰り返すことにより、リング状のコア112にパターン111とワイヤ113からなるコイルを捲回したものである。
【0026】図2はこの発明のリアクトルと従来のリアクトルとの比較図である。この発明のコイルにおいて、ワイヤ113は1本当りの距離も短くて済むので、被覆がなくとも良く、外径は0.3mm程度で十分である。また、パターン111は金属基板のパターンのため、0.5程度mmで十分である。また、インバータ装置に使用する為に必要な耐圧600Vを持たせるための絶縁距離は、ワイヤ113部にシリコンゲル等を封入すれば、ワイヤ113同士は1mm程度の間隔で十分であり、パターン111はコーティングすれば、0.8mm程度で十分である。
【0027】コイルのインダクタンスLは、ターン数をn、磁路長をlとすると、次式で表される。
L∝n2/l上式より、磁路長lが小さいほど、インダクタンスLが大きくとれ、小さいコア(窓面積の小さいコア)に多くのターン数nを巻いた方がインダクタンスLを効率良く製作できる。従来のコイルでは、径の太い皮覆線を用いるために、窓面積が大きくなり、従って、磁路長の長いコアに多くのターン数を巻かねばならないので非効率的である。従来のコイルの製作例で、5A600V耐圧にするためには耐熱ビニール電線AWG26で、外径2.2mmのものが必要となる。また、従来のコイルは、放熱がし難いため、心線が太くなり、ビニールにより耐圧をとるため、外被が厚くなる。また、外被が厚くなると放熱が悪くなり、更に心線を太くしなければならないといった悪循環になることがある。また、上記説明においてはU相、V相、W相の3相分のコイルを、相毎に捲回して製作する同相リアクトルの例を示したが、単相の場合には1相分のみ考慮すれば良い。
【0028】実施例2.実施例1では、パターンとコアとの間に絶縁材を介在させた例を示したが、絶縁塗装を施したコアを使用することも可能である。
【0029】実施例3.図3は、この発明の一実施例におけるリアクトルの製作例である。実施例1と同様、絶縁基板110上でリアクトルを製作するものであるが、図1における絶縁基板110上のパターン111と、ワイヤ113との間にボンディングパット115を介在させるようにしたものである。
【0030】実施例4.実施例1では、絶縁基板110を熱伝導性の良い金属基板の上に絶縁薄膜を施し、その上に導電性薄膜でパターンを形成する金属プリント基板としたが、DBC(ダイレクト ボンディング カッパー)等を使用しても同等の効果を得ることが出来る。
【0031】実施例5.図4は、第3この発明の一実施例における主回路基板の平面図で、図14の回路図に対応する。図において、20、21は同相リアクトルで図14の60に対応し、2個直列接続して構成する。22〜27はダイオードで、図14の61に対応する。28〜30はコンデンサで図14の62〜64に対応する。31はボンディングパッドでワイヤボンディングするためのパッド、32はワイヤ、33は主回路基板1上のパターンである。
【0032】この発明のリアクトルの巻線は細いワイヤ32とパターン33で形成しているため、小さなコアでもターン数を増やせることが出来、効率的にリアクトルが作れる。図5はリアクトルの浮遊容量の比較図であり、図5(a)は従来のリアクトル1個の場合、図5(b)はこの発明のリアクトル2個の場合である。この発明のリアクトルでは、小さいコアを用いているので、従来の1個の場合に対し、直列に2個用いているが、図5(b)に示すように線間の容量は直列接続により半分となる。よって、直列接続することによって、従来に比べ、リアクトルの高周波特性が改善される。また、主回路素子とリアクトル等の配線を短かくすることが出来るので、図10の漏れリアクタンスL176,L278等を小さくすることができ、特性の良いフィルタを形成できる。
【0033】ところで上記説明では、この発明のリアクトルを同相リアクトルとして使用した場合について述べたが、図6のように図18の力率改善リアクトル79を主回路基板に実装することも出来、この場合でも図18のリアクトル79を40,41と2つに分けることで、インダクタンス値を増やし、また、浮遊容量も減らすことが出来、放熱性も良くなる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、リアクトル等の部品を主回路素子と同一基板上に配置したので漏れリアクタンス及び浮遊容量の小さいリアクトルが形成出来、また放熱性も良いため、特性の良いフィルタを得ることが出来る。
【0035】また、この発明によるリアクトルを用いることにより、漏れリアクタンス及び浮遊容量の小さいリアクトルが形成出来、また、リアクトルのコアが放熱性の良い金属基板等の絶縁基板上接着されるため、リアクトルの発熱が効率良く放熱されるため、特性の良いフィルタを持つ小型薄型のインバータ装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例におけるリアクトルの製作例である。
【図2】この発明の一実施例におけるリアクトルと従来のリアクトルとの比較図である。
【図3】この発明の一実施例におけるリアクトルの製作例である。
【図4】この発明のリアクトルを使用したインバータ装置の主回路基板の平面図である。
【図5】この発明の一実施例におけるリアクトルと従来のリアクトルの浮遊容量の比較図である。
【図6】この発明のその他の実施例で力率改善リアクトルを主回路基板に実装したものある。
【図7】従来のインバータ装置のブロック図とその接続図である。
【図8】従来のインバータ装置のスイッチング時の電圧波形説明図である。
【図9】従来のインバータ装置の主回路部の断面図である。
【図10】従来のインバータ装置においてコモンモードノイズの経路を示す等価回路図である。
【図11】同相電圧の変化をなめらかにする同相フィルタとその接続図である。
【図12】同相フィルタ付インバータのコモンモードノイズの経路を示す等価回路図である。
【図13】差動フィルタを用いた場合の構成図である。
【図14】従来の同相フィルタ付インバータ主回路部の実体配線図である。
【図15】図14の等価回路図である。
【図16】図15の電圧波形である。
【図17】図15の電圧波形である。
【図18】インバータ装置の他の部分にこの発明を用いた場合の回路図である。
【図19】従来の同相リアクトルの製作部材と製作過程を示す図である。
【符号の説明】
1 主回路基板
2〜7 スイッチング素子
8〜13 帰還ダイオード
14〜19 整流ダイオード
20、21 コア
31 ボンディングパッド
32 ワイヤ
33 パターン
51 インバータ装置
53 平滑コンデンサ
60 同相リアクトル
61 電圧クランプダイオード
62〜64 コンデンサ
70〜72 差動リアクトル
73〜75 コンデンサ
76,78 配線インダクタンス
77 リアクトルの線間容量
79 力率改善用リアクトル
110 絶縁基板
111 絶縁基板上のパターン
112 コア
113 ワイヤ
114 絶縁材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属基板の上に絶縁薄膜を施し、その上に導電性薄膜でパターンを形成する金属プリント基板とリング状の鉄心と、前記鉄心のリングを横切るように、前記金属プリント基板に所定の間隔をあけて配置された複数の短冊状パターンと、前記短冊状パターンのランド部に設けられたボンディングパットと、一つの前記短冊状パターンと所定個離れた他の一つの前記短冊状パターンとを接続するワイヤと、前記リング状の鉄心と前記短冊状パターンとを絶縁する絶縁材とからなり、前記金属プリント基板の前記複数の短冊状パターンに近接して、前記絶縁材を介して前記鉄心を配し、前記鉄心のリング内側の一つの前記短冊状パターンと前記ワイヤの一端を接続、またはボンディングパットを介して接続し、前記ワイヤを前記鉄心を跨ぐように配置して、所定個離れた前記鉄心のリング外側の他の一つの前記短冊状パターンに接続、またはボンディングパットを介して接続し、これを繰り返すことにより、前記リング状の鉄心に前記パターンと前記ワイヤからなるコイルを捲回したことを特徴とするスイッチング装置のリアクトル。
【請求項2】 前記リング状の鉄心に前記パターンと前記ワイヤからなるコイルを複数相分、相毎に同方向に捲回し、同相電圧にのみ対して動作する同相リアクトルとしたことを特徴とする請求項1記載のリアクトル。
【請求項3】 直流電源から電力の供給を受け直流を交流に変換する複数のスイッチング素子からなるインバータ装置において、前記複数のスイッチング素子を搭載する金属プリント基板上に、請求項2記載の同相リアクトルを含む同相フィルタを前記スイッチング素子の出力側に設けたことを特徴とするインバータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図9】
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【図10】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図18】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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