説明

金箔地が付着された浴槽

【課題】浴槽本体の内面にコーティングビニールでコートされた金箔地片を付着して金箔地層を形成し、この金箔地層の外面にさらに樹脂材でコーティング層を形成して、金箔地の剥離現象を事前に防止し、金が有する高級さと機能性によって、製品の高級さと消費者の好みを充足させることができる、金箔地が付着された浴槽を提供する。
【解決手段】本発明に係る金箔地が付着された浴槽は、浴槽本体と、上面に熱融着によりビニールがコートされた金箔地片を、前記浴槽本体の内面に接着剤で付着して形成される金箔地層と、前記金箔地層の外面に樹脂材を塗布して形成される表面コーティング層と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金箔地が付着された浴槽に関し、より詳しくは、金箔地を付着して、水質改善と疲労回復等の効果を増進させるとともに、製品の高級さを演出して、消費者の好みを充足させることができるようにした、金箔地が付着された浴槽に関する。
【背景技術】
【0002】
現代生活に入って、ウェルビーイングの熱風により、人々は健康を最優先に考え、それに応じる有益な商品がたくさん出ている。その中、一般的に現代人には、疲労回復と健康増進のために、温水が溜まっている浴槽に体を沈める方法が広く愛用されている。このような風呂入浴は、血液循環を促進させて疲労回復はもとより健康増進の効果があることが知られている。
【0003】
最近、前記風呂入浴の効果を増進させるための手段として、お湯に各種の薬草を加えたり、温泉水と同様の成分の添加剤を混合したりする等の方法が利用されてきたが、このような方法は、一回使った後は廃棄しなければならないので、使用する毎に薬草や温泉水等の添加剤を混合しなければならないという煩わしさがあった。
【0004】
また、前記加えられた成分が、入浴中に発生する老廃物により、それ自体が持っている固有成分を十分に発揮せず、持続的な効能を期待することができなくなる。しかも、薬草を利用した添加剤等は、水質の成分を改善する役割をすることができないため、水質自体が持っている有害性分を中和及び除去できないのみならず、室内に特有の臭いが漂うため、その使用を嫌う実情であった。
【0005】
また、従来、浴槽用原料に抗菌機能がないので、製品を長時間使用する際に、水分と接触すると、細菌が増殖して衛生的でないという欠点があり、これを補完するために、ゲルコート樹脂組成物に一定量の無機抗菌剤の粉末を混合して抗菌コーティング剤を得、これを浴槽内の表面に塗布して60℃以下で硬化させることにより、浴槽と一体になるように製造した、抗菌浴槽(特許文献1参照)が開示されているが、これは、浴槽の表面に抗菌コーティング剤を塗布するとしても、衝撃及び摩耗によりその効果が持続できないため、製品が高級でない。
【0006】
また、浴槽の使用時、玉や硫黄と麦飯石の有益な気を体験できるように、浴槽形成物質に玉と硫黄と麦飯石の粉末等と混合して製造された浴槽、及び浴槽の内面に複数個の凹溝を形成し、前記凹溝内に玉と硫黄と麦飯石の粉末を入れて製造される浴槽(特許文献2参照)が開示されているが、これは、前記浴槽形成物質としてはFRPが適当であり、人造大理石を材質に使用する場合は、混合作業が不可能でるため、凹溝内への挿入は、接着剤を用いなければならず、このため、凹溝内に挿入された硫黄と麦飯石の粉末が離脱しやすいという問題点があった。
【0007】
また、浴槽の全体が金からなったものもあるが、これは、生産過程で多大な費用が発生するので、一般人の使用がほとんど不可能であり、少量の金を使用しようとすると、厚さを最小化させて付着するしかないが、この場合は、薄い金箔地が容易に裂けてしまって、生産作業でも多くの難しさが発生する問題点が提起されている。
【0008】
さらに、遠赤外線と陰イオンを発生させるために、麦飯石、セラミック粉末や麦飯石粉末を用いて浴槽を成形する技術があるが、これは、重量が重過ぎ、施工時または移動時に難しさがあり、遠赤外線及び陰イオン以外には、他の効果を得ることができないという短所があった。
【特許文献1】韓国登録特許第2000−257084号公報
【特許文献2】韓国登録特許第2003−370629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、浴槽本体の内面に金箔地とセラミックを付着して細菌の繁殖を抑制することにより、抗菌性が得られるようにし、陰イオン及び遠赤外線を多量に放出させて、水質改善と疲労回復及び健康増進が促進されるようにした、金箔地とセラミック部材が付着された浴槽を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、金箔地による製品の高級さを演出して、消費者の好みを充足させることができる、金箔地とセラミック部材が付着された浴槽を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明の一実施の形態に係る金箔地が付着された浴槽によれば、浴槽本体と、上面に熱融着によりビニールがコートされた金箔地片を、前記浴槽本体の内面に接着剤で付着して形成される金箔地層と、前記金箔地層の外面に樹脂材を塗布して形成される表面コーティング層と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記浴槽本体には内面に等間隔を置いて複数個の結合溝が設けられており、前記結合溝に嵌合する嵌合部と、この嵌合部の上側に拡張形成されるとともに、上面が曲面加工される上部体とが一体に形成されるセラミック部材と、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記セラミック部材は、前記嵌合部の上部の外周面にゴムパッキングが設けられることが好ましい。
【0014】
また、前記セラミック部材の嵌合部は、結合溝に嵌合するとともに、接着剤で結合固定されることが好ましい。
【0015】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づく以下の詳細な説明によりさらに明らかとなる。さらに、本明細書及び請求の範囲において用いられた用語や単語は、発明者が、自分の発明を最も最良の方法で説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則に則して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、浴槽本体の内面にコーティングビニールでコートされた金箔地片を付着して金箔地層を形成し、この金箔地層の外面にさらに樹脂材でコーティング層を形成して、金箔地の剥離現象を事前に防止し、金が有する高級さと機能性によって、製品の高級さと消費者の好みを充足させることができるという利点がある。
【0017】
また、人体に有益な遠赤外線を多量に放射するセラミック部材を、浴槽本体の内部に設けることにより、従来のように、薬草や添加剤を別途に投入して廃棄する必要がなく、遠赤外線及び陰イオンによる効能を提供することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る浴槽を示す一部切欠側面図であり、図2は、金箔地片が付着された浴槽の内面を示す切欠側面拡大図であり、図3は、本発明の他の好ましい実施の形態に係る浴槽を示す切欠側面図であり、図4は、セラミック部材が付着された浴槽の内面を示す切欠側面拡大図であり、図5と図6は、本発明に係るセラミック部材の様々な実施の形態を示す斜視図である。
【0020】
図示のように、本発明に係る金箔地とセラミック部材が付着された浴槽は、一定の大きさを有する長方形の金箔地片20を複数個有し、これらの金箔地片20を浴槽本体10の内面に連結して付着させて金箔地層40を形成する。
【0021】
この際、前記金箔地片20は、上面に熱融着によりビニール30がコートされる。すなわち、前記金箔地片20の一側表面にコーティングビニール30を密着した状態で、このコーティングビニール30に、所定の加熱装置を用いて熱を加えると、その熱により、前記コーティングビニール30が加熱されながら粘着力が発生し、結果として、金箔地片20の表面にコーティングビニール30が堅固に付着されて一体に形成されるようになる。
【0022】
ここで、前記金箔地片20の表面にコーティングビニール30を付着させる理由については、高価の金を前記浴槽本体10の内面全体に付着するのには、多量の金が必要であるため、費用節減のために、前記金箔地片20の厚さを薄くして付着しなければならず、この際、付着過程において、金箔地が容易に避けたり損傷したりするからである。したがって、このような短所を解決するために、前記金箔地片20の表面に、前記コーティングビニール30をコートすることにより、作業が容易となり、前記金箔地片20の損傷を最小化することができる。
【0023】
このように構成されるコーティングビニール30が付着された金箔地片20は、前記浴槽本体10の内面全体をカバーできるように、接着剤で付着されることにより金箔地層40を形成するようになる。
【0024】
このように形成された金箔地層40は、その表面全体に樹脂材を一定の厚さで塗布してコーティング層50を形成する。
【0025】
ここで、前記コーティング層50を形成させる理由については、前記コーティングビニール30を用いて前記金箔地20を保護してはいるが、金箔地とセラミック部材が付着された浴槽を使用する際に、衝撃や長期間使用にも係わらず、付着された高価の前記金箔地層40をより安全に保護して毀損を防止し、また、付着された前記金箔地片20間から水が吸収されて接着力が落ちることを防止するためである。
【0026】
さらに、図3乃至図6に示すように、上述した浴槽本体の内面に金箔地層40が形成される浴槽は、人体に有益な遠赤外線を多量に放射するセラミック部材が備えられる構造である。
【0027】
図示のように、前記浴槽本体10の内面には、等間隔を置いて複数個の結合溝70が設けられ、この結合溝70には、セラミック材料で加工されたセラミック部材60が結合される構造である。
【0028】
ここで、前記セラミック部材60は、前記結合溝70に嵌合されるとともに、接着剤で付着固定される形態を有する嵌合部61と、浴槽本体10の内面から一定の高さで突出して曲面加工される上部体62とを一体に形成する構造である。また、前記嵌合部61は、上部の外周面に、緩衝性と気密性に優れたリング状のゴムパッキング80が設けられている。
【0029】
前記ゴムパッキング80は、使用者が、入浴の際に、前記セラミック部材60に身体部位が接触することによる衝撃力を吸収して、使用者の身体に無理がかからないようにし、また、前記結合溝70に水やその他の異物が流入することによる衛生上の問題点を事前に防止するようになる。
【0030】
さらに、前記セラミック部材60は、浴槽本体10の内面から突出することにより、指圧効果があるとともに、遠赤外線を放射することができる特徴を有すれば、図5及び図6に示すように、様々な形態で実施可能である。
【0031】
このように構成される本発明に係る金箔地とセラミック部材が付着された浴槽は、コーティングビニール30がコートされた金箔地片20を、浴槽本体10の内面に付着して金箔地層40を形成し、この金箔地層40の外面に樹脂材でコーティング層50を形成することにより、浴槽の外観を美麗にするとともに、金が有する各種の機能性効能による製品の品質改善を図ることができ、特に、等間隔を置いて複数個設けられるセラミック部材60が、人体に有益な遠赤外線を多量に放射するので、疲労回復及び健康増進を促進させるようになる。
【0032】
また、前記金箔地層40は、樹脂材からなるコーティング層50によって、その外表面がカバーされる構成であるので、金箔地の耐久性を向上させて、長期間使用しても、金箔地の毀損と変質を防止することができる。
【0033】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱しない範囲内で、様々な修正及び変形が可能であることは、この技術の分野における通常の知識を有する者にとっては自明なことである。したがって、このような変形例または修正例は、本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る浴槽を示す一部切欠側面図である。
【図2】金箔地片が付着された浴槽の内面を示す切欠側面拡大図である。
【図3】本発明の他の好ましい実施の形態に係る浴槽を示す切欠側面図である。
【図4】セラミック部材が付着された浴槽の内面を示す切欠側面拡大図である。
【図5】セラミック部材の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】セラミック部材のまた他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
10 浴槽本体
20 金箔地片
30 コーティングビニール
40 金箔地層
50 コーティング層
60 セラミック部材
61 嵌合部
62 上部体
70 結合溝
80 ゴムパッキング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽本体と、
上面に熱融着によりビニールがコートされた金箔地片を、前記浴槽本体の内面に接着剤で付着して形成される金箔地層と、
前記金箔地層の外面に樹脂材を塗布して形成される表面コーティング層と、
を備えることを特徴とする、金箔地が付着された浴槽。
【請求項2】
前記浴槽本体には内面に等間隔を置いて複数個の結合溝が設けられており、前記結合溝に嵌合する嵌合部と、この嵌合部の上側に拡張形成されるとともに、上面が曲面加工される上部体とが一体に形成されるセラミック部材と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の金箔地が付着された浴槽。
【請求項3】
前記セラミック部材が、前記嵌合部の上部の外周面にゴムパッキングが設けられることを特徴とする、請求項2に記載の金箔地が付着された浴槽。
【請求項4】
前記セラミック部材の前記嵌合部が、前記結合溝に嵌合するとともに、接着剤で結合固定されることを特徴とする、請求項2に記載の金箔地が付着された浴槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−111507(P2007−111507A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154555(P2006−154555)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(506189423)
【Fターム(参考)】