説明

釣りエサ用の保持具

【課題】 釣りエサに触れずに釣り針に釣りエサを付けることができ、これを通じて衛生化やエサ付け作業の容易化などを図れる釣りエサ用の保持具を提供する。
【解決手段】 ほぼU字形の握り部材1と、この握り部材1の開閉可能な一組のハンドル2、2の先端にそれぞれ縦に接着された釣りエサ用の保持あご5とを備える。一組の保持あご5をそれぞれ断面ほぼ半円形のとい状に形成してその周壁の開口部を相互に対向させる。また、一組の保持あご5の表側における対向縁6に釣り針露出用の切り欠き7を上端から中央付近にかけてそれぞれ形成する。さらに、一の保持あご5の内周面にイソメなどの釣りエサ用の脱落防止片9を接着してその表面には他の保持あご5の方向に指向する山形歯10を備える。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、イソメやミミズなどに代表される釣りエサを釣り針に掛ける際に使用する釣りエサ用の保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、釣り針に釣りエサを付ける場合には手袋を嵌めた手で、又は直接手で釣り針に川虫、イワイソメ、又はミミズなどの釣りエサを背掛けしたり、あるいはチョン掛けして付けている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
以上のように従来、釣り針に釣りエサを付ける場合には釣りエサを指で摘まなくてはならないので、手や指がぬるぬるべとべとして不衛生、かつ不快であるという問題があった。また、摘むべき釣りエサが恐怖心、嫌悪感、若しくは不快感などを招くエサの場合、動く場合、又は滑る場合にはエサを付ける作業が困難になるという問題があった。
【0004】
本考案は、上記問題に鑑みなされたもので、釣りエサに触れずに釣り針に釣りエサを付けることができ、これを通じて衛生化やエサ付け作業の容易化などを図ることのできる釣りエサ用の保持具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案においては、上記目的を達成するため、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とし、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、少なくとも一の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけて形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵するようにしている。
また、請求項2記載の考案においては、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とし、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えるようにしている。
【0006】
また、請求項3記載の考案においては、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を相互に対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵するようにしている。
また、請求項4記載の考案においては、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を相互に対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えるようにしている。
【0007】
また、請求項5記載の考案においては、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を接合して開閉可能とし、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、少なくとも一の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけて形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵するようにしている。
また、請求項6記載の考案においては、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を接合して開閉可能とし、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えるようにしている。
【0008】
また、請求項7記載の考案においては、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵するようにしている。
さらに、請求項8記載の考案においては、一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、 一対のハンドル部材のほぼ中央部同士をばね部材を介し接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、 一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を相互に対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えるようにしている。
【0009】
ここで、実用新案登録請求の範囲における「一対のハンドル部材」は、各種の合成樹脂、金属、非鉄金属、又はステンレスなどを用いてその一部、又は全部が直線形状、傾斜形状、湾曲形状、又はこれらを組み合わせた形状に構成され、全体としてほぼC字形、ほぼU字形、ほぼV字形、ほぼY字形、又はほぼコ字形などに構成される。また、「ハンドル部材の先端部」には、ハンドル部材の先端やその近傍が含まれる。なお、「支持」には、直接的な支持、間接的な支持、一体成形、固定、接着、又は螺着(ねじやビスなどを用いて着ける)などの技術が含まれる。
【0010】
また、「釣りエサ」には、少なくとも各種のイソメ、ウドン、クロカワ虫、各種のゴカイ、ブドウ虫、細く切ったイカ、又は各種のミミズなどが含まれ、生きたエサでも死んだエサでも良い。また、「保持あご」は、各種の合成樹脂、金属、非鉄金属、又はステンレスなどを用いて3.0〜4.2cm程度の長さに構成される。また、「一対のハンドル部材をその末端部同士で接合」とは、成形などにより直接的に末端部同士を一体接合したり、あるいは回転軸、蝶番、ヒンジ部材、又は連結部材などを用いて間接的に接合することをいう。なお、「末端部」
には、末端やその近傍が含まれる。
【0011】
また、「開閉可能」には揺動可能(揺れ動き可能)などの技術が含まれる。また、「滑り止め」は、単数複数の凹部、合成樹脂片、ゴム片、凸部、又はみぞなどからなり、ハンドル部材の先端部寄り、中央部、又は末端部寄りなどに固定、成形、接着、又は螺着などの技術で設けられる。また、「断面ほぼC字形」には、断面がほぼU字形、開口部の広がったほぼΩ字形、ほぼ半円形、又はほぼコ字形などの形状が含まれる。また、「保持あごの表側における対向縁」とは、ハンドル部材が障害にならない空間側における保持あごの相対する縁をいう。なお、「切り欠き」は、その一部、又は全部が直線状、傾斜状、又は湾曲状に形成され、全体として8〜20mm程度の長さに形成される。また、「一端部」には、一端やその近傍が含まれる。
【0012】
また、「脱落防止部材」は、各種の合成樹脂、ゴム、金属、非鉄金属、又はステンレスなどを用いて円錐形、円錐台形、角錐形、角錐台形、断面ほぼ凸字形、ほぼ半球形、ほぼ半楕球形、ほぼ半円形の板、ほぼ台形の板、又は内周に単数複数の歯を備えた半円弧形などに構成される。脱落防止部材の表面には釣りエサを切断しないという条件で単数複数の突部、例えば歯が設けられることが好ましい。このような脱落防止部材は、単数複数の保持あごの内面に一体成形、固定、接着、又は螺着などの技術で単数複数設けられる。
【0013】
さらに、「一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を接合」とは、一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を単数複数の凹凸部、回転軸、ジョイント、又は連結部材などを用いて洗濯バサミ、挟み、又はペンチなどのように接合することをいう。なお、「ほぼ中央部」とは、ハンドル部材の先端部及び末端部以外の部分をいう。さらにまた、「ばね部材」は、板ばね、コイルばね、図示のスプリング、又はねじりばねなどの各種のばねからなり、不使用時に一対の保持あごを接触させたり、あるいは離したりする。
【0014】
請求項1ないし4記載の考案によれば、保持あご間に釣りエサを保持してハンドル部材を握る。この際、滑り止めが設けられているときには、それを使用すると滑りにくくなる。ハンドル部材を握ると、複数の保持あごが接して釣りエサを挟むとともに、釣りエサに脱落防止部材が強く接触して規制し、保持あご間に釣りエサが確保される。この際、脱落防止部材に突部が設けられているときには、釣りエサに突部が食い込んですきまがなくなり、保持あご間に釣りエサがより確実に保持される。次に、保持あごから必要以上に露出した釣りエサの余剰部分を除去して適当な長さとし、切り欠き側の釣りエサに釣り針を差し込んでその針先を切り欠きから出せば、釣り針に釣りエサを付けることができる。
【0015】
また、請求項5ないし8記載の考案によれば、ハンドル部材を握ると保持あごが離れる保持具の場合、ハンドル部材を握って複数の保持あごを開き、保持あご間に釣りエサを保持してハンドル部材の握りを緩める。この際、滑り止めが設けられているときには、それを使用すると滑りにくい。ハンドル部材の握りを緩めると、複数の保持あごが接して釣りエサを挟むとともに、釣りエサに脱落防止部材が強く接触して規制し、保持あご間に釣りエサが保有される。この際、脱落防止部材に突部が設けられているときには、釣りエサに突部が干渉してすきまがなくなり、保持あご間に釣りエサがより適確に保持される。次に、保持あごから必要以上に露出した釣りエサの剰余部分を取り除いて適当な長さとし、切り欠き側の釣りエサに釣り針を差し入れてその針先を切り欠きから露出させれば、釣り針に釣りエサを付けることができる。
【0016】
また、請求項5ないし8記載の考案において、ハンドル部材を握ると保持あごが接触する保持具の場合、保持あご間に釣りエサを保持してハンドル部材を握る。この際、滑り止めが設けられているときには、それを使用すると滑りにくくなる。ハンドル部材を握ると、複数の保持あごが接触して釣りエサを挟むとともに、釣りエサに脱落防止部材が強く接触して規制し、保持あご間に釣りエサがつかまれる。この際、脱落防止部材に突部が設けられているときには、釣りエサに突部が食い込んですきまがなくなり、保持あご間に釣りエサがより確実に保持される。次に、保持あごから必要以上に剥き出た釣りエサの余長部分を除いて好適な長さとし、切り欠き側の釣りエサに釣り針を刺し入れてその針先を切り欠きから出せば、釣り針に釣りエサを付けることができる。
【0017】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の第1の考案の実施形態を図面を参照して説明する。
本実施形態における釣りエサ用の保持具は、図1に示すように、握り部材1と、この握り部材1を形成する一組のハンドル2、2の両先端にそれぞれ縦に支持された保持あご5とを備えている。
【0018】
握り部材1は、軽量性、耐候性、耐衝撃性、又は耐水性などに優れたABS樹脂、塩化ビニル、又はポリエステルなどの合成樹脂を用いてほぼU字形に成形され、その左右両側の湾曲した一組のハンドル2、2が屈曲して開閉するよう機能する。握り部材1の屈曲した末端中央付近には円形の通し孔3が貫通して成形されており、この通し孔3に図示しない紐、リング、又はワイヤなどが適宜通されて携帯や利用の便宜が確保される。また、各ハンドル2の先端寄りの外側面には連続した複数の山からなる指用の滑り止め4が成形され、この滑り止め4が操作性を向上させるよう作用する。
【0019】
また、各保持あご5は、軽量性、耐候性、耐衝撃性、又は耐水性などに優れたABS樹脂、塩化ビニル、又はポリエステルなどの合成樹脂を用いて断面ほぼ半円形のとい状に成形されるとともに、3.2cm程度の長さとされ、その外周面の中央部付近がハンドル2の先端に接着されており、他の保持あご5の周壁の開口部に周壁の開口部を向けた状態で向かい合っている。各保持あご5の外側(図2や図4の右側)における対向縁6には細長いほぼ長方形の切り欠き7が上端(一端)から中央付近にかけて切り欠かれている。さらに、一の保持あご5の内周面にはほぼ半円板形の脱落防止片9が接着され、この脱落防止片9の他の保持あご5に対向する対向面から連続した山形歯10が他の保持あご5の方向に突出している。
【0020】
上記構成において、釣りエサとしてイソメ11を釣り針8に付ける場合には、先ず、左手で握り部材1を軽くつかみ、一組の保持あご5、5にイソメ11を挟んで一組のハンドル2、2を少々強く握る。すると、一組の保持あご5、5が当接(当てた状態に接触させる)してイソメ11を囲むとともに、イソメ11の体の一部に脱落防止片9の山形歯10が少々食い込んでギャップがなくなり、一組の保持あご5、5の間にイソメ11が確実に挟まれる(図2参照)。したがって、イソメ11が絶えず動いても、どんなに暴れても、一組の保持あご5、5から抜けたり、落下することがなく、これを通じてエサ付け作業の著しい簡素化、スムーズ化、又は容易化を図ることができる。
【0021】
次いで、一組の保持あご5、5の上下端から飛び出したイソメ11の頭部と尾部とを図示しない挟みなどで切断し、都合の良い長さに調整する(図3ではイソメ11の頭部のみを切断している)。そして、右手で釣り針8を摘み、切り欠き7側のイソメ11の上端中心付近に上下逆の釣り針8を挿入(図4(a)参照)
して少々引き下げ、その後、イソメ11を貫いた釣り針8を返してその針先を切り欠き7から突出(図4(b)参照)させれば、釣り針8にイソメ11を付けることができる。こうしてイソメ11をチョン掛けしたら、握りを緩めて一組のハンドル2、2を離し、一組の保持あご5、5からイソメ11を外し(図5参照)
、釣り糸を垂らして釣りを楽しめば良い。
【0022】
上記構成によれば、イソメ11を摘む必要性が全くないので、手や指がぬるぬるべとべとすることがなく、これを通じて衛生化を図ることができる。また、不快感を催すことなく釣りを大いに楽しむことができ、しかも、手や指で釣り道具や衣服に触っても、これらが体液で汚れたり、異臭を放つことが全くない。また、釣りエサがイソメ11やミミズなどの恐怖心、嫌悪感、不快感、又は憂うつ感などを招くエサの場合でも、指で触れる必要性が全くないから、抵抗感なく釣り針8にイソメ11などの釣りエサを簡単に付けることが可能になる。さらに、各保持あご5が3.2cm前後の長さなので、市販されているエサ箱のどのタイプにも簡単に収納することができ、実に便利である。
【0023】
次に、図6は本考案の第2の考案の一実施形態を示すもので、本実施形態における釣りエサ用の保持具は、同図に示すように、一組のハンドル2A、2Aと、この一組のハンドル2A、2Aの両先端にそれぞれ縦に支持された保持あご5とを備えている。
【0024】
一組のハンドル2A、2Aは、ハンドル2と同様の材料を用いて成形され、各ハンドル2Aのほぼ中央にスプリングみぞ孔12が、末端寄りの外側面に連続した複数の山からなる指用の滑り止め4が、末端には円形の通し孔3がそれぞれ成形されている。一のハンドル2Aの内側のほぼ中央における対向湾曲突部13には図示しない複数の穴が、他のハンドル2Aの内側のほぼ中央における対向湾曲突部13には図示しない複数のピンがそれぞれ成形されており、これら複数の穴とピンとが相互に嵌まり合うことで一組のハンドル2A、2Aが洗濯バサミのように開閉可能に接合される。
【0025】
さらに、一組のハンドル2A、2Aのスプリングみぞ孔12の間には湾曲したワイヤ状のスプリング14が架設して取り付けられており、このスプリング14により一組の保持あご5、5が相互に当接するよう作用する。なお、一組の保持あご5、5については、第1の考案と同様であるのでその説明を省略する。
【0026】
上記構成において、釣り針8にイソメ11を付ける場合には、先ず、左手で一組のハンドル2A、2Aを握って一組の保持あご5、5を拡げ、一組の保持あご5、5にイソメ11を挟んで握りを少々緩める。すると、スプリング14の付勢作用で一組の保持あご5、5が当接してイソメ11を包囲するとともに、イソメ11の体の一部に脱落防止片9の山形歯10が少々食い込んでギャップがなくなり、一組の保持あご5、5の間にイソメ11が確実にチャックされる(この点につき、図2参照)。したがって、イソメ11が絶えず動いても、どんなにもがいても、一組の保持あご5、5から抜け落ちたりすることがなく、これを通じてエサ付け作業の大幅な円滑化、簡素化、又は迅速化が期待できる。
【0027】
次いで、一組の保持あご5、5の上下端から飛び出したイソメ11の頭部と尾部とを図示しない挟みなどでカットし、好都合な長さに調整する(この点につき、図3参照)。そして、右手で釣り針8を摘み、切り欠き7側のイソメ11の上端中心付近に上下逆の釣り針8を挿入(この点につき、図4(a)参照)して少々引き下げ、その後、イソメ11を貫通した釣り針8を回してその針先を切り欠き7から突出(この点につき、図4(b)参照)させれば、釣り針8にイソメ11を付けることができる。こうしてイソメ11をチョン掛けしたら、強く握って一組のハンドル2A、2Aを開き、一組の保持あご5、5からイソメ11を外し、釣り糸を垂らして釣りに興じれば良い。
【0028】
上記構成によれば、第1の考案の実施形態と同様の作用効果を期待することができ、しかも、釣り針8にイソメ11を付ける間、一組のハンドル2A、2Aを絶えず強く握り続ける必要がなく、操作性が実に良い。
【0029】
なお、上記実施形態ではハンドル2、2Aの先端に保持あご5を起立させて接着したものを示したが、ハンドル2の先端に保持あご5を傾けて接着しても良いのはいうまでもない。また、ハンドル2、2A及び保持あご5の全部、又は一部に蛍光塗料や発光塗料などを塗布して夜間作業の便宜を図るようにしても良い。
さらに、上記実施形態では一組のハンドル2A、2Aを握って一組の保持あご5、5を開口させる洗濯バサミタイプの保持具を示したが、なんらこれに限定されるものではなく、一組のハンドル2A、2Aを握って一組の保持あご5、5を閉じるプライヤタイプの保持具とすることも可能である。
【0030】
【考案の効果】
以上のように各請求項記載の考案によれば、簡易な構成で釣りエサに触れずに釣り針に釣りエサを付けることができ、これを通じて衛生化やエサ付け作業の容易化などを図ることができるという効果がある。
また、請求項2又は6記載の考案によれば、釣りエサに脱落防止部材の突部が食い込むから、保持あご間に釣りエサがより的確に支持され、エサ付け作業の円滑化や簡素化をも期待できる。
また、請求項3又は7記載の考案によれば、指などがスリップするのを滑り止めが防止するので、操作性や取り扱いを向上させることも可能になる。
さらに、請求項4又は8記載の考案によれば、保持あご間に釣りエサがより確かに確保され、エサ付け作業の円滑化や容易化をも期待することができる。さらにまた、指などのスリップを防ぐことができるから、操作や取り扱いをも向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の考案に係る釣りエサ用の保持具の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の保持あごの間にイソメを挟んだ状態を示す側面図である。
【図3】本考案の第1の考案に係る釣りエサ用の保持具の一実施形態を示す斜視図で、切り欠き側のイソメの端部に釣り針を挿入する状態を示す説明図である。
【図4】本考案の第1の考案に係る釣りエサ用の保持具の一実施形態を示す側面図で、(a)図は図3のイソメの端部に釣り針を挿入した状態を示す説明図、(b)図は釣り針を回転させてその針先を切り欠きから引き出す状態を示す説明図である。
【図5】図4の保持あごからイソメを外した状態を示す斜視図である。
【図6】本考案の第2の考案に係る釣りエサ用の保持具の一実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…握り部材
2、2A…ハンドル(ハンドル部材)
3…通し孔
4…滑り止め
5…保持あご
6…対向縁
7…切り欠き
8…釣り針
9…脱落防止片(脱落防止部材)
10…山形歯(突部)
11…イソメ(釣りエサ)
14…スプリング(ばね部材)

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とし、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、少なくとも一の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけて形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵したことを特徴とする釣りエサ用の保持具。
【請求項2】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とし、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えたことを特徴とする釣りエサ用の保持具。
【請求項3】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を相互に対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵したことを特徴とする釣りエサ用の保持具。
【請求項4】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材をその末端部同士で接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を相互に対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えたことを特徴とする釣りエサ用の保持具。
【請求項5】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を接合して開閉可能とし、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、少なくとも一の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけて形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵したことを特徴とする釣りエサ用の保持具。
【請求項6】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を接合して開閉可能とし、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えたことを特徴とする釣りエサ用の保持具。
【請求項7】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材のほぼ中央部同士を接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、少なくとも一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵したことを特徴とする釣りエサ用の保持具。
【請求項8】 一対のハンドル部材と、この一対のハンドル部材の先端部にそれぞれ支持された釣りエサ用の保持あごとを含み、一対のハンドル部材のほぼ中央部同士をばね部材を介し接合して開閉可能とするとともに、一対のハンドル部材に滑り止めをそれぞれ設け、一対の保持あごをそれぞれ断面ほぼC字形のとい状に形成してその周壁の開口部を相互に対向させ、一対の保持あごの表側における対向縁の一部に釣り針露出用の切り欠きを一端部から他端部方向にかけてそれぞれ形成し、一の保持あごに釣りエサ用の脱落防止部材を内蔵してその表面には突部を備えたことを特徴とする釣りエサ用の保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【登録番号】第3040311号
【登録日】平成9年(1997)5月28日
【発行日】平成9年(1997)8月19日
【考案の名称】釣りエサ用の保持具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−957
【出願日】平成9年(1997)2月7日
【出願人】(597025242)