説明

釣り竿用の多層グリップ

【課題】ユーザの手に高い感度で振動を伝えることによってユーザに最高の気分をもたらす軽量で低密度のグリップを提供する。
【解決手段】釣り竿の握り部の少なくとも一部に使用するために形成されるグリップを提供する。グリップは、第1端、第2端、及び、前記第1端と前記第2端との間で広がる取り付け面を含むエチレン・ビニル・アセテートスリーブと、外側層及び内側層を有するグリップ部材とを備える。グリップ部材の内側層は、エチレン・ビニル・アセテートであることが好ましく、スリーブ部材に接合又は接着されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年5月11日出願の米国特許仮出願第61/177,210号(発明の名称:釣り竿用の多層グリップ)、及び、2009年6月2日出願の米国特許仮出願第61/183,484号(発明の名称:釣り竿用の多層グリップ)の優先権を主張するものであり、当該各米国特許仮出願の全体がここに引用することにより組み入れられる。
【0002】
発明の実施形態は、製品の握り部、特に、釣り竿の握り部に使用するための改良されたグリップに関する。
【背景技術】
【0003】
グリップは進化してきたものの、グリップの改良に対する要求は依然として残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一部の実施形態は、製品の握り部の少なくとも一部に使用するために形成されるグリップを提供し、当該グリップは、第1端、第2端、及び、第1端と第2端との間で広がる取り付け面を含むエチレン・ビニル・アセテートスリーブと、グリップ部材とを備える。一部の実施形態では、グリップ部材は、エチレン・ビニル・アセテート内側層、及び、ポリウレタンを備える外側層を備え、グリップ部材の内側層はスリーブの取り付け面に接着される。一部の実施形態では製品は釣り竿である。
【0005】
一部の実施形態は、グリップに使用するためのスリーブの製造方法を提供し、当該製造方法は、第1型内でスリーブの初期成形品を射出成形する工程を備え、スリーブの初期成形品はエチレン・ビニル・アセテートを備える。一部の実施形態では、その後、射出成形されたスリーブの初期成形品が第1型から取り出され、スリーブの初期成形品の内側空洞に芯棒が挿入される。一部の実施形態では、芯棒及びスリーブの初期成形品が追加の工作機械に投入されて、温度、及び、エチレン・ビニル・アセテートの凝固を制御するための1以上の温度での経過時間の制御を可能にすることによって、完成品のエチレン・ビニル・アセテートの密度が、初期成形品に射出されるエチレン・ビニル・アセテートの密度の少なくとも約2分の1にされる。
【0006】
一部の実施形態では、製品の握り部の少なくとも一部に使用するために形成されるグリップを提供し、当該グリップは、第1端、第2端、及び、第1端と第2端との間で広がる取り付け面を含むエチレン・ビニル・アセテートスリーブと、グリップ部材とを含む。一部の実施形態では、グリップ部材は、エチレン・ビニル・アセテート内側層、及び、ポリウレタンを備える外側層を含み、グリップ部材の内側層は、スリーブの取り付け面に接着され、グリップ部材の重量に対するスリーブの重量の比率は約3以下である。一部の実施形態では製品は釣り竿である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態は、ユーザの手に高い感度で振動を伝えることによってユーザに最高の気分をもたらす点、及び、軽量で低密度である点を含む1以上の利点を含む。釣り竿のグリップに関連して、低密度化及び極端な軽量化によれば、グリップはどんなに濡れても水に浮かぶことができる。
【0008】
発明のさらなる目的、特徴及び利点は、発明の例示の実施形態を示す添付図面に関連してなされる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一部の実施形態に係るグリップを組み込んだ例示的な釣り竿を示す斜視図である。
【図2】一部の実施形態に係るグリップ構成要素の正面図である。
【図3】一部の実施形態に係る図2の構成要素の製造に用いられるブロック材料の斜視図である。
【図4】一部の実施形態に係るグリップ構成要素の製造工程で使用するためのマウントを付けた図3のブロックの斜視図である。
【図5】一部の実施形態に係るグリップ構成要素の製造工程で使用される研削ホイールと図4のマウントを付けたブロックとの斜視図である。
【図6】一部の実施形態に係る部分的に形成されたグリップ構成要素の斜視図である。
【図7】一部の実施形態に係る形成されたグリップ構成要素の斜視図である。
【図8】一部の実施形態に係る、マウントが取り外された後で端部充填材が取り付けられる前の図7のグリップ構成要素の端部の斜視図である。
【図9】一部の実施形態に係る、端部充填材が取り付けられた後の図8の端部の斜視図である。
【図10】一部の実施形態に係る図2のグリップ構成要素に使用するために形成されるグリップ部材の斜視図である。
【図11】図10の11−11線に沿ったグリップ部材の一部の拡大図である。
【図12】図11の円12で囲まれるグリップ部材の一部の拡大図である。
【図12A】一部の実施形態に係る図12の一部の代替例の図である。
【図13】一部の実施形態に係る製造工程中のグリップ構成要素及びグリップ部材の正面図である。
【図14】一部の実施形態に係る完成品のグリップを示す。
【図15】図14の15−15線に沿った図14のグリップの断面図である。
【図16】一部の実施形態に係る、図15の円16で囲まれる図14のグリップの一部を示す拡大図である。
【図17】一部の実施形態に係る、図15の円17で囲まれる図14のグリップの一部を示す拡大図である。
【図17A】一部の実施形態に係る図15の円17で囲まれるグリップの一部の代替構成を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明は図面に関連して詳細に説明される一方で、発明は例示の実施形態に関連して詳細に説明される。発明の本質的な範囲及び要旨を逸脱することなく、説明される実施形態は変更され及び変形され得ることが意図される。
【0011】
図1は、一部の実施形態に係るグリップGを組み込んだ釣り竿FPの斜視図である。
【0012】
図2は、一部の実施形態に係る下地スリーブ部材2すなわちスリーブの正面図である。スリーブ2は、釣り竿、ロッド又は他の製品の握り部の少なくとも一部を受け入れ可能に形成される空洞4を含む。図示される実施形態では、スリーブ2は、握り部を受け入れるようにされた開口10を含む第1端6と、実質的に閉鎖される閉端を含む第2端8とをさらに含む。取り付け面12すなわち本体は第1端6及び第2端8の間に広がる。
【0013】
図に示されるように、一部の実施形態では第1端6はニップル14を含んでもよい。ニップル14は、釣り竿FPの指フック15に適合可能に形成される段差構造であり得る。代わりに、一部の実施形態では、先端に向かって先細ってニップル14の直径を減少させて、ニップル14に近接した位置でより小さい直径を有する露出した握り部、ロッド又はシャフトからグリップGの主グリップ部50に向かって一層滑らかな移行部が形成される。ニップル14は、取り付け面12に一体に形成されてもよく、又は、別体に形成された後に取り付け面12に結合されてもよい。図に示されるように、一部の実施形態では、ニップル14は、スリーブ部材2周りで広がりつつスリーブ部材2の取り付け面12に隣接して取り付け面12から半径方向外側に延びる環状のニップル棚16を形成する。ニップル棚16はニップル接触面18及びニップル外側面20を備える。ニップル外側面20はニップル14の先細った上側部に接続され得る。
【0014】
図に示されるように、一部の実施形態では第2端8はキャップ構造22を含む。キャップ22は、握り部がスリーブ2に挿入される際に空気の排気を容易にする開口24を含めばよい。キャップ22はその一端にほぼ凸形の形状を形成している。一部の実施形態では、キャップ22は、スリーブ部材2周りに広がり、スリーブ部材2の取り付け面12に隣接しつつ取り付け面12から半径方向外側に延びる環状のキャップ棚26を形成する。キャップ棚26はキャップ接触面28及びキャップ外側面30を備える。
【0015】
図示される実施形態では、キャップ22及びニップル14はスリーブ2の本体12に一体に形成される。ニップル接触面18は取り付け面12から約90度の角度で半径方向に広がる。一部の実施形態では、ニップル接触面18は取り付け面12から約45度〜約90度の角度で広がる。一部の実施形態では、ニップル接触面18は取り付け面12から約90度〜約135度の角度で広がる。キャップ接触面28は取り付け面12から約90度の角度で半径方向に広がる。一部の実施形態では、キャップ接触面28は取り付け面12から約45度〜約90度の角度で広がる。一部の実施形態では、キャップ接触面28は取り付け面12から約90度〜約135度の角度で広がる。
【0016】
図3〜図9は一部の実施形態に係るスリーブ2の製造方法を示す。一部の実施形態では、エチレン・ビニル・アセテート(EVA)ブロック32(図3参照)が、研削処理を容易にすべく支持ロッド34(図4参照)に装着される。図5に示されるように、所望の外形を付与すべく所望の形状に形成された砥石36がEVAブロック32に接触する。ブロック32が砥石36に接触すると、グリップ部品の概略形状が形成される。取り付け面12やスリーブ2の本体を形成する同じ砥石が同時に、ニップル14及び/又はキャップ22が含まれる場合にニップル14及び/又はキャップ22を形成してもよい。代わりに、グリップGのこれらの部分は、適切な形状を有する1以上の他の砥石で形成されてもよい。
【0017】
一部の実施形態では、スリーブ2の形状が仕上げられると、取り付けロッド34は取り外されることが好ましい。一部の実施形態では、取り付けロッド34は、スリーブ2に挿入されることが意図された製品の握り部の外径にほぼ等しい外径を有する。第2端8に残存する穴38は、適切に形成されたプラグ40で塞がれ得る。一部の実施形態では、プラグ40がスリーブ2と同一の材料から形成される結果、プラグ40はスリーブ2に継ぎ目なく又は視覚的に継ぎ目なく溶け込むことができる。代わりに、プラグ40がスリーブ2と異なる材料から形成されてもよく、その結果、スリーブ2の第2端8に、審美的に心地よいデザイン又は対照的な色合い若しくは質感を付与することができる。好適には、一部の実施形態では、プラグ40は、前述の空気や他の流体の排出を可能にする小穴24すなわち開口を含む。
【0018】
図10及び図11は一部の実施形態に係るグリップ部材50を示す。グリップ部材50は、スリーブ2の取り付け面12に取り付けられる際に取り付け面12にほぼ一致するように形成される。パネルPとして示される図示の実施形態は、取り付け面12周りを包み込み又は取り付け面12周りに巻き付けられて、以下にさらに詳細に説明されるように、パネルPの側縁54、56を結合する実質的に垂直方向の継ぎ目52(図14参照)を形成する。代わりに、グリップ部材50は、取り付け面12周りに螺旋状に順番に巻きつけられるストリップで形成される。一部の実施形態では、複数のパネル及び/又は複数のストリップが組み込まれてもよい。
【0019】
図11は、図10の11−11線に沿ったグリップ部材50の断面図である。一部の実施形態では、グリップ部材50は外側層58を好適に含む。外側層58は、ベースすなわち内側層60に、固着され、接合され、接着され、又は、そうでなければ貼り付けられる。外側層58は、内側面62及び外側面64を形成しており、ポリウレタンから形成されることが好ましいが、外側層58には他の適切な材料が用いられてもよい。同様に、内側層60は、内側面66及び外側面68を形成しており、また好適にはポリマー材料、例えばエチレン・ビニル・アセテートである。一部の実施形態では、スプレー式の接着剤70が、外側層58の内側面66及び/又は内側層60の外側面68のいずれか又は両方に塗布される。適切なEVAシートは、ホヤエレクトリックボンドファクトリー(Ho Ya Electric Bond Factory(Xin Xing Ind. Area. Xin Feng W Rd., Shi Jie Town Dong Guan City, Guan Dong Province, China))から入手可能である。一部の実施形態では、EVAシート60は、保護シート(図示せず)で覆われる接着剤70を含む。保護シートは、EVAシート60がポリウレタンシート58の底側62に接触する前に除去される。代わりに、接着剤70は、ポリウレタンシート58の底側62及び/又はEVAシート60のいずれか又は両方にスプレーされるか又はそうでなければ塗布されてもよい。
【0020】
図12は、図11の円12で囲まれるグリップ部材50の一部の拡大図である。前述のように、外側層58はポリウレタンを好適に含んでいる。ポリウレタンは、好適に凝固して1以上の独立気泡(図示せず)を形成する。
【0021】
本発明の多くの実施形態は、釣り竿を含む様々な製品に使用するために十分なねじれ抵抗及び衝撃伝達性を有する軽量のグリップGを提供する。一部の実施形態では、EVAスリーブ2に接着されるポリウレタン/EVAのグリップ部材50を含む完成品のグリップは約8g〜約35gの重量を有する。一部の実施形態では、完成品のグリップGは約10g〜約25gの重量を有する。一部の実施形態では、完成品のグリップGは約12g〜約22gの重量を有する。好適な実施形態では、完成品のグリップGは、約20gの重量を有する一方で、釣り竿などの製品用のグリップに要求される所望の衝撃伝達性、粘着性及びねじれ抵抗を提供する。
【0022】
図12Aは、一部の実施形態に係る図12に示される一部の代替例の拡大図である。この実施形態では、製造工程で、ポリウレタン層58に織物メッシュ82がさらに含められる。例えば、湿式凝固処理が用いられる場合、織物メッシュ82は、ポリウレタンシート58が凝固する背面層(図示せず)に縫い付けられるか、又は、背面層に結合され得る。一部の実施形態では、背面層は、凝固するポリウレタンから流体を逃す孔を有するナイロン織物又は他の織物である。織物は、織物がグリップに含められる前にポリウレタンが取り除かれることを許容する。織物メッシュ82は、ポリウレタンに埋め込まれて背面層の除去後もポリウレタン内に残存する。
【0023】
一部の実施形態では、織物メッシュ82は、縦方向に延びる繊維(図13のパネルで形成されるグリップの場合にグリップの長軸の長さに概ね沿って延びる繊維、又は、螺旋状に巻き付けられたストリップで形成される完成品のグリップの場合にストリップの長軸方向に概ね沿って延びる繊維)、及び、横方向に延びる繊維を含む。一部の実施形態では、縦方向に延びる繊維は、横方向に延びる繊維よりも大きな直径を有することが好ましい。例えば、縦方向繊維は約0.4ミリメートル〜約0.75ミリメートルの直径を有し、横方向繊維は約0.25ミリメートル〜約0.5ミリメートルの直径を有することがある。一部の実施形態では、縦方向繊維及び横方向繊維は実質的に同一の直径を有してもよい。織物メッシュ82は、ナイロン、コットン、ポリエステルなどの適切な材料から製造されてもよい。
【0024】
図13〜図17Aは、一部の実施形態に係るスリーブ2へのグリップ部材50すなわちパネルの取り付け方法を示す。スリーブ2の取り付け面12又はグリップ部材50の内側面66又は図示されるようにその両面に接着剤162が吹き付けられ、パネルPは取り付け面12周りに巻き付けられる。一部の実施形態では、パネルの側縁54、56は、継ぎ目52に沿って重ね合わさるように削られてもよく、その結果、図15及び図17に示されるように、同一の層が同一の層にほぼ接触して接着される。代わりに、側縁54、56は、側縁54、56で又は側縁54、56に近い位置でパネルPの外側面64が継ぎ目52に沿って相互に接触するように削られてもよい。一部の実施形態では、継ぎ目52は、図17Aに示されるように、縫い糸170で縫い合わせられて閉じられる。縫い糸170は、ポリウレタン外側層58の少なくとも一部及びEVA内側層60の少なくとも一部を通って延びることが好ましい。一部の実施形態では、パネルPは、ポリウレタン表面64が内側に面するように裏返しにして縫い合わされ、継ぎ目52が縫い合わされた後、パネルPはスリーブ2に貼り付けられる際に裏返しにされ、その結果、完成品のグリップPでポリウレタン表面64が外側に面する。
【0025】
一部の実施形態では、パネルPの厚み180(図12参照)は、取り付け面12からニップル接触面18が突き出る距離190にほぼ一致し、その結果、グリップ部材50からニップル14への滑らかな移行部の創作を容易にすることができる。一部の実施形態では、パネルPの厚み180は、キャップ接触面28が取り付け面12から突き出る距離192にほぼ一致し、その結果、グリップ部材50からキャップ22への滑らかな移行部の創作を容易にすることができる。
【0026】
一部の実施形態では、EVAスリーブ2は、EVAフォームのブロック32から研削されるよりもむしろ射出成形される。エチレン・ビニル・アセテート共重合体は、軽量、低密度、柔軟性、透明性、非毒性、及び、環境ストレスによるひび割れに対する十分な耐性などの多くの優れた特性を有する。本発明の一部の実施形態は、射出成形されたEVAを扱う際の困難を克服する。例えば、EVAの凝固は比較的に時間のかかる処理である。未仕上げのEVAスリーブの射出成形後、芯棒がスリーブ内に挿入され、スリーブは、完成品の形状を制御する適切な型に移送され得る。温度及び時間の制御に基づきEVA凝固の制御を効果的に促進することができる。一部の実施形態では、スリーブ2を形成すべく射出されるEVAの密度は約1g/cm3より小さい。一部の実施形態では、密度は約0.9g/cm3〜約1g/cm3である。好適な実施形態では、密度は約0.930g/cm3〜約0.943g/cm3である。EVAの凝固の度合いを制御することは、本発明の実施例が、例えば原形の体積から約2倍又は約3倍の体積を有するEVAスリーブを含むことを可能にする。したがって、一部の実施形態では、完成品のスリーブ2の密度は元の密度の約2分の1又は約3分の1になり得る。一部の実施形態では、完成品のスリーブ2の密度は約0.25g/cm3〜約0.75g/cm3である。一部の実施形態では、完成品のスリーブ2の密度は約0.3g/cm3〜約0.6g/cm3である。
【0027】
前述のように、本発明の多くの実施形態は、釣り竿を含む様々な製品に使用するために十分なねじれ抵抗及び衝撃伝達性を有する軽量のグリップGを提供する。一部の実施形態では、完成品のスリーブ2の重量は約5g〜約15gである。一部の実施形態では、完成品のスリーブ2の重量は約7g〜約12gである。好適な実施形態では完成品のスリーブ2の重量は約10gである。一部の実施形態では、グリップ部材50の重量に対するEVAスリーブ2の重量の比率は約0.5〜約3である。一部の実施形態では、比率は約0.75〜約2である。好適な実施形態では比率は約1である。一部の実施形態では、グリップ部材50の重量に対するEVAスリーブ2の重量の比率は、約3より小さい、約2.5より小さい、約2より小さい、約1.5より小さい、約1より小さい、及び/又は、約0.5より小さい。一部の実施形態では、完成品のグリップGにおけるグリップ部材50の重量に対するスリーブ2の重量の比率は約3より小さく、かつ、完成品のグリップGの総重量は約8g〜約35gである。好適な実施形態では、完成品のグリップGにおけるグリップ部材50の重量に対するスリーブ2の重量の比率は約2より小さく、かつ、完成品のグリップGの総重量は約10g〜約18gである。
【0028】
発明はある好適な実施形態に関して説明された。各実施形態の1以上の側面が、他の実施形態の1以上の側面と組み合わせられることができ、そうした組み合わせがここで特別に意図される。さらに、開示の通常の変形もまた同様に意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り竿の握り部の少なくとも一部に使用するために形成されるグリップであって、
第1端、第2端、及び、前記第1端と前記第2端との間で広がる取り付け面を含むエチレン・ビニル・アセテートスリーブと、
前記スリーブの前記取り付け面に接着されるエチレン・ビニル・アセテート内側層、及び、ポリウレタンを含む外側層を備えるグリップ部材とを備えるグリップ。
【請求項2】
前記スリーブは約0.25g/cm3〜約0.75g/cm3の密度である請求項1に記載のグリップ。
【請求項3】
前記スリーブの密度は約0.3g/cm3〜約0.6g/cm3である請求項2に記載のグリップ。
【請求項4】
前記スリーブは約8g〜約35gの重量を有する請求項1に記載のグリップ。
【請求項5】
前記スリーブの重量は約12g〜約22gである請求項1に記載のグリップ。
【請求項6】
エチレン・ビニル・アセテートスリーブは射出成形されたものである請求項1に記載のグリップ。
【請求項7】
エチレン・ビニル・アセテートスリーブは、エチレン・ビニル・アセテートフォームのブロックから研削されて形成される請求項1に記載のグリップ。
【請求項8】
グリップ部材はパネルで形成され、前記パネルは前記取り付け面周りに巻き付けられて前記取り付け面に接着される請求項1に記載のグリップ。
【請求項9】
前記パネルは、縦方向の継ぎ目を形成する側縁を有し、前記側縁は削られる請求項8に記載のグリップ。
【請求項10】
削られた側縁は、前記側縁同士が、前記継ぎ目に沿って相互に重なるように削られて前記パネルの同一の層が前記継ぎ目に沿って同一の層に接触して接着される請求項9に記載のグリップ。
【請求項11】
削られた側縁同士が継ぎ目に沿って縫い合わせられ、第1側縁に隣接するポリウレタン層の外側面が、縫い合わせられた継ぎ目に沿って第2側縁に隣接するポリウレタン層の外側面に接触する請求項9に記載のグリップ。
【請求項12】
グリップに使用するためのスリーブの製造方法であって、
第1型内で、エチレン・ビニル・アセテートを含むスリーブの初期成形品を射出成形する工程と、
射出成形された前記スリーブの前記初期成形品を前記第1型から取り出す工程と、
前記スリーブの前記初期成形品の内側空洞に芯棒を挿入する工程と、
前記芯棒及び前記スリーブの前記初期成形品を追加の工作機械に投入して、温度、及び、エチレン・ビニル・アセテートの凝固を制御する1以上の温度での経過時間の制御を可能にし、完成品のエチレン・ビニル・アセテートの密度を、前記初期成形品に射出成形されたエチレン・ビニル・アセテートの密度の少なくとも約2分の1にする工程とを備えるスリーブの製造方法。
【請求項13】
釣り竿の握り部の少なくとも一部に使用するために形成されるグリップであって、
第1端、第2端、及び、前記第1端と前記第2端との間で広がる取り付け面を含むエチレン・ビニル・アセテートスリーブと、
前記スリーブの前記取り付け面に接着されるエチレン・ビニル・アセテート内側層、及び、ポリウレタンを備える外側層を備え、当該グリップ部材の重量に対する前記スリーブの重量の比率が約3以下であるグリップ部材とを備えるグリップ。
【請求項14】
前記グリップ部材の重量に対する前記スリーブの重量の比率は約1以下である請求項13に記載のグリップ。
【請求項15】
当該グリップの総重量は約35g以下である請求項13に記載のグリップ。
【請求項16】
当該グリップの総重量は約25g以下である請求項13に記載のグリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図17A】
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【公開番号】特開2010−246538(P2010−246538A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−89733(P2010−89733)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(594167185)
【Fターム(参考)】