釣用靴
【課題】靴本体の底面からのフェルトソールの外れを防止する釣用靴を提供する。
【解決手段】釣用靴1は、靴本体2と、靴本体2の底面に着脱自在に取り付けられ、フェルトから成る滑り止め層とフェルトよりも硬質な固定層とが一体化されて成る靴底4と、前記固定層を靴本体2の底面との間で挟持して固定する挟持手段12,13とを備える。
【解決手段】釣用靴1は、靴本体2と、靴本体2の底面に着脱自在に取り付けられ、フェルトから成る滑り止め層とフェルトよりも硬質な固定層とが一体化されて成る靴底4と、前記固定層を靴本体2の底面との間で挟持して固定する挟持手段12,13とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に魚釣りをする際に使用される釣用靴に関し、特に、靴底の裏面に滑り止め用の靴底が着脱自在に取り付けられて成る釣用靴に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、渓流釣りや磯釣り等に用いられる釣用靴は、滑り難い靴底構造を備えており、例えば特許文献1に開示されるように、靴本体と、該靴本体の底面に着脱可能な滑り止め効果を奏するフェルトソールとから成っている。そして、フェルトソールが擦り減った場合には新しいフェルトソールと交換できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−99004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1の釣用靴は、靴本体の底面とフェルトソールとが面ファスナを介して着脱自在に取り付けられているため、靴本体の底面とフェルトソールとの密着面間に砂(砂利)が入り込むと、面ファスナのフックが潰れて密着力が低下し、フェルトソールが靴本体の底面から剥がれ易くなる。また、最悪の場合には、フェルトソールが靴本体の底面から完全に外れてしまう可能性もある。
【0005】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、靴本体の底面からのフェルトソールの外れを防止する釣用靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の釣用靴は、靴本体と、前記靴本体の底面に着脱自在に取り付けられ、フェルトから成る滑り止め層とフェルトよりも硬質な固定層とが一体化されて成る靴底と、前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持して固定する挟持手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この請求項1に記載の釣用靴によれば、靴底の固定層が挟持手段により靴本体の底面に対して挟持固定されるため、靴本体の底面と靴底との間の隙間に砂利等の異物が入り込んだ場合であっても、靴底が靴本体の底面から外れることを確実に防止できる。また、挟持手段による挟持力により、靴本体の底面と靴底との密着性が強固となり、靴本体の底面と靴底とが面ファスナによって着脱自在に取り付けられている場合には、面ファスナの浮き上がりも防止できる。
【0008】
また、請求項2に記載の釣用靴は、請求項1に記載の釣用靴において、前記挟持手段は、前記靴本体の底面に埋設される受け部と、前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持するように前記受け部に受けられる止め部とを有することを特徴とする。
【0009】
この請求項2に記載の釣用靴によれば、請求項1に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、止め部が受け部に受けられることにより靴底の固定層が靴本体の底面に対して挟持固定されるため、挟持固定状態が安定する。
【0010】
また、請求項3に記載の釣用靴は、請求項2に記載の釣用靴において、前記受け部および前記止め部がネジを有し、前記止め部が前記受け部に対して着脱自在に螺合されることを特徴とする。
【0011】
この請求項3に記載の釣用靴によれば、請求項2に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、止め部と受け部との螺合に伴う締め付け力によって靴底の固定層が靴本体の底面に対して挟持固定され、止め部によって固定層が靴本体の底面に強固に押し付けられるため、靴本体の底面と靴底との密着性が強固に維持される。そのため、靴底が靴本体の底面から外れることを更に確実に防止できる。
【0012】
また、請求項4に記載の釣用靴は、請求項2に記載の釣用靴において、前記止め部が前記受け部に対して弾性的に係合されることを特徴とする。
【0013】
この請求項4に記載の釣用靴によれば、請求項2に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、止め部を受け部に対して弾性的に係合させるだけで靴底が靴本体に固定されるため、固定作業が非常に簡単である。
【0014】
また、請求項5に記載の釣用靴は、請求項1に記載の釣用靴において、前記挟持手段は、前記靴本体の底面に取り付けられる板状部材と、前記靴底を貫通して延びる前記板状部材と係止することにより前記固定層を前記靴本体に対して挟持固定する固定部材とを有するとを特徴とする。
【0015】
この請求項5に記載の釣用靴によれば、請求項1に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、靴本体の底面に取り付けられる板状部材と固定部材との係止に伴う引張力によって靴底の固定層が靴本体の底面に対して挟持固定されるため、靴本体の底面と靴底との密着性が強固に維持される。そのため、靴底が靴本体の底面から外れることを更に確実に防止できる。
【0016】
また、請求項6に記載の釣用靴は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の釣用靴において、挟持手段が靴の前端領域に設けられることを特徴とする。
【0017】
この請求項6に記載の釣用靴によれば、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、剥がれが生じ易い靴の前端領域を挟持手段によって重点的に補強することにより、靴本体の底面からの靴底の剥がれを効果的に防止できる。なお、ここで言う「前端領域」とは、足裏の母子球と小指球とを結ぶラインよりも指先側の領域のことである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の釣用靴によれば、靴底の固定層が挟持手段により靴本体の底面に対して挟持固定されるため、靴本体の底面からのフェルトソールの外れを防止できる。
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る釣用靴の分解斜視図である。
【図2】図1の釣用靴における靴本体の底面と靴底との取り付け部の要部断面図である。
【図3】靴本体の底面と靴底とを挟持手段によって挟持固定する状態を分解して示す模斜視図である。
【図4】(a)は挟持手段を構成する止め部の斜視図、(b)は(a)のA方向矢視図(平面図)、(c)は(b)の変形例を示す平面図である。
【図5】(a)は挟持手段を構成する受け部の第1の変形例の斜視図、(b)は挟持手段を構成する受け部の第2の変形例の斜視図である。
【図6】挟持手段の第2の変形例を示す斜視図である。
【図7】挟持手段の第3の変形例を示す斜視図である。
【図8】挟持手段の第4の変形例を示す要部断面図である。
【図9】挟持手段の第5の変形例を示す要部断面図(ロック前)である。
【図10】挟持手段の第5の変形例を示す要部断面図(ロック後)である。
【図11】(a)は第5の変形例に係る挟持手段のプレートの平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図12】(a)は第5の変形例に係る挟持手段のロックラバーの平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図13】(a)は第5の変形例に係る挟持手段のロックピンの半側断面図、(b)は(a)のC方向矢視図である。
【図14】(a)は第5の変形例で用いられる治具の半側断面図、(b)は(a)のD方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る釣用靴の一実施形態について具体的に説明する。
図1に示すように、本実施形態の釣用靴1は、長靴タイプ(ブーツタイプ)に適用されており、釣り人の足部を覆う靴本体2と、靴本体2の底面に対して着脱自在に取り付け固定される靴底4とを備えて構成される。靴本体2の底面と靴底4との間の着脱自在な取り付けは、特に限定されるものではないが、例えばマジックテープやベルクロ(いずれも登録商標)などの面ファスナ10A,10Bによって行なわれる。
【0021】
靴本体2は、例えば、合成ゴム、ウレタン、EVA等の合成樹脂で一体形成されており、底面を形成するミッドソール2aを有する。ミッドソール2aの表面(靴本体2の底面)には面ファスナ10Aが固着して設けられている。
【0022】
図2に詳しく示されるように、替えソールとしての靴底4は、地面と接触されるフェルトから成る滑り止め層4bと、ミッドソール2aに対向して靴本体2に取り付けられるフェルトよりも硬質な(例えば、ミッドソール2aの曲げ剛性と同等かそれ以下の合成ゴムから成る)固定層4aとが一体化されて成り、固定層4aの表面(ミッドソール2aと対向される面)には、面ファスナ10Aと着脱自在に密着接合される面ファスナ10Bが固着して設けられている。
【0023】
また、本実施形態の釣用靴1は、固定層4aをミッドソール2a(靴本体2の底面)との間で挟持して固定する挟持手段を更に有する。具体的に、この挟持手段は、特に、足裏の母子球と小指球とを結ぶラインよりも指先側にある該靴1(靴底)の前端領域と、足裏の踵近傍の後端領域とに設けられており(図1参照)、ミッドソール2a中に例えばインサート成形によって埋設されるネジ付きの受け部としての固定用ナット13と、固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持するように固定用ナット13に螺合されるネジ付きの止め部としての固定用ボルト12とを有する。
【0024】
固定用ナット13は、図3に明確に示されるように、円板状の頭部13aと、該頭部13aの略中央部分から延び且つ雌ネジを内周面に有する円筒状の軸部13bと、頭部13aの内面から軸部13bに沿って延出するとともに頭部13aの径方向に延びる複数の回転抑制部21とを有しており、例えばステンレスなどの金属、強度の高いプラスチック等によって形成されて、靴本体2(ミッドソール2a)を形成する際にその構成材料に埋設されて靴本体2(ミッドソール2a)と一体化される(図2参照)。また、このとき、回転抑制部21が広い面積にわたって前記構成材料と周方向で係止し、ミッドソール2aに対する固定用ナット13の回転を抑制する。なお、図3では、固定用ナット13の構造を分かりするため、固定用ナット13が単独で示されているが、この固定用ナット13がミッドソール2a中に埋設されていることは言うまでもない。
【0025】
一方、固定用ボルト12は、固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持するための円板状の挟持部12aと、該挟持部12aの略中央部分から延び且つ雄ネジを外周面に有する軸部12bとを有しており、例えばステンレスなどの金属、強度の高いプラスチック等によって形成される。そして、このような固定用ボルト12は、滑り止め層4bに設けられた大径孔11と固定層4aに設けられた小径孔17とに挿通されることにより、固定用ナット13に螺合されるようになっている。具体的には、滑り止め層4bに設けられた大径孔11は、固定用ボルト12を滑り止め層4bの表面よりも内側に埋没させることができる深さに形成されており、その底部で固定層4aを露出させるとともに固定層4aの小径孔17に連通している。また、小径孔17の内径は固定用ナット13の円筒状の軸部13bの外径と略一致しており、ミッドソール2aの底面から突出する軸部13bの先端部を受けることができるようになっている。
【0026】
したがって、靴底4を靴本体2の底面(ミッドソール2a)に取り付ける場合には、ミッドソール2aの底面から突出する固定用ナット13の軸部13bの先端部を固定層4aの小径孔17に嵌め入れて靴底4をミッドソール2aに対して位置決めした状態で、固定層4aの小径孔17を通じて固定用ボルト12の軸部12を固定用ナット13の軸部13bに螺合して、固定用ボルト12の挟持部12aを露出する固定層4aに対して押し付ける。これにより、ミッドソール2aと挟持部12aとの間で固定層4aが挟持され、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定される。この場合、図4の(b)に示されるように、固定層4aに対して押し付けられる固定用ボルト12の挟持部12aの圧接面部位(裏面)に、ナット13とボルト12との間のネジの緩みを防止する凸部18を設けることが好ましい。図4の(b)では、径方向に延びる4つの凸部18が周方向に等しい角度間隔を隔てて設けられている。また、そのような凸部は、図4の(c)に示されるように、挟持部12aの外周に沿って等間隔で設けられる円柱状の突起18Aであっても構わない。
【0027】
また、固定用ボルト12の挟持部12aには、固定用ボルト12を固定用ナット13に対して螺合させるための治具30の係合部30a,30a(図3参照)が係合できる一対の係合穴19,19が設けられていてもよい(図3および図4の(a)参照)。更に、本実施形態では、ミッドソール2aに対する靴底4の前述した取り付け状態を良好に保持するため、図2に示されるように、靴底4を外側から少なくとも部分的に包囲するように靴底4の周縁に沿って下方に延びる延在部2a’がミッドソール2aの周縁部に形成され、それにより、靴底4を受けるための凹部20が形成されてもよい。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の釣用靴1によれば、靴底4の固定層4aが挟持手段により靴本体2の底面に対して挟持固定されるため、たとえ靴本体2の底面と靴底4との間の隙間に砂利等の異物が入り込んだ場合であっても、靴底4が靴本体2の底面から外れる(面ファスナ10A,10B同士が外れる)ことを確実に防止できる。特に本実施形態では、挟持手段を構成するボルト12とナット13との螺合に伴う締め付け力によって靴底4の固定層14aがミッドインソール2a(靴本体2の底面)に対して挟持固定され、ボルト12の挟持部12aによって固定層4aがミッドソール2aに強固に押し付けられるため、ミッドソール2aと靴底4との密着性が強固に維持される。そのため、靴底4がミッドソール2aから外れることを更に確実に防止できる。また、挟持手段12,13による挟持力により、靴本体2の底面と靴底4との密着性が強固となり、面ファスナ10A,10Bの浮き上がりも防止できる。また、本実施形態では、剥がれが生じ易い靴の前端領域を挟持手段によって重点的に補強しているため、ミッドソール2aからの靴底4の剥がれを効果的に防止できる。
【0029】
図5は挟持手段を構成する固定用ナットの変形例を示している。図5の(a)に示される第1の変形例に係る固定用ナット13Aは、回転抑制部として(図3の回転抑制部21に代えて)、前述したインサート成形時に靴本体2(ミッドソール2a)を形成する構成材料が入り込める複数の凹部(貫通孔)23を頭部13aの外周に沿って有する。一方、図5の(b)に示される第2の変形例に係る固定用ナット13Bは、回転抑制部として(図3の回転抑制部21に代えて)、靴本体2(ミッドソール2a)を形成する構成材料中に食い込める複数の切り欠き25を頭部13aの外周に有する。
【0030】
図6は挟持手段の第2の変形例を示している。この変形例では、雄ネジおよび雌ネジ(ナットおよびボルト)の設け方が前述した実施形態と逆になっている。すなわち、この変形例では、ミッドソール2aに埋設される受け部が固定用ボルト13Cとして形成され、靴底4の大径孔11に嵌め込まれる止め部が固定用ナット12Aとして形成されている。具体的には、固定用ボルト13Cは、円板状の頭部13aと、該頭部13aの略中央部分から延びて埋設状態(取り付け状態)で小径孔17から突出し得る長さに形成されるとともに雄ネジを外周面に有する円筒状の軸部13b’と、頭部13aの内面から軸部13b’に沿って延出するとともに頭部13aの径方向に延びる複数の回転抑制部21とを有する。一方、固定用ナット12Aは、固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持するための円板状の挟持部12aと、該挟持部12aの略中央部分に形成され且つ雌ネジを内周面に有するネジ穴12b’とを有する。したがって、このような構成では、ミッドソール2aの底面から突出する固定用ボルト13Cの軸部13b’の先端部を固定層4aの小径孔17に嵌め入れて靴底4をミッドソール2aに対して位置決めした状態で、固定層4aの小径孔17から突出する固定用ボルト13Cの軸部13b’に対して固定用ナット12Aを螺合して、固定用ナット12Aの挟持部12aを露出する固定層4aに対して押し付ける。これにより、ミッドソール2aと挟持部12aとの間で固定層4aが挟持され、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定される。
【0031】
図7は挟持手段の第3の変形例を示している。本変形例の挟持手段は、靴本体2の底面に取り付けられる板状部材47と、靴底4を貫通して延びる板状部材47と係止することにより固定層4aを靴本体2に対して挟持固定する例えば矩形状の固定部材45とを有する。具体的には、板状部材47は、矩形断面の長尺部材として形成されており、これと一体を成す例えば矩形状の取り付け部48をミッドソール2a中に埋設することによりミッドソール2aに対して固定され、ミッドソール2aの底面から延出するようになっている。また、板状部材47には、その長手方向に沿って所定の間隔で多数の抜け止め用の係止突起49が形成されている。これらの係止突起49は、固定部材45の係止孔46に挿入される際にその楔状の係止端が弾性変形し、係止孔46から抜け出る際に元の形状に弾性的に復元することにより係止孔46の端縁に抜け止め状態で係止するようになっている。また、靴底4の固定層4aには板状部材47が挿通できる矩形状の小孔41が形成されるとともに、靴底4の滑り止め層4bには固定部材45を滑り止め層4bの表面よりも内側に埋没させることができる矩形状の大孔42が形成されており、大孔42はその底部で固定層4aを露出させるとともに固定層4aの小径孔41に連通している。
【0032】
したがって、このような構成において、靴底4を靴本体2の底面(ミッドソール2a)に取り付ける場合には、ミッドソール2aの底面から突出する板状部材47を靴底4の固定層4aの小孔41および保持プレート43の孔44に通した状態で、更に、露出する固定層4aに対して固定部材45を押し付けながら固定部材45の係止孔46に板状部材47を通していく。そして、十分な押し付け状態が得られる位置で板状部材47の係止突起49を固定部材45の係止孔46に係止させる。これにより、ミッドソール2aと固定部材45との間で固定層4aが挟持され、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定される。なお、このように取り付けられた状態では、固定部材45から突出する余分な板状部材47がカットされる。
【0033】
このように、本変形例の釣用靴によれば、靴本体2の底面に取り付けられる板状部材47と固定部材45との係止に伴う引張力によって靴底4の固定層4aが靴本体2の底面(ミッドインソール2a)に対して挟持固定されるため、靴本体2の底面と靴底4との密着性が強固に維持される。そのため、靴底4が靴本体2の底面から外れることを更に確実に防止できる。
【0034】
図8は挟持手段の第4の変形例を示している。図示のように、本変形例の挟持手段は、靴本体2に埋没されることなく固定される受け部としての軸体52と、止め部としての金属座金60とから構成される。軸体52は、靴本体2の底部2bに設けられた凹溝50の内側に埋没するように配置されて底部2bに係止固定される皿状の頭部52aと、靴本体2の底部2bおよびミッドインソール2aに形成された貫通孔70,80に挿通される軸部52bとを有しており、その軸方向の全長にわたって貫通して設けられる刷り割り状の孔53を利用して弾性的に縮径されることにより貫通孔70,80に挿通される。また、金属座金60は、その内孔60aを利用して、靴底4の固定層4aの小径孔17から突出される軸部52bの端部に押し付けられて嵌め込まれることにより、その圧接部60bを弾性的に固定層4aに押し当てつつ、軸部52bを大径孔11内に弾性的に引っ張るようになっている。そして、金属座金60は、軸部52bを大径孔11内に弾性的に十分に引き込んだ状態で、その圧接部60bがミッドソール2aとの間で固定層4aを挟持し、靴底4をミッドソール2aに対して強固に固定する。
【0035】
図9〜図14は挟持手段の第5の変形例を示している。図示のように、本変形例の挟持手段は、第4の変形例と同様にネジを伴うことなく挟持できる(受け部と止め部とが弾性的に係合する)構成を特徴としており、靴本体2の底面(ミッドソール2a)に埋設される受け部としてのプレート90と、靴底4に予め埋設されて固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持する止め部としてのロックラバー80とを有する。そして、後述するように、ロックラバー80は、これに挿入されるロックピン100と協働してプレート90に結合することにより靴底4を靴本体2に対して強固に固定する。
【0036】
具体的に、本変形例において、受け部としてのプレート90は、図11に明確に示されるように、中央に楕円形の取り付け挿入穴90cを有する円形のベース部90bと、該ベース部90bの外周縁から垂直に立ち上がって径方向外側に延びる環状のフランジ部90aとによって段付きリングとして形成されている。また、このプレート90は、そのベース部90bがミッドソール2aの貫通孔70内に露出して位置されるようにミッドソール2a中に例えばインサート成形によって埋設され、特に本変形例では、インサート成形時にミッドソール2aを形成する構成材料が入り込める複数の貫通孔90dおよび切り欠き90eをフランジ部90aの外周に沿って設けている。
【0037】
一方、止め部としてのロックラバー80は、例えばゴム等の弾性変形可能な樹脂によって形成されており、靴底4に例えばインサート成形によって埋設されて一体化される。具体的には、ロックラバー80は、図12に明確に示されるように、靴底4の固定層4aと滑り止め層4bとの間に埋設される(図9および図10参照)皿状のフランジ部80aと、該フランジ部80aが埋設された状態で固定層4aの貫通孔79に挿通されて位置される(図9および図10参照)円筒状の軸部80bとを有する。この場合、軸部80bの先端は、固定層4aの表面から突出して靴底4の外側に露出される。
【0038】
なお、本変形例において、靴底4は、前述した実施形態および変形例と同様、地面と接触されるフェルトから成る滑り止め層4bと、ミッドソール2aに対向して靴本体2に取り付けられるフェルトよりも硬質な固定層4aとが一体化されて成るが、固定層4aと滑り止め層4bとの間および固定層4aと面ファスナ10Bとの間に接着層72,74を有しており(この積層構造は前述した実施形態および変形例においても適用できる)、固定層4aと滑り止め層4bとの間の接着層74中にロックラバー80のフランジ部80aが埋設される。そして、フランジ部80aには、接着層74を形成する構成材料(例えばゴム)が入り込める複数の切り欠き80gが外周に沿って設けられる。また、本変形例では、固定層4aがフェルトから形成されていてもよい。
【0039】
また、軸部80bは、その中心にロックピン挿通孔80cを有しており、ロックピン挿通孔80cを外側から取り囲む3つの軸体80d,80d,80dによって構成される。すなわち、軸部80dは、スリット82により周方向にほぼ3等分されて断面が略扇形の3つの軸体80d,80d,80dに分割されており、スリット82の存在により固定層4aの表面から突出するその先端側が径方向外側に放射状に拡径(弾性変形)できるようになっている。なお、ロックピン挿通孔80cは軸部80bの先端開口部80fおよびフランジ部80aの底面でそれぞれ開口しており、ロックピン挿通孔80cと先端開口部80fとの間の軸部80bの内面には、ロックピン挿通孔80cに挿通されるロックピン100が軸体80d,80d,80dの先端側を径方向外側に押し広げて先端開口部80fから外側に突出するのを促す(案内する)ための先細りテーパ面80eが形成されている。
【0040】
また、ロックラバー80のロックピン挿通孔80cに挿通されるロックピン100は、図13に明確に示されるように、断面が円形の軸部100bから成り、軸部100bの後端には図14に示される治具150の係合溝152と係合可能な略楕円形状の係合突起100dが設けられる。また、軸部100bには、係合突起100dの近傍に、ロックピン100がロックラバー80のロックピン挿通孔80cに挿通されてロックされるときにロックラバー80のフランジ部80aの底面に圧接するフランジ状の圧接部100aが設けられる。更に、軸部100bの先端にはフランジ状の抜け止め部100cが形成されている。
【0041】
したがって、上記構成において靴底4を靴本体2の底面(ミッドソール2a)に取り付ける場合には、靴底4の表面から突出するロックラバー80の軸部80bの先端側をミッドソール2aの貫通孔70内に差し入れてこの貫通孔70に位置されるプレート90の取り付け挿入穴90cに挿入する。そして、その状態から、ロックラバー80の軸部80bの先端側を取り付け挿入穴90cを通じてプレート90の上側に所定量突出させると、ミッドソール2aの表面(靴本体2の底面)の面ファスナ10Aと固定層4aの表面(ミッドソール2aと対向される面)の面ファスナ10Bとが適正な位置で密着接合される。その後、今度は、治具150を用いて(治具150の係合溝152をロックピン100の係合突起100dと係合させた状態で)ロックラバー80のロックピン挿通孔80cにロックピン100を挿通すると、挿通されたロックピン100は、ロックピン挿通孔80cの先細りテーパ面80eの案内によって先端開口部80fへ向けて押し進んで、プレート90の上側に突出したロックラバー80の軸体80d,80d,80dの先端側を径方向外側に押し広げ(軸体80d,80d,80dの先端側がプレート90のベース部90b上に係止する)、ロックラバー80をプレート90に対してロックする。そして、ロックピン100の抜け止め部100cが先端開口部80fから外側に突出して、ロックピン100がロックラバー80に対して抜け止めされた状態で、前記ロック状態が保持される。これにより、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定されることになる。その状態が図10に示されている。
【0042】
以上のように、本変形例では、第4の変形例と同様にネジを用いることなく靴底4を靴本体2に対して固定できるため、固定作業が非常に簡単である。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態では、釣用靴として、ブーツタイプを例示したが、短靴タイプ(運動靴タイプ)に適用しても良い。すなわち、靴本体1の形状、素材については、適宜変形することが可能である。また、挟持手段の構造や挟持形態も前述した実施形態に限定されず任意である。また、挟持手段の配置位置は、靴の前端領域および後端領域に限らず、また、挟持手段の数も任意である。更に、前述した実施形態では、固定用ナット13の軸部13bがミッドソール2aの底面から突出していたが、突出していなくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 釣用靴
2 靴本体
4 靴底
4a 滑り止め層
4b 固定層
12 固定用ボルト(挟持手段、止め部)
13 固定用ナット(挟持手段、受け部)
45 固定部材
47 板状部材
52 軸体(挟持手段、受け部)
60 金属座金(挟持手段、止め部)
80 ロックラバー(挟持手段、止め部)
90 プレート(挟持手段、受け部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に魚釣りをする際に使用される釣用靴に関し、特に、靴底の裏面に滑り止め用の靴底が着脱自在に取り付けられて成る釣用靴に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、渓流釣りや磯釣り等に用いられる釣用靴は、滑り難い靴底構造を備えており、例えば特許文献1に開示されるように、靴本体と、該靴本体の底面に着脱可能な滑り止め効果を奏するフェルトソールとから成っている。そして、フェルトソールが擦り減った場合には新しいフェルトソールと交換できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−99004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1の釣用靴は、靴本体の底面とフェルトソールとが面ファスナを介して着脱自在に取り付けられているため、靴本体の底面とフェルトソールとの密着面間に砂(砂利)が入り込むと、面ファスナのフックが潰れて密着力が低下し、フェルトソールが靴本体の底面から剥がれ易くなる。また、最悪の場合には、フェルトソールが靴本体の底面から完全に外れてしまう可能性もある。
【0005】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、靴本体の底面からのフェルトソールの外れを防止する釣用靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の釣用靴は、靴本体と、前記靴本体の底面に着脱自在に取り付けられ、フェルトから成る滑り止め層とフェルトよりも硬質な固定層とが一体化されて成る靴底と、前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持して固定する挟持手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この請求項1に記載の釣用靴によれば、靴底の固定層が挟持手段により靴本体の底面に対して挟持固定されるため、靴本体の底面と靴底との間の隙間に砂利等の異物が入り込んだ場合であっても、靴底が靴本体の底面から外れることを確実に防止できる。また、挟持手段による挟持力により、靴本体の底面と靴底との密着性が強固となり、靴本体の底面と靴底とが面ファスナによって着脱自在に取り付けられている場合には、面ファスナの浮き上がりも防止できる。
【0008】
また、請求項2に記載の釣用靴は、請求項1に記載の釣用靴において、前記挟持手段は、前記靴本体の底面に埋設される受け部と、前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持するように前記受け部に受けられる止め部とを有することを特徴とする。
【0009】
この請求項2に記載の釣用靴によれば、請求項1に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、止め部が受け部に受けられることにより靴底の固定層が靴本体の底面に対して挟持固定されるため、挟持固定状態が安定する。
【0010】
また、請求項3に記載の釣用靴は、請求項2に記載の釣用靴において、前記受け部および前記止め部がネジを有し、前記止め部が前記受け部に対して着脱自在に螺合されることを特徴とする。
【0011】
この請求項3に記載の釣用靴によれば、請求項2に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、止め部と受け部との螺合に伴う締め付け力によって靴底の固定層が靴本体の底面に対して挟持固定され、止め部によって固定層が靴本体の底面に強固に押し付けられるため、靴本体の底面と靴底との密着性が強固に維持される。そのため、靴底が靴本体の底面から外れることを更に確実に防止できる。
【0012】
また、請求項4に記載の釣用靴は、請求項2に記載の釣用靴において、前記止め部が前記受け部に対して弾性的に係合されることを特徴とする。
【0013】
この請求項4に記載の釣用靴によれば、請求項2に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、止め部を受け部に対して弾性的に係合させるだけで靴底が靴本体に固定されるため、固定作業が非常に簡単である。
【0014】
また、請求項5に記載の釣用靴は、請求項1に記載の釣用靴において、前記挟持手段は、前記靴本体の底面に取り付けられる板状部材と、前記靴底を貫通して延びる前記板状部材と係止することにより前記固定層を前記靴本体に対して挟持固定する固定部材とを有するとを特徴とする。
【0015】
この請求項5に記載の釣用靴によれば、請求項1に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、靴本体の底面に取り付けられる板状部材と固定部材との係止に伴う引張力によって靴底の固定層が靴本体の底面に対して挟持固定されるため、靴本体の底面と靴底との密着性が強固に維持される。そのため、靴底が靴本体の底面から外れることを更に確実に防止できる。
【0016】
また、請求項6に記載の釣用靴は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の釣用靴において、挟持手段が靴の前端領域に設けられることを特徴とする。
【0017】
この請求項6に記載の釣用靴によれば、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の釣用靴と同様の作用効果が得られるとともに、剥がれが生じ易い靴の前端領域を挟持手段によって重点的に補強することにより、靴本体の底面からの靴底の剥がれを効果的に防止できる。なお、ここで言う「前端領域」とは、足裏の母子球と小指球とを結ぶラインよりも指先側の領域のことである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の釣用靴によれば、靴底の固定層が挟持手段により靴本体の底面に対して挟持固定されるため、靴本体の底面からのフェルトソールの外れを防止できる。
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る釣用靴の分解斜視図である。
【図2】図1の釣用靴における靴本体の底面と靴底との取り付け部の要部断面図である。
【図3】靴本体の底面と靴底とを挟持手段によって挟持固定する状態を分解して示す模斜視図である。
【図4】(a)は挟持手段を構成する止め部の斜視図、(b)は(a)のA方向矢視図(平面図)、(c)は(b)の変形例を示す平面図である。
【図5】(a)は挟持手段を構成する受け部の第1の変形例の斜視図、(b)は挟持手段を構成する受け部の第2の変形例の斜視図である。
【図6】挟持手段の第2の変形例を示す斜視図である。
【図7】挟持手段の第3の変形例を示す斜視図である。
【図8】挟持手段の第4の変形例を示す要部断面図である。
【図9】挟持手段の第5の変形例を示す要部断面図(ロック前)である。
【図10】挟持手段の第5の変形例を示す要部断面図(ロック後)である。
【図11】(a)は第5の変形例に係る挟持手段のプレートの平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図12】(a)は第5の変形例に係る挟持手段のロックラバーの平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図13】(a)は第5の変形例に係る挟持手段のロックピンの半側断面図、(b)は(a)のC方向矢視図である。
【図14】(a)は第5の変形例で用いられる治具の半側断面図、(b)は(a)のD方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る釣用靴の一実施形態について具体的に説明する。
図1に示すように、本実施形態の釣用靴1は、長靴タイプ(ブーツタイプ)に適用されており、釣り人の足部を覆う靴本体2と、靴本体2の底面に対して着脱自在に取り付け固定される靴底4とを備えて構成される。靴本体2の底面と靴底4との間の着脱自在な取り付けは、特に限定されるものではないが、例えばマジックテープやベルクロ(いずれも登録商標)などの面ファスナ10A,10Bによって行なわれる。
【0021】
靴本体2は、例えば、合成ゴム、ウレタン、EVA等の合成樹脂で一体形成されており、底面を形成するミッドソール2aを有する。ミッドソール2aの表面(靴本体2の底面)には面ファスナ10Aが固着して設けられている。
【0022】
図2に詳しく示されるように、替えソールとしての靴底4は、地面と接触されるフェルトから成る滑り止め層4bと、ミッドソール2aに対向して靴本体2に取り付けられるフェルトよりも硬質な(例えば、ミッドソール2aの曲げ剛性と同等かそれ以下の合成ゴムから成る)固定層4aとが一体化されて成り、固定層4aの表面(ミッドソール2aと対向される面)には、面ファスナ10Aと着脱自在に密着接合される面ファスナ10Bが固着して設けられている。
【0023】
また、本実施形態の釣用靴1は、固定層4aをミッドソール2a(靴本体2の底面)との間で挟持して固定する挟持手段を更に有する。具体的に、この挟持手段は、特に、足裏の母子球と小指球とを結ぶラインよりも指先側にある該靴1(靴底)の前端領域と、足裏の踵近傍の後端領域とに設けられており(図1参照)、ミッドソール2a中に例えばインサート成形によって埋設されるネジ付きの受け部としての固定用ナット13と、固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持するように固定用ナット13に螺合されるネジ付きの止め部としての固定用ボルト12とを有する。
【0024】
固定用ナット13は、図3に明確に示されるように、円板状の頭部13aと、該頭部13aの略中央部分から延び且つ雌ネジを内周面に有する円筒状の軸部13bと、頭部13aの内面から軸部13bに沿って延出するとともに頭部13aの径方向に延びる複数の回転抑制部21とを有しており、例えばステンレスなどの金属、強度の高いプラスチック等によって形成されて、靴本体2(ミッドソール2a)を形成する際にその構成材料に埋設されて靴本体2(ミッドソール2a)と一体化される(図2参照)。また、このとき、回転抑制部21が広い面積にわたって前記構成材料と周方向で係止し、ミッドソール2aに対する固定用ナット13の回転を抑制する。なお、図3では、固定用ナット13の構造を分かりするため、固定用ナット13が単独で示されているが、この固定用ナット13がミッドソール2a中に埋設されていることは言うまでもない。
【0025】
一方、固定用ボルト12は、固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持するための円板状の挟持部12aと、該挟持部12aの略中央部分から延び且つ雄ネジを外周面に有する軸部12bとを有しており、例えばステンレスなどの金属、強度の高いプラスチック等によって形成される。そして、このような固定用ボルト12は、滑り止め層4bに設けられた大径孔11と固定層4aに設けられた小径孔17とに挿通されることにより、固定用ナット13に螺合されるようになっている。具体的には、滑り止め層4bに設けられた大径孔11は、固定用ボルト12を滑り止め層4bの表面よりも内側に埋没させることができる深さに形成されており、その底部で固定層4aを露出させるとともに固定層4aの小径孔17に連通している。また、小径孔17の内径は固定用ナット13の円筒状の軸部13bの外径と略一致しており、ミッドソール2aの底面から突出する軸部13bの先端部を受けることができるようになっている。
【0026】
したがって、靴底4を靴本体2の底面(ミッドソール2a)に取り付ける場合には、ミッドソール2aの底面から突出する固定用ナット13の軸部13bの先端部を固定層4aの小径孔17に嵌め入れて靴底4をミッドソール2aに対して位置決めした状態で、固定層4aの小径孔17を通じて固定用ボルト12の軸部12を固定用ナット13の軸部13bに螺合して、固定用ボルト12の挟持部12aを露出する固定層4aに対して押し付ける。これにより、ミッドソール2aと挟持部12aとの間で固定層4aが挟持され、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定される。この場合、図4の(b)に示されるように、固定層4aに対して押し付けられる固定用ボルト12の挟持部12aの圧接面部位(裏面)に、ナット13とボルト12との間のネジの緩みを防止する凸部18を設けることが好ましい。図4の(b)では、径方向に延びる4つの凸部18が周方向に等しい角度間隔を隔てて設けられている。また、そのような凸部は、図4の(c)に示されるように、挟持部12aの外周に沿って等間隔で設けられる円柱状の突起18Aであっても構わない。
【0027】
また、固定用ボルト12の挟持部12aには、固定用ボルト12を固定用ナット13に対して螺合させるための治具30の係合部30a,30a(図3参照)が係合できる一対の係合穴19,19が設けられていてもよい(図3および図4の(a)参照)。更に、本実施形態では、ミッドソール2aに対する靴底4の前述した取り付け状態を良好に保持するため、図2に示されるように、靴底4を外側から少なくとも部分的に包囲するように靴底4の周縁に沿って下方に延びる延在部2a’がミッドソール2aの周縁部に形成され、それにより、靴底4を受けるための凹部20が形成されてもよい。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の釣用靴1によれば、靴底4の固定層4aが挟持手段により靴本体2の底面に対して挟持固定されるため、たとえ靴本体2の底面と靴底4との間の隙間に砂利等の異物が入り込んだ場合であっても、靴底4が靴本体2の底面から外れる(面ファスナ10A,10B同士が外れる)ことを確実に防止できる。特に本実施形態では、挟持手段を構成するボルト12とナット13との螺合に伴う締め付け力によって靴底4の固定層14aがミッドインソール2a(靴本体2の底面)に対して挟持固定され、ボルト12の挟持部12aによって固定層4aがミッドソール2aに強固に押し付けられるため、ミッドソール2aと靴底4との密着性が強固に維持される。そのため、靴底4がミッドソール2aから外れることを更に確実に防止できる。また、挟持手段12,13による挟持力により、靴本体2の底面と靴底4との密着性が強固となり、面ファスナ10A,10Bの浮き上がりも防止できる。また、本実施形態では、剥がれが生じ易い靴の前端領域を挟持手段によって重点的に補強しているため、ミッドソール2aからの靴底4の剥がれを効果的に防止できる。
【0029】
図5は挟持手段を構成する固定用ナットの変形例を示している。図5の(a)に示される第1の変形例に係る固定用ナット13Aは、回転抑制部として(図3の回転抑制部21に代えて)、前述したインサート成形時に靴本体2(ミッドソール2a)を形成する構成材料が入り込める複数の凹部(貫通孔)23を頭部13aの外周に沿って有する。一方、図5の(b)に示される第2の変形例に係る固定用ナット13Bは、回転抑制部として(図3の回転抑制部21に代えて)、靴本体2(ミッドソール2a)を形成する構成材料中に食い込める複数の切り欠き25を頭部13aの外周に有する。
【0030】
図6は挟持手段の第2の変形例を示している。この変形例では、雄ネジおよび雌ネジ(ナットおよびボルト)の設け方が前述した実施形態と逆になっている。すなわち、この変形例では、ミッドソール2aに埋設される受け部が固定用ボルト13Cとして形成され、靴底4の大径孔11に嵌め込まれる止め部が固定用ナット12Aとして形成されている。具体的には、固定用ボルト13Cは、円板状の頭部13aと、該頭部13aの略中央部分から延びて埋設状態(取り付け状態)で小径孔17から突出し得る長さに形成されるとともに雄ネジを外周面に有する円筒状の軸部13b’と、頭部13aの内面から軸部13b’に沿って延出するとともに頭部13aの径方向に延びる複数の回転抑制部21とを有する。一方、固定用ナット12Aは、固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持するための円板状の挟持部12aと、該挟持部12aの略中央部分に形成され且つ雌ネジを内周面に有するネジ穴12b’とを有する。したがって、このような構成では、ミッドソール2aの底面から突出する固定用ボルト13Cの軸部13b’の先端部を固定層4aの小径孔17に嵌め入れて靴底4をミッドソール2aに対して位置決めした状態で、固定層4aの小径孔17から突出する固定用ボルト13Cの軸部13b’に対して固定用ナット12Aを螺合して、固定用ナット12Aの挟持部12aを露出する固定層4aに対して押し付ける。これにより、ミッドソール2aと挟持部12aとの間で固定層4aが挟持され、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定される。
【0031】
図7は挟持手段の第3の変形例を示している。本変形例の挟持手段は、靴本体2の底面に取り付けられる板状部材47と、靴底4を貫通して延びる板状部材47と係止することにより固定層4aを靴本体2に対して挟持固定する例えば矩形状の固定部材45とを有する。具体的には、板状部材47は、矩形断面の長尺部材として形成されており、これと一体を成す例えば矩形状の取り付け部48をミッドソール2a中に埋設することによりミッドソール2aに対して固定され、ミッドソール2aの底面から延出するようになっている。また、板状部材47には、その長手方向に沿って所定の間隔で多数の抜け止め用の係止突起49が形成されている。これらの係止突起49は、固定部材45の係止孔46に挿入される際にその楔状の係止端が弾性変形し、係止孔46から抜け出る際に元の形状に弾性的に復元することにより係止孔46の端縁に抜け止め状態で係止するようになっている。また、靴底4の固定層4aには板状部材47が挿通できる矩形状の小孔41が形成されるとともに、靴底4の滑り止め層4bには固定部材45を滑り止め層4bの表面よりも内側に埋没させることができる矩形状の大孔42が形成されており、大孔42はその底部で固定層4aを露出させるとともに固定層4aの小径孔41に連通している。
【0032】
したがって、このような構成において、靴底4を靴本体2の底面(ミッドソール2a)に取り付ける場合には、ミッドソール2aの底面から突出する板状部材47を靴底4の固定層4aの小孔41および保持プレート43の孔44に通した状態で、更に、露出する固定層4aに対して固定部材45を押し付けながら固定部材45の係止孔46に板状部材47を通していく。そして、十分な押し付け状態が得られる位置で板状部材47の係止突起49を固定部材45の係止孔46に係止させる。これにより、ミッドソール2aと固定部材45との間で固定層4aが挟持され、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定される。なお、このように取り付けられた状態では、固定部材45から突出する余分な板状部材47がカットされる。
【0033】
このように、本変形例の釣用靴によれば、靴本体2の底面に取り付けられる板状部材47と固定部材45との係止に伴う引張力によって靴底4の固定層4aが靴本体2の底面(ミッドインソール2a)に対して挟持固定されるため、靴本体2の底面と靴底4との密着性が強固に維持される。そのため、靴底4が靴本体2の底面から外れることを更に確実に防止できる。
【0034】
図8は挟持手段の第4の変形例を示している。図示のように、本変形例の挟持手段は、靴本体2に埋没されることなく固定される受け部としての軸体52と、止め部としての金属座金60とから構成される。軸体52は、靴本体2の底部2bに設けられた凹溝50の内側に埋没するように配置されて底部2bに係止固定される皿状の頭部52aと、靴本体2の底部2bおよびミッドインソール2aに形成された貫通孔70,80に挿通される軸部52bとを有しており、その軸方向の全長にわたって貫通して設けられる刷り割り状の孔53を利用して弾性的に縮径されることにより貫通孔70,80に挿通される。また、金属座金60は、その内孔60aを利用して、靴底4の固定層4aの小径孔17から突出される軸部52bの端部に押し付けられて嵌め込まれることにより、その圧接部60bを弾性的に固定層4aに押し当てつつ、軸部52bを大径孔11内に弾性的に引っ張るようになっている。そして、金属座金60は、軸部52bを大径孔11内に弾性的に十分に引き込んだ状態で、その圧接部60bがミッドソール2aとの間で固定層4aを挟持し、靴底4をミッドソール2aに対して強固に固定する。
【0035】
図9〜図14は挟持手段の第5の変形例を示している。図示のように、本変形例の挟持手段は、第4の変形例と同様にネジを伴うことなく挟持できる(受け部と止め部とが弾性的に係合する)構成を特徴としており、靴本体2の底面(ミッドソール2a)に埋設される受け部としてのプレート90と、靴底4に予め埋設されて固定層4aをミッドソール2aとの間で挟持する止め部としてのロックラバー80とを有する。そして、後述するように、ロックラバー80は、これに挿入されるロックピン100と協働してプレート90に結合することにより靴底4を靴本体2に対して強固に固定する。
【0036】
具体的に、本変形例において、受け部としてのプレート90は、図11に明確に示されるように、中央に楕円形の取り付け挿入穴90cを有する円形のベース部90bと、該ベース部90bの外周縁から垂直に立ち上がって径方向外側に延びる環状のフランジ部90aとによって段付きリングとして形成されている。また、このプレート90は、そのベース部90bがミッドソール2aの貫通孔70内に露出して位置されるようにミッドソール2a中に例えばインサート成形によって埋設され、特に本変形例では、インサート成形時にミッドソール2aを形成する構成材料が入り込める複数の貫通孔90dおよび切り欠き90eをフランジ部90aの外周に沿って設けている。
【0037】
一方、止め部としてのロックラバー80は、例えばゴム等の弾性変形可能な樹脂によって形成されており、靴底4に例えばインサート成形によって埋設されて一体化される。具体的には、ロックラバー80は、図12に明確に示されるように、靴底4の固定層4aと滑り止め層4bとの間に埋設される(図9および図10参照)皿状のフランジ部80aと、該フランジ部80aが埋設された状態で固定層4aの貫通孔79に挿通されて位置される(図9および図10参照)円筒状の軸部80bとを有する。この場合、軸部80bの先端は、固定層4aの表面から突出して靴底4の外側に露出される。
【0038】
なお、本変形例において、靴底4は、前述した実施形態および変形例と同様、地面と接触されるフェルトから成る滑り止め層4bと、ミッドソール2aに対向して靴本体2に取り付けられるフェルトよりも硬質な固定層4aとが一体化されて成るが、固定層4aと滑り止め層4bとの間および固定層4aと面ファスナ10Bとの間に接着層72,74を有しており(この積層構造は前述した実施形態および変形例においても適用できる)、固定層4aと滑り止め層4bとの間の接着層74中にロックラバー80のフランジ部80aが埋設される。そして、フランジ部80aには、接着層74を形成する構成材料(例えばゴム)が入り込める複数の切り欠き80gが外周に沿って設けられる。また、本変形例では、固定層4aがフェルトから形成されていてもよい。
【0039】
また、軸部80bは、その中心にロックピン挿通孔80cを有しており、ロックピン挿通孔80cを外側から取り囲む3つの軸体80d,80d,80dによって構成される。すなわち、軸部80dは、スリット82により周方向にほぼ3等分されて断面が略扇形の3つの軸体80d,80d,80dに分割されており、スリット82の存在により固定層4aの表面から突出するその先端側が径方向外側に放射状に拡径(弾性変形)できるようになっている。なお、ロックピン挿通孔80cは軸部80bの先端開口部80fおよびフランジ部80aの底面でそれぞれ開口しており、ロックピン挿通孔80cと先端開口部80fとの間の軸部80bの内面には、ロックピン挿通孔80cに挿通されるロックピン100が軸体80d,80d,80dの先端側を径方向外側に押し広げて先端開口部80fから外側に突出するのを促す(案内する)ための先細りテーパ面80eが形成されている。
【0040】
また、ロックラバー80のロックピン挿通孔80cに挿通されるロックピン100は、図13に明確に示されるように、断面が円形の軸部100bから成り、軸部100bの後端には図14に示される治具150の係合溝152と係合可能な略楕円形状の係合突起100dが設けられる。また、軸部100bには、係合突起100dの近傍に、ロックピン100がロックラバー80のロックピン挿通孔80cに挿通されてロックされるときにロックラバー80のフランジ部80aの底面に圧接するフランジ状の圧接部100aが設けられる。更に、軸部100bの先端にはフランジ状の抜け止め部100cが形成されている。
【0041】
したがって、上記構成において靴底4を靴本体2の底面(ミッドソール2a)に取り付ける場合には、靴底4の表面から突出するロックラバー80の軸部80bの先端側をミッドソール2aの貫通孔70内に差し入れてこの貫通孔70に位置されるプレート90の取り付け挿入穴90cに挿入する。そして、その状態から、ロックラバー80の軸部80bの先端側を取り付け挿入穴90cを通じてプレート90の上側に所定量突出させると、ミッドソール2aの表面(靴本体2の底面)の面ファスナ10Aと固定層4aの表面(ミッドソール2aと対向される面)の面ファスナ10Bとが適正な位置で密着接合される。その後、今度は、治具150を用いて(治具150の係合溝152をロックピン100の係合突起100dと係合させた状態で)ロックラバー80のロックピン挿通孔80cにロックピン100を挿通すると、挿通されたロックピン100は、ロックピン挿通孔80cの先細りテーパ面80eの案内によって先端開口部80fへ向けて押し進んで、プレート90の上側に突出したロックラバー80の軸体80d,80d,80dの先端側を径方向外側に押し広げ(軸体80d,80d,80dの先端側がプレート90のベース部90b上に係止する)、ロックラバー80をプレート90に対してロックする。そして、ロックピン100の抜け止め部100cが先端開口部80fから外側に突出して、ロックピン100がロックラバー80に対して抜け止めされた状態で、前記ロック状態が保持される。これにより、靴底4がミッドソール2aに対して強固に固定されることになる。その状態が図10に示されている。
【0042】
以上のように、本変形例では、第4の変形例と同様にネジを用いることなく靴底4を靴本体2に対して固定できるため、固定作業が非常に簡単である。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態では、釣用靴として、ブーツタイプを例示したが、短靴タイプ(運動靴タイプ)に適用しても良い。すなわち、靴本体1の形状、素材については、適宜変形することが可能である。また、挟持手段の構造や挟持形態も前述した実施形態に限定されず任意である。また、挟持手段の配置位置は、靴の前端領域および後端領域に限らず、また、挟持手段の数も任意である。更に、前述した実施形態では、固定用ナット13の軸部13bがミッドソール2aの底面から突出していたが、突出していなくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 釣用靴
2 靴本体
4 靴底
4a 滑り止め層
4b 固定層
12 固定用ボルト(挟持手段、止め部)
13 固定用ナット(挟持手段、受け部)
45 固定部材
47 板状部材
52 軸体(挟持手段、受け部)
60 金属座金(挟持手段、止め部)
80 ロックラバー(挟持手段、止め部)
90 プレート(挟持手段、受け部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴本体と、
前記靴本体の底面に着脱自在に取り付けられ、フェルトから成る滑り止め層とフェルトよりも硬質な固定層とが一体化されて成る靴底と、
前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持して固定する挟持手段と、
を備えることを特徴とする釣用靴。
【請求項2】
前記挟持手段は、前記靴本体の底面に埋設される受け部と、前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持するように前記受け部に受けられる止め部とを有することを特徴とする請求項1に記載の釣用靴。
【請求項3】
前記受け部および前記止め部がネジを有し、前記止め部が前記受け部に対して着脱自在に螺合されることを特徴とする請求項2に記載の釣用靴。
【請求項4】
前記止め部が前記受け部に対して弾性的に係合されることを特徴とする請求項2に記載の釣用靴。
【請求項5】
前記挟持手段は、前記靴本体の底面に取り付けられる板状部材と、前記靴底を貫通して延びる前記板状部材と係止することにより前記固定層を前記靴本体に対して挟持固定する固定部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の釣用靴。
【請求項6】
前記挟持手段が靴の前端領域に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の釣用靴。
【請求項1】
靴本体と、
前記靴本体の底面に着脱自在に取り付けられ、フェルトから成る滑り止め層とフェルトよりも硬質な固定層とが一体化されて成る靴底と、
前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持して固定する挟持手段と、
を備えることを特徴とする釣用靴。
【請求項2】
前記挟持手段は、前記靴本体の底面に埋設される受け部と、前記固定層を前記靴本体の底面との間で挟持するように前記受け部に受けられる止め部とを有することを特徴とする請求項1に記載の釣用靴。
【請求項3】
前記受け部および前記止め部がネジを有し、前記止め部が前記受け部に対して着脱自在に螺合されることを特徴とする請求項2に記載の釣用靴。
【請求項4】
前記止め部が前記受け部に対して弾性的に係合されることを特徴とする請求項2に記載の釣用靴。
【請求項5】
前記挟持手段は、前記靴本体の底面に取り付けられる板状部材と、前記靴底を貫通して延びる前記板状部材と係止することにより前記固定層を前記靴本体に対して挟持固定する固定部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の釣用靴。
【請求項6】
前記挟持手段が靴の前端領域に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の釣用靴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−210393(P2012−210393A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144793(P2011−144793)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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