釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド
【課題】本発明は、ラインガイド部と釣り糸の絡みを防止し、ラインガイド部における釣り糸の滑り抵抗を軽減することを目的とする。
【解決手段】本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドは、1本のワイヤー(10)を曲折させてループ状のラインガイド部(4)を形成し、前記ワイヤー(10)の両端の一対の足(11,15)を釣り糸(5)の進行方向(A)に沿って相前後する状態で束ねられ、前記ラインガイド部(4)を形成するワイヤー(10)の各足(11,15)の長手方向(C)に対する立上り角度がそれぞれ異なると共に、ループ部分の中で最も釣竿と距離が離れている部分が前記長手方向(C)に対して非直角の角度よりなる構成である。
【解決手段】本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドは、1本のワイヤー(10)を曲折させてループ状のラインガイド部(4)を形成し、前記ワイヤー(10)の両端の一対の足(11,15)を釣り糸(5)の進行方向(A)に沿って相前後する状態で束ねられ、前記ラインガイド部(4)を形成するワイヤー(10)の各足(11,15)の長手方向(C)に対する立上り角度がそれぞれ異なると共に、ループ部分の中で最も釣竿と距離が離れている部分が前記長手方向(C)に対して非直角の角度よりなる構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドに関し、特に、ラインガイド部と釣り糸の絡みを防止し、ラインガイド部における釣り糸の滑り抵抗を軽減するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種の釣竿用ワイヤーガイドとしては、市販されているのみで特許出願していないため、特許文献等を特に開示していないが、その代表的な構成を挙げると、図17、18、19に示される通りである。
すなわち、図17、18、19において符号1で示されるものは釣竿であり、この釣竿1の表面には、ワイヤーガイド2の台座3(足に相当)が取付糸(図示せず)を介して固定され、この台座3上には丸輪状のラインガイド部4が一体状に設けられている。
前記ラインガイド部4は、一本のワイヤー又はセラミック及びプラスチック等の何れかで形成された筒体(図示せず)で構成されている。尚、このワイヤーガイド2は、図17の平面図の状態で釣竿1に取付けると図18のようになり、図19は図17にひねりを加えた斜視図であり、実際には、図18のように、ワイヤーガイド2を垂直として用いる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のワイヤーガイドは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の図17〜18のラインガイド部の構成の場合、ラインガイド部4と釣り糸が最も強く接する部分、すなわち、ラインガイド4のなかで釣竿1の表面21との距離が最も離れている部分と、台座3の長手方向、すなわち、釣り糸5の進行方向Aの作り出す角度が直角θ4に設けられているため、釣り糸に対する滑り抵抗、とりわけ滑り出し時における抵抗が大きくなるため、投げ釣り時における釣り糸の飛ばしや使用感に悪影響を与えていた。
【0004】
また、この問題を解決するために前述の図19で示すように、ラインガイド部に単純にひねりを加えることで、ラインガイド部4と釣り糸の進行方向Aの作り出す角度θ4を直角で無くしたような形状のガイドでは、釣り糸がガイドの足の部分に容易に絡む事は自明であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドは、1本のワイヤーを曲折させてループ状のラインガイド部を形成し、前記ワイヤーの両端に形成された一対の直線状の第1、第2足が前記ラインガイド部を通過する釣り糸の進行方向に沿って互いに相前後する状態で束ねられ、前記釣り糸と接する前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーの中で釣竿1の表面21との距離が最も離れた部分が、前記長手方向に対して非直角の角度である構成であり、また、前記部分の長手方向に対する角度は、45度〜80度である構成であり、また、前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーは、弧状部と、曲折部と、直線部と、が連続して形成されている構成であり、また、前記各足は、それぞれに異なった立ち上がり角度を有する構成であり、また、前記各足の立ち上がり角度の差異は30度〜80度である構成であり、また、前記各足は、同一面上に並設されている構成であり、また、前記直線部は前記足と交叉して交叉部を形成する構成であり、また、前記ラインガイド部は、側面からみて8字型である構成であり、また、前記各足は、釣竿の元竿方向に伸びている構成である。
【発明の効果】
【0006】
本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、1本のワイヤーを曲折させてループ状のラインガイド部を形成し、前記ワイヤーの両端に形成された一対の直線状の第1、第2足が前記ラインガイド部を通過する釣り糸の進行方向に沿って互いに相前後する状態で束ねられ、前記釣り糸と接する前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーの中で釣竿1の表面21との距離が最も離れた部分が、前記長手方向に対して非直角の角度であり、前記各足の立ち上がり角度がおのおの異なる特徴を有する構成でありることにより、釣り糸の滑り抵抗が軽減され、釣り糸の絡みを防止し快適な釣りができる。
また、前記ワイヤーの中で釣竿1の表面21との距離が最も離れた部分と長手方向のなす角度が、45度〜80度であることにより、前述の効果をより一層高めることができる。
また、前記各足の立ち上がり角度の差異が30度〜80度であることにより、前述の効果をより一層高めることができる。
また、前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーは、弧状部と、曲折部と、直線部と、が連続して形成されてなることにより、側面からみた場合に8字型に形成され、釣り糸の滑り抵抗を大きく軽減させることができる。
また、前記各足は、同一面上に並設されていることにより、釣竿への取付けが容易となる。
前記直線部は前記足と交叉して交叉部を形成することにより、各足を並設して束ねる時の組立てが容易となる。
前記各足は、釣竿の元竿方向に伸びていることにより、ワイヤーガイドの釣竿への取付けが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、ラインガイドと釣り糸の絡みを防止し、ラインガイド部における釣り糸の滑り抵抗を軽減するようにした釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドを提供することを目的とする。
【実施例】
【0008】
以下、図面と共に本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1及び図2は、本発明の第1形態を示すもので、釣竿1の表面21にはワイヤーガイド2が取付け糸(図示せず)等で固定されており、このワイヤーガイド2は、平面的には図1の構成となり、正面では図2の構成となる。
【0009】
前記ワイヤーガイド2は、一本のワイヤー10を曲折させて構成され、このワイヤー10の一方の端部は直線状の第1足11として形成され、この第1足11は、他端の第2足15に向けて、曲折部12、円弧状の弧状部13及び直線部14が一体に連続して形成されたループ状のラインガイド部4を有している。
【0010】
前記第1、第2足11、15は、図1の平面でみた場合、前記釣竿1上で互いに束ねられて並設され、前記曲折部12、弧状部13及び直線部14は、前記各足11、15から前記各足11、15の長手方向Cに対してそれぞれ異なった角度で一体に立上げられ、それぞれの足の立ち上がり角度の差異は30度〜80度であり、なおかつ弧状部13のなかで釣竿1の表面21と最も距離が離れた部分が釣り糸の進行方向Aに対してθ2非直角の角度を有しており、この角度θ2は45度から80度の非直角の角度で形成され、釣り糸とガイドの通常に接する角度が従来の直角(直交)と異なり非直角(非直交)状態となるように構成されている。
【0011】
前記各足11、15は、前述のように、前記進行方向Aに沿って互いに相前後する状態、すなわち、各足11、15はその長さが互いに異なるため、互いに位置がずれた状態で束ねられていると共に図9で示されるように同一面21a上に並設されており、前記第1足11の方が第2足15よりも直線領域が長くなるように形成され、この第1足11と直線部14とにより、平面でみてV字型をなすV型領域16が形成されている。従って、図2で示されるように、前記ワイヤーガイド2は正面でみて8字型に形成されている。尚、前記ラインガイド部4は、図11の平面でみて中心に対して非対称に形成されている。
【0012】
図3及び図4は、本発明の第2形態を示しており、前記第2足15を前記第1足11の上に上げて交叉させ、前記直線部14と第1足11とによって交叉部20が形成されている。
また、前記各足11、15は、前記釣竿1上で元竿方向Bを向いて伸び、この各足11、15は一本足としてラインガイド部4を支持している。
尚、他の部分は、図1及び図2と同一であるため、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0013】
図5及び図6は、本発明の第3形態を示すもので、前記弧状部13の形状を第1形態のそれに対し左右反対に製作した構成を示し、図1及び図2と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0014】
図7及び図8は、本発明の第4形態を示すもので、前記弧状部13の形状を第2形態のそれに対し左右反対に製作した構成を示し、図3及び図4と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0015】
次に、前述のワイヤーガイド2を実際に加工する工程について説明する。
まず、本発明によるワイヤーガイド2を加工するための治具としては、図10及び図11で示される治具50を用いる。
前記治具50は、長手板状の本体51と、前記本体51の一端側に設けられた円柱52と、前記円柱52の近傍に形成され前記本体51を板厚方向に貫通する貫通孔53と、から構成されている。
【0016】
前述の治具50を用いる場合、図12、図13の第1工程に示されるように、前記ワイヤー10の第1足11となる一端を貫通孔53に貫通させ、ワイヤー10を直角状に曲折して曲折部12を形成する。
【0017】
次に、図14の第2工程に示されるように、前記曲折部12を前記円柱52の周面に巻き付けてほぼ1周させて円弧状の弧状部13及び直線部14を形成し、次に、図15の第3工程において、前記直線部14の先端側の第2足15の手前位置Dを前記本体51の角部51aを介して30〜45度曲げる。
【0018】
前述の第1工程から第3工程の加工を終了したワイヤー10は、ワイヤーガイド2に近い形状となり、図16の第4工程に示されるように、ワイヤー10を前記治具50から取り出す。
【0019】
次に、前述の治具50から取り出した前記ワイヤー10の各足11、15を、図16の右側にて示すように、無理やり合わせて並設させることにより、図1で示されるワイヤーガイド2を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドの第1形態を示す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】本発明の第2形態を示す平面図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】本発明の第3形態を示す平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】本発明の第4形態を示す平面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】図1から図8の各足の側面図である。
【図10】本発明のワイヤーガイドの加工に用いられる治具を示す平面図である。
【図11】図10の左側面図である。
【図12】本発明の治具を用いてワイヤーガイドを加工する第1工程を示す構成図である。
【図13】図12の平面図である。
【図14】本発明の第2工程を示す構成図である。
【図15】本発明の第3工程を示す構成図である。
【図16】本発明の治具から取り出した加工後のワイヤーを示す斜視図及び加工後のワイヤーの足を揃えて束ねる状態を示す斜視図である。
【図17】従来のワイヤーガイドを示す平面図である。
【図18】図17の正面図である。
【図19】図17のラインガイド部をひねった状態の平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 釣竿
2 ワイヤーガイド
A 進行方向
B 元竿方向
C 長手方向
4 ラインガイド部
5 釣り糸
10 ワイヤー
11 第1足
12 曲折部
13 弧状部
14 直線部
15 第2足
16 V型領域
20 交叉部
21 表面
21a 同一面
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドに関し、特に、ラインガイド部と釣り糸の絡みを防止し、ラインガイド部における釣り糸の滑り抵抗を軽減するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種の釣竿用ワイヤーガイドとしては、市販されているのみで特許出願していないため、特許文献等を特に開示していないが、その代表的な構成を挙げると、図17、18、19に示される通りである。
すなわち、図17、18、19において符号1で示されるものは釣竿であり、この釣竿1の表面には、ワイヤーガイド2の台座3(足に相当)が取付糸(図示せず)を介して固定され、この台座3上には丸輪状のラインガイド部4が一体状に設けられている。
前記ラインガイド部4は、一本のワイヤー又はセラミック及びプラスチック等の何れかで形成された筒体(図示せず)で構成されている。尚、このワイヤーガイド2は、図17の平面図の状態で釣竿1に取付けると図18のようになり、図19は図17にひねりを加えた斜視図であり、実際には、図18のように、ワイヤーガイド2を垂直として用いる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のワイヤーガイドは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の図17〜18のラインガイド部の構成の場合、ラインガイド部4と釣り糸が最も強く接する部分、すなわち、ラインガイド4のなかで釣竿1の表面21との距離が最も離れている部分と、台座3の長手方向、すなわち、釣り糸5の進行方向Aの作り出す角度が直角θ4に設けられているため、釣り糸に対する滑り抵抗、とりわけ滑り出し時における抵抗が大きくなるため、投げ釣り時における釣り糸の飛ばしや使用感に悪影響を与えていた。
【0004】
また、この問題を解決するために前述の図19で示すように、ラインガイド部に単純にひねりを加えることで、ラインガイド部4と釣り糸の進行方向Aの作り出す角度θ4を直角で無くしたような形状のガイドでは、釣り糸がガイドの足の部分に容易に絡む事は自明であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドは、1本のワイヤーを曲折させてループ状のラインガイド部を形成し、前記ワイヤーの両端に形成された一対の直線状の第1、第2足が前記ラインガイド部を通過する釣り糸の進行方向に沿って互いに相前後する状態で束ねられ、前記釣り糸と接する前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーの中で釣竿1の表面21との距離が最も離れた部分が、前記長手方向に対して非直角の角度である構成であり、また、前記部分の長手方向に対する角度は、45度〜80度である構成であり、また、前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーは、弧状部と、曲折部と、直線部と、が連続して形成されている構成であり、また、前記各足は、それぞれに異なった立ち上がり角度を有する構成であり、また、前記各足の立ち上がり角度の差異は30度〜80度である構成であり、また、前記各足は、同一面上に並設されている構成であり、また、前記直線部は前記足と交叉して交叉部を形成する構成であり、また、前記ラインガイド部は、側面からみて8字型である構成であり、また、前記各足は、釣竿の元竿方向に伸びている構成である。
【発明の効果】
【0006】
本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、1本のワイヤーを曲折させてループ状のラインガイド部を形成し、前記ワイヤーの両端に形成された一対の直線状の第1、第2足が前記ラインガイド部を通過する釣り糸の進行方向に沿って互いに相前後する状態で束ねられ、前記釣り糸と接する前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーの中で釣竿1の表面21との距離が最も離れた部分が、前記長手方向に対して非直角の角度であり、前記各足の立ち上がり角度がおのおの異なる特徴を有する構成でありることにより、釣り糸の滑り抵抗が軽減され、釣り糸の絡みを防止し快適な釣りができる。
また、前記ワイヤーの中で釣竿1の表面21との距離が最も離れた部分と長手方向のなす角度が、45度〜80度であることにより、前述の効果をより一層高めることができる。
また、前記各足の立ち上がり角度の差異が30度〜80度であることにより、前述の効果をより一層高めることができる。
また、前記ラインガイド部を形成する前記ワイヤーは、弧状部と、曲折部と、直線部と、が連続して形成されてなることにより、側面からみた場合に8字型に形成され、釣り糸の滑り抵抗を大きく軽減させることができる。
また、前記各足は、同一面上に並設されていることにより、釣竿への取付けが容易となる。
前記直線部は前記足と交叉して交叉部を形成することにより、各足を並設して束ねる時の組立てが容易となる。
前記各足は、釣竿の元竿方向に伸びていることにより、ワイヤーガイドの釣竿への取付けが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、ラインガイドと釣り糸の絡みを防止し、ラインガイド部における釣り糸の滑り抵抗を軽減するようにした釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドを提供することを目的とする。
【実施例】
【0008】
以下、図面と共に本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1及び図2は、本発明の第1形態を示すもので、釣竿1の表面21にはワイヤーガイド2が取付け糸(図示せず)等で固定されており、このワイヤーガイド2は、平面的には図1の構成となり、正面では図2の構成となる。
【0009】
前記ワイヤーガイド2は、一本のワイヤー10を曲折させて構成され、このワイヤー10の一方の端部は直線状の第1足11として形成され、この第1足11は、他端の第2足15に向けて、曲折部12、円弧状の弧状部13及び直線部14が一体に連続して形成されたループ状のラインガイド部4を有している。
【0010】
前記第1、第2足11、15は、図1の平面でみた場合、前記釣竿1上で互いに束ねられて並設され、前記曲折部12、弧状部13及び直線部14は、前記各足11、15から前記各足11、15の長手方向Cに対してそれぞれ異なった角度で一体に立上げられ、それぞれの足の立ち上がり角度の差異は30度〜80度であり、なおかつ弧状部13のなかで釣竿1の表面21と最も距離が離れた部分が釣り糸の進行方向Aに対してθ2非直角の角度を有しており、この角度θ2は45度から80度の非直角の角度で形成され、釣り糸とガイドの通常に接する角度が従来の直角(直交)と異なり非直角(非直交)状態となるように構成されている。
【0011】
前記各足11、15は、前述のように、前記進行方向Aに沿って互いに相前後する状態、すなわち、各足11、15はその長さが互いに異なるため、互いに位置がずれた状態で束ねられていると共に図9で示されるように同一面21a上に並設されており、前記第1足11の方が第2足15よりも直線領域が長くなるように形成され、この第1足11と直線部14とにより、平面でみてV字型をなすV型領域16が形成されている。従って、図2で示されるように、前記ワイヤーガイド2は正面でみて8字型に形成されている。尚、前記ラインガイド部4は、図11の平面でみて中心に対して非対称に形成されている。
【0012】
図3及び図4は、本発明の第2形態を示しており、前記第2足15を前記第1足11の上に上げて交叉させ、前記直線部14と第1足11とによって交叉部20が形成されている。
また、前記各足11、15は、前記釣竿1上で元竿方向Bを向いて伸び、この各足11、15は一本足としてラインガイド部4を支持している。
尚、他の部分は、図1及び図2と同一であるため、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0013】
図5及び図6は、本発明の第3形態を示すもので、前記弧状部13の形状を第1形態のそれに対し左右反対に製作した構成を示し、図1及び図2と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0014】
図7及び図8は、本発明の第4形態を示すもので、前記弧状部13の形状を第2形態のそれに対し左右反対に製作した構成を示し、図3及び図4と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0015】
次に、前述のワイヤーガイド2を実際に加工する工程について説明する。
まず、本発明によるワイヤーガイド2を加工するための治具としては、図10及び図11で示される治具50を用いる。
前記治具50は、長手板状の本体51と、前記本体51の一端側に設けられた円柱52と、前記円柱52の近傍に形成され前記本体51を板厚方向に貫通する貫通孔53と、から構成されている。
【0016】
前述の治具50を用いる場合、図12、図13の第1工程に示されるように、前記ワイヤー10の第1足11となる一端を貫通孔53に貫通させ、ワイヤー10を直角状に曲折して曲折部12を形成する。
【0017】
次に、図14の第2工程に示されるように、前記曲折部12を前記円柱52の周面に巻き付けてほぼ1周させて円弧状の弧状部13及び直線部14を形成し、次に、図15の第3工程において、前記直線部14の先端側の第2足15の手前位置Dを前記本体51の角部51aを介して30〜45度曲げる。
【0018】
前述の第1工程から第3工程の加工を終了したワイヤー10は、ワイヤーガイド2に近い形状となり、図16の第4工程に示されるように、ワイヤー10を前記治具50から取り出す。
【0019】
次に、前述の治具50から取り出した前記ワイヤー10の各足11、15を、図16の右側にて示すように、無理やり合わせて並設させることにより、図1で示されるワイヤーガイド2を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイドの第1形態を示す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】本発明の第2形態を示す平面図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】本発明の第3形態を示す平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】本発明の第4形態を示す平面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】図1から図8の各足の側面図である。
【図10】本発明のワイヤーガイドの加工に用いられる治具を示す平面図である。
【図11】図10の左側面図である。
【図12】本発明の治具を用いてワイヤーガイドを加工する第1工程を示す構成図である。
【図13】図12の平面図である。
【図14】本発明の第2工程を示す構成図である。
【図15】本発明の第3工程を示す構成図である。
【図16】本発明の治具から取り出した加工後のワイヤーを示す斜視図及び加工後のワイヤーの足を揃えて束ねる状態を示す斜視図である。
【図17】従来のワイヤーガイドを示す平面図である。
【図18】図17の正面図である。
【図19】図17のラインガイド部をひねった状態の平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 釣竿
2 ワイヤーガイド
A 進行方向
B 元竿方向
C 長手方向
4 ラインガイド部
5 釣り糸
10 ワイヤー
11 第1足
12 曲折部
13 弧状部
14 直線部
15 第2足
16 V型領域
20 交叉部
21 表面
21a 同一面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本のワイヤー(10)を曲折させてループ状のラインガイド部(4)を形成し、前記ワイヤー(10)の両端に形成された一対の直線状の第1、第2足(11,15)が前記ラインガイド部(4)を通過する釣り糸(5)の進行方向(A)に沿って互いに相前後する状態で束ねられ、前記釣り糸(5)と接する前記ラインガイド部(4)の中で、釣竿(1)の表面(21)からもっとも離れた部分の長手方向(C)に対する角度(θ2)が、前記長手方向(C)に対して非直角の角度であること特徴とする釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項2】
前記、釣竿(1)の表面(21)からもっとも離れた部分の長手方向(C)に対する角度(θ2)が、45度〜80度であることを特徴とする請求項1記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項3】
前記ラインガイド部(4)を形成する前記ワイヤー(10)は、弧状部(13)と、曲折部(12)と、直線部(14)と、が連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項4】
前記ラインガイド部(4)を形成する前記ワイヤー(10)の前記各足(11,15)の長手方向(C)に対する立上り角度(θ1、θ3)がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項5】
前記各足(11,15)の長手方向(C)に対する立上り角度(θ1、θ3)の差異が30度〜80度であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項6】
前記各足(11,15)は、同一面(21a)上に並設されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項7】
前記直線部(14)は前記足(11,15)と交叉して交叉部(20)を形成することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項8】
前記ラインガイド部(4)は、正面からみて8字型であることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項9】
前記各足(11,15)は、釣竿(1)の元竿方向(B)に伸びていることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項1】
1本のワイヤー(10)を曲折させてループ状のラインガイド部(4)を形成し、前記ワイヤー(10)の両端に形成された一対の直線状の第1、第2足(11,15)が前記ラインガイド部(4)を通過する釣り糸(5)の進行方向(A)に沿って互いに相前後する状態で束ねられ、前記釣り糸(5)と接する前記ラインガイド部(4)の中で、釣竿(1)の表面(21)からもっとも離れた部分の長手方向(C)に対する角度(θ2)が、前記長手方向(C)に対して非直角の角度であること特徴とする釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項2】
前記、釣竿(1)の表面(21)からもっとも離れた部分の長手方向(C)に対する角度(θ2)が、45度〜80度であることを特徴とする請求項1記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項3】
前記ラインガイド部(4)を形成する前記ワイヤー(10)は、弧状部(13)と、曲折部(12)と、直線部(14)と、が連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項4】
前記ラインガイド部(4)を形成する前記ワイヤー(10)の前記各足(11,15)の長手方向(C)に対する立上り角度(θ1、θ3)がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項5】
前記各足(11,15)の長手方向(C)に対する立上り角度(θ1、θ3)の差異が30度〜80度であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項6】
前記各足(11,15)は、同一面(21a)上に並設されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項7】
前記直線部(14)は前記足(11,15)と交叉して交叉部(20)を形成することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項8】
前記ラインガイド部(4)は、正面からみて8字型であることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【請求項9】
前記各足(11,15)は、釣竿(1)の元竿方向(B)に伸びていることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の釣竿用左右非対称一本足ワイヤーガイド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図6】
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【図9】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−99043(P2010−99043A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275593(P2008−275593)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(508321856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(508321856)
【Fターム(参考)】
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