説明

釣竿

【課題】釣糸ガイドの脚部が強固に取り付けられてなる釣竿を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る釣竿は、繊維強化樹脂から成る脚部5を有する釣糸ガイド1を竿杆40に取り付けて成る。釣糸ガイド1の脚部5の上面5aには、脚部5を構成する繊維強化樹脂の強化繊維が露出しており、釣糸ガイド1は、その脚部5を竿杆40に載置した状態で、糸状体32を脚部5の上面5aを覆うように竿杆40の周囲に巻回して接着剤34を塗布することにより竿杆40に取り付けられ、その状態で、釣糸ガイド1の脚部5の上面5aに露出した強化繊維20が接着剤34と接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣糸を案内する釣糸ガイドの固定構造に特徴を有する釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣竿には釣糸を案内するための釣糸ガイドが取り付けられており、釣糸ガイドに挿通された釣糸を釣竿に絡ませることなくスムーズに放出・回収できるようになっている。
【0003】
これらの釣糸ガイドは、金属や合成樹脂から成るフレームを有しており、そのフレームに設けられた脚部を釣竿に載置した状態でその周囲に糸状体を巻回してその巻回部に合成樹脂接着剤を塗布することにより釣竿に固定される。
【0004】
しかしながら、このように糸状体と接着剤とによって釣糸ガイドを釣竿に固定した場合でも、釣糸ガイドに緩みが生じてその固定位置がずれてしまう等の不具合があった。そのため、特許文献1には、釣竿に取り付けた釣糸ガイドの脚部の緩みを防止するべく、脚部の上面に微細な凹凸形状を形成した釣糸ガイドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−139283号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される釣糸ガイドは、そのフレームが金属によって形成されているため、合成樹脂接着剤との適合性(馴染み具合)が十分でない。そのため、巻回した糸状体のズレを脚部上面の微細な凹凸によって防止できたとしても、合成樹脂接着剤による最終的な固定を強固に行なうことが難しい。
【0007】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、釣糸ガイドの脚部が強固に取り付けられてなる釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、繊維強化樹脂から成る脚部を有する釣糸ガイドを竿杆に取り付けて成る釣竿において、前記釣糸ガイドの前記脚部の上面には、前記脚部を構成する繊維強化樹脂の強化繊維が露出しており、前記釣糸ガイドは、その脚部を前記竿杆に載置した状態で、糸状体を前記脚部の前記上面を覆うように前記竿杆の周囲に巻回して接着剤を塗布することにより竿杆に取り付けられ、その状態で、前記釣糸ガイドの前記脚部の上面に露出した前記強化繊維が前記接着剤と接触していることを特徴とする。
【0009】
上記構成の釣竿によれば、竿杆に取り付けられる釣糸ガイドの脚部の上面で露出する強化繊維が接着剤で覆われる(接着剤と接触する)ため、釣糸ガイドの脚部を構成する強化繊維の側面や切断された繊維突出端等が接着剤と構造的に強固に結合される。したがって、釣糸ガイドの脚部を竿杆に強固に取り付け固定することができ、脚部の緩みを効果的に防止できる。また、釣糸ガイドの脚部の上面で露出する強化繊維が脚部上面を覆って巻回される糸状体と接触した状態では、露出する繊維突出端が糸状体に当接係合した状態で接着されるため、糸状体による保持作用により、竿杆に対する釣糸ガイド脚部の取り付け固定が更に強固となる。
【0010】
また、上記構成では、釣糸ガイドの脚部の上面の先端部に、先端へ向かって下向きに傾斜する先端側傾斜面が設けられ、該先端側傾斜面で露出する強化繊維が複数の方向に向かって延びていることが好ましい。また、釣糸ガイドの脚部の上面が、その左右のそれぞれの側縁へ向かって下向きに傾斜する側方傾斜面を有し、該側方傾斜面で露出する強化繊維が複数の方向に向かって延びていることが好ましい。このように、釣糸ガイドの脚部の上面に傾斜面を設けると、脚部を構成する繊維強化樹脂層の各層の全てを表面(上面)に露出させることができるため、各層の強化繊維の方向を異ならせる(例えば、釣竿の長軸方向、釣竿の長軸方向に対して所定の角度を成す斜向方向など)ことにより、傾斜面で露出する強化繊維を複数の方向に延在させて様々な方向から接着剤や糸状体を強化繊維と係合させることができ、接着剤の剥離や糸状体の緩みを効果的に防止できる。また、そのような傾斜面を脚部の上面の左右に設ければ、必然的に、傾斜面で露出する強化繊維の露出方向(外側突出方向)が左右で互いに逆向きになり、したがって、例えば脚部の前後の動きを繊維によって両側から支持できるようになる。そのため、脚部の前後の移動を確実に阻止することが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、釣糸ガイドの脚部が強固に取り付けられてなる釣竿を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】釣糸ガイドを竿杆に取り付けて成る本発明の一実施形態に係る釣竿の一部拡大図を伴う要部横断面図である。
【図2】図1の釣竿の一部拡大図を伴う要部縦断面図である。
【図3】図1の釣竿の一部拡大図を伴う要部平面図である。
【図4】図1の釣竿の釣糸ガイドの脚部の強化繊維の露出方向を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る釣竿の実施形態について説明する。
図1は、釣糸ガイド1を竿杆40に取り付けて成る本発明の一実施形態に係る釣竿50の一部拡大図を伴う要部横断面図である。図示のように、釣糸ガイド1は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグ(以下、プリプレグと称する)を前後方向(または、後述する脚部では結果的に上下方向となる)に積層して成る複数の繊維強化樹脂層の積層体によって形成されたフレーム3を備えている。
【0014】
フレーム3は、竿管40の外表面に取り付けられる固定部5と、釣糸が挿通される釣糸挿通孔13(図2参照)を有するガイドリング6が取り付けられるリング保持部7と、リング保持部7と固定部5との間を連結する支脚部8とを具備しており、リング保持部7の軸線O方向(前後方向)における厚みよりも左右方向の幅が大きい板状に形成されている。ただし、フレーム3の前後方向の厚みと左右方向の幅は同じに形成されていても良いし、前後方向の厚みの方が大きく形成されていても良い。
【0015】
また、本実施形態において、リング保持部7は、ガイドリング6を保持するための開口(貫通孔)7aを支脚部8のフレーム部位に設けることによって形成される。また、固定部5は、フレーム3の下端において、竿杆40の表面に固定される部位(足部とも称される)であり、本実施形態では、釣糸ガイド1の前後方向に延びる板状(突片状)の脚部として形成される。そして、この脚部としての固定部5は、釣糸ガイド1を竿杆40に取り付けた時には、釣竿50の軸長方向(軸線Oの方向)に延び、その裏側の当接面19が竿杆40の表面に載置された状態で、例えば糸状体32を巻き付けた後にその外側に接着剤34を塗布する(糸状体32を固定部5の上面5aを覆うように竿杆40の周囲に巻回して接着剤34を塗布する)ことによって固定領域30にわたって固定される。なお、固定部5は、1本足や2本足など、様々な形状をとることができる。また、糸状体32は、マルチフィラメントが用いられ(モノフィラメントでもよい)、例えばナイロン等の合成樹脂繊維や木綿等の天然繊維から成る。また、接着剤34は、例えばエポキシ系、アクリル系、ウレタン系等の合成樹脂接着剤であり、糸状体32にも含浸される。
【0016】
リング保持部7は、竿杆40の表面から離間した状態で釣糸を案内させるべく、ガイドリング6を止着させる部位である。リング保持部7には、ガイドリング6を嵌入、固定させるための前述した開口7a(図2参照)が形成されており、全体として略円形の外形状を備えている。なお、開口7aに嵌入されるガイドリング6は、リング状に構成され、その内周面である釣糸案内面6a部分での摺動抵抗が小さい部材、例えば、チタン、SUS、セラミックス等によって形成されている。このガイドリング6は、フレーム3が前記プリプレグによって一体形成された後、リング保持部7に形成された開口7aに対して嵌入、固定される。
【0017】
また、支脚部8は、ガイドリング6を竿杆40の表面から離間させるように、固定部5とリング保持部7とを連結する部位である。この支脚部8は、釣糸ガイド1を正面(釣竿の軸長方向)から見た際の鉛直方向X(図2参照)に沿うように形成しても良いし、鉛直方向Xに対して傾斜するように形成しても良い。
【0018】
フレーム3には、少なくとも1つ以上の屈曲部が形成されている。本実施形態では、固定部5と支脚部8との間の境界部分に第1屈曲部(固定部5の端部から支脚部に向けて立ち上がる屈曲部)10aが形成されており、さらに、支脚部8のリング保持部7側に、第1屈曲部10aよりも緩やかに屈曲した第2屈曲部10bが形成されている。フレーム3にこのような屈曲部10a,10bを形成する場合、特に、支脚部8に第2屈曲部10bを形成しておくことで、フレーム全体として、屈曲させることによる曲げ角度を段階的に設定することが可能となり、応力集中を分散させて強度を向上することが可能となる。
【0019】
ところで、本実施形態の釣糸ガイド1のフレーム3は、予め上記したような構成の屈曲部を形成した状態のプリプレグ(加熱成形後は板状体となっている)から、プレス加工等によって形成されるが、この際、所定の外形を有するように形成される。本実施形態では、図1に示すように、固定部5の端部から第1屈曲部10aを介して立ち上がる支脚部8は、上方に移行するに従って次第に幅広となっており、ガイドリング6が取着される開口7aが形成された略円形のリング保持部7に一体的に連結される。なお、支脚部8には、軽量化を図るために、開口(肉抜き)8a(図2参照)を形成しておいても良い。
【0020】
具体的には、フレーム3は、前述したように強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグを、前後方向(図1の軸線O方向;固定部5では必然的に上下方向となる)に、順に複数枚積層することで形成される。この場合、プリプレグは、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ケプラーなどの強化繊維が所定の方向に引き揃えられた状態、或いは編成されたシート状に構成されており、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂)や熱可塑性樹脂(例えば、ナイロン)をマトリックス樹脂として含浸した構成となっている。なお、フレーム3は、複数の繊維強化樹脂層によって構成されるが、上記した屈曲部が補強されるよう、補強層を含んでいても良い。また、重ね合わせるプリプレグの枚数(層数)や、個々のプリプレグの構成については特に限定されることはないが、上記したように、フレーム3に屈曲部10a,10bを形成すること、使用時においてフレーム3には負荷が加わること、装着される釣竿の特性や装着部分等を考慮し、プリプレグの種類や重ねる条件が任意に調整される。
【0021】
更に具体的に説明すると、本実施形態のフレーム3は、少なくとも固定部5の部位が、好ましくはその全体が、図3に示されるような積層構造を成している(後述するように固定部5は傾斜面を有するため、図3では、上下に積層される各層が表面に露出した状態となっている)。すなわち、フレーム3(固定部5)は、釣竿の軸長方向に沿って強化繊維を引き揃えた軸長方向繊維樹脂層21と、釣竿の軸長方向に対して所定の角度を有する交差方向に強化繊維を引き揃えた斜向繊維樹脂層22a,22bと、強化繊維を編成した織布層23とを有している。特に本実施形態では、フレーム3(固定部5)は、その上面(前面)から下面(後面)へ向かって順に、織布層23、軸長方向繊維樹脂層21、軸長方向に対して所定の角度(傾斜角度は任意であるが+15〜+75度が好ましく、より好ましくは+30〜+60度)に強化繊維を引き揃えた第1の斜向繊維樹脂層22a、斜向繊維樹脂層22aと逆向き(傾斜角度は任意であるが−15〜−75度が好ましく、より好ましくは−30〜−60度)の第2の斜向繊維樹脂層22a、更にもう1つの第2の斜向繊維樹脂層22a、更にもう1つの第1の斜向繊維樹脂層22a、更にもう1つの織布層23によって8層構造を成している。
【0022】
このように、繊維強化樹脂製の釣糸ガイドを形成するに際しては、フレーム自体を正面視または平面視した際、少なくとも三方向に強化繊維が指向した状態となるようなプリプレグを選択し、積層することが好ましい。すなわち、強化繊維の指向方向を三方向以上とすることで、効率良く、軽量で強度的に優れた釣糸ガイドを形成することが可能となる。
【0023】
また、上記したプリプレグの配置構成のように、フレーム3の最外層に織布層23を配設することは有益である。これは、フレーム3の表面は、他物が当たり易く、剥離などし易い部分であること、及び、実釣時において、釣糸の張力によってフレームが撓む等、フレーム端部から強化繊維が剥離したり、破損する可能性があることから、この表面領域に強化繊維が編成された織布層を配設しておくことで、強化繊維の裂けや剥離が効果的に防止でき、強度の向上、及び安定化が図れるようになる。
【0024】
このような織布層23を配設することで、より確実に強化繊維が剥離、破損することを防止でき、強度の向上、及び安定化が図れるようになる。また、屈曲部10a,10bについても相対的に強化することができ、軽量で強度バランスに優れた釣糸ガイドとすることが可能となる。もちろん、上記した織布層23の網目の幅については、固定部5やリング保持部7の領域においても、同様にそれらの部分での最小幅よりも小さくすることが好ましい。
【0025】
また、本実施形態では、以上のような積層構造において、釣糸ガイド1の脚部としての固定部5の上面(表面)5aで強化繊維が露出しており、また、上面5aの先端部および左右側部にそれぞれ傾斜面15,16,16を形成することにより、固定部5を構成する繊維強化樹脂層の各層23,21,22a,22b,22b,22a,21,23の全てが上面(表面)5aで露出されている。しかも、各層23,21,22a,22b,22b,22a,21,23の強化繊維の方向が前述したように異なっているため、傾斜面15,16,16で露出する強化繊維が複数の方向に延在した状態となっている。
【0026】
具体的には、釣糸ガイド1の固定部5の上面5aの先端部には、先端へ向かって下向きに傾斜する先端側傾斜面15が設けられている。また、釣糸ガイド1の固定部5の上面5aは、その左右のそれぞれの側縁へ向かって下向きに傾斜する側方傾斜面16,16を有している。そして、これらの先端側傾斜面15と側方傾斜面16,16は連続して形成され(先端側傾斜面15が固定部5の左右側面側へと連続している)、また、各傾斜面15,16,16は前方に向かって(支脚部8と反対の方向に向かって)徐々に幅が広くなっている。この先端側傾斜面15と側方傾斜面16,16は、フレーム成形時に形成しても良いし、研磨によって形成しても良い。
【0027】
固定部5の上面(表面)5aにおける強化繊維の露出は、固定部5の表面(底面、上面、側面)を研磨して粗面化することにより達成される。この粗面化により、固定部5を構成する繊維強化樹脂の強化繊維の端部20が上面(表面)5aで露出(突出を含む)する。特に最上面では、織布層23の表面が荒らされて切断された繊維の端部20や連続する繊維の側面が露出する。また、上面5aに現れる全ての他の層においても強化繊維の端部20が露出している。そして、これらの露出する強化繊維が前述した固定時に接着剤34および糸状体32と接触し、接着剤34で接着されて保持されたり、糸状体32に係止される。
【0028】
図4には、先端側傾斜面15および側方傾斜面16,16で露出(突出を含む)する強化繊維の露出方向(突出方向)が矢印で示されている。図示のように、先端側傾斜面15で露出する強化繊維が複数の方向に向かって延びており、また、側方傾斜面16,16で露出する強化繊維も複数の方向に向かって延びている。また、本実施形態では、前述した積層構造において固定部5の左右両側に傾斜面16,16を設けているため、必然的に、図示のように傾斜面16,16で露出する強化繊維の露出方向(外側突出方向)が左右で互いに逆向きになっている(同じ層内において中心線O1の左右で露出方向が反対になっている)。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の釣竿50によれば、竿杆40に取り付けられる釣糸ガイド1の固定部(脚部)5の上面5aで露出する強化繊維が接着剤34で覆われる(接着剤34と接触する)ため、釣糸ガイド1の固定部5を構成する強化繊維の側面や切断された繊維突出端20等が接着剤34と構造的に強固に結合される。したがって、釣糸ガイド1の固定部5を竿杆40に強固に取り付け固定することができ、固定部5の緩みを効果的に防止できる。また、釣糸ガイド1の固定部5の上面5aで露出する強化繊維が固定部上面を覆って巻回される糸状体32と接触する本実施形態では、露出する繊維突出端20が糸状体32に当接係合した状態で接着されるため、糸状体32による保持作用により、竿杆40に対する釣糸ガイド脚部の取り付け固定が更に強固となる。
【0030】
また、本実施形態では、釣糸ガイド1の固定部5の上面5aの先端部に、先端へ向かって下向きに傾斜する先端側傾斜面15が設けられ、該先端側傾斜面15で露出する強化繊維が複数の方向に向かって延びており、また、釣糸ガイド1の固定部5の上面5aが、その左右のそれぞれの側縁へ向かって下向きに傾斜する側方傾斜面16,16を有し、該側方傾斜面16,16で露出する強化繊維が複数の方向に向かって延びている。このように、釣糸ガイド1の固定部5の上面5aに傾斜面15,16,16を設けると、固定部5を構成する繊維強化樹脂層の各層23,21,22a,22b,22b,22a,21,23の全てを上面5aに露出させることができるため、本実施形態のように各層の強化繊維の方向を異ならせることにより、傾斜面15,16,16で露出する強化繊維を複数の方向に延在させて様々な方向から接着剤34や糸状体32を強化繊維と係合させることができ、接着剤34の剥離や糸状体32の緩みを効果的に防止できる。また、そのような傾斜面15,16,16を固定部5の上面5aの左右に設けていることから、必然的に、傾斜面15,16,16で露出する強化繊維の露出方向(外側突出方向)が左右で互いに逆向きになり、したがって、固定部5の前後の動きを繊維によって両側から支持できるようになる。そのため、固定部5の前後の移動を確実に阻止することが可能になる。
【符号の説明】
【0031】
1 釣糸ガイド
3 フレーム
5 固定部(脚部)
15 先端側傾斜面
16 側方傾斜面
32 糸状体
34 接着剤
40 竿杆
50 釣竿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化樹脂から成る脚部を有する釣糸ガイドを竿杆に取り付けて成る釣竿において、
前記釣糸ガイドの前記脚部の上面には、前記脚部を構成する繊維強化樹脂の強化繊維が露出しており、
前記釣糸ガイドは、その脚部を前記竿杆に載置した状態で、糸状体を前記脚部の前記上面を覆うように前記竿杆の周囲に巻回して接着剤を塗布することにより竿杆に取り付けられ、その状態で、前記釣糸ガイドの前記脚部の上面に露出した前記強化繊維が前記接着剤と接触していることを特徴とする釣竿。
【請求項2】
前記釣糸ガイドの前記脚部の上面に露出した強化繊維が前記糸状体と接触していることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記釣糸ガイドの前記脚部の上面の先端部には、先端へ向かって下向きに傾斜する先端側傾斜面が設けられ、該先端側傾斜面で露出する強化繊維が複数の方向に向かって延びていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の釣竿。
【請求項4】
前記釣糸ガイドの前記脚部の上面は、その左右のそれぞれの側縁へ向かって下向きに傾斜する側方傾斜面を有し、該側方傾斜面で露出する強化繊維が複数の方向に向かって延びていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項5】
前記釣糸ガイドの前記脚部の上面でその左右のそれぞれの側縁へ向かって下向きに傾斜する側方傾斜面と、前記上面の先端部で先端へ向かって下向きに傾斜する先端側傾斜面とが連続して形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の釣竿。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−78(P2012−78A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140182(P2010−140182)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】