説明

鉄道列車の運転曲線の作成方法

【課題】 鉄道列車の粘着引張力という客観的な指標に基づいた運転曲線の作成方法を提供する。
【解決手段】 鉄道列車の運転曲線の作成方法において、鉄道列車の力行が開始されると、ノッチ毎の引張力曲線データの提供(ステップS11)と、粘着引張力データの提供(ステップS12)とに基づいて引張力曲線と粘性引張力との比較を行う(ステップS13)。次いで、その比較により、その速度における鉄道車両の有効なノッチのうち最大のものを選択する(ステップS14)。次に、一定時間、該当するノッチを保持する(ステップS15)。上記したステップを繰り返し、次いで、力行が終了する(ステップS16)と、エンドとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道列車の粘着引張力に基づいた運転曲線の作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道において輸送計画を策定する際、運転曲線に基づいて作成される駅間の運転時分を用いる。この運転曲線の作成は運転理論をもとにして行い、以下の点などを満足することが条件となる。
(1)運転途中のいかなる線路条件の箇所で停車しても、退行することなく、発車、加速できるけん引重量または編成であること。
【0003】
(2)運転途中のいかなる線路条件の箇所でも、必要なブレーキ距離またはブレーキ減速度を確保できること。
(3)駅間の基準(計画)運転時分で必ず運転できること。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】運転理論研究会:運転理論(改訂版),社団法人日本運転協会,2002. pp.1〜9、156〜171
【非特許文献2】今川由一,木村和久ほか:貨物輸送で活躍する運転士さんのよもやま話,運転協会誌,No.615,pp.31−40,2010.9
【非特許文献3】電気鉄道ハンドブック編集委員会:電気鉄道ハンドブック,コロナ社,2007. pp.118〜121、388〜391
【非特許文献4】社団法人電気学会電気鉄道における教育調査専門委員会:最新電気鉄道工学,コロナ社,2000. pp.78〜91
【非特許文献5】西澤寛:DF200形電気式ディーゼル機関車の概要,車両技術,No.198,pp.3−13,1992.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の運転理論における運転曲線の作成法を用いた場合、上記の条件を満たせない場合が存在する。その一例が、機関車けん引による列車、つまり動力集中方式の鉄道列車における運転曲線の作成である。
現在、運転理論に基づいて運転曲線を作成する場合、その列車が有する最大の力を用いるという観点から力行時には常に最大ノッチの使用を前提とする。しかし、動力集中方式の列車の場合、実際の運転場面においては、起動時から最大ノッチを使用することは難しい。そのため、運転曲線に示される加速度(性能)が実現できないため、運転曲線により得られる運転時分では走行できないという問題が生じている。そこで、基準運転時分の算出においては、最大ノッチを前提に作成した運転曲線より得られた時分に、担当者の経験などから多めに余裕時分を加算するなどして調整を行っている。つまり、客観的な運転曲線の作成方法が検討されていないのが現状である。
【0006】
上記課題についてより詳細に説明する。
図10は従来の運転曲線の一例を示す図である。
運転曲線は横軸を距離として、列車の速度変化を示す速度曲線aと時間変化を示す時間曲線bから構成される。
運転曲線の作成においては、列車を1つの質点とし、以下の運動方程式を基本として用いる。
【0007】
α=T(v)−R−B(v)/W … (1)
α:加速度〔m/s2 〕、T:引張力〔N〕、R:列車抵抗〔N〕
B:ブレーキ力〔N〕、W:列車重量〔kg〕
モータやエンジン等による引張力Tから、走行する際に生じる抵抗(列車抵抗)Rおよびブレーキ力Bを減じ、これを列車重量Wで除することにより、加減速度が得られる。この加減速度をもとにして、運転曲線の一部である速度曲線aが作成できる。さらに、以下の積分を用いることによって、得られた速度曲線から駅間走行時分を表す時間曲線bを求めることができる。
【0008】
t=∫(1/v)ds …(2)
運転曲線の作成において、上記した通り使用するノッチが複数ある場合は最大ノッチの引張力を用いて作成するのが基本である。ただし、低いノッチを使用した方が速度制限条件等に対して有利な場合は除く。したがって、たとえ機関車けん引による列車の場合でも、最大ノッチにて運転曲線を作成することになる。
【0009】
電車列車等においては、上記の前提のもとで運転曲線を作成しても、実際の運転方法と大きな差異は見られない。しかし、貨物列車などの機関車けん引による列車においては、粘着の関係で起動時から最大ノッチを使用することは難しく、実際の走行時は低いノッチから順に用いていくことになる。そのため、最大ノッチを用いて加速を行う運転理論に基づき運転曲線を作成した場合、実際に運転可能な最速運転時間よりも駅間運転時分が短くなってしまう可能性が存在する。
【0010】
一方、輸送計画では上記した「駅間の基準(計画)運転時分で必ず運転できる」という条件を満たす必要がある。そこで、この問題を解決するために、担当者の経験などから多めに余裕時分を持たせたり、予め平均加速度を想定して運転曲線を作成したりすることで調整を行っていた。しかし、これらは客観的な値や規則によって示された運転曲線の作成方法でない。従って、機関車けん引の列車に対しても、適切な運転曲線を客観的に作成する手法の検討が求められていた。
【0011】
本発明は、上記状況に鑑みて、鉄道列車の粘着引張力という客観的な指標に基づいた運転曲線の作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕鉄道列車の運転曲線の作成方法において、鉄道列車の客観的な指標である粘着引張力に基づいて運転曲線を作成することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の鉄道列車の運転曲線の作成方法において、前記鉄道列車は動力集中方式の鉄道列車であることを特徴とする。
【0013】
〔3〕上記〔2〕記載の鉄道列車の運転曲線の作成方法において、前記運転曲線の作成時に用いる前記動力集中方式の鉄道列車のノッチとして、引張力が粘着引張力以下のノッチを選択することを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載の鉄道列車の運転曲線の作成方法において、各ノッチの引張力と粘性引張力との比較を行い、鉄道車両の有効なノッチを選択し、一定時間、当該ノッチを保持し、速度上昇に伴い、粘性引張力以下となって選択可能なノッチが新たに現れると、その新たなノッチを選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)動力集中方式の列車に対して、より現実に近い運転曲線の作成が可能になり、担当者の経験などではなく、力学的な数値に基づいた基準運転時分の策定が可能となる。
(2)海外においても適用が多い動力集中方式の列車における走行シミュレーションの精度も向上にも寄与することができる。
【0015】
(3)動力集中方式の列車のみならず、動力分散方式の列車(電車列車など)においても雨天時などの粘着状態が低下した場合における走行シミュレーションが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】列車の動力方式を示す模式図である。
【図2】有効な引張力を示す図である。
【図3】引張力曲線を示す図である。
【図4】粘着係数の変化を示す図である。
【図5】引張力曲線と粘着引張力(DF200形)の比較結果を示す図である。
【図6】本発明に係る粘着引張力を考慮した引張力曲線(DF200形)を示す図である。
【図7】本発明に係る粘着引張力を考慮した運転曲線と従来の運転曲線との比較(勾配なし)を示す図である。
【図8】本発明に係る粘着引張力を考慮した運転曲線と従来の運転曲線との比較(勾配あり)を示す図である。
【図9】本発明の鉄道列車の粘着引張力に基づいた運転曲線の作成方法を整理して示す模式図である。
【図10】従来の運転曲線の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
鉄道列車の運転曲線の作成方法は、鉄道列車の客観的な指標である粘着引張力に基づいて運転曲線を作成する。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
機関車けん引の列車は、列車の動力方式において「動力集中方式」に分類される。まず、この「動力集中方式」の特徴と、列車起動時に影響する「引張力」について検討する。
図1は列車の動力方式を示す模式図であり、図1(a)は動力分散方式、図1(b)は動力集中方式である。ここで、Mは動力車、Tは付随車を示している。
【0019】
列車の動力方式には、機関車けん引に代表される動力集中方式と電車列車が中心になる動力分散方式がある。各動力方式の特徴は、数両の動力車Mに動力を集中するのが動力集中方式、より多くの動力車Mで編成し動力機構を分散したものが動力分散方式である。貨物列車は前者つまり、1両ないし2両の機関車(動力車)によって編成全体をけん引する。そのため、動力車1両あたりの踏面出力は動力分散方式に比べて大きくなる。
【0020】
動力機構を有した車両(動力車)が各機構を通して、列車を走行させようと発揮する力が引張力である。電気車の場合は主電動機、ディーゼル車の場合はディーゼル機関(液体変速機を含む)の回転力を動輪に伝えて走行する力が、これに相当する。引張力は、いくつかの制限する因子によって次のように分類される。
・起動引張力 起動時の起動電流により制限される引張力であり、抵抗制御車においては、限流値により影響を受ける。
・特性引張力 主電動機やディーゼル機関における高速度域の特性による引張力
・粘着引張力 粘着現象に起因する引張力であり、列車が空転せず加速が可能な最大上限の引張力
図2は有効な引張力を示す図である。
【0021】
この図に示すように、粘着引張力1・起動引張力2・特性引張力3の最小値部分が有効な引張力4となる。
図3は引張力曲線を示す図である。
列車における有効な引張力を横軸を速度〔km/h〕として表したものが、この図に示す引張力曲線である。
【0022】
図3においては、3Nは第3ノッチ、4Nは第4ノッチ、5Nは第5ノッチを示し、動力車2両分の2Mモータの起動時の電流が450A(アンペア)と420A(アンペア)の場合の引張力曲線が示されている。
動力車の引張力は、力行時に選択するノッチによって異なる。運転士はこのノッチ選択によって、列車の力行時の挙動を制御することができる。
【0023】
上記引張力の中で、動力集中方式の列車に大きく影響するのは、粘着引張力である。
粘着引張力とは、列車が空転せずに加速が可能な最大上限の引張力のことであるので、つまり、列車はこの粘着引張力を超える引張力を出力することは不可能である。その粘着引張力は、以下の式 (3) で表すことができる。
a =9.8×103 ×μ×Wd …(3)
粘着引張力の単位は〔N〕であり、μは粘着係数となる。また、Wd は動輪上重量(粘着重量) であり、この単位は〔ton〕である。
【0024】
なお、粘着係数はレールと車輪間の状態、また、気温や運転速度によっても変化する。
図4は粘着係数の変化を示す図である。この図では、aは直流及び交直流電気機関車の場合、bは交流電気機関車の場合、cはディーゼル機関車・気動車の場合、dは電車の場合、eは新幹線電車の場合のそれぞれの粘着係数の変化を示している。
運転計画における粘着係数は、現車試験から得られたデータに基づいて処理し、以下の式 (4) に示す粘着係数式としている。尚、JRにおいては、一般的に表1に示す係数値が用いられる。
【0025】
【表1】

<基本式>
μ=K×(1+a×v)/(1+b×v) …(4)
なお、新幹線電車の場合は以下の式(5)を用いる。
【0026】
μ=13.6/(v+85) …(5)
引張力は、粘着引張力より低くなくてはならない。そこで、機関車における引張力と粘着引張力との関係を調査する。
図5は引張力曲線と粘着引張力(DF200形)の比較結果を示す図である。
ここでは、DF200形機関車を例として、その引張力曲線11〜18と粘着引張力19を比較する。粘着係数を算出する際に用いるパラメータは、運転理論におけるディーゼル機関車のものを基本とした以下の式 (6) を用いる。また、DF200形機関車における粘着重量は96〔ton〕である。これより、以下の式 (7) から粘着引張力を得る。
<粘着係数の算出>
μ=0.285×(1+0.114×v)/(1+0.150×v)…(6)
<粘着引張力の算出>
a =9.8×103 ×μ×96 …(7)
この図により、粘着引張力を超えているので、起動時に8ノッチ(従来の運転曲線の作成時に想定していたDF200形における最大ノッチ)を使用できないことが明白に示される。また、速度が上がるにつれて発揮しうる引張力の値が粘着引張力以下となり、使用可能となるノッチが徐々に増えていく状態が確認できる。
【0027】
すなわち、1N(1ノッチ)の引張力曲線11は粘着引張力19以下なので、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。2N(第2ノッチ)の引張力曲線12も粘着引張力19以下なので、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。次いで、3N(第3ノッチ)の引張力曲線13の場合には、粘着引張力19を超える部分は、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できないが、粘着引張力19を超えない点21以下の粘着引張力であれば、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。4N(第4ノッチ)の引張力曲線14の場合には、粘着引張力19を超える部分は、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できないが、粘着引張力19を超えない点22以下の粘着引張力であれば、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。5N(第5ノッチ)の引張力曲線15の場合には、粘着引張力19を超える部分は、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できないが、粘着引張力19を超えない点23以下の粘着引張力であれば、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。6N(第6ノッチ)の引張力曲線16の場合には、粘着引張力19を超える部分は、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できないが、粘着引張力19を超えない点24以下の粘着引張力であれば、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。7N(第7ノッチ)の引張力曲線17の場合には、粘着引張力19を超える部分は、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できないが、粘着引張力19を超えない点25以下の粘着引張力であれば、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。最後に、8N(第8ノッチ)の引張力曲線18の場合には、粘着引張力19を超える部分は、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できないが、粘着引張力19を超えない点26以下の粘着引張力であれば、有効なノッチとして運転曲線の作成に採用できる。
【0028】
これは、実際の機関車の運転と同様である。課題の項で説明した通り、運転曲線は、引張力曲線の最大ノッチを用いて作成している。しかし、実際に粘着引張力を再検討すると、最大ノッチの引張力曲線の値は、実際の車両では発揮し得ない力であるということがこの検討により示された。
このことより、粘着引張力以下の値を持つノッチを選択するという条件が見えてくる。したがって、運転曲線の作成においても、粘着引張力に基づいた以下のノッチ選択ロジックを適用する。
<粘着引張力を考慮したノッチ選択>
ステップS1:引張力が粘着引張力以下のうち、最も大きいノッチを選択する。
ステップS2:ステップS1で選択したノッチを一定時間保持する。
ステップS3:(速度上昇に伴い)粘着引張力以下となって選択可能なノッチが新たに現れる。
【0029】
以下、ステップS1からステップS3を繰り返す。なお、ステップS2は実際の運転においては、瞬時にノッチ操作ができない点を考慮している。
上記ステップS1〜S3の通り粘着引張力を考慮して運転曲線を作成する。例えば、前述のDF200形のデータを用い、粘着引張力を考慮した引張力曲線を作成すると図6のようになる。
【0030】
図6は本発明に係る粘着引張力に基づいた引張力曲線(DF200形)を示す図である。ここで、31は粘着引張力に基づいた引張力曲線である。このように粘着引張力を超えないようにした引張力曲線を作成する。
この図6に示す引張力曲線を用いて運転曲線を作成したものが図7および図8である。
図7は本発明に係る粘着引張力を考慮した運転曲線と従来の運転曲線との比較(勾配なし)を示す図、図8は本発明に係る粘着引張力を考慮した運転曲線と従来の運転曲線との比較(勾配あり)を示す図である。
【0031】
図7、図8および表2に示すように、従来の運転曲線と比較すると、本発明の粘着引張力に基づいた運転曲線の方が明らかに時分を要する結果になっていることがわかる。また、図8に示すように、上りこう配が存在する場合はその影響がより顕著になっている。これは、実際の運転における結果とも一致する。
このように、本発明によれば、鉄道車両の粘着引張力に基づいて、より実際の運転に即した運転曲線を作成することができる。
【0032】
【表2】

図9に本発明の鉄道列車の粘着引張力に基づいた運転曲線の作成方法を整理して示す模式図である。
鉄道列車の力行が開始されると、図3に示したノッチ毎の引張力曲線データの提供(ステップS11)と、図5に示した粘着引張力データの提供(ステップS12)とに基づいて引張力曲線と粘着引張力との比較を行う(ステップS13)。次いで、その比較により、その速度における鉄道車両の有効なノッチのうち最大のものを選択する(ステップS14)。次に、一定時間、該当するノッチを保持する(ステップS15)。上記したステップを繰り返し、次いで、力行が終了するかをチェックし(ステップS16)、終了しなければステップS13に戻り、ステップS13からステップS16を繰り返す。力行が終了するとエンドとする。
【0033】
このように、鉄道車両の実走行可能な運転曲線を作成するためには、粘着引張力に基づいたノッチ選択ロジックを適用することが適切である。
すなわち、引張力曲線と粘性引張力との比較を行い、引張力が粘性引張力以下のノッチを選択し、その選択したノッチを一定時間保持し、速度上昇に伴い、粘性引張力以下となって選択可能なノッチが新たに現れると、その新たなノッチを選択する。このステップを繰り返す。なお、ノッチを一定時間保持するのは、実際の鉄道車両の運転において、瞬時にノッチ操作できない点を考慮している。
【0034】
なお、本発明の粘着引張力に基づいた運転曲線の作成方法では、引張力と粘着引張力との関係を再検討することにより、特に、動力集中方式の列車に対応した運転曲線を作成することができる。さらに、実車のデータを用いた検証において、本発明による運転曲線の妥当性が示された。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の鉄道列車の運転曲線の作成方法は、鉄道列車の粘着引張力という客観的な指標に基づいた運転曲線の作成方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 粘着引張力
2 起動引張力
3 特性引張力
4 有効な引張力
11 1N(第1ノッチ)の引張力曲線
12 2N(第2ノッチ)の引張力曲線
13 3N(第3ノッチ)の引張力曲線
14 4N(第4ノッチ)の引張力曲線
15 5N(第5ノッチ)の引張力曲線
16 6N(第6ノッチ)の引張力曲線
17 7N(第7ノッチ)の引張力曲線
18 8N(第8ノッチ)の引張力曲線
19 粘着引張力
21〜26 粘着引張力を超えない点
31 粘着引張力に基づいた引張力曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道列車の客観的な指標である粘着引張力に基づいて運転曲線を作成することを特徴とする鉄道列車の運転曲線の作成方法。
【請求項2】
請求項1記載の鉄道列車の運転曲線の作成方法において、前記鉄道列車は動力集中方式の鉄道列車であることを特徴とする鉄道列車の運転曲線の作成方法。
【請求項3】
請求項2記載の鉄道列車の運転曲線の作成方法において、前記運転曲線の作成時に用いる前記動力集中方式の鉄道列車のノッチとして、引張力が粘着引張力以下のノッチを選択することを特徴とする鉄道列車の運転曲線の作成方法。
【請求項4】
請求項3記載の鉄道列車の運転曲線の作成方法において、各ノッチの引張力と粘性引張力との比較を行い、鉄道車両の有効なノッチを選択し、一定時間、当該ノッチを保持し、速度上昇に伴い、粘性引張力以下となって選択可能なノッチが新たに現れると、その新たなノッチを選択することを特徴とする鉄道列車の運転曲線の作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−115987(P2013−115987A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261901(P2011−261901)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】