説明

鉄道用レールの連結構造

【課題】継目板の寿命を長くすることができるとともに、多数種の継目板を用いなくても段違いレール、異形レールの接続を行うことができる鉄道用レールの連結構造を提供する。
【解決手段】その長手方向の上端縁と長手方向の下端縁とが平行となる継目板2aと、第1レール1aのレール底部14との間に第2スペーサー3bのスペーサー本体部33を介在させるとともに、継目板2aと、第1レール1aのレール底部14との間に第2スペーサー3aのスペーサー本体部31を介在させて、両レール1a,1bの頭頂面11a、12aをほぼ同一平面内に収まるように保持した状態で、第1レール1aと、この第1レール1aより上下方向の寸法の短い第2のレール1bとを連結するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールの上下方向の寸法が異なる2つのレールをレール長手方向の端面同士を対面させるとともに、レール頭頂面同士をほぼ同一平面内に収まるように連結する鉄道用レールの連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道用レールは、使用しているうちに、レールの頭部が磨耗してくるため、頭部の磨耗が交換限度まで達したレールから新しいレールと交換される。
しかし、交換限度まで磨耗していないレールでも、頭部が、新しいレールに比べ磨耗しているため、新しいレールとは、レールの上下方向の寸法(底部下面(以下、「レール底面」と記す)から頭部上面(以下、「レール頭頂面」と記す)までの寸法が異なる。
このようなレールの上下方向の寸法が異なるレールをJIS E 1102のレール用継目板(以下、「普通継目板」と記す)で接続すると、レール頭頂面に段差ができて、車輪から伝わる継目の衝撃が増加する要因となる。
【0003】
したがって、通常、図7及び図8に示すように、新しい第1のレール(以下、「第1レール」と記す)1aと、磨耗して上下方向の寸法が短い第2のレール(以下、「第2レール」と記す)1bとを連結する場合、上記普通継目板に代えて異形継目板(JIS E 1116)200を用いて、第1レール1aの頭頂面12aと第2レール1bの頭頂面11aとがほぼ同一平面内に収まるように連結するようにしている。
【0004】
そして、上記のように連結することによって、第1レール1aと第2レール1bの下端間に段差が生じるが、第2レール1bを受ける枕木7の上面の高さをバラストの厚みを調整して第1レール1aを受ける枕木の上面より高くすることによって、列車が通過する際に継目板に大きな剪断荷重がかからないようにしている。
また、上記第1レール1a用の枕木7と第2レール1b用の枕木7の上面高さを変える以外に、第1レール1aと第2レール1bとの継目部の下に継目高さ調整板を敷いてレール高さを揃えるようにレールを下方から支持する方法も提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3955539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記異形継目板200の場合、図7及び図8に示すように、継目板200の上端縁が、両レール1a,1bの頭部11,12の下端(上首部)を受け、継目板下端縁が両レール1a,1bの底部14の上端(下首部)に当接するように、レール1a,1bの継目部に当たる部分で両レール1a,1bの上下寸法差に合せた段差を設けた段付き構造となっているため、次のような問題がある。
すなわち、上記のように、枕木7の高さ調整や、継目高さ調整板を用いることによって列車が通過する際、継目板200に大きな剪断荷重がかからないようにしているが、従来の異形継目板の場合、レール1a,1bの継目に臨む部分で長手方向に断面形状が変化して
段差が生じるため、普通継目板のような長手方向に段差がなく同一断面形状を有するものに比べ、この段差部分に局部応力の増大が著しく発生する。したがって、異形継目板200の場合、段差部分での疲労破壊が著しく、普通継目板に比べて寿命が短くなるという欠点を有している。
【0007】
また、異形継目板200の場合、第1レール1aと第2レール1bとの上下寸法差は一定ではないため、段差の異なる異形継目板200を多数種用意しておく必要があり、コストがかかるという問題がある。
なお、図7,8中、23はボルト挿通孔、4は締結ボルトである。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて、継目板の寿命を長くすることができるとともに、多数種の継目板を用いなくても段違いレール、異形レールの接続を行うことができる鉄道用レールの連結構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明にかかる鉄道用レールの連結構造(以下、「本発明の連結構造」と記す)は、第1レールと、この第1レールより上下方向の寸法の短い第2のレールとが、両レールの長手方向の端面同士を対面させ、かつ、レールの頭頂面同士がほぼ同一平面内に収まるように、継目板及び前記両レールの腹部に設けられたボルト挿通孔を貫通させた締結ボルトと、この締結ボルトに螺合させたナットとによって連結された鉄道用レールの連結構造であって、前記継目板は、その長手方向の上端縁と長手方向の下端縁とが平行となるように形成されていて、スペーサーが、前記第2レールの頭部と前記継目板との間及び前記第1レールの底部と前記継目板との間の少なくともいずれかに介在することによって、両レールの頭頂面同士がほぼ同一平面内に収まるように位置決めされていることを特徴としている。
【0010】
本発明の連結構造において、ほぼ同一平面内に収まるとは、完全に同一平面内に収まることが好ましいが、第1レールの頭頂面と第2レールの頭頂面との段差による車輪から伝わる衝撃が許容範囲内となる少しの段差を含むことを意味し、概ね0.5mm以内の段差が好ましい。
【0011】
本発明の連結構造に用いられる継目板は、特に限定されないが、例えば、少なくとも第2レール側のボルト挿通孔が、ボルト挿通位置可変にレールの上下方向に長軸を有する長孔に形成されている構成、レールの腹部方向に向かって上下幅が縮小する横断面略楔形状をしている構成とすることが好ましい。
【0012】
継目板の材質は、特に限定されないが、例えば、鋼鉄、繊維強化熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、本発明の連結構造に用いられる継目板としては、特に限定されず、新たに製作しても構わないが、例えば、従来の普通継目板を用いても構わないし、普通継目板の一部切削したものあるいは切削後、切削部の耐候性や強度を高めるための表面加工を施したものでも構わない。
【0013】
繊維強化樹脂製の継目板は、特に限定されないが、例えば、弾性率が3〜5GPa、引張最大伸び率が2〜5%程度の不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を、ガラス繊維などの補強繊維に含浸した繊維強化熱硬化性樹脂材料を継目板形状に成形し、硬化させて得られる。
また、かかる繊維強化樹脂製の継目板は、例えば、繊維強化熱硬化性樹脂引き抜き成形品を切断するとともに、ボルト挿通孔を穿設する工程を経て得ることができる。
【0014】
本発明の連結構造に用いられるスペーサーは、特に限定されないが、例えば、スペーサーの位置ずれ防止や位置決めを容易にするために、レールの頭部または底部と継目板との間に介在する本体部と、レール腹部に対面するように配置され、締結ボルトのボルト挿通孔を有する位置決め部とを備えている構成としてもよい。
上記スペーサーの材質としては、本発明の目的を達成することができれば、特に限定されず、金属でも樹脂でも構わない。
スペーサーとして使用できる金属としては、鋼鉄や、応力により形状が追従しやすい銅やアルミニウムなどが挙げられる。
スペーサーとして使用できる樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ABS樹脂、合成ゴムなどが挙げられ、耐久性を向上させるために、これら樹脂にアラミド繊維、カーボン繊維などの補強繊維を配合させたもの或いはこれら繊維単体でも構わない。又、継目板にFRPをハンドレイアップして肉盛りにするような形態を取っても構わない。
【発明の効果】
【0015】
本発明の連結構造は、以上のように、第1レールと、この第1レールより上下方向の寸法の短い第2のレールとが、両レールの長手方向の端面同士を対面させ、かつ、レールの頭頂面同士がほぼ同一平面内に収まるように、継目板及び前記両レールの腹部に設けられたボルト挿通孔を貫通させた締結ボルトと、この締結ボルトに螺合させたナットとによって連結された鉄道用レールの連結構造であって、前記継目板は、その長手方向の上端縁と長手方向の下端縁とが平行となるように形成されていて、スペーサーが、前記第2レールの頭部と前記継目板との間及び前記第1レールの底部と前記継目板との間の少なくともいずれかに介在することによって、両レールの頭頂面同士がほぼ同一平面内に収まるように位置決めされているので、継目板の寿命を長くすることができるとともに、多数種の継目板を用いなくても段違いレール、異形レールの接続を行うことができる。
【0016】
すなわち、段違いレールや異形レールの継目部分に普通継目板等のように上端縁及び下端縁が長手方向に一直線状に形成された継目板を用いると、第1レール側では、継目板の下端縁とレール底部との間に隙間が生じ、第2レール側では、継目板の上端縁とレール頭部との間に隙間が生じてしまうため、レールにかかる荷重がボルト挿通孔で受けられることになり、締結ボルトの破損が発生しやすくなるが、上記隙間にスペーサーを介在させることによって、レール頭部にかかる荷重がスペーサー及び継目板を介してレール底部に受けられ、ボルト挿通孔を介して締結ボルトにかかることを緩和できる。
しかも、この隙間にスペーサーを設けて継目板を締め付けることで、継目板とスペーサーが一体となるとともに、継目板自身は長手方向での形状変化を有していないため、従来の異形継目板のような、車両通行時での局部応力の発生が起きにくい。
【0017】
したがって、異形継目板を用いた連結構造に比べ、継目板の交換頻度を少なくすることができる。また、スペーサーを交換するだけでよいので、多種の継目板を用意する必要がなく、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の連結構造の第1の実施の形態をあらわす連結部をレールの側面方向からみた図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】図1の連結構造に用いられる継目板の斜視図である。
【図5】本発明の連結構造の第2の実施の形態であって、その第2のレール側の継目板部分の断面図である。
【図6】図5の連結構造の第1のレール側の継目板部分の断面図である。
【図7】従来の異形継目板によるレール連結部の斜視図である。
【図8】図7のレール連結部をレール側面側からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図3は、本発明の連結構造の第1の実施の形態をあらわしている。
【0020】
図1に示すように、この連結構造Aは、第1レール(例えば、新品の50Kレール)1aと、第2レール(例えば、2mm磨耗している50Kレールである)1bとが、2つの継目板2a、2つの第1スペーサー3b、2つの第2スペーサー3a、締結ボルト4及び図2及び図3に示すナット6を用いて連結固定されている。
すなわち、第2レール1bの上下方向の寸法H1は、第1レール1aの上下方向の寸法H2より2mm低くなっている。
【0021】
一方、継目板2aは、繊維強化熱硬化性樹脂の引抜成形品を切断して得た50Nレール用普通継目板(積水化学工業株式会社製)の下端縁を2mmの厚み分切削して得た上端縁及び下端縁が長手方向に直線状になっていて、厚み方向のレール腹部13側に向かって上端及び下端がテーパ状に収束するような断面略楔形をしている。
また、継目板2aは、図4に示すように、上下方向に長軸を有する4つ(図4では2つしかあらわれていない)のボルト挿通孔23が第1レール1a及び第2レール1bと同じピッッチで設けられている。
ボルト挿通孔23の短軸方向(水平方向)の寸法は、締結ボルト4の胴部外径とほぼ同じか少し大きくなっている。
【0022】
第1スペーサー3bは、図1及び図3に示すように、スペーサー本体部33と、位置決め部34とを備えた断面略L字形の板状(またはシート状)をしたポリアミド樹脂の成形品(たとえば、厚み2mm)からなる。
スペーサー本体部33は、継目板2aと、第1レール1aのレール底部14との間で挟み込まれるようになっている。
【0023】
位置決め部34は、第1レール1aのボルト挿通孔13aに対応する位置にボルト挿通孔34aが穿設されている。
ボルト挿通孔34aは、継目板2aのボルト挿通孔23とほぼ同じ長孔形状をしている。
【0024】
第2スペーサー3aは、図1及び図2に示すように、スペーサー本体部31と、位置決め部32とを備えた断面略L字形の板状(またはシート状)をしたポリアミド樹脂の成形品(たとえば、厚み2mm)からなる。
スペーサー本体部31は、継目板2aと、第2レール1bのレール頭部11との間で挟み込まれるようになっている。
【0025】
位置決め部32は、第2レール1bのボルト挿通孔13aに対応する位置にボルト挿通孔32aが穿設されている。
ボルト挿通孔32aは、継目板2aのボルト挿通孔23とほぼ同じ長孔形状をしている。
【0026】
そして、この連結構造Aは、第1レール1aと第2レール1bとが、その長手方向の端面が対面するとともに、第1レール1aの頭頂面12aと、第2レール1bの頭頂面11aとがほぼ同一平面内に収まるように保持されている。
2つの継目板2aは、以下のように、第1スペーサー3b及び第2スペーサー3aを、第1レール1aと第2レール1bとの間に介在させた状態になっている。
すなわち、第1スペーサー3bは、スペーサー本体部33が第1レール1aのレール頭部12と継目板2aの下端部との間で挟み込まれ、位置決め部34がそのボルト挿通孔34aを継目板2aのボルト挿通孔23とほぼ一致する位置になるように、第1レール1aのレール腹部13との間に配置されている。
【0027】
第2スペーサー3aは、スペーサー本体部31が第2レール1bのレール頭部11と継目板2aの上端部との間で挟み込まれ、位置決め部32がそのボルト挿通孔32aを継目板2aのボルト挿通孔23とほぼ一致する位置になるように、第2レール1bのレール腹部13との間に配置されている。
締結ボルト4は、ボルト挿通孔23、ボルト挿通孔32a(または34a)、ボルト挿通孔13a、ボルト挿通孔32a(または34a)、ボルト挿通孔23の順で一方の継目板2aから他方の継目板2aに向かって挿通し、他方の継目板2aから突出したボルト先端部にワッシャ5,5を介してナット6,6を捻じ込まれている。
すなわち、この状態で、第2スペーサー3aのスペーサー本体部31が継目板2aの上端縁とレール頭部11との間で挟み込まれ、第1スペーサー3bのスペーサー本体部33が継目板2aの下端縁とレール底部14との間で挟み込まれ、第1レール1aの頭頂面12aと第2レール1bの頭頂面11aがほぼ同一平面内に収まるように固定されている。
【0028】
この連結構造Aは、上記のように、継目板2aが、上端縁及び下端縁が長手方向に直線状になっているので、すなわち、継目板2aの第1レール1aと第2レール1bとの継目位置に異形継目板のような段差がないので、継目板2aの第1レール1aと第2レール1bとの継目位置にあたる部分で、大きな局部応力が発生することがなく、継目板2aの寿命が異形継目板に比べ長く保たれる。
継目板2aのボルト挿通孔23が上下方向に長軸を有する長孔になっているので、レール腹部13のボルト挿通孔13aと容易に一致させることができるとともに、継目板2aの上下方向の取り付け位置の微調整を容易に行うことができる。
【0029】
継目板2aが、繊維強化熱硬化性樹脂の引抜成形品を切断したものから形成されているので、鋼鉄製の継目板に比べて軽量で施工性に優れている。しかも、引抜成形品は、強化繊維をマトリックス樹脂中に緻密に入れることができるので、バッチ式の成形品に比べ強度的にも優れている。
また、継目板2a、第1スペーサー3b及び第2スペーサー3aが、樹脂材料で形成されていて、絶縁性を備えているので、第1レール1aと第2レール1bとの間に電気的絶縁が必要な場合においても、絶縁材を第1レール1aと第2レール1bとの間に介在させる必要がない。
【0030】
さらに、第1スペーサー3bが位置決め部32を備え、この位置決め部32にボルト挿通孔32aが設けられ,第2スペーサー3aが位置決め部34を備え、この位置決め部34にボルト挿通孔34aが設けられているので、締結ボルト4にナット6をねじ込む際に第1スペーサー3b及び第2スペーサー3aがずれ動かず、スペーサー本体部31が第2レール1aのレール頭部11と継目板2aとの間に、スペーサー本体部33が第1レール1aのレール底部14と継目板2aとの間に、それぞれ正確に挟み込まれる。
【0031】
図5及び図6は、本発明の連結構造の第2の実施の形態をあらわしている。
図5及び図6に示すように、この連結構造Bは、以下に詳述する部分以外は、上記連結構造Aと同様になっている。したがって、上記連結構造Aと共通する部分は同じ符号を付している。
【0032】
すなわち、この連結構造Bは、継目板2bの断面形状が、レール腹部13に対面する部分が長手方向に溝状に連続する凹部を備え、図5に示すように、上部スペーサー3cが、継目板2bと第2レール1bのレール頭部11との間にのみ介在し、図6に示すように、下部スペーサー3dが継目板2bと第1レール1aのレール底部14との間にのみ介在している。
【0033】
この連結構造Bは、上記のように、上部スペーサー3cが、継目板2bと第2レール1bのレール頭部11との間にのみ介在し、図6に示すように、下部スペーサー3dが継目板2bと第1レール1aのレール底部14との間にのみ介在するようになっているので、上部スペーサー3cの、第2レール1bのレール頭部11と継目板2bとの挟み込み位置を変更する、あるいは、下部スペーサー3dの、第1レール1aのレール底部14と継目板2bとの挟み込み位置を変更するだけで、第1レール1aと第2レール1bの上下方向の寸法差(H2−H1)が異なるレール間の連結に対応することができる。すなわち、厚みの異なる上部スペーサー3c及び下部スペーサー3dを多数用意しなくても微調整が容易に行える。
【0034】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、継目板の4つのボルト挿通孔がすべて長孔になっていたが、第2レール側に配置されるボルト挿通孔を長孔にし、第1レール側に配置されるボルト挿通孔を締結ボルトのボルト径とほぼ同じか少し大きい内径の円形孔にしても構わない。
上記の実施の形態では、新しい第1レールと、同一規格の磨耗した第2レールとを連結するようにしていたが、レールの上下方向の寸法が異なり規格の異なるレール(例えば、50Kレールと37Kレール)を連結することができる。
上記の実施の形態では、継目板を既製の継目板の下端を切削加工するようにしていたが、普通継目板をそのまま用いるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0035】
A,B 連結構造
1a 第1レール
1b 第2レール
11 第2レール1bのレール頭部
11a 第2レール1bの頭頂面
12 第1レール1aのレール頭部
12a 第1レール1aの頭頂面
13 レール腹部
13a ボルト挿通孔
14 レール底部
2a,2b 継目板
23 継目板のボルト挿通孔
3a 第2スペーサー
3b 第1スペーサー
3c 上部スペーサー
3d 下部スペーサー
31 第2スペーサー3aのスペーサー本体部
32 第2スペーサー3aの位置決め部
32a ボルト挿通孔
33 第1スペーサー3bのスペーサー本体部
34 第1スペーサー3bの位置決め部
34a ボルト挿通孔
4 締結ボルト
6 ナット
1 第2レール1bの上下方向の寸法
2 第1レール1aの上下方向の寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレールと、この第1のレールより上下方向の寸法の短い第2のレールとが、両レールの長手方向の端面同士を対面させ、かつ、レールの頭頂面同士がほぼ同一平面内に収まるように、継目板および前記両レールの腹部に設けられたボルト挿通孔を貫通させた締結ボルトと、この締結ボルトに螺合させたナットとによって連結された鉄道用レールの連結構造であって、
前記継目板は、上端縁と下端縁とが長手方向にそれぞれ一直線となる断面形状に形成されていて、
スペーサーが、前記第2のレールの頭部と前記継目板との間および前記第1のレールの底部と前記継目板との間の少なくともいずれかに介在することによって、両レールの頭頂面同士がほぼ同一平面内に収まるように位置決めされていることを特徴とする鉄道用レールの連結構造。
【請求項2】
継目板は、少なくとも第2レール側のボルト挿通孔が、ボルト挿通位置可変にレールの上下方向に長軸を有する長孔に形成されている請求項1に記載の鉄道用レールの連結構造。
【請求項3】
継目板が、レールの腹部方向に向かって上下幅が縮小する横断面略楔形状をしている請求項1または請求項2記載の鉄道用レールの連結構造。
【請求項4】
スペーサーが、レールの頭部または底部と継目板との間に介在する本体部と、レール腹部に対面するように配置され、締結ボルトのボルト挿通孔を有する位置決め部とを備えている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の鉄道用レールの連結構造。
【請求項5】
継目板が、繊維強化熱硬化性樹脂で形成されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の鉄道用レールの連結構造。
【請求項6】
継目板が、繊維強化熱硬化性樹脂引き抜き成形品を切断するとともに、ボルト挿通孔を穿設する工程を経て得られる請求項5に記載の鉄道用レールの連結構造。
【請求項7】
継目板が、JIS E 1102のレール用継目板である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の鉄道用レールの連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−68056(P2013−68056A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209127(P2011−209127)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)