説明

銘柄名編集システム

【課題】銘柄名の文字列を表示端末の表示形態に応じて自動的に編集できる銘柄名編集システムを提供する。
【解決手段】銘柄名編集サーバ2は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列を編集し、新たな銘柄名文字列を作成する。銘柄名編集サーバ2は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列と編集後の銘柄名文字列とを含む編集後銘柄情報を作成する。表示端末104は、受信した編集後銘柄情報と株価情報とを、対応付けて表示する。表示端末104は、その表示形態に応じて、編集後銘柄情報に含まれる複数の銘柄名文字列から表示可能な銘柄名文字列を選択し、選択された銘柄名文字列を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銘柄名編集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、各銘柄コードに複数の銘柄IDが付与され、当該銘柄IDに対応する銘柄の価格データを表示する際に、既に当該銘柄コードに対応するいずれかの銘柄IDの価格データが表示されていれば、表示する価格データを、IDが異なっていても既に表示されている画面の同一箇所に表示する情報表示装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002− 83142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、銘柄名の文字列を表示端末の表示形態に応じて自動的に編集できる銘柄名編集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る銘柄名編集システムは、銘柄の名称に関する第1の銘柄名文字列情報を含む複数の銘柄情報を管理して、この銘柄情報を配信する取引所サーバと、前記銘柄情報を表示する1つ以上の表示端末と、前記取引所サーバから前記銘柄情報を受信する受信手段と、前記表示端末の表示形態において表示可能なデータ量に応じて、前記第1の銘柄名文字列の空白部分およびそれ以外の文字部分を再配置して1つ以上の第2の銘柄名文字列を作成する文字列編集手段と、前記第1の銘柄名文字列と前記作成された第2の銘柄名文字列とを前記表示端末に送信する送信手段とを有し、前記表示端末は、表示形態に応じて、前記第1の銘柄名文字列または前記第2の銘柄名文字列に対応する文字列を表示する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る銘柄名編集システムによれば、銘柄名の文字列を表示端末の表示形態に応じて自動的に編集できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】証券端末に表示される画面を例示する図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる銘柄名編集システムを示す図である。
【図3】銘柄名編集サーバで動作する銘柄名編集プログラムを示す図である。
【図4】文字列編集部が文字列を編集するために参照する編集テーブルである。
【図5】編集後銘柄情報DBに格納される編集後銘柄情報の詳細を例示する図である。
【図6】銘柄名編集サーバにおいて実行される一連の銘柄名編集処理を示すフローチャートである。
【図7】図6に示したステップ20の具体的な処理を示すフローチャートである。
【図8】図5に示した編集後銘柄情報の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本発明の背景]
発明の理解を助けるため、まず、本発明の背景を説明する。
図1は、証券端末に表示される画面を例示する図である。
図1(A)は複数の銘柄について取引値を列挙して表示する形態の表示画面を例示し、図1(B)はある1つの銘柄についての取引値等の情報を示す形態の表示画面を例示する。
【0009】
従来、証券取引所における各銘柄(株式銘柄)についての情報(銘柄情報)を管理する取引所サーバは、各銘柄の銘柄名を、8バイト分の文字数(全て全角ならば4文字、全て半角ならば8文字)で管理し、その文字数の銘柄名の文字列(銘柄名文字列)を含む銘柄情報が、銘柄電文として各証券端末に配信されていた。
そして、図1(A),(B)に示すように、証券端末において、取引所サーバから配信された銘柄名文字列が、そのままの形で表記されていた。
ここで、図1(A)に示したAのように、例えば、全角2文字の銘柄名「AB」は、「A」と「B」との間に全角スペース(「□」で示す)が2個挿入されることによって、8バイト分の文字数「A□□B」で表記されていた。
また、図1(A)に示したBのように、例えば、全角3文字の銘柄名「アイウ」は、「ア」と「イ」と「ウ」との間にそれぞれ半角スペース(「・」で示す)が挿入されることによって、8バイト分の文字数「ア・イ・ウ」で表記されていた。
【0010】
一方、近年の銘柄の増加および銘柄名の多様化に伴い、取引所サーバは、各銘柄の銘柄名を、20バイト分の文字数(全角10文字)で管理することとなり、その文字数の銘柄名文字列を含む銘柄情報が、銘柄電文として配信されることとなった。
図1(C),(D)はこの場合の問題点を示す図であり、図1(C)は図1(A)の表示画面に対応し、図1(D)は図1(B)の表示画面に対応する。
【0011】
この場合、表示画面には、図1(C),(D)に示すように、例えば、全角2文字の銘柄名「AB」は、「AB」の後続に全角スペースが8個挿入されて表記されることとなる。つまり、銘柄名は左詰めで表記される。
このように左詰めで表記されることにより、従来の表記と比較して、銘柄名の見栄えが悪くなる可能性がある。
また、銘柄名の表示箇所で全角10文字を表示できない証券端末は、取引所サーバから配信された銘柄名文字列を表示できないので、その端末については表示フォーマット等の改造が必要となる。
以下に示す銘柄名編集システムは、上記のような問題を解消しうるように構成されている。
【0012】
[本発明の実施形態]
次に、本発明の実施形態を説明する。
図2は、本発明の実施形態にかかる銘柄名編集システム1を示す図であり、(A)はシステム全体の構成を示し、(B)はシステムの各構成要素のハードウェア構成を示す。
図2(A)に示すように、銘柄名編集システム1は、取引所Aサーバ102−1、取引所Bサーバ102−2、受信サーバ120、銘柄名編集サーバ2、配信サーバ122、および表示端末104−1〜104−M(Mは1以上の整数。但し、Mが常に同じ数とは限らない)を有する。
銘柄名編集システム1において、取引所Aサーバ102−1および取引所Bサーバ102−2と、受信サーバ120とが、有線または無線で接続されており、配信サーバ122と表示端末104−1〜104−Mとがネットワーク100を介して接続されている。
【0013】
なお、以下、表示端末104−1〜104−Mなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に表示端末104などと略記することがある。
また、取引所Aサーバ102−1、取引所Bサーバ102−2を特定せずに示す場合には、単に取引所サーバ102と略記することがある。
また、表示端末104−1〜104−Mを、それぞれ表示端末#1〜#Mと表記することがある。
【0014】
なお、図2では取引所サーバが2個の場合を例示したが、取引所サーバは1個であっても3個以上であってもよい。
また、図2に示した銘柄名編集システム1を構成する装置のうち、任意の2つ以上は、適宜、一体に構成されうる。
また、ある1つの装置において実現される複数の機能が、それぞれ別々の装置において実現されるようにしてもよいし、図2に示されていない装置において実現されるようにしてもよい。
【0015】
取引所サーバ102は、対応する証券取引所における各銘柄についての銘柄情報を管理し、その銘柄情報(以降、「編集前銘柄情報」と記す)を銘柄電文として受信サーバ120に配信する。
さらに、取引所サーバ102は、各銘柄の株価に関する情報(株価情報)を管理し、受信サーバ120に配信する。
なお、取引所Aサーバ102−1、取引所Bサーバ102−2それぞれに関する証券取引所(以下、単に取引所と記す)を、それぞれ取引所A,取引所Bと表記することがある。
【0016】
ここで、取引所サーバ102によって配信される編集前銘柄情報は、図2(A)に示すように、電文種別を示すヘッダ、取引所を識別するための取引所コード、銘柄を識別するための銘柄コード、銘柄の属性(市場区分等)を示す銘柄属性、および、銘柄名を示す銘柄名文字列を含む。
なお、ヘッダは、例えば、対応する銘柄が新規上場された銘柄であることを示す情報(新規上場情報)、および、対応する銘柄について商号変更がされたことを示す情報(商号変更情報)を含む。
【0017】
受信サーバ120は、編集前銘柄情報および株価情報を受信し、編集前銘柄情報を銘柄名編集サーバ2に対して送信し、株価情報を配信サーバ122に対して送信する。
銘柄名編集サーバ2は、後述する処理によって編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列を編集し、新たな銘柄名文字列を作成する。
さらに、銘柄名編集サーバ2は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列と編集後の銘柄名文字列とを含む銘柄情報(以後、「編集後銘柄情報」と記す)を作成し、この編集後銘柄情報を配信サーバ122に対して送信する。
配信サーバ122は、受信サーバ120から受信した株価情報と、銘柄名編集サーバ2から受信した編集後銘柄情報とを、ネットワーク100を介して、表示端末104に対して送信する。
【0018】
ここで、配信サーバ122から表示端末104に送信される編集後銘柄情報は、図2(A)に示すように、ヘッダ、取引所コード、銘柄コード、銘柄属性、および、複数の銘柄名文字列#1〜#K(Kは2以上の整数。但し、Kが常に同じ数とは限らない)を含む。
なお、銘柄名文字列#1〜#Kのうち、銘柄名文字列#1は、編集前の銘柄名文字列であってもよい。この場合、銘柄名文字列#2〜#Kは、銘柄名編集サーバ2によって編集された文字列である。
表示端末104は、受信した編集後銘柄情報と株価情報とを、対応付けて表示する。
ここで、表示端末104は、その表示形態に応じて、編集後銘柄情報に含まれる複数の銘柄名文字列から表示可能な銘柄名文字列を選択し、選択された銘柄名文字列を表示する。
【0019】
図2(B)は、図2(A)に示した取引所サーバ102、受信サーバ120、銘柄名編集サーバ2、配信サーバ122、および表示端末104のハードウェア構成を例示する図である。
図2(B)に示すように、取引所サーバ102、受信サーバ120、銘柄名編集サーバ2、配信サーバ122および表示端末104は、CPU152およびメモリ154などを含む本体150、キーボードおよび表示装置などを含む入出力装置156、他の装置との通信を行う通信装置158、および、CD装置およびHDD装置など、記録媒体162に対するデータの記録および再生を行う記録装置160から構成される。
つまり、取引所サーバ102、受信サーバ120、銘柄名編集サーバ2、配信サーバ122、および表示端末104は、情報処理および他の装置との通信が可能なコンピュータとしてのハードウェア構成部分を有している。
【0020】
図3は、銘柄名編集サーバ2で動作する銘柄名編集プログラム20を示す図である。
図3に示すように、銘柄名編集プログラム20は、ユーザインタフェース(UI)200、銘柄情報受信部202、編集前銘柄情報管理部204、編集前銘柄情報データベース(DB)206、自動編集部22、編集後銘柄情報管理部260、編集後銘柄情報DB262、自動編集完了通知部242、手動編集受付部244、フラグ設定部246、および銘柄情報送信部264から構成される。
銘柄名編集プログラム20は、たとえば、記憶媒体162を介して銘柄名編集サーバ2に供給され、メモリ154にロードされ、銘柄名編集サーバ2にインストールされたOS上で、銘柄名編集サーバ2のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
【0021】
銘柄名編集プログラム20において、銘柄情報受信部202は、受信サーバ120から、取引所サーバ102から受信された編集前銘柄情報を受信する。
編集前銘柄情報管理部204は、銘柄情報受信部202が受信した編集前銘柄情報を編集前銘柄情報DB206に格納し、各銘柄に対応する編集前銘柄情報を管理する。
さらに、編集前銘柄情報管理部204は、後述する所定の場合に、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列を自動編集部22に対して出力する。
また、編集前銘柄情報管理部204は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列以外の情報を、編集後銘柄情報管理部260に対して出力する。
【0022】
自動編集部22は、文字列分析部222、文字列編集部228、表示可能文字数DB232、文字数超過通知部234から構成される。
これらの構成部分により、自動編集部22は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列を再配列することによって銘柄名文字列を編集し、新たな銘柄名文字列を作成する。
【0023】
自動編集部22において、文字列分析部222は、編集前銘柄情報管理部204からの銘柄名文字列(編集前銘柄名文字列)のうち、空白文字(スペース)を示す情報(空白文字情報)と空白文字以外の文字(「一般文字」と称す)を示す情報(一般文字情報)とを抽出する。
この抽出処理は、例えば、空白文字および一般文字に割り当てられた文字コードを抽出することによってなされる。
また、文字列分析部222は、一般文字情報に基づいて、編集前銘柄名文字列に含まれる一般文字の数(バイト数)を検出する。
さらに、文字列分析部222は、抽出した一般文字情報および一般文字数を文字列編集部228に対して出力する。
【0024】
文字列編集部228は、一般文字情報と一般文字数と表示可能文字数DB232に記憶された表示可能文字数情報とに基づいて、銘柄名文字列に含まれる一般文字と空白文字とを再配置する。
表示可能文字数DB232に記憶されている表示可能文字数情報は、図3に示すように、例えば、文字数と、その文字数の銘柄名を表示する各表示端末104との対応を示す情報である。
【0025】
ここで、図3の例においては、表示端末#1は6文字および10文字の両方を表示するとあるが、これは、表示端末#1が、6文字の銘柄名を表記する表示形態と10文字の銘柄名を表記する表示形態とを有することを意味する。
なお、図3の例においては、表示可能文字数情報には、各文字数の文字列から構成された銘柄名を表示する表示端末104の具体的な識別情報が含まれるとしたが、表示可能文字数情報は、各文字数の銘柄名を表示する表示端末104が存在するか否かを示すのみであってもよい。
【0026】
図4は、文字列編集部228が文字列を編集するために参照する編集テーブルである。
文字列編集部228は、例えば図4に示すような編集テーブルを有しており、この編集テーブルを参照して銘柄名文字列の編集処理を行う。
例えば、一般文字数が全角2文字である場合は、表示可能文字数情報に含まれる文字数(バイト数)について、図4の矢印Aで示すように、一般文字(「A」および「B」)の間と最後の文字「B」の後続とに、表示可能文字数と一般文字数との差分の数の空白文字「□」を挿入する。
【0027】
また、一般文字数が全角3文字である場合は、表示可能文字数情報に含まれる文字数(バイト数)について、図4の矢印Bで示すように、一般文字(「A」,「B」および「C」)の間と最後の文字「C」の後続とに、表示可能文字数と一般文字数との差分の数の空白文字「□(全角スペース)」または「・(半角スペース)」を挿入する。
なお、図4に例示した編集テーブルに示された空白文字と一般文字との配置は、一例であって、挿入する空白文字の個数等は、管理者により、適宜、調整可能である。
【0028】
さらに、文字列編集部228は、編集処理がなされた銘柄名文字列(編集後銘柄名文字列)を、編集後銘柄情報管理部260に対して出力する。
ここで、文字列編集部228は、銘柄名文字列の一般文字数が表示可能文字数を超過する場合には、自動編集が不可であるとして、その旨を示す情報(文字数超過情報)を、文字数超過通知部234に対して出力する。
図4の例では、銘柄名文字列の一般文字数が全角5文字であって表示可能文字数が全角4文字(8バイト)の場合と、銘柄名文字列の一般文字数が全角6文字であって表示可能文字数が全角4文字(8バイト)および全角5文字(10バイト)の場合に、文字列編集部228は、文字数超過情報を出力する。
文字数超過通知部234は、文字列編集部228から文字数超過情報を受け入れると、管理者に手動編集が必要である旨を通知する情報を、UI200を介して入出力装置156に対して出力する。
この情報が表示装置等の入出力装置156を介して管理者に通知されることによって、管理者は、キーボード等の入出力装置156を操作して、適宜、銘柄名文字列を手動で編集することができる。
【0029】
編集後銘柄情報管理部260は、文字列編集部228からの編集後銘柄名文字列と、編集前銘柄情報管理部204からの銘柄名文字列以外の情報とを結合して、後述する編集後銘柄情報を作成する。
さらに、編集後銘柄情報管理部260は、作成した編集後銘柄情報を編集後銘柄情報DB262に格納し、各銘柄に対応する編集後銘柄情報を管理する。
銘柄情報送信部264は、編集後銘柄情報を、配信サーバ122に対して送信する。
【0030】
また、編集後銘柄情報管理部260は、自動編集がされた編集後銘柄名文字列を含む情報を、自動編集完了通知部242に対して出力する。
自動編集完了通知部242は、編集後銘柄情報管理部260からの情報を受け入れると、銘柄名文字列が自動編集され編集後銘柄名文字列が作成されたことを示す通知を、編集後銘柄名文字列と対応づけて、UI200を介して、入出力装置156に対して出力する。
この情報が表示装置等の入出力装置156を介して管理者に通知されることによって、管理者は、自動編集された編集後銘柄名文字列が所望の文字列でないと判断する場合に、管理者自身が所望する銘柄名文字列を、キーボード等の入出力装置156を操作して作成することができる。
【0031】
手動編集受付部244は、管理者による入出力装置156の操作によって作成された銘柄名文字列(手動編集銘柄名文字列)を受け付ける。
フラグ設定部246は、手動編集銘柄名文字列が作成された銘柄について、手動で銘柄名文字列が編集がされたことを示すフラグ(手動編集フラグ)を設定する。
編集後銘柄情報管理部260は、手動フラグが設定された銘柄について、編集後銘柄情報に手動フラグを追加する。
【0032】
図5は、編集後銘柄情報DB262に格納される編集後銘柄情報の詳細を例示する図である。
図5の例においては、複数の銘柄についての編集後銘柄情報が示されている。
銘柄名文字列#1は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列そのもの(つまり10文字に編集された銘柄名文字列)であり、銘柄名文字列#2は、4文字に編集された編集後銘柄名文字列であり、銘柄名文字列#3は、6文字に編集された編集後銘柄名文字列である。
本実施形態においては、図5に示すように、表示端末104に送信される編集後銘柄情報に、複数の銘柄名文字列が含まれているので、表示端末104は、その表示形態に応じて銘柄名文字列を選択し、表示することができる。
【0033】
なお、図5の例において、銘柄コード「9999」については、編集前の銘柄名文字列に含まれる一般文字「アイウエオ」の文字数が5個であるので、4文字に編集する際には、手動編集が必要となる。
つまり、図5に例示した銘柄名文字列#2「ア・イ・ウ」は、管理者によって手動編集されて作成されたものである。
したがって、銘柄コード「9999」については、手動編集フラグが「有」となっている。
【0034】
ここで、編集前銘柄情報管理部204(図3)が、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列を自動編集部22に対して出力する条件について述べる。
編集前銘柄情報管理部204は、編集前銘柄情報のヘッダに、新規上場情報または商号変更情報が含まれているか否かを判断し、新規上場情報が含まれている場合には、編集前銘柄情報管理部204は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列を自動編集部22に対して出力する。
【0035】
一方、商号変更情報が含まれている場合には、編集前銘柄情報管理部204は、編集後銘柄情報管理部260に対して商号変更される前に作成された、対応する銘柄の編集後銘柄情報に、手動編集フラグが設定されているか否かを判断する。
手動編集フラグが設定されていない場合には、編集前銘柄情報管理部204は、編集前銘柄情報に含まれる銘柄名文字列を自動編集部22に対して出力し、手動編集フラグが設定されている場合には、銘柄名文字列を自動編集部22に対して出力しない。
【0036】
つまり、編集前銘柄情報管理部204は、銘柄が新規上場された場合、および、商号変更され手動編集フラグが設定されていない場合にのみ、銘柄名文字列を出力し、自動編集部22は、これらの場合にのみ、銘柄名文字列の編集処理を行う。
なお、上述した新規上場/商号変更という条件は、銘柄名文字列を編集すべき場合を例示したものであって、これらの条件は、適宜、変更可能である。
【0037】
図6は、銘柄名編集サーバ2において実行される一連の銘柄名編集処理(S10)を示すフローチャートである。
ステップ102(S102)において、銘柄情報受信部202は、銘柄情報(編集前銘柄情報)を受信する。
【0038】
ステップ104(S104)において、編集前銘柄情報管理部204は、受信した銘柄情報に関する銘柄が、新規上場されたものであるか、商号変更されたものであるか、またはこれらのいずれでもないかを判断する。
新規上場されたものであると判断された場合には、処理はS20に進み、商号変更されたものであると判断された場合には、処理はS106に進み、これらのいずれでもないと判断された場合には、処理は終了する。
【0039】
ステップ106(S106)において、編集前銘柄情報管理部204は、受信した銘柄情報に対応する編集後銘柄情報に手動編集フラグが設定されているか否かを判断し、設定されている場合は処理を終了し、設定されていない場合には、処理はS20に進む。
ステップ20(S20)において、自動編集部22は、銘柄名文字列の編集処理を行う。
ステップ112(S112)において、銘柄名文字列について自動編集がなされたことを示す情報が、自動編集完了通知部242によって入出力装置156に表示されることにより、管理者に対して通知される。
【0040】
ステップ114(S114)において、手動編集受付部244は、管理者により銘柄名文字列に対して手動編集されたか否かを判断し、手動編集されたと判断された場合には処理はS116に進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップ116(S116)において、フラグ設定部246は、対応する銘柄の編集後銘柄情報に手動設定フラグを設定する。
【0041】
図7は、図6に示したステップ20(S20)の具体的な処理を示すフローチャートである。
ステップ202(S202)において、文字列分析部222は、銘柄名文字列から、一般文字を抽出する。
ステップ204(S204)において、文字列編集部228は、表示可能文字数DB232から、表示可能文字数を検索する。
【0042】
ステップ208(S208)において、文字列編集部228は、銘柄名文字列の一般文字数が表示可能文字数を超過するか否かを判断し、超過する場合には、処理はS210に進み、超過しない場合には、処理はS212に進む。
ステップ210(S210)において、管理者に手動編集が必要である旨を示す情報が、文字数超過通知部234によって入出力装置156に表示されることによって、管理者に通知される。
【0043】
ステップ212(S212)において、文字列編集部228は、一般文字の間とその後続に、空白文字を挿入する。
ステップ214(S214)において、文字列編集部228は、全ての表示可能文字数について処理が終了したか否か判断し、終了していない場合には処理はS204に戻り、終了した場合には、処理はS112に進む。
【0044】
図8は、図5に示した編集後銘柄情報の別の例を示す図である。
図8の「端末表示形態」に示すように、複数の銘柄名文字列とこれらを表示する表示端末104とが対応付けられるようにしてもよい。
また、これらの対応付けは、図8(A)に示すように銘柄名文字列ごとであってもよいし、図8(B)に示すように表示端末104ごとであってもよい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態にかかる銘柄名編集システム1において、銘柄名編集サーバ2は、取引所サーバ102から配信された銘柄名文字列を、表示端末104の表示形態に合わせて編集し、編集前の銘柄名文字列および編集後の銘柄名文字列の両方を表示端末104に送信できる。
従って、表示端末104は、受信した複数の銘柄名文字列から、自身の表示形態に応じて銘柄名文字列を選択して表示できるので、表示形態ごとに見栄えが最適な銘柄名が表示されうる。
ここで、例えば図1(A),(B)のように、表示端末104に複数の表示形態がある場合、表示端末104は、表示される画面に応じて表記される銘柄名文字列を切り替えることができる。
例えば、4文字と10文字の銘柄名を表示できる2種類の表示形態を有する表示端末104においては、4文字を表示できる表示形態の画面が表示される場合は、4文字の銘柄名文字列が選択されて表示され、10文字を表示できる表示形態の画面が表示される場合は、10文字の銘柄名文字列が選択されて表示される。
【0046】
本実施形態においては、全ての銘柄名文字列を含む編集後銘柄情報が、複数の表示端末104にそれぞれ送信され、表示端末104が複数の銘柄名文字列から表示可能な銘柄名文字列を選択する場合を実施例としたが、銘柄名編集サーバ2および配信サーバ122が、表示端末104の表示形態に応じて、端末ごとに適した銘柄名文字列のみを送信するように構成してもよい。
つまり、銘柄名編集サーバ2は各表示端末104が表示可能な文字数の情報を有しており、その情報に基づいて、各表示端末104ごとに、異なる銘柄名文字列を含む編集後銘柄情報が作成され、これらの異なる編集後銘柄情報が、各表示端末104に対して送信されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、銘柄名編集システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・銘柄名編集システム、102−1・・・取引所Aサーバ、102−2・・・取引所Bサーバ、120・・・受信サーバ、122・・・配信サーバ、104−1〜104−M・・・表示端末、100・・・ネットワーク、2・・・銘柄名編集サーバ、20・・・銘柄名編集プログラム、200・・・UI、202・・・銘柄情報受信部、204・・・編集前銘柄情報管理部、206・・・編集前銘柄情報DB、22・・・自動編集部、222・・・文字列分析部、228・・・文字列編集部、232・・・表示可能文字数DB、234・・・文字数超過通知部、260・・・編集後銘柄情報管理部、262・・・編集後銘柄情報DB、242・・・自動編集完了通知部、244・・・手動編集受付部、246・・・フラグ設定部、264・・・銘柄情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銘柄の名称に関する第1の銘柄名文字列情報を含む複数の銘柄情報を管理して、この銘柄情報を配信する取引所サーバと、
前記銘柄情報を表示する1つ以上の表示端末と、
前記取引所サーバから前記銘柄情報を受信する受信手段と、
前記表示端末の表示形態において表示可能なデータ量に応じて、前記第1の銘柄名文字列の空白部分およびそれ以外の文字部分を再配置して1つ以上の第2の銘柄名文字列を作成する文字列編集手段と、
前記第1の銘柄名文字列と前記作成された第2の銘柄名文字列とを前記表示端末に送信する送信手段と
を有し、
前記表示端末は、表示形態に応じて、前記第1の銘柄名文字列または前記第2の銘柄名文字列に対応する文字列を表示する
銘柄名編集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−134170(P2011−134170A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294031(P2009−294031)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)