説明

録画再生装置

【課題】
予約を設定した内容と、各予約設定した内容の全体的な状況が把握し易い録画再生装置を提供する。
【解決手段】
各予約の行に重なるように表示されている棒グラフ31が、予約録画の時間帯を表している。横の罫線32が時間軸となり、1画面に入る予約の開始時間の最小値、終了時間の最大値の範囲が横軸の範囲となる。図3では時間軸の先頭33が7/1(金)17:00、時間軸の最後34が7/7(水)01:00となる。1行に1つの予約情報が表示されるため、1行に表示される棒グラフは1つとなる。棒グラフは半透明で表示し、予約の開始時刻等の情報が見えなくならないようになっている。時間帯が重複して録画されない部分35は、棒グラフの色、模様、形を録画される部分と変える。これにより、ユーザーは重複する時間帯のある予約を一目で判断できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放送番組などを受信して、磁気ディスク装置などの記録媒体に記録する録画再生装置に関し、特に録画予約した内容の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、予めチャンネルや開始終了時刻の設定を受け、その設定に基づいて放送番組を受信し、記録媒体に記録する録画再生装置が広く普及している。
【0003】
このように録画再生装置で、番組録画を設定する際には、利用者は、録画装置に接続された表示装置を参照しながら作業する。近年は電子番組表などをネットワーク上から取得する等して簡単に録画予約を設定することができるようになっている。そして、予約録画を設定した設定内容を表示装置に一覧表示させて、利用者が予約状況を把握しやすいようにしている。
【0004】
例えば、新規予約登録画面に、既に登録された予約の表を棒グラフとして表示することにより、予約録画が重複しないように予約の設定をすることが容易にできるようにしたものがある。
【特許文献1】特開平10−106062号公報 (図5乃至図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のような予約の設定方法や、設定した予約状況の一覧表示の方法の場合、予約の登録画面に予約の棒グラフを表示するに止まっており、実際に予約を設定した予約情報と同時に棒グラフを確認することができない。
【0006】
そこで、本発明は、予約を設定した内容と、各予約設定した内容の全体的な状況が把握し易い録画再生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し目的を達成するために、録画予約した内容を表示装置に一覧表示させる録画再生装置において、録画予約を設定する設定手段と、設定された録画予約の設定内容のうち、1つの予約設定につき、少なくともチャンネル番号、録画開始日、録画開始時刻、録画終了時刻を1行として、複数の設定内容を複数行表示した予約設定一覧表を表示し、この一覧表に、予約した時間に応じた棒グラフを合成表示する表示制御手段とを具備したものである。
【0008】
また本発明は上述した課題を解決するため、前記一覧表の横軸を時間軸として棒グラフを表示したものである。
【0009】
また本発明は上述した課題を解決するため、録画予約が重複した予約設定に対しては、棒グラフの表示内容を変更して表示したものである。
【0010】
また本発明は上述した課題を解決するため、先に始まる予約の終了時間が、次の予約の開始時間となる場合、録画されない先の予約の終了部分、もしくは次の予約の開始部分の棒グラフの表示内容を変更して表示したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、録画再生装置の予約一覧画面に、横軸を時間軸とした棒グラフを同時表示することにより、時間帯が重複する予約状況を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明による録画再生装置の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態を示す録画再生装置のシステム構成を示すブロック図である。
【0014】
録画再生装置10は、利用者が設定した録画予約に基づいて、放送番組を受信し、受信した映像データを圧縮符号化して、磁気ディスク装置(HDD)11等の記録媒体に記録するものであり、図1に示すように、TVチューナ12、エンコーダ部13、MPU14、表示部15、タイマー16、ユーザ操作入力部17、メモリ18、プログラムROM19を有している。
【0015】
TVチューナ12は、複数のチャンネルの中から所望のチャンネルを選択して放送番組を受信するものである。そしてエンコーダ部13はこのTVチューナ部12により受信された放送番組データを例えばMPEG2フォーマットで圧縮符号化するものである。このエンコーダ部13で圧縮符号化された放送番組データは、HDD11等の記録媒体に格納される。HDD11は大容量の記録媒体であり、数十〜数百時間分の放送番組データを格納することができる。
【0016】
MPU14は、この録画再生装置10全体の制御を司り、前述した放送番組の受信、圧縮符号化およびHDD11への格納や後述する再生処理や、録画予約状況の表示制御など全ての処理を統合的に制御する。
【0017】
表示部15は、TVチューナ12で受信された放送番組や、HDD11に記録された放送番組データの再生表示、または予約録画を設定する際の設定画面は、設定された予約録画一覧表の表示を行う表示モニタである。
【0018】
プログラムROM19は、MPU14が実行する動作プログラムを格納したROMであり、MPU14は記録モード、再生モード、予約録画モードなど、各動作モードに応じたプログラムをプログラムROM19から読み出し、主メモリ18を用いて各種制御動作を実行する。タイマー16は現在時刻を計測する時計回路で、利用者が録画設定した時刻を検出して録画動作を開始させる。ユーザ操作入力部は、記録再生装置10を操作するための入力部であり、記録再生装置本体に設けられたスイッチ類や、リモコンなどがこれにあたる。
【0019】
このような記録再生装置10において、本実施形態における予約録画機能による予約録画一覧画面の表示内容について、以下図2乃至図4を用いて説明する。
【0020】
図2は、通常の予約録画一覧画面を示している。表示装置18に表示される予約録画一覧は、通常、図2のように、録画するチャンネル、録画開始日、録画開始時刻、終了時刻などが文字列として表示されている。一覧は現在時刻に近い順序で並んでいるが、各予約の時間帯が重なっているかの判断は、開始、終了時刻から算出する必要があり、一見して分かるようなものにはなっていない。そのため、時間帯が重複する予約の開始・終了時刻を調整しようと思っても、予約一覧から対象となる予約を見つけ出すことが容易でない。このような背景から、本実施形態では、予約一覧から時間帯が重複する予約を容易に判断できるようにすることを目的としている。
【0021】
そこで本実施形態を適用した録画再生装置における予約一覧画面の例が図3である。各予約の行に重なるように表示されている棒グラフ31が、予約録画の時間帯を表している。横の罫線32が時間軸となり、右方向が未来となる。1画面に入る予約の開始時間の最小値、終了時間の最大値の範囲が横軸の範囲となる。図3では時間軸の先頭33が7/1(金)17:00、時間軸の最後34が7/7(水)01:00となる。
【0022】
1行に1つの予約情報が表示されるため、1行に表示される棒グラフは1つとなる。棒グラフは半透明で表示し、予約の開始時刻等の情報が見えなくならないようになっている。時間帯が重複して録画されない部分35は、棒グラフの色、模様、形を録画される部分と変える。これにより、ユーザーは重複する時間帯のある予約を一目で判断できる。図3では、録画される時間帯が赤、時間帯の重複により録画されない部分が黄色で示されている。例えば、No2とNo3の予約の時間帯が重複しており、録画されない時間帯35が黄色で示されている。
【0023】
記録再生装置によっては、先に始まる予約の終了時間が、その次に始まる予約の開始時間と等しいような場合(以下隣接予約と呼ぶ)、先に始まる予約の終了数秒、もしくは次に始まる予約の先頭数秒が欠けるような処理を行うものがある。隣接予約により数秒かける部分も、棒グラフの色、模様、形を変えることによりユーザーに示すことが可能である。図3では、No5とNo6の予約が隣接予約となっており、録画の書ける部分36を青色で表示している。
【0024】
また記録再生装置の予約可能個数によっては、予約一覧が複数のページに渡ることがある。その場合でも、1画面に入る範囲の予約重複のみでなく、前のページ、次のページの予約との時間帯重複部分も棒グラフで表示する。図3では、No8の予約が次頁の予約と時間帯が重複しており、予約できない部分37が黄色で表示されている。予約一覧は時間順で並んでいるため、1画面の先頭、もしくは最後の予約で画面外の予約との時間帯重複が発生する可能性がある。
【0025】
本実施形態では、予約録画の時間帯重複を判断しやすくすることが目的であるため、棒グラフの長さや予約と予約の間隔を実時間に合わせる必要はない。ある予約と次の予約の時間帯が非常に離れている場合でも、棒グラフ間の間隔を短くして、ある予約と次の予約が実際より近くにあるように表示してよい。ただし隣接させたり重複させたりしてはならない。
【0026】
次に、図4は、予約時間帯を示すの棒グラフを、予約の行ではなく予約と予約の間の罫線に表示した例である。図3と同様に、予約時間を表す棒グラフ41、重複により録画されない部分42、近接により録画が欠ける部分43が表示可能である。半透明表示が不可能な録画再生機器では、このように表示することにより実現が可能となる。
【0027】
また本実施形態の他の変形例として、予約一覧上に、日付毎に棒グラフの色、模様、形を変えて表示するものであってもよい。例えば、7/1(木)の予約:ピンク、7/2(金)の予約:うす緑、7/3(土)の予約:オレンジ、7/5(月)の予約:深緑、7/6(火)の予約:紫で表示する等である。
【0028】
以上説明したように本実施形態によれば、録画再生装置の予約一覧画面に、横軸を時間軸とした棒グラフを同時表示することにより、時間帯が重複する予約状況を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態による録画再生装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態による通常の予約録画一覧画面を示す図である。
【図3】同実施の形態による録画予約一覧画面に、予約状況を示す棒グラフを同時表示させた図である。
【図4】同実施形態による録画予約一覧画面の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
11…HDD、12…TVチューナ、13…エンコーダ部、14…MPU、15…表示部、16…タイマー、17…ユーザ操作入力部、18…メモリ、19…プログラムROM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
録画予約した内容を表示装置に一覧表示させる録画再生装置において、
録画予約を設定する設定手段と、
設定された録画予約の設定内容のうち、1つの予約設定につき、少なくともチャンネル番号、録画開始日、録画開始時刻、録画終了時刻を1行として、複数の設定内容を複数行表示した予約一覧表を表示し、この一覧表に予約した時間に応じた棒グラフを合成表示する表示制御手段とを具備したことを特徴とする録画再生装置。
【請求項2】
前記一覧表の横軸を時間軸として棒グラフを表示したことを特徴とする請求項1記載の録画再生装置。
【請求項3】
録画予約が重複した予約設定に対しては、棒グラフの表示内容を変更して表示することを特徴とする請求項2記載の録画再生装置。
【請求項4】
先に始まる予約の終了時間が、次の予約の開始時間となる場合、録画されない先の予約の終了部分、もしくは次の予約の開始部分の棒グラフの表示内容を変更して表示することを特徴とする請求項2記載の録画再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−108751(P2006−108751A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288464(P2004−288464)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】