説明

鍋洗浄装置

【課題】鍋の内面をむらなく良好に洗浄することができ、ランニングコストを低減させた鍋洗浄装置を提供すること。
【解決手段】本発明では、鍋(3)の内面に向けて洗浄液(5)を噴射して鍋(3)を洗浄するための鍋洗浄装置(1)において、鍋(3)を伏せた状態で載置する鍋載置台(4)と、鍋載置台(4)に載置された鍋(3)の内面へ向けて洗浄液(5)を噴射する洗浄液噴射機構(6)とを有し、洗浄液噴射機構(6)は、洗浄液(5)を貯留する貯留槽(13)に循環ポンプ(21)を収容して洗浄液(5)を循環させて鍋(3)の洗浄を行うとともに、貯留槽(13)にオーバーフロー管(24)を配設して、洗浄済みの洗浄液(5)をオーバーフロー管(24)から排出するように構成することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍋の内面に向けて洗浄液を噴射して鍋を洗浄するための鍋洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲食物を提供する店舗においては、調理で使用した鍋を洗浄するために鍋洗浄装置が使用されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この従来の鍋洗浄装置は、ケーシングの内部に鍋を立てた状態で載置するとともに、立てた状態の鍋の内面へ向けて洗浄液を噴射して、鍋を洗浄するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−197602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の鍋洗浄装置では、鍋を立てた状態で洗浄するように構成しているために、鍋の内面全体をむらなく洗浄することが困難であった。
【0006】
また、従来の鍋洗浄装置では、常に新規の洗浄液を鍋の内面へ向けて噴射するように構成しているために、洗浄液の使用量が多くなり、鍋洗浄装置の使用に際して多大なランニングコストを要していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、鍋の内面に向けて洗浄液を噴射して鍋を洗浄するための鍋洗浄装置において、鍋を伏せた状態で載置する鍋載置台と、鍋載置台に載置された鍋の内面へ向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射機構とを有し、洗浄液噴射機構は、洗浄液を貯留する貯留槽に循環ポンプを収容して洗浄液を循環させて鍋の洗浄を行うとともに、貯留槽にオーバーフロー管を配設して、洗浄済みの洗浄液をオーバーフロー管から排出するように構成することにした。
【0008】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記貯留槽に新規の洗浄液を補充する洗浄液補充機構を設け、洗浄液補充機構は、鍋載置台に載置された鍋の内面及び外面へ向けて補充する新規の洗浄液を噴射するように構成することにした。
【0009】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記洗浄液補充機構は、貯留槽の水位が所定水位以下となった場合に新規の洗浄液を補充するように構成することにした。
【発明の効果】
【0010】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0011】
すなわち、本発明では、鍋の内面に向けて洗浄液を噴射して鍋を洗浄するための鍋洗浄装置において、鍋を伏せた状態で載置する鍋載置台と、鍋載置台に載置された鍋の内面へ向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射機構とを有し、洗浄液噴射機構は、洗浄液を貯留する貯留槽に循環ポンプを収容して洗浄液を循環させて鍋の洗浄を行うとともに、貯留槽にオーバーフロー管を配設して、洗浄済みの洗浄液をオーバーフロー管から排出するように構成しているために、伏せた状態の鍋の内面へ向けて洗浄液を噴射することで鍋の内面をむらなく洗浄することができ、また、洗浄液を循環して利用することで洗浄液の使用量を少なくして鍋洗浄装置のランニングコストを低減することができる。
【0012】
特に、貯留槽に新規の洗浄液を補充する洗浄液補充機構を設け、洗浄液補充機構は、鍋載置台に載置された鍋の内面及び外面へ向けて補充する新規の洗浄液を噴射するように構成した場合には、鍋の内面及び外面を新規の洗浄液で良好に洗浄することができる。
【0013】
また、貯留槽の水位が所定水位以下となった場合に新規の洗浄液を補充するように洗浄液補充機構を構成した場合には、貯留槽に貯留した洗浄液で鍋の内面を洗浄した後に続けて新規の洗浄液で鍋の内面及び外面をすすぐことができ、鍋全体を良好に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る鍋洗浄装置を示す平面図(a)、側面図(b)、正面図(c)。
【図2】同拡大正面図。
【図3】同拡大側面図。
【図4】同拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る鍋洗浄装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1〜図4に示すように、鍋洗浄装置1は、ケーシング2の内部に、鍋3を伏せた状態で載置するための鍋載置台4と、鍋3に向けて洗浄液5を噴射するための洗浄液噴射機構6と、洗浄液5を補充するための洗浄液補充機構7と、これら洗浄液噴射機構6や洗浄液補充機構7を制御するための制御機構8とを収容している。
【0017】
ケーシング2は、中空箱型状のケース本体9の後側上部にフード10を形成し、ケース本体9の前側上端部とフード10の前側部を開口するとともに、フード10の前側部に扉11を開閉自在に取付けている。
【0018】
また、ケーシング2は、ケース本体9の内部に仕切壁12を取付けて、ケース本体9の内部を仕切壁12で前後に区画し、仕切壁12より後方側上部に洗浄液5を貯留するための貯留槽13を形成している。
【0019】
鍋載置台4は、貯留槽13の開口部に左右一対の支持フレーム14,15を高さ調節可能に取付け、左右の支持フレーム14,15の上部に矩形枠状の枠フレーム16を取付け、枠フレーム16の上部に前後一対の門型の上部フレーム17,18を取付けるとともに、枠フレーム16の後側上部に左右一対のサイドフレーム19,20を取付けている。
【0020】
そして、鍋載置台4は、支持フレーム14,15と枠フレーム16で鍋3を伏せた状態(上下反転させた状態)で保持するとともに、上部フレーム17,18とサイドフレーム19,20で鍋3の外方を覆うようにしている。
【0021】
洗浄液噴射機構6は、ケーシング2の底部中央に貯留槽13に連通連結した循環ポンプ21を収容し、循環ポンプ21に上下に伸延する噴射ノズル22を連通連結し、噴射ノズル22の先端部を鍋載置台4の左右の支持フレーム14,15の間から上方へ向けて突出させている。
【0022】
また、洗浄液噴射機構6は、ケーシング2の底部後方に排水口23を形成し、排水口23に貯留槽13の内部に収容したオーバーフロー管24を接続し、さらに、貯留槽13の内部に多孔板状の塵取り網25を水平に着脱可能に取付け、塵取り網25よりも上方にオーバーフロー管24の上端(吸入口)を位置させている。
【0023】
そして、洗浄液噴射機構6は、貯留槽13の内部の洗浄液5を循環ポンプ21で循環させながら噴射ノズル22から鍋載置台4に伏せた状態で載置した鍋3の内面へ向けて噴射して洗浄液5で鍋3の内面を洗浄するとともに、余剰の洗浄液5をオーバーフロー管24から廃棄し、また、鍋3から剥がれ落ちた塵を塵取り網25で捕捉するようにしている。
【0024】
洗浄液補充機構7は、ケーシング2の前側下部に吸水口26を形成し、吸水口26に上下に伸延する吸水管27の下端部を接続し、吸水管27の上端部に前後に伸延する下側吐出管28の前端部を接続し、下側吐出管28の後端部に上下に伸延する連結管29の下端部を接続し、連結管29の上端部に上側吐出管30を接続している。
【0025】
また、洗浄液補充機構7は、吸水管27の中途部に開閉弁31を介設し、下側吐出管28の中途部に上方へ向けて噴射する下側噴射ノズル32,33を前後に間隔をあけて接続するとともに、上側吐出管30の中途部に下方へ向けて噴射する上側噴射ノズル34,35を前後に間隔をあけて接続している。
【0026】
そして、洗浄液補充機構7は、吸水源から供給される新規の洗浄液5を下側噴射ノズル32,33及び上側噴射ノズル34,35から噴射し、鍋載置台4に伏せた状態で載置した鍋3の内面へ向けて下側噴射ノズル32,33から洗浄液5を噴射するとともに、鍋3の外面へ向けて上側噴射ノズル34,35から洗浄液5を噴射し、洗浄液5を貯留槽13に補充するようにしている。
【0027】
制御機構8は、洗浄液噴射機構6の循環ポンプ21や洗浄液補充機構7の開閉弁31を制御するとともに、ケーシング2に設けた扉11の開閉状態を検出する開閉検出センサー36や貯留槽13に設けた洗浄液5の水位を検出する水位検出センサー37や貯留槽13に設けた洗浄液5を温めるヒーター38が接続されている。
【0028】
そして、制御機構8では、鍋載置台4に鍋3が伏せられた状態で載置されて扉11が閉じられたことを開閉検出センサー36で検出すると、洗浄液噴射機構6の循環ポンプ21を駆動して洗浄液5を噴射ノズル22から鍋3の内面へ向けて噴射し、これにより、鍋3の内面の洗浄を行う。
【0029】
また、制御機構8では、貯留槽13の水位が予め設定した水位よりも下がったことを水位検出センサー37で検出すると、洗浄液噴射機構6の循環ポンプ21の駆動を停止するとともに、洗浄液補充機構7の開閉弁31を予め設定した時間だけ開弁して新規の洗浄液5を下側噴射ノズル32,33及び上側噴射ノズル34,35から噴射し、これにより、鍋3の内面へ向けて下側噴射ノズル32,33から洗浄液5を噴射するとともに、鍋3の外面へ向けて上側噴射ノズル34,35から洗浄液5を噴射して、洗浄液5の補充を行う。
【0030】
以上に説明したように、上記鍋洗浄装置1は、鍋3を伏せた状態で載置する鍋載置台4と、鍋載置台4に載置された鍋3の内面へ向けて洗浄液5を噴射する洗浄液噴射機構6とを有し、洗浄液噴射機構6は、洗浄液5を貯留する貯留槽13に循環ポンプ21を収容して洗浄液5を循環させて鍋3の洗浄を行うとともに、貯留槽13にオーバーフロー管24を配設して、洗浄済みの洗浄液5をオーバーフロー管24から排出するように構成している。
【0031】
そのため、上記構成の鍋洗浄装置1では、伏せた状態の鍋3の内面へ向けて洗浄液5を噴射することで鍋3の内面をむらなく洗浄することができる。また、上記構成の鍋洗浄装置1では、洗浄液5を循環して利用することで洗浄液5の使用量を少なくして鍋洗浄装置1のランニングコストを低減することができる。
【0032】
また、上記鍋洗浄装置1は、貯留槽13に新規の洗浄液5を補充する洗浄液補充機構7を設け、洗浄液補充機構7は、鍋載置台4に載置された鍋3の内面及び外面へ向けて補充する新規の洗浄液5を噴射するように構成している。
【0033】
そのため、上記構成の鍋洗浄装置1では、鍋3の内面及び外面を新規の洗浄液5で良好に洗浄することができる。
【0034】
さらに、上記鍋洗浄装置1は、貯留槽13の水位が所定水位以下となった場合に新規の洗浄液5を補充するように洗浄液補充機構7を構成している。
【0035】
そのため、上記構成の鍋洗浄装置1では、貯留槽13に貯留した洗浄液5で鍋3の内面を洗浄した後に続けて新規の洗浄液5で鍋3の内面及び外面をすすぐことができ、鍋3の全体を良好に洗浄することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 鍋洗浄装置 2 ケーシング
3 鍋 4 鍋載置台
5 洗浄液 6 洗浄液噴射機構
7 洗浄液補充機構 8 制御機構
9 ケース本体 10 フード
11 扉 12 仕切壁
13 貯留槽 14,15 支持フレーム
16 枠フレーム 17,18 上部フレーム
19,20 サイドフレーム 21 循環ポンプ
22 噴射ノズル 23 排水口
24 オーバーフロー管 25 塵取り網
26 吸水口 27 吸水管
28 下側吐出管 29 連結管
30 上側吐出管 31 開閉弁
32,33 下側噴射ノズル 34,35 上側噴射ノズル
36 開閉検出センサー 37 水位検出センサー
38 ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋の内面に向けて洗浄液を噴射して鍋を洗浄するための鍋洗浄装置において、
鍋を伏せた状態で載置する鍋載置台と、鍋載置台に載置された鍋の内面へ向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射機構とを有し、洗浄液噴射機構は、洗浄液を貯留する貯留槽に循環ポンプを収容して洗浄液を循環させて鍋の洗浄を行うとともに、貯留槽にオーバーフロー管を配設して、洗浄済みの洗浄液をオーバーフロー管から排出するように構成したことを特徴とする鍋洗浄装置。
【請求項2】
前記貯留槽に新規の洗浄液を補充する洗浄液補充機構を設け、洗浄液補充機構は、鍋載置台に載置された鍋の内面及び外面へ向けて補充する新規の洗浄液を噴射するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の鍋洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄液補充機構は、貯留槽の水位が所定水位以下となった場合に新規の洗浄液を補充するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の鍋洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−254167(P2012−254167A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128520(P2011−128520)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(500186918)株式会社 リンガーハット (4)