説明

【課題】 銅層を持たない鏡を提供する。
【解決手段】 この銅層を持たない鏡は、ガラス基板、ガラス基板の表面に設けられた銀被膜層、及び銀被膜層を覆う少なくとも一つの塗料層を含む。銀被膜層に隣接した塗料層の色はそのLが40未満であることにより特徴づけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡、及び鏡を製造する方法に関する。
【0002】
本発明の鏡は、種々の用途、例えば:家具、衣裳部屋または浴室で使用される家庭用鏡;化粧箱または化粧キットの鏡;例えば自動車のバックミラーのような自動車産業で使用される鏡の用途を持つことができる。
【背景技術】
【0003】
従来、銀鏡は次のように製造されている:まず第一にガラスが磨かれ、次いで典型的にはSnClの水溶液を用いて増感され;すすぎ洗い後、ガラスの表面がアンモニア硝酸銀処理により通常活性化され、次いで銀の不透明被膜を形成するために銀めっき溶液が塗布され;次いでこの銀被膜が銅の保護層で覆われ、次いで完成鏡を製造するために加鉛塗料の一つ以上の被膜で覆われる。保護銅層と加鉛塗料の組合せは、許容可能な耐老化性及び十分な耐食性を与えるために必要であると考えられている。
【0004】
つい最近、通常の銅層に対する必要性を省いた、実質的に無鉛塗料を使用することができ、しかも許容できるまたはさらに改善された耐老化性及び耐食性を持つ鏡を、Glaverbelは開発した。米国特許第6565217号は例えば、ガラス質基板;ガラス質基板の表面に設けられたスズとパラジウムの両者;基板の前記表面上の銀被膜層;塗料層に隣接する銀被膜層の表面に存在するスズ;及び銀被膜層を覆う二つの塗料層をこの順序で含む、銅層を持たない鏡を記載する。かかる鏡は従来の銅を含む鏡に対して著しい進歩を提供した。
【0005】
かかる銅層を持たない鏡は一般的に、略80nmから90nmの厚さの銀被膜層を含む。銀被膜の厚さを減らすことは費用面から有利であるだろう。しかし、銀層の厚さを減らすことは、光学的欠陥(特にガラス表面に対して小さな角度(約5°〜15°)でガラスを通して鏡の銀層を見るとき、銀層の底部で知覚しうる裸眼で見えるまだら色の存在)をさらに悪化させるかまたは引き起こしうる。
【発明の開示】
【0006】
本発明の態様の一つによれば、本発明は、請求項1により規定されるような銅層を持たない鏡を提供する。他の請求項は、本発明の好適な及び/または代替的な態様を規定する。
【0007】
本発明者らは、まだら色として知覚される欠陥に影響する一つの因子が銀被膜の厚さの均一性であるかもしれないと想像する。銀被膜層の不均一性は、銀層を付着するために使用される噴霧工程により及び/または他の工程パラメーターにより意図せずに導入されるかもしれない。かかる不均一性は、銀被膜内に銀被膜の局所的厚さが銀を通して塗料を部分的に見えさせるほど、薄い領域を作るかもしれない。実際、銀被膜層に隣接した赤い塗料を通常用いる上述のような銅層を持たない鏡で銀被膜層が減らされるとき、特に小さい角度で見るとき、銀の底部に裸眼で見える赤い曇りとして欠陥が知覚されるかもしれない。かかる欠陥は、「空(sky)」と呼ばれることがある。本発明者らは、このタイプの欠陥が見られる状態が銀被膜の比較的厚い及び薄い部分での局所的な視感反射率の差につながりうると想像する。
【0008】
本発明の態様の一つにおいて、本発明は好ましくは、このタイプの知覚される欠陥の発生を減少する。別の態様では、本発明は、この欠陥が衰弱されることのない薄い銀被膜の使用を考慮する。
【0009】
本発明は、低費用で製造されることができかつ既に知られた鏡より少ない銀を含むことができ、一方で良好な反射を保ちかつ従来知られた鏡と同じ程度に美的に許容できる鏡を提供する。加えて、本発明による鏡は、銅層を持つ通常の鏡または銅層を持たない既知の鏡と少なくとも同等の老化及び/または腐食に対する抵抗性を提供することができる。
【0010】
本発明による鏡は、銀被膜層を覆いかつそれに隣接した塗料層を含み、この塗料層の色は40未満のLにより特徴づけられ;好ましくはLは39未満、38未満、または37未満、より好ましくは36未満、35未満、または32未満であることができる。銀の直ぐ背後の塗料に対して、光を吸収するか、または少なくともあまり大きすぎる光を反射しない色を使用することによって、ガラス側から鏡を見るときに銀被膜層中に着色した空を見ることを避けることができることが見出された。
【0011】
有利には、銀被膜層に隣接した塗料層の色は、銀被膜の底部の色、すなわち黒に色合せするかまたは少なくとも近づけられることができる。これは、銀中に不均一性を見ることを避けることができる。好ましくは、銀被膜層に隣接した塗料層のaは−10から+10、−8から+8、より好ましくは−6から+6、−5から+5、−4から+4、さらにより好ましくは−3から+3、−2から+2の範囲内にあることができる。好ましくは、銀被膜層に隣接した塗料層のbは−10から+10、−8から+8、より好ましくは−6から+6、−5から+5、−4から+4、さらにより好ましくは−3から+3、−2から+2の範囲内にあることができる。
【0012】
好適な実施態様では、ガラス側から見た鏡の色は、90°の角度で測定すると鏡の反射銀被膜のいかなる他の点に対しても1.6より大きい、好ましくは1.7より大きい、1.8より大きい、より好ましくは1.9より大きい、2.0より大きい、2.1より大きい、2.2より大きい色差ΔEを持つ鏡の反射銀被膜の点が全く存在しないことによって特徴づけられることができる。
【0013】
,a,bはCIELAB 1976知覚色空間で規定された色座標である。ΔEは二点間の色差を表す:

【0014】
好ましくは、銀被膜層は80nm未満、または75nm未満、より好ましくは70nm未満、67nm未満、65nm未満、63nm未満または60nm未満、及び好ましくは55nm以上の厚さを持つ。かかる厚さは製造費用を減らしながら、見える空を持たない、許容しうる鏡のための視感反射率及び良好な美感を得ることを可能にする。この銀被膜層は有利にはガラスのm当り700mg未満の銀、670mg/m未満、650mg/m未満、630mg/m未満、または600mg/m未満、及び好ましくは550mg/m以上の銀を含むことができる。銀の厚さまたは量は、3.7cm×3.7cmの鏡試料を蛍光X線により分析することにより、または10cm×10cmの鏡試料の銀被膜層の酸攻撃から生じる銀溶液を滴定することにより知ることができる。
【0015】
最終製品が「空」を示すことなく、またはこの欠陥が衰弱される前に、許容できる銀の最小厚さは、もちろん、銀被膜層に隣接した塗料の色に、特にそのLに依存するが、また例えば銀めっき溶液組成、銀めっき溶液供給者、銀めっき前のガラスの物理化学的性質、または噴霧システムのような種々の工程パラメーターに依存する。一般的に言えば、銀被膜層は有利には、その全表面のどの3.7cm×3.7cm領域でも、前記領域に渡って平均化すると、ガラスのm当り640mgの量以上の銀を示すことができる。
【0016】
好ましくは、本発明による完成した鏡は、ガラス基板を通して測定すると、少なくとも80%、少なくとも82%、より好ましくは少なくとも83%、少なくとも85%、少なくとも88%、さらにより好ましくは少なくとも90%の視感反射率を持つことができる。視感反射率は98%未満、96%未満または95%未満であることができる。
【0017】
有利には、銀層が付着されるガラス基板の表面の上で活性化する工程中に一つ以上の物質が付着されることができ;これは鏡の耐食性に貢献することができる。かかる物質は例えばパラジウムであることができる。銀層が付着されるガラス基板の表面にまたは表面の上にスズを設けることができ;これはガラス基板を増感することができかつそれへの銀層の付着を容易にすることができる。ガラス基板は、活性化される前に増感されることができるか、増感される前に活性化されることができるか、または同時に増感及び活性化されることができる。好ましくは、不動態化工程中に塗料層が付着される銀被膜層の表面の上に一つ以上の物質が付着されることができ;これは鏡の耐食性に貢献することができる。かかる物質は、例えばスズまたはパラジウムであることができる。
【0018】
活性化及び/または増感工程中にガラス基板の表面に及び/または不動態化工程中に銀層の表面に設けられる物質は好ましくは島として設けられ、すなわち好ましくはそれらは例えばパラジウムの明確な連続層を生成せず、むしろこの物質はガラスの表面上の島の形である。
【0019】
好適な実施態様では、銀層の上に付与される塗料層または塗料層の少なくとも一つは鉛を含まないかまたは実質的に鉛を含まない。通常、鏡の銀被膜層は銅の上塗りにより保護されていた。銅層はそれ自身、塗料の層により磨耗及び腐食から保護されていた。老化及び/または腐食に対する保護の許容できる水準を与える塗料配合物は鉛顔料を含んでいた。かかる加鉛塗料層中の鉛の割合は略13000mg/mであることができる。本発明による鏡は銅層に対する必要性を省くのみならず、実質的に鉛を含まない塗料の使用を可能にする。これは、鉛が有毒であり、その回避は環境的利益を持つため有利である。実質的に鉛を含まないとは、ここでは、塗料中の鉛の割合が鏡のために通常使用される加鉛塗料中の鉛の割合より有意に少ないことを意味する。ここで規定される実質的に鉛を含まない塗料層中の鉛の割合は500mg/m未満、好ましくは400mg/m未満、より好ましくは300mg/m未満である。ここで規定される鉛を含まない塗料層中の鉛の割合は100mg/m未満、好ましくは80mg/m未満、より好ましくは60mg/m未満である。ここで使用される塗料はアクリル、エポキシ、アルキッド等であることができる。
【0020】
銀被膜層を覆う少なくとも一つの塗料層に隣接して設けられる銀被膜層の表面に極微量のシランを存在させることができる。塗布前の銀被膜層のシランによる処理は、鏡の磨耗及び/または腐食に対する抵抗性を強化しかつ/またはそれに貢献することができる。
【0021】
本発明による鏡は好ましくは、良好な耐老化性及び耐食性を持ち、それは好ましくは米国特許第6565217号に記載されたタイプの鏡の耐老化性及び耐食性に少なくとも比較しうる。
【0022】
銀膜を組入れた鏡の耐食性及び/または耐老化性の一つの指標は、それにCASS試験として知られている銅促進酢酸塩噴霧試験を受けさせることにより与えられることができる。その試験では、鏡は50℃の試験室内に置かれ、50g/lの塩化ナトリウム、噴霧溶液のpHを3.1〜3.3にもたらすのに十分な氷酢酸を有する0.26g/lの無水塩化第一銅を含む水溶液を噴霧することにより形成された霧の作用を受けさせる。この試験の完全な詳細は国際標準規格ISO9227−1990に記載されている。鏡は異なる時間の間、塩霧の作用を受けさせられ、その後この人工的に老化された鏡の反射性が新しく形成された鏡の反射性と比較されることができる。120時間の露出時間は鏡の耐老化性の有用な指標を与える。CASS試験は新しく切断された縁を持つ10平方cmの鏡タイルで実施され、120及び240時間の銅促進酢酸塩噴霧に露出した後、各タイルが顕微鏡検査を受けさせられる。腐食の主な目視証拠は銀層の暗色化及び鏡の縁周りの塗料のはがれである。腐食の範囲はタイルの二つの対向縁のそれぞれの上の一定間隔を置いた五つの部位で書き留められ、これらの10個の測定の平均値が計算される。また、タイルの縁に存在する最大腐食を測定し、マイクロメートルで再度測定した結果を得ることができる;好ましくは最大腐食は300μm未満、より好ましくは250μm未満または200μm未満である。より代表的な評価のためには、CASS試験は鏡の10個の試料で実施され、10個の試料の平均値が各試料の平均値から計算されることができる。
【0023】
鏡の腐食の別の証拠は、CASS試験後の、裸眼によりまたは光学顕微鏡下に見える白い斑点の出現である。これらの白い斑点は米国特許第6565217号に既に明らかにされている。好ましくは、本発明による鏡は、CASS試験後にdm当り10個未満の白い斑点を、より好ましくはdm当り5個未満の白い斑点を、またはdm当り1個未満の白い斑点を持つ。
【0024】
本発明のある態様による鏡の製造方法において、増感、活性化及び不動態化工程は鏡の耐老化性及び/または耐食性及び/またはそれらの耐久性に貢献することができる。好ましくは、増感工程は活性化工程の前に、活性化工程は銀めっき工程の前に実施される。好ましくは、連続製造工程時のガラス基板と接触させられる溶液は、任意の介在するすすぎ洗い及び/または洗浄工程を伴ってガラス基板上に噴霧される。
【0025】
例えば、平坦な鏡の工業製造時に、ガラス板は連続ステーションを通過することができ、そこで増感、活性化、銀めっき及び不動態化剤が噴霧される。実際には、鏡製造ライン上で、ガラス板は一般的に経路に沿ってローラーコンベアーにより運ばれる。それらは、まず第一に例えばガラス上に噴霧される塩化スズ溶液による増感の前に磨かれかつすすぎ洗いされ;それらは次いで再度すすぎ洗いされる。活性化溶液が次いでガラス板上に噴霧される。この活性化溶液は例えばPdClの酸性水溶液であることができる。ガラス板は次いですすぎ洗いステーションに通過され、そこで脱イオン水が噴霧され、次いで銀めっきステーションに通過され、そこで伝統的な銀めっき溶液が噴霧される。この銀めっき溶液はガラスへの付与時に二つの別個の噴霧溶液から組合される。一つの溶液は銀塩及び還元剤または塩基のいずれかを含み、他の溶液は銀塩を含む溶液に欠けている成分のどちらか(還元剤または塩基)を含む。ガラス上に噴霧される銀めっき溶液の流速及び濃度は希望の厚さの銀層を形成するように制御され、例えば600〜800mg/mの銀、好ましくは650〜750mg/mの範囲の銀を含む。ガラスは次いですすぎ洗いされ、銀被膜のすすぎ洗い直後、例えば塩化第一スズの水溶液が銀めっきされたガラス板がコンベヤーに沿って前方に動くとき、それらの上に噴霧される。さらにすすぎ洗いされた後、鏡は次いで、シランを含む溶液を噴霧することにより処理されることができる。すすぎ洗い及び乾燥後、鏡は一つ以上の塗料層で覆われる。塗料は次いで、例えばトンネル炉内で硬化または乾燥される。好ましくは、塗料はフローコーティング法でガラス板上に落ちる液体塗料の連続カーテンの形で銀めっきされた基板上に付与される。銀被膜層に隣接した塗料層は、いったん乾燥されると、40未満であるLにより特徴づけられる色を与えるために適合される。
【0026】
ガラス基板の厚さは1mm、2mmまたは2.5mmより大きくすることができ;それは10mm、8mmまたは6mm未満であることができる。ガラス基板の厚さは1.8mmから8.2mmの範囲内であることができる。
【実施例】
【0027】
本発明の実施態様は今や比較例と共に実施例のみによってさらに説明されるであろう。
【0028】
実施例1
本発明による鏡は通常の鏡製造ライン上で製造される。そこでは、平坦な透明ソーダ石灰フロートガラス板がラインに沿ってローラーコンベヤーにより運搬される。
【0029】
ガラス板は、まず第一に、通常の方法で、磨かれ、すすぎ洗いされ、次いで塩化スズ溶液により増感され;それは次いで再度すすぎ洗いされる。PdClの酸性水溶液が次いで米国特許第6565217号の教示に従ってガラス板上に噴霧される。ガラス板は次いですすぎ洗いステーションに通され、そこで脱イオン水が噴霧され、次いで銀めっきステーションに通され、そこで伝統的な銀めっき溶液が噴霧され、実施例1a(すなわち標準鏡に対し略10%未満)では略720mg/mの銀を含む層を、かつ実施例1b(すなわち標準鏡に対し略20%未満)では640mg/mの銀を含む層を形成する。ガラスは次いで、水を噴霧することによりすすぎ洗いされ、銀被膜のすすぎ洗い直後、塩化スズの新しく形成された酸性化された溶液が銀めっきガラス板上に噴霧される。鏡は次いで、0.1容量%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(Union Carbide社からのシランA1100)を含む溶液を噴霧することにより処理される。
【0030】
すすぎ洗い及び乾燥後、鏡は略50μmの厚さを持つ黒色塗料の単一層でフローコーティングされる。
【0031】
実施例2
銀層が実施例2aでは略700mg/mの銀を、実施例2bでは650mg/mの銀を含むこと、及び二つの塗料層(銀被膜に隣接した第一のものは濃い灰色であり、第二のものは緑色であり、それぞれの塗料層は略25μm厚である)が鏡の上に付着されていることを除き、実施例2が上の実施例1に述べられたように製造される(しかし別の製造ライン上で、かつ別の供給者から来る銀めっき溶液を用いる)。
【0032】
比較例
二つの塗料層(銀被膜に隣接した第一のものは赤色であり、第二のものは緑色であり、それぞれの塗料層は略25μm厚である)が鏡上に付着されていることを除き、本発明に従わない比較例が上の実施例1で述べられたように製造される。この比較例は既に知られるような銅を含まない鏡に相当する。
【0033】
このようにして製造された鏡はΔE測定に供され;同一鏡の二点間のΔEの最大値が以下の表I中に与えられている。表I中にこの鏡の視感反射率(RL)もまた示されている。

【0034】
実施例3
銀層が実施例3bでは略650mg/mの銀を含むこと及び異なる塗料が使用されることを除き、実施例3が上の実施例1で述べられたように製造される。
【0035】
このようにして製造された鏡はΔE測定に供され;同一鏡の二点間のΔEの最大値が以下の表II中に与えられている。

【0036】
実施例3は、この特別な構成(製造ライン、銀めっき溶液及び塗料)に対して:
− 通常量の略90%の銀の平均量は欠陥のない鏡を得るために全く十分であること、一方
− 通常量の略80%の銀の平均量は許容できない欠陥を持たない鏡を得るためには低過ぎること、
を示す。
【0037】
ここに与えられた全てのCIELAB値及び視感反射率は、光源D65 10°下に測定される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板、ガラス基板の表面に設けられた銀被膜層、及び銀被膜層を覆う少なくとも一つの塗料層を含む、銅層を持たない鏡において、銀被膜層に隣接した塗料層の色が40未満のLによって特徴づけられる鏡。
【請求項2】
銀被膜層に隣接した塗料層の色が38未満のLによって特徴づけられる請求項1に記載の鏡。
【請求項3】
銀被膜層に隣接した塗料層の色が35未満のLによって特徴づけられる請求項1または2に記載の鏡。
【請求項4】
銀被膜層に隣接した塗料層の色が−10から+10の範囲のa及び−10から+10の範囲のbによって特徴づけられる請求項1から3のいずれかに記載の鏡。
【請求項5】
銀被膜層に隣接した塗料層の色が−6から+6の範囲のa及び−6から+6の範囲のbによって特徴づけられる請求項1から4のいずれかに記載の鏡。
【請求項6】
ガラス側から見た鏡の色は、90°の角度で測定すると鏡の反射銀被膜のいかなる他の点に対しても1.8より大きい色差ΔEを持つ鏡の反射銀被膜の点が存在しないことによって特徴づけられる請求項1から5のいずれかに記載の鏡。
【請求項7】
銀被膜層が70nm未満の厚さを持つ請求項1から6のいずれかに記載の鏡。
【請求項8】
銀被膜層が65nm未満の厚さを持つ請求項1から7のいずれかに記載の鏡。
【請求項9】
銀被膜層が700mg/m未満の銀を含む請求項1から8のいずれかに記載の鏡。
【請求項10】
銀被膜層が650mg/m未満の銀を含む請求項1から9のいずれかに記載の鏡。
【請求項11】
鏡の視感反射率が少なくとも83%である請求項1から10のいずれかに記載の鏡。
【請求項12】
鏡は、120時間CASS試験に供されたときに250μm未満の平均縁腐食を持つ請求項1から11のいずれかに記載の鏡。
【請求項13】
パラジウム及びスズがガラス板の表面に設けられている請求項1から12のいずれかに記載の鏡。
【請求項14】
スズが、塗料層に隣接している銀被膜層の表面に存在する請求項1から13のいずれかに記載の鏡。
【請求項15】
極微量のシランが、塗料層に隣接している銀被膜層の表面に存在する請求項1から14のいずれかに記載の鏡。
【請求項16】
塗料層が、実質的に鉛を含まないかまたは鉛を含まない請求項1から15のいずれかに記載の鏡。
【請求項17】
塗料層が実質的に黒色である請求項1から16のいずれかに記載の鏡。
【請求項18】
鏡が、銀被膜層を覆う単一の塗料層を含む請求項1から17のいずれかに記載の鏡。
【請求項19】
銅層を持たない鏡を製造するための方法において、少なくとも以下の工程を含む方法:
ガラス基板を準備する;
このガラス基板をSnのイオンを含む溶液と接触させる;
このガラス基板をPdのイオンを含む溶液と接触させる;
このガラス基板を銀めっき溶液と接触させて銀被膜を形成する;
ガラス基板上に形成された銀被膜をSnのイオンを含む溶液と接触させて銀被覆を形成する;及び
乾燥させたら40未満であるLにより特徴づけられる色を与えるために適合された、銀被膜の上にかつそれに隣接した少なくとも一つの塗料層を付与する。

【公表番号】特表2009−539518(P2009−539518A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514762(P2009−514762)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055657
【国際公開番号】WO2007/144311
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(507303620)エージーシー フラット グラス ユーロップ エスエー (21)
【Fターム(参考)】