説明

閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ

【課題】本発明の課題は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器具よりも安価で使いやすい閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器具を提供することにある。
【解決手段】本発明は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1,11,31,41である。この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、鼻孔から鼻腔を経て咽頭部の気道を押し広げるようにして挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時に閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者の上気道の咽頭部が閉塞することを防止する閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠時に上気道の咽頭部が筋肉の弛緩と肥満等との合併症で閉塞され、一時的な窒息(無呼吸、低呼吸)状態を断続的に繰り返す。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧症を患ったり脳血管及び心血管に障害を患ったりし、その結果、無呼吸又は低呼吸後に覚醒反応が繰り返す。この結果、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、十分な睡眠がとれず、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が自動車の運転をする場合には、その患者は居眠り運転で事故や重大事故等を起こしやすくなる。
【0003】
そこで、近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群を治療したり解消したりするための様々な提案がなされている。例えば、過去に「外部から適当な圧力の空気を鼻孔経由で咽頭部に送り、閉塞部分を空気圧で押し拡げて吸気のための気道を確保する」という方法(例えば、特許文献1参照)や「マウスピースを着用する」という方法等が提案されている。
【0004】
前者のような空気加圧方式の治療方法を実施するためには、空気加圧装置が必要となる。しかし、空気加圧装置は、比較的大きいだけでなく重く、旅行等での持ち運びに向かない。また、空気加圧装置は、一般的に高価であり、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者に大きな経済的負担を強いることになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が空気加圧装置を利用する場合、その患者は、空気加圧装置から送られてくる加圧空気が漏れないように鼻孔部分をマスクで完全に覆うと共にこのマスクと空気配送パイプとが外れないようにこのマスクと空気配送パイプとを頭部にヘッドバンドで固定しなければならない。睡眠時にこれらの部品を装着することは患者にとって苦痛である。また、空気加圧装置は、作動音がうるさく、患者本人のみならず周囲の人の睡眠を妨げることがある。さらに、冬季の使用時に室温が下がると、マスク内で呼気中の水分が凝集して水滴となり、患者の顔にかかって患者の睡眠を妨げることもある。
【0005】
一方、後者のような治療方法は、患者の症状が軽微な場合には一定の効果が得られるが、重症の患者には効果が期待できないことが多い。
【0006】
このような状況の中で、最近、「咽頭部から鼻孔部分に至る長さを有する柔軟なチューブと、チューブ内に挿通される柔軟なガイドワイヤーと、ガイドワイヤーの一端に設けられる弾性変形可能な網状筒体と、ガイドワイヤーの他端に設けられるストッパーとから構成される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器」が提案されている(例えば、特許文献2参照)。患者がこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を装着するには、患者は、先ず、ストッパーを引いて網状筒体をチューブに収容した状態にした後に、その状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を自身の鼻孔から挿入しその閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を鼻腔に通して閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器のストッパー側の端部が鼻孔から少し出ている状態にする。その後、患者は、チューブのストッパー側の端部を一方の手で保持し、他方の手でストッパーがチューブの端部に当接するまでガイドワイヤーをチューブ内に押し込む。すると、チューブ内に収容されていた網状筒体がチューブから押し出され、網状筒体が患者の咽頭部において展開され咽頭部の気道を押し広げる。このように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、確実な気道確保を行えると共に装着が簡単で患者本人及び周囲の人の睡眠時の邪魔になることもなく、しかも、小型軽量且つ安価で持ち運びも容易であり、非常に優れたものである。
【特許文献1】特開平8−332226号公報
【特許文献2】特開2006−204630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器具よりも安価で使いやすい閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブである。なお、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、先端部が先細りの形状であることが好ましい。
【0009】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、鼻孔から鼻腔を経て咽頭部の気道を押し広げるようにして挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0010】
第2発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、外周面の全体又は一部にゲル物質が塗布される。なお、ここにいう「ゲル物質」とは、液体、特に水を包含する架橋高分子物質を意味する。また、このゲル物質は閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの先端に塗布されるのが好ましい。
【0011】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブには、外周面の全体又は一部にゲル物質が塗布される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0012】
第3発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、外周面の全体又は一部に軟質ゴムが塗布される。
【0013】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブには、外周面の全体又は一部に軟質ゴムが塗布される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0014】
第4発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明から第3発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、突起部を備える。突起部は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの外周面から外側に延びる。なお、ここにいう「突起部」は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ装着時に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが鼻孔に埋没してしまわないようにするためのものである。また、突起部は閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの基端側に設けられるのが好ましい。また、突起部は、外周面から突起しない状態となることが可能であってもかまわない。
【0015】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブには、突起部が設けられる。このため、患者の睡眠中に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。
【0016】
第5発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明から第4発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、全部又は一部が湾曲している。なお、かかる場合、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは人の鼻腔内の形状に沿って湾曲しているのが好ましい。
【0017】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、全部又は一部が湾曲している。このため、その湾曲形状を人の鼻腔内の形状に沿うようにすれば、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0018】
第6発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明から第5発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、側壁を貫通する貫通孔を備える。なお、この貫通孔は閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの先端側に設けるのが好ましい。また、貫通孔は、多ければ多い程通気性に優れるが、逆に強度が低下する。このため、貫通孔の大きさや数は通気性および強度の両面から検討する必要がある。
【0019】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、側壁を貫通する貫通孔を備える。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。
【0020】
第7発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明から第6発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、ガイド部を備える。ガイド部は、扁平形状を呈しており、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの先端から突出するように延びている。なお、ガイド部は薄肉であることが好ましい。
【0021】
ところで、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、気道閉塞時において肺側の気圧が低下している。したがって、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が予め閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを鼻孔から入れガイド部を咽頭部に挿入した後に眠りにつけば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入り気道閉塞状態となったときに咽頭部を挟む内外空間の気圧差によりガイド部が自動的に肺側に吸引され、それとともに閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが自動的に咽頭部に挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入る前までの嚥下(えんげ=つばを呑み込む時に気道が収縮する)時における異物感(違和感)を軽減することができる。
【0022】
第8発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明から第6発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、形態変形部およびガイド部を備える。形態変形部は、長手方向及び径方向に変形可能であって、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの先端に設けられる。なお、ここにいう「形態変形部」とは、例えば、非装着時において基端側に倒れるように形成された風船(バルーン)等である。ガイド部は、扁平形状を呈しており、形態変形部の先端から突出するように延びる。また、ガイド部は薄肉であることが好ましい。
【0023】
ところで、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、気道閉塞時において肺側の気圧が低下している。したがって、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が予め閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを鼻孔から入れガイド部を咽頭部に挿入した後に眠りにつけば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入り気道閉塞状態となったときに咽頭部を挟む内外空間の気圧差によりガイド部が自動的に肺側に吸引され、それとともに形態変形部が形態変形しながら自動的に咽頭部に挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入る前までの嚥下(えんげ=つばを呑み込む時に気道が収縮する)時における異物感(違和感)を軽減することができるとともに咽頭部に食い込むことができ、睡眠中に患者が寝返りをうっても抜けにくくなる。
【0024】
第9発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1発明から第7発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、外周面の全体又は一部に水膨潤樹脂が塗布される。なお、水膨潤樹脂が外周面の一部に塗布される場合、咽頭部の位置を考慮して水膨潤樹脂の塗布位置を決定する必要がある。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの外周面の全体にゲル物質が塗布される場合、水膨潤樹脂は塗布されない。しかし、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの外周面の一部にゲル物質が塗布される場合、水膨潤樹脂はゲル物質と重ならないように塗布され得る。かかる場合、ゲル物質が閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの先端部に塗布され、先端部から少し離れた基端側の部分に水膨潤樹脂が塗布されるのが好ましい。また、水膨潤樹脂の塗布部分から基端側の部分にさらにゲル物質を塗布してもかまわない。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの外周面の全体に軟質ゴムが塗布される場合、水膨潤樹脂は軟質ゴムの上側(空気側)に塗布され得る。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの外周面の一部に軟質ゴムが塗布される場合、水膨潤樹脂は、軟質ゴムと重ならないように塗布され得る。かかる場合、軟質ゴムが閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの先端部に塗布され、先端部の近傍部分に水膨潤樹脂が塗布されるのが好ましい。また、水膨潤樹脂の塗布部分から基端側の部分にさらに軟質ゴムを塗布してもかまわない。
【0025】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブには、外周面の全体又は一部に水膨潤樹脂が塗布される。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者がこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着すると、水膨潤樹脂が患者の咽頭部近傍に存在する水分を吸収し膨潤する。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、咽頭部に食い込むことができる。この結果、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、睡眠中に患者が寝返りをうっても抜けにくい。
【0026】
第10発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1チューブ及び第2チューブを備える。第1チューブは、膨張及び収縮可能な第1風船部を有する。第2チューブは、第1チューブに所定の隙間をもって挿入される。なお、第1風船部を設ける位置は、咽頭部の位置(特に鼻の穴から咽頭部までの距離)を考慮して決定される必要がある。
【0027】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第1風船部を有する。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が第1風船部を収縮した状態にして閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを鼻孔から入れ第1風船部が咽頭部に位置するように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着した後、例えば、コンプレッサや、送風機、水ポンプ等によりその第1風船部を膨らませれば、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを咽頭部に食い込ませることができる。したがって、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブをこのように使用すれば、睡眠中に寝返りをうっても閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを抜けにくくすることができる。このように、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0028】
第11発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第10発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、第1チューブの片端部と第2チューブの片端部とが接合されている。なお、第1チューブの片端部と第2チューブの片端部とは、直接接合されてもよいし閉塞部材を介して接合されてもよい。また、このとき、第2チューブの開口は閉塞されない。
【0029】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブでは、第1チューブの片端部と第2チューブの片端部とが接合されている。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、風船部を膨らませやすい。
【0030】
第12発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第10発明又は第11発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、突起部をさらに備える。突起部は、第1チューブの外周面から外側に延びる。なお、ここにいう「突起部」は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ装着時に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが鼻孔に埋没してしまわないようにするためのものである。また、突起部は第1チューブの基端側に設けられるのが好ましい。また、突起部は、外周面から突起しない状態となることが可能であってもかまわない。
【0031】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブには、突起部が設けられる。このため、患者の睡眠中に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。
【0032】
第13発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第10発明から第12発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、第1風船部は、第1チューブの先端側に設けられている。また、第1チューブは、基端側に膨張及び収縮可能な第2風船部をさらに有する。なお、この第2風船部は、膨らませられたときにその大きさが鼻孔よりも大きければならない。
【0033】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、基端側に第2風船部をさらに有する。このため、第1風船部が膨らませられると同時に第2風船部も膨らませられる。このため、患者の睡眠中に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。また、第2風船部を収縮した状態とすれば、コンパクトに収納することができる。
【0034】
第14発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、チューブ、線材、第1ストッパー及び第2ストッパーを備える。チューブは、第1形態変形部を有する。第1形態変形部は、長手方向及び径方向に変形可能である。線材は、チューブに所定の隙間をもって挿通される。なお、ここにいう「線材」とは、例えば、金属線(樹脂が被覆されているものであってもよい)や、糸、紐等である。第1ストッパーは、通気部を有する。そして、この第1ストッパーは、線材の第1端側に取り付けられる。なお、ここにいう「第1ストッパー」は鼻孔を通り抜ける程度の大きさであることが必須である。第2ストッパーは、線材の第2端側に取り付けられる。なお、ここにいう「第2端」とは、第1端の反対側の端である。また、ここにいう「第2ストッパー」は閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ装着時に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが鼻孔に埋没してしまわない程度の大きさとするのが好ましい。なお、この第2ストッパーとしては、例えば、線材に沿ってスライド可能なネジ固定式のものやノック固定式のものが挙げられる。また、チューブ第2端側の孔の横断面形状が楕円形や長方形等である場合には、線材から線材の軸に対して垂直な方向に伸びるストッパーが利用されてもかまわない。かかる場合、第2ストッパーの長さは、孔の横断面の長い部分よりも短くされ、孔の横断面の短い部分よりも長くされる。また、このような形状の第2ストッパーは、第1形態変形部が伸びきった状態においてチューブ内に収容される状態となり、第1形態変形部が縮みきった状態においてチューブ外に露出する状態となる位置に形成される。そして、第2ストッパーは、チューブの孔の長い部分と一致するように線材の軸を中心として回転させられる。すると、第2ストッパーは、チューブ内に収容される。そして、第1形態変形部が長手方向に収縮されると、チューブから第2ストッパーが露出する。そして、この状態で、第2ストッパーは、チューブの孔の短い部分と一致するように線材の軸を中心として回転させられる。すると、第2ストッパーは、第1形態変形部の状態を縮んだ状態に維持する。
【0035】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブでは、チューブに線材が所定の隙間をもって挿通されている。そして、線材の第1端側には第1ストッパーが取り付けられており、第2端側には第2ストッパーが取り付けられている。また、チューブには第1形態変形部が設けられている。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者がチューブを伸びきった状態、つまり、第1形態変形部を長手方向に伸びきった状態にして閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを第1ストッパー側から鼻孔に入れ第1形態変形部が咽頭部に位置するように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着した後、その患者が線材を掴みながらチューブを第1端側に押せば、第1形態変形部が長手方向に縮むと共に径方向外側に突出する。そして、この状態を第2ストッパーにより維持すれば、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを咽頭部に食い込ませることができる。したがって、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブをこのように使用すれば、睡眠中に寝返りをうっても閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを抜けにくくすることができる。このように、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0036】
第15発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第14発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、第2ストッパーは、通気部を有する。そして、この第2ストッパーは、線材に沿ってスライド可能である。
【0037】
このため、患者は、第1形態変形部が長手方向に縮んだ状態を簡単に形成することができる。
【0038】
第16発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、第14発明または第15発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブであって、第1形態変形部は、チューブの先端側に設けられている。そして、チューブは、基端側に第2形態変形部をさらに有している。第2形態変形部は、長手方向及び径方向に変形可能である。なお、この第2形態変形部は、径方向外側に突出するように変形したときにその径方向の大きさが鼻孔よりも大きければならない。
【0039】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、基端側に第2形態変形部を有する。このため、第1形態変形部が長手方向に伸びきった状態にあるとき、第2形態変形部も長手方向に伸びきった状態となっており、第1形態変形部が長手方向に縮むと共に径方向外側に突出するとき、第2形態変形部も長手方向に縮むと共に径方向外側に突出する。このため、患者の睡眠中に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。また、第2形態変形部を伸びきった状態とすれば、コンパクトに収納することができる。
【発明の効果】
【0040】
第1発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブよりも安価で使いやすい。
【0041】
第2発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0042】
第3発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0043】
第4発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、患者の睡眠中に患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。
【0044】
第5発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、人の鼻腔内の形状に沿うように湾曲させておけば、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0045】
第6発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。
【0046】
第7発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入る前までの嚥下時における異物感(違和感)を軽減することができる。
【0047】
第8発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入る前までの嚥下時における異物感(違和感)を軽減することができるとともに咽頭部に食い込むことができ、睡眠中に患者が寝返りをうっても抜けにくくなる。
【0048】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が第9発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着すると、水膨潤樹脂が患者の咽頭部近傍に存在する水分を吸収し膨潤する。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、咽頭部に食い込むことができる。この結果、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、睡眠中に患者が寝返りをうっても抜けにくい。
【0049】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が第1風船部を収縮した状態にして第10発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを鼻孔から入れ第1風船部が咽頭部に位置するようにその閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着した後、例えば、コンプレッサや、送風機、水ポンプ等によりその第1風船部を膨らませれば、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを咽頭部に食い込ませることができる。したがって、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブをこのように使用すれば、睡眠中に寝返りをうっても閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを抜けにくくすることができる。このように、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0050】
第11発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブでは、第1チューブの片端部と第2チューブの片端部とが接合されている。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、風船部を膨らませやすい。
【0051】
第12発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、患者の睡眠中に患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。
【0052】
第13発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、患者の睡眠中に患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。また、第2風船部を収縮した状態とすれば、コンパクトに収納することができる。
【0053】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者がチューブを伸びきった状態、つまり、第1形態変形部を長手方向に伸びきった状態にして第14発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを第1ストッパー側から鼻孔に入れ第1形態変形部が咽頭部に位置するようにその閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着した後、その患者が線材を掴みながらチューブを第1端側に押せば、第1形態変形部が長手方向に縮むと共に径方向外側に突出する。そして、この状態を第2ストッパーにより維持すれば、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを咽頭部に食い込ませることができる。したがって、その患者は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブをこのように使用すれば、睡眠中に寝返りをうっても閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを抜けにくくすることができる。このように、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0054】
第15発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを利用すれば、患者は、第1形態変形部が長手方向に縮んだ状態を簡単に形成することができる。
【0055】
第16発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、患者の睡眠中に患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。また、第2形態変形部を伸びきった状態とすれば、コンパクトに収納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
−第1実施形態−
本発明の第1実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを図1に示す。この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1は、摩擦係数が低く柔軟性を有し人体に無害である材料、例えば、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂によって形成されており、鼻孔から上気道の咽頭部までの挿入抵抗が小さい。また、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1は、装着時に、挿入側先端が咽頭部の奥に位置すると共に基端が鼻孔から僅かに突出する位置となる長さとされている。また、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の内径は、患者の条件等に応じて適宜設定される。なお、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の内径は、鼻孔からの挿入を考慮すると、1〜8mm程度が好ましい。また、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の肉厚は0.5〜3mm程度が好ましい。なお、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の端面部分は鼻腔への挿入が容易となるように面取り加工が施されるのが好ましい。そして、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の基端近傍には、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1が患者の鼻孔に埋没しないようにするための突起部2が形成されている。なお、この突起部2は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の外周面から外側に向かって延びるリング状の突起である。
【0057】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの使用方法>
(1)装着方法
患者は、図2及び図3に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を鼻孔21から鼻腔22を通し、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の基端が鼻孔21から僅かに、例えば1〜2cm程度出ている状態までこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を押し込む。なお、装着前に、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1、特にその先端部分にワセリンや、ゼリー状潤滑剤、ゲル物質などの潤滑剤が塗布されるのが好ましい。そして、この結果、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端部が患者の咽頭部23の奥まで挿入される。
【0058】
なお、患者が覚醒時にこの操作を行えば、患者の咽頭部23の気道は開いた状態となっているため、患者は軽い力でこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端部を咽頭部23に押し込むことができる。
【0059】
(2)脱着方法
患者は、例えば起床時に、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を鼻孔21から引き抜く。
【0060】
なお、患者は、引き抜かれた閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を洗浄、消毒等すれば閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を繰り返し使用することができる。なお、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1内の洗浄は、適当な清掃器具を使用することにより容易に行うことができ、消毒もアルコール等の消毒薬を使用することによって簡単に行える。
【0061】
<第1実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの特徴>
(1)
第1実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1は、鼻孔21から鼻腔22を経て咽頭部23の気道を押し広げるようにして挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1は、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0062】
(2)
第1実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1には基端付近に突起部2が形成されている。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1が患者の鼻孔に埋没することを防ぐことができる。
【0063】
<第1実施形態の変形例>
(A)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1では長手方向に直交する面で切った断面形状が円形であったが、長手方向に直交する面で切った断面形状は特に限定されず多角形等であってもよい。
【0064】
(B)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1では基端付近にリング状の突起部2が形成されたが、突起部2の形状は特に限定されることはなく、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1が患者の鼻孔に埋没しない限り任意の形状とすることができる。
【0065】
(C)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の外表面を軟質ゴムで覆ってもかまわない。このようにすれば、潤滑剤を利用しなくても、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0066】
(D)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図22に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を予め人間の鼻腔内の形状に沿って湾曲させておいてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0067】
(E)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図23に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端部分の側壁に穴3を開けておいてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。また、先端部分の側壁のみならず基端部分や中間部分の側壁に穴を開けてもかまわない。
【0068】
(F)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図24に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端にガイド部4を設けてもかまわない。なお、このガイド部4は、図24に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端から突出するように延びている。また、このガイド部4は、薄肉の扁平形状を呈している。
【0069】
このように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端にガイド部4を設ければ、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が予め閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を鼻孔から入れガイド部4を咽頭部23に挿入した後に眠りについた場合(図25参照)、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入り気道閉塞状態となったときに咽頭部23を挟む内外空間の気圧差によりガイド部4が自動的に肺側に吸引され、それとともに閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1が自動的に咽頭部23に挿入されるようになる(図26参照)。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入る前までの嚥下(えんげ=つばを呑み込む時に気道が収縮する)時における異物感(違和感)を軽減することができる。
【0070】
(G)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図27および図28に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端に形態変形部5を設け、さらにその先端にガイド部4を設けてもかまわない。なお、形態変形部5は、風船状の部分または切り込み(第4実施形態の変形例(L)の切込部244参照)により形成された部分であって、図27に示されるように、収縮時には基端側に倒れるようにセットされている。また、ガイド部4は、図27および図28に示されるように、形態変形部5の先端から突出するように延びている。また、このガイド部4は、薄肉の扁平形状を呈している。
【0071】
このように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の先端に形態変形部5およびガイド部4を設ければ、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が予め閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1を鼻孔から入れガイド部4を咽頭部23に挿入した後に眠りについた場合(図27参照)、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入り気道閉塞状態となったときに咽頭部23を挟む内外空間の気圧差によりガイド部4が自動的に肺側に吸引され、それとともに形態変形部5が膨張変形しながら自動的に咽頭部に挿入される(図28参照)。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入る前までの嚥下時における異物感(違和感)を軽減することができるとともに咽頭部23に食い込むことができ、睡眠中に患者が寝返りをうっても抜けにくくなる。
【0072】
(H)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1では鼻孔埋没防止のためにリング状の突起部2が採用されたが、第3実施形態の変形例(G)に示される第2風船部135が鼻孔埋没防止のために採用されてもかまわない。なお、かかる場合、基端側の構造は、第3実施形態の変形例(G)に示される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の構造と同様にする必要がある。
【0073】
−第2実施形態−
本発明の第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11は、図4及び図5に示されるように、主に、チューブ12、水膨潤(高吸水性)樹脂塗膜13及び突起部14から構成されている。以下、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の構成要素についてそれぞれ詳述する。
【0074】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの構成>
(1)チューブ
チューブ12は、摩擦係数が低く柔軟性を有し人体に無害である材料、例えば、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂によって形成されており、鼻孔から上気道の咽頭部までの挿入抵抗が小さい。また、このチューブ12は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ装着時に、挿入側先端が咽頭部の僅かに手前に位置し、基端が鼻孔から僅かに突出する位置となる長さとされている。また、このチューブ12の内径は、患者の条件等に応じて適宜設定される。なお、チューブ12の内径は、鼻孔からの挿入を考慮すると、1〜8mm程度が好ましい。また、チューブ12の肉厚は0.5〜3mm程度が好ましい。なお、チューブ12の端面部分は鼻腔への挿入が容易となるように面取り加工が施されるのが好ましい。
【0075】
(2)水膨潤樹脂塗膜
水膨潤樹脂塗膜13は、チューブ12の先端より少し手前の外周面上に形成されている。なお、この水膨潤樹脂塗膜13は閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ装着時に咽頭部に位置するように形成されるのが好ましい。また、水膨潤樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、ポリアクリル酸ナトリウム−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール架橋体、セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体、カルボキシメチルセルロース架橋体、でん粉−アクリロニトリルグラフト共重合体、でん粉−アクリル酸グラフト共重合体、でん粉−アクリルアミドグラフト共重合体等が挙げられる。
【0076】
(3)突起部
突起部14は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11が患者の鼻孔に埋没しないようにするためのものであって、チューブ12の基端近傍に形成されている。なお、この突起部14は、チューブ12の外周面から外側に向かって延びるリング状の突起である。
【0077】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの使用方法>
(1)装着方法
患者は、図6及び図7に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11を鼻孔21から鼻腔22を通し、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ1の基端が鼻孔21から僅かに、例えば1〜2cm程度出ている状態までこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11を押し込む。なお、装着前に、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の水膨潤樹脂塗膜以外の部分、特に先端部分にワセリンや、ゼリー状潤滑剤、ゲル物質などの潤滑剤が塗布されるのが好ましい。そして、この結果、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の先端部が患者の咽頭部23の奥まで挿入される。
【0078】
なお、患者が覚醒時にこの操作を行えば、患者の咽頭部23の気道は開いた状態となっているため、患者は軽い力でこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の先端(水膨潤樹脂塗膜13を含む)を咽頭部23に押し込むことができる。そして、水膨潤樹脂塗膜13は、この状態において咽頭部付近の水分を吸収して膨潤し、咽頭部23に食い込む。
【0079】
(2)脱着方法
患者は、例えば起床時に、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11を鼻孔21から引き抜く。
【0080】
なお、患者は、引き抜かれた閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11を洗浄、消毒、乾燥等すれば閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11を繰り返し使用することができる。なお、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11内の洗浄は、適当な清掃器具を使用することにより容易に行うことができ、消毒もアルコール等の消毒薬を使用することによって簡単に行える。
【0081】
<第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの特徴>
(1)
第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11は、鼻孔21から鼻腔22を経て咽頭部23の気道を押し広げるようにして挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11は、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0082】
(2)
第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11は、装着されると、咽頭部23において水膨潤樹脂塗膜13が咽頭部周辺の水分を吸収して膨潤し咽頭部23に食い込む。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11は、患者が寝返りをうっても抜けにくい。
【0083】
(3)
第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11ではチューブ12の基端付近に突起部14が形成されている。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11が患者の鼻孔に埋没することを防ぐことができる。
【0084】
<第2実施形態の変形例>
(A)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11では長手方向に直交する面で切った断面形状が円形であったが、長手方向に直交する面で切った断面形状は特に限定されず多角形等であってもよい。
【0085】
(B)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11では水膨潤樹脂塗膜13がチューブ12の先端より少し手前の外周面上に形成されていたが、水膨潤樹脂塗膜はチューブ12の外周面全体に形成されてもよい。
【0086】
(C)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11ではチューブ12の基端付近にリング状の突起部14が形成されたが、突起部14の形状は特に限定されることはなく、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11が患者の鼻孔に埋没しない限り任意の形状とすることができる。
【0087】
(D)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の外表面を軟質ゴムで覆ってもかまわない。このようにすれば、潤滑剤を利用しなくても、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。なお、係る場合、軟質ゴムは水膨潤樹脂塗膜13以外の部分の外表面を覆うように形成されてもかまわないし、また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の全体又は一部を軟質ゴムで覆った後、その軟質ゴムの上に部分的に水膨潤樹脂塗膜13を形成してもかまわない。
【0088】
(E)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1実施形態の変形例(D)に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11を予め人間の鼻腔内の形状に沿って湾曲させておいてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0089】
(F)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1実施形態の変形例(E)に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の水膨潤樹脂塗膜13以外の部分の側壁に穴を開けてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。
【0090】
(G)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1実施形態の変形例(F)に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11の先端にガイド部を設けてもかまわない。このようにすれば、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠状態に入る前までの嚥下(えんげ=つばを呑み込む時に気道が収縮する)時における異物感(違和感)を軽減することができる。
【0091】
(H)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ11では鼻孔埋没防止のためにリング状の突起部14が採用されたが、第3実施形態の変形例(G)に示される第2風船部135が鼻孔埋没防止のために採用されてもかまわない。なお、かかる場合、基端側の構造は、第3実施形態の変形例(G)に示される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の構造と同様にする必要がある。
【0092】
−第3実施形態−
本発明の第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31は、図8及び図9に示されるように、主に、大径チューブ32a、小径チューブ32b、空気導入チューブ部34及び突起部35から構成されている。以下、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の構成要素についてそれぞれ詳述する。
【0093】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの構成>
(1)大径チューブ
大径チューブ32aは、摩擦係数が低く柔軟性を有し人体に無害である材料、例えば、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂によって形成されており、鼻孔から上気道の咽頭部までの挿入抵抗が小さい。そして、この大径チューブ32aには、図8及び図9に示されるように、先端付近に風船部33が形成されている。なお、この風船部33は、大径チューブ32aと一体に形成されている。この風船部33は、空気圧や水圧等により膨張/収縮が可能となっている。また、この大径チューブ32aは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ装着時に、風船部33が咽頭部に位置し、基端が鼻孔から僅かに突出する位置となる長さとされている。また、大径チューブ32aの内径は、患者の条件等に応じて適宜設定されるが、鼻孔からの挿入を考慮すると、5〜8mm程度が好ましい。また、大径チューブ32aの肉厚は0.5〜2mm程度が好ましい。
【0094】
そして、この大径チューブ32aの先端は、図10に示されるように、第1被覆部35aを介して小径チューブ32bの先端に接合されている。また、この大径チューブ32aの基端は、図11に示されるように、第2被覆部35bを介して小径チューブ32bの基端に接合されている。つまり、小径チューブ32bの開口は開いた状態とされているが、小径チューブ32bと大径チューブ32aとの間の開口は閉じた状態とされている。
【0095】
(2)小径チューブ
小径チューブ32bは、大径チューブ32aに挿通されるチューブであって、その長さは大径チューブ32aの長さに等しくされている。なお、小径チューブ32bの内径は、患者の条件等に応じて適宜設定されるが、大径チューブ32aの内径との関係から1〜5mm程度が好ましい。また、大径チューブ32aの肉厚は0.5〜2mm程度が好ましい。
【0096】
そして、この小径チューブ32bの先端は、図10に示されるように、第1被覆部35aを介して大径チューブ32aの先端に接合されている。また、小径チューブ32bの基端は、図11に示されるように、第2被覆部35bを介して大径チューブ32aの基端に接合されている。なお、第1被覆部35aは鼻腔への挿入が容易となるように曲面形状とされるのが好ましい。
【0097】
(3)空気導入チューブ部
空気導入チューブ部34は、第2被覆部35bを貫通するように設けられている。そして、この空気導入チューブ部34から空気が吹き込まれると風船部33が膨張し、この空気導入チューブ部34を介して小径チューブ32bの外周面と大径チューブ32aの内周面とに挟まれる空間に存在する空気が抜き取られると風船部33が収縮する。
【0098】
(4)突起部
突起部35は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31が患者の鼻孔に埋没しないようにするためのものであって、大径チューブ32aの基端近傍に形成されている。なお、この突起部35は、大径チューブ32aの外周面から外側に向かって延びるリング状の突起である。
【0099】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの使用方法>
(1)装着方法
患者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31を装着するには、患者は、先ず、空気導入チューブ部34を口でくわえて小径チューブ32bと大径チューブ32aとの間の空間に存在する空気を吸引し、図12に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の風船部33を収縮させる。次に、患者は、この状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31を鼻孔21から鼻腔22を通し、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の基端が鼻孔21から僅かに、例えば1〜2cm程度出ている状態までこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31を押し込む。なお、装着前に、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31、特にその先端部分にワセリンや、ゼリー状潤滑剤、ゲル物質などの潤滑剤が塗布されるのが好ましい。そして、この結果、風船部33が患者の咽頭部23に挿入される。
【0100】
そして、患者は、空気導入チューブ部34を口でくわえて小径チューブ32bと大径チューブ32aとの間の空間に空気を吹き込み、図13に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の風船部33を膨張させる。この結果、風船部33は、咽頭部23に食い込む。そして、患者は、この状態で空気導入チューブ部34をクリップ等でつまみ空気導入チューブ部34から空気が漏れないようにする。
【0101】
なお、患者が覚醒時にこの操作を行えば、患者の咽頭部23の気道は開いた状態となっているため、患者は軽い力でこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の先端(水膨潤樹脂塗膜13を含む)を咽頭部23に押し込むことができる。
【0102】
(2)脱着方法
患者は、例えば起床時に、クリップ等をはずした後に空気導入チューブ部34を口でくわえて小径チューブ32bと大径チューブ32aとの間の空間に存在する空気を吸引し、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の風船部33を収縮させる。そして、患者はその状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31を鼻孔21から引き抜く。
【0103】
なお、患者は、引き抜かれた閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31を洗浄、消毒等を行えば閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31を繰り返し使用することができる。なお、小径チューブ32b内の洗浄は、適当な清掃器具を使用することにより容易に行うことができ、消毒もアルコール等の消毒薬を使用することによって簡単に行える。
【0104】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの特徴>
(1)
第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31は、鼻孔21から鼻腔2を経て咽頭部23の気道を押し広げるようにして挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31は、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0105】
(2)
第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31は、患者により空気導入チューブ部34から小径チューブ32bと大径チューブ32aとの間の空間に空気が吹き込まれると風船部33が膨張する。この結果、風船部33は、咽頭部23に食い込む。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31は、患者が寝返りをうっても抜けにくい。
【0106】
(3)
第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31では大径チューブ32aの基端付近に突起部35が形成されている。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31が患者の鼻孔に埋没することを防ぐことができる。
【0107】
<第3実施形態の変形例>
(A)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31では長手方向に直交する面で切った断面形状が円形であったが、長手方向に直交する面で切った断面形状は特に限定されず多角形等であってもよい。
【0108】
(B)
先の実施の形態では患者は風船部33が膨張された後に空気導入チューブ部34をクリップ等でつまみ空気導入チューブ部34から空気が漏れないようにしたが、空気導入チューブ部34に予め三方コック等を接続しておいてもよい。
【0109】
(C)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31では大径チューブ32aの基端付近にリング状の突起部35が形成されたが、突起部35の形状は特に限定されることはなく、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31が患者の鼻孔に埋没しない限り任意の形状とすることができる。
【0110】
(D)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の外表面(風船部33の外表面を含む)を軟質ゴムで覆ってもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0111】
(E)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1実施形態の変形例(D)に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31を予め人間の鼻腔内の形状に沿って湾曲させておいてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0112】
(F)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1実施形態の変形例(E)に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の先端部分(風船部33を含む)の側壁に穴を開けてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。また、先端部分の側壁のみならず基端部分や中間部分の側壁に穴を開けてもかまわない。ただし、穴の数や大きさは、風船部33を膨張することができる程度の数や大きさでなければならない。
【0113】
(G)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31では鼻孔埋没防止のためにリング状の突起部2が採用されたが、図29および図30に示される第2風船部135が鼻孔埋没防止のために採用されてもかまわない。なお、第2風船部135は、風船部33が膨張すると同時に膨張し(図30参照)、風船部33が収縮すると同時に収縮する(図29参照)。このようにすれば、非装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ31をコンパクトに収納することができる。
【0114】
−第4実施形態−
本発明の第4実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は、図14及び図15に示されるように、主に、線材43、チューブ42、固定ストッパー45及び可動ストッパー46から構成されている。以下、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の構成要素についてそれぞれ詳述する。
【0115】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの構成>
(1)線材
線材43は、チューブ42の内径よりも小さい径を有しており、チューブ42内を往復移動することができる。なお、本実施の形態では、線材43として金属線が利用されている。
【0116】
(2)チューブ
チューブ42は、摩擦係数が低く柔軟性を有し人体に無害である材料、例えば、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂によって形成されており、鼻孔から上気道の咽頭部までの挿入抵抗が小さい。そして、このチューブ42には、図14及び図15に示されるように、先端付近に伸縮部44が形成されている。なお、この伸縮部44は、チューブ42と一体に形成されている。この伸縮部44は、可動ストッパー46により圧縮されると、長手方向に収縮するとともに半径方向外側に突出する。また、このチューブ42は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ装着時に、伸縮部44が咽頭部に位置し、基端が鼻孔から僅かに突出する位置となる長さとされている。また、チューブ42の内径は、患者の条件等に応じて適宜設定される。なお、チューブ42の内径は、鼻孔からの挿入を考慮すると、1〜8mm程度が好ましい。また、チューブ42の肉厚は0.5〜3mm程度が好ましい。なお、チューブ42の端面部分は鼻腔への挿入が容易となるように面取り加工が施されるのが好ましい。
【0117】
(3)固定ストッパー
固定ストッパー45は、図14及び図15に示されるように、線材43の先端に固定されている。この固定ストッパー45は、中空球状の金属網体であって通気性を有する。このため、チューブ42の先端が固定ストッパー45に接した状態となっても固定ストッパー45の外部空間は、チューブ42の内部空間と連通する。
【0118】
(4)可動ストッパー
可動ストッパー46は、ネジ式固定機構を有するスライド式のストッパーであって、円盤体46a及びストッパー本体46bから構成されている。
【0119】
円盤体46aは、チューブ42の外径よりも大きな径を有している。なお、この円盤体46aは閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41が鼻孔内に入り込むのを防ぐために径が鼻孔よりも大きくなるように形成されている。また、この円盤体46aの中心部は円筒形状を呈しており、その内側には雌ねじがきられている。また、この円盤体46aには、図14に示されるように、中心部を除いた部分に、厚み方向に貫通する6つの貫通孔が形成されている。なお、円盤体46aの中心部は内径がチューブ42の内径よりも小さくなるように形成されており、また、円盤体46aの貫通孔は円盤体46aの中心軸とチューブ42の中心軸とが合わせて接触された状態においてチューブ42の内部空間と連通するように形成されている。
【0120】
ストッパー本体46bは、切頭円錐形状を呈しており、軸に沿って伸びる貫通孔を有する。この貫通孔には、線材43が挿通される。また、ストッパー本体46bには、先端部に長手方向に沿って形成される4本の貫通溝が形成されている。なお、この貫通溝は、ストッパー本体46bの軸に沿って見た場合、貫通孔から放射状に半径方向に伸びている。そして、ストッパ本体46bの先端部(溝が形成されている部分)には雄ねじがきられている。
【0121】
そして、ストッパー本体46bの貫通孔に線材43を通した状態でストッパー本体46bの雄ねじ部が円盤体46aの雌ねじ部に螺合されると、ストッパー本体46bの先端部が除々に挟圧されある地点で線材43を挟持するに至る(固定状態)。一方、雄ねじ部を螺合方向と反対方向に回すと、ストッパー本体46bの先端部が解放され、線材43が自由にスライドできる状態となる(解放状態)。
【0122】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの使用方法>
(1)装着方法
患者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41を装着するには、患者は、先ず、可動ストッパー46を弛めて開放状態とし、図16に示されるように、チューブ42が長手方向に伸びきった状態とする。次に、患者は、この状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41を鼻孔21から鼻腔22を通し、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の基端が鼻孔21から僅かに、例えば1〜2cm程度出ている状態までこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41を押し込む。なお、このとき、チューブ42の外周面、特にその先端部分の外周面にワセリンや、ゼリー状潤滑剤、ゲル物質などの潤滑剤等が塗布されるのが好ましい。そして、この結果、伸縮部44が患者の咽頭部23に挿入される。
【0123】
そして、患者は、線材43の基端を一方の手で保持し、他方の手で可動ストッパー46をチューブ側に押し込みチューブ42を圧縮して可動ストッパー46を固定状態とする。すると、図17に示されるように、伸縮部44が半径方向外側に突出し咽頭部23に食い込む。
【0124】
なお、患者が覚醒時にこの操作を行えば、患者の咽頭部23の気道は開いた状態となっているため、患者は軽い力でこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の先端(伸縮部44を含む)を咽頭部23に押し込むことができる。
【0125】
(2)脱着方法
患者は、例えば起床時に、可動ストッパー46を弛めてチューブ42が伸びきった状態とする。そして、患者はその状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41を鼻孔21から引き抜く。
【0126】
なお、患者は、引き抜かれた閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41を洗浄、消毒等を行えば閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41を繰り返し使用することができる。なお、このとき、患者が線材43から可動ストッパー46を取り外せば、その患者はチューブ42から線材43を容易に引き抜くことができる。また、チューブ42内の洗浄は、適当な清掃器具を使用することにより容易に行うことができ、各部の消毒も、アルコール等の消毒薬を使用することによって簡単に行える。
【0127】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の特徴>
(1)
第4実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は、鼻孔21から鼻腔2を経て咽頭部23の気道を押し広げるようにして挿入される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0128】
(2)
第4実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は、患者により可動ストッパー46がチューブ側に押し込まれチューブ42が長手方向に沿って圧縮された後に可動ストッパー46が固定状態とされると伸縮部44が半径方向外側に突出する。この結果、伸縮部44は、咽頭部23に食い込む。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は、患者が寝返りをうっても抜けにくい。
【0129】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41では固定ストッパー45は中空球状の金属網体であったが、固定ストッパーは図18に示されるような爪型のストッパー45aであってもよい。なお、かかる場合、爪の形状は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の装着時及び脱着時に患者の咽頭部に引っ掛かることがないような形状とする必要があることに留意すべきである。
【0130】
(B)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41では線材43に金属線が採用されたが、患者に金属アレルギーの症状がみられる場合には、線材43としてポリエチレンやフッ素樹脂等で被覆された金属線や、純チタンあるいはニッケルを含まないステンレス鋼線、比較的剛直な樹脂繊維等が採用される。また、患者に他の疾病がみられる場合には、症状に応じて適宜な最適な材料が選択される。
【0131】
(C)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41では固定ストッパー45として中空球状の金属網体が採用されたが、患者に金属アレルギーの症状がみられる場合には、ポリエチレンやフッ素樹脂等で被覆された金属網体や、純チタンあるいはニッケルを含まないステンレス鋼線製の金属網体等が採用される。また、患者に他の疾病がみられる場合には、症状に応じて適宜な最適な材料が選択される。
【0132】
(D)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41ではチューブ42が、装着時に、伸縮部44が咽頭部23に位置し、基端が鼻孔21から僅かに突出する位置となる長さとされていたが、チューブ42は、装着時に、伸縮部44が咽頭部23に位置し、基端が鼻孔21から僅かに突出する位置となる長さ以上の長さとされてもよい。なお、かかる場合、先の実施形態に係るチューブ42の長さの位置に印を得っておけば患者は使用について困惑することはない。
【0133】
(E)
先の実施の形態では、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は使用後に分解して洗浄されるのが好ましいとされたが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41は使い捨てとされてもよい。なお、かかる場合、可動ストッパー46に取り外し構造を考慮する必要はなく、例えば、ノック式構造等を利用したり線材に段差をつけておいたりすること等ができる。
【0134】
(F)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41では可動ストッパー46としてネジ式固定機構を有するスライド式のストッパーが採用されたが、可動ストッパーはこのようなものに限定されることはなく、嵌め合わせ式固定機構を有するストッパー等が採用されてもよい。
【0135】
(G)
先の実施の形態では可動ストッパー46が採用されていたが、チューブの孔の横断面形状が楕円形や長方形などである場合には可動ストッパー46に代えて線材43から線材43の軸に対して垂直な方向に伸びる線形のストッパー(以下「線形ストッパー」という」)が採用されてもかまわない。
【0136】
図19には、線形ストッパーが採用される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ141が例示されている。なお、図中、先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41と同じ構成要素については同じ符号で示されている。
【0137】
線形ストッパー146は、図19に示されるように、線材43から線材43の軸に対して垂直な方向に伸びる線材である。なお、このストッパー146は、線材43と一体に形成されている。この線形ストッパー146をより詳細に説明するために、図20に伸縮部44が長手方向に伸びきっている状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ141を線材43の軸に沿って見た図を示し、図21に伸縮部44が長手方向に縮んでいる状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ141を線材43の軸に沿って見た図を示した。なお、線形ストッパー146は、図20においてチューブ142の孔内に収容されており、図21においてチューブ142の最後端に接触している。
【0138】
なお、この線形ストッパー146が線材43の軸を中心として回転させられると、線材43ごと回転するため、固定ストッパー45も同時に回転することになる。
【0139】
また、かかる場合、チューブ142の基端近傍に、第1実施形態に示されるようなストッパー2が形成されるのが好ましい。閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ141が患者の鼻孔に埋没することを防ぐためである。
【0140】
(H)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の外表面(伸縮部44の外表面を含む)を軟質ゴムで覆ってもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0141】
(I)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1実施形態の変形例(D)に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41を予め人間の鼻腔内の形状に沿って湾曲させておいてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0142】
(J)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1実施形態の変形例(E)に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の伸縮部44以外の部分の側壁に穴を開けてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。また、かかる場合、円盤体46aおよびストッパー本体46に貫通孔を形成しなくてもかまわない。
【0143】
(K)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41では鼻孔埋没防止のために可動ストッパー46が採用されたが、図31および図32に示される第2伸縮部144が鼻孔埋没防止のために採用されてもかまわない。なお、第2伸縮部144は、伸縮部44が長手方向に伸びきった状態であるとき、同様に長手方向に伸びきった状態となっており(図31参照)、伸縮部44が半径方向外側に突出すると同時に半径方向外側に突出する(図32参照)。このようにすれば、非装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41をコンパクトに収納することができる。また、かかる場合、可動ストッパー46は、鼻孔の大きさよりも小さくてもかまわない。
【0144】
(L)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41では鼻孔埋没防止のために可動ストッパー46が採用されたが、図33および図34に示される切込部244が鼻孔埋没防止のために採用されてもかまわない。なお、切込部244は、伸縮部44が長手方向に伸びきった状態であるとき、同様に長手方向に伸びきった状態となっており(図33参照)、伸縮部44が半径方向外側に突出すると同時に半径方向外側に放射状に(本変形例では4方向に)に突出する(図34参照)。このようにすれば、非装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ41をコンパクトに収納することができる。
【0145】
なお、切込部244は、チューブ42の軸に平行な4本の切り込み(図35参照)であってもよいし、チューブ42の軸に交差(直交を除く)する切り込み(図36参照)であってもよいし、曲線切り込み(図37及び図38参照)であってもよい。また、切り込み本数は特に限定されず任意に決定してよい。また、この切込部244は、チューブ42に切り込みが入れられることによって形成されてもよいし、図39に示されるように線材や短冊部材の接合によって形成されてもよい。
【0146】
また、図40に示されるように、チューブ42の内側に径の小さなチューブ542を挿通してもかまわない(二重チューブ構造)。かかる場合、内側のチューブ542は、図40に示されるように、切り込み位置が外側のチューブ42の切り込み位置とずれるように外側のチューブ42に挿通される。このような二重チューブ構造が採用される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、可動ストッパー46がチューブ側に押し込まれ両チューブ42,542が圧縮されると、図41に示されるように、外側のチューブ42の切込片42cが半径方向外側に放射状に突出するとともに内側のチューブ542の切込片542cも外側のチューブ42の切込片42cの隙間をぬって半径方向外側に放射状に突出する。なお、内側のチューブ542の切り込み長さ(切込片542cの長さ)は特に限定されないが外側のチューブ42の切り込み長さ(切込片42cの長さ)よりも少し短い方が好ましい。長手方向圧縮時に内側のチューブ542の切込片542cが突出しやすくなるからである。
【0147】
なお、切込部244の内側又は外側に、他の切込部を有する短チューブが接合されても上記と同様の作用を得ることができる。また、チューブ42の内側又は外側に、直接、短冊状部材や線材が接合されても上記と同様の作用を得ることができる。なお、かかる場合、切込部の切込片がチューブ42の切込部244の切込片と周方向にずれて重なるように短チューブがチューブ42に接合されることが必須であることは言うまでもない。
【0148】
また、図42〜図44に示されるように、隣接する切込片42cを接合する接合部42dが設けられてもよい。この接合部42dは、図42に示されるように、切込片42cの長手方向中央部分において隣接する切込片42cを接合する。そして、この接合部42dは、チューブ42が長手方向に圧縮される前は図43に示されるように切込片42cの内側に折り畳まれて格納されているが、チューブ42が長手方向に圧縮されると図44に示されるように広がり隣接する切込片42cをほぼ等距離に維持する。
【0149】
なお、図42〜図44では接合部42dは切込片42cと一体に形成されているように描画されているが、接合部42dは切込片42cと別部材として形成されてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器に比べて安価で使いやすいという特徴を有しており、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の解消や治療に一層役立つことが期待される。また、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブは、救急時や手術時の気道確保具として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の第1実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを示す斜視図である。
【図2】患者が第1実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着する前の状態を示す説明図である。
【図3】患者が第1実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着して気道を確保した状態を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて水膨潤樹脂塗膜が膨潤する前の状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて水膨潤樹脂塗膜が膨潤した状態を示す斜視図である。
【図6】患者が第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着する前の状態を示す説明図である。
【図7】患者が第2実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着して気道を確保した状態を示す説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて風船部が収縮している状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて風船部が膨張している状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの先端部分の縦断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの基端部分の縦断面図である。
【図12】患者が第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着する前の状態を示す説明図である。
【図13】患者が第3実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着して気道を確保した状態を示す説明図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて伸縮部が長手方向に伸びきっている状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて伸縮部が半径方向外側に伸張している状態を示す斜視図である。
【図16】患者が第4実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着する前の状態を示す説明図である。
【図17】患者が第4実施形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを装着して気道を確保した状態を示す説明図である。
【図18】第4実施形態の変形例(A)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの斜視図である。
【図19】第4実施形態の変形例(G)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの斜視図である。
【図20】伸縮部が長手方向に伸びきっている状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを線材の軸に沿って基端側から見た図である(第4実施形態の変形例(G))。
【図21】伸縮部が長手方向に縮んでいる状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを線材の軸に沿って基端側から見た図である。(第4実施形態の変形例(G))
【図22】本発明の第1実施形態の変形例(D)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを示す斜視図である。
【図23】本発明の第1実施形態の変形例(E)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを示す斜視図である。
【図24】本発明の第1実施形態の変形例(F)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブを示す斜視図である。
【図25】患者が第1実施形態の変形例(F)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブのガイド部を咽頭部に挿入したときの状態を示す説明図である。
【図26】第1実施形態の変形例(F)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが圧力差により肺側に移動したときの状態を示す説明図である。
【図27】患者が第1実施形態の変形例(G)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブのガイド部を咽頭部に挿入したときの状態を示す説明図である。
【図28】第1実施形態の変形例(G)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが圧力差により肺側に移動したときの状態を示す説明図である。
【図29】本発明の第3実施形態の変形例(G)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて風船部および第2風船部が収縮している状態を示す斜視図である。
【図30】本発明の第3実施形態の変形例(G)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて風船部および第2風船部が膨張している状態を示す斜視図である。
【図31】本発明の第4実施形態の変形例(K)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて伸縮部および第2伸縮部が伸びきった状態を示す斜視図である。
【図32】本発明の第4実施形態の変形例(K)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて伸縮部および第2伸縮部が半径方向外側に突出している状態を示す斜視図である。
【図33】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて伸縮部および切込部が伸びきった状態を示す斜視図である。
【図34】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブにおいて伸縮部および切込部が半径方向外側に突出している状態を示す斜視図である。
【図35】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの切込部の一展開図である。
【図36】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの切込部の他の展開図である。
【図37】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの切込部の他の展開図である。
【図38】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの切込部の他の展開図である。
【図39】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの切込部の他の例を示す斜視図である。
【図40】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの他の例を長手方向に圧縮する前の切込部の横断面図である。
【図41】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの他の例を長手方向に圧縮した後の切込部を線材の軸に沿って基端側から見た透視図である。
【図42】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの他の例の切込部近傍の側面透視図である。
【図43】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの他の例を長手方向に圧縮する前の切込部の横断面図である。
【図44】本発明の第4実施形態の変形例(L)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブの他の例を長手方向に圧縮した後の切込部を線材の軸に沿って基端側から見た透視図である。
【符号の説明】
【0152】
1,11,31,41 閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ
2,14,35 突起部
3 穴(貫通孔)
4 ガイド部
5 形態変形部
12,42 チューブ
13 水膨潤樹脂塗膜
21 鼻孔
22 鼻腔
23 咽頭部
32a 大径チューブ(第1チューブ)
32b 小径チューブ(第2チューブ)
33 風船部(第1風船部)
34 空気導入チューブ部
35a 第1被覆部
35b 第2被覆部
43 線材
44 伸縮部(第1形態変形部)
45,45a 固定ストッパー(第1ストッパー)
46 可動ストッパー(第2ストッパー)
46a 円盤体
46b ストッパー本体
135 第2風船部
144 第2伸縮部(第2形態変形部)
146 線形ストッパー
244 切込部(第2形態変形部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項2】
外周面の全体又は一部にゲル物質が塗布される
請求項1に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項3】
外周面の全体又は一部に軟質ゴムが塗布される
請求項1に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項4】
外周面から外側に延びる突起部を備える
請求項1から3のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項5】
全部又は一部が湾曲している
請求項1から4のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項6】
側壁を貫通する貫通孔を備える
請求項1から5のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項7】
先端から突出するように延びる扁平形状のガイド部を備える
請求項1から6のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項8】
先端に設けられる、長手方向及び径方向に変形可能な形態変形部と、
前記形態変形部の先端から突出するように延びる扁平形状のガイド部と
を備える請求項1から6のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項9】
外周面の全体又は一部に水膨潤樹脂が塗布される
請求項1から7のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項10】
膨張及び収縮可能な第1風船部を有する第1チューブと、
前記第1チューブに所定の隙間をもって挿入される第2チューブと
を備える閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項11】
前記第1チューブの片端部と前記第2チューブの片端部とが接合されている
請求項10に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項12】
前記第1チューブの外周面から外側に延びる突起部をさらに備える
請求項10又は11に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項13】
前記第1風船部は、前記第1チューブの先端側に設けられており、
前記第1チューブは、基端側に、膨張及び収縮可能な第2風船部をさらに有する
請求項10から12のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項14】
長手方向及び径方向に変形可能な第1形態変形部を有するチューブと、
前記チューブに所定の隙間をもって挿通される線材と、
通気部を有し、前記線材の第1端側に取り付けられる第1ストッパーと、
前記線材の第1端の反対側の端である第2端側に取り付けられる第2ストッパーと
を備える閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項15】
前記第2ストッパーは、通気部を有し、前記線材に沿ってスライド可能である
請求項14に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。
【請求項16】
前記第1形態変形部は、前記チューブの先端側に設けられており、
前記チューブは、基端側に、長手方向及び径方向に変形可能な第2形態変形部をさらに有する
請求項14または15に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2009−72581(P2009−72581A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220069(P2008−220069)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(391059399)株式会社アイ.エス.テイ (102)