説明

閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器

【課題】本発明の課題は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41は、第1チューブ42、線材43、第1ストッパー45及び第2ストッパー46を備える。第1チューブは、第1チューブ部42a、第2チューブ部42b及び複数の第1連結部42cを有する。第1連結部は、形状変形可能であり、第1チューブ部と第2チューブ部とを連結する。線材は、第1チューブに挿通される。第1ストッパーは、線材の第1端側に取り付けられる。第2ストッパーは、線材の第1端の反対側に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時に閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者の上気道の咽頭部が閉塞することを防止する閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器に関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠時に上気道の咽頭部が筋肉の弛緩と肥満等との合併症で閉塞され、一時的な窒息(無呼吸、低呼吸)状態を断続的に繰り返す。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧症を患ったり脳血管及び心血管に障害を患ったりし、その結果、無呼吸又は低呼吸後に覚醒反応が繰り返す。この結果、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、十分な睡眠がとれず、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が自動車の運転をする場合には、その患者は居眠り運転で事故や重大事故等を起こしやすくなる。
【0003】
そこで、近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群を治療したり解消したりするための様々な提案がなされている。例えば、過去に「外部から適当な圧力の空気を鼻孔経由で咽頭部に送り、閉塞部分を空気圧で押し拡げて吸気のための気道を確保する」という方法(例えば、特許文献1参照)や「マウスピースを着用する」という方法等が提案されている。
【0004】
前者のような空気加圧方式の治療方法を実施するためには、空気加圧装置が必要となる。しかし、空気加圧装置は、比較的大きいだけでなく重く、旅行等での持ち運びに向かない。また、空気加圧装置は、一般的に高価であり、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者に大きな経済的負担を強いることになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が空気加圧装置を利用する場合、その患者は、空気加圧装置から送られてくる加圧空気が漏れないように鼻孔部分をマスクで完全に覆うと共にこのマスクと空気配送パイプとが外れないようにこのマスクと空気配送パイプとを頭部にヘッドバンドで固定しなければならない。睡眠時にこれらの部品を装着することは患者にとって苦痛である。また、空気加圧装置は、作動音がうるさく、患者本人のみならず周囲の人の睡眠を妨げることがある。さらに、冬季の使用時に室温が下がると、マスク内で呼気中の水分が凝集して水滴となり、患者の顔にかかって患者の睡眠を妨げることもある。
【0005】
一方、後者のような治療方法は、患者の症状が軽微な場合には一定の効果が得られるが、重症の患者には効果が期待できないことが多い。
【0006】
このような状況の中で、最近、「咽頭部から鼻孔部分に至る長さを有する柔軟なチューブと、チューブ内に挿通される柔軟なガイドワイヤーと、ガイドワイヤーの一端に設けられる弾性変形可能な網状筒体と、ガイドワイヤーの他端に設けられるストッパーとから構成される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器」が提案されている(例えば、特許文献2参照)。患者がこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を装着するには、患者は、先ず、ストッパーを引いて網状筒体をチューブに収容した状態にした後に、その状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を自身の鼻孔から挿入しその閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を鼻腔に通して閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器のストッパー側の端部が鼻孔から少し出ている状態にする。その後、患者は、チューブのストッパー側の端部を一方の手で保持し、他方の手でストッパーがチューブの端部に当接するまでガイドワイヤーをチューブ内に押し込む。すると、チューブ内に収容されていた網状筒体がチューブから押し出され、網状筒体が患者の咽頭部において展開され咽頭部の気道を押し広げる。このように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、確実な気道確保を行えると共に装着が簡単で患者本人及び周囲の人の睡眠時の邪魔になることもなく、しかも、小型軽量且つ安価で持ち運びも容易であり、非常に優れたものである。
【特許文献1】特開平8−332226号公報
【特許文献2】特開2006−204630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1チューブ、線材、第1ストッパー及び第2ストッパーを備える。第1チューブは、第1チューブ部、第2チューブ部及び複数の第1連結部を有する。第1連結部は、形状変形可能であり、第1チューブ部と第2チューブ部とを連結する。なお、この第1連結部は、1本のチューブの所定部分に複数の切り込みやスリットを入れることによって形成してもよいし別部材とされてもよい。また、切り込みやスリットを入れることによって第1連結部を形成する場合、切り込みの入れ方については特に限定されず任意に選択される。線材は、第1チューブに挿通される。なお、ここにいう「線材」とは、例えば、金属線(樹脂が被覆されているものであってもよい)や、糸、紐等である。第1ストッパーは、線材の第1端側に取り付けられる。第2ストッパーは、線材の第2端側に取り付けられる。なお、ここにいう「第2端」とは、第1端の反対側の端である。
【0009】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、第1チューブが主に第1チューブ部、第2チューブ部及び複数の形状変形可能な第1連結部から構成されており、その第1チューブには線材が挿通されている。そして、線材の第1端側には第1ストッパーが取り付けられており、第2端側には第2ストッパーが取り付けられている。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者がチューブを伸びきった状態、つまり、第1連結部をチューブ長手方向に伸びきった状態にして閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を第1ストッパー側から鼻孔に入れ第1連結部が咽頭部に位置するように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を装着した後、その患者が線材を掴みながらチューブを第1ストッパー側に押せば、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出する結果、患者の咽頭部が押し広げられる。そして、この状態を第2ストッパーにより維持すれば、その患者は、自身の気道を確保できる。また、かかる場合、第1連結部が咽頭部に食い込む。このため、患者は、睡眠中に寝返りをうっても閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を抜けにくくすることができる。このように、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0010】
第2発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第11チューブをさらに備える。第11チューブは、第11チューブ部、第12チューブ部及び複数の第11連結部を有する。第11チューブ部は、第1チューブの内径よりも小さい外径及び第1チューブと略同一の長さを有する。第12チューブ部は、第2チューブの内径よりも小さい外径及び第2チューブと略同一の長さを有する。第11連結部は、形状変形可能であり、第11チューブ部と第12チューブとを連結する。そして、第11チューブは、第11連結部が第1連結部と周方向にずれて重なるように第1チューブに挿入されている。
【0011】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、第11連結部が第1連結部と周方向にずれて重なるように第11チューブが第1チューブに挿入されている。このため、その患者が線材を掴みながらチューブを第1ストッパー側に押せば、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出すると同時に第11連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出する。つまり、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、チューブが第1ストッパー側に押されたときに、多くの突出部分を形成することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、チューブの強度が向上しているだけでなく気道が閉まろうとする力に対する抗力も向上している。
【0012】
第3発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第1チューブは、第1連結部の外周側に複数の第2連結部をさらに有する。第2連結部は、形状変形可能であり、第1チューブ部と第2チューブ部とを連結する。そして、第2連結部は、第1連結部と周方向にずれて重ねられている。
【0013】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、第2連結部が第1連結部と周方向にずれて重ねられている。このため、その患者が線材を掴みながらチューブを第1ストッパー側に押せば、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出すると同時に第2連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出する。つまり、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、チューブが第1ストッパー側に押されたときに、多くの突出部分を形成することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、気道が閉まろうとする力に対する抗力が向上している。
【0014】
第4発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第3発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、チューブは、隣接する連結部を接合する接合部をさらに有する。なお、ここにいう「チューブ」には、第1チューブ及び第11チューブが含まれている。また、ここにいう「連結部」には、第1連結部、第2連結部及び第11連結部が含まれている。また、この接合部は、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出した状態において伸びきった状態となり、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者がチューブを伸びきった状態、つまり、第1連結部をチューブ長手方向に伸びきった状態において弛んだ状態となる。
【0015】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、隣接する連結部が接合部により接合されている。そして、接合部は、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出した状態において伸びきった状態となり、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者がチューブを伸びきった状態、つまり、第1連結部をチューブ長手方向に伸びきった状態において弛んだ状態となる。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、隣接する連結部が気道が閉まろうとする力により押し広げられ気道の確保面積が低減することを防止することができる。
【0016】
第5発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第4発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第2ストッパーは、線材に沿ってスライド可能である。
【0017】
このため、患者は、連結部が長手方向に縮んだ状態を簡単に形成することができる。
【0018】
第6発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第5発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第1ストッパー及び第2ストッパーは、通気部を有する。
【0019】
このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、チューブの孔も患者の呼吸に活用される。したがって、患者は、就寝中により効率よく呼吸を行うことができる。
【0020】
第7発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第6発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第1チューブには、外周面の全体又は一部にゲル物質が塗布される。なお、ここにいう「ゲル物質」とは、液体、特に水を包含する架橋高分子物質を意味する。また、このゲル物質は第1チューブの先端に塗布されるのが好ましい。
【0021】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、第1チューブの外周面の全体又は一部にゲル物質が塗布される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0022】
第8発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第6発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第1チューブには、外周面の全体又は一部に軟質ゴムが塗布される。
【0023】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、第1チューブの外周面の全体又は一部に軟質ゴムが塗布される。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0024】
第9発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第8発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、全部又は一部が湾曲している。なお、かかる場合、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は人の鼻腔内の形状に沿って湾曲しているのが好ましい。
【0025】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、全部又は一部が湾曲している。このため、その湾曲形状を人の鼻腔内の形状に沿うようにすれば、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0026】
第10発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第9発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第1チューブは、壁を貫通する貫通孔を備える。なお、ここにいう「壁」とは、例えば、第1チューブ部の側壁や、第2チューブ部の側壁、連結部を形成する壁などを意味する。また、この貫通孔は第1チューブの先端側に設けるのが好ましい。また、貫通孔は、多ければ多い程通気性に優れるが、逆に強度が低下する。このため、貫通孔の大きさや数は通気性および強度の両面から検討する必要がある。
【0027】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1チューブの壁を貫通する貫通孔を備える。このため、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。
【0028】
第11発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、第1発明から第10発明のいずれかに係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器であって、第1チューブは、形態変形部をさらに有する。形態変形部は、第1チューブ部又は第2チューブ部の第1連結部連結側の反対側の端に連結されている。なお、ここにいう「形態変形部」には、第1発明等にいう「連結部(第1連結部および第2連結部を含む。以下同じ)」が含まれる。また、この形態変形部は、径方向外側に突出するように変形したときにその径方向の大きさが鼻孔よりも大きければならない。
【0029】
この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、形態変形部を有する。このため、連結部が長手方向に伸びきった状態にあるとき、形態変形部も長手方向に伸びきった状態となっており、連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出するとき、形態変形部も長手方向に縮むと共に径方向外側に突出する。このため、患者の睡眠中に閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブが患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。また、形態変形部を伸びきった状態とすれば、コンパクトに収納することができる。
【発明の効果】
【0030】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者がチューブを伸びきった状態、つまり、第1連結部をチューブ長手方向に伸びきった状態にして第1発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を第1ストッパー側から鼻孔に入れ第1連結部が咽頭部に位置するように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を装着した後、その患者が線材を掴みながらチューブを第1ストッパー側に押せば、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出する結果、患者の咽頭部が押し広げられる。そして、この状態を第2ストッパーにより維持すれば、その患者は、自身の気道を確保できる。また、かかる場合、第1連結部が咽頭部に食い込む。このため、患者は、睡眠中に寝返りをうっても閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を抜けにくくすることができる。このように、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0031】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が第2発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の線材を掴みながらチューブを第1ストッパー側に押せば、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出すると同時に第11連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出する。つまり、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、チューブが第1ストッパー側に押されたときに、多くの突出部分を形成することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、チューブの強度が向上しているだけでなく気道が閉まろうとする力に対する抗力も向上している。
【0032】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が第3発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の線材を掴みながらチューブを第1ストッパー側に押せば、第1連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出すると同時に第2連結部が長手方向に縮むと共に径方向外側に放射状に突出する。つまり、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、チューブが第1ストッパー側に押されたときに、多くの突出部分を形成することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、気道が閉まろうとする力に対する抗力が向上している。
【0033】
第4発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、隣接する連結部が気道が閉まろうとする力により押し広げられ気道の確保面積が低減することを防止することができる。
【0034】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、第5発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器において連結部が長手方向に縮んだ状態を簡単に形成することができる。
【0035】
第6発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、チューブの孔も患者の呼吸に活用される。したがって、患者は、就寝中により効率よく呼吸を行うことができる。
【0036】
第7発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0037】
第8発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0038】
第9発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、人の鼻腔内の形状に沿うように湾曲させておけば、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0039】
第10発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。
【0040】
第11発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、患者の睡眠中に患者の鼻孔に埋没してしまうことを避けることができる。また、形態変形部を伸びきった状態とすれば、コンパクトに収納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41は、図1及び図2に示されるように、主に、線材43、チューブ42、固定ストッパー45及び可動ストッパー46から構成されている。以下、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の構成要素についてそれぞれ詳述する。
【0042】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の構成>
(1)線材
線材43は、チューブ42の内径よりも小さい径を有しており、チューブ42内を往復移動することができる。なお、本実施の形態では、線材43として金属線が利用されている。
【0043】
(2)チューブ
チューブ42は、図1及び図2に示されるように、第1チューブ部42a、第2チューブ部42b及び連結部42cから構成されている。なお、本実施の形態において、連結部42cは、チューブ42の先端付近の一部に、チューブ42の軸に平行な4本の切り込みが入れられることによって形成されている(図5の展開図参照)。つまり、本実施の形態では、第1チューブ部42a、第2チューブ42b及び連結部42cは一体に形成されていることになる。
【0044】
チューブ42、つまり、第1チューブ部42a、第2チューブ部42b及び連結部42cは、摩擦係数が低く柔軟性を有し人体に無害である材料、例えば、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂によって形成されており、鼻孔から上気道の咽頭部までの挿入抵抗が小さい。
【0045】
連結部42cは、可動ストッパー46により圧縮されると、長手方向に収縮するとともに半径方向外側に放射状に(本実施の形態では4方向に)突出する。また、このチューブ42は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器装着時に、連結部42cが咽頭部に位置し、基端が鼻孔から僅かに突出する位置となる長さとされている。また、チューブ42の内径は、患者の条件等に応じて適宜設定される。なお、チューブ42の外径は、鼻孔からの挿入を考慮すると、0.5〜8mm程度が好ましい。また、チューブ42の肉厚は0.05〜3mm程度が好ましい。なお、チューブ42の端面部分は鼻腔への挿入が容易となるように面取り加工が施されるのが好ましい。
【0046】
(3)固定ストッパー
固定ストッパー45は、図1及び図2に示されるように、線材43の先端に固定されている。この固定ストッパー45は、中空球状の金属網体であって通気性を有する。このため、チューブ42の先端が固定ストッパー45に接した状態となっても固定ストッパー45の外部空間は、チューブ42の内部空間と連通する。
【0047】
(4)可動ストッパー
可動ストッパー46は、ネジ式固定機構を有するスライド式のストッパーであって、円盤体46a及びストッパー本体46bから構成されている。
【0048】
円盤体46aは、チューブ42の外径よりも大きな径を有している。なお、この円盤体46aは閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41が鼻孔内に入り込むのを防ぐために径が鼻孔よりも大きくなるように形成されることが好ましい。また、この円盤体46aの中心部は円筒形状を呈しており、その内側には雌ねじがきられている。また、この円盤体46aには、図1に示されるように、中心部を除いた部分に、厚み方向に貫通する6つの貫通孔が形成されている。なお、円盤体46aの中心部は内径がチューブ42の内径よりも小さくなるように形成されており、また、円盤体46aの貫通孔は円盤体46aの中心軸とチューブ42の中心軸とが合わせて接触された状態においてチューブ42の内部空間と連通するように形成されている。
【0049】
ストッパー本体46bは、切頭円錐形状を呈しており、軸に沿って伸びる貫通孔を有する。この貫通孔には、線材43が挿通される。また、ストッパー本体46bには、先端部に長手方向に沿って形成される4本の貫通溝が形成されている。なお、この貫通溝は、ストッパー本体46bの軸に沿って見た場合、貫通孔から放射状に半径方向に伸びている。そして、ストッパー本体46bの先端部(溝が形成されている部分)には雄ねじがきられている。
【0050】
そして、ストッパー本体46bの貫通孔に線材43を通した状態でストッパー本体46bの雄ねじ部が円盤体46aの雌ねじ部に螺合されると、ストッパー本体46bの先端部が除々に挟圧されある地点で線材43を挟持するに至る(固定状態)。一方、雄ねじ部を螺合方向と反対方向に回すと、ストッパー本体46bの先端部が解放され、線材43が自由にスライドできる状態となる(解放状態)。
【0051】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の使用方法>
(1)装着方法
患者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を装着するには、患者は、先ず、可動ストッパー46を弛めて開放状態とし、図3に示されるように、チューブ42が長手方向に伸びきった状態とする。次に、患者は、この状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を鼻孔21から鼻腔22を通し、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の基端が鼻孔21から僅かに、例えば1〜2cm程度出ている状態までこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を押し込む。なお、このとき、チューブ42の外周面、特にその先端部分の外周面にワセリンや、ゼリー状潤滑剤、ゲル物質などの潤滑剤等が塗布されるのが好ましい。そして、この結果、連結部42cが患者の咽頭部23に挿入される。
【0052】
そして、患者は、線材43の基端を一方の手で保持し、他方の手で可動ストッパー46をチューブ側に押し込みチューブ42を圧縮して可動ストッパー46を固定状態とする。すると、図4に示されるように、連結部42cが半径方向外側に放射状に突出し咽頭部23を押し広げられる結果、患者の気道が確保される。
【0053】
なお、患者が覚醒時にこの操作を行えば、患者の咽頭部23の気道は開いた状態となっているため、患者は軽い力でこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の先端(伸縮部42cを含む)を咽頭部23に押し込むことができる。
【0054】
(2)脱着方法
患者は、例えば起床時に、可動ストッパー46を弛めてチューブ42が伸びきった状態とする。そして、患者はその状態の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を鼻孔21から引き抜く。
【0055】
なお、患者は、引き抜かれた閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を洗浄、消毒等を行えば閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を繰り返し使用することができる。なお、このとき、患者が線材43から可動ストッパー46を取り外せば、その患者はチューブ42から線材43を容易に引き抜くことができる。また、チューブ42内の洗浄は、適当な清掃器具を使用することにより容易に行うことができ、各部の消毒も、アルコール等の消毒薬を使用することによって簡単に行える。
【0056】
<閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の特徴>
本実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41は、患者により可動ストッパー46がチューブ側に押し込まれチューブ42が長手方向に沿って圧縮された後に可動ストッパー46が固定状態とされると連結部42cが半径方向外側に放射状に突出し、その結果、連結部42cは、咽頭部23を押し広げる。このため、患者は、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41により就寝中の自身の気道を確保することができる。また、かかる場合、連結部42cは咽頭部23に食い込む。このため、患者は、睡眠中に寝返りをうっても閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を抜けにくくすることができる。このように、本発明の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41は、非常に簡易な構成でありながら非常に簡単に装着することができる。したがって、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器よりも安価で使いやすい。
【0057】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41ではチューブ42に、軸に平行な4本の切り込み(図5参照)が入れられることによって連結部42cが形成されたが、例えば、チューブ42に軸に交差(直交を除く)する切り込み(図6参照)が入れられることによって連結部142cが形成されてもよいし、チューブ42に曲線切り込み(図7及び図8参照)が入れられることによって連結部242c,342cが形成されてもよい。また、切り込み本数は特に限定されず任意に決定してよい。
【0058】
(B)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41ではチューブ42に切り込みが入れられることによって連結部42cが形成されたが、図9に示されるように連結部を別部材とし第1チューブ部42aと第2チューブ部42bをその別部材の連結部442で連結するようにしてもかまわない。
【0059】
(C)
先の実施の形態では特に言及されなかったが、図10に示されるように、チューブ42の内側に径の小さなチューブ542を挿通してもかまわない(二重チューブ構造)。かかる場合、内側チューブ542は、図10に示されるように、切り込み位置が外側チューブ42の切り込み位置とずれるように外側チューブ42に挿通される。このような二重チューブ構造が採用される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器では、可動ストッパー46がチューブ側に押し込まれ両チューブ42,542が圧縮されると、図11に示されるように、外側チューブ42の連結部42cが半径方向外側に放射状に突出するとともに内側チューブ542の連結部542cも外側チューブ42の連結部42cの隙間をぬって半径方向外側に放射状に突出する。なお、内側チューブ542の切り込み長さ(連結部542cの長さ)は特に限定されないが外側チューブ42の切り込み長さ(連結部42cの長さ)よりも少し短い方が好ましい。長手方向圧縮時に内側チューブ542の連結部542cが突出しやすくなるからである。
【0060】
なお、第1チューブ部42a及び第2チューブ部42bの内側又は外側に、他の連結部を有する短チューブが接合されても上記と同様の作用を得ることができる。また、チューブ42の第1チューブ部42a及び第2チューブ部42bの内側又は外側に、直接連結部(短冊状や線状等の部材)が接合されても上記と同様の作用を得ることができる。なお、かかる場合、連結部がチューブ42の連結部42cと周方向にずれて重なるように短チューブがチューブ42に接合されることが必須であることは言うまでもない。
【0061】
(D)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では特に言及されなかったが、図12〜図14に示されるように、隣接する連結部42cを接合する接合部42dが設けられてもよい。この接合部42dは、図12に示されるように、連結部42cの長手方向中央部分において隣接する連結部42cを接合する。そして、この接合部42dは、チューブ42が長手方向に圧縮される前は図13に示されるように連結部42cの内側に折り畳まれて格納されているが、チューブ42が長手方向に圧縮されると図14に示されるように広がり隣接する連結部42cをほぼ等距離に維持する。このように閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41に接合部42dが設けられると、咽頭部において図14に示される白抜き矢印の方向に圧力がかかっても接合部42dが連結部42cの位置を保持し連結部42cが図中の水平方向に伸びてしまうことを防止することができる。
【0062】
なお、図12〜図14では接合部42dは連結部42cと一体に形成されているように描画されているが、接合部42dは連結部42cと別部材として形成されてもかまわない。
【0063】
(E)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の使用方法では患者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を装着するには、患者は、先ず、可動ストッパー46を弛めて開放状態とし、図3に示されるように、チューブ42が長手方向に伸びきった状態とした。しかし、患者が、先ず、線材43の基端を一方の手で保持し、他方の手で可動ストッパー46をチューブ側に押し込みチューブ42を圧縮して可動ストッパー46を固定状態とし、そのとき突出している連結部42cを第1チューブ部42a又は第2チューブ部42b側に倒しその形状を保持しておいてもよい。なお、かかる場合、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の連結部42cが患者の咽頭部23に挿入された後、患者は、可動ストッパー46を弛めてチューブ42を少し手前に引き連結部42cを半径方向外側に放射状に突出させる。また、かかる場合、可動ストッパー46が弛められたときに可動ストッパー46が適切な位置に来るように予め線材43に段付け等をしておいてもよい。
【0064】
(F)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では固定ストッパー45及び可動ストッパー46ともに通気性を有していたが、固定ストッパー及び可動ストッパーは通気性がなくてもかまわない。
【0065】
(G)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では固定ストッパー45は中空球状の金属網体であったが、固定ストッパーは図15に示されるような爪型のストッパー45aであってもよい。なお、かかる場合、爪の形状は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の装着時及び脱着時に患者の咽頭部に引っ掛かることがないような形状とする必要があることに留意すべきである。
【0066】
(H)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では線材43に金属線が採用されたが、患者に金属アレルギーの症状がみられる場合には、線材43としてポリエチレンやフッ素樹脂等で被覆された金属線や、純チタンあるいはニッケルを含まないステンレス鋼線、比較的剛直な樹脂繊維等が採用される。また、患者に他の疾病がみられる場合には、症状に応じて適宜な最適な材料が選択される。
【0067】
(I)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では固定ストッパー45として中空球状の金属網体が採用されたが、患者に金属アレルギーの症状がみられる場合には、ポリエチレンやフッ素樹脂等で被覆された金属網体や、純チタンあるいはニッケルを含まないステンレス鋼線製の金属網体等が採用される。また、患者に他の疾病がみられる場合には、症状に応じて適宜な最適な材料が選択される。
【0068】
(J)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41ではチューブ42が、装着時に、連結部42cが咽頭部23に位置し、基端が鼻孔21から僅かに突出する位置となる長さとされていたが、チューブ42は、装着時に、連結部42cが咽頭部23に位置し、基端が鼻孔21から僅かに突出する位置となる長さ以上の長さとされてもよい。なお、かかる場合、先の実施形態に係るチューブ42の長さの位置に印をうっておけば患者は使用について困惑することはない。
【0069】
(K)
先の実施の形態では閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41は使用後に分解して洗浄されるのが好ましいとされたが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41は使い捨てとされてもよい。なお、かかる場合、可動ストッパーに取り外し構造を考慮する必要はなく、例えば、ノック式構造等を利用したり線材に段差をつけておいたりすること等ができる。
【0070】
(L)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では可動ストッパー46としてネジ式固定機構を有するスライド式のストッパーが採用されたが、可動ストッパーはこのようなものに限定されることはなく、嵌め合わせ式固定機構を有するストッパー等が採用されてもよい。
【0071】
(M)
先の実施の形態では可動ストッパー46が採用されていたが、チューブの孔の横断面形状が楕円形や長方形などである場合には可動ストッパー46に代えて線材43から線材43の軸に対して垂直な方向に伸びる線形のストッパー(以下「線形ストッパー」という」)が採用されてもかまわない。
【0072】
図16には、線形ストッパーが採用される閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器141が例示されている。なお、図中、先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41と同じ構成要素については同じ符号で示されている。
【0073】
線形ストッパー146は、図16に示されるように、線材43から線材43の軸に対して垂直な方向に伸びる線材である。なお、このストッパー146は、線材43と一体に形成されている。この線形ストッパー146をより詳細に説明するために、図17に連結部42cが長手方向に伸びきっている状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器141を線材43の軸に沿って見た図を示し、図18に連結部42cが長手方向に縮んでいる状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器141を線材43の軸に沿って見た図を示した。なお、線形ストッパー146は、図17においてチューブ642の孔内に収容されており、図18においてチューブ642の最後端に接触している。
【0074】
なお、この線形ストッパー146が線材43の軸を中心として回転させられると、線材43ごと回転するため、固定ストッパー45も同時に回転することになる。
【0075】
また、かかる場合、チューブ642の基端近傍に、チューブ642の外周面から外側に突起するストッパーが形成されるのが好ましい。閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消チューブ141が患者の鼻孔に埋没することを防ぐためである。なお、ストッパーの形状は特に限定されることなく任意に決定することができる。
【0076】
(N)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41においてチューブ42の外表面(連結部42cの外表面を含む)を軟質ゴムで覆ってもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0077】
(O)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41を予め人間の鼻腔内の形状に沿って湾曲させておいてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が感じる異物感(違和感)を軽減することができる。
【0078】
(P)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図19に示されるように、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の第1チューブ部42aや第2チューブ42bの側壁や連結部42cを形成する壁に穴47を開けてもかまわない。このようにすれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41の装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が息苦しくなるのを軽減することができる。
【0079】
(Q)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では鼻孔埋没防止のために可動ストッパー46が採用されたが、図20および図21に示される第2連結部642cが鼻孔埋没防止のために採用されてもかまわない。なお、第2連結部642cは、連結部42cが長手方向に伸びきった状態であるとき、同様に長手方向に伸びきった状態となっており(図20参照)、連結部42cが半径方向外側に突出すると同時に半径方向外側に突出する(図21参照)。このようにすれば、非装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41をコンパクトに収納することができる。また、かかる場合、可動ストッパー46は、鼻孔の大きさよりも小さくてもかまわない。また、変形例(A)〜(D)に示される構造の連結部を第2連結部642cとして採用してもかまわない。
【0080】
(R)
先の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41では鼻孔埋没防止のために可動ストッパー46が採用されたが、図22および図23に示される伸縮部742が鼻孔埋没防止のために採用されてもかまわない。なお、伸縮部742は、連結部42cが長手方向に伸びきった状態であるとき、同様に長手方向に伸びきった状態となっており(図22参照)、連結部42cが半径方向外側に突出すると同時に半径方向外側に(本変形例では4方向に)に突出する(図23参照)。このようにすれば、非装着時において閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器41をコンパクトに収納することができる。また、かかる場合、可動ストッパー46は、鼻孔の大きさよりも小さくてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、従来の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器に比べて安価で使いやすいという特徴を有しており、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の解消や治療に一層役立つことが期待される。また、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器は、救急時や手術時の気道確保具として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器において連結部が長手方向に伸びきっている状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器において連結部が半径方向外側に突出している状態を示す斜視図である。
【図3】患者が本発明の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を装着する前の状態を示す説明図である。
【図4】患者が本発明の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を装着して気道を確保した状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の連結部の展開図である。
【図6】変形例(A)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の連結部の展開図である。
【図7】変形例(A)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の連結部の展開図である。
【図8】変形例(A)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の連結部の展開図である。
【図9】変形例(B)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の連結部の斜視図である。
【図10】変形例(C)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を長手方向に圧縮する前の連結部の横断面図である。
【図11】変形例(C)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を長手方向に圧縮した後の連結部を線材の軸に沿って基端側から見た透視図である。
【図12】変形例(D)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の連結部近傍の側面透視図である。
【図13】変形例(D)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を長手方向に圧縮する前の連結部の横断面図である。
【図14】変形例(D)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を長手方向に圧縮した後の連結部を線材の軸に沿って基端側から見た透視図である。
【図15】変形例(G)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の斜視図である。
【図16】変形例(M)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の斜視図である。
【図17】連結部が長手方向に伸びきっている状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を線材の軸に沿って基端側から見た図である(変形例(M))。
【図18】連結部が長手方向に縮んでいる状態にある閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器を線材の軸に沿って基端側から見た図である。(変形例(M))
【図19】変形例(P)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器の斜視図である。
【図20】変形例(Q)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器において連結部および第2連結部が長手方向に伸びきっている状態を示す斜視図である。
【図21】変形例(Q)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器において連結部および第2連結部が半径方向外側に突出している状態を示す斜視図である。
【図22】変形例(R)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器において連結部および伸縮部が長手方向に伸びきっている状態を示す斜視図である。
【図23】変形例(R)に係る閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器において連結部および伸縮部が半径方向外側に突出している状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0083】
21 鼻孔
22 鼻腔
23 咽頭部
41 閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器
42,542,642 チューブ(第1チューブ)
42a 第1チューブ部
42b 第2チューブ部
42c,142c,242c,342c,442c,542c 連結部
42d 接合部
43 線材
45,45a 固定ストッパー(第1ストッパー)
46 可動ストッパー(第2ストッパー)
46a 円盤体
46b ストッパー本体
47 穴(貫通孔)
146 線形ストッパー
542 チューブ(第11チューブ)
642c 第2連結部(形態変形部)
724 伸縮部(形態変形部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チューブ部と、第2チューブ部と、前記第1チューブ部と前記第2チューブ部とを連結する複数の変形可能な第1連結部とを有する第1チューブと、
前記第1チューブに挿通される線材と、
前記線材の第1端側に取り付けられる第1ストッパーと、
前記線材の前記第1端の反対側の端である第2端側に取り付けられる第2ストッパーと
を備える閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項2】
前記第1チューブの内径よりも小さい外径及び前記第1チューブと略同一の長さを有する第11チューブ部と、前記第2チューブの内径よりも小さい外径及び前記第2チューブと略同一の長さを有する第12チューブ部と、前記第11チューブ部と前記第12チューブとを連結する複数の変形可能な第11連結部とを有する第11チューブをさらに備え、
前記第11チューブは、前記第11連結部が前記第1連結部と周方向にずれて重なるように前記第1チューブに挿入されている
請求項1に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項3】
前記第1チューブは、前記第1連結部の外周側に、前記第1チューブ部と前記第2チューブ部とを連結する複数の変形可能な第2連結部をさらに有し、
前記第2連結部は、前記第1連結部と周方向にずれて重ねられている
請求項1に記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項4】
前記チューブは、隣接する連結部を接合する接合部をさらに有する
請求項1から3のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項5】
前記第2ストッパーは、前記線材に沿ってスライド可能である
請求項1から4のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項6】
前記第1ストッパー及び前記第2ストッパーは、通気部を有する
請求項1から5のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項7】
前記第1チューブには、外周面の全体又は一部にゲル物質が塗布される
請求項1から6のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項8】
前記第1チューブには、外周面の全体又は一部に軟質ゴムが塗布される
請求項1から6のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項9】
全部又は一部が湾曲している
請求項1から8のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項10】
前記第1チューブは、壁を貫通する貫通孔を備える
請求項1から9のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。
【請求項11】
前記第1チューブは、前記第1チューブ部又は前記第2チューブ部の第1連結部連結側の反対側の端に連結される形態変形部をさらに有する
請求項1から10のいずれかに記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群解消器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−72582(P2009−72582A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220070(P2008−220070)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(391059399)株式会社アイ.エス.テイ (102)