説明

間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造

【目的】 本発明は、ワンタッチで簡単に着脱を行え、しかもブロックパネルの内側の歪みに対して補強効果を持たせ、更にパネルとパネルの隙間から光が漏れるのを防止する効果をも有する間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造を提供しようとするものである。
【構成】 間仕切パネル1の一部に設けた開口部11の表裏に一対のブロックパネル4,5を配し、上部連結フック14をブロックパネル4,5の上方に設けるとともに、先端に立起片25を設けた嵌合部24を有する下連結金具18をブロックパネル4,5の下方に設けてなり、前記間仕切パネル1の開口部11の下方に設けた開口溝13にブロックパネル4,5の下連結金具18の嵌合部24を嵌入するとともに、上方に設けた係合部16に上部連結フック14を係合させて取り付け、それぞれのブロックパネル4,5に対面して設けた嵌合部24の立起片25同士が略当接する位置関係に設定したことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造に関わり、更に詳しくは複数の間仕切パネルを連結した間仕切装置と机とを組合せて構成するワークステーションにおいて、間仕切パネルの一部を構成するブロックパネルの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパネルの取付構造としては、本出願人が実開平5−47115号にて開示したものがあり、具体的には、両側に位置する支柱にパネルを取り付ける構造であって、先端に側面視で槍状突入部を一枚の板体で作成し、首部を互いに離間する方向へ弾性附勢してなる係合具の首部をパネル上方の取付孔に弾性附勢状態で取付け、又パネルの下方には、下向きの係合用爪片を取付け、しかも前記パネルの係合具と爪片を受入れる係合孔を支柱に設けた構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のパネルの取付構造にあっては、支柱の係合孔に、パネル下方の係合用爪片を係止させながら、パネル上方の係合具の首部を嵌入することにより簡単にパネルを取り付けることができる利点がある。
【0004】しかし、従来のパネルの取付構造では、パネルの補強に対しては考慮されていないので、パネルの歪みが生じないようにするためには、パネルの背面を支持する横枠等を設けて補強する必要があった。また、パネルとパネルの隙間から光が漏れるという問題点もあった。
【0005】そこで、本発明は、ワンタッチで簡単に着脱を行え、しかもブロックパネルの内側の歪みに対して補強効果を持たせ、更にパネルとパネルの隙間から光が漏れるのを防止する効果をも有する間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、間仕切パネルの一部に設けた開口部の表裏に一対のブロックパネルを配し、上部連結フックをブロックパネルの上方に設けるとともに、先端に立起片を設けた嵌合部を有する下連結金具をブロックパネルの下方に設けてなり、前記間仕切パネルの開口部の下方に設けた開口溝にブロックパネルの下連結金具の嵌合部を嵌入するとともに、上方に設けた係合部に上部連結フックを係合させて取り付け、それぞれのブロックパネルに対面して設けた嵌合部の立起片同士が略当接する位置関係に設定したことを特徴とするものである。
【0007】また、下連結金具が、下パネルとの隙間を外被する位置関係に設定する方が好ましい。
【0008】
【作用】以上の如く本発明に係わる請求項1記載の間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造によれば、一方のブロックパネルの下連結金具の嵌合部を間仕切パネルの開口部の下方に設けた開口溝内に嵌入しながら、上部連結フックを、開口部の上方に設けた係合部に係合させてパネルの表面にブロックパネルを取り付けることができ、次に同様にして他方のブロックパネルの下連結金具の嵌合部を間仕切パネルの開口部の下方に設けた開口溝内内に嵌入しながら、上部連結フックを、開口部の上方に設けた係合部に係合させてパネルの表面にブロックパネルを取り付けることができ、それぞれのブロックパネルに対面して設けた下連結金具の嵌合部の立起片同士を略当接させた状態とすることができる。また、ブロックパネルをそれぞれ下方に下げることにより、上部連結フックと開口部の上方の係合部との係止が解かれて、それぞれワンタッチで取り外すことができる。
【0009】請求項2記載の間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造によれば、それぞれのブロックパネルの下連結金具の嵌合部が、開口部の下方の開口溝内に嵌合した状態に保持され、下方のパネルとそれぞれのブロックパネルの隙間を下連結金具が外被した状態とされる。
【0010】
【実施例】本発明の詳細を更に図示した実施例により説明する。図1は間仕切パネル全体を示す正面図であり、図2及び図3はそれぞれ本実施例の間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造の要部を示す縦断面図であり、
【0011】間仕切パネル1は、図1乃至図3に示すように、主として上パネル2、下パネル3、間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造(以下、パネルの取付構造Aという)にてパネルの表裏に取り付けた一対のブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5で構成され、図例のものでは、上パネル2を有しないで直接笠木6を設けたものと上パネル2を有するものの二種類のタイプのものが開示されている。このようにして組み立てられた複数の間仕切パネルを連結した間仕切装置と机とを組合せてワークステーションを構成することができる。
【0012】最初に、笠木6と下パネル3の間にブロックパネル4,5を取り付けるタイプの第1実施例のパネルの取付構造Aについて説明する。
【0013】図6は、間仕切パネルの一部を示す分解正面図であり、間仕切パネル1は、上横枠7a、下横枠7b、縦枠7cにて枠組7を作成し、コーナー金具8にて上横枠7aと縦枠7cを連結し、該コーナー金具8の側方から立設した係止片9にて、枠組を支柱10に取り付け、更に上横枠7aに笠木6を取り付け、枠組7の下方の表裏に一対の下パネル3を固定し、この下パネル3の上方の表裏に一対のブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5を取り付ける開口部11を形成したものである。
【0014】更に、図2に示すように、間仕切パネル1の開口部11の下方には、枠組7を介して表裏に離間して配した下パネル3,3の上方に、上方に開放したコ字状の長尺の中間部材12を設けて開口溝13を形成し、また間仕切パネル1の開口部11の上方には、コーナー金具8を利用して、後述する上部連結フック14の係合用爪片を係合させる係合部16を設けている。具体的には、コーナー金具8は、図7に示すように、全体を略直角に折曲し、側片8aには係止片9を設けるとともに、上片8bには係止口15を穿設して係合部16としている。更に、ブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5の上端が位置するように、上横枠7aの下部が窄まるように段部を設けている。
【0015】パネルの取付構造Aは、間仕切パネル1の上部に設けた開口部11の表裏に一対のブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5を配し、それぞれを上部連結フック14及び下連結金具18を用いて、間仕切パネル1の開口部11の下方に設けた開口溝13及びコーナー金具8の係合部16に取り付けた構造である。
【0016】上部連結フック14は、図7に示すようにビス孔を有する基板19上端から略垂直に上片20を立設し、この上片20上面に複数又は単数の係合用爪片21を設けたものである。
【0017】ブロックハンギングパネル4に取り付ける下連結金具18は、図2及び図4に示すように、ブロックハンギングパネル4下端の全体にわたって取り付ける長さに設定した基板22の下端を断面コ字状に折曲して前方に突出させて表面部23とし、該表面部23の端部から上方に向けてコ字状に折曲して下パネル3,3の上方の開口溝13に嵌合しうる3個又は連続した嵌合部24を形成し、嵌合部24先端を立起片25としたものである。尚、上述した例では 板体を折曲して上方を開口した嵌合部24としているが、形状として特に限定されず、また杆体を用いることも可能である。
【0018】また、ブロッククロスパネル5に取り付ける下連結金具18は、図2及び図5に示すように、ブロッククロスパネル5下端の略全体にわたって取り付ける長さに設定した基板22の下端から直接上方に向けてコ字状に折曲して3個又は連続した嵌合部24を形成し、嵌合部24先端を立起片25としたものである。
【0019】更に、ブロックハンギングパネル4における下連結金具18の嵌合部24及びブロッククロスパネル5における下連結金具18の嵌合部24を下パネル3,3の開口溝13に嵌合させて取り付けると、図2に示すように、それぞれの下連結金具18は対面し、完全に密着し、或いは多少隙間を有するような位置関係に設定されており、それぞれのブロックパネル4,5が中央部に内側に向かって歪むと、それぞれの下連結金具18の立起片25と下連結金具18の立起片25が当接して押し合う位置関係に設定されている。
【0020】ブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5はそれぞれ上方に、両側及び中央に3個の上部連結フック14の基板19の背面からビス止めして固定し、下方には下連結金具18の基板22を背面からビス止めして固定する。
【0021】尚、上部連結フック14の係合用爪片21と係合部16の係止口15の係止は、単に一例を示したに過ぎず、凹凸を逆にしたり、さまざまな公知の係合手段を採用することができる。また、上述間仕切パネル1では、表面にブロックハンギングパネル4、背面にブロッククロスパネル5を用いているが逆にすることも可能であり、或いは他のさまざまなパネルを用いることもできる。
【0022】そして、本実施例のパネルの取付構造Aによれば、ブロックハンギングパネル4の下連結金具18の嵌合部24を下パネル3,3の開口溝13内に嵌入しながら、上部連結フック14の係合用爪片21を両側に設けたコーナー金具8の係止口15の開口端に係止させてパネルの表面にブロックハンギングパネル4を取り付けることができ、次に同様にしてブロッククロスパネル5の下連結金具18の嵌合部24を下パネル3,3の開口溝13内に嵌入しながら、上部連結フック14の係合用爪片21を両側コーナー金具8の係止口15の他方の開口端に係止させてパネルの表面にブロッククロスパネル5を取り付けることができ、それぞれのブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5に対面して設けた下連結金具18の嵌合部24の立起片25同士を略当接させた状態とすることができる。また、ブロックパネル4,5をそれぞれ下方に下げることにより、上部連結フック14の係合用爪片21とコーナー金具8の係止口15との係止が解かれて、それぞれワンタッチで取り外すことができる。尚、いずれのブロックパネル4,5とも上方中央部に固定した上部連結フック14は利用していない。
【0023】次に、図3に基づいて上パネル2と下パネル3の間にブロックパネル4,5を取り付ける第2実施例のパネルの取付構造Aについて説明する。第2実施例のパネルの取付構造Aは、下連結金具18の下パネル3,3の開口溝13内への取り付け方は同じ構造であるが、間仕切パネル1の開口部11の上方には、枠組7を介して表裏に離間して配した上パネル2,2の間に挟持して、角パイプに下方に向けて開放した上部開口溝26を形成した長尺の支持部材27を、やや突出するようにビス止めして取り付け、それぞれのブロックパネル4,5の3箇所に設けた上部連結フック14の係合用爪片21を、この支持部材27の上部開口溝26に係止させるようにしたものである。
【0024】このように本実施例のパネルの取付構造Aによれば、ブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5を間仕切パネル1に組み込むと、それぞれのブロックパネル4,5に、対面して設けた下連結金具18の嵌合部24の立起片25同士が対面して略当接した状態とすることができるので、それぞれのブロックパネル4,5が中央部に向かって内側に撓んだとしても、それぞれの下連結金具18の立起片25同士が当接して押し合い撓みを防止することができる。
【0025】第1実施例のパネルの取付構造Aによれば、それぞれのブロックパネル4,5の下連結金具18の嵌合部24が下パネル3,3の開口溝13内に嵌合した状態に保持され、下パネル3とそれぞれのブロックパネル4,5の隙間を下連結金具18の嵌合部24の内側片24aが横方向全長にわたって外被した状態とされ、更に、ブロックハンギングパネル4及びブロッククロスパネル5の上端が上横枠7aの段部17内に位置して上横枠7aとそれぞれのブロックパネル4,5の隙間を、上横枠7aの下部28が横方向全長にわたって外被した状態とされ、重なった状態で保持されるので、ブロックパネル4,5の上下の隙間からの光の漏れを防止することができる。また、第2実施例のパネルの取付構造Aによれば、それぞれのブロックパネル4,5の下連結金具18の嵌合部24が下パネル3,3の開口溝13内に嵌合した状態に保持され、下パネル3とそれぞれのブロックパネル4,5の隙間を下連結金具18の基板22が横方向全長にわたって外被した状態とされる。
【0026】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。請求項1記載の間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造によれば、パネルの表裏に一対のブロックパネルを間仕切パネルに組み込むと、それぞれのブロックパネルに対面して設けた下連結金具の嵌合部の立起片同士を対面させて略当接させた状態とすることができるので、それぞれのブロックパネルが中央部に向かって内側に撓んだとしても、それぞれの下連結金具の立起片同士が当接して押し合い撓みを防止することができる。
【0027】請求項2記載の間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造によれば、それぞれのブロックパネルの下連結金具の嵌合部が、開口部の下方の開口溝内に嵌合した状態に保持され、下方のパネルとそれぞれのブロックパネルの隙間を下連結金具が外被した状態とされるので、ブロックパネルと下パネルの隙間からの光の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る代表的実施例の間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造を用いた間仕切パネルの正面図
【図2】図1のA−A拡大断面図
【図3】図1のB−B拡大断面図
【図4】ブロックハンギングパネルの背面図
【図5】ブロッククロスパネルの背面図
【図6】間仕切パネルの一部を示す分解正面図
【図7】上部連結フックの取り付け状態を示す分解斜視図
【符号の説明】
A 間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造
1 間仕切パネル 2 上パネル
3 下パネル 4 ブロックハンギングパネル
5 ブロッククロスパネル 6 笠木
7 枠組 8 コーナー金具
9 係止片 10 支柱
11 開口部 12 中間金具
13 開口溝 14 上部連結フック
15 係止口 16 係止部
18 下連結金具
19 基板 20 上片
21 係合用爪片 22 基板
23 表面部 24 嵌合部
25 立起片 26 上部開口溝
27 支持部材 28 下部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 間仕切パネルの一部に設けた開口部の表裏に一対のブロックパネルを配し、上部連結フックをブロックパネルの上方に設けるとともに、先端に立起片を設けた嵌合部を有する下連結金具をブロックパネルの下方に設けてなり、前記間仕切パネルの開口部の下方に設けた開口溝にブロックパネルの下連結金具の嵌合部を嵌入するとともに、上方に設けた係合部に上部連結フックを係合させて取り付け、それぞれのブロックパネルに対面して設けた嵌合部の立起片同士が略当接する位置関係に設定したことを特徴とする間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造。
【請求項2】 下連結金具が、下パネルとの隙間を外被する位置関係に設定した請求項1記載の間仕切パネルにおけるブロックパネルの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開平8−209822
【公開日】平成8年(1996)8月13日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−13716
【出願日】平成7年(1995)1月31日
【出願人】(000139780)株式会社イトーキクレビオ (833)