説明

防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法

本発明は、内皮、中間層及び外皮を順次積層し、各層の間を接着剤を介して接着し、一体に加熱圧着した後、ブラジャーカップと付着部位の形状に超音波によって切断し、皮膚への付着のようにブラジャーカップを除いた付着部位にのみ粘着力を与えてなるもので、粘着層は内皮を通過して中間層の厚さの約1/2に相当する深さに均一に染み込むように急速冷却或いは高温処理凝固方法によって定着固定する、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法を開示する。粘着層が外力によって押しのけられたり押し潰されたりしないように、粘着層の縁部に該当する外郭にはダムを形成する。或いは、通気性が確保されるように、粘着の要求される粘着面を非連続的に網状又は格子状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、内皮、中間層及び外皮を順次積層し、各層の間を接着剤を介して接着し、一体に加熱圧着した後、ブラジャーカップと付着部位の形状に超音波によって切断し、皮膚への付着のためにブラジャーカップを除いた付着部位にのみ粘着力を与えてなるもので、前記内皮と外皮は通気性を確保するために布などの織物で製作し、粘着層は内皮を通過して中間層の厚さの約1/2に相当する深さのみまで均一に染み込むように急速冷却或いは高温処理凝固方法によって固定し、粘着層が外力によって押しのけられたり押し潰されたりしないように粘着層の縁部に該当する外郭にはダムを予め形成し、粘着層によって通気性が妨げられないように粘着の要求される粘着面を非連続的に例えば網状或いは格子状に形成するが、通常の粘着層と通気性粘着層が互いに調和されるように装飾用文字又は図形の形でダムを形成し、ダムの内部には通気性粘着層を形成し、ダムの外部には通常の粘着層を形成する、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、女性が最も重要視する身体部位の一つが乳房である。また、東西洋を問わず、女性であれば誰でも、豊満で美しい胸の模様を望んでいる。女性の乳房は、美の象徴でもあるが、母乳を子供に与える敏感な部分でもある。最近広く用いられているストラップレス機能性ブラジャーの大部分が女性の乳房に直接ブラジャーを粘着して使用する方式を取っているが、この種のブラジャーを好奇心で何回か使用した後は、様々な問題によりその使用を回避している。
【0003】
勿論、美しい乳房を持つために、乳房拡大術などを受ける女性もあり、乳房に粘着型ブラジャーを使用する女性も未だに多い。商業性だけでなく、女性の最も敏感な身体部位の一つである乳房を覆い隠すブラジャーの機能及び安定性も考慮に入れ、便利で実質的に使用できるブラジャーの開発が要求されている。
【0004】
一部又は全部が織物でできており、粘着層を含んで製作されたストラップレス粘着式ブラジャーは、その大部分がブラジャーカップの内部表面に粘着層を形成しており、両方のブラジャーカップをフックなどで連結する方式で多様に機能化されて開発使用されている。その製造技術については、韓国特許登録第10−0504184号、同10−0765822号、同10−0567817号、韓国実用新案登録第20−0363463号、同第20−0337986号、同第20−338007号、米国特許登録第6397391号、同第5755651号などによって既に多くの技術が開示されている。
【0005】
前述した従来の技術に係るブラジャーは、大部分は粘着剤がブラジャーカップの内部に形成されており、女性の最も敏感な部分の一つである乳房に直接粘着するため、実質的に授乳などを行う多くの女性がその使用を回避している状況である。
【0006】
また、米国特許第6814648号、同第6257952号、同第5755611号、第6231424 B1号、PCT/US00/02436号などの場合、前述したブラジャーカップの内表面に粘着層を形成してはいないが、ブラジャーを縫着などで一体化させた後、TPUなどの防水用フィルムの一面に粘着層を形成し、ブラジャーのウィング部分に縫着或いは両面テープなどを用いて付着させる技術などが開示されている。
【0007】
これらの中で、米国特許第6814648号、同第6231424 B1号、PCT/US00/02436号に開示されている技術は、直接乳房に粘着層が塗布されてはいないが、織物でできているブラジャー本体のウィング部分でTPUなどのウレタン系防水用フィルム上にシリコン粘着剤を塗布した後、縫い付けることにより完成されたため、美観上不均衡的に見えるし、縫い目線及びエッジ線が突出していて着用感を悪くし、きつい衣服などを着たときにエッジ線及び縫い目線が透視及び突出して外観美を低下させ、その作業工程が複雑であって製造コストアップの原因となるなど競争力を低下させるなどの問題点を抱えている。
【0008】
前述した従来の技術などを使用した製品の大部分はシリコン系の粘着剤を使用しており、場合に応じてはアクリル系、ポリオレフィン系の粘着剤を使用しているブラジャーもある。いずれにしても、特別な場合を除いては室温又は高温で液相として塗布するようになっており、織物に塗布すると、ブラジャーの内部に染み込む。したがって、これを防止するために、ブラジャーカップなどを貼り合わせるときにTPUなどの防水フィルムを使用し、或いは織物の表面を防水処理して粘着剤を塗布する製造工法を採用している。
【0009】
前述した工法の最大の問題点は、TPU膜などが形成されているため、一部分のみを塗布しても、ブラジャーの通気性を誘導することができないことである。韓国特許登録第10−0765822号に開示されているように、TPUなどの防水膜の使用後に一部分粘着層を塗布するとしても、ブラジャーなどに孔を開けない限りは、技術的にブラジャーの通気性の誘導は実現できない。
【0010】
前述したように、織物に粘着層を形成するためには、TPUや防水フィルムなどを使用し或いは織物の表面に防水表面処理を施した後、塗布しなければならない。シリコン系の粘着剤の特性上、TPUなどに安定的に塗布するためにはTPUなどに界面活性剤をまず塗布し(いわゆるプライマー)、シリコン粘着剤などがTPUの表面とよく結合することができるように処理した後、粘着剤を塗布しなければならないが、この界面活性剤は、揮発性の非常に強い物質で構成されているため、皮膚刺激などの危険がある。もし前記プライマーを使用せずに作業を行ったときは、TPUの表面にシリコン系の粘着剤が安定的に定着固定されることを保障することができない。たとえプライマーなどで処理されて定着固定されたとしても、シリコン系の粘着剤は、その特性上、粘着力が弱くて長期間の再使用が不可能であり(最大約100回内外)、耐久性がないため、一般ブラジャーのように洗濯機で洗濯することができないなどの問題点がある。
【0011】
また、TPUなどを織物又はスポンジと共に貼り合わせた後、高温でモールド成形してモールドカップを製作する場合、TPUが壊れるなどの不良が予想される。この不良の内容は粘着剤を使用しなくては確認することができない。要するに、作業の効率が低下するうえ、製造上不良が続出するという問題点がある。
【発明の概要】
【本発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、上述した従来の技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、ブラジャーカップを除いた付着部位にのみ粘着層を一部或いは全部使用する、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、付着部位に縫い目線又はエッジ線が形成されないことにより、粘着層が皮膚と密接に結合し、外部から突出部分が透視されないため美観を害しない、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、粘着層を形成するために粘着剤を塗布するときにTPUどの表面防止処理が要求されない、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、反復的な使用及び洗濯によっても粘着層が変形又は逸脱しない、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、通気性のために別途の通気ホールを設けなくても良い、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1特徴によれば、肩紐及び背紐を使用せず、粘着層のみで皮膚に直接付着させるブラジャーにおいて、前記ブラジャーは、乳房に対応するブラジャーカップを除いた付着部位の一部或いは全部に粘着層を形成することを特徴とする、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーを提供する。前記付着部位は、一対のブラジャーカップを連結する中央部位、前記中央部位から両側に延在し、前記ブラジャーカップを下方から支持するための胸部位、及び前記胸部位から両側に延在し、脇に対応するウィング部位から構成され、前記粘着層は、前記中央部位、胸部位又はウィング部位の少なくとも一つに形成される。
【0018】
前記付着型ブラジャーでは、前記ブラジャーカップと前記付着部位とが一体に形成され、前記ブラジャーカップと前記付着部位を含むブラジャーは、内皮、外皮、及び内皮と外皮との間に設けられる中間層から構成され、前記内皮及び外皮は、布又は織物でできているが、前記内皮は、粘着層を形成する粘着剤が前記ブラジャーの内部に容易に吸収されないように、繊維径が0.01mm以下でセルの大きさが小さいマイクロファイバー生地で構成され、具体的にはナイロン又はポリエステル系の織物であり、前記中間層は不織布、スポンジ、ウレタン系弾性繊維の中から選ばれた織物で構成される。
【0019】
前記粘着層は、断面視において、内皮を通過して中間層の一部に染み込んで定着固定され、断面視において、前記中間層の厚さの1/2以下に相当する深さに染み込んで定着固定され、性質に応じて急速冷却又は高温処理して凝固するシリコン、アクリル系、ポリオレフィン系の粘着剤又はその化合物である。
【0020】
前記ポリオレフィン系の粘着剤は、所望の深さで均一に染み込むように冷却凝固方法によって定着固定され、前記冷却凝固方法は、TPU或いは別途の防水処理を必要とせず、高温で溶解されている粘着剤を前記内皮と中間層の内部に塗布しながら直ちに急速冷却して凝固させる方法であり、シリコン系の粘着剤は、高温処理して凝固させる。
【0021】
前記粘着層が前記ブラジャーに塗布された後には変形しないように、前記粘着層の縁部に1mm〜5mmの広さと0.3mm〜2mmの高さでダムを形成し、ダムは、粘着層の成分と同一であるが粘着成分は存在しない、シリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系の合成樹脂で出来ており、少なくとも前記粘着層以上の強度を備えるように粘着層の密度より大きい密度を有する。前記ダムをブラジャーに塗布する方法は、前記合成樹脂の性質に応じて急速冷却或いは高温処理して凝固させる。
【0022】
前記粘着層は、通気性を確保するために、粘着の要求される面に線形的に網状或いは格子状に設けられ、このような通気性粘着層は、装飾用図形又は文字模様のダム内部に形成される。
【0023】
本発明の第2特徴によれば、内皮、中間層及び外皮の順序で接着剤を用いてブラジャー生地を積層する段階と、積層された生地を一体に形成するために、高温状態で圧着させてブラジャー生地を加工する段階と、加工された生地を超音波を用いて融着切断することにより、乳房に対応するブラジャーカップと、前記ブラジャーカップを皮膚に付着させるための付着部位とに区分されるブラジャーの形状を完成する段階と、前記ブラジャーの付着部位の全部或いは一部に粘着層を形成する段階とを含んでなる、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法を提供する。
【0024】
前記粘着層を形成する段階は、前記粘着層が内皮を通過して中間層の内部に均一な深さに染み込んで定着固定されるように急速冷却或いは高温処理凝固方法によって行い、前記急速冷却凝固方法は、別途の防水処理を必要とせず、高温で溶解されている粘着剤を前記内皮と中間層の内部に塗布しながら直ちに急速冷却して凝固させる方法であり、前記高温処理凝固方法は、液体状態の粘着剤を常温〜高温で加熱して凝固させる方法である。
【0025】
前記内皮は、粘着層を形成する粘着剤が前記ブラジャーの内部に容易に吸収されないように、セルサイズの小さいナイロン或いはポリエステル材質のマイクロファイバー生地で構成され、前記中間層は、不織布又はスポンジで構成され、前記粘着層は、シリコン、アクリル系又はポリオレフィン系の粘着剤で構成される。
【0026】
前記粘着層の形成段階の前に、前記粘着層の縁部に該当する部分に、外力によって粘着層が押しのけられないように先にダムを形成する段階をさらに含み、前記ダムは、シリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系の合成樹脂で構成され、前記粘着層の強度より小さくない強度を有し、急速冷却或いは高温処理方法によって定着固定される。
【0027】
前記粘着層を形成する段階は、通気性を確保するために、前記粘着層を粘着の要求される面に線形的に形成し、前記線形の粘着層が内皮を通過して中間層の内部で均一な深さと幅で染み込んで定着されるように急速冷却或いは高温処理凝固方法によって行い、前記通気性粘着層は、前記線が互いに交差して網状或いは格子状に塗布されて定着固定され、特に前記通気性粘着層は、装飾用図形又は文字模様のダム内部に形成される。
【0028】
前記粘着層を形成する段階、或いは前記ダムを形成する段階は、ノズルを用いて液晶状態の粘着剤を吐き出す液晶吐出方法によって行い、粘着剤の液晶吐出用ノズルと隣り合うように液晶冷却用ノズルをさらに設置し、液晶吐出用ノズルの進行方向と液晶冷却用ノズルの進行方向とを一致させ、液晶吐出と同時に、吐き出された液晶が急速に冷却されるようにする。
【0029】
本発明の第3特徴によれば、肩紐と背紐を使用せず、皮膚に直接付着させるために粘着層を使用する付着型ブラジャーにおいて、女性の最も敏感な部分の一つである乳房に直接粘着しないために、ブラジャーカップを除いた付着部位にのみ粘着層を備え、ブラジャーカップと付着部位を含むブラジャー全体に対して通気性を確保するために、織物で構成し、ブラジャーカップと付着部位とを一体に成形する、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーを提供する。
【0030】
前記織物に防水処理なしで直接粘着層を形成し、織物に吐き出された液晶状態のシリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系樹脂の流動性を制御するために、前記液晶が吐き出されながら1秒〜2秒の間に急速冷却凝固して定着され、前記樹脂が織物に透過される速度を制御するために、前記織物は直径0.01mm以下のナイロン或いはポリエステルマイクロファイバーを使用することにより、前記樹脂粒子の大きさが前記織物繊維の直径より小さくなく、前記粘着層によって通気性が低下しないように、前記粘着層は線形的に網状或いは格子状に形成し、前記粘着層の外郭には、粘着層が押しのけられたり押し潰されたりすることを防止するために、前記粘着層の密度より大きい密度を有するシリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系樹脂を用いて広さ1mm〜5mm及び高さ0.3mm〜2mmのダムを形成する。
【0031】
本発明の第4特徴によれば、通風のために織物で形成され、肩紐と背紐がないため粘着層を使用するブラジャーの製作方法において、前記粘着層を形成する方法は、液晶吐出用ノズルを用いて液晶状態の粘着剤を塗布する液晶吐出方法、及び前記液晶吐出後に塗布された液晶を織物の防水処理なしで定着固定させるために、液晶吐出用ノズルと隣り合うように液晶冷却用ノズルをさらに設置し、液晶吐出用ノズルの進行方向と液晶冷却用ノズルの進行方向とを一致させ、液晶吐出と同時に、吐き出された液晶が急速に冷却されるようにする液晶冷却方法を含む、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法を提供する。
【0032】
前記液晶吐出方法は、ポリオレフィン系樹脂を高温で配合して液晶を形成し、溶解された液晶をポンピングして前記液晶吐出用ノズルに供給し、ポイントを与える赤外線ポイント装置を用いてポジションを取りながら前記液晶吐出用ノズルから液晶を吐き出し、コンピュータプログラムによって所望の線を形成する方法であり、前記冷却速度は液晶冷却用ノズルと液晶吐出用ノズル間の間隔及びノズルの進行速度によって決定され、液晶吐出と液晶冷却間の間隔は2秒を超えない。
【0033】
本発明の第5特徴によれば、通風のために織物で形成され、肩紐と背紐がないため粘着層を使用するブラジャーの製作方法において、前記粘着層を形成する方法は、転写方法によるものであり、前記転写方法は、離型紙上に、シリコン樹脂からなる粘着剤を付着させる段階と、粘着剤と織物とが向かい合うように織物に密着させる段階と、離型紙の裏面に熱を加えながら押圧する段階と、粘着剤が織物に吸収されながら凝固定着される段階とを含んでなる、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0034】
前述したように、本発明の構成によれば、次の効果を期待することができる。
【0035】
第1に、ブラジャーカップを除いた付着部位にのみ粘着層を形成することにより、ブラジャーを皮膚に付着させるために肩紐或いは背紐を使用しないから、消費者の便宜性が増進される。
【0036】
第2に、前記付着部位には縫い目線又はエッジ線が形成されないため、内皮に形成された粘着層が皮膚と障害物なしで密接に結合し、外皮にも突出部分又は継ぎ目がなくて外部から突出部分などが透視されないため、消費者を満足させる。
【0037】
第3に、粘着層を形成するために別途のTPU又は防止処理が要求されないから、製造コストが節減されるうえ、作業工程が短縮される。
【0038】
第4に、粘着層の外郭がダムによって保護されるため、粘着層の反復使用によって押しのけられたり押し潰されたりしてもその形態がそのまま保存され、洗濯を行っても粘着層が逸脱するおそれがないから、経済的な作用効果が期待される。
【0039】
第5に、粘着層が網状或いは格子状に成形されるから、通気性のために別途の通気ホールを形成しなくてもよいため、競争力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施例に係る付着型ブラジャーの構成を示す背面斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る付着型ブラジャーの構成を示す背面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る通常の粘着層を備えたブラジャーの構成を示す部分拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る通常の粘着層を備えたブラジャーの構成を示す背面図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る通気性の粘着層を備えたブラジャーの構成を示す背面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る通気性の粘着層を備えたブラジャーの構成を示す部分拡大断面図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る通常の粘着層と通気性の粘着層とが互いに調和されたブラジャーの構成を示す背面図である。
【図8】本発明に係るブラジャー生地を積層する過程を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るブラジャー生地を圧着する過程を示す斜視図である。
【図10】本発明に係るブラジャー生地を切断する過程を示す斜視図である。
【図11】本発明に係るブラジャーのダムを形成する過程を示す斜視図である。
【図12】本発明に係るブラジャーの粘着層を形成する過程を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る付着型ブラジャーの製造方法を示す順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に添付図面を参照しながら、上述したような構成を持つ本発明の好適な実施例に係る防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー及びその製造方法について詳細に説明する。
【0042】
図1及び図2に示すように、本発明のブラジャー100は、肩紐と背紐を使用せず、粘着層のみで皮膚に直接付着させて使用される、ストラップレス、バックレス付着型ブラジャーである。このために、ブラジャー100は、乳房に対応するブラジャーカップ110を除いた付着部位120に粘着層150を形成しており、前記付着部位120は、一対のブラジャーカップ110を連結する中央部位122、前記中央部位から両側に延在し、ブラジャーカップ110を下方から支持するための胸部位124、或いは前記胸部位から両側に延在し、脇に対応するウィング部位126などを含む。したがって、前記粘着層150は、前記中央部位122、胸部位124或いはウィング部位126の少なくとも一つに形成されることが好ましい。
【0043】
このように、凹形状のブラジャーカップ110には粘着剤が塗布されず、平面の付着部位120にのみ粘着剤が投与されるため、女性の最も敏感な部分である乳房に直接粘着剤が備えられないから、母乳授乳を行う女性などに不便さを与えず、作業工程が簡便になり、製造コストも節減されるうえ、大量生産が可能となる。
【0044】
前記ブラジャーカップ110と前記付着部位120を含むブラジャーは、織物からなる内皮132、外皮134、及び内皮と外皮との間に設けられる中間層136で構成される。前記中間層136は、不織布、スポンジ、シルク、ウレタン系弾性繊維、その他の布で構成され、通気性が確保できる材質であればいずれでもかまわない。前記織物は、各種布を含むが、内皮132と外皮134が必ず同一種類の布で構成される必要はない。但し、内皮132の場合には粘着層150を形成する粘着剤がブラジャーの内部、すなわち中間層136に容易に吸収されないように、セルの大きさが比較的小さいマイクロファイバーなどの生地を使用することが好ましく、さらに具体的にはナイロン又はポリエステル系の布を使用することが好ましい。マイクロファイバーとは、人毛の太さの約1/100の直径を有する高度に繊細な超極細繊維を示す。前記マイクロファイバーの直径を0.008mm〜0.025mm程度(直径が少なくとも0.01mmでなければならない。)にすれば、水分子が粘着溶液の粒子より間隙を小さくすることができるため、これを通過する溶液の流動性を容易に制御することができ、高温に耐えられる耐久性も高いため、粘着剤を高温で塗布するときにも変形しないという利点がある。
【0045】
このように、内皮132の素材としてナイロン又はポリエステル系の織物を使用すると、前記粘着剤が内皮132を通過して中間層135に染み込む現象を適切に制御することができ、特に深く染み込んで外皮134を汚染させることを防止することができる。
【0046】
前記内皮132、外皮134及び中間層136から構成されるブラジャーを一体型に形成するために、内皮132、中間層136よび外皮134の順序で積層し、それらの間を接着剤などを用いて接着した後、高温状態で圧着することによりブラジャー生地を加工する。前記生地を超音波などを用いて融着切断して所望のブラジャー100の形状を完成する。
【0047】
このようにブラジャーカップ100と付着部位120から構成されるブラジャーを一体型にプレスして加工し、超音波で切断して裁断すると、エッジ線又は縫い目線が発生せず、特に、内皮132に形成されたエッジ線又は縫い目線によって、粘着層136を使用しても突出部分又は継ぎ目部分で浮き上がるため粘着層136が皮膚とうまく付着しないという欠点を解決する。また、外皮134に形成されたエッジ線又は縫い目線によってきつい衣服を着た場合、突出部分又は継ぎ目部分が突出又は透視されるという欠点を防止することができる。
【0048】
但し、胸を寄せ集めたりリフトアップさせたりするために、ブラジャーカップ110と付着部位120との境界線にワイヤー(図示せず)をさらに備えることができる。ワイヤーは内皮と中間層との間、又は中間層と外皮との間に挿入され、形状記憶合金、プラスチック又はこれらの組み合わせを使用する。
【0049】
本発明の粘着層136は、断面視において、図3に示すように、内皮132と外皮134との間に備えられた中間層136の厚さの約1/3〜1/2に相当する深さまで染み込むように定着されることを特徴とする。前記粘着層150は、シリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系の粘着剤を使用するが、前記粘着剤が1/2の深さよりさらに深く染み込むと、スポンジのような中間層を通過して外皮134を汚染させるから、これを防止するためのものである。逆に、粘着剤が1/3〜1/2の深さ以下に染み込むと、粘着層150がブラジャーにうまく付着しないから、接着能力を失うことを防止するためのものである。
【0050】
前記シリコン樹脂は、珪素と酸素とが交互に在るシロキサン結合(Si−O結合)を有する熱可塑性合成樹脂であって、離型剤として使用できるように被覆力が良好であり、生理的に無害であってブラジャーの粘着剤として適する。また、前記ポリオレフィン樹脂は、オレフィンの重合により生成される高分子化合物であって、密度0.83程度の最も軽いプラスチックであり、高温でも耐熱性が強く、透明性にも優れて本発明の粘着剤として適する。
【0051】
粘着剤が中間層136の所望の深さのみまで染み込めるように制御するために、前述したように内皮132をセルの小さいマイクロファイバーなどで製作する方法もあるが、何よりも液体状態の粘着剤の粘度を調節することにより、吸収される度合いを調節することがさらに重要である。
【0052】
このための最も具体的な方法は、急速冷却による凝固方法又は高温処理による凝固方法である。急速冷却凝固方法とは、高温で溶解されている粘着剤をブラジャーの内部に塗布しながら直ちに急速冷却して凝固させる方法である。すなわち、溶液状態の粘着剤が内皮132を一定の速度で通過し得るように誘導するが、スポンジを通過して外皮134に接近して外側に漏れないように統制することであり、全体的に一定の速度で均一に塗布しうるように制御することである。高温処理凝固方法とは、常温で液体状態として存在している粘着剤を高温で加熱しながら凝固させる方法である。
【0053】
前記ポリオレフィン樹脂は、常温で固体状態として存在していて、ホットメルト状態に熱によって溶融され、周囲に熱を発散しながら冷却固体化されるため、ポリオレフィン樹脂を織物に塗布した後は冷却過程が必要である。また、シリコン系の粘着剤のうち、白金触媒が含まれているハイドロジェン系のシリコンポリマー(A)とビニル系シリコンポリマー(B)とを配合し、常温で架橋して凝固させる場合がある。このような場合には冷却過程が要求される。逆に、液体状態として存在していて、高温で加熱すると凝固するシリコン樹脂も存在する。このような場合には必ず高温処理が要求される。場合によっては凝固促進剤を使用する。以下では、ポリオレフィン樹脂を用いて急速冷却による凝固方法について説明し、高温処理の場合についても説明するが、定着凝固させる実際方法は同一である。
【0054】
従来では、粘着剤が外皮134から漏れないようにするために、TPUなどによる防水処理方法が主に使用されたが、本発明では、このような防水処理を別途に施さないことが製品と作業工程上最も大きい特徴である。すなわち、前述したように、粘着剤が通常液相であるため、これを布に塗布すると粘着剤が布に全て染み込むから、布の表面に粘着層を形成することができない。このような理由により、通常は、布に粘着剤を塗布する前に、プライマーとして布に防止処理を施すことが必ず要求されたのである。そのような方法として、TPU或いは熱可塑性樹脂などを布の内面に接合し或いは布自体を防水処理して使用するしかなかった。
【0055】
その他に、凝固定着のために、転写方法を使用することができる。離型分離処理される離型紙上に粘着剤を付け、粘着剤と織物とが向かい合うように織物に密着させ、離型紙の裏面に熱を加えながら押圧すると、粘着剤が織物に吸収されるため、離型紙を分離すると、粘着剤がまるで印刷されたかのように織物に塗布される。
【0056】
前記粘着層150は、中央部位、胸部位或いはウィング部位のうち一部又は全部に塗布されて形成されるが、反復的なブラジャーの使用或いはブラジャーの洗濯などのため物理的力によって粘着層が押しのけられたり押し潰されたりするなど毀損でき、内皮に付着している粘着層150が外部へ逸脱するなどの限界がありうる。例えば、ブラジャーの使用により粘着層150が押し潰されたり横に押し寄せられたりする現象が発生する。特にブラジャーのウィング部位から粘着層150が押し寄せられると、他の衣服に粘着剤がくっ付くおそれがあり、粘着剤が食み出されながら粘着力を失い、粘着剤が汚く見えるという欠点がある。
【0057】
このために、本発明の他の実施例では、図3及び図4に示すように、粘着層150の縁部にダム160を形成する。前記ダム160は、ブラジャーに粘着層150を形成する前にブラジャーに塗布されるものであって、前述した粘着層の形成方法と同様である。但し、粘着層を形成する前に、粘着層に該当する部分の縁部を取り囲んでダムを形成するが、ダムは、その強度を粘着層と同一にし、或いは密度を高めて粘着層の強度より強くし、粘着剤の成分と同一であるが粘着成分は存在しないシリコン、アクリル系又はポリオレフィン系の合成樹脂を使用する。
【0058】
したがって、粘着層を形成する前にダムを先に形成すると、ダム内に粘着剤を塗布するため、粘着層150を形成することが容易であり、粘着層を形成した後は、押圧などの外力が作用しても粘着層150が押しのけられたり毀損されたりすることがなくなる。前記ダム160の広さは1mm〜5mmの範囲内で決定され、その高さは0.3mm〜2mmの範囲内で決定され、前記粘着層150の高さもダム160の高さとほぼ同一であり、最も好ましくは3mm程度である。密度は、硬くて皮膚に負担を与えない程度であれば十分である。
【0059】
本発明の別の実施例によれば、図5及び図6に示すように、粘着層150によって通風が妨害されることを考慮し、別途の通風用ホールを形成しなくても通気性を実現するための構成を特徴とする。前記粘着層150は、必ずブラジャーの断面深さでのみ調節される必要はなく、平面でも調節される必要がある。すなわち、平面視において、粘着が要求される全ての面に塗布される必要はなく、非連続的に形成するが、網状或いは格子状に通気性粘着層170を塗布することができる。このように通気性粘着層170が網状或いは格子状に塗布されることにより、粘着層の塗布されていない部分には自由に空気が通過することができるため、通気性を改善することができる。
【0060】
また、粘着層は、通常の粘着層150と通気性粘着層170とを選択的に混合して使用することができる。図7に示すように、粘着層150、170には装飾用として様々な図形又は文字その他の図案を形成するが、前記文字又は図形を前記ダム160として形成し、前記ダム160の内部に通気性粘着層170を形成することにより、通常の粘着層と格子型粘着層を適切に調和させて使用することができ、外観を美麗にし、通気性を同時に改善することができる。勿論、このような場合にも、所望の形状とおり通気性粘着層170を形成するために急速冷却凝固方法を使用する。
【0061】
以下に添付図面を参照しながら、前述したような構成を持つ本発明に係る防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法について詳細に説明する。前述したように、凝固方法には急速冷却、高温処理及びその他の転写方法がありうるが、便宜上、急速冷却方法を例として説明する。
【0062】
図8に示すように、内皮132、中間層136及び外皮134を順次積層し、図9に示すように、各層の間に接着剤を適当に投入した後、プレスなどの圧着手段を用いて高温で圧着する。ブラジャーカップ110は凹形状に形成され、残り部分は平面を成す。図10に示すように、圧着された生地を超音波を用いて所望の形状とおりに切断することにより、ブラジャーカップ110と付着部位120を完成する。
【0063】
図11及び図12に示すように、内皮132の付着部位120にダム160と粘着層150を形成する。前記ダムと粘着層の形成方法は次のとおりである。まず、ダム160は液晶吐出方法やシルクスクリーン方法などによるが、ここでは液晶吐出方法について説明する。液晶吐出方法によれば、液晶吐出用ノズル190を用いて所望の形状のダム160を線で描くように形成する。この際、液晶はシリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系樹脂を高温で配合し、ポンピングしてノズル190へ供給し、ポイントを与える赤外線ポイント装置を用いてポジションを取りながら前記ノズル190から液晶を吐き出し、コンピュータプログラムによって所望の絵を描きながらダム160を形成することができる。粘着層150を形成する方法も、粘着層150が網状又は格子状のように線形に形成された場合には、前述した方法でノズル190を移動させて所望の模様を作ることができる。
【0064】
急速冷却凝固方法によれば、液晶冷却用ノズル180を用いて液晶吐出用ノズル190から吐き出される液晶を直ちに冷却することができる。例えば、冷却用ノズル180と粘着剤の液晶吐出用ノズル190とを一定の距離だけ隔てて設置し、液晶吐出用ノズル190の進行方向と液晶冷却用ノズル180の進行方向とを一致させることにより、液晶吐出と同時に、吐き出された液晶が急速に冷却されるようにする。ここで、急速とは、遅滞なく直ちに冷却が行われることであり、1秒〜2秒程度(室温で自然冷却される場合には30秒〜60秒程度かかる)であって、液晶冷却用ノズル180と液晶吐出用ノズル190間の間隔及びノズルの進行速度によって決定される。したがって、吐き出された液晶が急速冷却されることにより、粘着層が下方に染み込む深さを均一に調節することができるうえ、粘着剤が横に染み込むことを防止することにより、所望の幅と間隔で粘着剤を形成することができる。
【0065】
上述したように、本発明では、織物のみで製作された従来のブラジャーの内部表面に粘着層を形成するとき、粘着剤が溶解された状態で外部の表面まで汚染させる問題点、及びTPUなどを用いて防水処理などを施すが、プライマー処理によって様々な不作用が発生する問題点を解決するために、粘着剤がスポンジの中間深さのみまで均一に染み込んで定着固定されるように急速冷却方法を使用する。以上、本発明の好適な実施例について説明の目的で開示したが、当業者なら、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加又は置換を加え得ることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0066】
100:ブラジャー
110:ブラジャーカップ
120:付着部位
122:中央部位
124:胸部位
126:ウィング部位
132:内皮
134:外皮
136:中間層
150:粘着層
160:ダム
170:通気性粘着層
180:液晶冷却用ノズル
190:液晶吐出用ノズル





【特許請求の範囲】
【請求項1】
肩紐及び背紐を使用せず、粘着層のみで皮膚に直接付着させるブラジャーにおいて、
乳房に対応するブラジャーカップを除いた付着部位の一部或いは全部に粘着層が形成されている、防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項2】
前記付着部位は、一対のブラジャーカップを連結する中央部位、前記中央部位から両側に延在し、前記ブラジャーカップを下方から支持するための胸部位、及び前記胸部位から両側に延在し、脇に対応するウィング部位から構成され、
前記粘着層は、前記中央部位、胸部位又はウィング部位の少なくとも一つに形成される、
請求項1に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項3】
前記ブラジャーカップと前記付着部位とが一体に形成され、
前記ブラジャーカップと前記付着部位を含むブラジャーは、内皮、外皮、及び内皮と外皮との間に設けられる中間層から構成される、
請求項1又は2に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項4】
前記内皮及び前記外皮は布又は織物で構成される、
請求項3に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項5】
前記内皮は、粘着層を形成する粘着剤が前記ブラジャーの内部に容易に吸収されないように、繊維径が0.01mm以下でセルの大きさが小さいマイクロファイバー生地で構成される、
請求項4に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項6】
前記内皮は、ナイロン又はポリエステル系の織物で構成される、
請求項5に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項7】
前記中間層は、不織布、スポンジ及びウレタン系弾性繊維の中から選ばれたいずれか一つで構成される、
請求項6に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項8】
前記粘着層は、断面視において、内皮を通過して中間層の一部に染み込んで定着される、
請求項3に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項9】
前記粘着層は、断面視において、前記中間層の厚さの1/2以下に相当する深さに染み込んで定着される、
請求項8に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項10】
前記粘着層は、性質に応じて急速冷却又は高温処理によって凝固するシリコン、アクリル系、ポリオレフィン系の粘着剤又はその混合物である、
請求項8に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項11】
前記ポリオレフィン系の粘着剤は、所望の深さで均一に染み込むように冷却凝固方法によって定着固定され、
前記冷却凝固方法は、TPU或いは別途の防水処理を必要とせず、高温で溶解されている粘着剤を前記内皮と前記中間層の内部に塗布しながら直ちに急速冷却して凝固させる方法である、
請求項10に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項12】
前記粘着層はシリコン系の粘着剤であり、前記粘着剤は高温処理によって凝固させる、
請求項8に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項13】
前記粘着層が前記ブラジャーに塗布された後には変形しないように、前記粘着層の縁部に1mm〜5mmの広さと0.3mm〜2mmの高さでダムが形成されている、
請求項11に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項14】
前記ダムは、粘着層の成分と同一であるが粘着成分は存在しないシリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系の合成樹脂で構成され、少なくとも前記粘着層以上の強度を有するように粘着層の密度より大きい密度を有する、
請求項13に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項15】
前記ダムは、前記合成樹脂の性質に応じて急速冷却して凝固させ、或いは高温処理して凝固させることにより形成される、
請求項13に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項16】
前記粘着層は、通気性を確保するために、粘着の要求される面に線形的に網状或いは格子状に形成されて定着固定される、
請求項11に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項17】
前記通気性粘着層は、装飾用図形又は文字模様のダム内部に形成される、
請求項16に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項18】
内皮、中間層及び外皮の順序で接着剤を用いてブラジャー生地を積層する段階と、
積層された生地を一体型に形成するために、高温状態で圧着させてブラジャー生地を加工する段階と、
加工された生地を超音波を用いて融着切断することにより、乳房に対応するブラジャーカップと、前記ブラジャーカップを皮膚に付着させるための付着部位とに区分されるブラジャーの形状を完成する段階とを含む、
防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項19】
前記ブラジャーの付着部位の全部或いは一部に粘着層を形成する段階をさらに含む、
請求項18に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項20】
前記粘着層を形成する段階は、前記粘着層が内皮を通過して中間層の内部に均一な深さに染み込んで定着されるように急速冷却凝固方法或いは高温処理凝固方法によって固定することにより行う、
請求項19に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項21】
前記急速冷却凝固方法は、別途の防水処理を必要とせず、高温で溶解されている粘着剤を前記内皮と前記中間層の内部に塗布しながら直ちに急速冷却して凝固させることにより行い、
前記高温処理凝固方法は、液体状態の粘着剤を常温〜高温で加熱して凝固させることにより行う、
請求項20に記載の 防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項22】
前記内皮は、粘着層を形成する粘着剤が前記ブラジャーの内部に容易に吸収されないように、セルサイズの小さいナイロン或いはポリエステル材質のマイクロファイバー生地で構成される、
請求項21に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項23】
前記中間層は不織布又はスポンジで構成される、
請求項21に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項24】
前記粘着層はシリコン、アクリル系又はポリオレフィン系の粘着剤で構成される、
請求項21に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項25】
前記粘着層の形成段階の前に、前記粘着層の縁部に該当する部分に、外力によって粘着層が押しのけられないに先にダムを形成する段階をさらに含む、
請求項19に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項26】
前記ダムは、シリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系の合成樹脂で構成され、前記粘着層の強度より小さくない強度を有し、急速冷却或いは高温処理方法によって定着固定される、
請求項25に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項27】
前記粘着層を形成する段階は、通気性を確保するために前記粘着層を粘着の要求される面に線形的に形成し、前記線形の粘着層が内皮を通過して中間層の内部で均一な深さと幅で染み込んで定着されるように、前記粘着層を急速冷却或いは高温処理凝固方法によって定着固定することで行われる、
請求項19に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項28】
前記通気性粘着層は、前記線が互いに交差して網状或いは格子状に塗布されて定着固定される、
請求項27に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項29】
前記通気性粘着層は、装飾用図形又は文字模様のダム内部に形成される、
請求項28に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項30】
前記粘着層を形成する段階、或いは前記ダムを形成する段階は、ノズルを用いて液晶状態の粘着剤を吐き出す液晶吐出方法によって行われ、粘着剤の液晶吐出用ノズルと隣り合うように液晶冷却用ノズルをさらに設置し、液晶吐出用ノズルの進行方向と液晶冷却用ノズルの進行方向とを一致させることにより、液晶吐出と同時に、吐き出された液晶が急速に冷却されるようにする、
請求項27に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項31】
肩紐と背紐を使用せず、皮膚に直接付着させるために粘着層を使用する付着型ブラジャーにおいて、
女性の最も敏感な部分の一つである乳房に直接粘着しないように、ブラジャーカップを除いた付着部位にのみ粘着層を備え、
前記ブラジャーカップと前記付着部位を含むブラジャー全体が通気性を確保するために、織物で構成され、
前記ブラジャーカップと前記付着部位とが一体に成形される、
防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項32】
前記粘着層は、前記織物に防水処理なしで直接形成され、織物に吐き出された液晶のシリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系樹脂の流動性を制御するために、前記液晶が吐き出されながら1秒〜2秒の間に急速冷却されて定着された、
請求項31に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項33】
前記樹脂が織物に透過される速度を制御するために、前記織物は直径0.01mm以下のナイロン或いはポリエステルマイクロファイバーを使用することにより、前記樹脂粒子の大きさが前記織物繊維の直径より小さくない、
請求項32に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項34】
前記粘着層によって通気性が低下しないように、前記粘着層は線形的に網状或いは各格子状に形成される、
請求項33に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項35】
前記粘着層の外郭には、粘着層が押しのけられることを防止するために、前記粘着層の密度より大きい密度を有するシリコン、アクリル系或いはポリオレフィン系樹脂で広さ1mm〜5mm及び高さ0.3mm〜2mmのダムが形成されている、
請求項34に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャー。
【請求項36】
通風のために織物で形成され、肩紐と背紐がないため粘着層を使用するブラジャーの製作方法において、
前記粘着層を形成する方法は、液晶吐出用ノズルを用いて液晶状態の粘着剤を塗布する液晶吐出方法である、
防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項37】
前記液晶吐出後に、塗布された液晶を織物の防水処理なしで定着固定させるために、液晶吐出用ノズルと隣り合うように液晶冷却用ノズルをさらに設置し、液晶吐出用ノズルの進行方向と液晶冷却用ノズルの進行方向とを一致させることにより、液晶吐出と同時に、吐き出された液晶が急速に冷却されるようにする液晶冷却方法をさらに含む、
請求項36に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項38】
前記液晶吐出方法は、ポリオレフィン系樹脂を高温で配合して液晶を形成し、溶解された液晶をポンピングして前記液晶吐出用ノズルに供給し、ポイントを与える赤外線ポイント装置を用いてポジションを取りながら前記液晶吐出用ノズルから液晶を吐き出し、コンピュータプログラムによって所望の線を形成する方法である、
請求項37に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項39】
前記冷却速度は液晶冷却用ノズルと液晶吐出用ノズル間の間隔、及びノズルの進行速度によって決定され、液晶吐出と液晶冷却間の間隔は2秒を超えない、
請求項38に記載の防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。
【請求項40】
通風のために織物で形成され、肩紐と背紐がないため粘着層を使用するブラジャーの製作方法において、
前記粘着層を形成する方法は、転写方法によるものであり、前記転写方法は、離型紙上にシリコン樹脂で粘着剤を付着させる段階と、粘着剤と織物とが向かい合うように織物に密着させる段階と、離型紙の裏面に熱を加えながら押圧する段階と、粘着剤が織物に吸収されながら凝固定着される段階とを含む、
防水処理が不要なストラップレス、バックレス及びシームレスの付着型ブラジャーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−517738(P2011−517738A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503895(P2011−503895)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002670
【国際公開番号】WO2009/125895
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(510271325)シーエムワイテック カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】