防災用具
【課題】複数の金属板を展開して、頭部から背中に亘り保護する防災用具を提供する。
【解決手段】防災用具60は、四つの帯状の第2金属板4a・4b・4c・4d、連結ピン5、及び第3取っ手6を備える。第2金属板4a・4b・4c・4dは、頭部Hを覆う程度の幅を有する。連結ピン5は、第2金属板4a・4b・4c・4dを重ね合わせでき、これらの第2金属板が十字状に展開できるように、複数の第2金属板4a・4b・4c・4dの端部同士を回転自在に連結する。第3取っ手6は、最上層の第2金属板4aの端部に取り付けられる。第3取っ手6を把持して、連結ピン5が頭部Hの略中心に位置するように、四つの第2金属板を十字状に展開して頭部Hに搭載したときに、中間の一対の第2金属板4b・4dが両肩Sを覆う程度の長さを有し、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cが首部N及び背中Bを覆う。
【解決手段】防災用具60は、四つの帯状の第2金属板4a・4b・4c・4d、連結ピン5、及び第3取っ手6を備える。第2金属板4a・4b・4c・4dは、頭部Hを覆う程度の幅を有する。連結ピン5は、第2金属板4a・4b・4c・4dを重ね合わせでき、これらの第2金属板が十字状に展開できるように、複数の第2金属板4a・4b・4c・4dの端部同士を回転自在に連結する。第3取っ手6は、最上層の第2金属板4aの端部に取り付けられる。第3取っ手6を把持して、連結ピン5が頭部Hの略中心に位置するように、四つの第2金属板を十字状に展開して頭部Hに搭載したときに、中間の一対の第2金属板4b・4dが両肩Sを覆う程度の長さを有し、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cが首部N及び背中Bを覆う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災用具に関する。特に、通常は、複数の金属板を折り畳んでカバンなどの携帯用具に収容でき、地震などの非常時には、複数の金属板を展開して、建築材の破片などの落下物から頭部及び背中を保護する防災用具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、付近の建物からガラスの破片や壁材の破片が落下してくる危険があるので、ヘルメットを被って頭部を保護することが好ましい。しかし、一般的なヘルメットは、その容積が大きいことから、常に携帯するには不便であり、着用が義務付けられた自動二輪車の運転中、又は特定の職業の者の勤務中などに使用が限定されていた。
【0003】
したがって、大地震などの災害に遭遇した場合に備えて、所持品と共にカバンなどに容易に収納できることによって、携帯することができ、かつ、使用時には即座に帽体形状に展開できる携帯用頭部保護帽子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、長手方向に沿って湾曲した硬質板が重ね合わされた複数の短冊状部材と、これらの短冊状部材の長手方向の両端部に設けた挿通部に挿通されると共に、複数の短冊状部材を回転可能に連結する連結具と、を備え、複数の短冊状部材を互いに重ね合わされた状態で折り畳むことができ、複数の短冊状部材が連結具を支点として互い回転してその位置を順次ずらした状態に開かれることで、頭部を覆う略半球形状の帽体に展開されるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−92198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、複数の短冊状部材を互いに重ね合わせてコンパクトに畳めるので、ランドセルやハンドバッグなどに入れて携帯できる、としている。
【0007】
しかしながら、特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、複数の短冊状部材を互いに重ね合わせても、長手方向に沿って湾曲した形状は維持しているので、ランドセルに教科書などの図書を収納することは困難であり、ハンドバッグも大型でないと、他の所持品を収納することは困難である。所持品と共にカバンなどに容易に収納できるように、平坦に折り畳める防災用具が求められている。
【0008】
又、特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、頭部を保護することができるが、大地震で散乱するように落下してくる破片に対して、脊椎を覆う首部及び背中を保護することは困難である。一般に、前方から落下してくる破片に対しては、避けることも可能であるが、背後から落下してくる破片に対しては、避けることが困難であり、頭部から背中に亘り保護できる防災用具が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、カバンなどの携帯用具に折り畳んで収容でき、カバンなどの携帯用具から取り出して、複数の金属板を直に展開して、頭部から背中に亘り保護できる防災用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、平坦に折り畳むことができるように、複数の矩形の金属板の一部を連結可能に構成すると共に、これらの金属板を展開したときに、頭部及び首部を覆う先頭の金属板を自重で撓む程度の弾性板で形成し、先頭の金属板に連結する他の金属板が背中を覆うように垂下することにより、この課題が解決可能であると考え、これに基づいて、以下のような新たな防災用具を発明するに至った。
【0011】
(1)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の第1金属板と、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記第1金属板の端縁部が末端側の前記第1金属板の端縁部の上に重なるように、複数の前記第1金属板を繋留する一対の屈曲自在な紐状部材と、先頭の前記第1金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第1取っ手と、を備え、先頭の前記第1金属板は、前記第1取っ手を把持して先頭の前記第1金属板を頭部に搭載したときに、当該第1取っ手と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0012】
(2)先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板は、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましい。
【0013】
(3)前記剛性板がジュラルミンからなることが好ましい。
【0014】
(4)本発明による防災用具は、防災用具を収容可能な専用の有底のケースを備えることが好ましい。
【0015】
(5)前記ケースは、一端側が開口し、先頭の前記第1金属板が取り出し容易な切り欠きを一方の側面の上部に有することが好ましい。
【0016】
(6)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の第1金属板と、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記第1金属板の端縁部が末端側の前記第1金属板の端縁部の上に重なるように、複数の前記第1金属板を繋留する一対の屈曲自在な紐状部材と、先頭の前記第1金属板の中央部に取り付けられた屈曲自在な顎紐と、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、肩部に対向する前記第1金属板に取り付けられた一対の屈曲自在な肩掛け紐と、を備え、先頭の前記第1金属板は、前記顎紐を顎部に係止して先頭の前記第1金属板を頭部に搭載したときに、当該顎紐と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0017】
(7)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の強化プラスチック板と、これらの強化プラスチック板の一方の面に、周囲からはみ出さないように貼着された浮力を有する緩衝板と、これらの強化プラスチック板及び緩衝板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記強化プラスチック板から末端の前記強化プラスチック板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記緩衝板の端縁部が末端側の前記強化プラスチック板の端縁部の上に重なるように、複数の前記強化プラスチック板を繋留する一対の屈曲自在な紐状部材と、先頭の前記強化プラスチック板の端部に取り付けられた屈曲自在な第2取っ手と、を備え、先頭の前記強化プラスチック板は、前記第2取っ手を把持して先頭の前記緩衝板を頭部に搭載したときに、当該第2取っ手と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記強化プラスチック板に繋留された次の前記強化プラスチック板から末端の前記強化プラスチック板に亘り、前記緩衝板が背中に略当接した状態で、背中を覆うように垂下できる。
【0018】
(8)先頭の前記緩衝板は、頭部に載置可能な窪み部を有することが好ましい。
【0019】
(9)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つの略矩形の第1金属板と、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記第1金属板の端縁部が末端側の前記第1金属板の端縁部の上に重なるように、中間の前記第1金属板に設けられ、先頭側の前記第1金属板及び末端側の前記第1金属板をスライド可能に案内する一対一組のガイドピンと、先頭の前記第1金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第1取っ手と、を備え、先頭の前記第1金属板及び末端の前記第1金属板は、所定の距離に離間した一対の前記ガイドピンに案内される一対の長穴を両翼に有し、先頭の前記第1金属板は、前記第1取っ手を把持して先頭の前記第1金属板を頭部に搭載したときに、当該第1取っ手と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0020】
(10)頭部を覆う程度の幅を有する四つの帯状の第2金属板と、これらの第2金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、これらの第2金属板が十字状に展開できるように、これらの第2金属板の端部同士を回転自在に連結する連結ピンと、前記連結ピンと反対側に配置され、最上層の前記第2金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第3取っ手と、を備え、前記第3取っ手を把持して、前記連結ピンが頭部の略中心に位置するように、四つの前記第2金属板を十字状に展開して頭部に搭載したときに、中間の一対の前記第2金属板が両肩を覆う程度の長さを有し、最上層の前記第2金属板と相反する向きに向かう前記第2金属板が首部及び背中を覆う。
【0021】
(11)最上層の前記第2金属板は、前記第3取っ手を把持して、四つの前記第2金属板を十字状に展開したときに、最上層以外の前記第2金属板の重量で撓む程度の弾性板からなることが好ましい。
【0022】
(12)四つの前記第2金属板が十字状に展開した状態を維持できるように、一方の前記第2金属板は、他方の前記第2金属板に向けて隆起した半球状の突起を有し、他方の前記第2金属板は、前記突起が嵌合可能な係止穴を開口していることが好ましい。
【0023】
(13)本発明による防災用具は、首部を覆う程度の面積を有する矩形の中央板と、この中央板の両翼に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、両肩を覆う程度の面積を有する一対の矩形の第1開閉板と、前記中央板の一方の端部に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、背中を部分的に覆う程度の面積を有する矩形の第2開閉板と、前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が開く力を付勢すると共に、前記中央板と同じ平面になるように、一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態を維持する複数のストッパ付きスプリング蝶番と、前記中央板の他方の端部に回転自在及びスライド自在に連結し、頭部を覆う程度の面積を有する矩形のスライド板と、を備え、前記中央板は、前記スライド板の両側縁をスライド可能に案内する溝を設けた一対の案内部材と、これらの案内部材を対向するよう配置し、当該案内部材を回転自在に支持する支持片と、を他方の端部に有し、前記スライド板は、一方の端部に設けられ、一対の前記案内部材に当接して移動が停止される停止片と、他方の端部に取り付けられた第4取っ手と、を有し、前記第4取っ手を把持して、前記スライド板を前記中央板に対して略180度以上の所定の角度に開き、前記スライド板を頭部に搭載すると共に、前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態で首部及び背中を覆う。
【0024】
(14)前記第2開閉板は、前記スライド板の板厚程度の間隙を設けたラチェット部材を前記第1開閉板と当接する反対面に有し、前記スライド板は、他方の端部から突出し、前記ラチェット部材に挿入可能なロック片を有し、前記第2開閉板が一対の前記第1開閉板の上に重なるように当該第2開閉板を閉じた状態で、前記第3取っ手を把持して、前記スライド板が前記第2開閉板に重なるように回動すると共に、前記スライド板をスライドして前記ロック片を前記ラチェット部材に係止可能なことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の第1金属板を備え、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、所持品と共にカバンなどに容易に収納できる。又、本発明による防災用具は、第1取っ手を把持して先頭の第1金属板を引き上げれば、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる。そして、第1取っ手を把持して先頭の第1金属板を頭部に搭載したときに、先頭の第1金属板に繋留された次の第1金属板から末端の第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0026】
又、本発明による防災用具は、頭部を覆う程度の幅を有する四つの帯状の第2金属板を備え、これらの第2金属板の周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、図書と共にランドセルなどに容易に収納できる。又、本発明による防災用具は、四つの第2金属板を十字状に展開して頭部に搭載したときに、中間の一対の第2金属板が両肩を覆う程度の長さを有し、最上層の第2金属板と相反する向きに向かう第2金属板が首部及び背中を覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図3】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を積み重ねた状態図である。
【図4】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して互いに離間した状態図である。
【図5】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図2と異なる方向から観ている。
【図6】第1実施形態による防災用具を収容可能なケースの斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】第2実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図9】本発明の第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図10】第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して互いに離間した状態図である。
【図11】第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態を図9と異なる方向から観ている。
【図12】本発明の第4実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図14】第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を積み重ねた状態図である。
【図15】第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図13と異なる方向から観ている。
【図16】本発明の第5実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図17】第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。
【図18】第5実施形態による防災用具の斜視分解組立図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。
【図19】第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を積み重ねた状態図である。
【図20】本発明の第6実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図21】第6実施形態による防災用具の斜視図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。
【図22】第6実施形態による防災用具の平面図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。
【図23】図22のX−X矢視断面図である。
【図24】第6実施形態による防災用具に備わる中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を閉じた状態図であり、図24(A)は、第6実施形態による防災用具の平面図、図24(B)は、第6実施形態による防災用具の正面図、図24(C)は、第6実施形態による防災用具の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0029】
[第1実施形態]
(防災用具の構成)
最初に、本発明の第1実施形態による防災用具の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図2は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【0030】
図3は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を積み重ねた状態図である。図4は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して互いに離間した状態図である。図5は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図2と異なる方向から観ている。
【0031】
図1から図5を参照すると、本発明の第1実施形態による防災用具10は、四つの略矩形の第1金属板1a・1b・1c・1dを備えている。これらの第1金属板1a・1b・1c・1dは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図1参照)。例えば、図3を参照すると、第1金属板1a・1b・1c・1dは、幅W×高さH=約36cm×約28cmの長方形に形成されている。そして、図3を参照すると、第1金属板1a・1b・1c・1dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0032】
図1から図4を参照すると、防災用具10は、一対の屈曲自在な紐状部材2・2を備えている。例えば、紐状部材2は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。一対の紐状部材2・2は、先頭の第1金属板1aから末端の第1金属板1dを平面上に同列に展開したときに、先頭側の第1金属板1aの端縁部が末端側の第1金属板1dの端縁部の上に重なるように、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを繋留している。
【0033】
図2から図4を参照すると、各第1金属板1a・1b・1c・1dには、短冊状の止め板11がリベットでカシメ付けられている。一対の紐状部材2・2は、各第1金属板1a・1b・1c・1dと止め板11に挟持されて繋留(部分的に固定)されている。止め板11と反対側の各第1金属板1a・1b・1c・1dの面にリベットの頭部が突出しないように、枕頭カシメ付けすることが好ましい。
【0034】
図1又は図2及び図4を参照すると、防災用具10は、先頭の第1金属板1aの端部に取り付けられた第1取っ手3を備えている。例えば、第1取っ手3は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。第1取っ手3は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。又、第1取っ手3の両端部は、先頭の第1金属板1aにスポット溶接されている。
【0035】
図1を参照すると、先頭の第1金属板1aは、第1取っ手3を把持して、先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載したときに、第1取っ手3と反対側が首部Nを覆うように自重で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、アルミニウム板を適用できる。
【0036】
一方、図1から図5を参照すると、先頭の第1金属板1aに繋留された次の第1金属板1bから末端の第1金属板1dは、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましく、例えば、この剛性板は、ジュラルミン板を適用できる。
【0037】
(防災用具の作用)
次に、防災用具10の使用方法を説明しながら、第1実施形態による防災用具10の作用及び効果を説明する。
【0038】
図4に示されるように、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを展開して互いに離間した状態から、第1金属板1a・1b・1c・1dの間にある一対の紐状部材2・2をV字状に屈曲して、第1金属板1a・1b・1c・1dを互いに近接すると、図3に示されるように、第1金属板1a・1b・1c・1dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具10を容易に収納できる。
【0039】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、先頭の第1金属板1aに設けた第1取っ手3を把持して、引き上げることにより、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる(図2又は図5参照)。
【0040】
次に、図1を参照して、第1取っ手3を把持して先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載すると、第1金属板1aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、第1金属板1aが自重で湾曲した部分が首部Nを保護できる。更に、先頭の第1金属板1aに繋留された次の第1金属板1bから末端の第1金属板1dに亘り、背中Bを覆うように垂下できる。
【0041】
図1に示されるように、第1実施形態による防災用具10は、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、展開できるので微細な落下物が身体(衣服を含む)側に進入しないという利点がある。
【0042】
(ケースの構成及び作用)
次に、第1実施形態による防災用具10を収容可能なケースの構成及び作用を説明する。図6は、第1実施形態による防災用具を収容可能なケースの斜視図である。
【0043】
図6を参照すると、実施形態によるケース7は、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを積み重ねた状態で(図3参照)、防災用具10を専用に収容できる。ケース7は、例えば、合成樹脂で有底の箱状に成形され、一端側を開口している。又、ケース7は、円弧状の切り欠き70を一方の側面の上部に有している。更に、ケース7は、他方の底面に専用のケースであることを明示する表示71を設けている。
【0044】
図6を参照して、第1取っ手3を備えた第1金属板1a(図2参照)が切り欠き70側に位置するように、防災用具10をケース7に収容しておくことが好ましい。そして、第1取っ手3を把持して引き出すと、図2に示されるように、防災用具10が直ちに展開された状態になり、使用できる。
【0045】
図6を参照して、防災用具10をケース7に収容した状態で、ケース7を背負いカバンに収容しておくことが好ましく、背中に対向するようにケース7を収容しておくことにより、防災用具10が介在されて、落下物から背中を保護できる。
【0046】
図6を参照して、面ファスナ付きの結束用バンド(図示せず)を用いて、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dが積み重なるように結束してもよく、防災用具10を整頓した状態で、ケース7に収容できる。面ファスナ付きの結束用バンド(図示せず)で結束された防災用具10をカバンに収容してもよい。
【0047】
[第2実施形態]
(防災用具の構成)
次に、本発明の第2実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0048】
図7は、本発明の第2実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図8は、第2実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。なお、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じにするので以下の説明では割愛する場合がある。
【0049】
図7又は図8を参照すると、本発明の第2実施形態の変形例による防災用具200は、四つの略矩形の第1金属板1a・1b・1c・1dを備えている。これらの第1金属板1a・1b・1c・1dは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図7参照)。そして、図3を参照すると、第1金属板1a・1b・1c・1dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0050】
図7又は図8を参照すると、防災用具200は、一対の屈曲自在な紐状部材2・2を備えている。一対の紐状部材2・2は、先頭の第1金属板1aから末端の第1金属板1dを平面上に同列に展開したときに、先頭側の第1金属板1aの端縁部が末端側の第1金属板1dの端縁部の上に重なるように、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを繋留している。
【0051】
図7又は図8を参照すると、防災用具200は、先頭の第1金属板1aの中央部に取り付けられた屈曲自在な顎紐21を備えている。例えば、顎紐21は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲して折り畳むことができる。顎紐21は、引き延ばした状態で顎部Jに係止できる。又、顎紐21の両端部は、先頭の第1金属板1aにスポット溶接されている。
【0052】
図7又は図8を参照すると、防災用具200は、一対の屈曲自在な肩掛け紐22・22を備えている。これらの肩掛け紐22・22は、先頭の第1金属板1aから末端の第1金属板1dを平面上に同列に展開したときに、両肩Sに対向する第1金属板1cに取り付けられている。例えば、肩掛け紐22は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、クランク状に屈曲して折り畳むことができる(図8参照)。一対の肩掛け紐22・22は、引き延ばした状態で両肩Sに掛止できる。
【0053】
(防災用具の作用)
次に、防災用具200の使用方法を説明しながら、第2実施形態による防災用具200の作用及び効果を説明する。
【0054】
図4を援用して、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを展開して互いに離間した状態から、第1金属板1a・1b・1c・1dの間にある一対の紐状部材2・2をV字状に屈曲して、第1金属板1a・1b・1c・1dを互いに近接すると、第1金属板1a・1b・1c・1dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる(図3参照)。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具200を容易に収納できる。
【0055】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、先頭の第1金属板1aに設けた顎紐21を把持して、引き上げることにより、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる(図8参照)。
【0056】
次に、図7を参照して、顎紐21を顎部Jに係止して先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載すると、第1金属板1aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、第1金属板1aが自重で湾曲した部分が首部Nを保護できる。更に、先頭の第1金属板1aに繋留された次の第1金属板1bから末端の第1金属板1dに亘り、背中Bを覆うように垂下できる。又、一対の肩掛け紐22・22を両肩Sに掛止することで、第1金属板1c・1dを背中Bから離反することを防止できる。
【0057】
図7又は図8を参照すると、第2実施形態による防災用具200は、第1実施形態による防災用具10と同様な効果を奏するが、複数の第1金属板1a・1b・1c・1dを身体に確実に装着できるというメリットがある。
【0058】
[第3実施形態]
(防災用具の構成)
次に、本発明の第3実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0059】
図9は、本発明の第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態図である。図10は、第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して互いに離間した状態図である。
【0060】
図11は、第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態を図9と異なる方向から観ている。なお、第1実施形態及び第2実施形態で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じにするので以下の説明では割愛する場合がある。
【0061】
図9から図11を参照すると、本発明の第3実施形態による防災用具300は、四つの略矩形の強化プラスチック板3a・3b・3c・3dを備えている。これらの強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図1参照)。例えば、図10を参照すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、幅W×高さH=約36cm×約28cmの長方形に形成されている。そして、図3を援用すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0062】
図9から図11を参照すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、その一方の面に緩衝板31a・31b・31c・31dを貼着している。緩衝板31a・31b・31c・31dは、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの周囲からはみ出さないように貼着されている。緩衝板31a・31b・31c・31dは、浮力を有する発泡スチロールなどを用いることが好ましい。
【0063】
図9又は図10を参照すると、防災用具300は、一対の屈曲自在な紐状部材2・2を備えている。一対の紐状部材2・2は、先頭の強化プラスチック板3a及び緩衝板31aから末端の強化プラスチック板3d及び緩衝板31dを平面上に同列に展開したときに、先頭側の緩衝板31aの端縁部が末端側の強化プラスチック板3dの端縁部の上に重なるように、四つの強化プラスチック板3a・3b・3c・3dを繋留している。
【0064】
図9又は図10を参照すると、各強化プラスチック板3a・3b・3c・3dには、短冊状の止め板11がリベットでカシメ付けられている。一対の紐状部材2・2は、各強化プラスチック板3a・3b・3c・3dと止め板11に挟持されて繋留(部分的に固定)されている。止め板11と反対側の各強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの面にリベットの頭部が突出しないように、枕頭カシメ付けすることが好ましい。
【0065】
図9又は図10を参照すると、防災用具300は、先頭の強化プラスチック板3aの端部に取り付けられた第2取っ手31を備えている。例えば、第2取っ手31は、複数の合成樹脂繊維が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。第2取っ手31は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。又、第2取っ手31の両端部は、先頭の強化プラスチック板3aに熱溶着されている。
【0066】
図1を援用して、先頭の強化プラスチック板3aは、第2取っ手31を把持して、先頭の緩衝板31aを頭部Hに搭載したときに、第2取っ手31と反対側が首部Nを覆うように自重で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、ボロン繊維強化プラスチック(BFPR)板を適用できる。図9又は図10を参照して、先頭の緩衝板31aには、頭部Hに載置可能な窪み部310を有することが好ましい。
【0067】
(防災用具の作用)
次に、防災用具300の使用方法を説明しながら、第3実施形態による防災用具300の作用及び効果を説明する。
【0068】
図10に示されるように、四つの強化プラスチック板3a・3b・3c・3dを展開して互いに離間した状態から、強化プラスチック板3a・3b・3c・3d及び緩衝板31a・31b・31c・31dの間にある一対の紐状部材2・2をV字状に屈曲して、第1金属板1a・1b・1c・1dを互いに近接すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具10を容易に収納できる。
【0069】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、先頭の強化プラスチック板3aに設けた第2取っ手31を把持して、引き上げることにより、先頭側の緩衝板の端縁部が末端側の強化プラスチック板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる(図9又は図11参照)。
【0070】
次に、図9を参照して、第2取っ手31を把持して先頭の緩衝板31aを頭部Hに搭載すると、強化プラスチック板3aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、強化プラスチック板3aが自重で湾曲した部分が首部Nを保護できる。更に、先頭の強化プラスチック板3aに繋留された次の強化プラスチック板3bから末端の強化プラスチック板3dに亘り、背中Bを覆うように垂下できる。
【0071】
図9に示されるように、第3実施形態による防災用具300は、先頭側の緩衝板の端縁部が末端側の強化プラスチック板の端縁部の上に重なるように、展開できるので微細な落下物が身体(衣服を含む)側に進入しないという利点がある。
【0072】
図9から図11を参照すると、第3実施形態による防災用具300は、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの一方の面に緩衝板31a・31b・31c・31dを貼着しているので、落下物の衝撃を緩和できる。
【0073】
図9から図11を参照すると、第3実施形態による防災用具300は、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの一方の面に浮力を有する緩衝板31a・31b・31c・31dを貼着しているので、水に浮くことができ、津波などによる紛失を防止できる。
【0074】
図9又は図10に示された第2取っ手31に換えて、先頭の強化プラスチック板3aに顎紐21を取り付けてもよく、強化プラスチック板3cに一対の肩掛け紐22・22を取り付けてもよく(図8参照)、第2実施形態による防災用具200との相乗効果を期待できる。
【0075】
[第4実施形態]
(防災用具の構成)
次に、第4実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0076】
図12は、本発明の第4実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図13は、第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【0077】
図14は、第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を積み重ねた状態図である。図15は、第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図13と異なる方向から観ている。なお、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じにするので以下の説明では割愛する場合がある。
【0078】
図12から図15を参照すると、第4実施形態による防災用具400は、三つの略矩形の第1金属板1a・1b・1cを備えている。これらの第1金属板1a・1b・1cは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図12参照)。そして、図14を参照すると、第1金属板1a・1b・1cは、両側端が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0079】
図12から図15を参照すると、防災用具400は、一対一組のガイドピン2pを中間の第1金属板1bに設けている。一方の一対のガイドピン2p・2pは、中間の第1金属板1bの一方の端部側に設けている。他方の一対のガイドピン2p・2pは、中間の第1金属板1bの他方の端部側に設けている。
【0080】
図12から図14を参照すると、防災用具400は、先頭の第1金属板1aの端部に取り付けられた第1取っ手3を備えている。又、先頭の第1金属板1aは、略平行に延びる一対の長穴2h・2hを両翼に開口している。同様に、末端の第1金属板1cは、略平行に延びる一対の長穴2h・2hを両翼に開口している。
【0081】
図12から図15を参照すると、一方の一対のガイドピン2p・2pは、鍔部(フランジ部)を設けて、先頭の第1金属板1aが離間しないように連結している。図13又は図15を参照すると、一方の一対のガイドピン2p・2pは、先頭の第1金属板1aと中間の第1金属板1bを平面上に同列に展開したときに、先頭の第1金属板1aの端縁部が中間の第1金属板1bの端縁部の上に重なるように、先頭の第1金属板1aを連結している。
【0082】
図12から図15を参照すると、他方の一対のガイドピン2p・2pは、鍔部(フランジ部)を設けて、末端の第1金属板1cが離間しないように連結している。図8又は図10を参照すると、他方の一対のガイドピン2p・2pは、中間の第1金属板1bと末端の第1金属板1cを平面上に同列に展開したときに、中間の第1金属板1bの端縁部が末端の第1金属板1cの端縁部の上に重なるように、末端の第1金属板1cを連結している。
【0083】
図12を参照すると、先頭の第1金属板1aは、第1取っ手3を把持して、先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載したときに、第1取っ手3と反対側が首部Nを覆うように自重で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、アルミニウム板を適用できる。
【0084】
一方、図13から図15を参照すると、先頭の第1金属板1aに連結した第1金属板1b・1cは、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましく、例えば、この剛性板は、ジュラルミン板を適用できる。
【0085】
(防災用具の作用)
次に、防災用具400の使用方法を説明しながら、第1実施形態の変形例による防災用具100の作用及び効果を説明する。
【0086】
図13又は図15に示されるように、三つの第1金属板1a・1b・1cを展開して互いに離間した状態から、第1金属板1bに対して、第1金属板1a・1cを互いに近接すると、一対の長穴2h・2hに案内されて、第1金属板1a・1cを平行移動できる。そして、図14に示されるように、第1金属板1a・1b・1cの両側縁が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具100を容易に収納できる。
【0087】
図12から図15を参照すると、第4実施形態による防災用具400は、第1実施形態による防災用具10と同様な効果を奏するが、第1金属板1bに対して、第1金属板1a・1cを確実に平行移動できるというメリットがある。
【0088】
[第5実施形態]
(防災用具の構成)
次に、本発明の第5実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0089】
図16は、本発明の第5実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図17は、第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。図18は、第5実施形態による防災用具の斜視分解組立図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。図19は、第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を積み重ねた状態図である。
【0090】
図16から図19を参照すると、本発明の第5実施形態による防災用具20は、四つの帯状の第2金属板4a・4b・4c・4dを備えている。これらの第2金属板4a・4b・4c・4dは、児童Cの頭部Hを覆う程度の幅Wを有している(図16参照)。図19を参照すると、例えば、第2金属板4a・4b・4c・4dは、「A4」程度の大きさ(幅W×高さH=210mm×297mm)に形成されている。そして、図19を参照すると、第2金属板4a・4b・4c・4dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0091】
図16から図19を参照すると、防災用具20は、第2金属板4a・4b・4c・4dの端部同士を回転自在に連結する連結ピン5を備えている。連結ピン5を中心に第2金属板4a・4b・4c・4dを閉じて、第2金属板4a・4b・4c・4dの周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる(図19参照)。一方、連結ピン5を中心に第2金属板4a・4b・4c・4dを開いて、第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開できる(図16又は図17参照)。
【0092】
図17又は図19を参照すると、防災用具20は、最上層の第2金属板4aの端部に取り付けられた屈曲自在な第3取っ手6を備えている。例えば、第3取っ手6は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。第3取っ手6は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。又、第3取っ手6の両端部は、最上層の第2金属板4aにスポット溶接されている。
【0093】
図16を参照すると、第3取っ手6を把持して、連結ピン5が頭部Hの略中心に位置するように、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開して頭部Hに搭載したときに、中間の一対の第2金属板4b・4dが両肩を覆う程度の長さを有している(図17参照)。そして、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cが首部N及び背中Bを覆うことができる。
【0094】
図16又は図17を参照して、最上層の第2金属板4aは、第3取っ手6を把持して、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開したときに、最上層以外の第2金属板4b・4c・4dの重量で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、アルミニウム板を適用できる。
【0095】
一方、図16から図19を参照すると、最上層以外の第2金属板4b・4c・4dは、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましく、例えば、この剛性板は、ジュラルミン板を適用できる。
【0096】
図16から図19を参照すると、防災用具20は、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開した状態を維持するために、半球状に隆起した突起41bと、突起41bが嵌合可能な係止穴41hを有している。
【0097】
図18を参照すると、第2金属板4bは、第2金属板4aに向かって隆起した突起41bを有している。図14に示された状態から、第2金属板4bを時計方向に回動すると、第2金属板4bに設けた突起41bが、第2金属板4aに開口した係止穴41hに嵌合して、第2金属板4aと第2金属板4bの直交状態を維持できる。
【0098】
更に、図18を参照して、第2金属板4cは、第2金属板4bに向かって隆起した突起41bを有している。第2金属板4bに対して、第2金属板4cを時計方向に回動すると、第2金属板4cに設けた突起41bが、第2金属板4bに開口した係止穴41hに嵌合して、第2金属板4bと第2金属板4cの直交状態を維持できる。
【0099】
又、図18を参照して、第2金属板4dは、第2金属板4cに向かって隆起した突起41bを有している。第2金属板4cに対して、第2金属板4dを時計方向に回動すると、第2金属板4dに設けた突起41bが、第2金属板4cに開口した係止穴41hに嵌合して、第2金属板4cと第2金属板4dの直交状態を維持できる。
【0100】
このように、防災用具20は、突起41bと係止穴41hが嵌合して、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開した状態を維持できる(図16又は図17参照)。一方、第2金属板4aに対して、第2金属板4b・4c・4dを反時計方向に回動して折り畳むこともできる(図19参照)。
【0101】
(防災用具の作用)
次に、防災用具20の使用方法を説明しながら、第5実施形態による防災用具20の作用及び効果を説明する。
【0102】
図16に示されるように、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開した状態から、第2金属板4a・4b・4c・4dを閉じると、図19に示されるように、第2金属板4a・4b・4c・4dは、周囲が相互にはみ出さないように平坦に重ね合わせできるので、図書と共に図示しないランドセルに容易に収納できる。
【0103】
例えば、通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、第2金属板4a・4b・4c・4dを直ちに十字状に展開することが好ましく(図16参照)、最上層の第2金属板4aの端部に設けた第3取っ手6を把持して、防災用具20の中心部を頭Hに搭載すると、最上層の第2金属板4aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cが首部N及び背中Bを覆うことができる。更に、中間の一対の第2金属板4b・4dが両肩Sを覆うことにより、両肩Sを保護できる。
【0104】
図17を参照して、第3取っ手6は、連結ピン5と反対側に配置され、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cの端部に取り付けてもよい。この場合、第3取っ手6は、第2金属板4bと第2金属板4cの間に挟まれるので、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開する操作に多少時間を要するが、第2金属板4cが第2金属板4aの上に重なるので、微細な落下物が身体(衣服を含む)側に進入しないという利点がある。
【0105】
図19を参照すると、防災用具20は、第2金属板4a・4b・4c・4dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、ランドセルに容易に収納できるが、非常時に対応できることを意識できるように、防災用具20を専用のケース、又は専用の袋(バッグ)に収納して携帯してもよい。
【0106】
第1実施形態による防災用具10は、成人に好適な実施形態を開示したが、第1金属板の個数や大きさを工夫することにより、身体が発達途上の児童に適用することもできる。一方、第2実施形態による防災用具20は、身体が発達途上の児童に好適な実施形態を開示したが、第2金属板の形状や大きさを工夫することにより、成人に適用することもできる。
【0107】
図1を参照して、先頭の第1金属板1aには、頭部Hが当接する面にクッション材(図示せず)を貼り付けておくことが好ましく、頭部Hへの違和感を緩和すると共に、落下物の衝撃を緩和できる。同様に、図16を参照して、先頭の第2金属板4aには、頭部Hが当接する面にクッション材(図示せず)を貼り付けておくことが好ましく、頭部Hへの違和感を緩和すると共に、落下物の衝撃を緩和できる。
【0108】
[第6実施形態]
(防災用具の構成)
次に、第6実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0109】
図20は、本発明の第6実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図21は、第6実施形態による防災用具の斜視図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。
【0110】
図22は、第6実施形態による防災用具の平面図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。図23は、図22のX−X矢視断面図である。
【0111】
図24は、第6実施形態による防災用具に備わる中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を閉じた状態図であり、図24(A)は、第6実施形態による防災用具の平面図、図24(B)は、第6実施形態による防災用具の正面図、図24(C)は、第6実施形態による防災用具の下面図である。
【0112】
図20から図24を参照すると、本発明の第6実施形態による防災用具60は、矩形の中央板61、一対の矩形の第1開閉板62・62、及び矩形の第2開閉板63を備えている。中央板61は、首部Nを覆う程度の面積を有している(図20参照)。
【0113】
一対の第1開閉板62・62は、中央板61の両翼に開閉自在に連結している(図21又は図22参照)。一対の第1開閉板62・62は、中央板61から周囲がはみ出さないように、中央板61に重ね合わせできる(図24参照)。又、図20を参照すると、一対の第1開閉板62・62は、中央板61に対して開いた状態では、両肩Sを覆う程度の面積を有している。
【0114】
第2開閉板63は、中央板61の一方の端部に開閉自在に連結している(図21又は図22参照)。第2開閉板63は、中央板61から周囲がはみ出さないように、中央板61に重ね合わせできる(図24参照)。又、図20を参照すると、第2開閉板63は、中央板61に対して開いた状態では、背中Bを部分的に覆う程度の面積を有している。
【0115】
図20から図24を参照すると、防災用具60は、複数のストッパ7s付きスプリング蝶番7hを備えている。スプリング蝶番7hは、一対の支承板が回転自在に連結している。スプリング蝶番7hは、一対の支承板の連結部にねじりコイルばねを取り付けている。ねじりコイルばねは、一対の支承板が開く方向に力を付勢している。一方の支承板は、その一部が他方の支承板の背面に突出したストッパ7sとなっており、一対の支承板を水平状態に維持できる。ストッパ付きスプリング蝶番は、市販品を使用できる。
【0116】
図20から図24を参照すると、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と第1開閉板62を連結している。これらのスプリング蝶番7h・7hは、中央板61に対して第1開閉板62が開く力を付勢している。又、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と同じ平面になるように、一対の第1開閉板62・62が略水平に開いた状態を維持できる。
【0117】
図20から図24を参照すると、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と第2開閉板63を連結している。これらのスプリング蝶番7h・7hは、中央板61に対して第2開閉板63が開く力を付勢している。又、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と同じ平面になるように、第2開閉板63が略水平に開いた状態を維持できる。
【0118】
図20から図24を参照すると、防災用具60は、矩形のスライド板64を備えている。スライド板64は、中央板61の他方の端部に回転自在及びスライド自在に連結している。スライド板64は、頭部Hを覆う程度の面積を有している(図20参照)。なお、中央板61、一対の第1開閉板62・62、及び第2開閉板63は、ジュラルミン板などの金属板で構成してもよく、強化プラスチック板で構成してもよい。
【0119】
図21から図24を参照すると、中央板61は、一対の円柱状の案内部材61a・61aと案内部材61aを回転自在に支持する支持片61bを他方の端部に有している。一対の案内部材61a・61aは、スライド板64の両側縁をスライド可能に案内する溝611を設けている。一対の支持片61b・61bは、一対の案内部材61a・61aを対向するよう配置している。
【0120】
図21から図24を参照すると、スライド板64は、停止片64aと第4取っ手8を有している。停止片64aは、一方に端部が湾曲するように形成されている。一対の案内部材61a・61aに対して、スライド板64をスライドすると、停止片64aが一対の案内部材61a・61aに当接して移動が停止される。
【0121】
図21から図24を参照すると、第4取っ手8は、スライド板64の他方の端部に取り付けられている。第4取っ手8は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。
【0122】
図21から図24を参照すると、第2開閉板63は、ラチェット部材63aを第1開閉板62と当接する反対面に有している。ラチェット部材63aは、スライド板64の板厚程度の間隙を設けている。スライド板64は、他方の端部から突出し、ラチェット部材63aに挿入可能なロック片64bを有している。
【0123】
図24を参照して、第2開閉板63が一対の第1開閉板62・62の上に重なるように第2開閉板63を閉じた状態で、第4取っ手8を把持して、スライド板64が第2開閉板63に重なるように回動すると共に、スライド板64をスライドして、ロック片64bをラチェット部材63aに係止できる。
【0124】
(防災用具の作用)
次に、防災用具60の使用方法を説明しながら、第6実施形態による防災用具60の作用及び効果を説明する。
【0125】
図20から図22に示されるように、中央板61に対して、一対の第1開閉板62・62、第2開閉板63、及びスライド板64が十字状に展開した状態から、スライド板64を第2開閉板63に係止すると、図24に示すように、防災用具60は、周囲が相互に殆んどはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、図書と共に図示しないランドセルに容易に収納できる。
【0126】
次に、防災用具60の折り畳み手順を説明する。最初に、図21又は図22に示された状態から、一対の第1開閉板62・62を中央板61の上に重なるように閉じる。次に、第2開閉板63を第1開閉板62の上に重なるように閉じる。そして、第2開閉板63を手で押さえつけておく。
【0127】
次に、図23を参照して、第4取っ手8を把持して、スライド板64を時計方向に回動すると共に、停止片64aが案内部材61aから離間するように、スライド板64をスライドする。次に、スライド板64を第2開閉板63に当接して、第4取っ手8を把持して、スライド板64をラチェット部材63aに向かって移動すると、ロック片64bをラチェット部材63aに係止できる(図24参照)。
【0128】
防災用具60を使用する場合は、図24に示された状態から、第4取っ手8を把持して、スライド板64をラチェット部材63aから離れる方向に移動すると共に、図23に示すように、スライド板64を中央板61に対して略180度以上の所定の角度に開くことで、中央板61に対して、一対の第1開閉板62・62と第2開閉板63を自動的に開くことができる。
【0129】
次に、図20を参照して、第4取っ手8を把持して、スライド板64を頭部Hに搭載すると、スライド板64が付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。この場合、スライド板64に対して中央板61が所定の角度で傾斜しているので(図23参照)、中央板61及び第2開閉板63が首部N及び背中Bを覆うことができる。更に、一対の第1開閉板62・62が両肩Sを覆うことにより、両肩Sを保護できる。
【0130】
第6実施形態による防災用具60は、第5実施形態による防災用具20と同様な効果を奏するが、中央板61に対して、一対の第1開閉板62・62、第2開閉板63、及びスライド板64を素早く十字状に展開でき、緊急の防災に役立てることができる。
【0131】
本発明による防災用具は、地震などの非常時に、複数の金属板を展開して、建築材の破片などの落下物から頭部及び背中を保護するのに好適であるが、突発的な火災に伴って落下してくる火炎粒から頭部及び背中を保護することもでき、用途は限定されない。
【符号の説明】
【0132】
4a・4b・4c・4d 第2金属板
5 連結ピン
6 第3取っ手
60 防災用具
B 背中
H 頭部
N 首部
S 両肩
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災用具に関する。特に、通常は、複数の金属板を折り畳んでカバンなどの携帯用具に収容でき、地震などの非常時には、複数の金属板を展開して、建築材の破片などの落下物から頭部及び背中を保護する防災用具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、付近の建物からガラスの破片や壁材の破片が落下してくる危険があるので、ヘルメットを被って頭部を保護することが好ましい。しかし、一般的なヘルメットは、その容積が大きいことから、常に携帯するには不便であり、着用が義務付けられた自動二輪車の運転中、又は特定の職業の者の勤務中などに使用が限定されていた。
【0003】
したがって、大地震などの災害に遭遇した場合に備えて、所持品と共にカバンなどに容易に収納できることによって、携帯することができ、かつ、使用時には即座に帽体形状に展開できる携帯用頭部保護帽子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、長手方向に沿って湾曲した硬質板が重ね合わされた複数の短冊状部材と、これらの短冊状部材の長手方向の両端部に設けた挿通部に挿通されると共に、複数の短冊状部材を回転可能に連結する連結具と、を備え、複数の短冊状部材を互いに重ね合わされた状態で折り畳むことができ、複数の短冊状部材が連結具を支点として互い回転してその位置を順次ずらした状態に開かれることで、頭部を覆う略半球形状の帽体に展開されるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−92198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、複数の短冊状部材を互いに重ね合わせてコンパクトに畳めるので、ランドセルやハンドバッグなどに入れて携帯できる、としている。
【0007】
しかしながら、特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、複数の短冊状部材を互いに重ね合わせても、長手方向に沿って湾曲した形状は維持しているので、ランドセルに教科書などの図書を収納することは困難であり、ハンドバッグも大型でないと、他の所持品を収納することは困難である。所持品と共にカバンなどに容易に収納できるように、平坦に折り畳める防災用具が求められている。
【0008】
又、特許文献1による携帯用頭部保護帽子は、頭部を保護することができるが、大地震で散乱するように落下してくる破片に対して、脊椎を覆う首部及び背中を保護することは困難である。一般に、前方から落下してくる破片に対しては、避けることも可能であるが、背後から落下してくる破片に対しては、避けることが困難であり、頭部から背中に亘り保護できる防災用具が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、カバンなどの携帯用具に折り畳んで収容でき、カバンなどの携帯用具から取り出して、複数の金属板を直に展開して、頭部から背中に亘り保護できる防災用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、平坦に折り畳むことができるように、複数の矩形の金属板の一部を連結可能に構成すると共に、これらの金属板を展開したときに、頭部及び首部を覆う先頭の金属板を自重で撓む程度の弾性板で形成し、先頭の金属板に連結する他の金属板が背中を覆うように垂下することにより、この課題が解決可能であると考え、これに基づいて、以下のような新たな防災用具を発明するに至った。
【0011】
(1)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の第1金属板と、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記第1金属板の端縁部が末端側の前記第1金属板の端縁部の上に重なるように、複数の前記第1金属板を繋留する一対の屈曲自在な紐状部材と、先頭の前記第1金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第1取っ手と、を備え、先頭の前記第1金属板は、前記第1取っ手を把持して先頭の前記第1金属板を頭部に搭載したときに、当該第1取っ手と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0012】
(2)先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板は、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましい。
【0013】
(3)前記剛性板がジュラルミンからなることが好ましい。
【0014】
(4)本発明による防災用具は、防災用具を収容可能な専用の有底のケースを備えることが好ましい。
【0015】
(5)前記ケースは、一端側が開口し、先頭の前記第1金属板が取り出し容易な切り欠きを一方の側面の上部に有することが好ましい。
【0016】
(6)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の第1金属板と、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記第1金属板の端縁部が末端側の前記第1金属板の端縁部の上に重なるように、複数の前記第1金属板を繋留する一対の屈曲自在な紐状部材と、先頭の前記第1金属板の中央部に取り付けられた屈曲自在な顎紐と、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、肩部に対向する前記第1金属板に取り付けられた一対の屈曲自在な肩掛け紐と、を備え、先頭の前記第1金属板は、前記顎紐を顎部に係止して先頭の前記第1金属板を頭部に搭載したときに、当該顎紐と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0017】
(7)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の強化プラスチック板と、これらの強化プラスチック板の一方の面に、周囲からはみ出さないように貼着された浮力を有する緩衝板と、これらの強化プラスチック板及び緩衝板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記強化プラスチック板から末端の前記強化プラスチック板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記緩衝板の端縁部が末端側の前記強化プラスチック板の端縁部の上に重なるように、複数の前記強化プラスチック板を繋留する一対の屈曲自在な紐状部材と、先頭の前記強化プラスチック板の端部に取り付けられた屈曲自在な第2取っ手と、を備え、先頭の前記強化プラスチック板は、前記第2取っ手を把持して先頭の前記緩衝板を頭部に搭載したときに、当該第2取っ手と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記強化プラスチック板に繋留された次の前記強化プラスチック板から末端の前記強化プラスチック板に亘り、前記緩衝板が背中に略当接した状態で、背中を覆うように垂下できる。
【0018】
(8)先頭の前記緩衝板は、頭部に載置可能な窪み部を有することが好ましい。
【0019】
(9)本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つの略矩形の第1金属板と、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、先頭の前記第1金属板から末端の前記第1金属板を平面上に同列に展開したときに、先頭側の前記第1金属板の端縁部が末端側の前記第1金属板の端縁部の上に重なるように、中間の前記第1金属板に設けられ、先頭側の前記第1金属板及び末端側の前記第1金属板をスライド可能に案内する一対一組のガイドピンと、先頭の前記第1金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第1取っ手と、を備え、先頭の前記第1金属板及び末端の前記第1金属板は、所定の距離に離間した一対の前記ガイドピンに案内される一対の長穴を両翼に有し、先頭の前記第1金属板は、前記第1取っ手を把持して先頭の前記第1金属板を頭部に搭載したときに、当該第1取っ手と反対側が首部を覆うように自重で撓む程度の弾性板からなり、先頭の前記第1金属板に繋留された次の前記第1金属板から末端の前記第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0020】
(10)頭部を覆う程度の幅を有する四つの帯状の第2金属板と、これらの第2金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、これらの第2金属板が十字状に展開できるように、これらの第2金属板の端部同士を回転自在に連結する連結ピンと、前記連結ピンと反対側に配置され、最上層の前記第2金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第3取っ手と、を備え、前記第3取っ手を把持して、前記連結ピンが頭部の略中心に位置するように、四つの前記第2金属板を十字状に展開して頭部に搭載したときに、中間の一対の前記第2金属板が両肩を覆う程度の長さを有し、最上層の前記第2金属板と相反する向きに向かう前記第2金属板が首部及び背中を覆う。
【0021】
(11)最上層の前記第2金属板は、前記第3取っ手を把持して、四つの前記第2金属板を十字状に展開したときに、最上層以外の前記第2金属板の重量で撓む程度の弾性板からなることが好ましい。
【0022】
(12)四つの前記第2金属板が十字状に展開した状態を維持できるように、一方の前記第2金属板は、他方の前記第2金属板に向けて隆起した半球状の突起を有し、他方の前記第2金属板は、前記突起が嵌合可能な係止穴を開口していることが好ましい。
【0023】
(13)本発明による防災用具は、首部を覆う程度の面積を有する矩形の中央板と、この中央板の両翼に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、両肩を覆う程度の面積を有する一対の矩形の第1開閉板と、前記中央板の一方の端部に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、背中を部分的に覆う程度の面積を有する矩形の第2開閉板と、前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が開く力を付勢すると共に、前記中央板と同じ平面になるように、一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態を維持する複数のストッパ付きスプリング蝶番と、前記中央板の他方の端部に回転自在及びスライド自在に連結し、頭部を覆う程度の面積を有する矩形のスライド板と、を備え、前記中央板は、前記スライド板の両側縁をスライド可能に案内する溝を設けた一対の案内部材と、これらの案内部材を対向するよう配置し、当該案内部材を回転自在に支持する支持片と、を他方の端部に有し、前記スライド板は、一方の端部に設けられ、一対の前記案内部材に当接して移動が停止される停止片と、他方の端部に取り付けられた第4取っ手と、を有し、前記第4取っ手を把持して、前記スライド板を前記中央板に対して略180度以上の所定の角度に開き、前記スライド板を頭部に搭載すると共に、前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態で首部及び背中を覆う。
【0024】
(14)前記第2開閉板は、前記スライド板の板厚程度の間隙を設けたラチェット部材を前記第1開閉板と当接する反対面に有し、前記スライド板は、他方の端部から突出し、前記ラチェット部材に挿入可能なロック片を有し、前記第2開閉板が一対の前記第1開閉板の上に重なるように当該第2開閉板を閉じた状態で、前記第3取っ手を把持して、前記スライド板が前記第2開閉板に重なるように回動すると共に、前記スライド板をスライドして前記ロック片を前記ラチェット部材に係止可能なことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明による防災用具は、頭部を十分に覆う程度の面積を有する三つ以上の略矩形の第1金属板を備え、これらの第1金属板の周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、所持品と共にカバンなどに容易に収納できる。又、本発明による防災用具は、第1取っ手を把持して先頭の第1金属板を引き上げれば、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる。そして、第1取っ手を把持して先頭の第1金属板を頭部に搭載したときに、先頭の第1金属板に繋留された次の第1金属板から末端の第1金属板に亘り、背中を覆うように垂下できる。
【0026】
又、本発明による防災用具は、頭部を覆う程度の幅を有する四つの帯状の第2金属板を備え、これらの第2金属板の周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、図書と共にランドセルなどに容易に収納できる。又、本発明による防災用具は、四つの第2金属板を十字状に展開して頭部に搭載したときに、中間の一対の第2金属板が両肩を覆う程度の長さを有し、最上層の第2金属板と相反する向きに向かう第2金属板が首部及び背中を覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図3】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を積み重ねた状態図である。
【図4】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して互いに離間した状態図である。
【図5】第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図2と異なる方向から観ている。
【図6】第1実施形態による防災用具を収容可能なケースの斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】第2実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図9】本発明の第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図10】第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して互いに離間した状態図である。
【図11】第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態を図9と異なる方向から観ている。
【図12】本発明の第4実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【図14】第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を積み重ねた状態図である。
【図15】第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図13と異なる方向から観ている。
【図16】本発明の第5実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図17】第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。
【図18】第5実施形態による防災用具の斜視分解組立図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。
【図19】第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を積み重ねた状態図である。
【図20】本発明の第6実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。
【図21】第6実施形態による防災用具の斜視図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。
【図22】第6実施形態による防災用具の平面図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。
【図23】図22のX−X矢視断面図である。
【図24】第6実施形態による防災用具に備わる中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を閉じた状態図であり、図24(A)は、第6実施形態による防災用具の平面図、図24(B)は、第6実施形態による防災用具の正面図、図24(C)は、第6実施形態による防災用具の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0029】
[第1実施形態]
(防災用具の構成)
最初に、本発明の第1実施形態による防災用具の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図2は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【0030】
図3は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を積み重ねた状態図である。図4は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して互いに離間した状態図である。図5は、第1実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図2と異なる方向から観ている。
【0031】
図1から図5を参照すると、本発明の第1実施形態による防災用具10は、四つの略矩形の第1金属板1a・1b・1c・1dを備えている。これらの第1金属板1a・1b・1c・1dは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図1参照)。例えば、図3を参照すると、第1金属板1a・1b・1c・1dは、幅W×高さH=約36cm×約28cmの長方形に形成されている。そして、図3を参照すると、第1金属板1a・1b・1c・1dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0032】
図1から図4を参照すると、防災用具10は、一対の屈曲自在な紐状部材2・2を備えている。例えば、紐状部材2は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。一対の紐状部材2・2は、先頭の第1金属板1aから末端の第1金属板1dを平面上に同列に展開したときに、先頭側の第1金属板1aの端縁部が末端側の第1金属板1dの端縁部の上に重なるように、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを繋留している。
【0033】
図2から図4を参照すると、各第1金属板1a・1b・1c・1dには、短冊状の止め板11がリベットでカシメ付けられている。一対の紐状部材2・2は、各第1金属板1a・1b・1c・1dと止め板11に挟持されて繋留(部分的に固定)されている。止め板11と反対側の各第1金属板1a・1b・1c・1dの面にリベットの頭部が突出しないように、枕頭カシメ付けすることが好ましい。
【0034】
図1又は図2及び図4を参照すると、防災用具10は、先頭の第1金属板1aの端部に取り付けられた第1取っ手3を備えている。例えば、第1取っ手3は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。第1取っ手3は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。又、第1取っ手3の両端部は、先頭の第1金属板1aにスポット溶接されている。
【0035】
図1を参照すると、先頭の第1金属板1aは、第1取っ手3を把持して、先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載したときに、第1取っ手3と反対側が首部Nを覆うように自重で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、アルミニウム板を適用できる。
【0036】
一方、図1から図5を参照すると、先頭の第1金属板1aに繋留された次の第1金属板1bから末端の第1金属板1dは、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましく、例えば、この剛性板は、ジュラルミン板を適用できる。
【0037】
(防災用具の作用)
次に、防災用具10の使用方法を説明しながら、第1実施形態による防災用具10の作用及び効果を説明する。
【0038】
図4に示されるように、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを展開して互いに離間した状態から、第1金属板1a・1b・1c・1dの間にある一対の紐状部材2・2をV字状に屈曲して、第1金属板1a・1b・1c・1dを互いに近接すると、図3に示されるように、第1金属板1a・1b・1c・1dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具10を容易に収納できる。
【0039】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、先頭の第1金属板1aに設けた第1取っ手3を把持して、引き上げることにより、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる(図2又は図5参照)。
【0040】
次に、図1を参照して、第1取っ手3を把持して先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載すると、第1金属板1aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、第1金属板1aが自重で湾曲した部分が首部Nを保護できる。更に、先頭の第1金属板1aに繋留された次の第1金属板1bから末端の第1金属板1dに亘り、背中Bを覆うように垂下できる。
【0041】
図1に示されるように、第1実施形態による防災用具10は、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、展開できるので微細な落下物が身体(衣服を含む)側に進入しないという利点がある。
【0042】
(ケースの構成及び作用)
次に、第1実施形態による防災用具10を収容可能なケースの構成及び作用を説明する。図6は、第1実施形態による防災用具を収容可能なケースの斜視図である。
【0043】
図6を参照すると、実施形態によるケース7は、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを積み重ねた状態で(図3参照)、防災用具10を専用に収容できる。ケース7は、例えば、合成樹脂で有底の箱状に成形され、一端側を開口している。又、ケース7は、円弧状の切り欠き70を一方の側面の上部に有している。更に、ケース7は、他方の底面に専用のケースであることを明示する表示71を設けている。
【0044】
図6を参照して、第1取っ手3を備えた第1金属板1a(図2参照)が切り欠き70側に位置するように、防災用具10をケース7に収容しておくことが好ましい。そして、第1取っ手3を把持して引き出すと、図2に示されるように、防災用具10が直ちに展開された状態になり、使用できる。
【0045】
図6を参照して、防災用具10をケース7に収容した状態で、ケース7を背負いカバンに収容しておくことが好ましく、背中に対向するようにケース7を収容しておくことにより、防災用具10が介在されて、落下物から背中を保護できる。
【0046】
図6を参照して、面ファスナ付きの結束用バンド(図示せず)を用いて、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dが積み重なるように結束してもよく、防災用具10を整頓した状態で、ケース7に収容できる。面ファスナ付きの結束用バンド(図示せず)で結束された防災用具10をカバンに収容してもよい。
【0047】
[第2実施形態]
(防災用具の構成)
次に、本発明の第2実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0048】
図7は、本発明の第2実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図8は、第2実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。なお、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じにするので以下の説明では割愛する場合がある。
【0049】
図7又は図8を参照すると、本発明の第2実施形態の変形例による防災用具200は、四つの略矩形の第1金属板1a・1b・1c・1dを備えている。これらの第1金属板1a・1b・1c・1dは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図7参照)。そして、図3を参照すると、第1金属板1a・1b・1c・1dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0050】
図7又は図8を参照すると、防災用具200は、一対の屈曲自在な紐状部材2・2を備えている。一対の紐状部材2・2は、先頭の第1金属板1aから末端の第1金属板1dを平面上に同列に展開したときに、先頭側の第1金属板1aの端縁部が末端側の第1金属板1dの端縁部の上に重なるように、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを繋留している。
【0051】
図7又は図8を参照すると、防災用具200は、先頭の第1金属板1aの中央部に取り付けられた屈曲自在な顎紐21を備えている。例えば、顎紐21は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲して折り畳むことができる。顎紐21は、引き延ばした状態で顎部Jに係止できる。又、顎紐21の両端部は、先頭の第1金属板1aにスポット溶接されている。
【0052】
図7又は図8を参照すると、防災用具200は、一対の屈曲自在な肩掛け紐22・22を備えている。これらの肩掛け紐22・22は、先頭の第1金属板1aから末端の第1金属板1dを平面上に同列に展開したときに、両肩Sに対向する第1金属板1cに取り付けられている。例えば、肩掛け紐22は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、クランク状に屈曲して折り畳むことができる(図8参照)。一対の肩掛け紐22・22は、引き延ばした状態で両肩Sに掛止できる。
【0053】
(防災用具の作用)
次に、防災用具200の使用方法を説明しながら、第2実施形態による防災用具200の作用及び効果を説明する。
【0054】
図4を援用して、四つの第1金属板1a・1b・1c・1dを展開して互いに離間した状態から、第1金属板1a・1b・1c・1dの間にある一対の紐状部材2・2をV字状に屈曲して、第1金属板1a・1b・1c・1dを互いに近接すると、第1金属板1a・1b・1c・1dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる(図3参照)。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具200を容易に収納できる。
【0055】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、先頭の第1金属板1aに設けた顎紐21を把持して、引き上げることにより、先頭側の第1金属板の端縁部が末端側の第1金属板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる(図8参照)。
【0056】
次に、図7を参照して、顎紐21を顎部Jに係止して先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載すると、第1金属板1aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、第1金属板1aが自重で湾曲した部分が首部Nを保護できる。更に、先頭の第1金属板1aに繋留された次の第1金属板1bから末端の第1金属板1dに亘り、背中Bを覆うように垂下できる。又、一対の肩掛け紐22・22を両肩Sに掛止することで、第1金属板1c・1dを背中Bから離反することを防止できる。
【0057】
図7又は図8を参照すると、第2実施形態による防災用具200は、第1実施形態による防災用具10と同様な効果を奏するが、複数の第1金属板1a・1b・1c・1dを身体に確実に装着できるというメリットがある。
【0058】
[第3実施形態]
(防災用具の構成)
次に、本発明の第3実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0059】
図9は、本発明の第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態図である。図10は、第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して互いに離間した状態図である。
【0060】
図11は、第3実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの強化プラスチック板を展開して一列に垂下した状態を図9と異なる方向から観ている。なお、第1実施形態及び第2実施形態で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じにするので以下の説明では割愛する場合がある。
【0061】
図9から図11を参照すると、本発明の第3実施形態による防災用具300は、四つの略矩形の強化プラスチック板3a・3b・3c・3dを備えている。これらの強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図1参照)。例えば、図10を参照すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、幅W×高さH=約36cm×約28cmの長方形に形成されている。そして、図3を援用すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0062】
図9から図11を参照すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dは、その一方の面に緩衝板31a・31b・31c・31dを貼着している。緩衝板31a・31b・31c・31dは、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの周囲からはみ出さないように貼着されている。緩衝板31a・31b・31c・31dは、浮力を有する発泡スチロールなどを用いることが好ましい。
【0063】
図9又は図10を参照すると、防災用具300は、一対の屈曲自在な紐状部材2・2を備えている。一対の紐状部材2・2は、先頭の強化プラスチック板3a及び緩衝板31aから末端の強化プラスチック板3d及び緩衝板31dを平面上に同列に展開したときに、先頭側の緩衝板31aの端縁部が末端側の強化プラスチック板3dの端縁部の上に重なるように、四つの強化プラスチック板3a・3b・3c・3dを繋留している。
【0064】
図9又は図10を参照すると、各強化プラスチック板3a・3b・3c・3dには、短冊状の止め板11がリベットでカシメ付けられている。一対の紐状部材2・2は、各強化プラスチック板3a・3b・3c・3dと止め板11に挟持されて繋留(部分的に固定)されている。止め板11と反対側の各強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの面にリベットの頭部が突出しないように、枕頭カシメ付けすることが好ましい。
【0065】
図9又は図10を参照すると、防災用具300は、先頭の強化プラスチック板3aの端部に取り付けられた第2取っ手31を備えている。例えば、第2取っ手31は、複数の合成樹脂繊維が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。第2取っ手31は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。又、第2取っ手31の両端部は、先頭の強化プラスチック板3aに熱溶着されている。
【0066】
図1を援用して、先頭の強化プラスチック板3aは、第2取っ手31を把持して、先頭の緩衝板31aを頭部Hに搭載したときに、第2取っ手31と反対側が首部Nを覆うように自重で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、ボロン繊維強化プラスチック(BFPR)板を適用できる。図9又は図10を参照して、先頭の緩衝板31aには、頭部Hに載置可能な窪み部310を有することが好ましい。
【0067】
(防災用具の作用)
次に、防災用具300の使用方法を説明しながら、第3実施形態による防災用具300の作用及び効果を説明する。
【0068】
図10に示されるように、四つの強化プラスチック板3a・3b・3c・3dを展開して互いに離間した状態から、強化プラスチック板3a・3b・3c・3d及び緩衝板31a・31b・31c・31dの間にある一対の紐状部材2・2をV字状に屈曲して、第1金属板1a・1b・1c・1dを互いに近接すると、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具10を容易に収納できる。
【0069】
例えば、通勤又は通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、先頭の強化プラスチック板3aに設けた第2取っ手31を把持して、引き上げることにより、先頭側の緩衝板の端縁部が末端側の強化プラスチック板の端縁部の上に重なるように、直ちに展開できる(図9又は図11参照)。
【0070】
次に、図9を参照して、第2取っ手31を把持して先頭の緩衝板31aを頭部Hに搭載すると、強化プラスチック板3aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、強化プラスチック板3aが自重で湾曲した部分が首部Nを保護できる。更に、先頭の強化プラスチック板3aに繋留された次の強化プラスチック板3bから末端の強化プラスチック板3dに亘り、背中Bを覆うように垂下できる。
【0071】
図9に示されるように、第3実施形態による防災用具300は、先頭側の緩衝板の端縁部が末端側の強化プラスチック板の端縁部の上に重なるように、展開できるので微細な落下物が身体(衣服を含む)側に進入しないという利点がある。
【0072】
図9から図11を参照すると、第3実施形態による防災用具300は、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの一方の面に緩衝板31a・31b・31c・31dを貼着しているので、落下物の衝撃を緩和できる。
【0073】
図9から図11を参照すると、第3実施形態による防災用具300は、強化プラスチック板3a・3b・3c・3dの一方の面に浮力を有する緩衝板31a・31b・31c・31dを貼着しているので、水に浮くことができ、津波などによる紛失を防止できる。
【0074】
図9又は図10に示された第2取っ手31に換えて、先頭の強化プラスチック板3aに顎紐21を取り付けてもよく、強化プラスチック板3cに一対の肩掛け紐22・22を取り付けてもよく(図8参照)、第2実施形態による防災用具200との相乗効果を期待できる。
【0075】
[第4実施形態]
(防災用具の構成)
次に、第4実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0076】
図12は、本発明の第4実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図13は、第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態図である。
【0077】
図14は、第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を積み重ねた状態図である。図15は、第4実施形態による防災用具の斜視図であり、三つの第1金属板を展開して一列に垂下した状態を図13と異なる方向から観ている。なお、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じにするので以下の説明では割愛する場合がある。
【0078】
図12から図15を参照すると、第4実施形態による防災用具400は、三つの略矩形の第1金属板1a・1b・1cを備えている。これらの第1金属板1a・1b・1cは、人間Mの頭部Hを十分に覆う程度の面積を有している(図12参照)。そして、図14を参照すると、第1金属板1a・1b・1cは、両側端が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0079】
図12から図15を参照すると、防災用具400は、一対一組のガイドピン2pを中間の第1金属板1bに設けている。一方の一対のガイドピン2p・2pは、中間の第1金属板1bの一方の端部側に設けている。他方の一対のガイドピン2p・2pは、中間の第1金属板1bの他方の端部側に設けている。
【0080】
図12から図14を参照すると、防災用具400は、先頭の第1金属板1aの端部に取り付けられた第1取っ手3を備えている。又、先頭の第1金属板1aは、略平行に延びる一対の長穴2h・2hを両翼に開口している。同様に、末端の第1金属板1cは、略平行に延びる一対の長穴2h・2hを両翼に開口している。
【0081】
図12から図15を参照すると、一方の一対のガイドピン2p・2pは、鍔部(フランジ部)を設けて、先頭の第1金属板1aが離間しないように連結している。図13又は図15を参照すると、一方の一対のガイドピン2p・2pは、先頭の第1金属板1aと中間の第1金属板1bを平面上に同列に展開したときに、先頭の第1金属板1aの端縁部が中間の第1金属板1bの端縁部の上に重なるように、先頭の第1金属板1aを連結している。
【0082】
図12から図15を参照すると、他方の一対のガイドピン2p・2pは、鍔部(フランジ部)を設けて、末端の第1金属板1cが離間しないように連結している。図8又は図10を参照すると、他方の一対のガイドピン2p・2pは、中間の第1金属板1bと末端の第1金属板1cを平面上に同列に展開したときに、中間の第1金属板1bの端縁部が末端の第1金属板1cの端縁部の上に重なるように、末端の第1金属板1cを連結している。
【0083】
図12を参照すると、先頭の第1金属板1aは、第1取っ手3を把持して、先頭の第1金属板1aを頭部Hに搭載したときに、第1取っ手3と反対側が首部Nを覆うように自重で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、アルミニウム板を適用できる。
【0084】
一方、図13から図15を参照すると、先頭の第1金属板1aに連結した第1金属板1b・1cは、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましく、例えば、この剛性板は、ジュラルミン板を適用できる。
【0085】
(防災用具の作用)
次に、防災用具400の使用方法を説明しながら、第1実施形態の変形例による防災用具100の作用及び効果を説明する。
【0086】
図13又は図15に示されるように、三つの第1金属板1a・1b・1cを展開して互いに離間した状態から、第1金属板1bに対して、第1金属板1a・1cを互いに近接すると、一対の長穴2h・2hに案内されて、第1金属板1a・1cを平行移動できる。そして、図14に示されるように、第1金属板1a・1b・1cの両側縁が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできる。そして、所持品と共に図示しないカバンなどに防災用具100を容易に収納できる。
【0087】
図12から図15を参照すると、第4実施形態による防災用具400は、第1実施形態による防災用具10と同様な効果を奏するが、第1金属板1bに対して、第1金属板1a・1cを確実に平行移動できるというメリットがある。
【0088】
[第5実施形態]
(防災用具の構成)
次に、本発明の第5実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0089】
図16は、本発明の第5実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図17は、第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。図18は、第5実施形態による防災用具の斜視分解組立図であり、四つの第2金属板を展開して十字状に配置した状態図である。図19は、第5実施形態による防災用具の斜視図であり、四つの第2金属板を積み重ねた状態図である。
【0090】
図16から図19を参照すると、本発明の第5実施形態による防災用具20は、四つの帯状の第2金属板4a・4b・4c・4dを備えている。これらの第2金属板4a・4b・4c・4dは、児童Cの頭部Hを覆う程度の幅Wを有している(図16参照)。図19を参照すると、例えば、第2金属板4a・4b・4c・4dは、「A4」程度の大きさ(幅W×高さH=210mm×297mm)に形成されている。そして、図19を参照すると、第2金属板4a・4b・4c・4dは、周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる。
【0091】
図16から図19を参照すると、防災用具20は、第2金属板4a・4b・4c・4dの端部同士を回転自在に連結する連結ピン5を備えている。連結ピン5を中心に第2金属板4a・4b・4c・4dを閉じて、第2金属板4a・4b・4c・4dの周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできる(図19参照)。一方、連結ピン5を中心に第2金属板4a・4b・4c・4dを開いて、第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開できる(図16又は図17参照)。
【0092】
図17又は図19を参照すると、防災用具20は、最上層の第2金属板4aの端部に取り付けられた屈曲自在な第3取っ手6を備えている。例えば、第3取っ手6は、複数のアルミニウム線が筒状に織られた後に平坦に成形された編組線からなり、長手方向に屈曲できる。第3取っ手6は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。又、第3取っ手6の両端部は、最上層の第2金属板4aにスポット溶接されている。
【0093】
図16を参照すると、第3取っ手6を把持して、連結ピン5が頭部Hの略中心に位置するように、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開して頭部Hに搭載したときに、中間の一対の第2金属板4b・4dが両肩を覆う程度の長さを有している(図17参照)。そして、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cが首部N及び背中Bを覆うことができる。
【0094】
図16又は図17を参照して、最上層の第2金属板4aは、第3取っ手6を把持して、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開したときに、最上層以外の第2金属板4b・4c・4dの重量で撓む程度の弾性板からなることが好ましく、例えば、この弾性板は、アルミニウム板を適用できる。
【0095】
一方、図16から図19を参照すると、最上層以外の第2金属板4b・4c・4dは、硬質で軽量の剛性板からなることが好ましく、例えば、この剛性板は、ジュラルミン板を適用できる。
【0096】
図16から図19を参照すると、防災用具20は、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開した状態を維持するために、半球状に隆起した突起41bと、突起41bが嵌合可能な係止穴41hを有している。
【0097】
図18を参照すると、第2金属板4bは、第2金属板4aに向かって隆起した突起41bを有している。図14に示された状態から、第2金属板4bを時計方向に回動すると、第2金属板4bに設けた突起41bが、第2金属板4aに開口した係止穴41hに嵌合して、第2金属板4aと第2金属板4bの直交状態を維持できる。
【0098】
更に、図18を参照して、第2金属板4cは、第2金属板4bに向かって隆起した突起41bを有している。第2金属板4bに対して、第2金属板4cを時計方向に回動すると、第2金属板4cに設けた突起41bが、第2金属板4bに開口した係止穴41hに嵌合して、第2金属板4bと第2金属板4cの直交状態を維持できる。
【0099】
又、図18を参照して、第2金属板4dは、第2金属板4cに向かって隆起した突起41bを有している。第2金属板4cに対して、第2金属板4dを時計方向に回動すると、第2金属板4dに設けた突起41bが、第2金属板4cに開口した係止穴41hに嵌合して、第2金属板4cと第2金属板4dの直交状態を維持できる。
【0100】
このように、防災用具20は、突起41bと係止穴41hが嵌合して、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開した状態を維持できる(図16又は図17参照)。一方、第2金属板4aに対して、第2金属板4b・4c・4dを反時計方向に回動して折り畳むこともできる(図19参照)。
【0101】
(防災用具の作用)
次に、防災用具20の使用方法を説明しながら、第5実施形態による防災用具20の作用及び効果を説明する。
【0102】
図16に示されるように、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開した状態から、第2金属板4a・4b・4c・4dを閉じると、図19に示されるように、第2金属板4a・4b・4c・4dは、周囲が相互にはみ出さないように平坦に重ね合わせできるので、図書と共に図示しないランドセルに容易に収納できる。
【0103】
例えば、通学などで屋外に居たときに、大地震に遭遇した場合は、第2金属板4a・4b・4c・4dを直ちに十字状に展開することが好ましく(図16参照)、最上層の第2金属板4aの端部に設けた第3取っ手6を把持して、防災用具20の中心部を頭Hに搭載すると、最上層の第2金属板4aが付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。又、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cが首部N及び背中Bを覆うことができる。更に、中間の一対の第2金属板4b・4dが両肩Sを覆うことにより、両肩Sを保護できる。
【0104】
図17を参照して、第3取っ手6は、連結ピン5と反対側に配置され、最上層の第2金属板4aと相反する向きに向かう第2金属板4cの端部に取り付けてもよい。この場合、第3取っ手6は、第2金属板4bと第2金属板4cの間に挟まれるので、四つの第2金属板4a・4b・4c・4dを十字状に展開する操作に多少時間を要するが、第2金属板4cが第2金属板4aの上に重なるので、微細な落下物が身体(衣服を含む)側に進入しないという利点がある。
【0105】
図19を参照すると、防災用具20は、第2金属板4a・4b・4c・4dの周囲が相互にはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、ランドセルに容易に収納できるが、非常時に対応できることを意識できるように、防災用具20を専用のケース、又は専用の袋(バッグ)に収納して携帯してもよい。
【0106】
第1実施形態による防災用具10は、成人に好適な実施形態を開示したが、第1金属板の個数や大きさを工夫することにより、身体が発達途上の児童に適用することもできる。一方、第2実施形態による防災用具20は、身体が発達途上の児童に好適な実施形態を開示したが、第2金属板の形状や大きさを工夫することにより、成人に適用することもできる。
【0107】
図1を参照して、先頭の第1金属板1aには、頭部Hが当接する面にクッション材(図示せず)を貼り付けておくことが好ましく、頭部Hへの違和感を緩和すると共に、落下物の衝撃を緩和できる。同様に、図16を参照して、先頭の第2金属板4aには、頭部Hが当接する面にクッション材(図示せず)を貼り付けておくことが好ましく、頭部Hへの違和感を緩和すると共に、落下物の衝撃を緩和できる。
【0108】
[第6実施形態]
(防災用具の構成)
次に、第6実施形態による防災用具の構成を説明する。
【0109】
図20は、本発明の第6実施形態による防災用具の使用状態を示す斜視図である。図21は、第6実施形態による防災用具の斜視図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。
【0110】
図22は、第6実施形態による防災用具の平面図であり、中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を開いて十字状に配置した状態図である。図23は、図22のX−X矢視断面図である。
【0111】
図24は、第6実施形態による防災用具に備わる中央板に対して、一対の第1開閉板、第2開閉板、及びスライド板を閉じた状態図であり、図24(A)は、第6実施形態による防災用具の平面図、図24(B)は、第6実施形態による防災用具の正面図、図24(C)は、第6実施形態による防災用具の下面図である。
【0112】
図20から図24を参照すると、本発明の第6実施形態による防災用具60は、矩形の中央板61、一対の矩形の第1開閉板62・62、及び矩形の第2開閉板63を備えている。中央板61は、首部Nを覆う程度の面積を有している(図20参照)。
【0113】
一対の第1開閉板62・62は、中央板61の両翼に開閉自在に連結している(図21又は図22参照)。一対の第1開閉板62・62は、中央板61から周囲がはみ出さないように、中央板61に重ね合わせできる(図24参照)。又、図20を参照すると、一対の第1開閉板62・62は、中央板61に対して開いた状態では、両肩Sを覆う程度の面積を有している。
【0114】
第2開閉板63は、中央板61の一方の端部に開閉自在に連結している(図21又は図22参照)。第2開閉板63は、中央板61から周囲がはみ出さないように、中央板61に重ね合わせできる(図24参照)。又、図20を参照すると、第2開閉板63は、中央板61に対して開いた状態では、背中Bを部分的に覆う程度の面積を有している。
【0115】
図20から図24を参照すると、防災用具60は、複数のストッパ7s付きスプリング蝶番7hを備えている。スプリング蝶番7hは、一対の支承板が回転自在に連結している。スプリング蝶番7hは、一対の支承板の連結部にねじりコイルばねを取り付けている。ねじりコイルばねは、一対の支承板が開く方向に力を付勢している。一方の支承板は、その一部が他方の支承板の背面に突出したストッパ7sとなっており、一対の支承板を水平状態に維持できる。ストッパ付きスプリング蝶番は、市販品を使用できる。
【0116】
図20から図24を参照すると、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と第1開閉板62を連結している。これらのスプリング蝶番7h・7hは、中央板61に対して第1開閉板62が開く力を付勢している。又、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と同じ平面になるように、一対の第1開閉板62・62が略水平に開いた状態を維持できる。
【0117】
図20から図24を参照すると、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と第2開閉板63を連結している。これらのスプリング蝶番7h・7hは、中央板61に対して第2開閉板63が開く力を付勢している。又、一組のスプリング蝶番7h・7hは、中央板61と同じ平面になるように、第2開閉板63が略水平に開いた状態を維持できる。
【0118】
図20から図24を参照すると、防災用具60は、矩形のスライド板64を備えている。スライド板64は、中央板61の他方の端部に回転自在及びスライド自在に連結している。スライド板64は、頭部Hを覆う程度の面積を有している(図20参照)。なお、中央板61、一対の第1開閉板62・62、及び第2開閉板63は、ジュラルミン板などの金属板で構成してもよく、強化プラスチック板で構成してもよい。
【0119】
図21から図24を参照すると、中央板61は、一対の円柱状の案内部材61a・61aと案内部材61aを回転自在に支持する支持片61bを他方の端部に有している。一対の案内部材61a・61aは、スライド板64の両側縁をスライド可能に案内する溝611を設けている。一対の支持片61b・61bは、一対の案内部材61a・61aを対向するよう配置している。
【0120】
図21から図24を参照すると、スライド板64は、停止片64aと第4取っ手8を有している。停止片64aは、一方に端部が湾曲するように形成されている。一対の案内部材61a・61aに対して、スライド板64をスライドすると、停止片64aが一対の案内部材61a・61aに当接して移動が停止される。
【0121】
図21から図24を参照すると、第4取っ手8は、スライド板64の他方の端部に取り付けられている。第4取っ手8は、その中央部が片手で把持できるように、円弧状に湾曲している。
【0122】
図21から図24を参照すると、第2開閉板63は、ラチェット部材63aを第1開閉板62と当接する反対面に有している。ラチェット部材63aは、スライド板64の板厚程度の間隙を設けている。スライド板64は、他方の端部から突出し、ラチェット部材63aに挿入可能なロック片64bを有している。
【0123】
図24を参照して、第2開閉板63が一対の第1開閉板62・62の上に重なるように第2開閉板63を閉じた状態で、第4取っ手8を把持して、スライド板64が第2開閉板63に重なるように回動すると共に、スライド板64をスライドして、ロック片64bをラチェット部材63aに係止できる。
【0124】
(防災用具の作用)
次に、防災用具60の使用方法を説明しながら、第6実施形態による防災用具60の作用及び効果を説明する。
【0125】
図20から図22に示されるように、中央板61に対して、一対の第1開閉板62・62、第2開閉板63、及びスライド板64が十字状に展開した状態から、スライド板64を第2開閉板63に係止すると、図24に示すように、防災用具60は、周囲が相互に殆んどはみ出さないように、平坦に重ね合わせできるので、図書と共に図示しないランドセルに容易に収納できる。
【0126】
次に、防災用具60の折り畳み手順を説明する。最初に、図21又は図22に示された状態から、一対の第1開閉板62・62を中央板61の上に重なるように閉じる。次に、第2開閉板63を第1開閉板62の上に重なるように閉じる。そして、第2開閉板63を手で押さえつけておく。
【0127】
次に、図23を参照して、第4取っ手8を把持して、スライド板64を時計方向に回動すると共に、停止片64aが案内部材61aから離間するように、スライド板64をスライドする。次に、スライド板64を第2開閉板63に当接して、第4取っ手8を把持して、スライド板64をラチェット部材63aに向かって移動すると、ロック片64bをラチェット部材63aに係止できる(図24参照)。
【0128】
防災用具60を使用する場合は、図24に示された状態から、第4取っ手8を把持して、スライド板64をラチェット部材63aから離れる方向に移動すると共に、図23に示すように、スライド板64を中央板61に対して略180度以上の所定の角度に開くことで、中央板61に対して、一対の第1開閉板62・62と第2開閉板63を自動的に開くことができる。
【0129】
次に、図20を参照して、第4取っ手8を把持して、スライド板64を頭部Hに搭載すると、スライド板64が付近の建物から落下してくる破片から頭部Hを保護できる。この場合、スライド板64に対して中央板61が所定の角度で傾斜しているので(図23参照)、中央板61及び第2開閉板63が首部N及び背中Bを覆うことができる。更に、一対の第1開閉板62・62が両肩Sを覆うことにより、両肩Sを保護できる。
【0130】
第6実施形態による防災用具60は、第5実施形態による防災用具20と同様な効果を奏するが、中央板61に対して、一対の第1開閉板62・62、第2開閉板63、及びスライド板64を素早く十字状に展開でき、緊急の防災に役立てることができる。
【0131】
本発明による防災用具は、地震などの非常時に、複数の金属板を展開して、建築材の破片などの落下物から頭部及び背中を保護するのに好適であるが、突発的な火災に伴って落下してくる火炎粒から頭部及び背中を保護することもでき、用途は限定されない。
【符号の説明】
【0132】
4a・4b・4c・4d 第2金属板
5 連結ピン
6 第3取っ手
60 防災用具
B 背中
H 頭部
N 首部
S 両肩
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部を覆う程度の幅を有する四つの帯状の第2金属板と、
これらの第2金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、これらの第2金属板が十字状に展開できるように、これらの第2金属板の端部同士を回転自在に連結する連結ピンと、
前記連結ピンと反対側に配置され、最上層の前記第2金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第3取っ手と、を備え、
前記第3取っ手を把持して、前記連結ピンが頭部の略中心に位置するように、四つの前記第2金属板を十字状に展開して頭部に搭載したときに、中間の一対の前記第2金属板が両肩を覆う程度の長さを有し、最上層の前記第2金属板と相反する向きに向かう前記第2金属板が首部及び背中を覆う防災用具。
【請求項2】
最上層の前記第2金属板は、前記第3取っ手を把持して、四つの前記第2金属板を十字状に展開したときに、最上層以外の前記第2金属板の重量で撓む程度の弾性板からなる請求項1記載の防災用具。
【請求項3】
四つの前記第2金属板が十字状に展開した状態を維持できるように、一方の前記第2金属板は、他方の前記第2金属板に向けて隆起した半球状の突起を有し、他方の前記第2金属板は、前記突起が嵌合可能な係止穴を開口している請求項1又は2記載の防災用具。
【請求項4】
首部を覆う程度の面積を有する矩形の中央板と、
この中央板の両翼に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、両肩を覆う程度の面積を有する一対の矩形の第1開閉板と、
前記中央板の一方の端部に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、背中を部分的に覆う程度の面積を有する矩形の第2開閉板と、
前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が開く力を付勢すると共に、前記中央板と同じ平面になるように、一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態を維持する複数のストッパ付きスプリング蝶番と、
前記中央板の他方の端部に回転自在及びスライド自在に連結し、頭部を覆う程度の面積を有するスライド板と、を備え、
前記中央板は、
前記スライド板の両側縁をスライド可能に案内する溝を設けた一対の案内部材と、
これらの案内部材を対向するよう配置し、当該案内部材を回転自在に支持する支持片と、を他方の端部に有し、
前記スライド板は、
一方の端部に設けられ、一対の前記案内部材に当接して移動が停止される停止片と、
他方の端部に取り付けられた第4取っ手と、を有し、
前記第4取っ手を把持して、前記スライド板を前記中央板に対して略180度以上の所定の角度に開き、前記スライド板を頭部に搭載すると共に、前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態で首部及び背中を覆う防災用具。
【請求項5】
前記第2開閉板は、前記スライド板の板厚程度の間隙を設けたラチェット部材を前記第1開閉板と当接する反対面に有し、
前記スライド板は、他方の端部から突出し、前記ラチェット部材に挿入可能なロック片を有し、
前記第2開閉板が一対の前記第1開閉板の上に重なるように当該第2開閉板を閉じた状態で、前記第4取っ手を把持して、前記スライド板が前記第2開閉板に重なるように回動すると共に、前記スライド板をスライドして前記ロック片を前記ラチェット部材に係止可能な請求項4記載の防災用具。
【請求項1】
頭部を覆う程度の幅を有する四つの帯状の第2金属板と、
これらの第2金属板の周囲が相互にはみ出さないように重ね合わせできると共に、これらの第2金属板が十字状に展開できるように、これらの第2金属板の端部同士を回転自在に連結する連結ピンと、
前記連結ピンと反対側に配置され、最上層の前記第2金属板の端部に取り付けられた屈曲自在な第3取っ手と、を備え、
前記第3取っ手を把持して、前記連結ピンが頭部の略中心に位置するように、四つの前記第2金属板を十字状に展開して頭部に搭載したときに、中間の一対の前記第2金属板が両肩を覆う程度の長さを有し、最上層の前記第2金属板と相反する向きに向かう前記第2金属板が首部及び背中を覆う防災用具。
【請求項2】
最上層の前記第2金属板は、前記第3取っ手を把持して、四つの前記第2金属板を十字状に展開したときに、最上層以外の前記第2金属板の重量で撓む程度の弾性板からなる請求項1記載の防災用具。
【請求項3】
四つの前記第2金属板が十字状に展開した状態を維持できるように、一方の前記第2金属板は、他方の前記第2金属板に向けて隆起した半球状の突起を有し、他方の前記第2金属板は、前記突起が嵌合可能な係止穴を開口している請求項1又は2記載の防災用具。
【請求項4】
首部を覆う程度の面積を有する矩形の中央板と、
この中央板の両翼に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、両肩を覆う程度の面積を有する一対の矩形の第1開閉板と、
前記中央板の一方の端部に開閉自在に連結し、前記中央板から周囲がはみ出さないように当該中央板に重ね合わせできると共に、当該中央板に対して開いた状態では、背中を部分的に覆う程度の面積を有する矩形の第2開閉板と、
前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が開く力を付勢すると共に、前記中央板と同じ平面になるように、一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態を維持する複数のストッパ付きスプリング蝶番と、
前記中央板の他方の端部に回転自在及びスライド自在に連結し、頭部を覆う程度の面積を有するスライド板と、を備え、
前記中央板は、
前記スライド板の両側縁をスライド可能に案内する溝を設けた一対の案内部材と、
これらの案内部材を対向するよう配置し、当該案内部材を回転自在に支持する支持片と、を他方の端部に有し、
前記スライド板は、
一方の端部に設けられ、一対の前記案内部材に当接して移動が停止される停止片と、
他方の端部に取り付けられた第4取っ手と、を有し、
前記第4取っ手を把持して、前記スライド板を前記中央板に対して略180度以上の所定の角度に開き、前記スライド板を頭部に搭載すると共に、前記中央板に対して一対の前記第1開閉板及び前記第2開閉板が略水平に開いた状態で首部及び背中を覆う防災用具。
【請求項5】
前記第2開閉板は、前記スライド板の板厚程度の間隙を設けたラチェット部材を前記第1開閉板と当接する反対面に有し、
前記スライド板は、他方の端部から突出し、前記ラチェット部材に挿入可能なロック片を有し、
前記第2開閉板が一対の前記第1開閉板の上に重なるように当該第2開閉板を閉じた状態で、前記第4取っ手を把持して、前記スライド板が前記第2開閉板に重なるように回動すると共に、前記スライド板をスライドして前記ロック片を前記ラチェット部材に係止可能な請求項4記載の防災用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−34908(P2013−34908A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253100(P2012−253100)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2012−152647(P2012−152647)の分割
【原出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【出願人】(510173432)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2012−152647(P2012−152647)の分割
【原出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【出願人】(510173432)
【Fターム(参考)】
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