説明

防獣ネット柵

【課題】本発明は、従来のような防獣ネット柵の問題点を解決し、支持枠に取り付けるネット編みのネット目の大きさや形状に自由度を有する防獣機能の優れた防獣ネット柵を提供する。
【解決手段】害獣を拘束するネット目を有する防獣ネット柵であって、ネット編地2と該ネット編地2を張架するために支持する支持枠1とよりなり、ネット編地2が一部において地面4より浮いた状態であり、また、矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3よりなり、前方端以外のネット編地2は地面4より浮いた状態にある防獣ネット柵。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネット目を有する防獣機能の優れた防獣ネット柵に関し、更には支持枠1に取り付けるネット編みのネット目の大きさや形状に自由度を有する防獣機能の優れた防獣用ネット柵に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農業、林業において、猿、熊、猪等の獣類が田畑の作物を荒らす被害が多くなってきている。自然の破壊により森林が減る傾向があることから、今後もこのような害獣による被害は増えるものと考えられる。
一方、このような獣類からの被害を防止するため、野猿、猪などの害獣が田畑区域に侵入することを阻止する手段が取られている。
例えば、田畑区内に害獣が侵入するのを防ぐため、その境界部に防獣ネット柵を設置する対策がある(特許文献1参照)。
この防獣ネット柵は、ネット網地と支持枠1よりなり該ネット網地を支持枠1で地面4に垂直に支えて展開するものである。
【0003】
防獣ネット柵が田畑区の境界部に設けられている場合、害獣が近寄って来てネット網のネット目に脚足(蹄)を挿入するとその害獣の脚足は一時的にネット網に拘束される。
何れは拘束を外し逃げ出すこととなるような短い時間の拘束であっても、一度、足を拘束された害獣は、その特殊な経験を記憶に残すため、以後、防獣ネット柵に近寄らない。
もっともネット目に入った脚足が抜け出せない場合は、その害獣の捕獲も可能となる。
防獣ネット柵はこのような経験心理を応用したものである。
【0004】
ところが、防獣ネット柵に使われるネット網地は、支持枠1で地面4に垂直に支えてあるので、害獣が後ろ足で立ってネット網地に寄りかかる結果、前足がネット目に挿入され後ろ足は、フリーとなる。
従って逃げ易く恐怖感が作用しないため防獣ネット柵としての防獣機能は必ずしも十分ではない。
一方、防獣ネット柵に使われるネット網地は、通常、一枚であるのでネット目の寸法はネット網地自体の規格によって一義的に決定されてしまって寸法に自由度がない。
すなわち、一枚のネット編地2は規格された一定の寸法のネット目であるため、拘束する害獣の足の大きさが一義的に決まってしまって拘束する対象となる害獣の大きさが限定されるのである。
【0005】
もっとも、異なったネット目を有するネット網地を2枚重ねて柵に取り付けることも考えられてはいるが(特許文献2、特許文献3、参照)、あくまでも独立に分離した2枚のネット網地であるので、網地自体の取り扱いが厄介であり、柵への取り付けも簡単ではなく手数を要す。
また別々のネット網地なのでバラバラになり、それを防ぐため拘束するにしても、連結具を使わなければならないので拘束の手間が大変である。
また連結具を取り付けると本来のネット網地の良さがなくなる欠点もある。
【0006】
更に、これらもネット網地が、支持枠1により地面4に垂直に支えてあるので、上述した欠点もある。
以上のように、従来の防獣ネット柵は防獣機能として必ずしも十分なものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−22240号公報
【特許文献2】特開2006−262765号公報
【特許文献3】特開2008−306940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情を背景になされたものである。
すなわち本発明の目的は、従来のような防獣ネット柵の問題点を解決し、防獣機能の優れた防獣ネット柵を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、ネット編地2を一部において地面4から浮いた状態に張架することにより足を拘束する効果が大きくなることを見出した。
また、従来のネット目を有するネット編地2を2枚を部分的に一体組織として接結合することにより、少なくとも垂直面視で新しいネット目が形成された編み地を作り出すことが可能であることを見出した。
本発明はこれらの知見をもとに完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)、害獣を拘束するネット目を有する防獣ネット柵であって、ネット編地2と該ネット編地2を張架するために支持する支持枠1とよりなり、ネット編地2が一部において地面4より浮いた状態にある防獣ネット柵に存する。
【0011】
即ち、本発明は、(2)、矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する第1支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3よりなり、前方端以外のネット編地2は地面4より浮いた状態にある上記(1)記載の防獣ネット柵に存する。
【0012】
即ち、本発明は、(3)、矩形のネット編地2の中央部を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3と、矩形のネット編地2の後方端を地面4に固定するアンカーピン3とよりなり、ネット編地2は前方端及び後方端以外は地面4より浮いた状態にある上記(2)記載の防獣ネット柵に存する。
【0013】
即ち、本発明は、(4)、中央部の一定の面積部分を地面4より一定距離の高さに保持する上記(3)記載の防獣ネット柵に存する。
【0014】
即ち、本発明は、(5)、矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の中央部を地面4に固定するアンカーピン3と、前方端を地面4に固定するアンカーピン3よりなる防獣ネット柵に存する。
【0015】
即ち、本発明は、(6)、矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の中央部を地面4に固定するアンカーピン3と、前方端を支持枠1の一定距離離れた前方の位置で、且つ一定高さの位置に固定するアンカーピン3とよりなり、中央部以外は地面4から浮いた状態にある上記(1)記載の防獣ネット柵に存する。
【0016】
即ち、本発明は、(7)、ネット編地2がフロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bとよりなり、それらが畝部Wを部分的に連結した連結部Rを形成することで得られるネット目Nを有し、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bの畝部が部分的に前後互いに接結される接結部Sを形成して前記両編地が一体化され、しかも、前記接結部以外は互いに遊離している遊離部Xを有している上記(1)〜(6)記載のいずれか1項記載の防獣ネット柵に存する。
【0017】
即ち、本発明は、(8)、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bのネット目が異なる上記(7)記載のいずれか1項記載の防獣ネット柵に存する。
【0018】
即ち、本発明は、(9)、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bを形成する編成糸の素材、並びに物性値が異なる上記(7)記載の防獣ネット柵に存する。
【0019】
なお、本発明の目的に沿ったものであれば、上記(1)から(9)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の防獣ネット柵は、害獣を拘束するネット目を有する防獣ネット柵であって、ネット編地2と該ネット編地2を張架するために支持する支持枠1とよりなり、ネット編地2が一部において地面4より浮いた状態にあるので、害獣の脚足を確実に拘束でき、防獣機能が優れている。
また本発明の防獣ネット柵は、ネット編地2がフロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bとよりなり、それらが畝部Wを部分的に連結した連結部Rを形成することで得られるネット目Nを有し、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bの畝部が部分的に前後互いに接結される接結部S(すなわち接結部)を形成していてこれにより前記両編地が一体化されてなり、しかも、前記接結部以外は互いに遊離している遊離部Xを有している。
【0021】
このような構成によりフロント・ネット編地Fの畝部Wとバック・ネット編地Bの畝部Wである前後の畝部により各本来編地にはない新しい合成ネット目GNが形成される。
そのためフロント・ネット編地Fやバック・ネット編地Bにはない寸法のネット目、すなわち、新しい合成ネット目GNにより、脚足(蹄)の大きさの異なった多くの種類の害獣を少なくとも一時的に拘束することができる。
【0022】
接結部S以外の部分では互いの動きの自由度を維持しつつ適度に一体化されることで、ネット編地2が一枚物となり、編地自体の取り扱いが容易であり、支持枠1等への取り付けも簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、防獣ネット柵の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】図2は、防獣ネット柵の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図3】図3は、防獣ネット柵の第3の実施の形態を示す概略図である。
【図4】図4は、防獣ネット柵の第4の実施の形態を示す概略図である。
【図5】図5は、防獣ネット柵の第5の実施の形態を示す概略図である。
【図6(A)】図6(A)は、フロント・ネット編地とバック・ネット編地とからなる2重ネット編地の実態模式図である。
【図6(B)】図6(B)は、ネット編地の実施例1を示す図6(A)を幾何学模様で示した模式図である。
【図6(C)】図6(C)は、実施例1おける合成ネット目の模式図である。
【図6(D)】図6(D)は、実施例1おける2重ネット編地のダブルラッシェル編地仕様の組織図である。
【図6(E)】図6(E)は、実施例1おけるフロント・ネット編地をシングルラッシェル編地仕様で示した、挿入糸を含めた組織図である。
【図7】図7は、実施例2の1例を示すフロント・ネット編地とバック・ネット編地を幾何学模様で示した模式図である。
【図8(A)】図8(A)は、実施例3におけるバック・ネット編地がフロント・ネット編地のネット目の1/4の大きさである2重ネット編地の幾何学模様で示した模式図である。
【図8(B)】図8(B)は、実施例3におけるバック・ネット編地をシングルラッシェル編地仕様で示した、挿入糸Lを含めた組織図である。
【図9】図9は、本2重ネット編地を編成するダブルラッシェル機の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
本発明の防獣ネット柵は、主としてネット目を有するネット編地2と該ネット編地2を張架するための支持枠1とよりなる。
この防獣ネット柵は、害獣を少なくとも一時的に拘束することができる。
ここで、防獣ネットに使用するネット編地2の詳細については後述することとする。
【0026】
図1は、防獣ネット柵の第1の実施の形態を示す概略図である。
この防獣ネット柵は、矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3よりなる。
ネット編地2の周囲には、ロープ21が取り付けられており、このロープ21の一部を支持枠1の上端に取り付ける。
この場合、支持枠1を構成する2本の支柱11にネット編地2を取り付けることが好ましい。
ネット編地2の前方端を支持枠1から一定距離離れた前方の位置にて、アンカーピン3を使って地面4に打ち込むことでネット編地2は地面4に接地して固定される。
この固定の際は、アンカーピン3の頭でロープ21を地面4に押し付けるようにする。
この状態でネット編地2は、地面4に接地した前方端以外の部分は地面4より浮いた状態にある。
すなわちネット編地2は、その後方端は一定距離の高さにあるが徐々に放物線上に下がり地面4に接地する。
ネット編地2の地面4に沿って浮いた部分のネット目に害獣の脚足が入り易い。
【0027】
なお、ネット編地2に対するロープ21の取付け場所としては、その周囲以外の部分にも取り付けることもある。
また取付けの仕方としては、ネット目にロープ21を挿通させる方法、或いはネット編地2に縫製でロープ21を取り付ける方法等があり、何れを採用してもよい。
これらの点は以下の実施の形態においても同じである。
この状態でネット編地2は、地面4に接地した前方端以外の部分は地面4より浮いた状態にあるので、害獣が脚足でネット編地2の上を踏むと、ネット目に脚足が挿入されて拘束状態となる。
獣がもがいて足を外し逃げたとしても、それが記憶に残り以後近づかない。
【0028】
(第2の実施の形態)
図2は、防獣ネット柵の第2の実施の形態を示す概略図である。
この防獣ネット柵は、矩形のネット編地2の中央部を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3と、ネット編地2の後方端を地面4に固定するアンカーピン3とよりなる。
【0029】
すなわちネット編地2の周囲には、ロープ21が取り付けられており、このネット編地2を支持枠1に取り付ける場合、ネット編地中央部にてロープ21の一部を支持枠1の上端に取り付ける。
この場合、支持枠1を構成する支柱11に横桟を設けそれにネット編地2を渡して取り付けることが好ましい。
ネット編地2の中央部は地面4より一定距離の高さに保持された状態にある。
ネット編地2の前方端や後方端をアンカーピン3を使って支持枠1の一定距離離れた前後方向の位置で地面4に打ち込むことによりネット編地2の前後は地面4に接地して固定される。
この固定の際は、アンカーピン3の頭でロープ21を地面4に押し付けるようにする。
このように側面視で山形状に架設される。
ネット編地2は大部分が地面4にそって地面4より浮いた状態にある。
ネット編地2の中央部後方にも地面4より浮いた状態の部分があるため支持枠1の高さは第1の実施の形態より低くても拘束効果は十分発揮できる。
【0030】
(第3の実施の形態)
図3は、防獣ネット柵の第3の実施の形態を示す概略図である。
この防獣ネット柵は、前記第2の実施の形態においては一定距離の高さに保持された中央部の部分は直線状で極めて面積が小さいが、この実施の形態においては、中央部が一定の面積部分を有する点で異なる。
この場合、支持枠1を構成する4本の支柱11にそれぞれ横桟(すなわち横方向に渡した支柱)を設けそれにネット編地2を渡して取り付けることが好ましい。
丁度、側面視で台形状に架設される。
第2の実施の形態と同様に、一定の面積を有する中央部が地面4より浮いた状態であるため支持枠1の高さを低くしても拘束効果は十分発揮できる。
防獣ネット柵全体の背丈が低くなるので見通しが悪くならない。
【0031】
(第4の実施の形態)
図4は、防獣ネット柵の第4の実施の形態を示す概略図である。
この防獣ネット柵は、矩形のネット編地2の上方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の下方端を地面4に固定するアンカーピン3よりなり、下方端の近くに折り畳み部22を設けた。
【0032】
すなわちネット編地2の周囲には、ロープ21が取り付けられており、このネット編地2の上方部にあるロープ21の一部を支持枠1の上端に取り付ける。
支持枠1によりネット編地2の上方端は地面4より一定距離の高さに保持された状態にある。
また矩形のネット編地2の下方端がアンカーピン3を使って地面4に固定されている。
そして地面4に固定された下方端より上の一定の部分が襞状の折り畳み部22となっている。
この折り畳み部22がいわゆる浮いた状態の部分となる。
この実施の形態の防獣ネット柵は、下方に襞状の折り畳み部22を備えるので、この部分を猪等の害獣の鼻で繰り返し押し上げも力が緩和されてネット編地2に強い張力が発生しない。
従ってネット編地2が破れにくい。
またネット編地の面積が大きいにもかかわらず施工面積が少なくて済む利点がある。
【0033】
(第5の実施の形態)
図5は、防獣ネット柵の第5の実施の形態を示す概略図である。
この防獣ネット柵は、矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の中央部を地面4に固定するアンカーピン3と、ネット編地2の前方端を支持枠1の一定距離離れた前方の位置で、且つ一定高さの位置に固定するアンカーピン3とよりなる。
【0034】
すなわちネット編地2の周囲や中央部にはロープ21が取り付けられており、ネット編地2の後端部のロープ21の一部を支持枠1の上端に取り付ける。
また中央部のロープ21をアンカーピン3を使って地面4に固定する。
この場合、支持枠1を構成する2本の支柱11の上端にネット編地2を取り付けるが、支柱11は上方が屈曲していて前方に張り出している。
従って、ネット編地2は上部が前方に張り出して傾いて張架されることとなる。
害獣がネット編地を踏んでこの部分に達した場合、上方が覆い被さった状態に見えるため恐怖感を与える効果がある。
また前方端は、支持枠1の一定距離離れた前方の位置で、且つ地面4より一定高さの位置にアンカーピン3を使って固定されている。
ネット編地2の中央部から前方端までは一定高さ地面4から浮いた状態にあるため害獣の脚足がネット目に入り易い。この前方端から害獣が潜って入ったとしても中央部の立ち上がりの部分で阻止される。
【0035】
ところで、上述した各実施の形態の防獣ネット柵において使用する編地は、特殊な二重ネット編地を使用している。
すなわちフロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bとが一部で接結され一体となって一枚物の編地となっており、両編地の畝部で生成する新しいネット目を創出するものである。
【0036】
ここで2重ネット編地Dは、図9の断面模式図に示すように、ダブルラッシェル機DRで編成することができる。
フロントニードル部FNでフロント・ネット編地Fを、バックニードル部BNでバック・ネット編地Bが編成される。
本ダブルラッシェル機DRは、ガイドG1〜ガイドG8で構成されるガイド群GLを擁し、それぞれに通糸された編成糸Yで2重ネット編地Dが編成される。
【0037】
以下、この本発明の防獣ネット柵で使用する2重ネット編地Dについて詳しく述べる。
本ネット編地2は、図9の断面模式図に示すようにダブルラッシェル機DRで編成される。
フロントニードル部FNでフロント・ネット編地Fが、バックニードル部BNでバック・ネット編地Bが編成される。
本ダブルラッシェル機DRは、ガイドG1〜ガイドG10で構成されるガイド群GLを擁し、それぞれに通糸された編成糸Yで2重ネット編地2Dが編成される。
【0038】
(ネット編地2の実施例1)
図6(A)は、本発明の防獣ネット柵に使用するネット編地2の実施例1を説明する模式図である。
本ネット編地2はダブルラッシェル地であり、大きくはフロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bで構成されている。
フロント・ネット編地F、バック・ネット編地Bともに多数のひも状の畝部Wを編成し、これを所要箇所、部分的に連結した連結部Rを形成することでネット目Nが形成されている。
ここで、図6(A)に示すネット目Nは、合成ネット目GNとの比較のため、フロント・ネット編地F、並びにバック・ネット編地Bの一部を省略したものを示した。
【0039】
本実施例では、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bは、同一組織でネット目Nの大きさ、形は同じであるが、上下に1/2リピート(図6(B)にPで示す)ずれて編成している。
また、実際には、図6(A)に示すように連結部Rは線状の長さを有していることと畝部Wが剛性を有していることからネット目Nは曲線を描いている。
これを実施例2、3(幾何学模様で説明している)との比較のために幾何学模様で示せば図6(B)に示すようにネット目Nは菱形である。
【0040】
そして、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bは、両編地の畝部Wの所要箇所を部分的に互いに前後接結した接結部Sを設けて接結され全体として一枚物の2重ネット編地2Dとなっている。
接結部Sは図6(A)に黒丸(●)で示すように、規則的に分散して設けられている。
この接結部Sが設けられることで両編地は組織的に一体化され、しかも接結されていない部分(接結部S以外の部分に相当)、つまり遊離部Xがあることにより互いの動きの自由度が確保される。
【0041】
つまり、両編地の相対的な自由な動きにより畝部にズレが生じ、これを編地方向に対して垂直面視した場合、そこに第3のネット目と言うべき合成ネット目GNが発現する。
この合成ネット目GNの出現により、一枚物のネット編地2であっても、フロント・ネット編地Fのネット目やバック・ネット編地Bのネット目にない規格外のネット目を備えることとなる。
一枚物のネット編地2におけるこの合成ネット目GNの発現は、本発明の防獣ネット柵のネット編地2として重要な特徴点である。
【0042】
ここで、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bを接結する接結部についていうと、上述した接結部Sは両編地の畝部W同士の接結例で示したが、他にも両編地の連結部R同士、フロント・ネット編地Fの連結部Rとバック・ネット編地Bの畝部W、フロント・ネット編地Fの畝部Wとバック・ネット編地Bの連結部Rがあり、4つの接結組み合わせがあげられる。
【0043】
図6(C)に、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bの変形による合成ネット目GNを説明する模式図を示している。
本図では、理解を容易にするためにフロント・ネット編地Fのネット目Nはそのままに、バック・ネット編地Bのネット目Nのみの変形を示してネット目Nの変形による合成ネット目GNの形成状態を示している。
実際には、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bのいずれのネット目Nも自在に変形して両者の重なりにより自在な合成ネット目GNを発現する。
すなわちフロント・ネット編地Fの畝部Wとバック・ネット編地Bの畝部Wである前後の畝部により、各本来編地にはない新しい合成ネット目GNが形成され新しい機能が付与されるのである。
合成ネット目GNの形、大きさは、変幻自在で小さなネット目Nから、かなり大きなネット目Nも発現できる。
【0044】
そして、互いの自由な動きによるズレ移動は、接結部S間の間隔を大きくすればするほど大きくなり、変化に富んだ合成ネット目GNが得られる。
しかし、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bの取り扱いの観点から一体化に重きを置く場合には、それに対応した間隔で接結部Sが設けられることが望ましい。
【0045】
図6(D)の(a)、(b)に、実施例1の2重ネット編地2Dの組織図の1例をダブルラッシェル編地仕様の組織図で示す。
本例の2重ネット編地Dにおけるフロント・ネット編地F、並びにバック・ネット編地Bは56コースで1リピートである。
図6(D)の(a)において、連結部R1は、畝部W2と畝部W3を互いに絡ませて形成される。
そして、順次、畝部Wが編成されていき、畝部W2は今度は畝部W1と絡んで、連結部R2を形成する。
このように、畝部W2は、絡む畝部Wを右、左、右・・・と交互にかえていくことにより、本フロント・ネット編地Fは、これを幅方向に拡張した際に菱形となるネット目Nを有することとなる。
【0046】
本発明の2重ネット編地2Dでは、ネット組織地NCに補強糸としての挿入糸Lを挿入した編地を採用している。
図6(D)の(a)、(b)では、挿入糸Lの組織を記載することによる視覚的な理解の低下を防ぐために、挿入糸Lの組織は示していない。
挿入糸Lについては、シングルラッシェル編地仕様の組織図として図6(E)にその挿入状態を示し、その具体的組織については下記に示す。
【0047】
以下、図6(D)の(a)、(b)に示した実施例1の2重ネット編地2Dの組織例をダブルラッシェル編地仕様により、フロント・ネット編地F、並びにバック・ネット編地Bのネット組織NCを、ガイドG3、G4、G5、G6、G7、G8について示す。
【0048】
(ネット編地2の実施例1の2重ネット編地2Dのダブルラッシェル編地仕様組織例)
ガイドG5の組織においては接結部S1を有する。ガイドG4では接結部Sは存在しない。
【0049】
(フロント・ネット編地Fの組織例)
なお、このように表示された編地の仕様組織に基づいて、実際の編地編成が行われる。
以下、同じである。
(接結部S1を有する組織)
G5(2・4/4・4/4・2/4・4/4/6/6・6/6・4/4・4/4/6/6・6/6・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/(2/4/4・4)/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/)
【0050】
(接結部を有しない組織)
G4(2・4/4・4/4・2/4・4/4/6/6・6/6・4/4・4/4/6/6・6/6・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/)
【0051】
G3(4・2/2・2/2・4/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/)
【0052】
(バック・ネット編地Bの組織例)
ガイドG6の組織においては接結部S2を有する。ガイドG5では接結部Sは存在しない。
【0053】
(接結部S2を有する組織)
G6(4・4/4・2/2・2/2・4/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/(4・2/2・2)/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/4・4/4・6/6・6/6・4/4・4/4・6/6・6/6・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4)
【0054】
(接結部を有しない組織)
G7(4・4/4・2/2・2/2・4/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/4・4/4・6/6・6/6・4/4・4/4・6/6・6/6・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4)
【0055】
G8(2・2/2・4/4・4/4・2/4・4/4・6/6・6/6・4/4・4/4・6/6・6/6・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・0/0・0/0・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2/2・2/2・4/4・4/4・2)
【0056】
(ネット編地2の実施例1の2重ネット編地2Dにおけるフロント・ネット編地Fのシングルラッシェル編地仕様の組織例)
シングルラッシェル編地仕様の組織では、接結部Sについては記載しないので、ガイドG5については記載しない。
G4(4・2/2・4/2・0/0・2/2・0/0・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/4・6/6・4/4・6/6・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4)
【0057】
G3(2・4/4・2/4・6/6・4/4・6/6・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/2・0/0・2/2・0/0・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2)
【0058】
G2(4・4/0・0/4・4/0・0/4・4/0・0/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/6・6/2・2/6・6/2・2/6・6/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2)
【0059】
G1(2・2/6・6/2・2/6・6/2・2/6・6/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/0・0/4・4/0・0/4・4/0・0/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4/2・2/4・4)
【0060】
上記の組織でガイドG4、G3、G2、G1を用いてフロント・ネット編地Fを形成するが、同様の手法で、ガイドG7、G8、G9、G10を用いてバック・ネット編地Bを形成する。
そして、両編地を、上記した接結組み合わせに従い、接結部Sを形成して一体化する。
第1の実施の形態においては、1/2リピートの上下ズレで接結しているので、両編地の畝部W同士の接結となり、図6(A)に示す2重ネット編地2Dが得られることとなる。
【0061】
(ネット編地2の実施例2)
図7は、本発明の防獣ネット柵に使用するネット編地2の実施例2を説明する模式図である。
本実施例の2重ネット編地2Dは、上述した実施例1がフロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bの組織が上下に1/2リピートずれているのに対して、ネット目Nの大きさも相対位置も同じである。
図7では、視覚的に理解を容易にするために、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bを少々、ずらして示してあるが、垂直面視した場合、実際には、重なっていてバック・ネット編地Bは見えない状態である。
また、図7ではネット目Nは菱形となっているが、実際には、実施例1の図6(A)に示すように連結部Rは線状の長さを有していることと畝部Wが剛性を有していることから曲線を描いている。
【0062】
フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bが接結部Sで接結されていること、その接結部Sが適宜、分散して設けられていること、両編地の互いの動きに自由度があること、ズレにより合成ネット目GNが発現すること等の本発明の重要な特徴については、第1の実施の形態と同様である。
【0063】
編地の組織については、図6(D)に示した上記実施例1のものと比較して、フロント・ネット編地Fの組織とバック・ネット編地Bの組織が1/2ズレ戻されている組織となる。
接結部Sについては両編地の連結部R同士を接結することで第2の実施の形態のネット編地2が得られる。
【0064】
(ネット編地2の実施例3)
図8(A)は、本発明の防獣ネット柵に使用するネット編地2の実施例3を説明する模式図である。
この実施例3の2重ネット編地2Dは、実施例1や実施例2におけるフロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bのネット目Nの大きさ、形が同一であったのに対して、フロント・ネット編地Fのネット目Nとバック・ネット編地Bのネット目Nの組織が異なり、ネット目Nの大きさが異なる相違点を有する。
図8(A)に示すように、フロント・ネット編地Fのネット目Nに比較して、バック・ネット編地Bのネット目Nは1/4の大きさとなっている。
【0065】
フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bが接結部Sで接結されていること、その接結部Sが適宜、分散して設けられていること、両編地の互いの動きに自由度があること、ズレにより合成ネット目GNが発現すること等の本発明の重要な特徴については、第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様である。
【0066】
編地の組織については、フロント・ネット編地Fは上記した実施例1の実施の形態のネット編地2の組織に比較して接結部Sの組織以外は同一であり、バック・ネット編地Bについては、図8(B)にシングルラッシェル編地仕様の組織図で示すように、フロント・ネット編地Fの1/4の大きさであり、以下のガイドナンバーG7、G8、G9、G10ごとに示した通りである。
シングルラッシェル編地仕様の組織では、接結部Sについては記載しないので、ガイドG8については記載しない。
【0067】
G7(4・2/2・4/4・2/2・0/0・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・6/6・4/4・2/2・4)
【0068】
G8(2・4/4・2/2・4/4・6/6・4/4・2/2・4/4・2/2・4/4・2/2・0/0・2/2・4/4・2)
【0069】
G9(4・4/2・2/6・6/2・2/6・6/2・2/4・4/2・2/4・4/0・0/4・4/0・0/4・4/2・2)
【0070】
G10(2・2/4・4/0・0/4・4/0・0/4・4/2・2/4・4/2・2/6・6/2・2/6・6/2・2/4・4)
【0071】
上記の組織でガイドG7、G8、G9、G10を用いてバック・ネット編地Bを形成する。
これとフロント・ネット編地Fを、両編地の選択された連結部R同士で接結して一体化する。
接結部Sの形成箇所は、図8(A)に示すように、フロント・ネット編地Fの連結部Rの一つ飛びの箇所とし、遊離部Xを形成して、ズレの自由度を持たせている。
【0072】
以上、本発明の防獣ネット柵の実施の形態、また防獣ネット柵に使用するネット編地2の実施例を例に説明したが、本発明は要旨の変更のない限り、実施の形態、実施例にのみ限定されるものではなく多様な変形例が可能である。
例えば、防獣ネット柵の支持枠1である支柱11や横桟の本数や形、それらの組み合わせは自由である。
【0073】
また第5の実施の形態においてこの場合、支持枠1を構成する2本の支柱11にを取り付けることが好ましい。
またネット編地2の前方端を支持枠1の一定距離離れた前方の位置で地面4にアンカーピン3を使って接地固定させておくことも可能である。その場合は、害獣の潜り込みは確実に防止される。
【0074】
また、防獣ネット柵に使用するネット編地2でいうと、例えば、フロント・ネット編地Fやバック・ネット編地Bのネット目形状を菱形のような規則的なものからランダムなネット目形状にして更に合成ネット目GNの変化を得ることが可能となる。
また、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bの接結についても接結部Sを不規則に散在させることで両編地のズレの自由度に多様な変化を付与することが可能となる。
更には、フロント・ネット編地F、バック・ネット編地Bの組織に関し、必要に応じて補強のための挿入糸を使用することや畝部Wを幅広の形状にすることなども当然可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の防獣ネット柵は、ネット編地2が一部において地面4より浮いた状態にあり、防獣機能が極めて優れている。
またネット編地2も特殊なものを使っているので、フロント・ネット編地Fの畝部とバック・ネット編地Bの畝部である前後の畝部により各本来編地にはない新しい合成ネット目が形成されるという特徴もある。
この特徴を適用する限り、防獣ネット柵に限らず、土砂崩れ防止ネット、河川法面形成材、土砂積載袋等の産業用資材用に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…支持枠
11…支柱
2…ネット編地
21…ロープ
22…折り畳み部
3…アンカーピン
2D…2重ネット編地
F…フロント・ネット編地
B…バック・ネット編地
W…畝部
W1…畝部
W2… 畝部
W3 …畝部
W4…畝部
N…ネット目
NC…ネット組織地
L…挿入糸
GN…合成ネット目
R…連結部
R1… 連結部
R2… 連結部
R3… 連結部
R4…連結部
S…接結部
S1…フロント・ネット編地Fの接結部
S2…バック・ネット編地Bの接結部
X…遊離部
DR…ダブルラッシェル機
FN…フロントニードル部
BN…バックニードル部
G1〜G10… ガイド
GL… ガイド群
Y…編成糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
害獣を拘束するネット目を有する防獣ネット柵であって、ネット編地2と該ネット編地2を張架するために支持する支持枠1とよりなり、ネット編地2が一部において地面4より浮いた状態にあることを特徴とする防獣ネット柵。
【請求項2】
矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する第1支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3よりなり、前方端以外のネット編地2は地面4より浮いた状態にあることを特徴とする請求項1記載の防獣ネット柵。
【請求項3】
矩形のネット編地2の中央部を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3と、矩形のネット編地2の後方端を地面4に固定するアンカーピン3とよりなり、ネット編地2は前方端及び後方端以外は地面4より浮いた状態にあることを特徴とする請求項2記載の防獣ネット柵。
【請求項4】
中央部の一定の面積部分を地面4より一定距離の高さに保持することを特徴とする請求項3記載の防獣ネット柵。
【請求項5】
矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の前方端を地面4に固定するアンカーピン3よりなり、前方端の近くに折り畳み部を設けたことを特徴とする請求項1記載の防獣ネット柵。
【請求項6】
矩形のネット編地2の後方端を地面4より一定距離の高さに保持する支持枠1と矩形のネット編地2の中央部を地面4に固定するアンカーピン3と、前方端を支持枠1の一定距離離れた前方の位置で、且つ一定高さの位置に固定するアンカーピン3とよりなり、中央部以外は地面4から浮いた状態にあることを特徴とする請求項1記載の防獣ネット柵。
【請求項7】
ネット編地2がフロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bとよりなり、それらが畝部Wを部分的に連結した連結部Rを形成することで得られるネット目Nを有し、フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bの畝部が部分的に前後互いに接結される接結部Sを形成して前記両編地が一体化され、しかも、前記接結部以外は互いに遊離している遊離部Xを有していることを特徴とする請求項1〜6から選ばれた1記載の防獣ネット柵。
【請求項8】
フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bのネット目が異なることを特徴とする請求項7記載の防獣ネット柵。
【請求項9】
フロント・ネット編地Fとバック・ネット編地Bを形成する編成糸の素材、並びに物性値が異なることを特徴とする請求項7記載の防獣ネット柵。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図6(C)】
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【図6(D)】
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【図6(E)】
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【図7】
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【図8(A)】
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【図8(B)】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−152060(P2011−152060A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14442(P2010−14442)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000201490)前田工繊株式会社 (118)
【Fターム(参考)】