説明

防護手袋

【課題】ガス状又は液状有機化学物質及び有害な微粉塵、細菌、ウィルス等から作業者の指先又は手部を有効に防護し得ると共に、軽量かつ指先操作性が良好で、手の蒸れ感を抑制できる防護手袋を提供する。
【解決手段】平均単繊維直径が1〜1000nmである粒子除去層とガス吸着層をそれぞれ少なくとも1層以上有し、かつ手袋の内側から見て、ガス吸着層の外側には少なくとも1層以上の粒子除去層を配置し、粒子除去層とガス吸着層の積層体の厚さが2.0mm以下であり、かつ手袋の縫い目部分が有機化学物質に対して透過抑制性の樹脂でシール加工されてなる防護手袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害化学物質の取り扱い作業者等が使用する手袋に関する。更に詳しくは、有機リン系化合物等の如く皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼすガス状又は液状有機化学物質及び有害な微粉塵、細菌、ウィルス等から作業者の指先又は手部を有効に防護し得ると共に、軽量かつ指先操作性が良好で且つ通気性を有し、着用者の手の蒸れ感を抑制できる防護手袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有害化学物質などから指先や手部を保護する防護手袋としては、従来から提案されている。例えばゴム曳き布のように、有害化学物質が全く透過しない材料で構成されたものがあり防護性能に優れている。しかし、この場合、生地のごわつき感により指先操作性が劣り、また通気性および透湿度が全くないため、酷暑環境下や過酷な肉体労働環境下で作業すると手袋内部が汗で蒸れ不快となる問題が有る。
【0003】
一方、通気性があり活性炭等の吸着材料を含む布帛を使用した防護手袋に関しても例示されている。それらは通気性により手から発散される汗や水蒸気を効果的に衣服外に放出し、蒸れ感を抑制することができるが、液状の有機化学物質、有害な微粉塵、細菌、ウィルス等のエアロゾルに対して完全な防護性を得ることが出来ない問題が有る(例えば、特許文献1)。
【0004】
また液体遮断性でありながら水蒸気透過性のあるフィルムを具備する、蒸れ感の少ない防護手袋についても開示されているが、ガス状の有機化学物質についての防護性については明記されておらず、一般的な水蒸気透過性を有するフィルムについては、ガス状の有機化学物質の侵入を招き、着用者の手部を保護できない可能性が高い(例えば、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開平8−218210号公報
【特許文献2】特開2005−29938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、ガス状有機化学物質だけでなく、液状有機化学物質、有害なエアロゾルや微粉塵等に対しても防護性を有し、軽量で指先操作性が良好で、かつ通気性を有する蒸れ感の少ない防護手袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.平均単繊維直径が1〜1000nmである粒子除去層とガス吸着層をそれぞれ少なくとも1層以上有し、且つ手袋の内側から見て、ガス吸着層の外側には少なくとも1層以上の粒子除去層を配置し、粒子除去層とガス吸着層の積層体の厚さが2.0mm以下であり、かつ手袋の縫い目部分が有機化学物質に対して透過抑制性の樹脂でシール加工されてなる防護手袋。
2.粒子除去層の透湿性が83g/m・h以上である上記1に記載の防護手袋。
3.粒子除去層が有機繊維からなる上記1または2に記載の防護手袋。
4.ガス吸着層が繊維状活性炭織物、編物もしくは不織布状である上記1〜3のいずれかに記載の防護手袋。
5.外層付加層および/または内層付加層を付与した上記1〜4のいずれかに記載の防護手袋。
6.外層付加層の掌部に天然皮革、人工皮革、織物、編物、フェルトから選ばれる滑り止め(保護層)が貼り付けられている上記1〜5のいずれかに記載の防護手袋。
【発明の効果】
【0008】
本発明による防護手袋は、粒子除去層とガス吸着層を有する防護材料からなり、ガス状、液状の有機化学物質及び有毒なエアロゾルや微粉塵等に対して防護性を有するとともに、透湿性に優れ、手袋の内側の蒸れを抑制でき、指先操作性にも優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防護手袋に用いる粒子除去層の平均単繊維直径は、1000nm以下であることが好ましい。平均単繊維直径が1000nm以下とすることにより、薄くても高い捕集効率を有する粒子除去層が得られ、着用者は指先操作性が良く、蒸れにくいという高いレベルの快適性と安全性、防護性を両立することができるからである。より好ましくは500nm以下である。
また、本発明の防護手袋に用いる粒子除去層の平均単繊維直径は1nm以上であることが好ましい。1nmを下回ると繊維化が困難となるのみならず、フィルムに近い物性となり、実用可能な強度と通気性・透湿性を有する粒子除去層を得ることが困難となるからである。より好ましくは10nm以上である。
【0010】
粒子除去層の素材としては、特に限定されるものではなくレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテート、トリアセテート、ナイロン、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、アクリル系、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリクラール、ポリアリレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリプロピレン、等が挙げられ、不織布形状のものが粒子除去層としては好ましい形態である。また、これらの材料を単独、混合、あるいは順次他の補強基材と積層して皮膜を形成しても良い。
【0011】
粒子除去層として通気性と捕集効率等のバランスから鑑みるとナイロン、ポリウレタン、ポリカーボネートが好ましい。その中でも、手袋に適用する際、着用感という点でポリウレタンが最も好ましい。
【0012】
本発明の防護手袋に用いる粒子除去層は、不織布形状であることが好ましい。不織布形状であれば、優れた粒子除去性能を付与できると共に、柔軟性・伸張性のバランスに優れ、指先操作性が良く、着用感を良くすることができるからである。また、これらの材料を単独、混合、あるいは順次他の補強基材と積層して皮膜を形成するのも好ましい形態の一つである。
【0013】
上記の不織布状粒子除去層の製法としては特に限定されるものではなく、公知の湿式法、乾式法、メルトブローン法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、エレクトロスピニング法、複合繊維分割法等が挙げられるが、圧力損失が低く、微細な繊維径で粒子除去率の高い不織布が製造できる点からエレクトロスピニング法が好ましい。
ここでいうエレクトロンスピニング法とは、溶液紡糸の一種であり、ポリマー溶液にプラスの高電圧を与え、それがアースやマイナスに帯電した表面にスプレーされる過程で繊維化を起こさせる手法である。
【0014】
本発明の防護手袋に用いる粒子除去層の目付は、100g/m以下であることが好ましい。100g/m以下であれば、後述するガス吸着層と積層しても、軽量性・指先操作性を損なわないためである。
【0015】
本発明の防護手袋に用いる粒子除去層の厚さとしては、0.1μm以上1mm以下であることが好ましい。かかる範囲とすることにより、強度と通気性、柔軟性のバランスに優れた防護手袋が得られるからである。より好ましくは0.5μm以上0.5mm以下である。
【0016】
本発明の防護手袋に用いる粒子除去層の通気性は、JIS L−1018 8.33に記載の方法による通気性試験で0.1cm/cm・sec以上が好ましく、1cm/cm・sec以上であることがより好ましい。0.1cm/cm・sec以下であると通気性が小さく、防護手袋に用いた場合、汗・蒸気を有効に外部へ放出できず着用感が悪くなる。
【0017】
本発明の防護手袋に用いる粒子除去層の透湿性は、83g/m・h以上であることが好ましく、167g/m・h以上であることがより好ましい。83g/m・h以下では着用者から発する汗・蒸気を有効に外部へ放出できず着用感が悪くなる。
【0018】
粒子除去層は単独で用いても構わないが、補強あるいは保護のために通気性のある基材と複合するのも好ましい形態の一つである。基材の通気性については、粒子除去層の通気性能を損なわないために10cm/cm・sec以上、好ましくは20cm/cm・sec以上であることが好ましい。強度を維持しながら軽量で柔軟な防護手袋とするには、基材の厚さは0.05mm以上1.00mm以下が好ましい。基材にはシート状繊維集合体あるいは通気性のある微多孔フィルム又は膜を用いることが出来る。
シート状繊維集合体としては綿、麻、毛、絹等の天然繊維、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ナイロン、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、アクリル系、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリクラール、ポリアリレート、ポリベンザゾール、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド等の合成繊維からなる織物、編物、不織布等が挙げられる。これら繊維は単独あるいは混紡、交織、交編等により組み合わせてシート状繊維集合体としても良い。通気性のある微多孔フィルム又は膜としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、共重合ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、アクリレート等のシート状物が挙げられる。これらの材料を単独、混合、あるいは順次コーティングおよび積層して皮膜を形成しても構わない。
【0019】
本発明では、上記の基材に後加工、例えば撥水撥油加工、難燃加工等を施しておいてもよい。撥水剤はフッ素系、ポリシロキサン系、パラフィン系等、特に限定されるものではない。
【0020】
粒子除去層を基材と複合させる場合、通気性の低下を防ぎ且つ柔軟性を維持したうえでラミネート法により積層できる。粒子除去層と基材の間をポリウレタン系あるいはアクリル酸エステル系エマルジョンで接着する場合や粒子除去層あるいは基材の一部を溶着あるいは融着する場合は全面接着するのではなくドット状に部分接着することが好ましい。低融点の共重合ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンから成る低目付の不織布、網状体あるいは粉体を介して熱接着することも可能である。本願発明で用いる接着剤は、不織布状であることが好ましい。粒子状であれば均一塗布が困難であるため、少量で接着すると、基材との接着ができず、また、多量に使用すると硬くなる。
また、直接エレクトロスピング法等により基材にコーティングする方法は、接着剤を必要としないことから通気性の低下を最小限に抑えることが出来、極めて有効な手段となる。
【0021】
また、外部から侵入する液状有機化学物質や体から放出される汗などで粒子除去層が濡れて捕集効率が低下するのを防ぐために、粒子除去層に撥水性や撥油性を付与することは有効な手段である。粒子除去層に撥水性、撥油性を付与する方法としては、通常スプレーによる噴霧や含浸加工などが考えられるが、均一性を考えると含浸加工が好ましい。撥水剤や撥油剤としてはフッ素樹脂系、シリコン樹脂系、ワックス系、セルロース反応系等特に限定されるものではない。
尚、シートの撥水度としてはJIS L−1092に記載の6.2スプレー試験で2以上、より好ましくは4以上である。又、シートの撥油度としてはAATCC Test Method 118で2級以上、より好ましくは4級以上である。
【0022】
本発明の防護手袋材料は、10cm/secの通気線速における0.3μm以上の粒子状物質の捕集効率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上である。かかる粒子除去層を設けることにより、有害なミストや微粉塵から人体を有効に防護できるからである。
【0023】
本発明の防護手袋材料は、ガス状有機化学物質を吸着し得るガス吸着層を少なくとも1層以上有することが好ましい。上記粒子除去層では防げない有毒ガスの侵入を防止することができるためである。
【0024】
ここでいうガス状有機化学物質とは炭素元素を1つ以上持つガス状化合物のことである。50以上の比較的大きな分子量をもち、活性炭等のガス吸着性物質が吸着可能なガス状化学物質である。一例を挙げると、農薬、殺虫剤、除草剤に使用される有機リン系化合物や塗装作業などに使用されるトルエン、塩化メチレン、クロロホルムなどの一般的な有機溶剤があげられる。
【0025】
本発明に使用するガス吸着層としては、活性炭やカーボンブラックなどの炭素系吸着材、あるいは、シリカゲル、ゼオライト系吸着材、炭化ケイ素、活性アルミナなどの無機系吸着材から対象とする被吸着物質に応じ適宜選定することができる。その中でも広範囲なガスに対応できる活性炭は好ましく、特に吸着速度や吸着容量が大きく少量の使用で効果的な透過抑制性が得られることから繊維状活性炭がより好ましい。
【0026】
活性炭の平均細孔直径としては200nm以下が好ましい。平均細孔直径が200nmより大きくなると吸着したガス状有機化学物質が脱離しやすくなるからである。
【0027】
活性炭の細孔容積は0.25cc/g以上が好ましく、より好ましくは0.3cc/g以上である。細孔容積が0.25cc/g未満であると十分な防護性能を得るために多くの活性炭が必要となり、防護手袋が重くなるからである。
【0028】
活性炭のBET比表面積としては700m/g以上3000m/g以下が好ましく、少量の使用で十分な透過抑制性を得るためには、1000m/g以上2500m/g以下がさらに好ましい。BET比表面積が700m/g未満であると十分な防護性を得るために多くの活性炭が必要となり材料が重くなる。一方、3000m/gより大きくなると吸着したガス状有機化学物質を脱離する問題が起こるためである。
【0029】
活性炭の目付としては20g/m以上200g/m以下が好ましく、さらに好ましくは50g/m以上150g/m以下であることが好ましい。20g/m未満であると、吸着できる容量が小さくなり使用時間が制限される。一方200g/mより大きくなると材料が重く、厚くなり指先操作性が悪くなる問題が有る。
【0030】
少量の使用で効果的な透過抑制性を得るために繊維状の活性炭を使用する方法は有効な手段であるが、その際、使用する繊維状活性炭の原料としては、綿、麻といった天然セルロース繊維の他、レーヨン、ポリノジック、溶剤紡糸法によるといった再生セルロース繊維、さらにはポリビニルアルコール繊維、アクリル系繊維、芳香族ポリアミド繊維、リグニン繊維、フェノール繊維、石油ピッチ繊維等の合成繊維が挙げられるが、得られる繊維状活性炭の物性(強度等)や吸着性能から再生セルロース繊維、フェノール系繊維、アクリル系繊維が好ましい。これらの原料繊維の短繊維あるいは長繊維を用いて製織、製編、不織布化した布帛を必要に応じて適当な耐炎化剤を含有させた後、450℃以下の温度で耐炎化処理を施し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭化賦活する公知の方法によって繊維状活性炭を製造することができる。
【0031】
繊維状活性炭をシート化する方法としては、シート基材にガス吸着性物質をバインダーにより接着する方法、あるいは吸着剤を適当なパルプおよびバインダーを含めスラリー状とし、湿式抄紙機により抄造する方法、あるいは活性炭素繊維の原料繊維をあらかじめ製織、製編、不織布化し、必要に応じて耐炎化処理したのち炭化・賦活する公知の方法により吸着シートを得ることができる。
【0032】
したがって、繊維状活性炭シートの形態としては、織物状、編物状、不織布状、フェルト状、紙状、フィルム状などあげられるが、手袋装着時の指先操作性、柔軟性、積層の容易性から織物状、編物状であることが好ましい。
【0033】
また、外部から侵入する液状有機化学物質や体から放出される汗などで活性炭層が濡れて吸着性能が低下するのを防ぐために、活性炭層に撥水性や撥油性を付与することは有効な手段である。活性炭に撥水性、撥油性を付与する方法としては、通常スプレーによる噴霧や含浸加工などが考えられるが、均一性を考えると含浸加工が好ましい。撥水剤や撥油剤としてはフッ素樹脂系、シリコン樹脂系、ワックス系、セルロース反応系等特に限定されるものではなく、添着量は固形分として0.1〜15目付%、好ましくは0.5〜5目付%が好ましい。添着量が0.1目付%以下では撥水性、撥油度が低く、15目付%以上であればガス吸着層の吸着性能が低下するためである。
尚、シートの撥水度としてはJIS L−1092に記載の6.2スプレー試験で2以上、より好ましくは4以上である。又、シートの撥油度としてはAATCC Test Method 118で2級以上、より好ましくは4級以上である。
【0034】
粒子除去層とガス吸着層の積層手段としては、以下の方法が上げられる。第1の方法としては、粒子除去層にシート状または粒状または粉状のガス吸着性物質を接着剤により接着する。第2の方法は、接着せずに縫製し、フラシの形状を作ることも可能である。第3の方法としては、あらかじめ作製したガス吸着層にエレクトロスピニング法等により直接塗布し、粒子除去層を形成させる方法がある。第2、3の積層方法であると接着剤等を使用することなく積層が可能であり、ガス吸着層の吸着容量を下げないこと、軽量な防護手袋材料となることからフラシの形状とする方法、直接塗布する積層方法がより好ましい。
【0035】
上記記載の第1の方法で使用する接着剤としては、ウレタン系、ビニルアルコール系、エステル系、エポキシ系、塩ビ系、オレフィン系など挙げられるが、積層による通気性の低下を抑制するためには透湿性の接着剤であるウレタン系、ビニルアルコール系、エステル系が好ましい。
【0036】
また、使用する接着剤のメルトインデックスとしては、200g/10min以下が好ましく、150g/10min以下であることがより好ましい。200g/10min以下とすることにより接着の際、ガス吸着性物質の表面を接着剤が被覆する面積が小さくなり積層によるガス吸着性能の低下を抑制することができ、また、粒子除去層の通気性、透湿性の低下も抑制可能となる。
【0037】
本願発明で用いる接着剤は、不織布状であることが好ましい。粒子であれば均一塗布が困難であるため、少量で接着すると、吸着剤を固着できず、また多量に使用すると硬くなり、更には吸着性能低下を招来する。またフィルムであれば通気性が低下するからである。
【0038】
粒子除去層およびガス吸着層の層数は、それぞれ少なくとも1層は必要であるが、柔軟性を高める目的や対象ガスが複数にわたるときなどは、粒子除去層とガス吸着層をそれぞれ必要数選定し重ね合わせて使用することは有効な手段である。
【0039】
粒子除去層とガス吸着層の積層順序としては、特に限定されるものではないが、ガス吸着層の寿命を考えると、衣服の内側から見てガス吸着層の外側に少なくとも1層の粒子除去層があることが好ましい。また、粒子除去層を複数用いる場合は、ガス吸着層を保護するために、粒子除去層によりガス吸着層を挟み込む構造としてもよい。
【0040】
粒子除去層とガス吸着層からなる積層体の目付としては、300g/m以下が好ましく、250g/m以下がより好ましい。300g/mを超えると着用者の手から発散される汗・蒸気を発散されにくく、また指先操作性も悪くなる。
【0041】
また、外部から侵入する液状有機化学物質に対しては、耐液性のある不織布および吸油性の紙等を粒子除去層の外側もしくは粒子除去層とガス吸着層との間に挟み込むことは有効な手段となる。使用する不織布、紙等の材質としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等、特に限定されるものではない。
【0042】
図1に示すように粒子除去層とガス吸着層からなる積層材料の最も外側に外層付加層を設けることが好ましい。外層付加層の目的としては、外部から与えられる機械的な力から粒子除去層およびガス吸着層を保護すること、機械的強度を補うことであり、撥水性と撥油性が付与されている織物、編物あるいは不織布などが好ましい。外層付加層の素材としては、織物、編物及び不織布形態をとれるものは、限定無く使用可能であり、綿、ナイロン、芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリベンズアゾール系繊維、フッ素系繊維等が使用可能である。
【0043】
外層付加層としては、JIS L−1092に記載の6.2スプレー試験を実施した場合の撥水度が4以上、AATCC Test Method 118による撥油度が4級以上である織物、編物、または不織布などが好適に用いることができるが、柔軟性を考慮したものの使用が推奨される。
粒子除去層とガス吸着層からなる積層材料と外層付加層とは、あらかじめ接着剤により接着されている形態でもよいし、柔軟性を考慮し、接着せずに重ね合わせた状態で縫製加工し、手袋を作製してもよい。更に必要に応じて外層付加層へ別の織物、編物、天然皮革、人工皮革、フェルトなどを積層し、滑り止め等を付与しても良い。
【0044】
図1に示すように粒子除去層とガス吸着層からなる積層材料の最も内側に内層付加層を設けることが好ましい。内層付加層としては、織物、編物、不織布、開孔フィルム等の材料があげられるが、通気性や柔軟性の面から粗い密度で製織あるいは製編された織物あるいは編物が好ましい。
内層付加層の目的としては、外部から与えられる機械的な力からガス吸着性物質及び粒子除去層を保護する役割と、着用者の手から発散される汗によるべたつき感を抑制する役割である。
【0045】
内層付加層とガス吸着層をあらかじめキルティングにより積層することは、積層によるガス吸着層の性能低下を抑え、より柔軟な積層材料を得るのに有効な手段である。
【0046】
外層付加層および/または内層付加層を付与した積層体の目付としては、500g/m以下が好ましく、さらに好ましくは450g/m以下である。500g/mを超えると材料が厚くなり、指先操作性が低下する原因となるためである。
【0047】
また、本発明の手袋素材の厚さとしては、3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下であることが好ましい。3.0mmを超えると、指先操作性が低下するうえ、堅くなり本目的とする手袋材料には適さないためである。
【0048】
上記の材料で手袋を作製する方法は、例えば、透湿膜層、ガス吸着層及び内層付加層の積層体を手型に裁断し、2枚の外周部を熱融着法や縫糸で縫製し、防護性のあるシールテープにより縫製部にシール加工を施す方法によりあらかじめ内側の手袋を作製した後、外層付加層についても、同様に、手型に裁断した2枚を縫製・シール加工して手袋とし、重ねる合わせ手袋とする方法がある。また、外層付加層、透湿膜層とガス吸着層の積層体及び内層付加層をそれぞれ単独で手袋にし、ついでこれらを接着させることなく重ね合わせて3層構造の手袋としても良い。また、それぞれの素材を全て接着させた後、手袋とする方法でも良い。また、内層付加層を具備していない、外層付加層と透湿膜層とガス吸着層からなる手袋でも構わない。
【0049】
防護手袋は、縫い目からのガス状・液状化学物質の浸透や有害な微粉塵、細菌、ウィルスなどのエアロゾルの進入を防止し、かつ通気性や柔軟性を考慮する目的から、フラシ縫いで縫製することが好ましく、さらに縫い目からの浸透を防止するために、縫い目をシール加工することがより好ましい。
【0050】
シール加工には、シール部分からのガス状、液状化学物質の浸透を防止するために透過抑制性能がある膜素材を使用したシールテープで目止めすることが必要である。シールテープはガス透過抑制層と接着層を含む2層以上からなり、接着層に使用する樹脂としては、低温(100℃以下の温度)で接着できるホットメルト樹脂や湿気硬化型の接着剤を用いることが加工性の点で好ましく、加工後のシールテープの剥離性を考慮して硬化型の接着剤を用いることがより好ましい。又、樹脂の種類は縫い目のシールができるものであれば特に限定されないが、柔軟性、接着性、透湿性の点でポリウレタン系樹脂が好ましい。
シール加工の方法は、縫い目部分に接着剤を塗布後にラミネートする方法などを採用できるが、上記樹脂で予め作成したフィルムやテープをシール材として使用する方法が、作業性の点で好ましい。
【0051】
上記で述べた方法により作製した防護手袋は、手袋を装着した状態での手袋の外側から内側へのガス透過性が1%未満であることが好ましく、0.1%未満であることがより好ましい。1%以上になると人体に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
又、該防護手袋は、手袋を装着した状態での手袋の外側から内側への粒子捕集効率が90%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。90%未満になるとウイルスや細菌などが人体に悪影響を及ぼす可能性があるためである。
【実施例】
【0052】
次に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、本発明で得られた各種評価、試験値は以下に記す方法によるものである。
【0053】
(ガス透過性試験法):
試験装置:図2に示したガス透過性試験装置を使用し、以下の(1)〜(3)の手順で実施した。
(1)1m(幅1×奥行き1×高さ1(m))チャンバー内に防護手袋を装着した手型マネキンを設置し、手袋内・外のガス透過濃度を計測できるようにサンプリングチューブを接続する(尚、手型マネキンと手袋の裾部分に隙間ができないようにビニールテープで完全に密封する)。
(2)ガス洗浄瓶(アズワン社製)中にトルエン特級試薬(ナカライテスク社)を入れ、乾燥窒素でバブリングしたトルエン含有窒素を、チャンバー内に一定時間送気した。このときのトルエンガス初期濃度は約1000ppmとなるように調整する。
(3)防護手袋の内側と外側のガスを一定時間毎にシリンジでサンプリングし、ガスクロマトグラフィ(HP社 HP6890)で測定し、ガス透過性を下記式で算出し、24hrの平均値を求める。
ガス透過性(%)=(手袋内側ガス濃度/手袋外側ガス濃度)×100
【0054】
(粒子捕集効率測定法):
試験装置:図3に示した粒子捕集効率測定装置を使用し、以下の(1)〜(4)の手順で測定した。
(1)1m(幅1×奥行き1×高さ1(m))チャンバー内に防護手袋を装着した手型マネキンを設置し、手袋内・外の粒子個数を計測できるようにサンプリングチューブを粒子計測器(株式会社RION製KC−14)に接続する(尚、手型マネキンと手袋の裾部分に隙間ができないようにビニールテープで完全に密封する。)。
(2)BOX内の大気塵をHEPAフィルターで完全に除去する。
(3)ラスキン・ノズル式粒子発生装置及びディフュージョンドライヤー(TSI社製モデル306200)を用いてNaCl粒子をチャンバー内に発生させた。このときのNaCl粒子は平均粒子径0.1μmで、粒子濃度は約50000(個/10−2CF)となるように調整する。
(4)防護手袋の内側と外側の0.3μm以上のNaCl粒子個数を上記測定装置で計測し、粒子捕集効率を下記式で算出する。
粒子捕集効率(%)=(1−手袋内側粒子個数/手袋外側粒子個数)×100
【0055】
(透湿性):
JIS L−1099 塩化カルシウム法による。
【0056】
(BET比表面積):
BET比表面積は、液体窒素の沸点(−195.8℃)雰囲気下、相対圧力0.0〜0.15の範囲で上昇させたときの試料への窒素吸着量を数点測定し、BETプロットにより試料単位目付あたりの表面積(m/g)を求めた。
【0057】
(細孔容積):
細孔容積は、相対圧0.95における窒素ガスの気体吸着法により測定した。
【0058】
(平均細孔直径):
平均細孔直径は、以下の式で求めた。
dp=4000Vp/S(ただし、dp:平均細孔直径(nm))
Vp:細孔容積(cc/g)
S:BET比表面積(m/g)
【0059】
(平均単繊維直径):
平均単繊維直径は走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影を行い、5000倍または10000倍のSEM画像に映し出された多数の繊維からランダムに20本の繊維を選び、単繊維直径を測定する。測定した20本の単繊維直径の平均値を算出し、平均単繊維直径とした。
【0060】
(質量(目付)):
JIS L−1018 8.4及びJIS L−1096 8.4による。
【0061】
(厚さ):
JIS L−1018 8.5及びJIS L−1096 8.5による。
【0062】
(メルトインデックス):
JIS K−7210による。
【0063】
(指先操作性):
手袋を装着した状態で紙を捲る動作を行い、アンケート調査から判定を行った。
【0064】
(蒸れ感):
手袋を1h装着した後の蒸れ感をアンケート調査から判定を行った。
【0065】
[製造例]
(ガス吸着層製造例)
ガス吸着層として繊維状活性炭編物を以下の方法で作製した。単糸2.2デシテックス20番手のノボラック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる目付200g/mのフライス編物を400℃の不活性雰囲気中で30分間加熱し、次に870℃まで30分間、不活性雰囲気中で加熱し炭化を進行させ、次に水蒸気を12容量%含有する雰囲気中、870℃の温度で2時間賦活した。得られた編物状の繊維状活性炭の絶乾目付は105g/m、比表面積1400m/g、厚さ1.15mmであった。
【0066】
(外層付加層製造例)
外層付加層を以下の方法で作製した。綿糸40番手を使った平織物に、フッ素系撥水・撥油加工を施し、樹脂固形分で0.54目付%付着した。得られた織物は、厚さ0.30mm、目付118g/m、剛軟度0.56gf・cmで、通気性は水位計1.27cmの圧力差で80cm/cm・s、撥水度は5、撥油度は6級であった。
【0067】
(内層付加層製造例)
内層付加層を以下の方法で作製した。28ゲージ2枚筬トリコット機により、フロント筬にポリエステルフィラメント(82.5dtex、36フィラメント)を、またバック筬にポリエステルフィラメント(22dtex、モノフィラメント)を各々セットして、フロント1−2/1−0、バック1−0/2−3の組織で経編地を編成後、定法により精練し、更に分散染料により染色した。このようにして得られた編地は、厚さ0.32mm、目付60g/m、通気性は水位計1.27cmの圧力差で700cm/cm・s、撥水度5、撥油度6級であった。
【0068】
[実施例1]
粒子除去層としてポリアクリロニトリル樹脂からなる平均単繊維直径が250nmである目付2g/m、厚み0.01mm、通気性は水位差計1.27cmの圧力差で3cm/cm・sec、透湿性456g/m・hの不織布を使用した。該粒子除去層と前記ガス吸着層及び前記内層付加層を、目付10g/m、メルトインデックス60g/10minの通気性不織布状ホットメルト接着剤(呉羽テック株式会社製 ダイナック)で接着し積層体とした。その積層体を手袋の形状に裁断・縫製した後、その縫い目部分を下記のシール加工方法で目止めし内手袋とした。
シール加工方法:
シールテープ用の選択透過膜としてクラレ株式会社製のエバールEF−XLを使用した。エバールEF−XLの厚さは12μm、質量は15g/mであった。
前記選択透過膜上に固形分30目付%の硬化透湿型ポリウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製 サンプレンLQ120)を流延し、コーターにより膜厚を調整しながら塗工し、100℃で乾燥させた。該シールテープを幅20mmに裁断し、手袋の縫い目上に該シールテープを接着面が下になるように載せて圧着後、60℃、RH95%の条件下で24hr湿気硬化させた。
また、前記外層付加層を手袋の形状に裁断し、フラシ縫いで縫製し、さらに前記と同様にシール加工を施して外手袋とした。これらの内手袋と外手袋を重ね合わせることにより防護手袋とした。なお、防護手袋の材料は、目付355g/m、厚さ1.88mm、透湿度437g/m・hであった。この防護手袋を用いた時のガス透過性試験結果、粒子捕集効率測定結果、透湿性、蒸れ感の結果をそれぞれ表1に示す。
【0069】
[実施例2]
粒子除去層としてポリウレタン樹脂からなる平均単繊維直径が350nmあり、目付10g/m、厚み0.01mm、通気性は水位差計1.27cmの圧力差で1cm/cm・sec、透湿性388g/m・hの不織布を使用した以外は、実施例1と同様の方法で手袋を作製した。該防護手袋の材料は、目付364g/m、厚さ1.88mm、透湿度366g/m・hであった。この防護手袋を用いた時のガス透過性試験結果、粒子捕集効率測定結果、透湿性、蒸れ感の結果をそれぞれ表1に示す。
【0070】
[比較例1]
粒子除去層として平均単繊維直径が4μmであり、目付30g/m、厚さ0.20mm、透湿度458g/m・hのメルトブローン不織布を使用した以外は実施例1と同様の方法で防護手袋を作製した。該防護手袋の材料は、目付383g/m、厚さ2.07mm、透湿度441g/m・hであった。この防護手袋を用いた時のガス透過性試験結果、粒子捕集効率測定結果、透湿性、蒸れ感の結果をそれぞれ表1に示す。
【0071】
[比較例2]
実施例1において、ガス吸着層を除いた積層体で防護手袋を作製した。該防護手袋の材料は、目付198g/m、厚さ0.71mm、透湿度452g/m・hであった。この防護手袋を用いた時のガス透過性試験結果、粒子捕集効率測定結果、透湿性、蒸れ感の結果をそれぞれ表1に示す。
【0072】
[比較例3]
実施例1において、粒子除去層を除いた積層体で防護手袋を作製した。該防護手袋の材料は、目付351g/m、厚さ1.87mm、透湿度485g/m・hであった。この防護手袋を用いた時のガス透過性試験結果、粒子捕集効率測定結果、透湿性、蒸れ感の結果をそれぞれ表1に示す。
【0073】
[比較例4]
目付59g/m、厚み38μm、透湿度が0.46g/m・hのポリフッ化ビニルフィルムを粒子除去層として使用した以外は、実施例1と同様の方法で手袋を作製した。該防護手袋の材料は、目付402g/m、厚さ1.89mm、透湿度0.3g/m・hであった。この防護手袋を用いた時のガス透過性試験結果、粒子捕集効率測定結果、透湿性、蒸れ感の結果をそれぞれ表1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例1〜2は、ガス透過抑制性、粒子捕集効率、装着性、指先操作性に優れ蒸れ感が少ない好適な防護手袋であるのに対し、比較例1、3は粒子捕集効率が低く、比較例2は、ガス透過抑制性が劣る結果で、比較例4は通気性がなく、透湿性が低いため蒸れ感が生じる結果であり、本願発明の目的に対しては、充分と言えるものではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の防護手袋は、ガス状、液状の有機化学物質から作業者を防護でき、且つ通気性により汗などによるべたつきも少なく、指先操作性、装着性が良好な防護手袋であり、産業界に寄与することが大である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の防護手袋を構成する積層体の一例を示す模式断面図である。
【図2】ガス透過性試験法に用いる試験容器を示す概略図である。
【図3】粒子捕集効率測定に用いる試験装置の概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1:外層付加層
2:粒子除去層
3:ガス吸着層
4:内層付加層
5:チャンバー
6:防護手袋
7:足型マネキン
8:サンプリングチューブ(靴下内側)
9:サンプリングチューブ(靴下外側)
10:ガス洗浄瓶
11:チャンバー
12:防護手袋
13:足型マネキン
14:サンプリングチューブ(靴下内側)
15:サンプリングチューブ(靴下外側)
16:粒子計測器
17:粒子計測器
18:ラスキン・ノズル式粒子発生装置
19:ディフュージョンドライヤー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均単繊維直径が1〜1000nmである粒子除去層とガス吸着層をそれぞれ少なくとも1層以上有し、かつ手袋の内側から見て、ガス吸着層の外側には少なくとも1層以上の粒子除去層を配置し、粒子除去層とガス吸着層の積層体の厚さが2.0mm以下であり、かつ手袋の縫い目部分が有機化学物質に対して透過抑制性の樹脂でシール加工されてなる防護手袋。
【請求項2】
粒子除去層の透湿性が83g/m・h以上である請求項1に記載の防護手袋。
【請求項3】
粒子除去層が有機繊維からなる請求項1または2に記載の防護手袋。
【請求項4】
ガス吸着層が繊維状活性炭織物、編物もしくは不織布状である請求項1〜3のいずれかに記載の防護手袋。
【請求項5】
外層付加層および/または内層付加層を付与した請求項1〜4のいずれかに記載の防護手袋。
【請求項6】
外層付加層の掌部に天然皮革、人工皮革、織物、編物、フェルトから選ばれる滑り止め(保護層)が貼り付けられている請求項1〜5のいずれかに記載の防護手袋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−214768(P2008−214768A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45370(P2007−45370)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】