説明

防霧マスク

【課題】 防霧と防塵効果が高くろ材の交換可能な防霧マスクの提供。
【解決手段】 吸気と排気に分離ダクト構造設計が採用され、且つ排気は両側向きとされ(或いは濾過凹部の下方)、ゆえに吸気、排気の間で、迅速に水蒸気が両側(或いは下方)に排出され、周知のマスクのように正面全体に排出せず、とくにヘルメットとメガネを同時に着用している場合の曇りによる視線の妨害の問題を解決し、また、交換可能なろ材を採用した。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案の防霧マスクは、高い防塵、濾過効果を吸気、排気の分離ダクト式構造により提供する防霧マスクであって、吸気と排気の行程をそれぞれ独自に進行する目的のほか、派生する多重の実用機能と高い利用価値を有する防霧マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気品質がますます悪化し、微塵粒、有毒物質、自動車やオートバイの排出する排ガス及び工場の排出する各種の汚染気体が、人体の呼吸器官を厳重に侵害している。現在各国でいかに空気の品質を改善するかの積極的な研究がなされているが、現在の抜本的解決策が得られない状況では、個人の健康はマスクを装着するという消極的な手段に頼るしかない。現在の空気汚染による厳重な侵害を受ける人にオートバイのドライバーがいるが、マスクを装着する人のなかでもオートバイのドライバーの割合が最も多い。
【0003】
早期のマスク製品はいずれも布をミシン縫いして製造され、それは防塵という単一の機能しか有していなかった。しかし現在の空気汚染が日増しに厳重となっている状況ではこのような早期のマスクの、布或いは遷移で塵を除去する方式ではもはや空気を濾過する真の要求を達成することができない。ゆえに活性炭入りのマスクが市販されるようになった。
【0004】
この活性炭入りマスクは広く使用が推進されまた受け入れられており、それは、綿材料で製造されその内部に微粒活性炭を収容して製造されている。ドライバーによるとこのようなマスクは良好な効果が得られるとは言えなかった。その欠点は以下のようである。
1.伝統的な綿のマスク或いは活性炭入りマスクはヘルメットを着用するドライバーによると、吸気と吐息の間にヘルメットの透明なウインドシールドマスクが曇り、もしさらに眼鏡を着用している場合、その状況はより厳重となり、運転の安全に影響を生じた。
2.周知の活性炭入りマスクは、内部に微粒活性炭が装着されているため濾過効果は比較的良好である。しかし、このような活性炭入りマスクは活性炭を均一に分布した状態に固定することができないため、活性炭がマスクの下部に集中して団子状となる。このため、濾過効果が大幅に損なわれた。
3.周知のマスクは廃棄方式で使用されるが、一般の人は使用しているマスクがすでに濾過の機能を喪失していても持続して使用し汚れが耐えられなくなってはじめて廃棄、交換する。このような使用習慣により、マスクを使用しても空気汚染が人体の健康に影響を与える問題が解決しない。また、濾過機能がなくなったマスクは濾過材だけを廃棄し交換することができないため、マスクごと廃棄することになり、使用者のコスト負担とゴミの問題を形成した。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ゆえに、本考案は一種の防霧マスクを提供することを課題とし、それは、周知のマスクの数々の問題を解決すると共に、オートバイのドライバーがマスクを装着する時に発生する数々の問題を解決して、このような防護マスクの濾過性を高めたことを特徴とするものとする。
【0006】
具体的には本考案の特徴、目的及び優れた点は以下のとおりである。
1.本考案の吸気と排気に分離ダクト構造設計が採用され、且つ排気は両側向きとされ(或いは濾過凹部の下方)、ゆえに吸気、排気の間で、迅速に水蒸気が両側(或いは下方)に排出され、周知のマスクのように正面全体に排出せず、とくにヘルメットとメガネを同時に着用している場合の曇りによる視線の妨害の問題を解決することができる。
2.本考案の設計は交換可能なろ材を採用しているため、経済的な節約能力と長期使用の目的を達成し、またゴミの問題を軽減する。このほか、ろ材交換構造が簡素化され、実用性、利便性及び進歩性を有している。
3.本考案の濾過部の設計は、集中式で且つ絶対性を有する最良の濾過効果を達成し、周知の微粒活性炭入りマスクの活性炭が下方に集中して濾過効果が損なわれる欠点を解決している。
4.本考案の設計は、マスク本体中央外頂部に設けられた突起により密着式アイマスクと組合せが可能で、これにより特殊環境或いは臨時の防火避難時に使用されるマスク装置を形成する。
5.以上の特徴による本考案の実質的な創作精神の下で、オートバイドライバーの要求に対して、マスク本体全体の外層に夜光或いは反射性の設計を採用することにより、オートバイが夜間に運転する時に人目を引いて安全を確保する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、マスク本体、濾過部及び両側の排気部で組成された防霧マスクにおいて、 該マスク本体は軟質樹脂で形成され、微柔軟度を有して菱形を呈し、圧迫すると回復する特性と軽度の折り曲げ性を有し、マスク本体の外層に夜光或いは反光設計が設けられ、マスク本体は適当な円弧凹状を呈し、中央に内向きに突出する濾過凹部を具え、該濾過凹部の内縁にストッパ縁が設けられ、濾過凹部の底縁に網状構造が設けら、該マスク本体の内縁面の両側にそれぞれ1本の、徐々に深くなる排気溝が設けられ、該排気溝1前端口に、縦向きに一つの挿入溝が設けられ、挿入溝の前方に外界と連通する通気孔が設けられ、且つこの部分の外縁に別に紐固定部が設けられ、 或いは前述の排気溝が濾過凹部の下方即ち鼻部の下方並びに口部と下顎部分に至る方向に設けられ、縦向きの態様を呈するものとされ、 前記濾過部は、マスク本体中央の濾過凹部内にろ材、濾過綿片、スペーサシート、プラスチックフィルムを置き並びに外蓋で閉じて組成され、そのうち、濾過綿片はろ材の内側面に置かれ、その後、スペーサシート、プラスチックフィルムが順番に置かれ、該スペーサシートは前述の濾過凹部のストッパ縁に係止され、且つ該ストッパシートがその内側面の圧合ピンでプラスチックフィルムの中孔に挿入され組み合わされ、全体の濾過部が単向入気可能で排気不能である構造態様が形成され、 前記排気部は、前蓋、プラスチックフィルム及び後ろ蓋を具え、該排気部の前蓋と後ろ蓋の面上にいずれも排気孔が設けられ、且つ前蓋内縁の中心位置上より延伸され、別に圧合ピンが設けられ、該圧合ピンがプラスチックフィルムの中孔に圧合されて全体の排気部が単向排気可能で入気不能の構造態様とされ、 以上を特徴とする防霧マスクとしている。
請求項2の考案は、前記マスク本体の中央外頂部に設けられた突起により前記マスク本体が密着式アイマスクの鼻部の下端の孔と分離可能に結合され、これにより特殊環境或いは臨時防火避難に使用されるマスク装置を形成することを特徴とする、防霧マスクとしている。
【0008】
【考案の実施の形態】
本考案の防霧マスクは、周知のマスクの防塵或いは濾過の機能のほか、ろ材を交換可能で、良好な防塵、濾過の機能を確保でき、それにより周知の技術にはない恒久使用と安全衛生の優れたメリットのほか、周知の使い捨て式の使用を解決し、使用者のコスト上の負担を減少すると共に環境保護問題にも役立ち、また、吸気と排気を分ける独立式の理念設計を採用することで、周知の包括式の使用方式のもたらす混濁した空気が不断にマスク内を循環して吸入される問題とそれによる酸素不足と息苦しさ等の厳重な問題を解決するほか、呼吸によりヘルメットのウインドシールドガラスが曇り危険を発生するのを防止する。
【0009】
本考案の全体構造は、一つのマスク本体、濾過部及び両側の排気部を含む構成要件を具備する。そのうち、マスク本体は軟質プラスチックを一体成形して形成され、微柔軟性を有し、圧合可能な菱形の回復性を有し折り畳み可能な特性を有し、携帯使用に非常に便利である。
【0010】
該マスク本体は、その態様において、中央に、内向きに突出する濾過凹部を具え、該濾過凹部の底縁が網状構造とされている。
【0011】
且つ両側にそれぞれ1本の排気溝が設けられ、該排気溝の前縁に挿入溝が設けられ、挿入溝の前端が外界と連通する通気孔とされ、外縁両側に紐固定部が設けられている。
【0012】
このほか、濾過部は前述のマスク本体中央の濾過凹部内にろ材、濾過綿、スペーサシート、プラスチックフィルムを置き並びに外蓋で閉じて組成される。吸気時、該濾過部はマスクを透過して真空状態を呈しそれによりプラスチックフィルムを開閉させ、空気が濾過部を通ることにより防塵と濾過の目的を達成する。
【0013】
排気部は前蓋、プラスチックフィルム及び後ろ蓋で組成され、且つ組合せに全体の排気部がちょうど前述のマスク両側の排気溝前縁に設けられた挿入溝内に嵌め込まれ、並びに該排気部の内部が、プラスチックフィルムを透過して前蓋体に挿入され、単向排気で入気させない構造状態が形成される。
【0014】
着用時、マスク成形の態様により、その前縁は僅かに円弧凹状を呈し、ゆえに適宜空間が保留され、前述の中央の濾過凹部が着用後に使用者の口部、鼻部に対して不快感をもたらすことがない。且つ両側にそれぞれ挿入された排気部がマスク内縁面とそろえられた態様を呈するため、全体のマスク内辺縁と顔形が当接する時、両頬に完全に密着する効果を提供する。呼吸時には、濾過部が入気し、両側の排気溝が排気部を透過して排気を行う。こうして相互の交互に組み合わされた動作の下で、入気と排気がそれぞれ独立したダクトで進行される。また前述の濾過と防塵の機能が組み合わされて本考案の機能性が倍増され、徹底的に周知のマスクの各種の欠点を解決する。
【0015】
次に、排気位置の設計では、排気溝が濾過凹部の下方で切られ(即ち鼻部の下方、並びに口部及び下顎部に至る)、縦方向(1条或いは1条以上)の態様を呈し、即ち理想排気の位置を達成している。このほか、本考案のマスクの組合せ機能を高めるために、マスク本体中央外頂部に突起が設けられて一つのアイマスクと接合され、特殊環境或いは臨時の防火避難使用に使用されるマスク装置として使用される。
【0016】
【実施例】
図1、2に示されるように、本考案の主体構造は、マスク本体1、濾過部2及び両側の排気部3で組成されている。図1に示されるように、マスク本体1は軟質樹脂を一体成形して形成され、微柔軟度を有して菱形を呈し、圧迫すると回復する特性と軽度の折り曲げ性を有し、これによりマスク本体1は携帯、収納に便利な使用機能を有している。
【0017】
図2に示されるように、マスク本体1は適当な円弧凹状を呈するほか、中央に内向きに突出する濾過凹部11を具え、該濾過凹部11の内縁にストッパ縁12が設けられ、濾過凹部11の底縁に網状構造13が設けられている。このほか、該マスク本体1の内縁面の両側にそれぞれ1本の、徐々に深くなる排気溝14が設けられ、該排気溝14の前端口に、別に一つの挿入溝15が設けられ、挿入溝15の前方に外界と連通する通気孔16が設けられ、且つこの部分の外縁に別に紐固定部17が設けられている。
【0018】
続いて図3に示されるように、そのうちの排気部3は、前蓋31、プラスチックフィルム32及び後ろ蓋33を具え、組合せ後の全体の排気部3はちょうど前述の図2に示されたマスク本体1の内縁面両側の排気溝14前端に設けられた縦向きの挿入溝15内に挿入され、並びに通気孔16と対向させられる。図4に示されるように、該排気部3の前蓋31と後ろ蓋33の面上にいずれも排気孔311、331が設けられ、且つ前蓋31内縁の中心位置上より延伸され、別に圧合ピン312が設けられ、該圧合ピン312がプラスチックフィルム32の中孔321に圧合されて全体の排気部3がマスク本体1内に位置づけられ、こうして単向排気可能で入気不能の構造態様が形成されている。
【0019】
続いて図2、5に示されるように、濾過部2は、マスク本体1中央の濾過凹部11内にろ材21、濾過綿片22、スペーサシート23、プラスチックフィルム24を置き並びに外蓋25で閉じて組成される。そのうち、濾過綿片22はろ材21の内側面に置かれ、その後、スペーサシート23、プラスチックフィルム24が順番に置かれる。そのうちスペーサシート23は前述の濾過凹部11のストッパ縁12に係止され、且つ該ストッパシート23がその内側面の圧合ピン231でプラスチックフィルム24の中孔241に挿入され組み合わされる。最後に外蓋25が閉じられる。こうして、全体の濾過部2が単向入気可能で排気不能である構造態様が形成されている。
【0020】
マスク本体1を着用する時、前述のマスク本体1の態様は適当な円弧凹状を呈するため、適宜の空間を保留して前述の中央の濾過凹部11の内側の凸部が人の口や鼻に接触する問題を発生させない。また、両側に挿入された排気部3は挿入、組合せの後、マスク本体1の内縁面と揃った状態を呈するため、マスク本体1内辺縁が圧迫する時に両側の頬に密着する効果を提供する。呼吸時には、濾過部2により入気がなされ、両側の排気溝14が排気部3を透過して排気を進行する。こうして交互の組合せ運動の下で、入気と排気がそれぞれ独立した経路で進行され、高い濾過、防塵及び防霧作用を形成する。
【0021】
最後に図6に示されるように、本考案の設計は、マスク本体1の中央外頂部に設けられた突起18により密着式アイマスク4の鼻部41の下端の孔42と分離可能に結合され、これにより特殊環境或いは臨時防火避難に使用されるマスク装置を形成可能である。
【0022】
【考案の効果】
本考案の防霧マスクは、高い防塵、濾過効果を吸気、排気の分離ダクト式構造により提供する防霧マスクであって、吸気と排気の行程をそれぞれ独自に進行する目的のほか、派生する多重の実用機能と高い利用価値を有する。
【0023】
本考案の効果は以下のようである。
1.本考案は完全に周知のマスクにおける混濁空気が不断にマスク内で循環吸入されることによる酸素不足と息苦しさの問題を解決する。
2.また本考案はオートバイのヘルメットに組み合わされる時、完全に、呼吸がウインドシールドレンズを曇らせる問題を解決する。
3.さらに本考案は濾材を交換できて便利であり、使用者の使用コストの負担を減らすほか、衛生的に長期に使用でき、高い利用価値を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の防霧マスクの望ましい実施例の外観図である。
【図2】本考案の防霧マスクの内部の各構成要件の分解構造表示図である。
【図3】図2中のA部分の分解構造表示図である。
【図4】本考案の排気部組合せ後の断面構造表示図である。
【図5】本考案の防霧マスクの濾過部の断面構造表示図である。
【図6】本考案のアイマスクと連結後のマスク装置の内部構造表示図である。
【符号の説明】
1 マスク本体 24 プラスチックフィルム
11 濾過凹部 241 中孔
12 ストッパ縁 25 外蓋
13 網状構造 3 排気部
14 排気溝 31 前蓋
15 挿入溝 311 排気孔
16 通気孔 312 圧合ピン
17 紐固定部 32 プラスチックフィルム
18 突起 321 中孔
2 濾過部 33 後ろ蓋
21 ろ材 331 排気孔
22 濾過綿片 4 密着式アイマスク
23 スペーサシート 41 鼻部
231 圧合ピン 42 孔

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 マスク本体、濾過部及び両側の排気部で組成された防霧マスクにおいて、該マスク本体は軟質樹脂で形成され、微柔軟度を有して菱形を呈し、圧迫すると回復する特性と軽度の折り曲げ性を有し、マスク本体の外層に夜光或いは反光設計が設けられ、マスク本体は適当な円弧凹状を呈し、中央に内向きに突出する濾過凹部を具え、該濾過凹部の内縁にストッパ縁が設けられ、濾過凹部の底縁に網状構造が設けら、該マスク本体の内縁面の両側にそれぞれ1本の、徐々に深くなる排気溝が設けられ、該排気溝1前端口に、縦向きに一つの挿入溝が設けられ、挿入溝の前方に外界と連通する通気孔が設けられ、且つこの部分の外縁に別に紐固定部が設けられ、或いは前述の排気溝が濾過凹部の下方即ち鼻部の下方並びに口部と下顎部分に至る方向に設けられ、縦向きの態様を呈するものとされ、前記濾過部は、マスク本体中央の濾過凹部内にろ材、濾過綿片、スペーサシート、プラスチックフィルムを置き並びに外蓋で閉じて組成され、そのうち、濾過綿片はろ材の内側面に置かれ、その後、スペーサシート、プラスチックフィルムが順番に置かれ、該スペーサシートは前述の濾過凹部のストッパ縁に係止され、且つ該ストッパシートがその内側面の圧合ピンでプラスチックフィルムの中孔に挿入され組み合わされ、全体の濾過部が単向入気可能で排気不能である構造態様が形成され、前記排気部は、前蓋、プラスチックフィルム及び後ろ蓋を具え、該排気部の前蓋と後ろ蓋の面上にいずれも排気孔が設けられ、且つ前蓋内縁の中心位置上より延伸され、別に圧合ピンが設けられ、該圧合ピンがプラスチックフィルムの中孔に圧合されて全体の排気部が単向排気可能で入気不能の構造態様とされ、以上を特徴とする防霧マスク。
【請求項2】 前記マスク本体の中央外頂部に設けられた突起により前記マスク本体が密着式アイマスクの鼻部の下端の孔と分離可能に結合され、これにより特殊環境或いは臨時防火避難に使用されるマスク装置を形成することを特徴とする、防霧マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【登録番号】実用新案登録第3071171号(U3071171)
【登録日】平成12年6月14日(2000.6.14)
【発行日】平成12年8月29日(2000.8.29)
【考案の名称】防霧マスク
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2000−569(U2000−569)
【出願日】平成12年2月8日(2000.2.8)
【出願人】(500065004)