除霜ヒータ
【課題】
外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいて、金属管の表面温度を394℃未満に抑制できる、除霜ヒータ、を提供すること。
【解決手段】
金属管2と、金属管2に挿通されたガラス管3と、ガラス管3に挿通された電熱線4と、金属管2及びガラス管3の両端部を封止する封止キャップ5と、を備えており、冷蔵庫の冷却器10に対して除霜を行う、除霜ヒータ1において、金属管2の、冷却器10とは反対側に、金属管2内部を外気に通じさせる開放部71、72が設けられている。
外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいて、金属管の表面温度を394℃未満に抑制できる、除霜ヒータ、を提供すること。
【解決手段】
金属管2と、金属管2に挿通されたガラス管3と、ガラス管3に挿通された電熱線4と、金属管2及びガラス管3の両端部を封止する封止キャップ5と、を備えており、冷蔵庫の冷却器10に対して除霜を行う、除霜ヒータ1において、金属管2の、冷却器10とは反対側に、金属管2内部を外気に通じさせる開放部71、72が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用の冷蔵庫の冷却器を除霜するための除霜ヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の冷却器の冷媒としては、オゾン層破壊防止や地球温暖化防止という環境規制の要請から、炭化水素系冷媒であるイソブタンが使用されるようになってきている。イソブタンは、従来の冷媒である代替フロンとは異なって、可燃性媒体であり、494℃で発火する。それ故、イソブタンを冷媒として用いる場合において、表面温度がイソブタンの発火点付近まで高くなる除霜ヒータを用いると、冷媒が漏洩した場合に、発火、爆発の恐れがある。そこで、日本電機工業会は、イソブタンを冷媒として用いる場合の除霜ヒータにおいては、安全基準として、表面温度がイソブタンの発火点より100℃低い394℃未満でなければならない、と規定している。
【0003】
ところで、除霜ヒータとしては、ガラス管に電熱線を挿通させてなる一重ガラス管構造のものが、従来から一般的に使用されてきた。しかし、一重ガラス管構造の除霜ヒータでは、ガラス管の表面温度が564℃以上に達する。従って、イソブタンを冷媒として用いる場合の除霜ヒータとしては、従来の一重ガラス管構造のものを使用することはできなくなった。
【0004】
そこで、特許文献1に示すような、二重ガラス管構造の除霜ヒータが開発された。これは、電熱線が挿通されたガラス管を、更に大径のガラス管に、挿通させてなるものである。これによれば、外側のガラス管が大きな表面積を有しているために、表面温度が抑制されるが、それでも、内側のガラス管の表面温度が394℃以上となっていた。
【0005】
そこで、特許文献2に示すような、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータが開発された。
【特許文献1】特開2002−195735号公報
【特許文献2】特開2004−44899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいても、ガラス管の表面温度が394℃以上となっていた。
【0007】
更に、シリコンゴムからなる封止キャップを用いた場合には、封止キャップの上限温度を180℃以下に維持しなければならないという制約がある。
【0008】
本発明は、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいて、ガラス管の表面温度を394℃未満に抑制できる、除霜ヒータ、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、金属管と、金属管に挿通されたガラス管と、ガラス管に挿通された電熱線と、金属管及びガラス管の両端部を封止する封止キャップと、を備えており、冷蔵庫の冷却器に対して除霜を行う、除霜ヒータにおいて、金属管及び封止キャップの少なくとも一方に、金属管内部を外気に通じさせる開放部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、金属管が、本体とリング体とを相互に嵌合させて組み合わせることにより構成されており、本体及びリング体の少なくとも一方に開放部が設けられているものである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、金属管の壁を貫通して形成した開口からなっているものである。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、封止キャップを貫通して形成した開口からなっているものである。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、開放部が、上記開口を、多孔板で塞いでなるものである。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、開放部が、上記開口に、多孔板を嵌め込んでなるものである。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、上記多孔板が、30メッシュ以上の網体である。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、金属管の壁自体を多孔状に形成してなる多孔壁部からなっているものである。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、封止キャップの近傍の金属管に設けられているものである。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、金属管の内表面及び外表面の内の少なくとも一方が、金属管の構成材料である金属よりも遠赤外線に関する放射率が高くなるよう処理されているものである。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、封止キャップに、ガラス管内部を外気に通じさせる通路が形成されているものである。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項2記載の発明において、開放部の一部が、本体とリング体との嵌合によって、任意の広さだけ塞がれているものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、金属管の内部空間の熱を開放部から外部に放出できる。そのため、金属管の内部空間の温度上昇、ひいては、ガラス管の表面温度の上昇を、抑制できる。したがって、ガラス管の表面温度を394℃未満に抑制でき、また、金属管の表面温度も220℃未満に抑制できる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、リング体を本体に嵌合させるだけで、金属管に開放部を設けることができるので、開放部を容易に製作できる。
【0023】
請求項3又は4に記載の発明によれば、開放部を極めて簡単に形成できる。
【0024】
請求項5又は6に記載の発明によれば、万一、金属管内部が高温になりすぎて、金属管内部に漏洩した冷媒が発火した場合でも、火炎が開放部から外部へ出てしまうのを多孔板によって防止できる。したがって、万一の場合でも、発火による事故の拡大を防止でき、外部に対する除霜ヒータの安全性を向上できる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、火炎が開放部から外部へ出てしまうのを確実に防止できる。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、多孔板やそれを固定するための固定具が不要であるので、構成を簡素化でき、また、容易に製作できる。
【0027】
請求項9記載の発明によれば、金属管の内部空間の封止キャップの近傍の温度上昇を積極的に抑制できる。そのため、封止キャップの上限温度を180℃以下に維持しなければならないという制約を、充足することができる。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、除霜ヒータからの熱の放射を増大でき、それ故、除霜効果を向上できる。また、電熱線から発せられる熱を逐次積極的に放熱できるので、金属管内部の温度を低く抑制でき、この点からも、ガラス管の表面温度を低温に抑制でき、それ故、金属管の表面温度の安全基準を完全に満たすことができる。
【0029】
請求項11記載の発明によれば、ガラス管内部の高温空気を通路から放出できるので、ガラス管内部の温度を394℃未満に確実に抑制できる。
【0030】
請求項12記載の発明によれば、リング体によって開放部の広さを任意に調節できるので、ガラス管の表面温度を任意に調節できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(実施形態1)
図1は本発明の除霜ヒータの断面正面図、図2は図1のII−II断面図である。除霜ヒータ1は、金属管2及びガラス管3からなる二重管構造を有している。即ち、除霜ヒータ1は、金属管2と、金属管2に挿通されたガラス管3と、ガラス管3に挿通された電熱線4と、金属管2及びガラス管3の両端部を封止する封止キャップ5と、からなっている。電熱線4は、封止キャップ5においてリード線6に接続している。封止キャップ5はシリコンゴムでできている。除霜ヒータ1は、一般に、冷蔵庫内の冷却器10の直下に水平に配置されている。
【0032】
そして、本発明の除霜ヒータ1においては、図1のIII矢視図である図3に示すように、冷却器10に対して真反対側の、金属管2の壁に、金属管2内部を外気に通じさせる開放部71、72が形成されている。開放部71、72は、壁を貫通して形成された開口からなっている。開放部71、72は、封止キャップ5の近傍に形成されている。
【0033】
ところで、金属管及びガラス管からなる二重管構造の除霜ヒータにおいては、電熱線4から放射された遠赤外線が、ガラス管3を経て、金属管2の内表面21に照射され、反射を繰り返して、金属管2の内部空間の温度を高める。この際、金属管2の内部空間にあるガラス管3の表面温度は394℃以上となり、これでは、上述した安全基準を満たすことができない。しかしながら、上記構成の除霜ヒータ1においては、金属管2の内部空間が開放部71、72を介して外部に開放されているので、金属管2の内部空間の熱が外部に放出される。そのため、金属管2の内部空間の温度上昇、ひいては、ガラス管3の表面温度及び金属管2の表面温度の上昇が、抑制される。したがって、ガラス管3の表面温度を394℃未満に抑制できる。
【0034】
しかも、上記構成の除霜ヒータ1においては、開放部71、72が封止キャップ5の近傍に形成されているので、金属管2の内部空間の封止キャップ5の近傍の温度上昇を積極的に抑制できる。そのため、封止キャップ5の上限温度を180℃以下に維持しなければならないという制約を、充足することができる。
【0035】
更に、開放部71、72が開口からなっているので、開放部を極めて簡単に形成できる。
【0036】
なお、上記構成の除霜ヒータ1においては、更に、次のような構成を採用するのが好ましい。
【0037】
(1)金属管2の内表面21及び外表面22の内の少なくとも一方が、金属管2の構成材料である金属よりも遠赤外線に関する放射率が高くなるよう処理されている。処理としては、例えば、次の2つの方法を用いることができる。
・高放射性材料からなる塗膜を形成する。
・陽極酸化処理した後に着色処理する。
【0038】
これによれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、金属管2の内表面21が上記処理されている場合には、電熱線4の発した遠赤外線は、内表面21にて瞬時に吸収されて熱変換され、外表面22から対流によって冷却器10へ放熱される。外表面22が処理されている場合には、遠赤外線によって加熱されて昇温した金属管2の熱が、瞬時に冷却器10へ放熱される。内表面21及び外表面22の両方が処理されている場合には、電熱線4の発した遠赤外線は、内表面21にて瞬時に吸収されて熱変換された後、外表面22から瞬時に冷却器10へ放熱される。したがって、上記構成によれば、除霜ヒータ1からの熱の放射を増大でき、それ故、除霜効果を向上できる。また、電熱線4から発せられる熱を逐次積極的に放熱できるので、金属管2内部の温度を低く抑制できると同時にガラス管3の表面温度も抑制でき、この点からも、金属管2の表面温度を低温に抑制して安全基準を十分に満たすことができる。
【0039】
(2)図4に示すように、封止キャップ5に、ガラス管3内部を外気に通じさせる通路51が形成されている。通路51は、ガラス管3の端縁が封止キャップ5に当接する部分から、封止キャップ5を貫通して、形成されている。
【0040】
これによれば、ガラス管3内部の高温空気を通路51から放出できるので、ガラス管3内部の温度を394℃未満に確実に抑制できる。
【0041】
(実施形態2)
本実施形態では、図5に示すように、開放部71、72が、開口81、82(図6)を多孔板91で内側から塞いでなるものである。その他は実施形態1と同じである。
【0042】
多孔板91としては、例えば、ステンレス網を用いる。ステンレス網としては、例えば、線径0.18mm、30メッシュ、開口率62%のものが好ましい。
【0043】
多孔板91は、例えば、図6に示すように設ける。すなわち、筒状の多孔板91を、金属管2の、開口81、82が位置する部分に、内嵌させ、内側からリテーナースプリング92で固定する。
【0044】
本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果を発揮できる。しかも、万一、金属管2内部に漏洩した冷媒が発火した場合でも、火炎が開放部71、72から外部へ出てしまうのを多孔板91によって防止できる。したがって、万一の場合でも、発火による事故の拡大を防止でき、外部に対する除霜ヒータ1の安全性を向上できる。
【0045】
(実施形態3)
本実施形態では、図7に示すように、開放部71が、金属管2の壁を多孔状に形成してなる多孔壁部からなるものである。開放部72も同様である。その他は実施形態1と同じである。
【0046】
多孔壁部は、金属管2の壁を機械加工して形成する。機械加工としては、例えば、プレス加工、ドリル加工、放電加工、レーザー加工などがある。ドリル加工で丸孔を多数形成する場合には、例えば、丸孔の径0.70mm、開口率62%が好ましい。
【0047】
本実施形態によれば、実施形態2と同様の効果を発揮できる。しかも、多孔板91やリテーナースプリング92が不要であるので、実施形態2に比して、構成を簡素化でき、また、容易に製作できる。
【0048】
(実施形態4)
本実施形態では、図8に示すように、開放部71が、開口81に多孔板93を嵌め込んで構成されたものである。開放部72も同様である。その他は実施形態1と同じである。
【0049】
多孔板93は、開口81に嵌め込まれると金属管2の壁を構成する湾曲状のものである。多孔板93としては、例えば、実施形態2の多孔板91と同じ網体930を開口81の大きさに裁断して周縁を枠931で囲んでなるものを使用する。
【0050】
本実施形態によれば、実施形態2と同様の効果を発揮できる。しかも、容易に製作できる。
【0051】
(実施形態5)
本実施形態では、図9に示すように、金属管2が、本体20と、本体20の端部に嵌合されたリング体20Aと、で構成されている。そして、リング体20Aに開放部76が設けられている。なお、本体20の他端部にも、開放部を有するリング体20Aを嵌合させてもよい。また、開放部は、実施形態1〜4のいずれの形態のものでもよい。
【0052】
本実施形態によれば、開放部76を有するリング体20Aを本体20に嵌合させるだけで、金属管2に開放部を設けることができるので、開放部を有する金属管を容易に製作できる。
【0053】
(実施形態6)
本実施形態では、図10に示すように、リング体20Bが本体20に外嵌して設けられており、本体20の開放部77の開放の程度がリング体20Bによって調節されている。
【0054】
本実施形態によれば、開放部77の開放の程度を任意に調節できるので、ガラス管3の表面温度を任意に調節できる。
【0055】
なお、図10ではリング体20Bを外嵌させているが、図11に示すように、リング体20Bを内嵌させてもよい。
【0056】
(実施形態7)
本実施形態では、図12に示すように、金属管2が、リング体20Cを2つの本体20の間に外嵌させて構成されている。そして、リング体20Cに開放部78が設けられている。
【0057】
本実施形態によれば、実施形態5と同様に、開放部を有する金属管を容易に製作できる。しかも、2つの本体20の長手方向の熱膨張を、リング体20Cによって、長手方向に吸収できるので、金属管2の熱膨張による変形を防止できる。
【0058】
なお、図12ではリング体20Cを外嵌させているが、リング体20Cは内嵌させてもよい。
【0059】
(実施形態8)
本実施形態では、図13に示すように、封止キャップ5に、金属管2内部を外気に通じさせる開放部52が設けられている。開放部52は、封止キャップ5を金属管2の内部から貫通して形成した開口からなっている。開放部52では、更に、開口の出口が多孔性の蓋521で塞がれている。
【0060】
本実施形態においても、開放部52は、実施形態1〜7の開放部と同様の作用効果を奏し、また、蓋521は、実施形態2〜4の多孔板や多孔壁部と同様の作用効果を奏する。したがって、本実施形態によれば、金属管2に開放部を設けた実施形態1〜7と同様の効果を発揮できる。
【0061】
(別の実施形態)
(1)開放部の配設パターンは、実施形態1〜4の開放部77のように金属管2の両端部に設ける場合に限るものではない。例えば、次のようなパターンを採用してもよい。もちろん、どのようなパターンの開放部であっても、実施形態1のように開口のみで構成したり、実施形態2のように開口を多孔板で塞いで構成したり、実施形態3のように多孔壁部で構成したり、実施形態4のように開口に多孔板を嵌め込んで構成したりするのは、任意である。
【0062】
(A)図14では、金属管2の両端部に開放部71、72が、及び、長手方向中央部に開放部73が、設けられている。これによれば、金属管2の内部空間の両端部及び中央部の温度上昇を抑制できる。
【0063】
(B)図15では、金属管2の長手方向全体に延びた開放部74が設けられている。これによれば、金属管2の内部空間の温度上昇を、金属管2の長手方向全体に渡って抑制できる。
【0064】
(C)図16では、金属管2の長手方向全体に渡って並べられた多数の開放部75が設けられている。これによれば、金属管2の内部空間の温度上昇を、金属管2の長手方向略全体に渡って抑制できる。
【0065】
(2)開放部の位置は、上記実施形態のように、金属管2の、冷却器10に対する真反対の位置に、限るものではなく、例えば、図17に示すように、金属管2の冷却器10側であってもよい。
【0066】
図17では、金属管2の一方の端部の、冷却器10側に、開放部791が設けられ、他方の端部の、冷却器10とは反対側に、開放部792が設けられている。更に、開放部791の上方には、開放部791を覆う傘部材99が設けられている。
【0067】
図17の例においても、開放部は、実施形態1〜7の開放部と同様の作用効果を奏する。しかも、開放部791と開放部792との間に空気の流れが生じやすいので、金属管2の内部空間全体の温度上昇を抑制できる。更に、傘部材99によって、開放部791への水滴の落下を防止できるので、金属管2内に水が溜まるのを防止でき、また、水滴がガラス管3に接触して蒸発することによる音の発生を、防止できる。
【0068】
しかるに、開放部の位置は、金属管2の、冷却器10に対する真反対の位置が最も好ましく、図2に示すRの範囲内、すなわち、真反対から両側に90度の範囲内、が次に好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の除霜ヒータは、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいて、金属管の表面温度を394℃未満に抑制できるので、非常に安全性が高く、それ故、産業上の利用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態1の除霜ヒータの断面正面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII矢視図である。
【図4】除霜ヒータの封止キャップの部分を示す断面部分図である。
【図5】実施形態2の除霜ヒータの図3に相当する図である。
【図6】実施形態2の除霜ヒータの部分縦断面図である。
【図7】実施形態3の除霜ヒータの断面部分図である。
【図8】実施形態4の除霜ヒータの分解部分図である。
【図9】実施形態5の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図10】実施形態6の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図11】実施形態6の別の例の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図12】実施形態7の除霜ヒータの部分縦断面図である。
【図13】実施形態8の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図14】開放部のパターンの第1例を示す、図3に相当する図である。
【図15】開放部のパターンの第2例を示す、図3に相当する図である。
【図16】開放部のパターンの第3例を示す、図3に相当する図である。
【図17】開放部の位置の別の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 除霜ヒータ 2 金属管 20 本体 20A リング体 21 内表面 22 外表面 3 ガラス管 4 電熱線 5 封止キャップ 51 通路 52、71、72、73、74、75、76、77、78 開放部 81、82、83 開口 91、93 多孔板
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用の冷蔵庫の冷却器を除霜するための除霜ヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の冷却器の冷媒としては、オゾン層破壊防止や地球温暖化防止という環境規制の要請から、炭化水素系冷媒であるイソブタンが使用されるようになってきている。イソブタンは、従来の冷媒である代替フロンとは異なって、可燃性媒体であり、494℃で発火する。それ故、イソブタンを冷媒として用いる場合において、表面温度がイソブタンの発火点付近まで高くなる除霜ヒータを用いると、冷媒が漏洩した場合に、発火、爆発の恐れがある。そこで、日本電機工業会は、イソブタンを冷媒として用いる場合の除霜ヒータにおいては、安全基準として、表面温度がイソブタンの発火点より100℃低い394℃未満でなければならない、と規定している。
【0003】
ところで、除霜ヒータとしては、ガラス管に電熱線を挿通させてなる一重ガラス管構造のものが、従来から一般的に使用されてきた。しかし、一重ガラス管構造の除霜ヒータでは、ガラス管の表面温度が564℃以上に達する。従って、イソブタンを冷媒として用いる場合の除霜ヒータとしては、従来の一重ガラス管構造のものを使用することはできなくなった。
【0004】
そこで、特許文献1に示すような、二重ガラス管構造の除霜ヒータが開発された。これは、電熱線が挿通されたガラス管を、更に大径のガラス管に、挿通させてなるものである。これによれば、外側のガラス管が大きな表面積を有しているために、表面温度が抑制されるが、それでも、内側のガラス管の表面温度が394℃以上となっていた。
【0005】
そこで、特許文献2に示すような、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータが開発された。
【特許文献1】特開2002−195735号公報
【特許文献2】特開2004−44899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいても、ガラス管の表面温度が394℃以上となっていた。
【0007】
更に、シリコンゴムからなる封止キャップを用いた場合には、封止キャップの上限温度を180℃以下に維持しなければならないという制約がある。
【0008】
本発明は、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいて、ガラス管の表面温度を394℃未満に抑制できる、除霜ヒータ、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、金属管と、金属管に挿通されたガラス管と、ガラス管に挿通された電熱線と、金属管及びガラス管の両端部を封止する封止キャップと、を備えており、冷蔵庫の冷却器に対して除霜を行う、除霜ヒータにおいて、金属管及び封止キャップの少なくとも一方に、金属管内部を外気に通じさせる開放部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、金属管が、本体とリング体とを相互に嵌合させて組み合わせることにより構成されており、本体及びリング体の少なくとも一方に開放部が設けられているものである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、金属管の壁を貫通して形成した開口からなっているものである。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、封止キャップを貫通して形成した開口からなっているものである。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、開放部が、上記開口を、多孔板で塞いでなるものである。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、開放部が、上記開口に、多孔板を嵌め込んでなるものである。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、上記多孔板が、30メッシュ以上の網体である。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、金属管の壁自体を多孔状に形成してなる多孔壁部からなっているものである。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、開放部が、封止キャップの近傍の金属管に設けられているものである。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、金属管の内表面及び外表面の内の少なくとも一方が、金属管の構成材料である金属よりも遠赤外線に関する放射率が高くなるよう処理されているものである。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、封止キャップに、ガラス管内部を外気に通じさせる通路が形成されているものである。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項2記載の発明において、開放部の一部が、本体とリング体との嵌合によって、任意の広さだけ塞がれているものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、金属管の内部空間の熱を開放部から外部に放出できる。そのため、金属管の内部空間の温度上昇、ひいては、ガラス管の表面温度の上昇を、抑制できる。したがって、ガラス管の表面温度を394℃未満に抑制でき、また、金属管の表面温度も220℃未満に抑制できる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、リング体を本体に嵌合させるだけで、金属管に開放部を設けることができるので、開放部を容易に製作できる。
【0023】
請求項3又は4に記載の発明によれば、開放部を極めて簡単に形成できる。
【0024】
請求項5又は6に記載の発明によれば、万一、金属管内部が高温になりすぎて、金属管内部に漏洩した冷媒が発火した場合でも、火炎が開放部から外部へ出てしまうのを多孔板によって防止できる。したがって、万一の場合でも、発火による事故の拡大を防止でき、外部に対する除霜ヒータの安全性を向上できる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、火炎が開放部から外部へ出てしまうのを確実に防止できる。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、多孔板やそれを固定するための固定具が不要であるので、構成を簡素化でき、また、容易に製作できる。
【0027】
請求項9記載の発明によれば、金属管の内部空間の封止キャップの近傍の温度上昇を積極的に抑制できる。そのため、封止キャップの上限温度を180℃以下に維持しなければならないという制約を、充足することができる。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、除霜ヒータからの熱の放射を増大でき、それ故、除霜効果を向上できる。また、電熱線から発せられる熱を逐次積極的に放熱できるので、金属管内部の温度を低く抑制でき、この点からも、ガラス管の表面温度を低温に抑制でき、それ故、金属管の表面温度の安全基準を完全に満たすことができる。
【0029】
請求項11記載の発明によれば、ガラス管内部の高温空気を通路から放出できるので、ガラス管内部の温度を394℃未満に確実に抑制できる。
【0030】
請求項12記載の発明によれば、リング体によって開放部の広さを任意に調節できるので、ガラス管の表面温度を任意に調節できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(実施形態1)
図1は本発明の除霜ヒータの断面正面図、図2は図1のII−II断面図である。除霜ヒータ1は、金属管2及びガラス管3からなる二重管構造を有している。即ち、除霜ヒータ1は、金属管2と、金属管2に挿通されたガラス管3と、ガラス管3に挿通された電熱線4と、金属管2及びガラス管3の両端部を封止する封止キャップ5と、からなっている。電熱線4は、封止キャップ5においてリード線6に接続している。封止キャップ5はシリコンゴムでできている。除霜ヒータ1は、一般に、冷蔵庫内の冷却器10の直下に水平に配置されている。
【0032】
そして、本発明の除霜ヒータ1においては、図1のIII矢視図である図3に示すように、冷却器10に対して真反対側の、金属管2の壁に、金属管2内部を外気に通じさせる開放部71、72が形成されている。開放部71、72は、壁を貫通して形成された開口からなっている。開放部71、72は、封止キャップ5の近傍に形成されている。
【0033】
ところで、金属管及びガラス管からなる二重管構造の除霜ヒータにおいては、電熱線4から放射された遠赤外線が、ガラス管3を経て、金属管2の内表面21に照射され、反射を繰り返して、金属管2の内部空間の温度を高める。この際、金属管2の内部空間にあるガラス管3の表面温度は394℃以上となり、これでは、上述した安全基準を満たすことができない。しかしながら、上記構成の除霜ヒータ1においては、金属管2の内部空間が開放部71、72を介して外部に開放されているので、金属管2の内部空間の熱が外部に放出される。そのため、金属管2の内部空間の温度上昇、ひいては、ガラス管3の表面温度及び金属管2の表面温度の上昇が、抑制される。したがって、ガラス管3の表面温度を394℃未満に抑制できる。
【0034】
しかも、上記構成の除霜ヒータ1においては、開放部71、72が封止キャップ5の近傍に形成されているので、金属管2の内部空間の封止キャップ5の近傍の温度上昇を積極的に抑制できる。そのため、封止キャップ5の上限温度を180℃以下に維持しなければならないという制約を、充足することができる。
【0035】
更に、開放部71、72が開口からなっているので、開放部を極めて簡単に形成できる。
【0036】
なお、上記構成の除霜ヒータ1においては、更に、次のような構成を採用するのが好ましい。
【0037】
(1)金属管2の内表面21及び外表面22の内の少なくとも一方が、金属管2の構成材料である金属よりも遠赤外線に関する放射率が高くなるよう処理されている。処理としては、例えば、次の2つの方法を用いることができる。
・高放射性材料からなる塗膜を形成する。
・陽極酸化処理した後に着色処理する。
【0038】
これによれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、金属管2の内表面21が上記処理されている場合には、電熱線4の発した遠赤外線は、内表面21にて瞬時に吸収されて熱変換され、外表面22から対流によって冷却器10へ放熱される。外表面22が処理されている場合には、遠赤外線によって加熱されて昇温した金属管2の熱が、瞬時に冷却器10へ放熱される。内表面21及び外表面22の両方が処理されている場合には、電熱線4の発した遠赤外線は、内表面21にて瞬時に吸収されて熱変換された後、外表面22から瞬時に冷却器10へ放熱される。したがって、上記構成によれば、除霜ヒータ1からの熱の放射を増大でき、それ故、除霜効果を向上できる。また、電熱線4から発せられる熱を逐次積極的に放熱できるので、金属管2内部の温度を低く抑制できると同時にガラス管3の表面温度も抑制でき、この点からも、金属管2の表面温度を低温に抑制して安全基準を十分に満たすことができる。
【0039】
(2)図4に示すように、封止キャップ5に、ガラス管3内部を外気に通じさせる通路51が形成されている。通路51は、ガラス管3の端縁が封止キャップ5に当接する部分から、封止キャップ5を貫通して、形成されている。
【0040】
これによれば、ガラス管3内部の高温空気を通路51から放出できるので、ガラス管3内部の温度を394℃未満に確実に抑制できる。
【0041】
(実施形態2)
本実施形態では、図5に示すように、開放部71、72が、開口81、82(図6)を多孔板91で内側から塞いでなるものである。その他は実施形態1と同じである。
【0042】
多孔板91としては、例えば、ステンレス網を用いる。ステンレス網としては、例えば、線径0.18mm、30メッシュ、開口率62%のものが好ましい。
【0043】
多孔板91は、例えば、図6に示すように設ける。すなわち、筒状の多孔板91を、金属管2の、開口81、82が位置する部分に、内嵌させ、内側からリテーナースプリング92で固定する。
【0044】
本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果を発揮できる。しかも、万一、金属管2内部に漏洩した冷媒が発火した場合でも、火炎が開放部71、72から外部へ出てしまうのを多孔板91によって防止できる。したがって、万一の場合でも、発火による事故の拡大を防止でき、外部に対する除霜ヒータ1の安全性を向上できる。
【0045】
(実施形態3)
本実施形態では、図7に示すように、開放部71が、金属管2の壁を多孔状に形成してなる多孔壁部からなるものである。開放部72も同様である。その他は実施形態1と同じである。
【0046】
多孔壁部は、金属管2の壁を機械加工して形成する。機械加工としては、例えば、プレス加工、ドリル加工、放電加工、レーザー加工などがある。ドリル加工で丸孔を多数形成する場合には、例えば、丸孔の径0.70mm、開口率62%が好ましい。
【0047】
本実施形態によれば、実施形態2と同様の効果を発揮できる。しかも、多孔板91やリテーナースプリング92が不要であるので、実施形態2に比して、構成を簡素化でき、また、容易に製作できる。
【0048】
(実施形態4)
本実施形態では、図8に示すように、開放部71が、開口81に多孔板93を嵌め込んで構成されたものである。開放部72も同様である。その他は実施形態1と同じである。
【0049】
多孔板93は、開口81に嵌め込まれると金属管2の壁を構成する湾曲状のものである。多孔板93としては、例えば、実施形態2の多孔板91と同じ網体930を開口81の大きさに裁断して周縁を枠931で囲んでなるものを使用する。
【0050】
本実施形態によれば、実施形態2と同様の効果を発揮できる。しかも、容易に製作できる。
【0051】
(実施形態5)
本実施形態では、図9に示すように、金属管2が、本体20と、本体20の端部に嵌合されたリング体20Aと、で構成されている。そして、リング体20Aに開放部76が設けられている。なお、本体20の他端部にも、開放部を有するリング体20Aを嵌合させてもよい。また、開放部は、実施形態1〜4のいずれの形態のものでもよい。
【0052】
本実施形態によれば、開放部76を有するリング体20Aを本体20に嵌合させるだけで、金属管2に開放部を設けることができるので、開放部を有する金属管を容易に製作できる。
【0053】
(実施形態6)
本実施形態では、図10に示すように、リング体20Bが本体20に外嵌して設けられており、本体20の開放部77の開放の程度がリング体20Bによって調節されている。
【0054】
本実施形態によれば、開放部77の開放の程度を任意に調節できるので、ガラス管3の表面温度を任意に調節できる。
【0055】
なお、図10ではリング体20Bを外嵌させているが、図11に示すように、リング体20Bを内嵌させてもよい。
【0056】
(実施形態7)
本実施形態では、図12に示すように、金属管2が、リング体20Cを2つの本体20の間に外嵌させて構成されている。そして、リング体20Cに開放部78が設けられている。
【0057】
本実施形態によれば、実施形態5と同様に、開放部を有する金属管を容易に製作できる。しかも、2つの本体20の長手方向の熱膨張を、リング体20Cによって、長手方向に吸収できるので、金属管2の熱膨張による変形を防止できる。
【0058】
なお、図12ではリング体20Cを外嵌させているが、リング体20Cは内嵌させてもよい。
【0059】
(実施形態8)
本実施形態では、図13に示すように、封止キャップ5に、金属管2内部を外気に通じさせる開放部52が設けられている。開放部52は、封止キャップ5を金属管2の内部から貫通して形成した開口からなっている。開放部52では、更に、開口の出口が多孔性の蓋521で塞がれている。
【0060】
本実施形態においても、開放部52は、実施形態1〜7の開放部と同様の作用効果を奏し、また、蓋521は、実施形態2〜4の多孔板や多孔壁部と同様の作用効果を奏する。したがって、本実施形態によれば、金属管2に開放部を設けた実施形態1〜7と同様の効果を発揮できる。
【0061】
(別の実施形態)
(1)開放部の配設パターンは、実施形態1〜4の開放部77のように金属管2の両端部に設ける場合に限るものではない。例えば、次のようなパターンを採用してもよい。もちろん、どのようなパターンの開放部であっても、実施形態1のように開口のみで構成したり、実施形態2のように開口を多孔板で塞いで構成したり、実施形態3のように多孔壁部で構成したり、実施形態4のように開口に多孔板を嵌め込んで構成したりするのは、任意である。
【0062】
(A)図14では、金属管2の両端部に開放部71、72が、及び、長手方向中央部に開放部73が、設けられている。これによれば、金属管2の内部空間の両端部及び中央部の温度上昇を抑制できる。
【0063】
(B)図15では、金属管2の長手方向全体に延びた開放部74が設けられている。これによれば、金属管2の内部空間の温度上昇を、金属管2の長手方向全体に渡って抑制できる。
【0064】
(C)図16では、金属管2の長手方向全体に渡って並べられた多数の開放部75が設けられている。これによれば、金属管2の内部空間の温度上昇を、金属管2の長手方向略全体に渡って抑制できる。
【0065】
(2)開放部の位置は、上記実施形態のように、金属管2の、冷却器10に対する真反対の位置に、限るものではなく、例えば、図17に示すように、金属管2の冷却器10側であってもよい。
【0066】
図17では、金属管2の一方の端部の、冷却器10側に、開放部791が設けられ、他方の端部の、冷却器10とは反対側に、開放部792が設けられている。更に、開放部791の上方には、開放部791を覆う傘部材99が設けられている。
【0067】
図17の例においても、開放部は、実施形態1〜7の開放部と同様の作用効果を奏する。しかも、開放部791と開放部792との間に空気の流れが生じやすいので、金属管2の内部空間全体の温度上昇を抑制できる。更に、傘部材99によって、開放部791への水滴の落下を防止できるので、金属管2内に水が溜まるのを防止でき、また、水滴がガラス管3に接触して蒸発することによる音の発生を、防止できる。
【0068】
しかるに、開放部の位置は、金属管2の、冷却器10に対する真反対の位置が最も好ましく、図2に示すRの範囲内、すなわち、真反対から両側に90度の範囲内、が次に好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の除霜ヒータは、外側を金属管とした二重管構造の除霜ヒータにおいて、金属管の表面温度を394℃未満に抑制できるので、非常に安全性が高く、それ故、産業上の利用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態1の除霜ヒータの断面正面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII矢視図である。
【図4】除霜ヒータの封止キャップの部分を示す断面部分図である。
【図5】実施形態2の除霜ヒータの図3に相当する図である。
【図6】実施形態2の除霜ヒータの部分縦断面図である。
【図7】実施形態3の除霜ヒータの断面部分図である。
【図8】実施形態4の除霜ヒータの分解部分図である。
【図9】実施形態5の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図10】実施形態6の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図11】実施形態6の別の例の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図12】実施形態7の除霜ヒータの部分縦断面図である。
【図13】実施形態8の除霜ヒータの一部縦断面部分図である。
【図14】開放部のパターンの第1例を示す、図3に相当する図である。
【図15】開放部のパターンの第2例を示す、図3に相当する図である。
【図16】開放部のパターンの第3例を示す、図3に相当する図である。
【図17】開放部の位置の別の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 除霜ヒータ 2 金属管 20 本体 20A リング体 21 内表面 22 外表面 3 ガラス管 4 電熱線 5 封止キャップ 51 通路 52、71、72、73、74、75、76、77、78 開放部 81、82、83 開口 91、93 多孔板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属管と、金属管に挿通されたガラス管と、ガラス管に挿通された電熱線と、金属管及びガラス管の両端部を封止する封止キャップと、を備えており、冷蔵庫の冷却器に対して除霜を行う、除霜ヒータにおいて、
金属管及び封止キャップの少なくとも一方に、金属管内部を外気に通じさせる開放部が設けられていることを特徴とする除霜ヒータ。
【請求項2】
金属管が、本体とリング体とを相互に嵌合させて組み合わせることにより構成されており、
本体及びリング体の少なくとも一方に開放部が設けられている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項3】
開放部が、金属管の壁を貫通して形成した開口からなっている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項4】
開放部が、封止キャップを貫通して形成した開口からなっている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項5】
開放部が、上記開口を、多孔板で塞いでなるものである、請求項3又は4に記載の除霜ヒータ。
【請求項6】
開放部が、上記開口に、多孔板を嵌め込んでなるものである、請求項3又は4に記載の除霜ヒータ。
【請求項7】
上記多孔板が、30メッシュ以上の網体である、請求項5又は6に記載の除霜ヒータ。
【請求項8】
開放部が、金属管の壁自体を多孔状に形成してなる多孔壁部からなっている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項9】
開放部が、封止キャップの近傍の金属管に設けられている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項10】
金属管の内表面及び外表面の内の少なくとも一方が、金属管の構成材料である金属よりも遠赤外線に関する放射率が高くなるよう処理されている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項11】
封止キャップに、ガラス管内部を外気に通じさせる通路が形成されている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項12】
開放部の一部が、本体とリング体との嵌合によって、任意の広さだけ塞がれている、請求項2記載の除霜ヒータ。
【請求項1】
金属管と、金属管に挿通されたガラス管と、ガラス管に挿通された電熱線と、金属管及びガラス管の両端部を封止する封止キャップと、を備えており、冷蔵庫の冷却器に対して除霜を行う、除霜ヒータにおいて、
金属管及び封止キャップの少なくとも一方に、金属管内部を外気に通じさせる開放部が設けられていることを特徴とする除霜ヒータ。
【請求項2】
金属管が、本体とリング体とを相互に嵌合させて組み合わせることにより構成されており、
本体及びリング体の少なくとも一方に開放部が設けられている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項3】
開放部が、金属管の壁を貫通して形成した開口からなっている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項4】
開放部が、封止キャップを貫通して形成した開口からなっている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項5】
開放部が、上記開口を、多孔板で塞いでなるものである、請求項3又は4に記載の除霜ヒータ。
【請求項6】
開放部が、上記開口に、多孔板を嵌め込んでなるものである、請求項3又は4に記載の除霜ヒータ。
【請求項7】
上記多孔板が、30メッシュ以上の網体である、請求項5又は6に記載の除霜ヒータ。
【請求項8】
開放部が、金属管の壁自体を多孔状に形成してなる多孔壁部からなっている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項9】
開放部が、封止キャップの近傍の金属管に設けられている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項10】
金属管の内表面及び外表面の内の少なくとも一方が、金属管の構成材料である金属よりも遠赤外線に関する放射率が高くなるよう処理されている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項11】
封止キャップに、ガラス管内部を外気に通じさせる通路が形成されている、請求項1記載の除霜ヒータ。
【請求項12】
開放部の一部が、本体とリング体との嵌合によって、任意の広さだけ塞がれている、請求項2記載の除霜ヒータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−17399(P2006−17399A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196716(P2004−196716)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(501315500)大昭産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(501315500)大昭産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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