説明

階層変調上りリンクインターフェースノード

無線通信装置102、122は、低変調オーダー成分と高変調オーダー成分を含んでなる階層的に変調された上りリンク(RL)WWAN信号を伝送する。第1の実施形態において、インターフェースノード100は、階層変調信号を受信復調して、高変調オーダー成分と共に送信された拡張データを回復する。インターフェースノードは、拡張データを、UE装置からの高変調オーダー成分を回復できない基地局105に送信する。他の実施形態において、低変調オーダー成分は、第1サービスレベルデータに対応し、高変調オーダー成分は、第2サービスレベルデータに対応する。インターフェースノード120は、階層変調信号を受信復調して第2サービスレベルデータを回復し、第2サービスレベルデータを受信者に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して無線通信に関し、特に、階層変調上りリンクインターフェースノードと方法及び、階層変調上りリンクインターフェースノードと複数のサービスレベルを提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの無線通信システムには、携帯電話、無線携帯情報端末(PDA)及び双方向ポケットベル等のユーザ端末(UE)装置に無線サービスを提供する地理的に分散された基地局が含まれる。基地局の、UE装置から送信された信号を受信する性能は、UE装置と基地局の距離、ノイズ、障害物、基地局と通信している他の装置の数及び、信号変調のタイプ等の様々な要因によって決まる。より高速なデータ転送速度を提供する変調方式は、基地局が低変調オーダー信号よりも互いに近い信号成分間の解読を行わなければならないため、基地局で容易に復調されるものではない。低変調オーダーを上りリンク信号の伝送に用いてもよいが、より少ないデータのみが伝送可能である。
【0003】
そのため、階層変調上りリンクインターフェースノード、つまり、複数のサービスレベルを提供するための階層変調上りリンクインターフェースノードが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において、ユーザ端末(UE)装置は、低変調オーダー成分と高変調オーダー成分とを含んでなる階層変調上りリンク(RL)WWAN信号を無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)内の基地局に伝送する。インターフェースノードは、階層変調信号をインタセプトし、高変調オーダー成分から回復したデータをWWANに送信する。
【0005】
他の実施形態において、ユーザ端末(UE)装置は、階層変調上りリンク(RL)WWAN信号をインターフェースノードと無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)内の基地局に伝送する。階層変調信号には、第1サービスレベルデータに対応する低変調オーダー成分と第2サービスレベルデータに対応する高変調オーダー成分が含まれる。インターフェースノードは、階層変調信号をインタセプトし、高変調オーダー成分から回復した第2サービスレベルデータを、通信ネットワークを介して受信者に転送する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】図1Aは、本発明の典型的な実施形態による、ユーザ端末(UE)装置及び無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)と通信するインターフェースノードのブロック図である。
【図1B】図1Bは、本発明の他の典型的な実施形態による、ユーザ端末(UE)装置及び無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)と通信するインターフェースノードのブロック図である。
【図2】図2は、一実施形態による、ネットワークを介してUE装置及びWWANと通信するインターフェースノードのブロック図である。
【図3】図3は、本発明の典型的な実施形態による、UE装置において行われる方法のフローチャートである。
【図4A】図4Aは、本発明の典型的な実施形態による、インターフェースノードにおいて行われる方法のフローチャートである。
【図4B】図4Bは、本発明の他の典型的な実施形態による、インターフェースノードにおいて行われる方法のフローチャートである。
【図5】図5は、UE装置内の階層変調機能のブロック図である。
【図6】図6は、成分データビットを積層された変調シンボルへマッピングする説明図である。
【図7】図7は、階層変調装置によって生成された階層変調シンボルを説明する典型的な16−QAM配列のグラフによる表示である。
【図8】図8は、インターフェースノードにおいて階層変調を行うための典型的なWWAN受信部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)内の基地局105が、階層信号106の高変調オーダー成分を回復できない場合に、ユーザ端末(UE)装置102及び無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)104と通信するインターフェースノード100のブロック図である。インターフェースノード100は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)内の基地局105がデータ112を回復できない場合に、UE装置102によって伝送されたデータ112をWWANに転送することでWWANの動作を補助している。以下により詳細に説明するように、UE装置102は、高変調オーダー成分108と低変調オーダー成分110を含む階層変調信号106を生成し基地局105に伝送する。UE装置102と基地局105の間の通信チャネル114によっては、基地局105は、高変調オーダー成分108を回復できない。例えば、距離、障害物、ノイズ、マルチパス干渉及び/又は、他の要因により、信号の信号雑音比は、基地局105が受信するために好適でない場合がある。しかしながら、低変調オーダー成分110は、チャネル114を介して信号106を転送した後に回復可能である。例えば、高変調オーダーが16直交振幅変調(QAM)であり、低変調オーダーが4位相偏移変調(QPSK)であるとすると、基地局105は、QPSK配列内の4点を区別することはできるが、QAM配列の16点のうちのどの点が伝送されたかを判断できない場合がある。UE装置102とインターフェースノード100の間の通信チャネル116の品質が充分であれば、インターフェースノード100は、高変調オーダー成分108を回復し、高変調オーダーを用いて伝送されたデータ112を回復させるために信号106の復調が可能となる。インターフェースノードは、デ―タ112を基地局105に転送する。
【0008】
状況によっては、基地局105は、チャネル114の状態によっては、低変調オーダー成分110又は、高変調オーダー成分108を回復できない。そのような状況において、両方の成分に対応するデータは、インターフェースノード100からWWAN104に転送されてもよい。しかしながら、図1Aを参照して説明する状況に対して、チャネル114の状態は、基地局105は低変調オーダー成分110を復調可能であるが高変調オーダー成分108を復調できないというものである。従って、図1Aでは、基地局105における低変調オーダー成分110を実線矢印及び実線ブロックで示し、高変調オーダー成分108を破線矢印及び破線ブロックで示し、低変調オーダー成分110は基地局105によって回復可能であり、高変調オーダー成分108は基地局105によって回復不可能であることを表している。
【0009】
データ112をインターフェースノード100から基地局105に伝送するために用いるチャネルは、有線通信チャネル又は無線通信チャネルであってもよく、ネットワーク、機器及び/又は、装置の任意の組み合わせを含んでもよい。好適な通信チャネルの例としては、インターネット又はイントラネットを含む有線及び無線のIPプロトコルチャネル及び二地点間マイクロ波チャネルが含まれる。
【0010】
図1Bは、ユーザ端末(UE)装置122及び無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)124と通信する、複数のサービスレベルの通信サービスを提供するインターフェースノード120のブロック図である。UE装置122は、階層信号126をWWANにおける基地局125及び上り通信において少なくとも2つのサービスレベルがユーザに提供されるインターフェースノード120に伝送する。典型的な実施形態において、第1サービスレベルは、リアルタイムの音声送信等のリアルタイムデータの伝送を容易にし、第2サービスレベルは、電子メールやファイルのアップロード等の遅延許容データの伝送を容易にする。以下により詳細に説明するように、UE装置122は、第1レベルのサービスデータを含む低変調オーダー成分130と第2レベルのサービスデータを含む高変調オーダー成分128を含む階層変調信号126を生成して伝送する。従って、本明細書にて説明する例では、第1レベルのサービスデータは、リアルタイムデータであり、第2レベルのサービスは、遅延許容デ―タである。
【0011】
UE装置122と基地局125の間の通信チャネル124によっては、基地局125は、高変調オーダー成分128を回復できない。例えば、距離、障害物、ノイズ、マルチパス干渉及び/又は他の要因のため、信号の信号雑音比は、基地局125の受信に適切でない場合がある。しかしながら、低変調オーダー成分130は、チャネル134を介して信号126を伝送した後に回復可能である。例えば、高変調オーダーが16直交振幅変調(QAM)であり、低変調オーダーが4位相偏移変調(QPSK)であるとすると、基地局125は、QPSK配列内の4点を区別することはできるが、QAM配列の16点のうちのどの点が伝送されたかを判断できない場合がある。UE装置122とインターフェースノード120との間の通信チャネル136の品質が充分であれば、インターフェースノード120は、高変調オーダー成分128を回復し、高変調オーダーを用いて伝送されたデータ132を回復させるために信号126を復調できる。インターフェースノードは、デ―タ132を受信者に転送する。
【0012】
インターフェースノード120を介した通信を管理するための数ある技術のうち、任意のものを用いてもよい。一実施形態において、インターフェースノード120は、UE装置122とインターフェースノード120との間の通信リンクに関する情報を基地局125に伝送する。少なくともそのリンクの品質に基づいて、基地局125は、第2レベルのサービスデータを伝送するために好適な変調オーダーをUE装置122に割り当てる。状況によっては、この割り当ては、データのタイプやボリューム、通信リソースの利用可能性、ユーザの優先レベル及び/又は、他の要因に基づいて行われてもよい。
【0013】
状況によっては、基地局125は、チャネル134の状態によっては、低変調オーダー成分130又は高変調オーダー成分128を回復できない。そのような状況において、低変調オーダー成分データは、インターフェースノード100からWWAN104に転送されてもよい。しかしながら、図1Bを参照して説明する状況に対して、チャネル134の状態は、基地局125が低変調オーダー成分110を復調可能であるというものである。
【0014】
また、基地局125は、チャネル状態が適切であっても、高変調オーダー成分を復調しない。従って、図1Bでは、基地局125における低変調オーダー成分130を実線矢印及び実線ブロックで示し、高変調オーダー成分128を破線矢印及び破線ブロックで示し、低変調オーダー成分130が基地局125によって回復可能であり、高変調オーダー成分128が基地局125によって回復不可能であることを表している。
【0015】
状況によっては、インターフェースノード120は、低変調オーダー成分を復調しなければならない場合もあるが、典型的な実施形態においてインターフェースノード120は、低変調オーダー成分を復調しない。従って、図1Bでは、インターフェースノード120における低変調オーダー成分130を破線矢印及び破線ブロックで示し、高変調オーダー成分128を実線矢印及び実線ブロックで示し、高変調オーダー成分108がインターフェースノード120によって回復可能であり、低変調オーダー成分130がインターフェースノード120によって回復されないことを表している。第2サービスレベルデータ132をインターフェースノード120から意図する受信者に伝送するために用いるチャネルは、有線通信チャネル又は無線通信チャネルであってもよく、ネットワーク、機器及び/又は、装置の任意の組み合わせを含んでもよい。好適な通信チャネルの例としては、インターネット又はイントラネットを含む有線リンク及び無線のIPプロトコルチャネル及び二地点間マイクロ波チャネルが含まれる。
【0016】
図1A及び1Bを参照すると、WWAN104、124及びUE装置102、122は、任意の数の基地局及びインフラストラクチャを含む無線通信システム118、138の一部である。本明細書において説明する原理は、数ある通信システム、プロトコル、配列及び構成のうちの任意のものに適用してもよく、無線通信システム118、138は、セルラ通信システム等のWWANシステムに従って実現される。いくつかの好適な通信技術の例としては、cdma2000 1X、1xEV−DO及び、W−CDMA等の符号分割多重アクセス(CDMA)標準に準拠して動作するものが含まれる。状況によっては、無線通信システム118、138は、例えば、OFDMに基づく標準やGSM標準等、他の標準に準拠して動作してもよい。無線通信システム118、138には、地理的に分散したいくつかの基地局105、125が含まれ、地理的領域内のUE装置102、122に対して無線サービスを提供する。インターフェースノード100は、地理的に分散されており、無線チャネル又は有線チャネルを介して1つ以上の基地局と通信している。基地局105、125は、任意の数のインターフェースノード及びUE装置102、122と通信してもよい。状況によっては、インターフェースノード100、120は、WLANの一部である無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイント(AP)内で実現される。
【0017】
無線通信システム118、138に関して記載したブロックの様々な機能及び動作を実現するにあたって、装置、回路、構成要素等の数はいくつでもあってもよい。2つ以上の機能ブロックを、1つの装置に統合してもよく、1つの装置において行うと記載された機能をいくつかの装置によって実行してもよい。例えば、基地局105の少なくとも部分的な機能を、ある状況下においては、基地送受信局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、又は、移動交換センタ等によって実行してもよい。さらに、状況によっては、他の変調オーダーの組み合わせを用いることが可能である。他の好適な組み合わせの例としては、BPSKとQPSK、QPSKと16−QAM、16−QAMと64−QAM、64−QAMと256−QAM及び、それらの他の組み合わせが含まれる。さらに、階層変調方式には、2つより多い変調オーダーが含まれていてもよい。例えば、BPSKは、低変調オーダーに用いることができ、QPSKは、中間変調オーダーに用いることができ、16−QAMは、高変調オーダーに用いることができる。他の組み合わせもフェーズオフセットを用いることで可能となる(例えば、オフセット−QPSK)。
【0018】
図2は、図1A及び1Bに示したような典型的な実施形態による、WWAN104、124及びUE装置102、122と通信しているインターフェースノード100、120のブロック図である。WWAN104、124、基地局105、125、UE装置、及びインターフェースノード100、120は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又は、ファームウェアの任意の組み合わせを用いて実現してもよい。基地局105、125、インターフェースノード100、120及び、UE装置102、122に関して記載したブロックの様々な機能及び動作を実現するにあたって、装置、回路又は、構成要素等の数はいくつでもあってもよい。さらに、2つ以上の機能ブロックを、1つの装置に統合してもよく、1つの装置において行うと記載された機能をいくつかの装置によって実行してもよい。
【0019】
各UE装置102、122は、少なくとも1つのアンテナ202と、プロセッサ204と、メモリ206と、基地局105、125と通信するための送信部(TX)210と受信部(RX)212を含む無線周波数送受信部208を備えるエアインターフェースとを含む。また、マルチモード機能を有するこれらのUE装置102、122には、WLANアクセスポイントと通信するための別のネットワークインターフェースと、送受信部も含まれる。プロセッサ204及び送信部210は、階層変調を行い、階層変調信号106、126を伝送するように構成される。プロセッサ206は、典型的には変調・復調、符号化・復号化、インターリービング・デインターリービング、多重化・逆多重化、誤り訂正操作等を含む、デジタル化された情報のベースバンド処理を行う。好適なプロセッサ204の例として、ひとつ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)における機能を実装することが含まれる。メモリ206は、プロセッサ204が実行するひとつ以上のソフトウェアプログラムの記憶や、識別データ、プロトコル及び、他のデータに関する情報を記憶する機能を有する。
【0020】
図1A及び2を参照すると、典型的な実施形態においてUE装置102は、階層変調信号106を、両方の成分108、110を復調しようと少なくとも試みる基地局105に伝送する。基地局は、受信した階層信号106を階層的に復調する。多くの場合、基地局105は、両方の成分上で伝送したデータを首尾よく回復する。しかしながら、状況によっては、UE装置102と基地局105との間のチャネル114は、基地局105に成分108、110のうちの一方又は両方を回復させるために充分な品質を持たない。典型的な実施形態において、基地局105は、回復できないデータがあるかをインターフェースノード100に通知する。基地局105は、インターフェースノード100に対して、直接又はWWANインフラストラクチャ234を介して、基地局105が回復できず、WWAN104に転送されるべきデータを通知する。それに応答して、以下に詳細に説明するように、インターフェースノード100は、適切なデータをWWAN104に転送する。実施例として、基地局105又はWWAN104からの通信を受信することなく、高変調オーダー成分データをWWAN104に転送してもよい。
【0021】
図1B及び2を参照すると、典型的な実施形態においてUE装置122は、階層変調信号126を、低変調オーダー成分130だけを復調する基地局125に伝送する。基地局125は、第1サービスレベルデータを回復するために、受信した階層信号126を階層的に復調する。典型的な実施形態において、第1サービスレベルデータには、双方向の通話を容易にするためのリアルタイムの音声情報が含まれる。
【0022】
インターフェースノード100、120は、1つ以上のUE装置102、122からWWAN信号を受信するためのWWAN受信部214と、WWAN104、124と通信するためのネットワークインターフェース222とを少なくとも含む。典型的な実施形態において、WWAN受信部214は、UE装置102、122との双方向通信を容易にするためのWWAN送信部218を含むWWAN送受信部216の一部である。状況によっては、WWAN送信部は省略可能である。インターフェースノード100、120がWLANアクセスポイントの一部として実装されている場合、アクセスポイントもWLANサービスを提供するためのハードウェア及びソフトウェアを含む。インターフェースノード100、120は、WWANインターフェース222及びWWAN受信部214に接続されたコントローラ220をさらに備える。コントローラ220は、本明細書に説明したコントロール機能を実行するとともに、他の機能も実行し、かつ、インターフェースノード100、120の全体的な動作を容易にしている。コントローラ220は、1つ以上のランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)記憶装置を含んでもよいメモリ224に接続される、又は、メモリ224を備える。
【0023】
ネットワークインターフェース222には、高変調オーダー成分データ112、132をWWAN104、124に対して伝送するためのハードウェア、ソフトウェア及び/又は、ファームウェアの任意の組み合わせが含まれる。典型的な実施形態において有線インターフェース226は、基地局105、125にサービスを提供するWWANインフラストラクチャ234内のアクセスゲートウェイ232と、アクセスルータ228及び/又はIPネットワーク230を介して通信する。有線インターフェース226は、アクセスルータ228及びインターネットプロトコル(IP)ネットワーク230とメッセージを交換する。有線インターフェース226は、パケットデータ通信を提供し、アクセスルータ228を介してインターネット及びWWANインフラストラクチャ234におけるアクセスゲートウェイ232へのアクセスを容易にする。状況によっては、有線インターフェース226は、少なくとも部分的にネットワークインターフェース222から切り離されて実現されてもよい。アクセスルータ228は、他のインターフェースノード100、120又はWLANアクセスポイントに接続されてもよいし、WLANに対して通信管理制御機能を提供してもよい。状況によっては、アクセスルータ228は、インターフェースノード100、120又はWLANアクセスポイントの中に実装してもよいし、取り除いてもよい。状況によっては、アクセスゲートウェイ232とインターフェースノード100、120との接続には、例えば、衛星通信リンク又は、二地点間マイクロ波リンク等の無線通信リンクが含まれてもよい。さらに、インターフェースノード100、120は、WiMax又は二地点間リンク等の無線バックホールを利用してもよい。その場合、ネットワークインターフェース222は、基地局105、125又は基地局105、125に接続された機器と通信するための無線インターフェース送受信部240を含む。従って、無線受信部は、基地局105、125に位置してもよいし、WWAN104、124内のどこに位置してもよい。図2では、無線インターフェース送受信部240は破線ブロックで示されており、有線インターフェース226がWWAN104、124に対して通信を提供する場合、無線インターフェース送受信部240は必要でないことを示している。そのため、無線インターフェース送受信部240は、有線インターフェース226に取って代わることもできるし、有線インターフェース226と共に含まれてもよいし、省略されてもよい。
【0024】
WWAN受信部214は、階層変調信号106、126を少なくとも1つのUE装置102、122から受信するように構成される。図1Aを参照して説明したように、階層変調信号106には、低変調オーダー成分110と高変調オーダー成分108が含まれる。WWAN受信部214は、その階層変調信号106を復調して、高次変調データストリームを回復する。この高次変調データストリームは次に、基地局105に対して伝送するために変調されるか、そうでなければ、処理される。基地局は高変調オーダー成分を復調しようと試みるが、状況によっては、低変調オーダー成分だけが回復される。従って、そのような場合、階層変調信号106は、WWAN階層変調信号が基地局104に対して通信路114を介して伝送される場合に、基地局104によって回復可能な低変調オーダー成分110と、通信路114を介して伝送された後に基地局104によって回復不可能な高変調オーダー成分108とを含む。図1Bを参照して説明したように、階層変調信号106には、低変調オーダー成分110と高変調オーダー成分108とが含まれる。WWAN受信部214は、その階層変調信号106を復調して、高次変調データストリームを回復する。この高次変調データストリームは、次に、受信者に対して伝送するために変調されるか、そうでなければ、処理される。低変調成分は、第1サービスレベルデータに対応し、高変調オーダーは、第2サービスレベルデータに対応する。
【0025】
他の情報に加えて、メモリ224は、インターフェースノード100、120によってサービスを提供される各通信装置102、122に対応する通信装置識別値を記憶する。通信装置識別値には、電子シリアル番号(ESN)又は他の一意データを含んでもよい。数ある技術のうちの任意のものを用いて、識別値をインターフェースノード100に記憶してもよい。識別値を記憶する好適な方法の例としては、インターフェースノード100をインストールする際又はインターフェースノード100、120に対する定期的な更新中に行われる初期化工程の間に識別値を記憶する方法が含まれる。典型的な実施形態において、WWANインフラストラクチャ234から受信した識別情報には、インターフェースノード100、120の近くにあるUE装置102、122を識別する識別値が含まれる。従って、識別情報により、インターフェースノード100、120による監視対象装置のユーザリストを更新することが可能となる。実施例として、WWANインフラストラクチャ234から受信する識別値だけをユーザリストに記憶する場合もある。他の状況では、ユーザリストには、予めプログラムされた識別値とWWANインフラストラクチャから受信する値の組み合わせが含まれてもよい。識別情報には、パラメータ、数字、識別子又は、特定のUE装置102、122を識別するための好適なデータをインターフェースノードに提供する情報の任意の組み合わせが含まれてもよい。
【0026】
典型的な実施形態において、WWANインフラストラクチャ234は、少なくとも1つのアクセスゲートウェイ232を含むパケット交換基幹ネットワークを備える。コントローラ236は、プロセッサ、コンピュータ、プロセッサ配置又は、他の処理装置を含む。ここで、アクセスゲートウェイの少なくともいくつかの機能をコントローラ236が行ってもよい。コントローラには、位置決定エンティティ(PDE)及び/又は位置サーバ等の位置決定プロセッサが含まれる。メモリ238には、情報の電気的ストレージを提供するRAM又はROM等の好適なメモリ装置が含まれる。他のタイプの情報に加えて、メモリは、識別情報及びインターフェースノード100、120の位置に関する情報を記憶する。アクセスルータ228を、有線接続及び無線接続の任意の組み合わせを用いてアクセスゲートウェイ232に接続してもよい。好適な接続の例としては、T1ライン、光ケーブル、同軸ケーブル、及び二点間マイクロ波がある。アクセスゲートウェイ232は、インターフェースノード100、120がWWANインフラストラクチャ234と通信できるようにする通信インターフェースである。WWANインフラストラクチャ234の様々な構成要素及び機能は、基幹ネットワークを通して分散したいくつかの装置を用いて実現してもよい。例えば、どのUE装置102、122を監視すべきかを判断する処理機能は、異なる位置にあるPDEに接続されたサーバにおいて実行してもよい。
【0027】
図1A及び2を参照して、動作中に、インターフェースノード100は、UE装置102から伝送された上りリンクの階層変調信号106を含む上りリンクWWANチャネルを監視する。上りリンクWWAN受信部214の調整、又は設定を行い、上りリンクの階層変調信号106を受信する。以下により詳細に説明するように、階層信号106を受信復調して、高変調成分108を回復する。回復したデータストリーム112は、ネットワークインターフェース222を介して基地局に転送される。
【0028】
インターフェースノード100を介した通信を管理するための数ある技術のうち、任意のものを用いてもよい。従って、インターフェースノード、WWAN104及び、基地局105の間でコントロール信号及びデータフローを伝送するためのメッセージのタイプ、数、サイズは、特定の管理方式によって決まる。典型的な実施形態において、インターフェースノード100は、UE装置102とインターフェースノード100との通信リンクに関する情報を基地局105に伝送する。少なくともリンクの品質に基づいて、基地局105は、低変調オーダーデータ及び高変調オーダーデータを伝送するために好適な変調オーダーをUE装置102に割り当てる。状況によっては、この割り当ては、データのタイプやボリューム、通信リソースの利用可能性、ユーザの優先レベル、及び/又は他の要因に基づいて行われてもよい。さらに、チャネルの品質に基づいて、基地局105は、インターフェースノードに指示して、WWANへ高変調オーダーデータを転送させるか、高変調オーダーデータ及び低変調オーダーデータの両方を転送させるか、又は何れのデータも送信させない。この指示は、指定したフレーム数、時間の長さ、セッション又は他の期間に対して有効であってもよい。
【0029】
図1B及び2を参照して、動作中に、インターフェースノード120は、UE装置122から伝送された上りリンクの階層変調信号126を含む上りリンクWWANチャネルを監視する。上りリンクWWAN受信部214の調整、又は設定を行い、上りリンクの階層変調信号126を受信する。典型的な実施形態において、基地局125は、UE装置122とインターフェースノードの間の通信リンクの品質について通知される。UE装置122が検知されると、インターフェースノード120は、通信チャネル136を監視し、品質に基づいたチャネル品質指標を生成する。チャネル品質指標は、数あるパラメータ又は特徴のうちの任意のものでよい。好適な品質指標の例としては、受信信号の強度や信号雑音比(SNR)が含まれる。チャネル品質指標は、基地局125に転送され、基地局125は転送された情報を用いて、UE装置122に対するリソースの割り当て、変調方式及び、伝送スケジュールの割り当てを行う。リソースの割り当ては、利用可能な容量、上りリンク伝送の要求帯域及びユーザの優先順位等、他の要因に基づいて行われてもよい。
【0030】
伝送スケジュールが一旦確立すれば、好適な情報がインターフェースノード120とUE装置122へ送信される。公知の技術による制御方式を用いて通信パラメータをUE装置122に割り当てる。インターフェースノード100は、基地局105によって提供された情報を用いてUE装置122から伝送された信号を受信する。以下にさらに詳細に説明するように、階層信号126は受信復調され、高変調成分128が回復される。回復されたデータストリーム(第2サービスレベルデータ)132は、ネットワークインターフェース222を介して受信者に転送される。データ132は、受信者が受信するまでに、任意の数のネットワークやシステムを介して送られてもよい。例えば、データ132は、インターネット及びWWANシステム又はWLANシステムを介して無線モバイル装置に伝送される電子メールを含んでもよい。
【0031】
図3は、本発明の典型的な実施形態による、UE装置102、122において行われる方法のフローチャートである。その方法は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はUE装置102、122内のソフトウェアの任意の組み合わせを用いて行ってもよいが、典型的な実施形態においては、プロセッサのソフトウェアコードを実行することで、少なくとも部分的に行われる。
【0032】
ステップ302において、UE装置102、122は、少なくとも伝送用変調オーダーを示す通信パラメータを、基地局105、125から受信する。公知の制御技術により、基地局105、125は、UE装置102、122からの上りリンク伝送用の低変調オーダー及び高変調オーダーを割り当てる制御信号を伝送する。電力制御レベルやタイミング情報等、他のパラメータも割り当てられる。高変調オーダーの割り当ては、音声通信だけでなく通信リソースのためにUE装置102、122からの要求に答えるものであってもよい。
【0033】
ステップ304において、階層変調を行って階層変調信号を生成する。基本データ信号及び拡張データ信号を変調しインターリーブして、両方のデータ信号からのデータを含む階層信号を作成する。図1Aに説明した実施形態によると、両方のデータ信号には、基地局によって受信されるべき情報が含まれるが、場合によっては、優先順位のレベルが異なってもよい。データ信号の例としては、音声情報を含む基本データ信号及びアップストリームデジタルデータを含む拡張データ信号が含まれる。他の場合において、拡張データ信号上で制御データを送信してもよいし、基本データ成分を用いてユーザデータを送信してもよい。図1Bに説明した実施形態によると、音声等の第1レベルのサービスデータ及び遅延許容データ等の第2レベルのサービスデータを組み合わせて階層変調信号126を形成してもよい。
【0034】
ステップ306において、階層変調信号を伝送する。多くの場合、UE装置から基地局105への通信路114は、インターフェースノード100への通信路116とは異なっている。
【0035】
図4Aは、図1Aに示した本発明の典型的な実施形態による、インターフェースノード100において行われる方法のフローチャートである。その方法は、インターフェースノード100内のハードウェア、ソフトウェア及び/又は、ファームウェアの任意の組み合わせを用いて行ってもよいが、典型的な実施形態においては、コントローラ220におけるソフトウェアコードを実行することで、少なくとも部分的に行われる。
【0036】
ステップ402において、階層変調信号106をUE装置102から受信する。典型的な実施形態において、階層変調信号106は、UE装置102からインターフェースノード100への通信路116を介して受信される上りリンク(RL)WWAN信号である。階層変調信号106には、基本データ信号に対応する低変調オーダー成分110及び拡張データ信号に対応する高変調オーダー成分108が含まれる。
【0037】
ステップ404において、高変調オーダー成分を復調する。以下により詳細に説明するように、拡張データ信号は、階層復調、デインターリービング及び、復号化することにより回復される。場合によっては、低変調オーダー成分と高変調オーダー成分の両方を回復する。
【0038】
ステップ406において、高変調オーダー成分データに対する要求をWWANから受信する。場合によっては、その要求に、低変調オーダー成分データの要求を含んでもよい。典型的な実施形態において、WWAN104は、基地局105からの、信号106の成分のうちのひとつ以上が受信できないという表示に基づいて要求を生成する。WWANは、UE装置102のエリア内の全てのインターフェースノード100に対して要求を送信する。
【0039】
状況によっては、ステップ406は省略可能であり、高変調オーダー成分を継続して回復し、ネットワークに対して継続的に転送できる。また、低変調オーダーも、継続的に回復・転送可能である。
【0040】
その他の状況において、インターフェースノード100は、閾値に基づいて、低変調オーダー成分データ及び/又は、高変調オーダー成分データを送信するかどうかを決定できる。例えば、閾値は、信号雑音比(SNR)又はインターフェースノードにおける受信信号の信号強度、及び/又は、SNR又は基地局105における信号106の信号強度に基づいてもよい。基地局105において受信した信号106に関して、情報を定期的にWWAN又は基地局からインターフェースノードに送信してもよい。
【0041】
ステップ408において、拡張信号を送信する。典型的な実施形態において、拡張データ信号(高変調オーダー成分データ)は、WWAN104に伝送される。拡張データ信号は、フォーマットされ、変調され、あるいは、処理されてWWAN104に対する伝送のための信号を形成する。信号は生成され、多くの有線及び/又は無線技術を用いて伝送してもよい。典型的な実施形態において、拡張データ信号(高変調オーダー成分データ)は、WWANインフラストラクチャ234に接続されたネットワークを介して伝送される。場合によっては、高変調オーダー成分データは、意図する受信者に直接送信される。例えば、高変調オーダー成分データが電子メールである場合、電子メールは、WWANインフラストラクチャに送信されるよりもむしろIPネットワークを介して直接送られてもよい。状況によっては、拡張データ信号は、基地局105に転送される。拡張データ信号及び基本データ信号を統合するために、さらなる処理が必要となる場合がある。そのような処理は、WWANインフラストラクチャ104内又は、ネットワーク内の何れかの場所にある基地局105において実行可能である。
【0042】
図4Bは、図1Bに説明した本発明の典型的な実施形態によるインターフェースノード120において行われる方法のフローチャートである。その方法は、インターフェースノード120内のハードウェア、ソフトウェア及び/又は、ファームウェアの任意の組み合わせを用いて行ってもよいが、典型的な実施形態においては、コントローラ220におけるソフトウェアコードを実行することで、少なくとも部分的に行われる。
【0043】
ステップ422において、チャネル品質指標を基地局125に伝送する。インターフェースノード120がUE装置122を検知した後で、UE装置122から伝送された信号を評価することでチャネル136を監視する。典型的な実施形態において、インターフェースノード100は、WWANによって提供された情報を利用して、基地局125に対して伝送された上りリンク信号を受信し復調する。信号雑音比、信号強度、信号減衰、又は、ビット誤り率(BER)等の1つ以上のチャネル品質のパラメータを生成し、基地局125に伝送する。
【0044】
ステップ424において、上りリンク通信パラメータを基地局125から受信する。上りリンク通信パラメータは、通信リソースのUE装置122に対する割り当てに関する情報を提供し、少なくとも変調オーダーと、UE装置122に割り当てられたスケジュール情報を提供する。
【0045】
ステップ426において、階層変調信号126をUE装置122から受信する。階層変調信号126は、UE装置122からインターフェースノード120への通信路136を介して受信される上りリンク(RL)WWAN信号である。階層変調信号126には、基本データ信号に対応する低変調オーダー成分130及び拡張データ信号に対応する高変調オーダー成分128が含まれる。
【0046】
ステップ428において、高変調オーダー成分を復調する。以下により詳細に説明するように、拡張データ信号は、階層復調、デインターリービング及び、復号化することにより回復される。場合によっては、低変調オーダー成分と高変調オーダー成分の両方を回復する。
【0047】
ステップ430において、第2サービスレベルデータ(拡張成分)を受信者に転送する。典型的な実施形態において、拡張成分が転送される前に、ネットワークや、場合によっては、受信者のユーザ端末との通信リンクが確立される。例えば、第2サービスレベルデータが電子メールである場合、インターフェースノード120は、インターネットとの通信リンクを確立し、電子メールメッセージを、IPプロトコルを用いて伝送する。
【0048】
拡張データ信号は、フォーマットされ、変調され、又は、処理されてネットワークやインターフェースノード120が、WLANアクセスポイントの一部である、又は、WLANアクセスポイントに接続されているWLANに対する伝送用の信号を形成する。信号を生成し、多くの有線及び/又は無線技術を用いて伝送してもよい。典型的な実施形態において、拡張データ信号(第2サービスレベルデータ)は、IPネットワーク230を介して伝送される。状況によって、拡張データ信号は、基地局125又はWWAN124に転送される。
【0049】
図5は、UE装置102、122内の階層変調機能のブロック図である。図5に図示した機能ブロックは、典型的な実施形態において、UE装置102、122の送信部210、メモリ206及び、プロセッサ204の少なくとも一部によって実現される。しかしながら、図5に関して記載したブロックの様々な機能及び動作を実現するにあたって、装置、回路又は、ソフトウェア、ハードウェア及び/又は、ファームウェアの任意の組み合わせにおいて実現される構成要素の数はいくつでもあってもよい。2つ以上の機能ブロックを、1つの装置に統合してもよく、1つの装置において行うと記載された機能をいくつかの装置によって実行してもよい。
【0050】
基本データ信号500は、基本成分エンコーダ502において受信され、拡張データ信号504は、拡張成分エンコーダ506において受信される。基本データ信号500及び拡張データ信号504は、数あるタイプのデータ及び信号のうちの任意のものを含んでもよい。図1Aに示した一実施形態において、基本データ信号500及び拡張データ信号504の例として、同じデータソースからの2つのストリーム、つまり、リアルタイムとベストエフォートデータ、制御とデータ及び、音声とデータ信号が含まれてもよい。図2Aに示した実施形態において、データと信号は、それぞれ第1サービスレベルデータ及び第2サービスレベルデータに対応する。
【0051】
引き続き図5に関して、各データ信号は、信号が基本インターリーバ508及び拡張成分インターリーバ510によってインターリーブされる前に、公知の技術によって符号化され処理される。エンコーダ502、506及びインターリーバ508、510は、誤り訂正処理を提供し、ターボコーディング等の好適な誤り訂正符号化を採用してもよい。インターリーバ508、510は、任意の好適なインターリビングアルゴリズムを採用してもよい。ある構成要素が用いる符号化及びインターリービング方式は、他の構成要素が用いるものと異なってもよい。
【0052】
多重化部(MUX)512は、階層変調部514が多重化された信号を変調する前に、インターリーブされた信号を多重化する。乗算部516、518、520は、ウォルシュコード(Wo、Wc)を同相かつ直交成分及びパイロット信号522で乗算する。ゲイン乗算部524、526、528は、同相成分、直交成分及びパイロット信号のゲインをそれぞれ調節する。時分割多重化部(TDM)530は、パイロット信号、同相信号及び、直交信号を時分割多重化して、アンテナを介して送信部210によって伝送される階層変調信号206を生成する。
【0053】
図6は、ビットを積層された変調シンボルにマッピングしたブロック図である。基本成分及び拡張成分のそれぞれは、インターリーバ508、510によって個々に符号化され、インターリーブされる。出力Bi、Ejは、多重化部514によって多重化され、シンボルS0、S1、S2、S3が生成される。基本成分を構成するパラメータの数によって、多重化は異なる。例えば、多重化用の成分のそれぞれのビットを交互に配置する代わりに、3つの拡張ビットを各基本ビットに続けてもよい。
【0054】
図7は、階層変調部514によって生成された階層変調シンボルを説明する16−QAM配列700を例示したグラフを示す。この例において、各変調シンボルは、4つの多重化ビット(すなわち、S3、S2、S1、S0)を表す。S0とS2は、基本成分からの多重化ビットを表し、S1とS3は拡張成分からの多重化ビットを表す。変調シンボルは、S0とS2が同じ象限内で変化しないように構成されている。そのため、基本成分からの多重化ビットは、本質的にはQPSK変調され、一方、拡張成分からの多重化ビットは、16−QAM変調される。
【0055】
図5に示したように、基本成分及び拡張成分は、変調され、そして、パイロット信号とともに伝送される。パイロットゲイン(Gp)は、基本及び拡張に対するゲイン(Gb)とは独立である。基本成分の受信を改善するために、UE装置102、122は、インターフェースノード100がパイロット信号を首尾よく受信する場合、基本データ信号を首尾よく復調できるようにゲインGbを調節可能である。
【0056】
図8は、インターフェースノード100において階層変調を行う典型的なWWAN受信部214のブロック図である。他の構成要素に加えて、受信部214は、受信部側フロントエンド(RX FE)801、遅延バッファ802、ウォルシュコード(W0,WC)及び係数(W*)乗算部804、806、808、810、812、チャネル推定部814、閾値コンパレータ816、階層復調部818を含む。パイロットを、ウォルシュコードW0を用いてスクランブル解析した後、チャネル推定を行って、重さ、W*及び、SNRを推定する。遅延データは、ウォルシュコードWCを用いてスクランブル解析され、その後、係数を用いて均等化される。現在の信号のSNRによって、QPSK又は、16−QAM復調のどちらかを用いることができる。また、受信部214は、基本成分デインターリーバ826及びデコーダ828と、拡張成分デインターリーバ822及びデコーダ824とを有する。状況によっては、基本デインターリーバ826及び基本デコーダ828は省略してもよい。機能ブロックの少なくともいくつかは、コントローラ220の中で実行してもよい。しかしながら、図8に関して記載したブロックの様々な機能及び動作を実現するにあたって、装置、回路又は、ソフトウェア、ハードウェア及び/又は、ファームウェアの任意の組み合わせにおいて実現される構成要素の数はいくつでもあってもよい。2つ以上の機能ブロックを、1つの装置に統合してもよく、1つの装置において行うと記載された機能をいくつかの装置によって実行してもよい。
【0057】
チャネル評価部814は、信号の強度指標とC/lを、階層変調部818が用いる変調オーダーを判断する閾値コンパレータ816に提供する。閾値コンパレータ816は、1つ以上の参照テーブル(LUT)を含むことができ、信号雑音比(SNR)の範囲及び、対応する変調オーダー値を記憶する。SNRに対するLUTは、伝送されたパイロットレベルがトラヒック状態により変化してもよいので、パイロットゲイン(GP)及び基本成分において用いたゲインの相対的なレベルに基づいて更新してもよい。また、LUTは、コード率の情報を含んでもよい。閾値コンパレータ816が、SNRがよい(閾値より低い)と示した場合、基本成分及び拡張成分の両方を16―QAM復調部を用いて首尾よく復調できる。
【0058】
しかしながら、閾値コンパレータ816が、SNRが低いことを示す場合は、基本成分のみを首尾よく復調できる。この場合、受信した各16―QAMシンボルに対して、積層された復調部818は、エラーの確率が最も小さいのはどの象限であるかを判断しさえすればよい。16個の可能な16−QAMシンボルの中から選択しないで、積層された復調部818は、4つのあり得る結果に基づいて決定をなせばいいだけである(QPAK復調と同様)。これが可能な理由は、象限毎の変調シンボルは、基本成分ビットに対して変化しないためである。上述したように、状況によっては、他の変調オーダーの組み合わせを用いることができる。
【0059】
あるいは、受信部は(中継局及び基地局の両方において)信号強度を監視してもよく、閾値の比較なしに信号を回復してもよい。この場合、受信部は、基本成分及び拡張成分の両方を常に復調する。基本成分及び拡張成分は、例えば、各成分のCRC(巡回冗長検査)又はそれに相当するもの等の誤りチェックの結果によってオーバーヘッドメッセージの回復の成功を示してもよい。
【0060】
図1Bに示した実施形態において、UE装置102は、単一の伝送に複数のQoS通信を利用可能であるため、電池や制御シグナリングオーバーヘッド等のリソースを有効に使うことが可能となる。複数のサービスが単一のセッションにおいて提供される。また、WWAN上りリンクトラヒックリソースの使用は、制御シグナリングだけを必要とする伝送のために最小限にして、複数のサービス伝送を容易にしている。
【0061】
当業者であれば、これらの技術の観点から本発明の他の実施形態及び変形例を容易に考えつくことは明らかである。上記の説明は、例示するためのものであり限定するためのものではない。本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、該特許請求の範囲は、上述した明細書及び添付の図と併せて鑑みた際には、他の実施形態や変形例の全てを含む。よって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲と共にその均等物の全ての範囲を参照して決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末(UE)装置から伝送され、低変調オーダー成分と高変調オーダー成分とを含んでなる無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)階層変調信号を受信する受信部と、
前記高変調オーダー成分を復調して高変調オーダー成分データを回復する復調部と、
前記高変調オーダー成分データをWWANに送信するネットワークインターフェースと、を備えるインターフェースノード。
【請求項2】
前記低変調オーダー成分は、第1サービスレベルデータ信号に対応し、
前記高変調オーダー成分は、第2サービスレベルデータ信号に対応する請求項1のインターフェースノード。
【請求項3】
前記ネットワークインターフェースは、前記WWAN内にある基地局が前記階層変調信号から前記高オーダー成分データを回復できない場合に、前記高変調オーダー成分データを前記WWANに送信するように構成される請求項1のインターフェースノード。
【請求項4】
前記ネットワークインターフェースは、前記高変調オーダー成分データを伝送する無線送信部を備える請求項1のインターフェースノード。
【請求項5】
前記無線送信部は、WWAN無線チャネルを介して前記高オーダー成分データを前記基地局に伝送するWWAN送信部である請求項3のインターフェースノード。
【請求項6】
前記ネットワークインターフェースは、前記基地局において受信された前記WWAN階層変調信号の信号雑音比が閾値より低い場合に、前記高変調オーダー成分データを前記WWANに送信するように構成される請求項1のインターフェースノード。
【請求項7】
前記ネットワークインターフェースは、有線通信ネットワークに接続するためのアクセスルータを備える請求項1のインターフェースノード。
【請求項8】
前記有線通信ネットワークは、インターネットとアクセスゲートウェイを備える請求項7のインターフェースノード。
【請求項9】
前記高変調オーダー成分は、QPSK、16−QAM、64−QAM及び、256−QAMからなるグループから選択された変調によって変調され、前記低変調オーダーは、BPSK,QPSK,16−QAM及び、64−QAMからなるグループから選択された変調によって変調される請求項1のインターフェースノード。
【請求項10】
前記第1サービスレベルデータは、リアルタイムデータであり、前記第2サービスレベルデータは、遅延許容データである請求項2のインターフェースノード。
【請求項11】
前記ユーザ端末装置は、
基本データ信号と拡張データ信号を多重化して、多重化データストリームを生成する多重化部と、
前記多重化データストリームを変調して、前記基本データ信号に対応する前記低オーダー変調成分と前記拡張データ信号に対応する前記高オーダー変調成分とを含んでなる前記無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)階層変調信号を生成する変調部と、
前記WWAN階層変調信号を第1通信路を介して前記インターフェースノードに伝送し、第2通信路を介して基地局に伝送するWWAN送信部と、を備える請求項1のインターフェースノード。
【請求項12】
前記ユーザ端末装置は、
前記第1サービスレベルデータ信号と前記第2サービスレベルデータ信号を多重化して、多重化データストリームを生成する多重化部と、
前記多重化データストリームを変調して、前記第1サービスレベルデータ信号に対応する前記低オーダー変調成分と前記第2サービスレベルデータ信号に対応する前記高オーダー変調成分とを含んでなる前記無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)階層変調信号を生成する変調部と、
前記WWAN階層変調信号を第1通信路を介して前記インターフェースノードに伝送し、第2通信路を介して前記基地局に伝送するWWAN送信部と、を備える請求項2のインターフェースノード。
【請求項13】
ユーザ端末(UE)装置から伝送され、低変調オーダー成分と高変調オーダー成分とを含んでなる無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)階層変調信号を受信し、
前記高変調オーダー成分を復調して、高変調オーダー成分データを回復し、
前記高変調オーダー成分データをWWANに送信する方法。
【請求項14】
前記低変調オーダー成分は、第1サービスレベルデータ信号に対応し、
前記高変調オーダー成分は、第2サービスレベルデータ信号に対応する請求項13の方法。
【請求項15】
前記送信は、前記WWAN内にある基地局が前記階層変調信号から前記高変調オーダー成分データを回復できない場合に、前記高変調オーダー成分データを前記WWANに送信することを含む請求項13の方法。
【請求項16】
前記送信は、WWA無線チャネルを介して前記高変調オーダー成分データを前記基地局に無線で伝送することを含む請求項15の方法。
【請求項17】
送信は、前記基地局において受信された前記WWAN階層変調信号の信号雑音比が閾値より低いと判断された場合、前記高変調オーダー成分データを前記WWANに送信することを含む請求項13の方法。
【請求項18】
前記送信は、有線通信ネットワークを介して前記高変調オーダー成分データを伝送することを含む請求項13の方法。
【請求項19】
前記高変調オーダー成分は、QPSK、16−QAM、64−QAM及び、256−QAMからなるグループから選択された変調よって変調され、前記低変調オーダーは、BPSK、QPSK、16−QAM及び、64−QAMからなるグループから選択された変調によって変調される請求項13の方法。
【請求項20】
前記第1サービスレベルデータは、リアルタイムデータであり、前記第2サービスレベルデータは、遅延許容データである請求項14の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−537606(P2010−537606A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523080(P2010−523080)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/074267
【国際公開番号】WO2009/029600
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】