説明

集積超音波療法トランスデューサアセンブリ

【課題】集積超音波療法トランスデューサを提供する。
【解決手段】集積超音波療法トランスデューサは、療法超音波を発生させる圧電トランスデューサ4、圧電トランスデューサをサポートする支持体5、圧電トランスデューサを駆動する電力増幅モジュール1を含む。電力増幅モジュールおよび圧電トランスデューサの両方は、療法トランスデューサの筐体内に取り付けられる。集積超音波療法トランスデューサアセンブリの利点は、超音波機器を最小化し、その体積および重量を減少させること、電磁干渉および放熱を大幅に削減すること、大量生産における超音波療法機器の安定した性能を実現することおよび超音波療法機器に互換性を持たせることを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は超音波療法機器の構成部品に関する。特に本発明は、超音波療法機器のトランスデューサアセンブリに関する。
【発明の背景】
【0002】
超音波療法機器の臨床応用において、トランスデューサアセンブリのような機器の全重量および全体積、ならびに機器のそれぞれの構成部品の重量および体積を含め、機器の体積および重量を緊急に最小化する必要がある。既存の超音波療法トランスデューサを、図1および図2中に示す。これらの図中に示されるように、既存の超音波療法機器の電力増幅モジュール1は、療法トランスデューサ5とは別に取り付けられ、電力増幅モジュールは、ケーブル3を通して療法トランスデューサ5に接続されている。大きなサイズを有するこの構造は重く、信号送信および抵抗整合を困難にさせる。電力増幅モジュール1および療法トランスデューサ5を別々に取り付けることにより、ケーブル3により療法トランスデューサ5に対して送信される高周波および高出力電気信号が発生する。ケーブル3のパラメータが不適当に選択される場合、またはケーブル3が非常に長い場合、ひどい電磁汚染がもたらされる。
【0003】
療法トランスデューサおよび電力増幅モジュールを別々に取り付けることにより、超音波療法機器は大きなサイズになり、それぞれの構成部品は別々に取り付けられる。このような設計は、工学設計上多くの問題をもたらす。各療法トランスデューサの抵抗および音波放射効率が異なるため、別々に取り付けることにより、療法トランスデューサおよび電力増幅モジュール両方の整合性および互換性の解決がより困難になる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、電力増幅モジュールとは別に療法トランスデューサを取り付けることに関する上述の問題を解決し、集積超音波療法トランスデューサアセンブリを提供して、その結果電力増幅モジュールとは別の療法トランスデューサの取り付けの欠点を克服し、療法トランスデューサおよび電力増幅モジュールの間の抵抗整合、ならびに電磁環境両立性に関して整合性および互換性を改善し、療法機器を最小化することである。
【0005】
本発明は、集積超音波療法トランスデューサアセンブリを提供する。集積超音波療法トランスデューサアセンブリは、療法超音波を発生させる圧電トランスデューサ、圧電トランスデューサをサポートする支持体、圧電トランスデューサを駆動する電力増幅モジュールを含む。電力増幅モジュールおよび圧電トランスデューサの両方が、療法トランスデューサの筐体内に取り付けられる。
【0006】
電力増幅モジュールは、圧電トランスデューサの後側に取り付けられてもよく、電力増幅モジュールは、圧電トランスデューサの音波放射面の反対側に位置している。電力増幅モジュールの放熱面は療法トランスデューサアセンブリの筐体に接近して結合され、その結果集積療法トランスデューサアセンブリの筐体は、電力増幅モジュールの放熱板として使用される。
【0007】
冷却流体が流れる通路が、電力増幅モジュールの放熱面と圧電トランスデューサとの間に形成され、それにより電力増幅モジュールを冷却するために、療法トランスデューサの筐体に流される循環する冷却流体を使用できる。
【0008】
集積超音波療法トランスデューサアセンブリの電力増幅モジュールの断面は円形であってもよく、療法トランスデューサ筐体の形に適応できる。
【0009】
集積超音波療法トランスデューサアセンブリの電力増幅モジュールは、高周波変成器、キャパシタ、およびインダクタのような抵抗変圧構成部品を含む。
【0010】
集積超音波療法トランスデューサアセンブリのケーブルは、2つの電源コード、1つの同軸ケーブルおよび他の2つ以上の制御ケーブルを含む。
【0011】
圧電トランスデューサは、フラット圧電性結晶または自己集束圧電性結晶を採り入れてもよい。音響レンズにより、圧電トランスデューサから放射する音波ビームを集束してもよい。圧電トランスデューサは、フェイズドアレイトランスデューサまたは多素子アレイトランスデューサであってもよい。
【0012】
本発明の集積超音波療法トランスデューサアセンブリの利点は、
1.超音波療法機器を最小化し、その体積および重量を減少させること、
2.電磁干渉および放熱を大幅に削減すること、
3.大量生産における超音波療法機器の安定した性能を実現することおよび超音波療法機器に互換性を持たせること、である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、トランスデューサと電力増幅モジュールとの間の取り付け関係を図示する既存の超音波療法トランスデューサの断面の概略図である。
【図2】図2は、トランスデューサと電力増幅モジュールとの間の取り付け関係を図示する既存の超音波療法トランスデューサの断面の概略図である。
【図3】図3は、超音波療法トランスデューサと電力増幅モジュールとの間の取り付け関係を図示する概略図である。
【図4】図4は、超音波療法トランスデューサと電力増幅モジュールとの間の取り付け関係を図示する概略図である。
【図5】図5は、超音波療法トランスデューサと電力増幅モジュールとの間の取り付け関係を図示する概略図である。
【好ましい実施形態の説明】
【0014】
本発明の好ましい実施形態を以下で説明する。
【0015】
図3は、本発明の1つの実施形態を図示する。ここでのアセンブリは、電力増幅モジュール1、圧電トランスデューサ4、筐体5、音響レンズ6、電力増幅モジュール入力インターフェイス7、電力増幅モジュール出力ケーブル12およびラジエータ13を含む。治療の超音波を発生させる圧電トランスデューサ4および音響レンズ6は、接着剤を使用して互いに付着されている。音響レンズ6は、療法トランスデューサ筐体5上に取り付けられている。電力増幅モジュール1は、圧電トランスデューサ4の後側に取り付けられ、それは圧電トランスデューサ4の音波放射面の反対側に位置している。電力増幅モジュール1の放熱面は、療法トランスデューサ筐体5に接近して結合されており、その結果療法トランスデューサ筐体5は、電力増幅モジュール1の放熱板として使用される。ここで、電力増幅モジュール1により発生した熱は、ラジエータ13および療法トランスデューサ筐体5により放射される。
【0016】
電力増幅モジュール出力ケーブル12は、圧電トランスデューサ4の2つの電極に接続されている。
【0017】
電力増幅モジュール入力インターフェイス7は、外部制御信号および駆動電力を入力するために使用される。電力増幅モジュール入力インターフェイス7は、集積超音波療法トランスデューサアセンブリの底面または側面に位置している。
【0018】
電力増幅モジュール1の断面は、療法トランスデューサ筐体5の形に適応するために円形である。
【0019】
図4は、本発明の第2の実施形態を図示する。ここでのアセンブリは、電力増幅モジュール1、圧電トランスデューサ4、療法トランスデューサ筐体5、音響レンズ6、電力増幅モジュール入力インターフェイス7、冷却流体入口9、冷却流体出口10、電力増幅モジュール出力ケーブル12およびラジエータ13を含む。療法の超音波を発生させる圧電トランスデューサ4および音響レンズ6は、接着剤を使用して互いに付着されている。音響レンズ6は、療法トランスデューサ筐体5上に取り付けられている。電力増幅モジュール1は、圧電トランスデューサ4の後側に取り付けられ、それは圧電トランスデューサ4の音波放射面の反対側に位置している。冷却流体が流れる通路が、電力増幅モジュール1の放熱面と圧電トランスデューサ4との間に形成される。図4中に示される矢印方向のように、冷却流体は、電力増幅モジュール1を冷却するために入口9から集積超音波療法トランスデューサに流入し、次に出口10から流出する。前記冷却流体は、循環する気体または液体でもよい。
【0020】
電力増幅モジュール出力ケーブル12は、圧電トランスデューサ4の2つの電極に接続されている。
【0021】
電力増幅モジュール入力インターフェイス7は、外部制御信号および駆動電力を入力するために使用される。電力増幅モジュール入力インターフェイス7は、集積超音波療法トランスデューサアセンブリの底面または側面に位置している。
【0022】
電力増幅モジュール1は、療法トランスデューサ筐体5の形に適応するために円形であり、それにより空間の領域を有効に利用することができる。
【0023】
図5は、本発明の第3の実施形態を図示する。ここでのアセンブリは、電力増幅モジュール1、圧電トランスデューサ4、療法トランスデューサ筐体5、電力増幅モジュール入力インターフェイス7、分離板8、冷却流体入口9、冷却流体出口10、電力増幅モジュール出力ケーブル12およびラジエータ13を含む。圧電トランスデューサ4および電力増幅モジュール1の内側に分離板8がある。分離板8は、集積超音波療法トランスデューサアセンブリを2つの部分に分離する。図5中に示される矢印方向のように、電力増幅モジュール1を冷却するために、冷却流体は入口9から集積超音波療法トランスデューサの低い方の部分に流入し、次に出口10から流出する。前記冷却流体は、循環する気体または液体でもよい。図5中の他の構造は、図4中のものと同一であり、それらは、ここでは繰り返さない。
【0024】
これらの図中の番号を以下で説明する。
【符号の説明】
【0025】
1 電力増幅モジュール 2 制御モジュール 3 ケーブル
4 圧電トランスデューサ 5 療法トランスデューサ筐体
6 音響レンズ 7 電力増幅モジュール入力インターフェイス
8 分離板 9 冷却流体入口
10 冷却流体出口
12 電力増幅モジュール出力ケーブル 13 ラジエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積超音波療法トランスデューサアセンブリにおいて、
筐体と、
療法超音波を発生させる圧電トランスデューサと、
前記圧電トランスデューサをサポートする支持体と、
前記圧電トランスデューサを駆動する電力増幅モジュールとを具備し、
前記電力増幅モジュールおよび前記圧電トランスデューサは前記筐体内に取り付けられ、
前記電力増幅モジュールは、前記圧電トランスデューサの後側に取り付けられ、前記圧電トランスデューサの音波放射面の反対側に位置し、
前記電力増幅モジュールの放熱面は、前記筐体に接近して結合され、
前記筐体が、前記電力増幅モジュールの放熱板として使用される集積超音波療法トランスデューサアセンブリ。
【請求項2】
前記電力増幅モジュールの断面は円形であり、前記療法トランスデューサ筐体の形に適応できる請求項1記載の集積超音波療法トランスデューサアセンブリ。
【請求項3】
前記圧電トランスデューサは、フラット圧電性結晶である請求項1記載の集積超音波療法トランスデューサアセンブリ。
【請求項4】
前記圧電トランスデューサから放射する超音波は、音響レンズにより集束される請求項3記載の集積超音波療法トランスデューサアセンブリ。
【請求項5】
前記圧電トランスデューサは、自己集束圧電性結晶である請求項1記載の集積超音波療法トランスデューサアセンブリ。
【請求項6】
前記圧電トランスデューサは、フェイズドアレイ超音波療法トランスデューサである請求項1記載の集積超音波療法トランスデューサアセンブリ。
【請求項7】
前記圧電トランスデューサは、多素子アレイ超音波療法トランスデューサである請求項1記載の集積超音波療法トランスデューサアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−50836(P2012−50836A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227040(P2011−227040)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【分割の表示】特願2007−549781(P2007−549781)の分割
【原出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(507232087)チョンチン・ハイフ(エイチアイエフユー)・テクノロジー・カンパニー・リミテッド (11)
【Fターム(参考)】