説明

雨水タンク

【課題】一度に多くを運搬することができると共に、一定の場所に多くを保管しておくことができ、さらに一人での据え付け作業を可能とした雨水タンクを提供する。
【解決手段】本発明の雨水タンクは、雨水を内部に取り込むための給水筒4と内部の雨水を外部に流出するための吐水筒6とを有すると共に貯水可能な密封袋1と、前記給水筒4と前記吐水筒6とを保持し且つ前記密封袋1の外側を覆う外郭体2とを備える。前記外郭体2が複数の外郭体構成部材3から構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を貯水可能な雨水タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雨水を内部に貯水する雨水タンクが知られている(例えば、特許文献1参照)。この雨水タンクは、雨水を貯めておくものであるため、内部が中空となっている。このため、雨水タンクは製造方法としてブロー成形により製造されることが多い。雨水タンクは、ブロー成形により製造されると、工場出荷時に既に外形が形成された状態で運搬される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−299509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、ブロー成形により作製された雨水タンクは、工場にて成形した時点から既に形状が出来上がっており、その形状のまま流通に置かれ運搬される。ところが工場出荷時に既に形状が完成していると、多くの雨水タンクを一度に運搬するのが困難となるし、また、多くの雨水タンクを倉庫内に保管して在庫を確保しておくことも困難になるという問題があった。またこの雨水タンクは、内部が中空であり、重量の割には場所を要するため、輸送効率が悪いという問題もあった。
【0005】
またこの雨水タンクの据付作業を行なうに当たって、雨水タンクはブロー成形により既に大部分が完成しているため、所定の場所に載置固定するだけでよい。しかし、容量が大きいものになるとサイズが大きくなり、結局、一人で作業することが困難となる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一度に多くを運搬することができると共に、一定の場所に多くを保管しておくことができ、さらに一人での据え付け作業を可能とした雨水タンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の雨水タンクは、雨水を内部に取り込むための給水筒と内部の雨水を外部に流出するための吐水筒とを有すると共に貯水可能な密封袋と、前記給水筒と前記吐水筒とを保持し且つ前記密封袋の外側を覆う外郭体とを備え、前記外郭体が複数の外郭体構成部材から構成されたものであることを特徴とする。
【0008】
またこの雨水タンクにおいて、前記密封袋が、当該密封袋の上部に給水筒が設けられると共に、当該密封袋の下部に前記吐水筒が設けられたものであることが好ましい。
【0009】
またこの雨水タンクにおいて、前記外郭体構成部材が、略平坦な板材からなるものであることが好ましい。
【0010】
またこの雨水タンクにおいて、前記外郭体構成部材が、湾曲部材により構成されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の雨水タンクによれば、一度に多くを運搬することができると共に、一定の場所に多くを保管しておくことができ、さらに、一人で据え付け作業を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図である。
【図2】同上の実施形態の外郭体構成部材の正面図であり(a)は、吐水筒挿通孔が設けられた外郭体構成部材であり(b)は給水筒挿通孔が設けられた外郭体構成部材である。
【図3】同上の実施形態の密封袋の水が貯水されていない状態の斜視図である。
【図4】(a)(b)は、本発明の他の実施例の外郭体構成部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施形態の雨水タンクは、図1に示されるように、貯水可能な密封袋1と、密封袋1の外側を覆う外郭体2とを備えている。雨水タンクは、外郭体2側面の上部から側方に向けて突出する給水筒4を介して、内部に雨水を取り込み、外郭体2側面の下部から側方に向けて突出する吐水筒6を介して水を放出する。この給水筒4は、例えば、雨樋の竪樋から分岐された分岐管に連通接続される。
【0015】
密封袋1は、外郭体2の内部に収容され、雨水を貯水するための柔軟性を有する非透水性の袋であり、外部に漏水しないよう密封されている。密封袋1は、雨水を内部に取り込むための給水筒4と、内部の雨水を外部に流出するための吐水筒6とを備えている。給水筒4は、密封袋1の内外を連通する。また吐水筒6も密封袋1の内外を連通する。本実施形態の密封袋1は、給水筒4が当該密封袋1の上部に取り付けられており、吐水筒6が密封袋1の下部に取り付けられている。吐水筒6には、外郭体2設置後に吐水栓7が取り付けられるようになっている。吐水栓7は、筒内の流路を開閉自在に閉塞する開閉弁61を有しており、ユーザーが開閉弁61を開くことで、密封袋1内に貯められた水を流出させる。また、本実施形態の密封袋1は、上部に戻し筒5を有している。この戻し筒5は、密封袋1内に所定量を超えた水が供給された場合に、その超過した水を外部に排出するためのものである。
【0016】
密封袋1は、厚みが10μm〜200μmのポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂が好適に用いられる。密封袋1は、厚みが10μm〜200μmの袋が複数枚重ね合わされたものであってもよい。この場合、同一の材質の袋が重ね合わされたものであってもよいし、異なる複数の種類の袋が重ね合わされたものであってもよい。また密封袋1は、異なる厚みの袋状部材が重ね合わされたものであってもよい。なお密封袋1は、厚みが10μmよりも小さくなると、強度が弱すぎて破れやすくなり、それに対して厚みが200μmを超えると、剛性が高くて扱いづらくなる。
【0017】
なお密封袋1は、上記のように柔軟性を有しているため、外郭体構成部材3により支持されなければ自立できないが、図1においては、説明の便宜上、外郭体2によって保持された状態が示されている。
【0018】
外郭体2は、内部の密封袋1を所定の形状に保持した状態で固定し、また、外部からの衝撃等から保護するためのものである。外郭体2は、複数の外郭体構成部材3から構成されており、これら外郭体構成部材3を組み合わせることで構成される。本実施形態の外郭体構成部材3は、図1,2に示されるように、略平坦な板材により構成されている。本実施形態の外郭体2は、一対の同形状の外郭体構成部材3が計3組用いられており、これらを直方体状に組み立てることで構成されている。外郭体2は、側方の外郭体構成部材3の上部に給水筒挿通孔31及び戻し筒挿通孔32が穿設されており、これに対向する外郭体構成部材3の下部に吐水筒挿通孔33が穿設されている。
【0019】
なお本実施形態の外郭体2は、外郭体構成部材3が略平坦な板材により構成された直方体形状となっているが、本発明の外郭体2は、例えば、図4に示されたような略円筒形状をしたものであってもよい。この図4の外郭体構成部材3は、一側面が外方に突曲した湾曲部材34により構成されたものである。この湾曲部材34は、外方に突曲した側面35と、この湾曲した側面35の上縁及び下縁に連接された天面36及び底面37を備えている。この天面36及び底面37により、側面35は湾曲した形状を保ったままで運搬や保管が可能となっている。このように本実施形態の外郭体2は、種々の形状を適用することができる。
【0020】
外郭体2は、外郭体構成部材3の外縁同士が接合され、外形が形成される。外郭体2の接合は、融着や溶着、溶接、接着等によって行なわれる。本実施形態の雨水タンクは、密封袋1により水が漏れないよう構成されているため、外郭体2の接合として、漏水防止を意図した施工を必要としない。このため本実施形態の雨水タンクによると、施工に当たり作業工数の低減を図ることができる。
【0021】
外郭体構成部材3は、太陽光による密封袋1の劣化を防ぐために遮光性を有するものが好適に用いられるが、半透明や透明のものを用い内部を透視できるようにしたものであってもよい。外郭体構成部材3としては、木質系,金属系,樹脂系,コンクリート系等、種々のものを用いることができる。また外郭体構成部材3として、不飽和ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂に、補強剤としてのガラス繊維及び充填材を添加し、硬化させたFRP(Fiber Reinforced Plastics)を用いることもできる。なお、このFRPの成形方法としては、シートモールディングコンパウンド(以下、SMCという)を加熱しプレスして成形するプレス成形と、ハンドレイアップ成形とがあるが、どちらを用いてもよい。
【0022】
また外郭体構成部材3として、ポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アクリル系樹脂,ABS系樹脂,ASA系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることもできる。熱可塑性樹脂の成形方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を加熱溶融状態で型を用いて成形する射出成形,真空成形,ブロー成形等が挙げられる。
【0023】
なお本実施形態の雨水タンクは、一種類の材質の外郭構成部材3により構成されたものであるが、本発明の雨水タンクは、これら複数種類の材質の外郭体構成部材3が組み合わされた構成であってもよい。
【0024】
このような構成の雨水タンクは、例えば次のように作製される。
【0025】
底面となる外郭体構成部材3を、所定の位置に配置し、その上に密封袋1を載置する。次いで、側面となる外郭体構成部材3を、底面の周囲に配置し、底面と側面とを熱融着にて接合する。このとき、外郭体構成部材3の給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32と吐水筒挿通孔33とにそれぞれ、密封袋1の給水筒4と戻し筒5と吐水筒6とを挿通する。そしてこの状態で、天面となる外郭体構成部材3を側面の上端に載設し、側面と天面とを接合する。
【0026】
このように本実施形態の雨水タンクは、外郭体2が複数の外郭体構成部材3から構成されたものであり、雨水を密封袋1に貯水するものであるため、組み立て前であれば、運搬が容易であるうえに、多くの雨水タンクを運搬することができる。しかも、密封袋1と外郭体2とを組み立てることなく保管すれば、多くの雨水タンクを少ないスペースで保管することができる。また本実施形態の雨水タンクは、組み立てるに当たり、外郭体2を所定の設置場所に運び、その場所で外郭体2の外縁を接合するだけでよいため、サイズの大きいものでも一人で設置作業をすることが可能である。
【0027】
また密封袋1は柔軟性のある袋であり、それ自体では保形性がないため、潰れた状態で水が給水されると、所定の容量よりも水が貯められないことも考えられる。しかし、本実施形態の雨水タンクは、密封袋1の上部に給水筒4が設けられると共に、当該密封袋1の下部に前記吐水筒6が設けられ、これらが外郭体2により保持されている。これにより、密封袋1の上部及び下部の位置が決められ、密封袋1の形状が保持されるため、所定の容量の水を確実に貯めることができる。
【0028】
また、本実施形態の雨水タンクは、外郭体構成部材3が略平坦な板材から構成されているため、外郭体構成部材3を重ねて運搬すれば、最小限のスペースで運搬することができ、輸送効率を高くすることができる。
【0029】
また、本実施形態の雨水タンクは、外郭体構成部材3の柄や模様を多く用意しておき、多種の外郭体構成部材3を組み合わせて使用すれば、ユーザーの望みの外観にすることもできる。これにより、例えば、建物の外観に合わせた雨水タンクとすることもでき、雨水タンクとしての商品価値を高めることもできる。
【0030】
また、本実施形態の雨水タンクは、外郭体構成部材3が樹脂により構成されることで、一層の軽量化を実現することができ、より運搬し易いものとすることができる。
【0031】
[実施例1]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を取り付け、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を取り付けた。
【0032】
70cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の合板と、30cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の合板と、70cm×30cm×厚さ5.5mmの平板状の合板とを各2枚計6枚用意した。同形状の合板を対向するよう配置し、直方体形状に組み立てた。このとき30mm角の木材からなる角材を各合板の連結部分に沿わせて配置し、各合板同士を当該角材を介して接着剤により接着した。これにより幅70cm×高さ100cm×奥行き30cmの木質製の外郭体2を形成した。
【0033】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0034】
[実施例2]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリ塩化ビニルシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリ塩化ビニルシートに給水筒4及び戻し筒5を取り付け、他方のポリ塩化ビニルシートに吐水筒6を取り付けた。
【0035】
70cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の合板と、30cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の合板と、70cm×30cm×厚さ5.5mmの平板状の合板とを各2枚計6枚用意した。同形状の合板を対向するよう配置し、直方体形状に組み立てた。このとき30mm角の木材からなる角材を各合板の連結部分に沿わせて配置し、各合板同士を当該角材を介して接着剤により接着した。これにより幅70cm×高さ100cm×奥行き30cmの木質製の外郭体2を形成した。
【0036】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0037】
[実施例3]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのアクリルシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のアクリルシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のアクリルシートに吐水筒6を固設した。
【0038】
70cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の木質合板と、30cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の木質合板と、70cm×30cm×厚さ5.5mmの平板状の木質合板とを各2枚計6枚用意した。同形状の合板を対向するよう配置し、直方体形状に組み立てた。このとき30mm角の木材からなる角材を各合板の連結部分に沿わせて配置し、各合板同士を当該角材を介して接着剤により接着した。これにより幅70cm×高さ100cm×奥行き30cmの木質製の外郭体2を形成した。
【0039】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0040】
[実施例4]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリウレタンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリウレタンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリウレタンシートに吐水筒6を固設した。
【0041】
70cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の合板と、30cm×100cm×厚さ5.5mmの平板状の合板と、70cm×30cm×厚さ5.5mmの平板状の合板とを各2枚計6枚用意した。同形状の合板を対向するよう配置し、直方体形状に組み立てた。このとき30mm角の木材からなる角材を各合板の連結部分に沿わせて配置し、各合板同士を当該角材を介して接着剤により接着した。これにより幅70cm×高さ100cm×奥行き30cmの木質製の外郭体2を形成した。
【0042】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0043】
[実施例5]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0044】
70cm×100cm×厚さ16mmの平板状の金属サイディングと、30cm×100cm×厚さ16mmの平板状の金属サイディングと、70cm×30cm×厚さ16mmの平板状の金属サイディングとを各2枚計6枚用意した。この金属サイディングは、薄板鋼板の間に発泡樹脂が配設されたものである。同形状の金属サイディングを対向するよう配置し、直方体形状に組み立てた。このとき30mm角の金属製の角パイプ材を各合板の連結部分に沿わせて配置し、各合板同士を溶接により接着した。これにより幅70cm×高さ100cm×奥行き30cmの金属製の外郭体2を形成した。
【0045】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0046】
[実施例6]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0047】
70cm×100cm×厚さ15mmの平板状のコンクリートパネルと、30cm×100cm×厚さ15mmの平板状のコンクリートパネルと、70cm×30cm×厚さ16mmの平板状のコンクリートパネルとを各2枚計6枚用意した。同形状のコンクリートパネル同士を対向するよう配置し、直方体形状に組み立てた。このとき30mm角の木材からなる角材を各合板の連結部分に沿わせて配置し、各合板を当該角材に固着具を打ち込むことで固定した。これにより幅70cm×高さ100cm×奥行き30cmの金属製の外郭体2を形成した。
【0048】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0049】
[実施例7]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0050】
外郭体構成部材3を次のように作製した。ポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット社(株)製 ML3600)に硬化剤(化薬アクゾ(株)製 カヤルボンAIC−75)とガラス繊維(日東紡(株)製 RS480 PB−549)と炭酸カルシウム及びその他添加物を混合し、SMCを作製した。そしてこのSMCを150℃で加熱し、プレス成形することで、図4に示すような半円筒形の外郭体構成部材3を得た。この外郭体構成部材3開口周縁同士を合わせて溶着することで、外郭体2を形成した。
【0051】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0052】
[実施例8]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0053】
外郭体構成部材3を次のように作製した。ポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット社(株)製 ML3600)に硬化剤(化薬アクゾ(株)製 カヤルボンAIC−75)とガラス繊維(日東紡(株)製 RS480 PB−549)と炭酸カルシウム及びその他添加物を混合し、SMCを作製した。そしてこのSMCを150℃で加熱し、プレス成形することで、図4に示すような半円筒形の外郭体構成部材3を得た。この外郭体構成部材3開口周縁同士を合わせて溶着することで、外郭体2を形成した。
【0054】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0055】
[実施例9]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0056】
外郭体構成部材3を次のように作製した。硬化剤(化薬アクゾ(株) カヤメックM)と炭酸カルシウムとを添加したポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット(株)製 R100AP)を弧状の型表面に塗布する。その後、その上からガラス繊維(日東紡(株)製 RS230 A−673)をローラーとハケを用いて塗りつける。そしてこの作業を3回繰り返す。この後、60℃で2時間加熱し硬化させた後、これを脱型して半円筒形の外郭体構成部材3を得た。この外郭体構成部材3の開口周縁同士を合わせて溶着することで、外郭体2を形成した。
【0057】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0058】
[実施例10]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0059】
外郭体構成部材3を次のように作製した。ポリ塩化ビニル樹脂(信越化学工業(株)製 TK700)に安定剤と炭酸カルシウムを混合したコンパウンドを生成する。その後、このコンパウンドを用いて射出成形することで半円筒形の外郭体構成部材3を得た。この外郭体構成部材3の開口周縁同士を合わせて溶着することで、外郭体2を形成した。
【0060】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0061】
[実施例11]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0062】
ASA(Acrylonitrile Styrene Acrylate)樹脂(UMGABS(株)製 S310C)を用いて射出成形することで、半円筒形の外郭体構成部材3を得た。この外郭体構成部材3の開口周縁同士を合わせて溶着することで、外郭体2を形成した。
【0063】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0064】
[実施例12]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0065】
アクリルボードを150℃に加熱して軟化させ、その後真空成形することで、半円筒形の外郭体構成部材3を得た。この外郭体構成部材3の開口周縁同士を合わせて溶着することで、外郭体2を形成した。
【0066】
なおこのとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【0067】
[実施例13]
厚さ100μm,幅100cm,上下長さ130cmのポリエチレンシート2枚を重ね合わせ、周囲を融着させることで密封袋1を形成した。このとき一方のポリエチレンシートに給水筒4及び戻し筒5を固設し、他方のポリエチレンシートに吐水筒6を固設した。
【0068】
GPETボードを180℃に加熱して軟化させ、その後真空成形することで、半円筒形の外郭体構成部材3を得た。この外郭体構成部材3の開口周縁同士を合わせて溶着することで、外郭体2を形成した。なおGPETとは、TPA(Terephthalic Acid)とエチレングリコールの反応により生成されるポリエステルに、エチレングリコールの一定含量をCHDM(Cyclohexane Dimethanol)で代替した、グリコール変性ポリエステルのことである。
【0069】
このとき、外郭体2内に密封袋1を収容し、外郭体2の吐水筒挿通孔33と給水筒挿通孔31と戻し筒挿通孔32にそれぞれ、密封袋1の吐水筒6と給水筒4と戻し筒5とを挿通して保持させ、この状態で外郭体2を形成した。このようにして雨水タンクを得た。
【符号の説明】
【0070】
1 密封袋
2 外郭体
3 外郭体構成部材
31 給水筒挿通孔
32 戻し筒挿通孔
33 吐水筒挿通孔
4 給水筒
5 戻し筒
6 吐水筒
7 吐水栓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水を内部に取り込むための給水筒と内部の雨水を外部に流出するための吐水筒とを有すると共に貯水可能な密封袋と、
前記給水筒と前記吐水筒とを保持し且つ前記密封袋の外側を覆う外郭体と
を備え、
前記外郭体が複数の外郭体構成部材から構成されたものである
ことを特徴とする雨水タンク。
【請求項2】
前記密封袋が、当該密封袋の上部に給水筒が設けられると共に、当該密封袋の下部に前記吐水筒が設けられたものである
請求項1記載の雨水タンク。
【請求項3】
前記外郭体構成部材が、略平坦な板材からなるものである
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の雨水タンク。
【請求項4】
前記外郭体構成部材が、湾曲部材により構成されたものである
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の雨水タンク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−72552(P2012−72552A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216175(P2010−216175)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)