説明

電力管理サーバ、及び電力管理プログラム

【課題】取得した消費電力情報に基づいて消費電力低減を目的とした報知、或いは電気機器の運転制御を行うにあたり、店舗での消費電力が効率的に抑制され、環境への悪影響を低減する。
【解決手段】消費電力低減を目的とした報知、或いは店舗3に設置された電気機器6,7,8,9,11の運転制御を行う管理手段27を備えた電力管理サーバであって、店舗3への来客数を記憶する記憶装置24と、記憶装置24に記憶された過去の来客数情報に基づいて、店舗3への以後の来客数を予想する来客数予想手段34を備え、管理手段27は、来客数予想手段34により予想される来客数に基づいて店舗3の消費電力を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の電力を管理する電力管理サーバ、及び電力管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品や日用品等を販売する店舗では、営業時間中、店内を照らす照明や空調設備等を常時稼動させる必要があるため、大量の電力が必要になり、近年の営業時間の拡大に伴って、店舗で消費される電力量は、さらに増大する傾向にある。このような消費電力の増加は、二酸化炭素を増加させる結果になるばかりでなく、環境への関心が高まっている現代の社会情勢にも反するものである。
【0003】
このため、店舗の消費電力又は店舗に設置された電気機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、該消費電力取得手段を介して取得した消費電力情報に基づいて消費電力低減を目的とした報知、或いは電気機器の運転制御を行う管理手段とを備えた電力管理サーバが開発され、公知になっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−356453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献の電力管理サーバは、消費電力取得手段によって取得される店舗の消費電力又は電気機器の消費電力を監視することのみによって、店舗での消費電力量を低下させようとするものであり、店舗の事情が反映されていない。このため、情報が不足して、店舗での消費電力を効率的に抑制できない場合がある。
【0006】
本発明は、取得した消費電力情報に基づいて消費電力低減を目的とした報知、或いは電気機器の運転制御を行うにあたり、店舗での消費電力が効率的に抑制され、環境への悪影響を低減できる電力管理サーバ及び電力管理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電力管理サーバは、消費電力低減を目的とした報知、或いは店舗に設置された電気機器の運転制御を行う管理手段を備えた電力管理サーバであって、店舗への来客数を記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶された過去の来客数情報に基づいて、店舗への以後の来客数を予想する来客数予想手段を備え、管理手段は、来客数予想手段により予想される来客数に基づいて店舗の消費電力を管理することを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことにより、予想される来客数に基づいて店舗の消費電力を管理するため、店舗での消費電力が効率的に抑制され、環境への悪影響を低減できる。
【0009】
割引券又は優待券であるクーポン券の発券数を、クーポン券利用期間の店舗への来客数と関連付けして記憶装置に記憶し、来客数予想手段は、過去のクーポン発券数情報と来客数情報との関連性に基づき、クーポン券の発券数から、店舗への来客数を予想する構成とされてもよい。
【0010】
セール品の在庫数をセール品販売中の店舗への来客数と関連付けして記憶装置に記憶し、来客数予想手段は、過去のセール品在庫数情報と来客数情報との関連性に基づき、その時点でのセール品の在庫数から、店舗への来客数を予想する構成とされてもよい。
【0011】
店舗でのPOS情報を取得する情報取得手段を備え、POS情報を、店舗への来客数とを関連付けして記憶装置に記憶し、来客数予想手段は、過去のPOS情報と来客数情報との関連性に基づき、逐次取得されるPOS情報から、店舗への来客数を予想する構成とされてもよい。
【0012】
管理手段は、来客数予想手段により予想される来客数に基づき、稼動する電気機器を決定するか、或いは電気機器の稼動開始時間又は稼動終了時間を決定する構成とされてもよい。
【0013】
管理手段は、来客数予想手段による予想される来客数に基づき、消費電力低減を目的とした行動指示を店舗の店員に対して行う構成とされてもよい。
【0014】
本発明の電力管理プログラムは、消費電力低減を目的とした報知、或いは店舗に設置された電気機器の運転制御を行う管理処理を行う電力管理プログラムであって、店舗への来客数を記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶された過去の来客数情報に基づいて、店舗への以後の来客数を予想する来客数予想処理を行い、管理処理では、来客数予想手段により予想される来客数に基づいて店舗の消費電力を管理する処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、予想される来客数に基づいて店舗の消費電力を管理するため、店舗での消費電力が効率的に抑制され、環境への悪影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した管理サーバの例を示すブロック図である。
【図2】図1の管理サーバにネットワークを介して接続された店舗側システムの例を示すブロック図である。
【図3】(A)乃至(D)は、それぞれPOSデータベースを構成するデータテーブルの例を示す説明図である。
【図4】(A)乃至(D)は、それぞれ消費電力データベースを構成するデータテーブルの例を示す説明図である。
【図5】(A)乃至(D)は、それぞれ来客数データベースを構成するデータテーブルの例を示す説明図である。
【図6】(A)乃至(C)は、それぞれ設備データベースを構成するデータテーブルの例を示す説明図である。
【図7】(A)は消費電力予想手段のフローチャートであり、(B)は消費電力予想手段により予想された店舗での消費電力の経時的変化をグラフ表示した報知画面である。
【図8】(A)は来客数予想手段の例を示すフローチャートであり、(B)は来客数予想手段により予想された店舗での来客数の経時的変化をグラフ表示した報知画面である。
【図9】(A)は投資効果予想手段のメインルーチンの例を示すフローチャートであり、(B)は交換効果を予想するサブルーチンの例を示すフローチャートであり、(C)は修理効果を予想するサブルーチンの例を示すフローチャートであり、(D)は増設効果を予想するサブルーチンの例を示すフローチャートである。
【図10】管理手段のメインルーチンの例を示すフローチャートである。
【図11】管理手段が行う電力管理サブルーチンの例を示すフローチャートである。
【図12】(A)乃至(C)は、それぞれ電力管理における行動指示画面の内容を説明する説明図である。
【図13】(A)乃至(C)は、それぞれ電力管理における行動指示画面の内容を説明する説明図である。
【図14】管理手段が行う電気機器管理のサブルーチンの例を示すフローチャートである。
【図15】(A)乃至(C)は、それぞれ電気機器管理における行動指示画面の内容を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図示する例に基づき本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用した管理サーバのブロック図であり、図2は、図1の管理サーバにネットワークを介して接続された店舗側システムのブロック図である。図1及び図2に示す管理システムは、管理サーバ(電力管理サーバ,電気機器管理サーバ)1と、該管理サーバ1とインターネット等のWANからなるネットワーク2を介して接続された一又は複数(図示する例では1つ)の店舗3とから構成されている。
【0018】
管理サーバ1では、各店舗3の消費電力量の管理や、各店舗3に設置されている各種電気機器の管理を行う他、商品情報や売上情報や在庫情報等の各種管理情報からなるPOS情報を各店舗3から収集する。ちなみに、POSとは、「Point of sale」の略であり、このPOS情報には、「いつ・どの商品が・どんな価格で、いくつ売れたか」等の詳細な販売実績情報が含まれている。
【0019】
店舗3は、管理端末4によって、少なくとも最小限の管理がされており、店内には、電力を消費することによって稼動する種々の電気機器が備付けられている。図示する例では、電気機器として、ユーザ(客)が購入する商品の会計処理や売上集計を行うレジスタ設備6と、店内を快適な温度に保持する空調設備7と、食品の冷蔵・冷凍などを行う冷蔵・冷凍設備8と、食品の調理を行う調理設備9と、店内や商品を明るく照らす照明設備11とが店内に設置されている。
【0020】
この複数の電気機器6,7,8,9.11は、電力検出ユニット12によって、それぞれ個別に消費電力が検出され、このようにして電力検出ユニット(電力検出手段)12により検出された各電器機器6,7,8,9,11の消費電力情報は、管理端末4に送られる。
【0021】
また、この電気機器6,7,8,9,11のうち、レジスタ設備6から送られてくるPOS情報やその他の会計情報及び売上集計情報は、管理端末4に送られる、その他の電気機器である空調設備7、冷蔵・冷凍設備8、調理設備9及び照明設備11は、ドライバユニット(稼動手段)13によって、それぞれ各別に稼動・稼動停止の切換を行うことが可能である。
【0022】
一方、管理端末4は、ネットワーク2を介して、管理サーバ1と通信するための通信手段14と、各種データを記憶するHDDやSSD等の記憶装置16と、レジスタ設備6及び電力検出ユニット12から送られてくるデータを受信して記憶装置16に記憶するとともに管理サーバ1に送信する情報管理手段17と、ドライバユニット13を介して上述した空調設備7、冷蔵・冷凍設備8、調理設備9及び照明設備11等の稼動制御をそれぞれ個別に行うことができる稼動制御手段18と、所定の状態を店舗3の店員や管理者に音声又はグラフィカルな画像等で報知する報知手段19とを備えている。
【0023】
すなわち、各店舗4に設置された管理端末4は、レジスタ設備6からの情報に基づいて該店舗4内でのPOS情報や各電気機器6,7,8,9,11の消費電力情報を収集し且つ管理サーバ1に送信するとともに、レジスタ設備6を除くその他の電気機器7,8,9,11の稼動を、店舗3側から直接、或いは管理サーバ1側から管理端末4を介して制御する。
【0024】
このため、記憶装置16には、管理対象の店舗3でのPOSデータ21Aと、消費電力データ21Bと、該店舗3に設置された電気機器6,7,8,9,11の情報である設備データ21Dが記憶されており、これらの情報は、複数の店舗4を統括して管理する管理サーバ1も保有している。ちなみに、消費電力データ21Bには、管理対象の店舗4に設置された各電器機器6,7,8,9,11の消費電力情報の他に、該店舗4全体の消費電力情報も含まれている。
【0025】
上記管理サーバ1は、このような複数の店舗4を一括で集中管理すべく、図1に示すように構成されている。
【0026】
具体的には、管理サーバ1は、各店舗3と通信を行う通信手段22と、該通信手段を介して店舗4からの情報を取得する取得部23と、取得部によって取得された情報を記憶するSSDやHDD等の記憶装置24と、取得部23によって取得された情報及び記憶装置の記憶された情報から各店舗4での消費電力の予想等を行う予想部26と、予想部26での予想等に基づいて各種管理を行う管理手段27と、音声や画像によって各種状態を報知する報知手段28とを備えている。
【0027】
前記取得部23は、自動的又は要求に応じて、複数の店舗3に個別に設置された管理端末4から送信されてくる店舗3全体の消費電力情報及び各電気機器6,7,8,9,11を取得する消費電力取得手段29と、店舗3でのPOSデータ21Aに関する情報であるPOS情報、設備データ21Dに関する情報である設備情報及びその他の各種情報を取得する情報取得手段31とから構成されている。
【0028】
ちなみに、消費電力取得手段29及び情報取得手段31は、図示するように、店舗3の管理端末4の情報管理手段17を介して、或いは電力検出ユニット12、レジ設備6から直接、或いは、記憶装置16から上述の各種情報を取得する。
【0029】
前記記憶装置24は、従来公知のリレーショナブルデータベースによって構成されており、具体的には、各店舗3からのPOSデータ21Aを収集してデータベース化したPOSデータベース32Aと、各店舗3からの消費電力データ21Bを収集してデータベース化した消費電力データベース32Bと、POS情報から取得できる店舗3での来客数情報を収集してベータベース化した来客数データベース32Cと、各店舗3の設備情報を収集してデータベース化した設備データベース32Dとを有している。
【0030】
ちなみに、消費電力データベース32Bは、POS情報等の必要情報と関連付けされている他、来客数データベース32Cは、所定の店舗3で利用可能に発券された割引券又は優待券であるクーポン券の発券数等の情報や、各店舗3でのセール品(割引商品)の在庫数の情報や、POS情報等と関連付けされている。これらのデータ構造の詳細については、後述する。
【0031】
前記予想部26は、各店舗3に対して、記憶装置24に記憶されている過去の店舗4でのPOS情報と消費電力情報との関連性等に基づいて、逐次取得されてくる該店舗4での消費電力情報等から、その店舗での以後の消費電力を予想する消費電力予想手段33と、各店舗3に対して、記憶装置24に記憶されている過去の店舗4での来客数情報等に基づいて、その店舗での以後の来客数を予想する来客数予想手段34と、各店舗3に対して、店舗3に設置された電気機器6,7,8,9,11の消費電力情報及び該店舗3全体での消費電力情報を消費電力取得手段29を介して取得することにより、各電気機器6,7,8,9,11を修理、交換又は増設した場合の該店舗3での経済的効果を予想する投資効果予想手段36とを有している。
【0032】
前記管理手段27は、消費電力予想手段33及び来客数予想手段34の予想に基づいて各店舗3の電力管理を行うとともに、投資効果予想手段36の予想に基づいて各店舗3に設置されている各種電気機器6,7,8,9,11の交換、修理及び増設の管理(電気機器管理)を行う。
【0033】
なお、店舗4が1つの場合や、少数の場合には、管理サーバ1を店舗4に直に設置してもよく、この際には、取得部23に直接、電力検出ユニット12及びレジスタ設備6が接続されるとともに、管理手段27に直接、ドライバユニット13が接続される。
【0034】
図3(A)乃至(D)は、それぞれPOSデータベースを構成するデータテーブルの説明図である。POSデータベース32Aは、店舗3の情報が記憶される店舗テーブル37(同図(A)参照)と、商品の情報が記憶される商品テーブル38(同図(B)参照)と、各店舗での商品の陳列情報が記憶される陳列テーブル39(同図(C)参照)と、ユーザに店舗3で商品を販売した際の各種情報が抽出されて記憶される販売テーブル41(同図(D)参照)とを有している。
【0035】
店舗テーブル37は、数字よりなる「店舗ID」と、店舗3の名前が記憶される「店舗名」と、店舗3の住所が記憶される「住所」とを、フィールドとして有している。
【0036】
商品テーブル38は、数字よりなる「商品ID」と、商品の名前が記憶される「商品名」と、商品の価格が記憶される「価格」とを、フィールドとして有している。
【0037】
陳列テーブル39は、数字よりなる「陳列ID」と、その陳列情報がどの店舗3に関するものであるかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、陳列する商品の何であるかを示す目的で、該商品の商品テーブル38での商品IDが記入される「商品ID」と、陳列場所を示す「陳列場所」と、陳列する時間帯を示す「時間帯」とを、フィールドとして有している。
【0038】
言換えると、店舗テーブル37及び商品テーブル38から、陳列テーブル39に、データのリレーションシップが行われ、陳列テーブル39は、店舗テーブル37及び商品テーブル38の情報を参照しており、この陳列テーブル39によって、各店舗3で取扱う商品が該店舗3内での陳列場所と関連付けされて、記憶装置24に記憶される。
【0039】
販売テーブル41は、数字よりなる「販売ID」と、どの店舗3でユーザに商品が販売されたかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、そのユーザに販売した商品の数を記録する「販売品数」と、そのユーザに販売した商品から推定される該店舗3内でのユーザの移動経路及び距離に関する情報を記憶する「推定移動情報」と、そのユーザに商品を販売した時間帯を記憶する「時間帯」とを、フィールドとして有している。言換えると、店舗テーブル37から、販売テーブル41に、データのリレーションシップが行われ、販売テーブル41から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0040】
ちなみに、「販売品数」に関する情報は、ユーザが店舗3でお金を支払う際、レジスタ設備6によって取得可能であり、「推定移動情報」に関する情報は、該ユーザが購入した商品と、その商品の店舗3内での陳列場所とを、陳列テーブル39から参照することにより、推定可能である。すなわち、ユーザが購入した商品が店舗3内のどの位置に置かれていたかを陳列テーブル39によって知ることにより、該ユーザが店舗3内をどのような経路で移動したのかを推定することが可能になる。さらに付加えると、レジスタ設備6によって、各店舗3への来客数の情報も取得可能になる。
【0041】
図4(A)乃至(D)は、それぞれ消費電力データベースを構成するデータテーブルの説明図である。消費電力データベース32Bは、店舗3での売上情報と消費電力情報との関連を示す売上−電力テーブル42(同図(A)参照)と、店舗3での在庫情報と消費電力情報との関連を示す在庫−電力テーブル43(同図(B)参照)と、ユーザの店舗3での滞在時間の情報(滞在情報)と消費電力情報との関連を示す滞在テーブル44(同図(C)参照)と、ユーザの店舗3での移動距離及び経路情報(移動情報)と消費電力情報との関連を示す移動テーブル46(同図(D)参照)とを有している。
【0042】
売上−電力テーブル42は、数字よりなる「売上−電力ID」と、その売上情報及び消費電力情報がどの店舗3に関するものであるかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、該店舗3での売上情報を記入する「売上」と、該店舗3での消費電力情報を記入する「消費電力」と、該売上及び消費電力情報が何時のデータであるかを示す「時間帯」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、売上−電力テーブル42へのデータのリレーションシップが行われ、売上−電力テーブル42から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0043】
要するに、この売上−電力テーブル42は、POS情報の一種である店舗3での売上情報と、該店舗3での消費電力との関連性を、経時的変化も含め、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、消費電力予想手段33は、逐次取得される店舗3での売上情報及び消費電力情報から、経時的変化を読み、該経時的変化を、過去の売上情報と消費電力情報の経時的変化とマッチングして、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の消費電力情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内での売上情報と消費電力情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0044】
在庫−電力テーブル43は、数字よりなる「在庫−電力ID」と、その在庫情報及び消費電力情報がどの店舗3に関するものであるかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、該店舗3での在庫情報を記入する「在庫」と、該店舗3での消費電力情報を記入する「消費電力」と、該在庫及び消費電力情報が何時のデータであるかを示す「時間帯」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、在庫−電力テーブル43へのデータのリレーションシップが行われ、在庫−電力テーブル43から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0045】
要するに、この在庫−電力テーブル43は、POS情報の一種である店舗3での在庫情報と、該店舗3での消費電力との関連性を、経時的変化も含め、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、消費電力予想手段33は、逐次取得される店舗3での在庫情報及び消費電力情報から、経時的変化を読み、該経時的変化を、過去の在庫情報と消費電力情報の経時的変化とマッチングして、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の消費電力情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内での在庫情報と消費電力情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0046】
滞在テーブル44は、数字よりなる「滞在ID」と、推定滞在情報及び消費電力情報がどの店舗3に関するものであるかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、上述した販売品数(ユーザが該店舗3で購入した商品の数)及び推定移動情報から推定されるユーザの店舗3内での滞在時間情報である推定滞在情報を記憶する「推定滞在情報」と、該店舗3での消費電力情報を記入する「消費電力」と、該推定滞在情報及び消費電力情報が何時のデータであるかを示す「時間帯」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、滞在テーブル44へのデータのリレーションシップが行われ、滞在テーブル44から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0047】
要するに、滞在テーブル44は、上述した推定滞在情報と、該店舗3での消費電力との関連性を、経時的変化も含め、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、消費電力予想手段33は、逐次取得される店舗3での推定滞在情報及び消費電力情報から、経時的変化を読み、該経時的変化を、過去の推定滞在情報と消費電力情報の経時的変化とマッチングして、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の消費電力情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内での推定滞在情報と消費電力情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0048】
移動テーブル46は、数字よりなる「移動ID」と、推定移動情報及び消費電力情報がどの店舗3に関するものであるかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、上述した推定移動情報を記憶する「推定滞在情報」と、該店舗3での消費電力情報を記入する「消費電力」と、該推定移動情報及び消費電力情報が何時のデータであるかを示す「時間帯」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、移動テーブル46へのデータのリレーションシップが行われ、移動テーブル46から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0049】
要するに、移動テーブル46は、上述した推定移動情報と、該店舗3での消費電力との関連性を、経時的変化も含め、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、消費電力予想手段33は、逐次取得される店舗3での推定移動情報及び消費電力情報から、経時的変化を読み、該経時的変化を、過去の推定移動情報と消費電力情報の経時的変化とマッチングして、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の消費電力情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内での推定移動情報と消費電力情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0050】
なお、上述の推定移動状態及び推定滞在情報の推定処理は、取得部23によってデータを取得する際に行っても良いが、管理端末4側で前もって行っても良い。
【0051】
図5(A)乃至(D)は、それぞれ来客数データベースを構成するデータテーブルの説明図である。来客数データベース32Cは、店舗3での売上情報と来客数情報との関連を示す売上−来客テーブル47(同図(A)参照)と、店舗3での在庫情報と来客数情報との関連を示す在庫−来客テーブル48(同図(B)参照)と、クーポン券の発券数と、利用期間内に該クーポン券を利用可能な店舗3に訪れた来客数情報との関連を示すクーポンテーブル49(同図(C)参照)と、セール品の在庫数と、販売期間中にセール品を販売した店舗3に訪れた来客数情報との関連を示すセール品テーブル51(同図(D)参照)とを有している。
【0052】
売上−来客テーブル47は、数字よりなる「売上−来客ID」と、その売上情報及び来客数情報がどの店舗3に関するものであるかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、該店舗3での売上情報を記入する「売上」と、該店舗3での来客数を記入する「来客数」と、該売上情報及び来客数情報が何時のデータであるかを示す「時間帯」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、売上−来客テーブル47へのデータのリレーションシップが行われ、売上−来客テーブル47から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0053】
要するに、この売上−来客テーブル47は、POS情報の一種である店舗3での売上情報と、該店舗3での来客数との関連性を、経時的変化も含め、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、来客数予想手段34は、逐次取得される店舗3での売上情報及び来客数情報から、経時的変化を読み、該経時的変化を、過去の売上情報と来客数情報の経時的変化とマッチングして、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の来客数情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内での売上情報と来客数情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0054】
在庫−来客テーブル48は、数字よりなる「在庫−来客ID」と、その在庫情報及び来客数情報がどの店舗3に関するものであるかを示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、該店舗3での在庫情報を記入する「在庫」と、該店舗3での来客数情報を記入する「来客数」と、該在庫及び来客数情報が何時のデータであるかを示す「時間帯」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、在庫−来客テーブル48へのデータのリレーションシップが行われ、在庫−来客テーブル48から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0055】
要するに、この在庫−来客テーブル48は、POS情報の一種である店舗3での在庫情報と、該店舗3での来客数情報との関連性を、経時的変化も含め、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、来客数予想手段34は、逐次取得される店舗3での在庫情報及び来客数情報から、経時的変化を読み、該経時的変化を、過去の在庫情報と来客数情報の経時的変化とマッチングして、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の来客数情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内での在庫情報と来客数情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0056】
クーポンテーブル49は、数字よりなる「クーポンID」と、該クーポンの名前を記入する「クーポン名」と、そのクーポン券を利用可能な店舗3を示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、該クーポンの発券数を記入する「発券数」と、該クーポンの利用期間中に該店舗3に訪れた来客数を記憶する「来客数」と、該クーポンの利用期間を記憶する「利用期間」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、クーポンテーブル49へのデータのリレーションシップが行われ、クーポンテーブル49から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0057】
要するに、このクーポンテーブル49は、クーポン券の発券数情報と、該店舗3での来客数情報との関連性を、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、来客数予想手段34は、取得されるクーポン券の発券数情報から、過去のクーポン券発券数情報と来客数情報の関連を参照し、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の来客数情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内でのクーポン券発券数情報と来客数情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0058】
セール品テーブル51は、数字よりなる「セール品ID」と、セール品の名前を記入する「セール品名」と、該セール品を販売している店舗3を示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、該セール品の店舗3での在庫数を記入する「在庫数」と、セール品販売中に該店舗3に訪れた来客数を記憶する「来客数」と、その在庫数情報及び来客数情報が何時の期間であるかを示す「時間帯」とを、フィールドとして有しており、店舗テーブル37から、セール品テーブル51へのデータのリレーションシップが行われ、セール品テーブル51から店舗テーブル37の情報が参照される。
【0059】
要するに、このセール品テーブル51は、セール品の在庫数情報と、該店舗3での来客数情報との関連性を、経時的変化も含めて、店舗3毎に、記憶装置24に記憶するものである。そして、来客数予想手段34は、逐次取得される店舗3でのセール品の在庫情報及び来客数情報から、経時的変化を読み、該経時的変化を、過去のセール品在庫情報と来客数情報の経時的変化とマッチングして、似たような過去データを参照することにより、該店舗3内での以後の来客数情報を予想することが可能になる。また、この際、各店舗3内でのセール品在庫情報と来客数情報との相関関係を回帰分析等によって求めておくと、より正確な予想を行うことが可能になる。
【0060】
図6(A)乃至(C)は、それぞれ設備データベースを構成するデータテーブルの説明図である。設備データベース32Dは、電気機器の各種情報を記憶する電気機器テーブル52(同図(A)参照)と、電気機器の設置された店舗3を記憶する設備テーブル53(同図(B)参照)と、店舗3に設置された電気機器の消費電力が記憶される消費電力テーブル54(同図(C)参照)とを有している。
【0061】
電気機器テーブル52は、数字よりなる「電気機器ID」と、電気機器の名前を記憶する「電気機器名」と、該電気機器の名前を記入する「電気機器名」と、該電気機器の新品での価格が記憶された「価格」と、該電気機器の取付工賃及び取外工賃が記憶された「工賃」と、該電気機器を修理する際に必要な修理費を記憶する「修理費」と、新品での標準的な消費電力を記憶する「標準消費電力」と、該修理によって改善する消費電力を記入する「改善消費電力」とを、フィールドとして有している。
【0062】
設備テーブル53は、数字よりなる「設備ID」と、電気機器を設置する店舗3を示す目的で、該店舗3の店舗テーブル37での店舗IDが記入される「店舗ID」と、設置している電機機器を示す目的で、該電気機器の電気機器テーブル52での電気機器IDが記載される「電気機器ID」と、該電気機器の設置日を記憶する「設置日」と、該電気機器を修理した場合にその修理日を記憶する「修理日」とを、フィールドとして有しており、電気機器テーブル52及び店舗テーブル37から、設備テーブル53へのデータのリレーションシップが行われ、設備テーブル53から電気機器テーブル52及び店舗テーブル37の情報が参照される。
【0063】
消費電力テーブル54は、数字よりなる「消費電力ID」と、どの店舗3に設置されたどの電気機器であるかの情報である設備情報を示す目的で、該設備の設備テーブル53での設備IDが記入される「設備ID」と、該設備に係る電気機器の消費電力を記憶する「消費電力」と、該消費電力が何時の期間のものであるかを記入する「時間帯」とを、フィールドとして有しており、設備テーブル53から、消費電力テーブル54へのデータのリレーションシップが行われ、消費電力テーブル54から設備テーブル53の情報が参照される。
【0064】
この消費電力テーブル54に利用することによって、各店舗3での消費電力と、それぞれの店舗3に設置されている各電気機器6,7,8,9,11の消費電力とを、経時的変化も含めて、取得することが可能である。このため、それぞれの店舗3に対して、店舗3の全消費電力に占める各電気機器6,7,8,9,11の消費電力の割合である占有率や、各電気機器6,7,8,9,11の全時間に示す稼動時間の割合である稼動率も知ることが可能になり、これらの情報を利用して、上述した投資効果予想手段36が、電気機器6,7,8,9,11の交換、修理及び増設の投資効果を予想する。
【0065】
図7(A)は消費電力予想手段のフローチャートであり、(B)は消費電力予想手段により予想された店舗での消費電力の経時的変化をグラフ表示した報知画面である。消費電力予想手段33は、まず、ステップS1に処理を進める。ステップS1では、上述した手法により、記憶装置24に記憶された売上−電力テーブル42の情報に基づいて、逐次取得される店舗3での売上情報及び消費電力情報から、該店舗3での消費電力を予想し、ステップS2に進む。
【0066】
ステップS2では、上述した手法により、記憶装置24に記憶された在庫−電力テーブル42の情報に基づいて、逐次取得される店舗3での在庫情報及び消費電力情報から、該店舗3での消費電力を予想し、ステップS3に進む。
【0067】
ステップS3では、上述した手法により、記憶装置24に記憶された滞在テーブル44の情報に基づいて、逐次取得される店舗3での推定滞在情報及び消費電力情報から、該店舗3での消費電力を予想し、ステップS4に進む。
【0068】
ステップS4では、上述した手法により、記憶装置24に記憶された移動テーブル46の情報に基づいて、逐次取得される店舗3での推定移動情報及び消費電力情報から、該店舗3での消費電力を予想し、ステップS5に進む。
【0069】
ステップS5では、ステップS1〜S4で予想した店舗3での消費電力の経時変化を、総合的に評価して、該店舗3での消費電力を、以後の経時的変化も含めて予想する。具体的には、それぞれで予想された消費電力値の平均を計算して、総合評価を行ってもよいし、それぞれで予想された消費電力値を重み付けして加算することにより、総合評価を行ってもよい。
【0070】
このようにして、予想された該店舗での将来的な消費電力情報は、管理サーバ3又は管理端末4のディスプレイに、消費電力予想画面56として、グラフ表示される。消費電力予想画面56は、店舗3の店舗名を表示する店舗表示欄56aと、消費電力予想グラフを表示するグラフ表示欄56bとを有している。
【0071】
消費電力予想グラフは、現時点より所定時間遡った時点から、現時点より所定時間経過した未来の時点までの、店舗3での消費電力を、実測値と、予想値とに分けて表示している。ちなみに、グラフ表示欄56bには、実測値が実線、予想値が仮想線で示されており、それ以上消費電力が増加すると、電力会社との契約の問題で料金が増加する可能性があり、各電器機器6,7,8,9,11を円滑に稼動させる上でも支障が生じる可能性がある消費電力値である閾値も、併せて表示されている。
【0072】
図8は、(A)は来客数予想手段のフローチャートであり、(B)は来客数予想手段により予想された店舗での来客数の経時的変化をグラフ表示した報知画面である。来客数予想手段34は、まず、ステップS11に処理を進める。ステップS11では、上述した手法により、記憶装置24に記憶された売上−来客テーブル47の情報に基づいて、逐次取得される店舗3での売上情報及び来客数情報から、該店舗3での来客数を予想し、ステップS12に進む。
【0073】
ステップS12では、上述した手法により、記憶装置24に記憶された在庫−来客テーブル48の情報に基づいて、逐次取得される店舗3での在庫情報及び来客数情報から、該店舗3での来客数を予想し、ステップS13に進む。
【0074】
ステップS13では、上述した手法により、記憶装置24に記憶されたクーポンテーブル49の情報に基づいて、店舗3で利用可能なクーポン券の発券数から、該店舗3での来客数を予想し、ステップS4に進む。
【0075】
ステップS14では、上述した手法により、記憶装置24に記憶されたセール品テーブル51の情報に基づいて、逐次取得される店舗3でのセール品の在庫数、該店舗3での来客数を予想し、ステップS15に進む。
【0076】
ステップS15では、ステップS11〜S14で予想した店舗3での来客数の経時変化を、総合的に評価して、該店舗3での来客数を、以後の経時的変化も含めて予想する。具体的には、それぞれで予想された来客数の平均を計算し、総合評価を行ってもよいし、それぞれで予想された来客数を重み付けして加算することにより、総合評価を行ってもよい。
【0077】
このようにして、予想された該店舗での将来的な来客数情報は、管理サーバ3又は管理端末4のディスプレイに、来客数力予想画面57として、グラフ表示される。来客数予想画面57は、店舗3の店舗名を表示する店舗表示欄57aと、来客数予想グラフを表示するグラフ表示欄57bとを有している。
【0078】
来客数予想グラフは、現時点より所定時間遡った時点から、現時点より所定時間経過した未来の時点までの、店舗3での来客数を、実測値と、予想値とに分けて表示している。ちなみに、グラフ表示欄57bには、実測値が実線、予想値が仮想線で示されており、それ以上来客数が増加すると、各種処理を切換える必要がある来客数である閾値も、併せて表示されている。
【0079】
図9(A)は投資効果予想手段のメインルーチンのフローチャートであり、(B)は交換効果を予想するサブルーチンのフローチャートであり、(C)は修理効果を予想するサブルーチンのフローチャートであり、(D)は増設効果を予想するサブルーチンのフローチャートである。投資効果予想手段36は、店舗3の電気機器6,7,8,9,11を交換した場合の経済的効果を予想する交換効果のサブルーチンを実行した後、続けて、店舗3の電気機器6,7,8,9,11を修理した場合の経済的効果を予想する修理効果のサブルーチンを実行し、その後、店舗3の電気機器6,7,8,9,11を増設した場合の経済的効果を予想する増設効果のサブルーチンを実行し、処理を終了させる。
【0080】
交換効果を予想するサブルーチンでは、まず、ステップS21に進む。ステップS21では、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を交換した場合における、電力の評価を行い、ステップS22に進む。このステップS21は、具体的には、電気機器テーブル52、設備テーブル53及び消費電力テーブル54を参照するとともに、消費電力取得手段29から店舗3での消費電力を逐次取得することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を交換する場合における交換前の店舗3全体の消費電力である交換前消費電力と、交換後の店舗3全体の消費電力である交換後消費電力とを比較して、評価する。
【0081】
ちなみに、通常、電気機器6,7,8,9,11は、経時劣化し、時間が経過するにつれて、消費電力が増加するため、店舗3に設置して時間が経過した電気機器6,7,8,911程、この評価は高くなる。
【0082】
ステップS22では、電気機器テーブル52及び設備テーブル53を参照することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を交換した際にかかる費用を計算し、ステップS23に進む。このステップS22は、具体的には、電気機器6,7,8,9,11自体の価格に、該電気機器6,7,8,9,11を取外した上で、取付ける工賃が加算される。
【0083】
ステップS23では、電気機器テーブル52、設備テーブル53及び消費電力テーブル54を参照するとともに、消費電力取得手段29から店舗3での消費電力を逐次取得することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11の該店舗での占有率及び稼動率を計算し、評価を行った後、ステップS24に進む。ステップS23は、占有率及び稼動率が高い程、該店舗3内での役割も重要なものと推定されるため、占有率及び稼動率が高い程、電気機器6,7,8,9,11に対して高い評価がされるように、処理を行う。
【0084】
ステップS24では、ステップS21での評価と、ステップS22での評価と、ステップS23での評価とを総合評価し、その総合評価値を金額に換算し、その換算された金額を、交換投資効果予想値として、処理を終了させる。
【0085】
修理効果を予想するサブルーチンでは、まず、ステップS31に進む。ステップS31では、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を修理した場合における、電力の評価を行い、ステップS32に進む。このステップS31は、具体的には、電気機器テーブル52、設備テーブル53及び消費電力テーブル54を参照するとともに、消費電力取得手段29から店舗3での消費電力を逐次取得することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を修理する場合における修理前の店舗3全体の消費電力である修理前消費電力と、修理後の店舗3全体の消費電力である交換後消費電力とを比較して、評価する。
【0086】
ステップS32では、電気機器テーブル52及び設備テーブル53を参照することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を修理した際にかかる費用を計算し、ステップS33に進む。ちなみに、一般的に、修理した際の費用は、交換した際の費用よりは、かなり安くなる。
【0087】
ステップS33では、電気機器テーブル52、設備テーブル53及び消費電力テーブル54を参照するとともに、消費電力取得手段29から店舗3での消費電力を逐次取得することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11の該店舗での占有率及び稼動率を計算し、評価を行った後、ステップS24に進む。
【0088】
ステップS34では、ステップS31での評価と、ステップS32での評価と、ステップS33での評価とを総合評価し、その総合評価値を金額に換算し、その換算された金額を、修理投資効果予想値として、処理を終了させる。
【0089】
増設効果を予想するサブルーチンでは、まず、ステップS41に進む。ステップS41では、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を増設した場合における、電力の評価を行い、ステップS42に進む。このステップS41は、具体的には、電気機器テーブル52、設備テーブル53及び消費電力テーブル54を参照するとともに、消費電力取得手段29から店舗3での消費電力を逐次取得することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を増設する場合における増設前の店舗3全体の消費電力である修理前消費電力と、増設後の店舗3全体の消費電力である交換後消費電力とを比較して、評価する。
【0090】
ステップS42では、電気機器テーブル52及び設備テーブル53を参照することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11を増設した際にかかる費用を計算し、ステップS43に進む。具体的には、電気機器6,7,8,9,11自体の価格に、該電気機器6,7,8,9,11を取付ける工賃が加算される。
【0091】
ステップS43では、電気機器テーブル52、設備テーブル53及び消費電力テーブル54を参照するとともに、消費電力取得手段29から店舗3での消費電力を逐次取得することにより、対象となっている電気機器6,7,8,9,11の該店舗での占有率及び稼動率を計算し、評価を行った後、ステップS44に進む。
【0092】
なお、増設効果の評価する際の占有率及び稼動率の評価は、上述した効果や修理の場合よりも比重を高くして行う。これは占有率や稼動率が高ければ、その電気機器6,7,8,9,11を増設する必要が高いものと考えられるためである。
【0093】
ステップS44では、ステップS41での評価と、ステップS42での評価と、ステップS43での評価とを総合評価し、その総合評価値を金額に換算し、その換算された金額を、増設投資効果予想値として、処理を終了させる。
【0094】
図10は、管理手段のメインルーチンのフローチャートである。管理手段27は、各店舗4の電力管理を行う電力管理のサブルーチンと、各店舗4の電気機器管理を行う電気機器管理のサブルーチンとを有している。ちなみに、管理手段27のメインルーチンは、店舗3それぞれに対して、所定時間毎に、個別に実行される。
【0095】
図11は、管理手段が行う電力管理サブルーチンのフローチャートである。管理手段27は、電力管理のサブルーチンでは、まず、ステップS51に進む。ステップS51では、対象の店舗3に対して、消費電力手段33による消費電力処理を、図7に示す通りに行い、ステップS52に進む。ステップS52では、該対象の店舗3に対して、来客数予想手段34による来客数予想処理を、図8に示す通りに行い、ステップS53に進む。ステップS53では、ステップS51及びステップS52により求められた該店舗3での予想消費電力及び予想来客数に基づいて、電力管理制御を行い、処理を終了する。
【0096】
店舗3での電力管理制御は、店舗3の店員への行動指示と、電気機器の直接の稼動制御との2つに大別される。
【0097】
図12(A)乃至(C)並びに図13(A)乃至(C)は、それぞれ電力管理における行動指示画面の内容を説明する説明図である。店舗3の店員への行動指示は、該店舗3の管理端末4から音声データを出力させるか、或いは管理サーバ1及び管理端末4に行動指示画面58を表示することにより行う。行動指示画面58は、その店舗3に対する指示であるかを表示する店舗表示欄58aと、行動指示内容を記載する行動指示内容欄58bとを有している。
【0098】
管理手段27は、店舗3内での消費電力予想に基づいて、稼動させる電気機器6,7,8,9,11と、停止させる電気機器6,7,8,9,11とを選択し、これを、行動指示画面58に表示するか(図12(A),(B)参照)、或いは、ドライバユニット13を介して、直接稼動を制御する。この行動指示と、稼動制御は、同時に行ってもよいが、直接の稼動制御が困難である場合、行動指示を行うようにしてもよい。このようにして、消費電力が増加しそうな場合に、稼動を停止できそうな電気機器6,7,8,9,11を探してもよいし、より消費電力を低いものに役割を代替させてもよい。
【0099】
また、夏場等、来客数が増加すると予想される際には、空中設備7を停止しても、店舗3内の室温を適切に保持する必要があるため、例えば、空調設備7の稼動を停止しつつ、窓等の開放を指示するように行動指示画面58を出力してもよい(図12(C)参照)。ちなみに、来客数が閾値を超える場合、或いは超えそうな場合には、ユーザが店舗3内で快適にすごせるように、空調設備7の稼動を停止できないようにして、その他で、稼動が停止できそうな電気機器6,7,8,9,11を探す。
【0100】
また、予想される来客数の増加に合せて、店舗3の室内温度を適切にしていく必要や、食品の調理を完了させる必要があるため、空調設備7や調理設備9の稼動開始及び稼動終了を、予想される来客数に基づいて決定し、これを行動指示画面58に出力するか(図13(A),(B))、或いはその店舗3の管理端末4を介して直接稼動を制御してもよい。
【0101】
さらに、店舗3の消費電力の増加が予想される場合(閾値を超える又は越えそうな場合)、該店舗3内で、稼動を停止できそうな電気機器6,7,8,9,11が予想来客数等から判明しない場合には、節電を心がけるような行動指示を、行動指示画面58を介して、該店舗3の店員に行っても良い(図13(C)参照)。
【0102】
図14は、管理手段が行う電気機器管理のサブルーチンのフローチャートである。管理手段27は、電気機器管理のサブルーチンでは、まず、ステップS61に進む。ステップS61では、対象の店舗3で、交換、修理又は増設の対象となる電気機器6,7,8,9,11があるか否かをチェックする。ちなみに、この判断は、電気機器6,7,8,9,11の設置日や修理日に基づいてもよいし、占有率や稼動率等を利用してもよく、該サブルーチンにおいて、投資効果の評価が完了している場合にも、対象外との判定を下す。
【0103】
そして、ステップS61で、交換、修理又は増設の対象となる電気機器6,7,8,9,11が無い場合には、処理を終了させる一方で、ある場合には、ステップS62に進む。ステップS62では、交換、修理又は増設の対象となる電気機器6,7,8,9,11の特定を行い、ステップS63に進む。ステップS63では、投資効果予想手段36によって、図9に示す投資効果予想処理を行い、該電気機器6,7,8,9,11の交換投資効果予想値、修理投資効果予想値及び増設投資効果予想値を求め、ステップS64に進む。
【0104】
ステップS64では、交換投資効果予想値、修理投資効果予想値及び増設投資効果予想値の内で、最も良好な値となっているものを選択し、ステップS65に進む。ステップS65では、前ステップにおいて、最も良好な値として選択した、交換投資効果予想値、修理投資効果予想値又は増設投資効果予想値が、予め定めた予定値kを超えているか否かを判断し、超えてこれば、ステップS66に進み、超えていなければ、ステップS61に処理を戻す。
【0105】
図15は、(A)乃至(C)は、それぞれ電気機器管理における行動指示画面の内容を説明する説明図である。同図に示す通り、ステップS66では、ステップS64で選択した行動(交換、修理又は増設に何れかの行動)を、該電気機器6,7,8,9,11に対して行うように、上述した行動指示画面58を、管理端末4や管理サーバ1のディスプレイに表示させ、ステップS61に処理を戻す。
【0106】
このようにして、管理サーバ1は、自動的に、効果、修理及び増設すべき電気機器6,7,8,9,11の選定を行う。
【符号の説明】
【0107】
1 管理サーバ(電力管理サーバ,電気機器管理サーバ)
2 ネットワーク(インターネット,WAN)
3 店舗
4 管理端末
6 レジスタ設備(電気機器,レジ)
7 空調設備(電気機器,エアコン)
8 冷蔵・冷凍設備(電気機器)
9 調理設備(電気機器)
11 照明設備(電気機器)
12 電力検出ユニット(電力検出手段)
13 ドライバユニット(稼動手段)
14 通信手段
16 記憶装置(HDD,SSD)
17 情報管理手段
18 稼動制御手段
19 報知手段
21A POSデータ
21B 消費電力データ
21D 設備データ
22 通信手段
23 取得部
24 記憶装置
26 予想部
27 管理手段
28 報知手段
29 消費電力取得手段
31 情報取得手段
32A POSデータベース
32B 消費電力データベース
32C 来客数データベース
32D 設備データベース
33 消費電力予想手段
34 来客数予想手段
36 投資効果予想手段
37 店舗テーブル
38 商品テーブル
39 陳列テーブル
41 販売テーブル
42 売上−電力テーブル
43 在庫−電力テーブル
44 滞在テーブル
46 移動テーブル
47 売上−来客テーブル
48 在庫−来客テーブル
49 クーポンテーブル
51 セール品テーブル
52 電気機器テーブル
53 設備テーブル
54 消費電力テーブル
56 消費電力予想画面
56a 店舗表示欄
56b グラフ表示欄
57 来客数予想画面
57a 店舗表示欄
57b グラフ表示欄
58 行動指示画面
58a 店舗表示欄
58b 行動指示内容欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費電力低減を目的とした報知、或いは店舗に設置された電気機器の運転制御を行う管理手段を備えた電力管理サーバであって、
店舗への来客数を記憶する記憶装置と、
記憶装置に記憶された過去の来客数情報に基づいて、店舗への以後の来客数を予想する来客数予想手段を備え、
管理手段は、来客数予想手段により予想される来客数に基づいて店舗の消費電力を管理する
ことを特徴とする電力管理サーバ。
【請求項2】
割引券又は優待券であるクーポン券の発券数を、クーポン券利用期間の店舗への来客数と関連付けして記憶装置に記憶し、
来客数予想手段は、過去のクーポン発券数情報と来客数情報との関連性に基づき、クーポン券の発券数から、店舗への来客数を予想する
請求項1記載の電力管理サーバ。
【請求項3】
セール品の在庫数を、セール品販売中の店舗への来客数と関連付けして記憶装置に記憶し、
来客数予想手段は、過去のセール品在庫数情報と来客数情報との関連性に基づき、その時点でのセール品の在庫数から、店舗への来客数を予想する
請求項1または請求項2記載の電力管理サーバ。
【請求項4】
店舗でのPOS情報を取得する情報取得手段を備え、
POS情報を、店舗への来客数とを関連付けして記憶装置に記憶し、
来客数予想手段は、過去のPOS情報と来客数情報との関連性に基づき、逐次取得されるPOS情報から、店舗への来客数を予想する
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の電力管理サーバ。
【請求項5】
管理手段は、来客数予想手段により予想される来客数に基づき、稼動する電気機器を決定するか、或いは電気機器の稼動開始時間又は稼動終了時間を決定する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の電力管理サーバ。
【請求項6】
管理手段は、来客数予想手段による予想される来客数に基づき、消費電力低減を目的とした行動指示を店舗の店員に対して行う
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載の電力管理サーバ。
【請求項7】
消費電力低減を目的とした報知、或いは店舗に設置された電気機器の運転制御を行う管理処理を行う電力管理プログラムであって、
店舗への来客数を記憶する記憶装置と、
記憶装置に記憶された過去の来客数情報に基づいて、店舗への以後の来客数を予想する来客数予想処理を行い、
管理処理では、来客数予想手段により予想される来客数に基づいて店舗の消費電力を管理する処理を
実行させるための電力管理プログラム。
【請求項8】
割引券又は優待券であるクーポン券の発券数を、クーポン券利用期間の店舗への来客数と関連付けして記憶装置に記憶し、
来客数予想処理では、過去のクーポン発券数情報と来客数情報との関連性に基づき、クーポン券の発券数から、店舗への来客数を予想する処理を
実行させるための請求項7記載の電力管理プログラム。
【請求項9】
セール品の在庫数を、セール品販売中の店舗への来客数と関連付けして記憶装置に記憶し、
来客数予想処理では、過去のセール品在庫数情報と来客数情報との関連性に基づき、その時点でのセール品の在庫数から、店舗への来客数を予想する処理を
実行させるための請求項7または請求項8記載の電力管理プログラム。
【請求項10】
店舗でのPOS情報を取得する情報取得処理を行い、
POS情報を、店舗への来客数とを関連付けして記憶装置に記憶し、
来客数予想処理では、過去のPOS情報と来客数情報との関連性に基づき、逐次取得されるPOS情報から、店舗への来客数を予想する処理を
実行させるための請求項7から請求項9のうちいずれかに記載の電力管理プログラム。
【請求項11】
管理処理では、来客数予想手段により予想される来客数に基づき、稼動する電気機器を決定するか、或いは電気機器の稼動開始時間又は稼動終了時間を決定する処理を
実行させるための請求項7から請求項10のうちいずれかに記載の電力管理プログラム。
【請求項12】
管理処理では、来客数予想処理による予想される来客数に基づき、消費電力低減を目的とした行動指示を店舗の店員に対して行う処理を
実行させるための請求項7から請求項11のうちいずれかに記載の電力管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−168676(P2012−168676A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28147(P2011−28147)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(503396309)生活協同組合コープさっぽろ (144)