説明

電力送信コイル及び無線電力送信装置

【課題】無線で電力を送信するのに使用される電力送信コイル、及び前記電力送信コイルを使用して無線で電力を送信する無線電力送信装置を提供する。
【解決手段】本発明による電力送信コイルは、コアの中央上部に搭載され、電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる少なくとも1つの第1コイル200と、前記コアの上部において第1コイル200の外側に搭載され、電力を送信する場合に前記第1方向とは相反する第2方向に電流が流れる少なくとも1つの第2コイル210とを含み、本発明による無線電力送信装置は、第1コイル200及び第2コイル210を備える電力送信コイルを使用して無線で電力を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線で電力を送信するのに使用される電力送信コイル、及び前記電力送信コイルを使用して無線で電力を送信する無線電力送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの各種携帯端末機には、電力を充電して動作電力を供給するバッテリパックなどの受電装置が取り付けられる。前記受電装置は、外部の充電装置から供給される電力を充電し、充電した電力を前記携帯端末機に供給して当該携帯端末機を動作させるためのものである。
【0003】
前記受電装置は、電力を充電するバッテリセルモジュールや、前記外部の充電装置から供給される電力を前記バッテリセルモジュールに充電させ、前記バッテリセルモジュールに充電させた電力を放電させて前記携帯端末機に供給する充放電回路などを含む。
【0004】
前記充電装置と前記受電装置とを電気的に接続する方式としては、前記充電装置の電力を出力するための端子と前記受電装置の電力を入力するための端子とをケーブルを介して直接接続する端子接続方式が知られている。
【0005】
しかしながら、前記端子接続方式においては、前記充電装置の端子と前記受電装置の端子の間に電位差があるので、前記充電装置の端子と前記受電装置の端子とを接続又は分離する際に瞬間放電現象が起こる。
【0006】
前記瞬間放電現象は、前記充電装置の端子及び前記受電装置の端子を摩耗させる。また、前記充電装置の端子及び前記受電装置の端子に異物が溜まっている場合は、前記瞬間放電現象により前記異物が発熱して火災などの事故が発生する恐れがあった。
【0007】
また、湿気などにより、前記受電装置のバッテリセルモジュールに充電された電力が当該受電装置の端子から外部に自然放電され、それにより、前記受電装置の使用寿命の短縮や性能の低下を招くという問題があった。
【0008】
近年、このような端子接続方式の様々な問題を解決するために、受電装置に無線で電力を送信する無線電力送信装置が提示されている。
【0009】
前記無線電力送信装置は、例えば電磁誘導方式を用いて無線で電力を送信する。また、前記受電装置は、前記無線電力送信装置が無線で送信する電力を受信し、受信した電力をバッテリセルモジュールに充電させる。
【0010】
前記無線電力送信装置は安定かつ高効率に無線で電力を送信することができるようにし、かつ、前記受電装置は前記無線電力送信装置が送信する電力を最大限受信してバッテリセルモジュールに充電させることができるようにするのに多くの努力がなされてきた。
【0011】
前記無線電力送信装置はコアアセンブリを含む。前記無線電力送信装置のコアアセンブリは、コアと、前記コアに収容されて電力を送信する電力送信コイルとを含む。
【0012】
また、前記受電装置もコアアセンブリを含む。前記受電装置のコアアセンブリは、コアと、前記コアに収容されて前記無線電力送信装置が送信する電力を受信する電力受信コイルとを含む。
【0013】
前記無線電力送信装置のコアアセンブリに含まれる電力送信コイルと、前記受電装置のコアアセンブリに含まれる電力受信コイルとは、それぞれの特性上、サイズが異なる。
【0014】
すなわち、前記受電装置の電力受信コイルは、前記受電装置が携帯端末機に接続されて充電機能を提供しなければならないので、前記受電装置のサイズによって前記電力受信コイルのサイズが決定されるという制限がある。
【0015】
それに対して、前記無線電力送信装置の電力送信コイルは、前記受電装置が取り付けられた携帯端末機全体を搭載しなければならないので、前記無線電力送信装置の電力送信コイルのサイズが前記携帯端末機のサイズより大きくなければならないという制限がある。
【0016】
このようなサイズ制限により、前記無線電力送信装置及び前記受電装置のそれぞれに備えられた主な構成要素である、コアアセンブリのコア及び電力送受信コイルのサイズに違いが生じる。
【0017】
これに加えて、前記携帯端末機は通常長方形状に形成されるので、前記無線電力送信装置のコアアセンブリに備えられる電力送信コイルは、円形にすることが困難であり、通常楕円形又は長方形状に形成され、前記無線電力送信装置のコアアセンブリに備えられるコアも、正方形ではなく、長方形又は楕円形状に形成される。
【0018】
それに対して、前記携帯端末機に取り付けられる受電装置は通常正方形状に形成されるので、前記受電装置のコアアセンブリに備えられる電力受信コイルは通常円形状に形成され、前記電力受信コイルが収容されるコアも通常四角形又は円形状に形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
前記無線電力送信装置のコアアセンブリと前記受電装置のコアアセンブリとのサイズの違いは、前記受電装置が受信する電力のばらつきをもたらす。すなわち、前記無線電力送信装置の上部に前記受電装置が載置される場合、当該受電装置のコアアセンブリが載置される位置によって、前記無線電力送信装置のコアアセンブリの電力送信コイルに流れる電流で発生する磁束により前記受電装置のコアアセンブリの電力受信コイルに誘導される電力が異なる。
【0020】
前記電力受信コイルに誘導される電力のばらつきは、前記無線電力送信装置と前記受電装置との間で送受信されるデジタルデータの通信にも悪影響を及ぼす。
【0021】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、無線電力送信装置のコアアセンブリの上部に載置される受電装置のコアアセンブリの位置に関係なく、前記無線電力送信装置のコアアセンブリから前記受電装置のコアアセンブリに最適な状態で電力を送信することのできる、電力送信コイル及び無線電力送信装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明が解決しようとする課題は、無線電力送信装置のコアアセンブリの上部に載置される受電装置のコアアセンブリの位置自由度を高めることのできる、電力送信コイル及び無線電力送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明による電力送信コイルは、電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる少なくとも1つの第1コイルと、前記第1コイルの外側に配置され、電力を送信する場合に前記第1方向とは相反する第2方向に電流が流れる少なくとも1つの第2コイルとを含む。
【0024】
また、本発明による無線電力送信装置は、直流電力をスイッチングして交流電力を生成する電力送信ユニットと、前記電力送信ユニットが生成した交流電力を無線で送信するコアアセンブリとを含み、前記コアアセンブリは、前記交流電力が印加される電力送信コイルと、前記電力送信コイルが収容されるコアとを含み、前記電力送信コイルは、電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる少なくとも1つの第1コイルと、前記第1コイルの外側に配置され、電力を送信する場合に前記第1方向とは相反する第2方向に電流が流れる少なくとも1つの第2コイルとを含む。
【0025】
前記電力送信ユニットは、電力送信を制御する電力送信制御部と、前記電力送信制御部の制御により電力送信のための駆動信号を発生する駆動ドライバと、前記駆動ドライバが発生した駆動信号に応じて前記直流電力をスイッチングして前記電力送信コイルに交流電力を供給する直列共振型コンバータとを含む。
【0026】
さらに、本発明による無線電力送信装置は、直流電力をスイッチングして交流電力を生成する電力送信ユニットと、前記電力送信ユニットが生成した交流電力を無線で送信するための電力送信コイル、及び前記電力送信コイルが収容されるコアを含むコアアセンブリと、前記電力送信ユニットと前記コアアセンブリの電力送信コイルとの間に備えられ、前記交流電力をスイッチングするスイッチング部とを含み、前記電力送信コイルは、電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる少なくとも1つの第1コイルと、前記第1コイルの外側に配置され、電力を送信する場合に前記第1方向とは相反する第2方向に電流が流れる少なくとも1つの第2コイルとを含み、前記スイッチング部は、前記電力送信ユニットの制御により前記交流電力をスイッチングして前記第1コイル及び前記第2コイルに選択的に供給する。
【0027】
前記電力送信ユニットは、電力送信を制御し、前記スイッチング部のスイッチング動作を制御する電力送信制御部と、前記電力送信制御部の制御により電力送信のための駆動信号を発生する駆動ドライバと、前記駆動ドライバが発生した駆動信号に応じて前記直流電力をスイッチングして前記スイッチング部に出力する直列共振型コンバータとを含む。
【0028】
また、本発明による無線電力送信装置は、前記電力送信制御部の制御により受電装置に情報を要求する要求信号を生成して前記電力送信コイルから前記受電装置に送信する信号送信部と、前記受電装置からの信号を前記電力送信コイルから受信して前記電力送信制御部に提供する信号受信部とをさらに含む。
【0029】
前記直列共振型コンバータは、前記電力送信コイルの上部に載置される受電装置の電力受信コイルの位置によって、前記第1コイル及び前記第2コイルに選択的に交流電力を供給する。
【0030】
前記電力送信制御部は、前記電力送信コイルの上部に載置される受電装置の電力受信コイルの位置によって前記スイッチング部を制御して、前記第1コイル及び前記第2コイルに選択的に交流電力を供給する。
【0031】
前記第1コイル及び前記第2コイルを合わせた内周面と外周面との直線距離は、無線で電力を受信する電力受信コイルの直径より大きい。
【0032】
前記第1コイルと前記第2コイルとは反対方向に巻回される。
【0033】
また、前記第1コイル及び前記第2コイルは、絶縁性材料が被覆された1本の導線が連続的に巻回される。
【0034】
また、前記第1コイル及び前記第2コイルは、絶縁性材料が被覆された導線がそれぞれ巻回され、前記第1コイルの外側端部と前記第2コイルの内側端部とが半田付けされて電気的に直列接続される。
【0035】
また、前記第1コイル及び前記第2コイルは、同一平面上に同心円状に配置される。
【発明の効果】
【0036】
本発明においては、電力送信コイルが、第1方向に巻回される第1コイルと、前記第1方向とは相反する第2方向に巻回される第2コイルとを含むので、受電装置が電力送信コイルのどの位置に載置されても最適な状態で電力を送信することができ、それにより、電力を充電する受電装置の位置自由度を高めることができる。
【0037】
また、無線電力送信装置と受電装置とがデジタルデータを円滑に送受信することができる。
【0038】
以下、添付図面を参照して本発明を実施形態により詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。なお、一部の図においては、同一構成要素に同一符号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1a】無線電力送信装置のコアアセンブリの電力送信コイルから受電装置のコアアセンブリの電力受信コイルに電力が送信される動作を説明するための図である。
【図1b】無線電力送信装置のコアアセンブリの電力送信コイルから受電装置のコアアセンブリの電力受信コイルに電力が送信される動作を説明するための図である。
【図2a】電力送信コイルの上部に載置された電力受信コイルに誘導されて流れる電流を説明するための図である。
【図2b】電力送信コイルの上部に載置された電力受信コイルに誘導されて流れる電流を説明するための図である。
【図2c】電力送信コイルの上部に載置された電力受信コイルに誘導されて流れる電流を説明するための図である。
【図3】本発明による電力送信コイルの一実施形態の構成を示す図である。
【図4a】本発明による電力送信コイルの上部に載置された電力受信コイルに誘導されて流れる電流を説明するための図である。
【図4b】本発明による電力送信コイルの上部に載置された電力受信コイルに誘導されて流れる電流を説明するための図である。
【図4c】本発明による電力送信コイルの上部に載置された電力受信コイルに誘導されて流れる電流を説明するための図である。
【図5】本発明による電力送信コイルの上部に載置される電力受信コイルの位置による電圧利得−周波数応答特性を測定して示すグラフである。
【図6】本発明による電力送信コイルの他の実施形態の構成を示す図である。
【図7】本発明による電力送信コイルのさらに他の実施形態の構成を示す図である。
【図8】本発明による無線電力送信装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図9】本発明による電力送信コイルのさらに他の実施形態の構成を示す図である。
【図10】本発明による無線電力送信装置の他の実施形態の構成を示す図である。
【図11a】本発明による無線電力送信装置の他の実施形態におけるスイッチング部のスイッチング動作により電力送信コイルの第1コイル及び第2コイルに流れる電流の方向を説明するための図である。
【図11b】本発明による無線電力送信装置の他の実施形態におけるスイッチング部のスイッチング動作により電力送信コイルの第1コイル及び第2コイルに流れる電流の方向を説明するための図である。
【図11c】本発明による無線電力送信装置の他の実施形態におけるスイッチング部のスイッチング動作により電力送信コイルの第1コイル及び第2コイルに流れる電流の方向を説明するための図である。
【図11d】本発明による無線電力送信装置の他の実施形態におけるスイッチング部のスイッチング動作により電力送信コイルの第1コイル及び第2コイルに流れる電流の方向を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、これは例示に過ぎない。なお、本発明の原理と概念は有用かつ簡単な説明を目的として提供される。
【0041】
よって、本発明の基本的な理解のための必要以上の詳細な構造は提供せず、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が実施できる本発明の実施形態を図面に例示する。
【0042】
図1a及び図1bは、無線電力送信装置のコアアセンブリの電力送信コイルから受電装置のコアアセンブリの電力受信コイルに電力が送信される動作を説明するための図である。同図において、符号100は、無線電力送信装置のコアアセンブリに備えられて電力を送信する電力送信コイルであり、符号110は、受電装置のコアアセンブリに備えられて電力を受信する電力受信コイルである。
【0043】
電力送信コイル100及び電力受信コイル110は、絶縁性材料が被覆された導線が例えば時計方向(又は反時計方向)に巻回されたものである。電力送信コイル100と電力受信コイル110とは異なる形状を有する。また、それぞれの特性上、電力送信コイル100は、一般に電力受信コイル110に比べてサイズが非常に大きい。
【0044】
一例として、電力送信コイル100は、楕円形状に形成され、当該楕円の横幅が約57mm、縦幅が約70mmであり、電力受信コイル110は、円形状に形成され、外径が約32mmである。
【0045】
受電装置に送信する電力が電力送信コイル100に供給されると、図1aに示すように、電力送信コイル100には、上側領域(図の上側)に流れる上側電流ITxTop、右側領域(図の右側)に流れる右側電流ITxRight、下側領域(図の下側)に流れる下側電流ITxBottom、及び左側領域(図の左側)に流れる左側電流ITxLeftが第1方向、例えば時計方向に流れて磁束が発生する。
【0046】
そして、電力送信コイル100の上部に電力受信コイル110が載置されると、電力送信コイル100から発生する磁束が電力受信コイル110と鎖交することにより、図1bに示すように、電力受信コイル110には、上側領域(図の上側)に流れる上側電流IRxTop、右側領域(図の右側)に流れる右側電流IRxRight、下側領域(図の下側)に流れる下側電流IRxBottom、及び左側領域(図の左側)に流れる左側電流IRxLeftが時計方向に流れる。
【0047】
図2aに示すように、電力送信コイル100の中央位置に電力受信コイル110が載置された場合は、電力送信コイル100に流れる上側電流ITxTop、右側電流ITxRight、下側電流ITxBottom、及び左側電流ITxLeftと、電力受信コイル110に誘導されて流れる上側電流IRxTop、右側電流IRxRight、下側電流IRxBottom、及び左側電流IRxLeftとの方向が全て一致する。
【0048】
従って、電力送信コイル100と電力受信コイル110とが全体として磁束鎖交が円滑になるようにリンクされ、電力受信コイル110は最適な状態で電力を受信することができる。
【0049】
しかし、受電装置の電力受信コイル110が電力送信コイル100の中央位置に正確に載置されないこともあり、受電装置の電力受信コイル110が電力送信コイル100の中央位置に正確に載置されたが、前記受電装置が取り付けられた携帯端末機に振動が発生して前記受電装置の電力受信コイル110が電力送信コイル100の中央位置から離れることもある。
【0050】
図2bに示すように、電力送信コイル100の上側位置、すなわち電力送信コイル100において上側電流ITxTopが流れる位置の上部に電力受信コイル110が載置された場合は、電力送信コイル100に流れる上側電流ITxTopと電力受信コイル110に誘導されて流れる上側電流IRxTopとは流れる方向が一致するが、電力受信コイル110に流れる下側電流IRxBottomの位置では電力送信コイル100の上側電流ITxTopが流れて互いに反対方向となる。
【0051】
従って、電力送信コイル100に流れる上側電流ITxTopと電力受信コイル110に流れる下側電流IRxBottomとが磁束鎖交が相殺されるようにリンクされ、電力受信コイル110に誘導される電力は、図2aに示す場合に比べて相対的に少なくなる。
【0052】
図2cに示すように、電力送信コイル100の下側位置、すなわち電力送信コイル100において下側電流ITxBottomが流れる位置の上部に電力受信コイル110が載置された場合は、電力送信コイル100に流れる下側電流ITxBottomと電力受信コイル110に誘導されて流れる下側電流IRxBottomとは流れる方向が一致するが、電力受信コイル110に流れる上側電流IRxTopの位置では電力送信コイル100の下側電流ITxBottomが流れて互いに反対方向となる。
【0053】
従って、電力送信コイル100に流れる下側電流ITxBottomと電力受信コイル110に流れる上側電流IRxTopとが磁束鎖交が相殺されるようにリンクされ、電力受信コイル110に誘導される電力は、図2aに示す場合に比べて相対的に少なくなる。
【0054】
このように、電力受信コイル110が載置される位置によって、電力送信コイル100から電力受信コイル110に送信される電力の強度が異なるため、電力送信コイル100に載置される電力受信コイル110の位置自由度が非常に制限され、従って、これを改善する必要がある。
【0055】
図3は、本発明による電力送信コイルの一実施形態の構成を示す図である。同図において、符号200は、コア(図示せず)の中央部に収容される第1コイルである。第1コイル200は、第1方向、例えば反時計方向に巻回されたものであり、電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる。
【0056】
符号210は、前記コアの上部に収容され、第1コイル200の外側に配置される第2コイルである。第2コイル210は、前記第1方向とは相反する第2方向、例えば時計方向に巻回される。また、第2コイル210は、図3の部分拡大図に示すように第1コイル200と直列に接続されてもよく、電力を送信する場合に第1コイル200に流れる電流とは相反する第2方向、例えば時計方向に電流が流れる。
【0057】
ここで、前記電力送信コイルの製造方法は様々である。例えば、絶縁性材料が被覆された1本の導線を連続的に巻回して第1コイル200及び第2コイル210を形成することにより、第1コイル200と第2コイル210とを直列接続してもよい。また、絶縁性材料が被覆された導線をそれぞれ巻回して第1コイル200及び第2コイル210を形成し、第1コイル200及び第2コイル210のいずれか一方をひっくり返し、半田付け230により第1コイル200の外側端部と第2コイル210の内側端部とを直列接続してもよい。さらに、所定の専用巻線機械を用いて、前記巻線機械を作業条件に合わせて適切にセッティングし、その後、一連の巻回工程で、又は第1コイルの巻回を完了した後に巻回方向を変更して第2コイルの巻回を行う方式などで製造してもよい。前記電力送信コイルのより具体的な製造方法については、本発明の意図と異なるのでその詳細な説明は省略する。
【0058】
また、第1コイル200及び第2コイル210を合わせた内周面と外周面との直線距離は、受電装置に備えられた電力受信コイルの直径より大きい。
【0059】
このような構成を有する本発明による電力送信コイルにおいては、電力を送信する場合に第1コイル200及び第2コイル210に交流電力が印加される。
【0060】
すると、第1コイル200には第1方向、例えば反時計方向に電流が流れ、電力受信コイルに電力を送信する。
【0061】
また、第2コイル210には前記第1方向とは反対方向である第2方向、例えば時計方向に電流が流れ、電力受信コイルに電力を送信する。
【0062】
図4a〜図4cは、本発明による電力送信コイルの上部に載置される電力受信コイルの各位置で電力受信コイルに誘導されて流れる電流を説明するための図である。
【0063】
図4aを参照すると、第1コイル200及び第2コイル210からなる電力送信コイルの中央位置に電力受信コイル220が載置された場合、電力受信コイル220は第1コイル200の上部に位置する。
【0064】
すると、第1コイル200に流れる上側電流ITxTop、右側電流ITxRight、下側電流ITxBottom、及び左側電流ITxLeftと、電力受信コイル220に誘導されて流れる上側電流IRxTop、右側電流IRxRight、下側電流IRxBottom、及び左側電流IRxLeftとの方向が全て一致する。
【0065】
従って、第1コイル200と電力受信コイル220とが全体として磁束鎖交が円滑になるようにリンクされ、電力受信コイル220は最適な状態で電力を受信することができる。
【0066】
図4bを参照すると、第1コイル200及び第2コイル210からなる電力送信コイルの上側位置に電力受信コイル220が載置された場合、第1コイル200の上部には電力受信コイル220の下端が位置し、第2コイル210の上部には電力受信コイル220の上端が位置する。
【0067】
すると、第2コイル210及び第1コイル200にそれぞれ流れる上側電流ITxTopと、電力受信コイル220に誘導されて流れる上側電流IRxTop及び下側電流IRxBottomとの方向が一致する。
【0068】
従って、第2コイル210及び第1コイル200の上側電流ITxTopと、電力受信コイル220の上側電流IRxTop及び下側電流IRxBottomとの磁束鎖交が一致するようにリンクされ、それにより、図4aに示す場合に比べて相対的に若干少ないこともあり得るが、電力受信コイル220は最適な状態で電力を受信することができる。
【0069】
図4cを参照すると、第1コイル200及び第2コイル210からなる電力送信コイルの下側位置に電力受信コイル220が載置された場合、第1コイル200の上部には電力受信コイル220の上端が位置し、第2コイル210の上部には電力受信コイル220の下端が位置する。
【0070】
すると、第1コイル200及び第2コイル210にそれぞれ流れる下側電流ITxBottomと、電力受信コイル220に誘導されて流れる上側電流IRxTop及び下側電流IRxBottomとの方向が一致する。
【0071】
従って、第1コイル200及び第2コイル210の下側電流ITxBottomと、電力受信コイル220の上側電流IRxTop及び下側電流IRxBottomとの磁束鎖交が一致するようにリンクされ、それにより、図4aに示す場合に比べて相対的に若干少ないこともあり得るが、電力受信コイル220は最適な状態で電力を受信することができる。
【0072】
このような本発明による電力送信コイルの第1コイル200及び第2コイル210の上部に載置される電力受信コイル220の位置の変動による周波数応答特性を測定するために、可変周波数による電圧利得の特性分析実験を行い、次の表1のような結果が得られた。
【表1】

【0073】
表1において、相互インダクタンスは、数式VRx=wMITxを用いて算出されたものである。
【0074】
また、本発明による電力送信コイルの第1コイル200及び第2コイル210の上部に載置される電力受信コイル220の位置による電圧利得−周波数応答特性を測定した結果から、図5に示すようなグラフが得られた。ここで、実験に使用された電力受信コイル220の位置は、図4bに示す電力送信コイルの上側位置、図4cに示す電力送信コイルの下側位置、及び図4aに示す電力送信コイルの中央位置の3つの場合を基準としたものである。
【0075】
表1及び図5に示すように、電力送信コイルの上部に載置される電力受信コイル220の位置による共振周波数の変動が少なく、また、電圧利得の変動幅が1dB以下であって従来の電力送信コイルに比べて非常に小さい。さらに、このような非常に小さい電圧利得の変動幅から相互インダクタンスの変動幅が相対的に非常に小さいことが分かる。
【0076】
それに対して、図2a〜図2cに示すような従来の場合は、電力送信コイル100の上部に載置される電力受信コイル110の位置による電圧利得及び相互インダクタンスの変動幅が次の表2のように非常に大きい。
【表2】

【0077】
以上、本発明が1つの電力送信コイルを備える場合を例に挙げて説明した。
【0078】
しかし、これに限定されるものではなく、本発明を実施するにあたっては、図6に示すように、1つのコア300の上部に第1電力送信コイル310及び第2電力送信コイル320を備えるようにしてもよい。
【0079】
この場合、本発明においては、第1電力送信コイル310は、第1方向に巻回される第1コイル312と、第1コイル312の外側に配置され、前記第1方向とは相反する第2方向に巻回される第2コイル314とを備え、第2電力送信コイル320は、第1方向に巻回される第1コイル322と、第1コイル322の外側に配置され、前記第1方向とは相反する第2方向に巻回される第2コイル324とを備えるようにしてもよい。
【0080】
また、本発明を実施するにあたっては、図7に示すように、1つのコア400の上部に第1電力送信コイル410、第2電力送信コイル420、及び第3電力送信コイル430を備えるようにしてもよい。
【0081】
この場合も、本発明においては、第1電力送信コイル410は、第1方向に巻回される第1コイル412と、第1コイル412の外側に配置され、前記第1方向とは相反する第2方向に巻回される第2コイル414とを備え、第2電力送信コイル420は、第1方向に巻回される第1コイル422と、第1コイル422の外側に配置され、前記第1方向とは相反する第2方向に巻回される第2コイル424とを備え、第3電力送信コイル430は、第1方向に巻回される第1コイル432と、第1コイル432の外側に配置され、前記第1方向とは相反する第2方向に巻回される第2コイル434とを備えるようにしてもよい。
【0082】
図8は、本発明による無線電力送信装置の一実施形態の構成を示す回路図である。なお、図3、図6及び図7に示す電力送信コイルの構造による回路図の構成例及びその変形例は、当業者であれば後述する図8の説明から容易に変形して実施できるので、これについての詳細な説明は省略する。ここでは、本発明の理解のために、1つの電力送信コイルを使用する図8の場合について代表的に説明する。
【0083】
図8に示すように、本発明による無線電力送信装置は、外部から入力される商用交流電力を直流電力に変換する交流/直流コンバータ500と、無線で送信する電力を供給する電力送信ユニット510と、無線で電力を送信するコアアセンブリ520とを含む。
【0084】
本実施形態においては、交流/直流コンバータ500が本発明による無線電力送信装置に一体に備えられた場合を例に挙げるが、本発明を実施するにあたっては、交流/直流コンバータ500が本発明による無線電力送信装置の外部に別に備えられて電力送信ユニット510に直流電力を供給するようにしてもよい。
【0085】
電力送信ユニット510は、交流/直流コンバータ500が変換した直流電力をスイッチングし、スイッチングした電力をコアアセンブリ520に備えられた第1コイル521及び第2コイル523に供給して無線で電力が送信されるようにする。
【0086】
電力送信ユニット510は、電力送信制御部511、駆動ドライバ513、直列共振型コンバータ515、信号送信部517、及び信号受信部519を含んでもよい。
【0087】
電力送信制御部511は、コアアセンブリ520の第1コイル521及び第2コイル523から無線で電力を送信するように制御する。
【0088】
駆動ドライバ513は、電力送信制御部511の制御により、コアアセンブリ520の第1コイル521及び第2コイル523から電力を送信するための駆動信号を発生する。
【0089】
直列共振型コンバータ515は、駆動ドライバ513が発生した駆動信号に応じて、交流/直流コンバータ500が出力する直流電力をスイッチングし、第1コイル521及び第2コイル523に供給する。
【0090】
信号送信部517は、電力送信制御部511の制御により、受電装置の情報を要求する要求信号を発生し、発生した要求信号を第1コイル521及び第2コイル523から前記受電装置に送信する。
【0091】
信号受信部519は、前記受電装置が送信した情報信号や充電状態信号などを第1コイル521及び第2コイル523から受信し、電力送信制御部511に提供する。
【0092】
このような構成を有する本発明による無線電力送信装置においては、電力を送信する場合、まず、受電装置の電力受信部が電力を受信できるか否かを判断しなければならない。すなわち、無線電力送信装置に備えられたコアアセンブリ520の位置に受電装置の電力受信部が位置するか否かを判断しなければならない。
【0093】
このために、電力送信ユニット510の電力送信制御部511は、駆動ドライバ513が負荷変動を検出するための駆動信号を発生するように制御する。
【0094】
駆動ドライバ513が発生した駆動信号は直列共振型コンバータ515に入力される。
【0095】
直列共振型コンバータ515は、複数のトランジスタ又は複数のMOSFETなどのスイッチング素子を備えており、駆動ドライバ513が発生した駆動信号に応じて複数のスイッチング素子が選択的にスイッチングされることにより直流電力をスイッチングして交流電力を生成する。
【0096】
直列共振型コンバータ515が生成した交流電力は、コアアセンブリ520の第1コイル521及び第2コイル523に出力され、第1コイル521及び第2コイル523は、直列共振型コンバータ515が生成した交流電力により直列共振する。
【0097】
この状態で、信号受信部519は、第1コイル521及び第2コイル523の信号を受信し、受信した信号を電力送信制御部511に出力する。
【0098】
電力送信制御部511は、信号受信部519の信号を入力し、入力した信号を用いてコアアセンブリ520の第1コイル521及び第2コイル523に負荷変動が生じるか否かを判断する。
【0099】
すなわち、コアアセンブリ520に受電装置の電力受信部を近接させていない場合は、第1コイル521及び第2コイル523にインピーダンス変化が生じない。
【0100】
すると、信号受信部519は、駆動ドライバ513が発生する駆動信号に応じた周波数の信号のみを受信し、電力送信制御部511は、信号受信部519の信号に基づいて第1コイル521及び第2コイル523に負荷変動が生じていないと判断する。
【0101】
そして、使用者が受電装置に電力を充電するために、コアアセンブリ520の第1コイル521及び第2コイル523に受電装置を近接させると、第1コイル521及び第2コイル523にインピーダンス変化が生じる。前記生じたインピーダンス変化に応じて、第1コイル521及び第2コイル523に印加された、負荷変動を検出するための駆動信号の周波数が変動する。
【0102】
すると、信号受信部519は、前記インピーダンス変化に応じて変動した周波数の信号を受信し、電力送信制御部511は、信号受信部519の信号に基づいて第1コイル521及び第2コイル523に負荷変動が生じたと判断する。
【0103】
第1コイル521及び第2コイル523に負荷変動が生じたと判断された場合、電力送信制御部511は、信号送信部517を制御して受電装置の情報を要求する要求信号、例えば前記受電装置のIDを要求する要求信号を発生し、発生した要求信号を第1コイル521及び第2コイル523から前記受電装置に送信する。
【0104】
そして、電力送信制御部511は、信号受信部519の信号を入力し、前記受電装置のID信号が受信されるか否かを判断する。
【0105】
なお、第1コイル521及び第2コイル523にインピーダンス変化が生じる原因は様々である。例えば、前述したように第1コイル521及び第2コイル523に前記受電装置を近接させた場合にインピーダンス変化が生じる。また、第1コイル521及び第2コイル523に前記受電装置以外に他の異物が近接した場合もインピーダンス変化が生じることがある。
【0106】
前記異物によりインピーダンス変化が生じた場合、第1コイル521及び第2コイル523から電力を送信すると、無駄な電力が消費されることになる。
【0107】
従って、電力送信制御部511は、第1コイル521及び第2コイル523に負荷変動が生じたと判断された場合、IDを要求する要求信号を前記受電装置に送信し、前記要求信号に応じて前記受電装置からID信号が受信された場合、前記受電装置により第1コイル521及び第2コイル523にインピーダンス変化が生じたと判断する。
【0108】
前記ID信号が受信された場合、電力送信制御部511は、第1コイル521及び第2コイル523に前記受電装置が近接したと判断し、駆動ドライバ513を制御して電力を送信するための駆動信号を発生させる。
【0109】
駆動ドライバ513が発生した駆動信号に応じて直列共振型コンバータ515のスイッチング素子がスイッチングされることにより直流電力をスイッチングして交流電力を生成し、生成した交流電力が第1コイル521及び第2コイル523に印加され、第1コイル521及び第2コイル523から前記受電装置に無線で電力が送信される。
【0110】
この状態で、電力送信制御部511は、信号受信部519の信号を入力し、前記受電装置から充電完了信号が受信されるか否かを判断し、充電完了信号が受信された場合、駆動ドライバ513を制御して電力送信を終了する。
【0111】
以上、本発明による電力送信コイルが第1コイル及び第2コイルから構成されて直列接続される場合を例に挙げて説明した。
【0112】
かし、これに限定されるものではなく、本発明を実施するにあたっては、図9に示すように、電力送信コイルを、第1方向に巻回される第1コイル600と、前記第1方向とは反対方向である第2方向に巻回される第2コイル610とから構成し、送信する電力を第1コイル600及び第2コイル610のそれぞれに選択的に供給するようにしてもよい。
【0113】
このような構成を有する本発明のさらに他の実施形態においては、電力送信コイルの上部に載置される受電装置の電力受信コイルの位置によって、直列共振型コンバータ515が第1コイル600及び第2コイル610に選択的に電力を供給するようにすることが好ましい。
【0114】
例えば、電力受信コイルが第1コイル600の上部にのみ載置された場合は、直列共振型コンバータ515が第1コイル600にのみ電力を供給して受電装置に送信する。
【0115】
また、電力受信コイルが第2コイル610の上部にのみ載置された場合は、直列共振型コンバータ515が第2コイル610にのみ電力を供給して受電装置に送信する。
【0116】
さらに、電力受信コイルが第1コイル600の上部及び第2コイル610の上部にわたって載置された場合は、直列共振型コンバータ515が第1コイル600及び第2コイル610の両方に電力を供給して受電装置に送信する。
【0117】
ここで、前記電力送信コイルの上部に載置される前記電力受信コイルの位置を検出する動作は一般的なものであるので、具体的な動作説明は省略する。
【0118】
図10は、本発明による無線電力送信装置の他の実施形態の構成を示す図である。図10を参照すると、本発明による無線電力送信装置の他の実施形態においては、直列共振型コンバータ515とコアアセンブリ700に備えられた第1コイル600及び第2コイル610との間に、複数のスイッチSW1〜SW10からなるスイッチング部710をさらに含む。また、スイッチング部710に備えられた複数のスイッチSW1〜SW10は、電力送信制御部511の制御によりそれぞれスイッチングされるようにする。
【0119】
このような構成を有する本発明による無線電力送信装置の他の実施形態においては、電力送信制御部511がスイッチング部710に備えられた複数のスイッチSW1〜SW10のスイッチングを制御することにより、第1コイル600及び第2コイル610に選択的に電力を供給して無線で送信することができ、また、第1コイル600及び第2コイル610に流れる電流の方向を選択的に変更することができる。
【0120】
図11a〜図11dは、本発明による無線電力送信装置の他の実施形態におけるスイッチング部のスイッチング動作により電力送信コイルの第1コイル及び第2コイルに流れる電流の方向を選択的に変更できることを簡単に説明するための図である。
【0121】
図11aを参照すると、電力送信制御部511がスイッチング部710を制御してスイッチSW1、SW4を接続させた場合は、第1コイル600にのみ電力が供給されるので、第1コイル600から無線で電力を送信することができる。また、スイッチSW5、SW8を接続させた場合は、第2コイル610にのみ電力が供給されるので、第2コイル610から無線で電力を送信することができる。
【0122】
図11bを参照すると、電力送信制御部511がスイッチング部710を制御してスイッチSW2、SW3を接続させた場合は、第1コイル600にのみ電力が供給されるので、第1コイル600から無線で電力を送信することができる。また、スイッチSW6、SW7を接続させた場合は、第2コイル610にのみ電力が供給されるので、第2コイル610から無線で電力を送信することができる。このとき、第1コイル600及び第2コイル610には、図11aの場合とは反対方向に電流が流れる。
【0123】
図11cを参照すると、電力送信制御部511がスイッチング部710を制御してスイッチSW1、SW6、SW10を接続させた場合は、第1コイル600及び第2コイル610の両方に電力が供給されるので、第1コイル600及び第2コイル610の両方から無線で電力を送信することができる。このとき、第1コイル600と第2コイル610とには反対方向に電流が流れ、互いに反対方向の磁束が発生する。
【0124】
図11dを参照すると、電力送信制御部511がスイッチング部710を制御してスイッチSW3、SW8、SW9を接続させた場合は、第1コイル600及び第2コイル610の両方に電力が供給されるので、第1コイル600及び第2コイル610の両方から無線で電力を送信することができる。このとき、第1コイル600と第2コイル610とには反対方向に電流が流れ、互いに反対方向の磁束が発生する。
【0125】
以上、代表的な実施形態により本発明を詳細に説明したが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の範疇から逸脱しない範囲内で前述した実施形態の様々な変形が可能であることを理解するであろう。
【0126】
よって、本発明の権利範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲とその均等物により定められるべきである。
【符号の説明】
【0127】
100 電力送信コイル
110、220 電力受信コイル
200、312、322、412、422、432、521、600 第1コイル
210、314、324、414、424、434、523、610 第2コイル
310、410 第1電力送信コイル
320、420 第2電力送信コイル
430 第3電力送信コイル
300、400 コア
500 交流/直流コンバータ
510 電力送信ユニット
511 電力送信制御部
513 駆動ドライバ
515 直列共振型コンバータ
517 信号送信部
519 信号受信部
520、700 コアアセンブリ
710 スイッチング部
SW1〜SW10 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる少なくとも1つの第1コイルと、
前記第1コイルの外側に配置され、電力を送信する場合に前記第1方向とは相反する第2方向に電流が流れる少なくとも1つの第2コイルと
を含む、電力送信コイル。
【請求項2】
前記第1コイル及び前記第2コイルを合わせた内周面と外周面との直線距離は、無線で電力を受信する電力受信コイルの直径より大きい、請求項1に記載の電力送信コイル。
【請求項3】
前記第1コイルと前記第2コイルとが反対方向に巻回される、請求項1に記載の電力送信コイル。
【請求項4】
前記第1コイル及び前記第2コイルは、絶縁性材料が被覆された1本の導線が連続的に巻回される、請求項1に記載の電力送信コイル。
【請求項5】
前記第1コイル及び前記第2コイルは、絶縁性材料が被覆された導線がそれぞれ巻回され、前記第1コイルの外側端部と前記第2コイルの内側端部とが半田付けされて電気的に直列接続される、請求項1に記載の電力送信コイル。
【請求項6】
前記第1コイル及び前記第2コイルは、同一平面上に同心円状に配置される、請求項1に記載の電力送信コイル。
【請求項7】
直流電力をスイッチングして交流電力を生成する電力送信ユニットと、
前記電力送信ユニットが生成した交流電力を無線で送信するコアアセンブリとを含み、
前記コアアセンブリは、
前記交流電力が印加される電力送信コイルと、
前記電力送信コイルが収容されるコアとを含み、
前記電力送信コイルは、
電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる少なくとも1つの第1コイルと、
前記第1コイルの外側に配置され、電力を送信する場合に前記第1方向とは相反する第2方向に電流が流れる少なくとも1つの第2コイルと
を含む、無線電力送信装置。
【請求項8】
前記電力送信ユニットは、
電力送信を制御する電力送信制御部と、
前記電力送信制御部の制御により電力送信のための駆動信号を発生する駆動ドライバと、
前記駆動ドライバが発生した駆動信号に応じて前記直流電力をスイッチングして前記電力送信コイルに交流電力を供給する直列共振型コンバータと
を含む、請求項7に記載の無線電力送信装置。
【請求項9】
前記電力送信制御部の制御により受電装置に情報を要求する要求信号を生成して前記電力送信コイルから前記受電装置に送信する信号送信部と、
前記受電装置からの信号を前記電力送信コイルから受信して前記電力送信制御部に提供する信号受信部と
をさらに含む、請求項8に記載の無線電力送信装置。
【請求項10】
前記第1コイルと前記第2コイルとが反対方向に巻回される、請求項7に記載の無線電力送信装置。
【請求項11】
前記第1コイル及び前記第2コイルは、同一平面上に同心円状に配置される、請求項7に記載の無線電力送信装置。
【請求項12】
直流電力をスイッチングして交流電力を生成する電力送信ユニットと、
前記電力送信ユニットが生成した交流電力を無線で送信するための電力送信コイル、及び前記電力送信コイルが収容されるコアを含むコアアセンブリと、
前記電力送信ユニットと前記コアアセンブリの電力送信コイルとの間に備えられ、前記交流電力をスイッチングするスイッチング部とを含み、
前記電力送信コイルは、
電力を送信する場合に第1方向に電流が流れる少なくとも1つの第1コイルと、
前記第1コイルの外側に配置され、電力を送信する場合に前記第1方向とは相反する第2方向に電流が流れる少なくとも1つの第2コイルとを含み、
前記スイッチング部は、
前記電力送信ユニットの制御により前記交流電力をスイッチングして前記第1コイル及び前記第2コイルに選択的に供給する、無線電力送信装置。
【請求項13】
前記電力送信ユニットは、
電力送信を制御し、前記スイッチング部のスイッチング動作を制御する電力送信制御部と、
前記電力送信制御部の制御により電力送信のための駆動信号を発生する駆動ドライバと、
前記駆動ドライバが発生した駆動信号に応じて前記直流電力をスイッチングして前記スイッチング部に出力する直列共振型コンバータと
を含む、請求項12に記載の無線電力送信装置。
【請求項14】
前記電力送信制御部の制御により受電装置に情報を要求する要求信号を生成して前記電力送信コイルから前記受電装置に送信する信号送信部と、
前記受電装置からの信号を前記電力送信コイルから受信して前記電力送信制御部に提供する信号受信部と
をさらに含む、請求項13に記載の無線電力送信装置。
【請求項15】
前記電力送信制御部は、前記電力送信コイルの上部に載置される受電装置の電力受信コイルの位置によって前記スイッチング部を制御して、前記第1コイル及び前記第2コイルに選択的に交流電力を供給する、請求項13に記載の無線電力送信装置。


【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106045(P2013−106045A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248725(P2012−248725)
【出願日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【出願人】(512076313)ハンリム ポステック カンパニー リミテッド (7)