説明

電動オーラルケア器具用の内側装飾的スリーブ部材を備えた保護筐体

電動オーラルケア器具であって、ハンドル部分を含み、且つハンドル部分へ取り付け可能である。電動歯ブラシ内等のヘッド部分内に位置付けられる歯ブラシには、ハンドル部分がある。ハンドル部分用に、駆動アセンブリがある。ハンドル部分は、従来の環境及び消費者テスト及び要件を満たす外側透明保護筐体、並びに駆動アセンブリを受けるようになっている内側スリーブ部材を含む。内側スリーブ部材は、透明筐体内に挿入され且つ透明筐体を通じて可視である。内側スリーブ部材は、色や表面質感といった視覚的コンポーネントによって明白に他のスリーブ部材と区別される。それゆえ、普通であれば類似するか又は同一である歯ブラシ同士の即座の識別を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電動オーラルケア器具、たとえば歯ブラシ等に係り、特にかかる器具用の筐体に係る。
【背景技術】
【0002】
オーラルケア器具の一例として、電動歯ブラシが、典型的にはハンドル部分、及びハンドルから延在するブラシヘッド部分を含む。ブラシヘッド部分は更には、典型的には柄及びブラシ部分を含み、ブラシ部分は、剛毛及び剛毛プレートを含む。典型的には駆動アセンブリ及びバッテリーを含むハンドル部分は、筐体にマウントされ、筐体もまた、オン/オフスイッチを含む。筐体は、従来、ABS又はポリプロピレンのような材料から作成される。これら材料は、かかる部材についての種々のテスト要件を満たすことは勿論、商用使用向けの厳しい環境要件及び耐久要件を満たしてきた。典型的には、かなりの化学的且つ構造的な要件及びテストがあり、これら要件及びテストを、かかる機器の外部筐体は、満たさなければならない。
【0003】
たとえば、或る特定の家族内で、別々の歯ブラシを2つ以上有し得ることがあるように、類似する歯ブラシ同士を、明白に区別できることが望ましい。ラベル又は他のタグ状素子は、比較的軽微な/表面的な区別しか生み出さない。異なった筐体を用いて、たとえば異なった筐体に異なった色、質感等を用いて区別を達成することは、各変種につきかなりのテスト及びツールを要する。このことは、かなりの負担であり且つそれゆえ非経済的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、同一の又は類似する歯ブラシ同士を、直ぐに見分けられる/区別される筐体構成を有することを目的とする。その区別は、顕著な、装飾的なやり方において製造業者によって提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、電動オーラルケア器具用ハンドル筐体部分であり、ハンドルへ取り付け可能なヘッド部分及びハンドル内に位置付けられる駆動アセンブリを含む、ところの電動オーラルケア器具用ハンドル筐体部分であって:
スリーブ部材であり、該スリーブ部材にマウントするための歯ブラシ駆動アセンブリを受けるようになっている、ところのスリーブ部材と;
外側筐体であり、該外側筐体の大部分にわたって透明であり、当該外側筐体へとスリーブ部材は入れられる、ところの外側筐体と、
を有し、
スリーブ部分は、他のスリーブ部材と容易に区別でき且つ透明筐体を通じて可視である可視コンポーメントを含む、
ところの電動オーラルケア器具用ハンドル筐体部分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明を用いた電動歯ブラシの一実施形態が、図1において、概して10で示される。本実施形態は、外側ハンドル筐体12及びヘッド部分14を含む。ヘッド部分14は、ハンドル部分12へ接続され、ねじ式接続のような種々の手段の如何なる1つによって接続される。ヘッド部分14は、ブラシヘッドの柄16及びブラシ部分18を含み、ブラシ部分18は更には、歯を磨くための一組の剛毛20を含む。当然ながら他のワークピースも、剛毛の代わりとして歯磨きを行うことができる。
【0007】
従来、電動歯ブラシのハンドル部分は、歯ブラシ用の駆動システムを含む。駆動システムは、ブラシ部分18を特定の運動範囲を通じて動かして、歯を磨く。かかる歯ブラシの種々の駆動システムは、よく知られている。
【0008】
本発明において、外側筐体12は、全長の殆どにわたって透明であるが、例外として筐体12の各端部にある小部分24、26は、図示される本実施形態において不透明である。図示される実施形態において、部分24は、約10mm幅であり、一方で部分26は、15mm幅である。図示される実施形態において、筐体12は、従来の、成形されたオン/オフスイッチ30及び成形された制御スイッチ31を含み、制御スイッチ31は、駆動回路で動作して、ブラシ部分18の速度を変更する。
【0009】
筐体12の材料は、普通なら、従来の完全にテストされた、全ての環境要件及び使用要件を満たし、且つ従来の商業的利用の厳密さに耐えることができる材料である。
【0010】
本発明の図示される実施形態はまた、装飾的スリーブ部材32を含み、装飾的スリーブ部材32は、筐体12の内側に挿入される。スリーブ部材32は、筐体12に求められるテスト及び使用要件を満たす必要のない材料から作成される。スリーブ部材32は、製造業者の選択で、種々の金属、めっき加工プラスチック(plated plastic)又は着色プラスチックのような様々な材料であることができ、化学的耐性又は摩耗耐性であるというような高い使用基準を満たさずともよい。スリーブ部材32の材料は、所望の通り、製造業者によって好都合にも変更/交換できる。
【0011】
スリーブ部材32は、1本の歯ブラシを別の歯ブラシと明白に区別するために用いられる。この区別は、異なった色又は他の異なった視覚的特徴の使用を通じて成すことができ、他の異なった視覚的特徴とは、色以外の表面の外見、及び/又は異なった材料若しくは材料の外見を含み、たとえば、ラッカー、種々のめっき加工処理、又は他の変種等である。しかしながら視覚的特徴は、ユーザにとって直ぐに且つ容易に認識可能な差異を提供するようにあるべきであり、差異は、透明な外側筐体12を通じて直ぐに可視である。スリーブ部材32はまた、光拡散/伝導効果を生成するよう構成できる。
【0012】
歯ブラシの駆動アセンブリは、装飾的スリーブ部分32内にマウントされるが、そのマウントの仕方は、従来の歯ブラシにおける筐体12に駆動アセンブリがマウントされる仕方と同様である。
【0013】
装飾的スリーブ部材32は、図示される本実施形態において、スリーブ部材32の全長に沿って2つの開口40、42を含む。開口40、42は、機械的なオン/オフスイッチ及び内部駆動機構を制御する制御スイッチが、スリーブ部材32を通じて突出して、外部筐体12上にある成形されたスイッチ30及び31と接触することを可能にする。開口40、42は、不透明な成形されたメンブレンスイッチ30及び31の背後に隠される。
【0014】
場合によっては、或る特定の歯ブラシが、バッテリー強さの指示器を、たとえば一連の光44によって含んでもよい。この一連の光44は、装飾的スリーブ部材32上に好都合にもマウントされ且つ内部回路へ接続されることができるか、又はスリーブ部材32は、内部回路上の光が当たる開口を有することができる。複数の光44は、透明な外側筐体12のおかげで、ユーザにとって好都合にも可視である。
【0015】
装飾的スリーブ部材32は、外側筐体12へガタつき無し(rattle-free)の構成において好都合にも接続される。この接続は、種々のやり方において成すことができ、そのやり方は、複数のスナップ嵌め、又は隆起した接触素子群46を外側筐体12の内側表面48上に一定間隔で置くことを含む。歯ブラシを組み立てる際、内部駆動アセンブリが中にマウントされた装飾的スリーブ部材32が、筐体12中へと挿入され、装飾的スリーブ部材32の外側面と透明筐体12の内面上の幾つかの接触素子46との間に圧力嵌めが生成される。この構成は、確実であり、且つ筐体12におけるスリーブ部材32のガタつきがない。次にヘッド部分14が、従来の様式において外側筐体12へ接続されると、歯ブラシを用いるための準備が整う。
【0016】
従って、新規の歯ブラシ筐体が、開示された。新規の歯ブラシ筐体は、透明な外部ハンドル筐体及び内部の装飾的筐体を含む。透明な外部ハンドル筐体及び内部の装飾的筐体を用いて、同一又は類似する歯ブラシ同士を、魅力的で商業的に許容可能なやり方において容易に且つ直ぐに区別できる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態が、例示を目的として開示されてきたが、理解すべきは、種々の変化、変更及び置き換えを、上記の請求項に定義された本発明の精神から逸脱せずに本実施形態に組み込んでもよいことである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を組み込んだ電動歯ブラシの分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動オーラルケア器具用ハンドル筐体部分であり、ハンドルへ取り付け可能なヘッド部分及び前記のハンドル内に位置付けられる駆動アセンブリを含む、ところの電動オーラルケア器具用ハンドル筐体部分であって:
スリーブ部材であり、歯ブラシ駆動アセンブリを受けるようになっており前記歯ブラシ駆動アセンブリを当該スリーブ部材にマウントする、ところのスリーブ部材と、
外側筐体であり、該外側筐体の大部分にわたって透明であり、当該外側筐体内に前記スリーブ部材が入れられる、ところの外側筐体と、
を有し、
前記のスリーブ部分は、他のスリーブ部材と容易に区別でき且つ前記の透明な筐体を通じて可視である可視コンポーメントを含む、
ところの電動オーラルケア器具用ハンドル筐体部分。
【請求項2】
前記のオーラルクリーニング器具は、歯ブラシである、
請求項1記載の筐体部分。
【請求項3】
前記外側筐体は、環境テスト及び使用要件を満たす、
請求項1記載の筐体部分。
【請求項4】
前記スリーブ部材の視覚的コンポーネントは、装飾的である、
請求項2記載の筐体部分。
【請求項5】
前記の装飾的コンポーネントは、色である、
請求項3記載の筐体部分。
【請求項6】
前記の装飾的コンポーネントは、外部の質感である、
請求項3記載の筐体部分。
【請求項7】
前記スリーブ部材は、金属的である、
請求項1記載の筐体部分。
【請求項8】
前記スリーブ部材は、前記の器具から光を拡散するか又は伝導するよう構成される、
請求項2記載の筐体部分。
【請求項9】
歯ブラシであって:
ヘッド部分と;
ハンドル筐体部分であり、該ハンドル筐体部分内に位置付けられる駆動アセンブリとともに前記ヘッド部分へ取り付け可能であり、当該ハンドル筐体部分は、スリーブ部材であり、該スリーブ部材にマウントするための歯ブラシ駆動アセンブリを受けるようになっている、ところのスリーブ部材、及び外側筐体であり、該外側筐体の大部分にわたって透明であり、当該外側筐体へと前記スリーブ部材が入れられる、ところの外側筐体と、
を有し、
前記のスリーブ部分は、他のスリーブ部材と容易に区別でき且つ前記の透明な筐体を通じて可視である可視コンポーメントを含む、
ところの歯ブラシ。

【図1】
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【公表番号】特表2008−504852(P2008−504852A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518778(P2007−518778)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052117
【国際公開番号】WO2006/003598
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】