説明

電動リヤサンシェード

【課題】車両側面視におけるサンシェードの上端のフレームの角度を、該サンシェードの格納時及び使用時において夫々適切な角度に変化させることができるようにする。
【解決手段】リヤパッケージトレイトリム22の下方に設けられ、該リヤパッケージトレイトリム22に形成された開口24を通じて、電気駆動により出し入れ可能とされた、リヤウィンドウ14用のサンシェード16と、該サンシェード16の上端16Uに、車幅方向を回転軸として回動可能に設けられ、車両側面視での角度がサンシェード16の格納時と使用時とで変化するフレーム18と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動リヤサンシェードに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のリヤウィンドウの下端側におけるリヤパッケージトレイとアッパーバックパネルとの間の収容凹部に、遮蔽状態で設置される電動サンシェードが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
またリアパーセルトリムの裏面側車体に取り付けられるサンシェードフレームの内部に引出し可能に収容されたサンシェードが、サンシェードフレームの引出口からリアパーセルトリムのアクセス開口を通じて引出されるサンシェード装置であって、サンシェードの引出端部に装着されたレールに取り付けられ、アクセス開口を覆う蓋体と、レール及び蓋体に設けられ、相互に係合することにより蓋体をレールに固定する係合手段とを備え、該係合手段は、アクセス開口まで巻き戻されたサンシェード引出端部のレールと蓋体とが対向した状態での相互の押圧により係合する構造が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−62442号公報
【特許文献2】特開2005−335484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した各従来例では、車両側面視におけるサンシェードの上端のフレーム(横枠や蓋体)の角度が固定されており、該フレームは、該サンシェードの上げ下げに伴って、一定の角度のまま上下動する。このフレームの角度は、一般にサンシェードの格納時に該蓋体が当接するリヤパッケージトレイトリムの開口の周縁部に沿うように設定されるが、その角度がサンシェードの使用時においても適切であるとは限らない。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、車両側面視におけるサンシェードの上端のフレームの角度を、該サンシェードの格納時及び使用時において夫々適切な角度に変化させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、リヤパッケージトレイトリムの下方に設けられ、該リヤパッケージトレイトリムに形成された開口を通じて、電気駆動により出し入れ可能とされた、リヤウィンドウ用のサンシェードと、該サンシェードの前記上端に、車幅方向を回転軸として回動可能に設けられ、車両側面視での角度が前記サンシェードの格納時と使用時とで変化するフレームと、を有している。
【0008】
請求項1に記載の電動リヤサンシェードでは、サンシェードの上端のフレームが、車幅方向を回転軸として回動可能であり、車両側面視での角度がサンシェードの格納時と使用時とで変化する。このため、車両側面視におけるサンシェードの上端のフレームの角度を、該サンシェードの格納時及び使用時において夫々適切な角度に変化させることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電動リヤサンシェードにおいて、前記フレームは、前記サンシェードの使用時において水平状態となるように回転付勢されている。
【0010】
請求項2に記載の電動リヤサンシェードでは、車両側面視におけるサンシェードの上端のフレームが、該サンシェードの格納状態において非水平状態となることが適切な場合でも、サンシェードの使用時には水平状態となるので、乗員の後方視界においてフレームが占める領域が縮小する。このため、乗員の後方視界を拡大させて、該後方視界をより良好な状態に改善することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1に記載の電動リヤサンシェードにおいて、前記フレームは、前記サンシェードの使用時において起立状態となるように回転付勢されている。
【0012】
請求項3に記載の電動リヤサンシェードでは、サンシェードの上端のフレームが、サンシェードの使用時に起立状態となるので、乗員の後方視界における車両の天井部とフレームとの隙間を詰めることができる。このため、サンシェードの使用時における見栄えを向上させることができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3に記載の電動リヤサンシェードにおいて、前記フレームの前後の辺のうち、起立時に車両の天井部に近接する側の辺は、該天井部の形状に沿うように形成されている。
【0014】
請求項4に記載の電動リヤサンシェードでは、フレームの前後の辺のうち、起立時に車両の天井部に近接する側の辺が、該天井部の形状に沿うように形成されているので、サンシェードの使用時に、乗員の後方視界における車両の天井部とフレームとの隙間をより一層詰めることができる。このため、サンシェードの使用時における見栄えを更に向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の電動リヤサンシェードによれば、車両側面視におけるサンシェードの上端のフレームの角度を、該サンシェードの格納時及び使用時において夫々適切な角度に変化させることができる、という優れた効果が得られる。
【0016】
請求項2に記載の電動リヤサンシェードによれば、乗員の後方視界を拡大させて、より良好な状態に改善することができる、という優れた効果が得られる。
【0017】
請求項3に記載の電動リヤサンシェードによれば、サンシェードの使用時における見栄えを向上させることができる、という優れた効果が得られる。
【0018】
請求項4に記載の電動リヤサンシェードによれば、サンシェードの使用時における見栄えを更に向上させるができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1から図6は、第1実施形態に係り、図1は、電動リヤサンシェードにおいて、サンシェードの使用状態を示す斜視図である。
【図2】フレームとアームとの連結部を示す要部拡大斜視図である。
【図3】サンシェードの格納状態を示す斜視図である。
【図4】サンシェードの格納状態を示す、図3における4−4矢視拡大断面図である。
【図5】サンシェードの使用時にフレームが水平状態となることを示す要部拡大側面図である。
【図6】サンシェードの使用状態を示す正面図である。
【図7】図7から図10は、第2実施形態に係り、図7は、電動リヤサンシェードにおいて、サンシェードの使用状態を示す斜視図である。
【図8】サンシェードの格納状態を示す斜視図である。
【図9】サンシェードの使用時にフレームが起立状態となることを示す要部拡大側面図である。
【図10】サンシェードの使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1において、本実施の形態に係る電動リヤサンシェード10は、車両12のリヤウィンドウ14を通じて車内に入る外光を遮る等の目的で使用される遮光装置であり、サンシェード16と、フレーム18とを有している。リヤウィンドウ14は、例えば、車両前方に行くに従って車両上方に向かうように傾斜している。
【0022】
図1,図6において、サンシェード16は、リヤウィンドウ14用の例えば幕状体であり、リヤパッケージトレイトリム22の下方に設けられ、該リヤパッケージトレイトリム22に形成された開口24を通じて、電気駆動により、例えばリヤウィンドウ14に沿うように出し入れされるように構成されている。このサンシェード16は、可視光の透過率が例えば30%程度の布幕であり、略台形のリヤウィンドウ14に対応して、正面視で例えば台形に形成されている。これに伴い、サンシェード16の下端16Lは、上端16Uより幅広となっている。サンシェード16の側端16Bは、上端16Uと下端16Lの端部同士を結ぶように、例えば直線状に形成されている。なお、サンシェード16の側端16Bの形状は、直線状には限られず、一部又全部が曲線状であってもよい。
【0023】
図1,図2において、フレーム18は、サンシェード16の上端16Uに、車幅方向を回転軸として回動可能に設けられ、車両側面視での角度がサンシェード16の格納時と使用時とで変化する部材である。図3,図4に示されるように、このフレーム18は、サンシェード16の格納時には、リヤパッケージトレイトリム22の開口24を覆う蓋体として機能するようになっている。また、図5に示されるように、フレーム18は、サンシェード16の使用時には、車両12の天井部15に近接又は当接するように構成されている。
【0024】
フレーム18は、サンシェード16の格納時に開口24の蓋体となることから、該フレーム18の長さ寸法は、開口24の長さ寸法よりも大きく設定されている。またフレーム18の幅寸法は、開口24の幅寸法よりも大きく設定されている。
【0025】
なお、図4に示されるように、本実施形態では、リヤパッケージトレイトリム22における開口24の周縁部25が水平でなく、車両前方に行くに従って車両下方に向かうように傾斜している。この周縁部25の面方向は、開口24を通じたサンシェード16やアーム26の出入り方向と略直交するように設定されている。
【0026】
図2,図4に示されるように、フレーム18の両端部18Aの車両下側には、夫々一対の取付け部21が立設されている。図2に示されるように、一対の取付け部21の間には、アーム26の上端部に設けられる連結部材27が差し込まれており、該連結部材27と取付け部21とが、車幅方向が軸方向となるピン23により連結されている。これにより、フレーム18と連結部材27とが、車幅方向を回転軸として相対回転可能となっている。
【0027】
ピン23の同軸上には、例えばねじりコイルばね29が設けられている。フレーム18は、該ねじりコイルばね29により、サンシェード16の使用時において水平状態となるように、図5における矢印A方向に回転付勢されている。なお、ねじりコイルばね29の代わりに、板ばね(図示せず)を用いてもよい。
【0028】
図4に示されるように、サンシェード16がローラ32に巻き取られて格納される際には、フレーム18が、後述するアーム26が回転駆動されることにより、ねじりコイルばね29の付勢力に抗して、リヤパッケージトレイトリム22における開口24の周縁部25に沿うように回転変位して、該開口24が覆われるようになっている。
【0029】
図2,図4,図5に示されるように、連結部材27には、サンシェード16の使用時にフレーム18が水平状態となるように、該フレーム18の角度位置を規制するストッパ38が設けられている。図5に示されるように、本実施形態では、アーム26が前傾しており、かつフレーム18が矢印A方向に回転付勢されているので、ストッパ38は、車両側面視でピン23よりも車両後方側に設けられている。なお、ストッパ38の位置や形状は、図示のものには限られず、フレーム18が水平状態となったときに、該フレーム18が連結部材27に当接する等して、それ以上のフレーム18の矢印A方向の回転が規制される構成であれば、どのような構造としてもよい。
【0030】
図1,図6において、アーム26は、フレーム18の両端部18Aに対応して一対設けられている。各々のアーム26は中折れ構造となっており、上部アーム26Aと下部アーム26Bとが、例えばピン30により、互いに相対回転可能に連結されている。図2に示されるように、上部アーム26Aの上端26Uは、連結部材27に、例えばピン28により枢支されている。これにより、上部アーム26Aは、フレーム18に対して、ピン28を中心として回動自在となっている。
【0031】
下部アーム26Bの下端は、リヤパッケージトレイトリム22の下方の図示しない部位に枢支されている。アーム26は、サンシェード16の使用時に、例えば直線状に伸長し、またサンシェード16の格納時に、左右の下部アーム26Bが夫々車幅方向内側に倒れることで、ピン30を中心として、夫々車幅方向中央側に凸に中折れして、リヤパッケージトレイトリム22の下方に、開口24を通じて全体的に格納される。このようにアーム26を駆動するため、リヤパッケージトレイトリム22の下方には、下部アーム26Bを揺動させる駆動装置(図示せず)が設けられている。この駆動装置は、下部アーム26Bを、サンシェード16の使用時に起き上がらせ、またサンシェード16の格納時に倒すように制御される。
【0032】
なお、アーム26は、中折れ構造のものに限られず、例えば、上端26Uがフレーム18に対して、該フレーム18の長手方向に摺動可能に連結される構造であってもよい。この構造の場合、アーム26の揺動に伴い、上端26Uがフレーム18の長手方向に摺動することで、該フレーム18が上下動する。
【0033】
またこのようなアーム26を用いずに、車幅方向を回転軸としてフレーム18を回動自在に支持するアーム(図示せず)の端部を、ピラーガーニッシュ13(図1)内に配置されるプシュプル式のケーブル(図示せず)に連結してもよい。この場合、プシュプル式のケーブルを繰り出したり、巻き取ったりすることで、フレーム18を上下動させ、サンシェード16を出し入れすることができる。
【0034】
図4に示されるように、リヤパッケージトレイトリム22の下方には、サンシェード16を巻取り可能なローラ32が設けられている。このローラ32は、例えばコイルばね(トーションスプリング)により、サンシェード16の巻取り方向(矢印C方向)に付勢されており、サンシェード16を引き出す際及び格納する際に、サンシェード16に適度な張力を付与するようになっている。サンシェード16に張力を付与することで、該サンシェード16のばたつきを抑制することができる。
【0035】
なお、図5において、フレーム18には、ねじりコイルばね29によるフレーム18のピン23回りのモーメント(矢印A方向)が作用している。またフレーム18のピン23より車両前方側には、サンシェード16の上端16Uが保持されており、該サンシェード16がローラ32(図4)により巻取り方向に付勢されることで、フレーム18には、ピン23回りのモーメント(矢印B方向)が作用している。
【0036】
従って、サンシェード16の使用時にフレーム18を水平状態とするためには、ねじりコイルばね29による矢印A方向のモーメントが、ローラ32による矢印B方向のモーメントよりも大きくなるように設定する必要がある。そのためには、ねじりコイルばね29やローラ32における回転付勢力の設定や、矢印B方向のモーメントに影響するフレーム18におけるサンシェード16の上端16Uの取付け位置の設定等を、適切に行う必要がある。
【0037】
リヤパッケージトレイトリム22の開口24は、例えば車幅方向に沿って直線状に形成されている。フレーム18も、該開口24に対応して、直線状に形成されている。開口24の幅は、サンシェード16及びアーム26が通過できるように設定されている。また開口24の長さは、サンシェード16の下端16Lが通過できるように設定されている。
【0038】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図5において、本実施形態に係る電動リヤサンシェード10では、サンシェード16の上端16Uのフレーム18が、車幅方向を回転軸として回動可能であり、車両側面視での角度がサンシェード16の格納時と使用時とで変化する。
【0039】
まず電動リヤサンシェード10におけるサンシェード16の格納時の作用について説明する。図4に示されるように、格納時のサンシェード16は、リヤパッケージトレイトリム22の下方のローラ32に巻き取られている。このローラ32は、サンシェード16の巻取り方向(矢印C方向)に付勢されている。
【0040】
フレーム18は、図5における矢印A方向、即ち水平となる方向に付勢されているが、サンシェード16の格納状態では、フレーム18は、アーム26の下部アーム26Bを矢印D方向に揺動させる駆動力により(図6参照)、ねじりコイルばね29の付勢力に抗して、リヤパッケージトレイトリム22における開口24の周縁部25に沿うように、矢印B方向に回転変位した状態となっている。図3に示されるように、開口24は、該フレーム18により覆われるので、見栄えが良好となる。
【0041】
次に、電動リヤサンシェード10におけるサンシェード16の使用時の作用について説明する。図6において、サンシェード16を使用する際には、図示しない駆動装置が、一対のアーム26の下部アーム26Bを夫々矢印U方向に揺動させる。これにより、上部アーム26Aと下部アーム26Bとがピン30を中心として相対回転して、該アーム26がリヤウィンドウ14に沿って斜め前方へ伸長することで、フレーム18が上昇すると共に、該フレーム18に保持されているサンシェード16が、リヤパッケージトレイトリム22の開口24を通じて引き出され、リヤウィンドウ14に沿って展開する。この際、サンシェード16は、ローラ32から適度な張力を保持しつつ繰り出される。このようにして引き出されたサンシェード16により、リヤウィンドウ14を通じて車内に入る外光を適度に遮ることができる。
【0042】
図5に示されるように、このサンシェード16の使用状態において、フレーム18は、天井部15に近接した状態となると共に、ねじりコイルばね29による付勢力により、ピン23を中心としてストッパ38に当接するまで矢印A方向に回転して、水平状態となる。
【0043】
このように、本実施形態では、車両側面視におけるサンシェード16の上端のフレーム18の角度を、該サンシェード16の格納時及び使用時において夫々適切な角度に変化させることができる。本実施形態では、図4に示されるように、リヤパッケージトレイトリム22における開口24の周縁部25が傾斜しており、車両側面視におけるサンシェード16の上端のフレーム18が、該サンシェード16の格納状態において、周縁部25に沿うように傾斜することが、見栄えの観点から好ましい。
【0044】
このように、サンシェード16の格納時にフレーム18が非水平状態となることが適切な場合でも、該フレーム18は、サンシェード16の使用時には水平状態となるので、乗員(図示せず)の後方視界においてフレーム18が占める領域が縮小する。このため、乗員の後方視界を拡大させて、該後方視界をより良好な状態に改善することができる。
【0045】
具体的には、図5に示されるように、水平状態のフレーム18(実線)と、サンシェード16の格納時の角度のフレーム18(二点鎖線)とを比較すると、水平状態のフレーム18では、該フレーム18の車両上側で距離a、車両下側で距離bの範囲で、乗員の後方視界が拡大する。この距離a,bの大きさは、車両側面視におけるフレーム18の形状と、回転軸となるピン23の位置とにより適宜設定することができる。例えば、距離aをより小さく設定すれば、フレーム18を天井部15により接近させることができ、サンシェード16をより車両上方まで引き出すことができる。これにより、サンシェード16で遮光できる範囲を拡大することができる。
【0046】
またフレーム18は、リヤパッケージトレイトリム22(図4)から離間すると、アーム26に対する駆動装置の駆動力、即ち、フレーム18を矢印B方向(図4)に回転させようとする力の影響を受けなくなるので、直ちに水平状態となる。従って、サンシェード16が引き出されて行く過程における乗員の後方視界も、より良好となる。
【0047】
[第2実施形態]
図7において、本実施の形態に係る電動リヤサンシェード20では、フレーム18が、サンシェード16の使用時において起立状態となるように回転付勢されている。具体的には、図9に示されるように、フレーム18は、例えばねじりコイルばね29により、矢印B方向に回転付勢されている。なお、「起立状態」とは、鉛直状態に限定されるものではなく、サンシェード16の格納状態におけるフレーム18の角度から更に大きく傾斜した状態を意味する。
【0048】
フレーム18の前後の辺のうち、起立時に車両12の天井部15に近接する側の辺、例えば後辺18Rは、該天井部15の形状に沿うように形成されている。一般に、車両12の天井部15は、車両正面視で車両上側に凸に湾曲した凹面形状をなしているので、フレーム18の後辺18Rは、該フレーム18の起立時に該凹面形状に沿うように、車両後方側に凸に湾曲して形成されている。フレーム18の前辺18Fは、開口24の形状に対応して、例えば直線状に形成されている。
【0049】
フレーム18は、サンシェード16の格納時に、リヤパッケージトレイトリム22における開口24の周縁部25に当接し、該開口24を塞ぐ蓋体も兼ねている。周縁部25は、例えばリヤパッケージトレイトリム22の一般面に対して一段低く形成されている。また周縁部25の輪郭形状は、フレーム18の輪郭形状に対応している。これにより、フレーム18は、サンシェード16の格納時に開口24の周縁部25にある程度嵌まり込むようになっている(図8)。この際、フレーム18の上面がリヤパッケージトレイトリム22の一般面に対して面一となるようにしてもよい。フレーム18が目立たず、見栄えがより向上するからである。
【0050】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0051】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図9において、本実施形態に係る電動リヤサンシェード20では、サンシェード16の上端16Uのフレーム18が、車幅方向を回転軸として回動可能であり、車両側面視での角度がサンシェード16の格納時と使用時とで変化する。
【0052】
電動リヤサンシェード20におけるサンシェード16の格納時の作用については、第1実施形態と同様であるので簡単に説明すると、図10において、アーム26の下部アーム26Bを矢印D方向に回転駆動させて該アーム26を折り畳むことで、サンシェード16が巻き取られてリヤパッケージトレイトリム22の下方に格納される。この際、図8に示されるように、フレーム18により、リヤパッケージトレイトリム22の開口24が覆われることで、見栄えが良好となる。
【0053】
一方、図10において、サンシェード16を使用する際には、図示しない駆動装置が一対のアーム26の下部アーム26Bを夫々矢印U方向に揺動させる。これにより、アーム26がリヤウィンドウ14に沿って車両上方の斜め前方へ伸長することで、フレーム18が上昇すると共に、該フレーム18に保持されているサンシェード16が、リヤパッケージトレイトリム22の開口24を通じて引き出され、リヤウィンドウ14に沿って展開する。
【0054】
また図9に示されるように、このサンシェード16の使用状態において、サンシェード16の上端16Uのフレーム18が、ねじりコイルばね29による付勢力により、ピン23を中心として矢印B方向に回転して起立状態となる。また本実施形態では、フレーム18の前後の辺のうち、起立時に車両12の天井部15に近接する側の辺、即ち後辺18Rは、該天井部15の形状に沿うように形成されている。このため、乗員の後方視界における車両12の天井部15とフレーム18との隙間をより一層詰めることができる。フレーム18が例えば水平状態のときに(二点鎖線)、天井部15との間に隙間cが形成されるとすると、該フレーム18が起立状態(実線)となり、後辺18Rが天井部15に当接することで、該隙間cを詰めることができる。またこれによって、図10に示されるように、サンシェード16の使用時における見栄えを向上させることができる。
【0055】
フレーム18が起立する際には、後辺18Rが天井部15に当接することで、それ以上のフレーム18の回転が規制される。なお、起立時のフレーム18の角度を規制するために、車両側面視でピン23よりも車両前方側に、第1実施形態におけるストッパ38(図4,図5)と同等のストッパ(図示せず)を設けてもよい。この場合、起立したフレーム18の後辺18Rを天井部15に当接させなくてもよいので、フレーム18が天井部15に当接する際の音の発生や、天井部15の汚れ、摩耗等を抑制することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、図9に示されるように、ねじりコイルばね29によりフレーム18を起立方向(矢印B方向)に回転付勢するものとしたが、該フレーム18を回転付勢する手段はこれに限られない。サンシェード16は、ローラ32(図4参照)により巻取り方向に付勢されており、上端16Uは、ピン23の車両前方側においてフレーム18の下面に保持されている。従って、ローラ32の付勢力(サンシェード16の張力)だけでも、フレーム18を起立方向(矢印B方向)に回転付勢することが可能であり、必ずしもねじりコイルばね29を用いる必要はない。
【0057】
また、本実施形態では、フレーム18の後辺18Rが、天井部15の形状に沿うものとしたが、これに限られず、フレーム18が後傾することで、前辺18Fが天井部15の形状に沿うように構成してもよい。この場合、前辺18Fを、天井部15の形状に沿うように、例えば車両前方側に凸に湾曲形成することが望ましい。
【符号の説明】
【0058】
10 電動リヤサンシェード
12 車両
14 リヤウィンドウ
15 天井部
16 サンシェード
16U 上端
18 フレーム
18A 両端部
18R 後辺(フレームの前後の辺のうち、起立時に車両の天井部に近接する側の辺)
20 電動リヤサンシェード
22 リヤパッケージトレイトリム
24 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リヤパッケージトレイトリムの下方に設けられ、該リヤパッケージトレイトリムに形成された開口を通じて、電気駆動により出し入れ可能とされた、リヤウィンドウ用のサンシェードと、
該サンシェードの前記上端に、車幅方向を回転軸として回動可能に設けられ、車両側面視での角度が前記サンシェードの格納時と使用時とで変化するフレームと、
を有する電動リヤサンシェード。
【請求項2】
前記フレームは、前記サンシェードの使用時において水平状態となるように回転付勢されている請求項1に記載の電動リヤサンシェード。
【請求項3】
前記フレームは、前記サンシェードの使用時において起立状態となるように回転付勢されている請求項1に記載の電動リヤサンシェード。
【請求項4】
前記フレームの前後の辺のうち、起立時に車両の天井部に近接する側の辺は、該天井部の形状に沿うように形成されている請求項3に記載の電動リヤサンシェード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−251607(P2011−251607A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125823(P2010−125823)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)