説明

電動工具

【課題】電子回路基板の小型化と、複数の電子回路基板を接続する信号線の信頼性を向上させた電動工具を提供する。
【解決手段】動力伝達機構を介して先端工具を駆動するモータと、モータの回転制御を行う回路を搭載する複数の回路基板9、10と、これらを収容するハウジングを有する電動工具であって、回路基板9、10は複数の信号線を有するフレキシブルプリント基板と、フレキシブルプリント基板と回路基板9、10を接続するコネクタ130、140を介して接続される。複数の信号線のうち一部101a、124aに対し複数のコネクタ接点143−1〜3、143−22〜24が割り当てられる。このように1つの制御信号に対し複数のコネクタ接点を持たせることで、超小型コネクタ140の外縁部の離合による接続不良を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータにより先端工具を駆動する電動工具に関し、特にブラシレスモータを駆動制御するための複数の回路基板を電気的に接続する信号線の小型化及び高信頼性化を図ることに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動工具の駆動源としてブラシレスDCモータが広く用いられるようになってきた。ブラシレスDCモータは、例えばブラシ(整流用刷子)の無いDC(直流)モータであり、コイル(巻線)を固定子側に、マグネット(永久磁石)を回転子側に用い、インバータ回路で駆動された電力を所定のコイルへ順次通電することによりロータを回転させる。インバータ回路は、FET(電界効果トランジスタ)や、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)のような大容量の出力トランジスタを使用して構成され、インバータ回路の制御はマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と称する)がプログラムを実行することによって制御される。
【0003】
ブラシレスDCモータは、ブラシ付きDCモータと比較するとトルク特性に優れ、より強い力で被加工部材にネジやボルト等を締め付けることができる。さらに、モータの回転制御にマイコンを用いるために、マイコンで実行されるプログラムによる電子制御化が推進されてきている。電子制御化を推進すると、一方でより多くの電子部品が必要となるので、複数の電子回路基板を電動工具内部に配置し、それぞれを電気的信号線で接続する。例えば特許文献1の記載の技術では、モータの後方付近にスイッチング素子を搭載する基板を設け、ハウジングのバッテリ保持部の内部には制御回路基板が搭載され、これらをフレキシブルプリント基板で接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−62771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の電動工具においては、マイコンを搭載してブラシレスDCモータを用いるようになり高出力化・多機能化が進む一方で小型化が図られてきた。電動工具の小型化を図るためには、搭載される電子回路基板の小型化を達成することが重要な課題となる。
【0006】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、電子回路基板の小型化を実現できる電動工具を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、電子回路基板に搭載される信号線接続用コネクタの小型化を図り、電子回路基板の小型化の達成、又は、電子素子の実装効率の向上を図った電動工具を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、複数の電子回路基板を接続する信号線の信頼性を向上させることを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
【0010】
本発明の一つの特徴によれば、動力伝達機構を介して先端工具を駆動するモータと、モータの回転制御を行う回路を搭載する複数の回路基板と、これらを収容するハウジングを有する電動工具であって、回路基板は複数の信号線と、信号線と回路基板を接続するコネクタを介して接続され、複数の信号線のうち一部に対し複数のコネクタ接点が割り当てられる。複数の信号線はフレキシブルプリント基板により構成される。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、フレキシブルプリント基板の両端は回路基板のそれぞれに設けられた第1のコネクタ及び第2のコネクタに接続され、第2のコネクタの極数nは、第1のコネクタの極数mと等しいか多くなるように構成した(n≧m)。さらに第2のコネクタの複数の極からの信号線がまとめられて第1のコネクタの1つの極に接続される。このためフレキシブルプリント基板内において、平行に伸びる接続線のうち隣接するいずれかの接続線が連結される。連結の方法は、平行に伸びる接続線の大部分の領域において隣接する接続線の間隔をすべて導線部で埋めるようにするか、又は、隣接する接続線の間隔を詰めるようにすると良い。
【0012】
本発明のさらに他の特徴によれば、1つの制御信号に対し複数のコネクタ接点を持たせるコネクタ接点の位置は、コネクタの両端に配置されるようにすると好ましい。第1のコネクタは第2のコネクタよりも広い幅を有し、フレキシブルプリント基板の第1コネクタに装着される端部の幅d1は、第2コネクタに装着される端部の幅d2よりも大きいか等しくする(d1≧d2)と良い。複数の制御基板とは、例えばマイコンを搭載する制御回路基板と、モータを駆動するインバータ回路が搭載されるインバータ回路基板である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、複数の信号線のうち一部に対し複数のコネクタ接点が割り当てられるようにしたので、工具内に配置される複数の電子回路基板に設けられるコネクタの小型化を図ることができる。さらに小型化にもかかわらず複数の電子回路基板を接続する信号線の信頼性を向上させることが可能となる。
【0014】
請求項2の発明によれば、複数の信号線はフレキシブルプリント基板により構成されるので、安価に製造ができて信頼性の高い信号伝達媒体を有する電動工具を実現できる。
【0015】
請求項3の発明によれば、第2のコネクタの極数nは、第1のコネクタの極数mよりも等しいか多くした(n≧m)ので、第2のコネクタを第1のコネクタよりも小さく構成してもフレキシブルプリント基板による導通性能の低下を防止できる。
【0016】
請求項4の発明によれば、第2のコネクタの複数の極からの信号線がまとめられて第1のコネクタの1つの極に接続されるので、接続強度が弱くなって離合が起こりやすい部分の接続を多重化することができるので、信頼性の向上を図ることができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、フレキシブルプリント基板内において、平行に伸びる接続線のうち隣接するいずれかの接続線が連結されるので、フレキシブルプリント基板の形状を変更するだけで容易に本発明を実現することができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、その連結は平行に伸びる接続線の間隔部分の大部分をすべて導線部で埋めるので、強度的に優れたフレキシブルプリント基板とすることができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、1つの制御信号に対し複数のコネクタ接点を持たせるコネクタ接点の位置はコネクタの両端に配置されるので、超小型のコネクタを用いたときに接点部分の離合が起きやすい両端部分の接点を多重化することができる。
【0020】
請求項8の発明によれば、フレキシブルプリント基板の第1コネクタに装着される端部の幅d1は、第2コネクタに装着される端部の幅d2よりも大きいか等しくする(d1≧d2)ので、サイズの異なるコネクタ間を容易に接続することができる。このため、回路基板の実装密度に合わせて極小型のコネクタを用いることができ、電動工具の小型化、軽量化を実現できる。
【0021】
請求項9の発明によれば、複数の制御基板は、マイコンを搭載する制御回路基板と、モータを駆動するインバータ回路が搭載されるインバータ回路基板であるので、信号本線の多い回路基板におけるコネクタの小型化と信頼性の向上を図ることができる。
【0022】
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例に係る電動工具1の全体構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る電動工具1の側面図である。
【図3】バッテリパック2を取り外した状態の電動工具1の底面図である。
【図4】バッテリパック2を取り外した状態の電動工具1の底面図であって、ソケットカバー46を外して通信端子が開放された状態を示す。
【図5】制御回路基板9と基台41部分の詳細形状を示す断面図である。
【図6】図2のA−A部の断面を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係る電動工具1の制御回路のブロック図である。
【図8】本発明の実施例に係る電動工具1のインバータ回路基板10と制御回路基板9との接続構成を示す斜視図である。
【図9】図8のモータフラットケーブル100の詳細構造を示すための部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図1に示す方向であるとして説明する。
【0025】
図1は本発明に係る電動工具1の全体構造を示す縦断面図であり、バッテリパック2を取り付けて工具として作業可能な状態を示している。電動工具1は、充電可能なバッテリパック2を電源とし、モータ3を駆動源として打撃機構30を駆動し、出力軸であるアンビル32に回転力又は/及び打撃力を与えることによってドライバビット等の図示しない先端工具に、連続する回転力又は断続的な打撃力を伝達してネジ締めやボルト締め等の作業を行う。
【0026】
ブラシレスDCモータ方式のモータ3は、固定子3bの内側にて永久磁石を有する回転子3aが回転するものである。モータ3は、側面から見て略T字状の形状を成すハウジング6の略筒状の胴体部6a内に、回転軸4の軸方向が前後方向と一致するように収容される。ハウジング6は、ほぼ対称な形状の左右2つの部材に分割可能に構成され、それら部材が複数の図示しないネジにより固定される。そのため、分割されるハウジング6の一方(本実施例では左側ハウジング)に複数のネジボス19bが形成され、図示しない他方のハウジング(右側ハウジング)に複数のネジ穴が形成される。モータ3の回転軸4は、胴体部6aの後端側のベアリング17bと中央部付近に設けられるベアリング17aによって回転可能に保持される。
【0027】
モータ3の後方には複数のスイッチング素子11が搭載されたインバータ回路基板10が設けられる。インバータ回路基板10はモータ3の外形とほぼ同径の円環状の多層基板であり、このインバータ回路基板10の裏面(後方側の面)にはFET(Field Effect Transistor)等の6つのスイッチング素子11が搭載される。インバータ回路基板10の表面(前方側の面)であって回転子の永久磁石に対向する位置には、回転子3aの位置を検出するためのホールIC等の回転位置検出素子(図示せず)が搭載される。
【0028】
ハウジング6の胴体部6aから略直角方向下方に一体に延びるハンドル部6b内の上部にはトリガ操作部8a及び正逆切替レバー14が設けられ、トリガスイッチ8には図示しないバネによって付勢されてハンドル部6bから突出するトリガ操作部8aが設けられる。トリガスイッチ8の下方にはスイッチ基板7が設けられる。また、胴体部6aの先端側に接続されるハンマケース22の下方位置にはLEDライト12が設けられる。LEDライト12は、装着穴32aに図示せぬ先端工具であるビットが装着された際に、ビットの前端付近を照射するものである。
【0029】
ハンドル部6b内の下方であってバッテリ保持部6cの内部には、トリガ操作部8aの引き動作によって前記モータ3の速度を制御する機能等を備えた制御回路基板9が収容される。制御回路基板9には、モータ3の駆動制御を行うマイコン(Micro Computer)71が搭載される。マイコン71と接続される外部接続装置との通信端子47が制御回路基板9の下部に設けられる。通信端子47は、バッテリパック2を取り外すことで外部に露出し、図示しない接続ケーブルの装着が可能となる。
【0030】
制御回路基板9は、バッテリパック2とトリガスイッチ8に電気的に接続される。また制御回路基板9は、モータフラットケーブル100を介してインバータ回路基板10と接続される。モータフラットケーブル100は、例えば20本のフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)で構成することができる。制御回路基板9は、スイッチフラットケーブル90を介してスイッチ基板7と接続される。スイッチフラットケーブル90も同様にフレキシブルプリント基板にて構成することができる。制御回路基板9にはバッテリパック2のプラス電極とマイナス電極と接触する端子(ターミナル)が設けられる。これら端子には電源線62の一端が接続され、電源線62の他端はスイッチ基板7に接続される。電源線62はプラス用とマイナス用の2線が使用される。
【0031】
ハンドル部6bの下方に形成されたハウジング6のバッテリ保持部6cには、ニッケル水素やリチウムイオン等の複数の電池セルが収容されたバッテリパック2が着脱可能に装着される。バッテリパック2は、ハウジング6のハンドル部6bの内部まで延在するようにのびる延在部2aを有し、図1のような側面視で略L字形の形状とされる。バッテリパック2には、リリースボタン2bが設けられ、左右両側に位置するリリースボタン2bを押しながら下方にバッテリパック2を移動させることにより、バッテリパック2をバッテリ保持部6cから取り外すことができる。
【0032】
モータ3の前方には、回転軸4に取り付けられてモータ3と同期して回転する冷却ファン18が設けられる。冷却ファン18は、回転方向によらずに回転軸4付近の空気を吸引して径方向外側に排出する遠心ファンであり、冷却ファン18により胴体部6aの後方側の側方に設けられた空気取入口13aから空気が吸引される。ハウジング6の内部に吸引された外気は、モータ3の回転子と固定子の間、及び、固定子の磁極の間を通過した後に冷却ファン18に到達し、冷却ファン18の半径方向外周側付近に形成される複数の空気排出口(後述する図2参照)からハウジング6の外部に排出される。
【0033】
打撃機構30と減速機構20は電動工具1の動力伝達機構を構成する。打撃機構30は、アンビル32と遊星キャリヤ組立体31の2つの部品により主に構成される。遊星キャリヤ組立体31は減速機構20の遊星歯車の回転軸を連結すると共に、アンビル32を打撃するための後述するハンマを有する。本実施例における減速機構20は、プラネタリー型であり、1つの減速機構部を有し、サンギヤ、複数のプラネタリーギヤ、リングギヤを含んで構成される。現在広く使われている公知の打撃機構と違って、打撃機構30は、スピンドル、スプリング、カム溝、及びボール等を有するカム機構をもたない。そしてアンビル32と遊星キャリヤ組立体31とは回転中心付近に形成された嵌合軸と嵌合穴により半回転未満の相対回転だけができるように連結される。アンビル32は、先端工具(図示せず)を装着する出力軸部分と一体に構成され、前端には軸方向と鉛直面の断面形状が六角形の装着穴32aが形成される。尚、アンビル32と、先端工具を装着する出力軸は別体部品で構成して連結させるように構成しても良い。
【0034】
アンビル32の後方側は遊星キャリヤ組立体31の嵌合軸と連結され、軸方向中央付近でメタル16aによりハンマケース22に対して回転可能に保持される。アンビル32の先端には先端工具をワンタッチで着脱するためのスリーブ15が設けられる。ハンマケース22は打撃機構30及び減速機構20を収容するために金属製の一体成型で製造され、ベアリング機構を介してアンビル32を保持する。ハンマケース22は左右分割式のハウジング6によって全体が覆われるようにして固定される。
【0035】
トリガ操作部8aが引かれてモータ3が起動されると、モータ3の回転は減速機構20によって減速され、モータ3の回転数に対して所定の比率の回転数で遊星キャリヤ組立体31が回転する。遊星キャリヤ組立体31が回転すると、その回転力は遊星キャリヤ組立体31に設けられるハンマを介してアンビル32に伝達され、アンビル32が遊星キャリヤ組立体31と同じ速度で回転を開始する。先端工具側からの受ける反力によってアンビル32にかかる力が大きくなると、例えば、制御回路基板9に搭載されるマイコン71は締め付け反力の増大を検出し、モータ3の回転が停止してロック状態になる前に、遊星キャリヤ組立体31の駆動モードを変更してハンマを断続的に駆動する。尚、打撃機構30の動作については、例えば特許文献1に開示されているのでここでの詳細説明は省略する。
【0036】
胴体部6aの内部であって、冷却ファン18の前方側にはインナカバー21が設けられる。インナカバー21はプラスチック等の合成樹脂の一体成型で製造された部材であり、ハウジングの内壁に沿って取り付けられる。インナカバー21の後方側には円筒状の部分が形成され、モータ3の回転軸4を回転可能に固定するベアリング17aとベアリング16bが設けられる。
【0037】
図2は本発明の実施例に係る電動工具1の側面図である。ハウジング6は3つの部分(胴体部6a、ハンドル部6b、バッテリ保持部6c)から構成され、胴体部6aの、冷却ファン18の半径方向外周側付近には冷却風排出用の空気排出口13bが形成される。ハウジング6は、モータ3の回転軸4を通る鉛直面にて左右分割式に形成され、複数本のネジ19aによって左右に分割可能なハウジング6が固定される。ハウジング6の前方側には、先端工具保持部を構成するスリーブ15が突出する。図2では見えないがハウジング6のバッテリ保持部6cの左側側面には、モータ3の駆動モード(ドリルモード、インパクトモード)を切り替えるためのモード切替スイッチとモード表示LED(共に後述)が設けられる。
【0038】
図3は、バッテリパック2を取り外した状態の電動工具1の底面図である。ハウジング6は、右側ハウジング6−1と左側ハウジング6−2により分割して構成される。ハウジング6のハンドル部6bの内側付近には、バッテリパック2の延在部2aを収容するためのバッテリ収容室45が形成される。バッテリ収容室45の前方付近にはバッテリパック2の接点と接するための3つの端子、即ち、プラス端子42、LD端子43、マイナス端子44が設けられる。これらの3つの端子は基台41の平面部分に保持される。基台41は、3つの端子を保持するための電源端子保持部41aと、本発明の特徴である通信端子を固定するための通信端子保持部41bの2つの平板状部分を含んで構成され、プラスチック等の高分子樹脂の一体成型により製造される。基台41は、右側ハウジング6−1と左側ハウジング6−2により左右及び前側を挟持されることにより固定されるが、固定方法はこれだけに限られずにねじ止め等の公知の固定方法で基台41をハウジング6に固定しても良い。
【0039】
通信端子保持部41bには、通信端子47が設けられるが、その通信端子47を露出させるための基台41の開口部41cにはソケットカバー46が取り付けられる。ソケットカバー46は、開口部41cを覆うことにより不使用時に後述する通信用コネクタ47bがハウジング6の外部に露出しないように覆うカバーであり、略四角形の平板部46aと、平板部46aを通信端子保持部41bに対して回動可能なように保持するための支持部46bと、平板部46aの前方向であって支持部46bから離れた位置に形成された取っ手部46cを含んで構成される。ソケットカバー46の構造や取付方法は公知の種々の方法を用いることができ、本実施例ではゴムの取付部の弾性変形により平板部46aが通信端子保持部41bから離脱しないように保持すると共に、平板部46aが略回動可能なように保持する。ソケットカバー46の材質は、防塵、防水効果が得られるような部材であれば任意に選択できるが、例えば、ゴムやプラスチック等の弾力性のある部材により構成すると好ましい。取っ手部46cは、開口部41cに嵌め込まれた平板部46aが外れないように固定するロック機構となると共に、平板部46aを開く際のつまみの役割を果たすものである。本実施例では、通信端子保持部41bの取っ手部46cが位置する部分の基台41には溝が形成され、この溝に取っ手部46cを押し込むことによりソケットカバー46を安定的に保持するロック機構として作用する。
【0040】
図4は、バッテリパック2を取り外した状態の電動工具1の底面図であって、ソケットカバー46を開いて通信用コネクタ47bが開放された状態を示す。ソケットカバー46は支持部46bを中心に約90度以上開放され、ソケットカバー46の平板部46aが上下方向に延在するように配置される。この状態では雌形の通信用コネクタ47bが露出する。通信用コネクタ47bとしては5本の通信回路を確保できる汎用のコネクタを用いることができるが、コストの関係から例えばUSB(Universal Serial Bus)規格に準じたミニBソケット/メス(receptacle)を用いると良い。USB規格に準じたミニBソケットを用いる場合であっても、通信手順をUSB規格でなく他の通信規格で行うようにしても良い。本実施例では、USB規格の通信用コネクタ47bを用いつつRS−232C規格に従って通信を行う。
【0041】
図5は制御回路基板9と基台41部分の詳細形状を示す図であって、図3のB−B部の断面を示す。通信用コネクタ47bを搭載するコネクタ基板47aは制御回路基板9とは別の部品で構成される。制御回路基板9の下側には基台41がネジ49によって取り付けられる。基台41は、上下方向の位置が違うように段差状に形成された電源端子保持部41aと、通信端子保持部41b(図3、図4参照)の2つの部分を含んで構成される。通信端子保持部41bの内部に通信用コネクタ47bが設けられる。通信端子47は、コネクタ基板47aとそれに固定される通信用コネクタ47bによって構成される。
【0042】
通信用コネクタ47bは、USBケーブルのミニBオス(plug)側コネクタを下から上方向に挿入できるように配置される。通信用コネクタ47bはコネクタ基板47aに搭載され、コネクタ基板47aから制御回路基板9へは複数のリード線48により配線される。通信用コネクタ47bの開口部は基台41の開口部41cに位置するように配置され、基台41の開口部41cはソケットカバー46によって未使用時には閉鎖される。ソケットカバー46の端部には、上方に延びる円柱形部分となる支持部46bが形成される。支持部46bは通信端子保持部41bの開口部41cの前方に設けられた断面形状が丸い貫通穴41dに挿入されるものであり、円柱形部分の中央付近には貫通穴41dから離脱しないように傘状部46eが設けられる。
【0043】
このように開口部41cは、コネクタの非接続時にはソケットカバー46によってしっかりと密閉されるので、電気的に絶縁できるとともに通信用コネクタ47bの端子間に異物が入ることを防止でき、端子間の短絡を防止することができる。また、ソケットカバー46を用いることにより防塵効果に加えて高い防水効果を得ることができる。
【0044】
図6は図1のA−A部における断面図である。A−A部においては、ハンドル部6bの一番細く形成される付近となる。しかしながらバッテリパック2の延在部2aの外径は一定であるため空間36の大きさも一定であり、必然的に配線類が貫通する空間37側が狭くなる。本実施例の場合は、空間37はモータフラットケーブル100、スイッチフラットケーブル90、電源線62a、62bを配置するのにギリギリの空間しかない。この空間37が狭いということは、配線類を空間37に組み込む組立作業時に作業がしにくいことを意味する。しかしながら、本実施例ではモータフラットケーブル100の幅が従来よりも狭いものを採用することにより、左右に分割される左側ハウジング6−1に対して配線類を位置決めした後に右側ハウジング6−2を被せる作業がし易くなる。
【0045】
電源線62a、62bの前側の接合部39においては、スイッチフラットケーブル90が位置するため、組立時に仕切り壁6d−1、6d−2において電源線62a、62bを挟み込んでしまう恐れが無くなる(矢印38の部分)。尚、このような配置構造は、断面が円形の電源線がモータフラットケーブル100とスイッチフラットケーブル90によって挟まれるサンドイッチ配置となるため、電動工具の使用時の振動により電源線が振れたとしてもハウジング6(6−1、6−2)の内壁で擦れる恐れがないので耐久性を大きく向上させることができる。
【0046】
次に、モータ3の駆動制御系の構成と作用を図7に基づいて説明する。図7はモータ3の駆動制御系の構成を示すブロック図であり、本実施例では、モータ3は3相のブラシレスDCモータで構成される。このブラシレスDCモータは、いわゆるインナーロータ型であって、複数組(本実施例では2組)のN極とS極を含む永久磁石(マグネット)を含んで構成される回転子(ロータ)3aと、スター結線された3相の固定子巻線U、V、Wから成る固定子3bと、回転子3aの回転位置を検出するために周方向に所定の間隔毎、例えば角度60°毎に配置された3つの回転位置検出素子(ホール素子)78を有する。これら回転位置検出素子78からの位置検出信号に基づいて固定子巻線U、V、Wへの通電方向と時間が制御され、モータ3が回転する。
【0047】
インバータ回路基板10上に搭載される電子素子には、3相ブリッジ形式に接続されたFETなどの6個のスイッチング素子Q1〜Q6と3つの回転位置検出素子78と電流検出用の抵抗76を含む。ブリッジ接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートは、制御回路基板9に搭載される制御信号出力回路73に接続され、6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ドレインまたは各ソースは、スター結線された固定子巻線U、V、Wに接続される。これによって、6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、制御信号出力回路73から入力されたスイッチング素子駆動信号(H4、H5、H6等の駆動信号)によってスイッチング動作を行い、インバータ回路基板10に印加されるバッテリパック2の直流電圧を3相(U相、V相及びW相)電圧Vu、Vv、Vwとして固定子巻線U、V、Wに電力を供給する。
【0048】
6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートを駆動するスイッチング素子駆動信号(3相信号)のうち、3個の負電源側スイッチング素子Q4、Q5、Q6をパルス幅変調信号(PWM信号)H4、H5、H6として供給し、制御回路基板9上に搭載されたマイコン71によって、トリガスイッチ8のトリガ操作部8aの操作量(ストローク)の検出信号に基づいてPWM信号のパルス幅(デューティ比)を変化させることによってモータ3への電力供給量を調整し、モータ3の起動/停止と回転速度を制御する。
【0049】
ここで、PWM信号は、インバータ回路を構成する正電源側スイッチング素子Q1〜Q3または負電源側スイッチング素子Q4〜Q6の何れか一方に供給され、スイッチング素子Q1〜Q3またはスイッチング素子Q4〜Q6を高速スイッチングさせることによってバッテリパック2の直流電圧から各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を制御する。尚、本実施例では、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6にPWM信号が供給されるため、PWM信号のパルス幅を制御することによって各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を調整してモータ3の回転速度を制御することができる。
【0050】
電動工具1には、モータ3の回転方向を切り替えるための正逆切替レバー14が設けられ、回転方向設定回路82は正逆切替レバー14の変化を検出するごとに、モータの回転方向を切り替えて、その制御信号をマイコン71に送信する。マイコン71は、図示していないが、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するための中央処理装置(CPU)、処理プログラムや制御データを記憶するためのROM、データを一時記憶するためのRAM、タイマ等を含んで構成される。マイコン71は、複数の制御プログラムを格納するためのプログラム格納部72を有する。プログラム格納部72は通信用コネクタ47bを介して外部から読み出し又は書き込みが可能なように構成される。
【0051】
制御信号出力回路73は、回転方向設定回路82と回転子位置検出回路74の出力信号に基づいて所定のスイッチング素子Q1〜Q6を交互にスイッチングするための駆動信号を形成し、その駆動信号を制御信号出力回路73に出力する。これによって固定子巻線U、V、Wの所定の巻線に交互に通電し、回転子3aを設定された回転方向に回転させる。この場合、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6に印加する駆動信号は、印加電圧設定回路81の出力制御信号に基づいてPWM変調信号として出力される。モータ3に供給される電流値は、電流検出回路79によって測定され、その値がマイコン71にフィードバックされることにより、設定された駆動電力となるように調整される。尚、PWM信号は正電源側スイッチング素子Q1〜Q3に印加しても良い。
【0052】
ここで、制御回路基板9とインバータ回路基板10は、複数の信号線により接続されるが、本実施例の電動工具1ではその接続にモータフラットケーブル100が用いられる。図7に示したブロック図では、モータフラットケーブル100を介してパルス幅変調信号(PWM信号)H1〜H6、回転位置検出素子78からの位置検出信号、電流検出用の抵抗76の両端の電圧信号等が伝達されるが、モータフラットケーブル100を介して伝達される信号線はこれらだけに限られずに、その他の信号線やグランド線が含まれる。
【0053】
図8は、本発明の実施例に係る電動工具1のインバータ回路基板10と制御回路基板9との接続構成を示す斜視図である。モータフラットケーブル100は複数本の配線を有するフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)で構成することができる。モータフラットケーブル100はフレキシブルプリント基板で構成されている。フレキシブルプリント基板は、厚み数十μm程度のフィルム状の絶縁体(ベースフィルム)の上に接着層を形成し、その上に厚み数十μm程度の導体箔を形成して接続線としたものであり、薄くて変形可能な配線部品として広く用いられている。
【0054】
制御回路基板9は、図9では図示していないがスイッチフラットケーブル90を介してスイッチ基板7とも接続される。スイッチフラットケーブル90も同様にFPCにて構成することができる。制御回路基板9には電源線63a、63bの一端が接続され、電源線63a、63bの他端はスイッチ基板7に接続される。電源線63aはプラス用であり、電源線63bはマイナス用である。
【0055】
モータフラットケーブル100の両端は、それぞれコネクタ(130、140)によって制御回路基板9及びインバータ回路基板10に接続される。インバータ回路基板10には小型コネクタ130(第1のコネクタ)が設けられ、制御回路基板9には超小型コネクタ140(第2のコネクタ)が設けられる。図8から理解できるように小型コネクタ130の横方向の幅は、超小型コネクタ140の幅よりも大きく、そのため小型コネクタ130に接続されるモータフラットケーブル100の幅d1は、超小型コネクタ140に接続されるモータフラットケーブル100の幅d2よりも広くなる。このような形状を実現するためにモータフラットケーブル100は、矢印a付近において幅が変わるような形に形成される。
【0056】
図9は図8のモータフラットケーブル100の詳細構造を示すための部分拡大図である。制御回路基板9に配置される超小型コネクタ140は、接点143−1から接点143−24まで24本の接点を有する24極コネクタである。超小型コネクタ140は、レバー142と、レバー142の回動を保持するとともに基板にハンダ付け等で固定される部分たるハウジング141により構成される。ハウジング141のモータフラットケーブル100と接点と接する部分には、モータフラットケーブル100に設けられた電極と同じ本数の図示しないコンタクト(接点)が形成される。本実施例では、超小型コネクタ140には24本のコンタクトが形成され、それぞれが、接点143−1〜143−24に接続される。レバー142はハウジング141の段差部分により回動可能であって、レバー142の最大の平面がハウジング141と平行になった際にモータフラットケーブル100に押圧力を与えて安定して保持する。
【0057】
一方、インバータ回路基板10に固定される小型コネクタ130は、レバー132と、レバー132の回動によりモータフラットケーブル100を挟み込むハウジング131により構成される。ハウジング131のモータフラットケーブル100と接点と接する部分には、モータフラットケーブル100に設けられた電極と同じ本数のコンタクト(図示せず)が形成される。本実施例では、小型コネクタ130には20本のコンタクトが形成された20極コネクタであり、それぞれのコンタクトが、引き出し線133−1〜133−20に接続される。レバー132はハウジング131の段差部分により回動可能であって、レバー132の最大の平面がハウジング141と垂直になった際にモータフラットケーブル100に押圧力を与えて安定して保持する。
【0058】
本実施例では小型コネクタ130(第1のコネクタ)と超小型コネクタ140(第2のコネクタ)の有するコンタクトの極数が異なる。つまり、超小型コネクタ140の24極は小型コネクタ130の20極に比べて多くなるように構成される。そのため、本実施例のモータフラットケーブル100の形状が独特なように構成される。即ち、制御信号は接点143−1と接点143−2と接点143−3とで同じ信号のやり取りを行っており、接点143−22と接点143−23と接点143−24でも同じ信号のやり取りを行っている。この接続状態を実現するために、モータフラットケーブル100において、平行に伸びる接続線のうち隣接するいずれかの接続線(101〜103、及び、143−22〜24)の間隔が導体箔で連結され、接続線101a、124aとなる。残りの接続線は順次接続され、接続線104は引き出し線133−2に接続され、接続線105は引き出し線133−3に接続され、順次同様にして接続線121が引き出し線133−19に接続される。引き出し線133−19は連結部分から細く伸びる引き出し線124bに接続される。引き出し線133−1は連結部分から細く伸びる引き出し線101bに接続される。
【0059】
通常、超小型のコネクタ(140)を用いると、レバー142の大きさも必然的に小さくなりFPCを挟み込む力が小さくなる。そのため電動工具1の使用時の挙動や振動により、最外部の接点143−1及び143−24とモータフラットケーブル100が電気的に離れてしまう恐れがある。そこで本実施例では、必要な信号線(20本)よりも多い24極の超小型コネクタ140を用い、側面部分の信号線を多重に(冗長的に)接続するようにした。図9では、接続線101〜103が接合された状態で連結された配線たる連結線101aを経由して、小型コネクタ130の引き出し線133−1に接続される。同様に、接続線122〜124が接合された状態で連結線124a、125bを経由して、小型コネクタ130の引き出し線133−20に接続される。
【0060】
このような接続を実現するために、両端部を除いた領域で互いに連結されて幅の広くなった接続線部分(101a、124a)が形成される。つまり、フレキシブルプリント基板内において接続線101〜125のうち、101aで示すように平行に伸びる接続線101〜103の間隔部分の大部分を導線部(導体箔)で埋めるように構成した。同様に、接続線122〜125の間隔部分の大部分を124aのように導線部(導体箔)で埋めるように構成した。このように構成することにより、従来用いていたよりもさらにコンパクトな超小型コネクタ140を用いても最外部のコンタクト部分の接合不良によるトラブルを効果的に防止でき、特に電気的に離れやすい両端の接点部分を安定して接続できるので、複数の電子回路基板を接続する信号線の信頼性を向上させることが可能となった。
【0061】
さらに、図9で示すようにモータフラットケーブル100内で接続線同士を電気的に結合させることで、図8に示す超小型コネクタ140と小型コネクタ130の極数が異なるように構成する事が可能となる。モータフラットケーブル100は、矢印b付近で横幅が狭くなり、矢印a付近において超小型コネクタ140とほぼ同じ幅となる。このようにモータフラットケーブル100の幅を小型コネクタ130との接合部付近以外では狭く構成したので、信号線本数を変換したり互いにサイズのことなるコネクタを用いることが可能となった。通常、フレキシブルプリント基板は導体箔の配置にその形状や配線の自由度が高いので、比較的安価なコストで本実施例の第1〜第3線、第21〜24線を相互に連結した形状を実現することができる。
【0062】
尚、本実施例では超小型コネクタ140が24極であるのに対し、小型コネクタ130を20極としているが、超小型コネクタ140の極数nが、小型コネクタ130の極数mよりも大きく構成すれば、この関係はn:m=24:20だけに限られない。例えば、n:m=22:20程度であっても本発明の効果を十分達成することができる。また、その場合は、コネクタの幅の狭い方にあわせてフラットケーブルの接続線を連結させるように構成すれば良い。さらに、n:mが等しい場合、例えば22:22であっても側面部の2線を連結させて1線と使用すれば、実質的に20極コネクタとして使用できるとともに、最外部のコンタクト部分の接合不良によるトラブルを効果的に防止できる。
【0063】
さらに、n:m=24:20の接続において、平行な接続線を連結させる代わりに、接続線103〜122だけを用いて超小型コネクタ140と小型コネクタ130を接続するようにしても良い。この場合、超小型コネクタ140の両側の2つの接点143−1、2、23、24を使わないことになる。両側の接点143−1と143−24を使わないことにより、モータフラットケーブル100の両側部分が超小型コネクタ140と離合する場合が起こりえたとしても導通性能は変わらず、伝達される信号には影響を及ぼさないので、電動工具の信頼性を向上させることができる。
【0064】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例では、インバータ回路基板10と制御回路基板9を接続するモータフラットケーブル100に本発明を適用したが、これだけに限られずに、制御回路基板9とスイッチ基板7の間の接続に用いられるスイッチフラットケーブル90に適用しても良い。また、本発明が適用される電動工具は、上述したインパクト工具だけに限られずにその他の任意の電動工具であっても良い。
【0065】
また、上述の実施例ではフラットケーブルの両端の極数n:mをn>mの関係にしたが、n=mとして、一部の隣接する接続線を連結させて、両側部分の接点を多重化するように構成しても良い。さらに、一部の接続線の連結は、平行に伸びる接続線の間隔部分を導線部で埋めるだけでなく、平行に伸びる接続線の間隔部分を詰めて両方の接続線が接合されるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 電動工具 2 バッテリパック 2a 延在部
2b リリースボタン 3 モータ 3a 回転子
3b 固定子 4 回転軸 6 ハウジング
6a 胴体部 6b ハンドル部 6c バッテリ保持部
6d−1、6d−2 仕切り壁 7 スイッチ基板
8 トリガスイッチ 8a トリガ操作部 9 制御回路基板
10 インバータ回路基板 11 スイッチング素子 12 LEDライト
13a 空気取入口 13b 空気排出口 14 正逆切替レバー
15 スリーブ 16a メタル 16b ベアリング
17a、17b ベアリング 18 冷却ファン
19a ネジ 19b ネジボス 20 減速機構
21 インナカバー 22 ハンマケース 30 打撃機構
31 遊星キャリヤ組立体 32 アンビル 32a 装着穴
36 空間 39 接合部 41 基台
41a 電源端子保持部 41b 通信端子保持部 41c 開口部
41d 貫通穴 42 プラス端子 43 LD端子
44 マイナス端子 45 バッテリ収容室 46 ソケットカバー
46a 平板部 46b 支持部 46c 手部
46e 傘状部 47 通信端子 47a コネクタ基板
47b 通信用コネクタ 48 リード線 49 ネジ
52 モード切替スイッチ 58 モード表示LED 62 電源線
63 電源線 71 マイコン 72 プログラム格納部
73 制御信号出力回路 74 回転子位置検出回路 75 回転数検出回路
76 抵抗 78 回転位置検出素子 79 電流検出回路
80 モータフラットケーブル 81 印加電圧設定回路
82 回転方向設定回路 83 モード設定回路
90 スイッチフラットケーブル 100 モータフラットケーブル
101〜124 接続線 101a 連結接続線
124a 連結接続線 130 小型コネクタ
131 ハウジング 132 レバー
133−1〜20 引き出し線 140 超小型コネクタ
141 ハウジング 142 レバー
143−1〜24 接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力伝達機構を介して先端工具を駆動するモータと、
前記モータの回転制御を行う回路を搭載する複数の回路基板と、
これらを収容するハウジングを有する電動工具であって、
前記回路基板は複数の信号線と、前記信号線と前記回路基板を接続するコネクタを介して接続され、
前記複数の信号線のうち一部に対し複数のコネクタ接点が割り当てられることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記複数の信号線は、フレキシブルプリント基板により構成されることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント基板の両端は前記回路基板のそれぞれに設けられた第1のコネクタ及び第2のコネクタに接続され、
前記第2のコネクタの極数nは、前記第1のコネクタの極数mよりも等しいか多くした(n≧m)ことを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記第2のコネクタの複数の極からの信号線がまとめられて前記第1のコネクタの1つの極に接続されることを特徴とする請求項3に記載の電動工具。
【請求項5】
フレキシブルプリント基板内において、平行に伸びる接続線のうち隣接するいずれかの接続線が連結されることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
【請求項6】
前記連結は、平行に伸びる前記接続線の間隔部分の大部分をすべて導線部で埋めることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
【請求項7】
1つの制御信号に対し複数のコネクタ接点を持たせるコネクタ接点の位置はコネクタの両端に配置されることを特徴とする請求項6に記載の電動工具。
【請求項8】
前記第1のコネクタは第2のコネクタよりも広い幅を有し、
前記フレキシブルプリント基板の第1コネクタに装着される端部の幅d1は、前記第2コネクタに装着される端部の幅d2よりも大きいか等しくする(d1≧d2)ことを特徴とする請求項7に記載の電動工具。
【請求項9】
前記複数の制御基板は、マイコンを搭載する制御回路基板と、前記モータを駆動するインバータ回路が搭載されるインバータ回路基板であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電動工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−862(P2013−862A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136828(P2011−136828)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)