説明

電子カルテシステムおよびプログラム

【課題】同一時間内に存在する記述情報の重要度を判定し、この重要度に基づいて項目の表示順序を変化させる。
【解決手段】ユーザの入力操作に基づいて、電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定する項目・区間指定部11と、設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得するSOAP情報取得部13と、医療用単語を保持する形態要素解析用辞書14に基づいて、取得した記述情報の形態要素解析を行なう形態要素解析部15と、抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出する関連語抽出部17と、抽出された関連する医療用単語と設定された項目とのマッチングを行なうマッチング部18と、抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定する項目順位決定部19と、表示順位で詳細情報を表示する表示部20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテ上に時系列に沿って入力された複数のデータを表示する電子カルテシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子カルテシステムが知られている。例えば、特許文献1には、医療行為の相互間の関係を考慮し、効率よく医療情報を入力して電子カルテを構築する電子カルテシステムが開示されている。この電子カルテシステムは、医療行為およびその関連情報を含む医療行為情報と、この医療行為情報の適用時間情報とにより電子カルテ情報を構成する。また、その電子カルテ情報の医療行為情報を時間軸上に閲覧情報として表示する。また、編集中の電子カルテ情報における医療行為情報を時間軸上に表示させる。そして、ユーザの操作を受け付けて、電子カルテにおける医療行為情報を編集する。
【0003】
図11は、電子カルテシステムの画面表示例を示す図である。図11に示すように、この電子カルテシステムは、上部に多段階の時間軸(例えば、年単位・月単位・日単位)を有する。また、その下に診療行為(オブジェクト)が表示される。この電子カルテシステムでは、左に並ぶ項目が医療行為(病名・投薬・診断・検査等)であって、その右側に実際の行為が、一定の時間幅をもって記録される。
【0004】
ユーザは、上部の時間軸を選択することで、任意の尺度での情報俯瞰が可能であり、任意の時間にジャンプすることができる。また、特定の行為項目のデータの詳細な情報を閲覧しようとする場合は、複数の行為項目をドラッグ操作で囲むことで、詳細情報を表示することが可能である。
【0005】
このように、従来の電子カルテシステムでは、上記のような多段階のタイムスケールを表示し、ユーザは、任意のタイムスケールで時系列に沿って入力されたデータを俯瞰することができる。そして、任意のタイムスケール上で各行為項目の詳細情報を表示し、閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−192002号公報
【特許文献2】特開2009−134713号公報
【特許文献3】特開2009−282557号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】電子情報通信学会 Vol100,p50−p60
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、行為項目に関連する詳細情報を閲覧する場合に、タイムスケールが大きいと、ユーザがドラッグ操作によって囲んだ領域の中に含まれる医療行為の数が多くなり、ユーザが閲覧を希望する行為項目のデータを表示することが困難となる場合がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、同一時間内に存在する記述情報の重要度を判定し、この重要度に基づいて項目の表示順序を変化させることができる電子カルテシステムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の電子カルテシステムは、電子カルテ上に時系列に沿って入力された複数のデータを表示する電子カルテシステムであって、ユーザの入力操作に基づいて、前記電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定する項目・区間指定部と、前記設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得する記述情報取得部と、医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、前記取得した記述情報の形態要素解析を行なう形態要素解析部と、前記形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出する関連単語抽出部と、前記抽出された関連する医療用単語と前記設定された項目とのマッチングを行なうマッチング部と、前記マッチングの結果、前記抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定する順位決定部と、前記決定された表示順位に基づいて、前記設定された項目の詳細情報を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明において、「電子カルテ中の項目」とは、ユーザが視認できるように、電子カルテ中に表示される表示領域である。この表示領域には、例えば、医師の医療行為を端的に示す用語とそれを含むアイコンを表示することができる。この表示領域は、ある患者に対する医師の医療行為を示す情報を保存する保存領域と対応付けられている。また、保存領域は、その項目に対する医療行為およびその医療行為が行なわれた時間を保存する。
【0012】
このように、ユーザの入力操作に基づいて、電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定し、設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得し、医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、取得した記述情報の形態要素解析を行ない、形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出し、抽出された関連する医療用単語と設定された項目とのマッチングを行ない、マッチングの結果、抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定し、決定された表示順位に基づいて、設定された項目の詳細情報を表示するので、大量のデータが存在する場合であっても、データの詳細を表示する際に、最適な順位で表示することが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0013】
(2)また、本発明の電子カルテシステムは、前記電子カルテで表示されているタイムスケールを取得するタイムスケール取得部を更に備え、前記順位決定部は、前記タイムスケールと前記設定された項目との関連性に基づいて、前記表示順位を決定することを特徴とする。
【0014】
このように、タイムスケールと設定された項目との関連性に基づいて、表示順位を決定するので、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0015】
(3)また、本発明の電子カルテシステムは、現在表示しているデータの開始時刻および終了時刻を取得する時刻取得部を更に備え、前記順位決定部は、前記取得したデータの開始時刻と終了時刻とから中心時刻を算出し、前記開始時刻と前記中心時刻とに基づいて、前記表示順位を決定することを特徴とする。
【0016】
このように、取得したデータの開始時刻と終了時刻とから中心時刻を算出し、開始時刻と中心時刻とに基づいて、表示順位を決定するので、ユーザが設定した項目に関連する記述情報が複数存在する場合であっても、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0017】
(4)また、本発明のプログラムは、電子カルテ上に時系列に沿って入力された複数のデータを表示するプログラムであって、ユーザの入力操作に基づいて、前記電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定する処理と、前記設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得する処理と、医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、前記取得した記述情報の形態要素解析を行なう処理と、前記形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出する処理と、前記抽出された関連する医療用単語と前記設定された項目とのマッチングを行なう処理と、前記マッチングの結果、前記抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定する処理と、前記決定された表示順位に基づいて、前記設定された項目の詳細情報を表示する処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
このように、ユーザの入力操作に基づいて、電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定し、設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得し、医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、取得した記述情報の形態要素解析を行ない、形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出し、抽出された関連する医療用単語と設定された項目とのマッチングを行ない、マッチングの結果、抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定し、決定された表示順位に基づいて、設定された項目の詳細情報を表示するので、大量のデータが存在する場合であっても、データの詳細を表示する際に、最適な順位で表示することが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0019】
(5)また、本発明のプログラムは、前記電子カルテで表示されているタイムスケールを取得する処理と、前記タイムスケールと前記設定された項目との関連性に基づいて、前記表示順位を決定する処理と、を更に含むことを特徴とする。
【0020】
このように、タイムスケールと設定された項目との関連性に基づいて、表示順位を決定するので、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0021】
(6)また、本発明のプログラムは、現在表示しているデータの開始時刻および終了時刻を取得する処理と、前記取得したデータの開始時刻と終了時刻とから中心時刻を算出し、前記開始時刻と前記中心時刻とに基づいて、前記表示順位を決定する処理と、を更に含むことを特徴とする。
【0022】
このように、取得したデータの開始時刻と終了時刻とから中心時刻を算出し、開始時刻と中心時刻とに基づいて、表示順位を決定するので、ユーザが設定した項目に関連する記述情報が複数存在する場合であっても、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザの入力操作に基づいて、電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定し、設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得し、医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、取得した記述情報の形態要素解析を行ない、形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出し、抽出された関連する医療用単語と設定された項目とのマッチングを行ない、マッチングの結果、抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定し、決定された表示順位に基づいて、設定された項目の詳細情報を表示するので、大量のデータが存在する場合であっても、データの詳細を表示する際に、最適な順位で表示することが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る電子カルテシステム10の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る電子カルテシステムの動作を示すフローチャートである。
【図3】ユーザによって設定された行為項目と時間幅を示す図である。
【図4】SOAP情報の一例を示す図である。
【図5】医療用単語と、関連単語と、それらの結びつき(関連強度)とを示す図である。
【図6】関連単語と行為項目名称のマッチングの様子を示す図である。
【図7】マッチングした行為項目を結びつきの強い順に表示した例を示す図である。
【図8】項目とタイムスケールとの相関関係を示す図である。
【図9】本実施形態に係る電子カルテシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図10】複数のSOAP情報が含まれる場合に優先順位を決定する様子を示す図である。
【図11】電子カルテシステムの画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る電子カルテシステム10の概略構成を示すブロック図である。本実施形態において、「電子カルテ中の項目」とは、ユーザが視認できるように、電子カルテ中に表示される表示領域である。この表示領域には、例えば、医師の医療行為を端的に示す用語とそれを含むアイコンを表示することができる。この表示領域は、ある患者に対する医師の医療行為を示す情報を保存する保存領域と対応付けられている。また、保存領域は、その項目に対する医療行為およびその医療行為が行なわれた時間を保存する。
【0026】
項目・区間指定部11は、ユーザの入力操作に基づいて、電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定する。ユーザの入力操作は、画面に対して指やマウスを使って項目を囲む動作である。画面には、タイムスケールと行為項目とが表示されており、ユーザは、いずれかの項目とタイムスケールに対応する時間的長さを示すデータを含むように囲むことによって、項目と時間幅を設定する。時刻・SOAP情報保持部12は、各行為項目とそのデータが入力された時刻とを保持する。SOAP情報取得部13は、ユーザによって設定された行為項目および時間幅に含まれる記述情報(SOAP情報)を取得する。SOAP情報取得部13は、記述情報取得部を構成する。
【0027】
形態要素解析用辞書14は、医療用単語を保持する。形態要素解析部15は、形態要素解析用辞書14に基づいて、上記のように取得したSOAP情報の形態要素解析を行なう。関連語保持部16は、医療用単語同士の関係性が記述される。関連語抽出部17は、形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を、関係単語辞書から抽出する。マッチング部18は、抽出された関連する医療用単語と設定された項目とのマッチングを行なう。項目順位決定部19は、マッチングの結果、抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定する。表示部20は、決定された表示順位に基づいて、設定された項目の詳細情報を表示する。
【0028】
次に、以上のように構成された本実施形態に係る電子カルテシステムの動作について説明する。図2は、本実施形態に係る電子カルテシステムの動作を示すフローチャートである。まず、ユーザにより、詳細表示項目と時間が指定される(ステップS1)。ここでは、図3に示すように、ユーザによって、データ区間と項目が指定される。ただし、この状態は、ユーザによって囲まれた領域内に多数のデータが存在する場合は、すべてを一度に表示するため、視認性が良いとは言えない。そこで、SOAP情報に含まれる医療用単語とタイムスケールから、重要な項目を抽出して、表示することとする。例えば、ユーザにより、“2010/10/10 00:00〜2010/10/10 24:00”といった時間幅が指定されたとする。
【0029】
次に、当該時間に存在する自由記述情報(SOAP情報)を取得する(ステップS2)。具体的には、ステップS1で指定された時間内に含まれるSOAP情報を抽出する。例えば、図4に示すように、“風邪 2、3日前から”といった情報が抽出される。次に、ステップS2で取得した自由記述情報の形態要素解析を行なう(ステップS3)。この形態要素解析では、形態要素解析用辞書を用いて、医療用単語を抽出する。
【0030】
次に、ステップS3で抽出した医療用単語から、単語関係性辞書を用いて、関連する単語とその関連強度を抽出する(ステップS4)。図5は、医療用単語と、関連単語と、それらの結びつき(関連強度)とを示す図である。次に、上記関連用語と項目とのマッチングを行ない、マッチした項目のうち、関連強度の強いものから順番に表示順を決定する(ステップS5)。図6は、関連単語と行為項目名称とのマッチング結果を示す図である。また、図7は、マッチングした行為項目を結びつきの強い順に表示した例を示す図である。最後に、ステップS5で決定した表示順に基づいて、詳細情報の表示を行なう(ステップS6)。
【0031】
なお、図8に示すように、項目とタイムスケールとの相関関係に基づいて、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることも可能である。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、大量のデータが存在する場合であっても、データの詳細を表示する際に、最適な順位で表示することが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0033】
(第2の実施形態)
図9は、本実施形態に係る電子カルテシステムの概略構成を示すブロック図である。図1に示した第1の実施形態との相違点は、SOAP優先順位決定部21、タイムスケール取得部22、タイムスケール・項目相関度保持部23を備えていることである。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。第2の実施形態は、ユーザが設定した領域内に、複数のSOAP情報が含まれていた場合に有効である。すなわち、SOAP優先順位決定部21は、SOAP情報取得部13が取得した自由記述情報の優先順位を決定する。この決定方法は問わない。例えば、医療用語数の多い項目の優先順位を高くすることができる。
【0034】
また、図10に示すように、複数の自由記述情報が、ユーザが設定した領域に存在する場合は、囲まれた範囲の中心時刻と、各SOAP情報の開始時刻との差の2乗に比例する係数を、図8で示した結びつきテーブルに掛け合わせる。これにより、一時的に優先度を修正することが可能である。図10に示す例で説明すると、囲まれた範囲内に含まれる2つのSOAP情報は、(a−b)と(a−c)に比例する。
【0035】
タイムスケール取得部22は、ユーザが領域を設定したときのタイムスケールを取得する。タイムスケール・項目相関度保持部23は、図8に示したようなタイムスケールと項目との相関度を保持する。項目順位決定部19は、SOAP優先順位決定部21やタイムスケール・項目相関度保持部23からの入力に基づいて、表示順序を決定する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが設定した項目に関連する記述情報が複数存在する場合であっても、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0037】
なお、以上説明したような本発明の特徴的な動作は、コンピュータにプログラムを実行させることによっても実現することが可能である。すなわち、本発明のプログラムは、電子カルテ上に時系列に沿って入力された複数のデータを表示するプログラムであって、ユーザの入力操作に基づいて、前記電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定する処理と、前記設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得する処理と、医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、前記取得した記述情報の形態要素解析を行なう処理と、前記形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出する処理と、前記抽出された関連する医療用単語と前記設定された項目とのマッチングを行なう処理と、前記マッチングの結果、前記抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定する処理と、前記決定された表示順位に基づいて、前記設定された項目の詳細情報を表示する処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0038】
また、本発明のプログラムは、前記電子カルテで表示されているタイムスケールを取得する処理と、前記タイムスケールと前記設定された項目との関連性に基づいて、前記表示順位を決定する処理と、を更に含むことを特徴とする。
【0039】
また、本発明のプログラムは、現在表示しているデータの開始時刻および終了時刻を取得する処理と、前記取得したデータの開始時刻と終了時刻とから中心時刻を算出し、前記開始時刻と前記中心時刻とに基づいて、前記表示順位を決定する処理と、を更に含むことを特徴とする。
【0040】
これにより、大量のデータが存在する場合であっても、データの詳細を表示する際に、最適な順位で表示することが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。また、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。ユーザが設定した項目に関連する記述情報が複数存在する場合であっても、現在表示中のタイムスケールに合わせて最適な項目の値の優先度を上げることが可能となる。その結果、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
10 電子カルテシステム
11 項目・区間指定部
12 時刻・SOAP情報保持部
13 SOAP情報取得部
14 形態要素解析用辞書
15 形態要素解析部
16 関連語保持部
17 関連語抽出部
18 マッチング部
19 項目順位決定部
20 表示部
21 SOAP優先順位決定部
22 タイムスケール取得部
23 タイムスケール・項目相関度保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテ上に時系列に沿って入力された複数のデータを表示する電子カルテシステムであって、
ユーザの入力操作に基づいて、前記電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定する項目・区間指定部と、
前記設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得する記述情報取得部と、
医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、前記取得した記述情報の形態要素解析を行なう形態要素解析部と、
前記形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出する関連単語抽出部と、
前記抽出された関連する医療用単語と前記設定された項目とのマッチングを行なうマッチング部と、
前記マッチングの結果、前記抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定する順位決定部と、
前記決定された表示順位に基づいて、前記設定された項目の詳細情報を表示する表示部と、を備えることを特徴とする電子カルテシステム。
【請求項2】
前記電子カルテで表示されているタイムスケールを取得するタイムスケール取得部を更に備え、
前記順位決定部は、前記タイムスケールと前記設定された項目との関連性に基づいて、前記表示順位を決定することを特徴とする請求項1記載の電子カルテシステム。
【請求項3】
現在表示しているデータの開始時刻および終了時刻を取得する時刻取得部を更に備え、
前記順位決定部は、前記取得したデータの開始時刻と終了時刻とから中心時刻を算出し、前記開始時刻と前記中心時刻とに基づいて、前記表示順位を決定することを特徴とする請求項1記載の電子カルテシステム。
【請求項4】
電子カルテ上に時系列に沿って入力された複数のデータを表示するプログラムであって、
ユーザの入力操作に基づいて、前記電子カルテ中のいずれかの項目および時間幅を設定する処理と、
前記設定された項目および時間幅に含まれる記述情報を取得する処理と、
医療用単語を保持する形態要素解析用辞書に基づいて、前記取得した記述情報の形態要素解析を行なう処理と、
前記形態要素解析で抽出された医療用単語に関連する医療用単語を医療用単語同士の関係性が記述された関係単語辞書から抽出する処理と、
前記抽出された関連する医療用単語と前記設定された項目とのマッチングを行なう処理と、
前記マッチングの結果、前記抽出された関連する医療用単語との関連性が強い順に表示順位を決定する処理と、
前記決定された表示順位に基づいて、前記設定された項目の詳細情報を表示する処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記電子カルテで表示されているタイムスケールを取得する処理と、
前記タイムスケールと前記設定された項目との関連性に基づいて、前記表示順位を決定する処理と、を更に含むことを特徴とする請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
現在表示しているデータの開始時刻および終了時刻を取得する処理と、
前記取得したデータの開始時刻と終了時刻とから中心時刻を算出し、前記開始時刻と前記中心時刻とに基づいて、前記表示順位を決定する処理と、を更に含むことを特徴とする請求項4記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97619(P2013−97619A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240586(P2011−240586)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)