説明

電子カルテ管理装置、電子カルテシステム、電子カルテ管理方法及び電子カルテ管理プログラム

【課題】 ミスオペレーションを低減させる電子カルテ管理装置を提供する。
【解決手段】 電子カルテ管理装置(100)は、電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に格納部(104)に仮保存する。そして、電子カルテ管理装置(100)は、格納部(104)に仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、格納部(104)に仮保存した電子カルテを正式に格納部(101)に確定保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療所及び医療機関において作成される診療情報を電子的な情報(電子カルテ)として管理することが可能な電子カルテ管理装置、電子カルテシステム、電子カルテ管理方法及び電子カルテ管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療における紙記載の優れた特性としては、取り扱いの容易性にある。例えば、紙であれば、自由に手書きメモをすることが可能であったり、コピーを貼り付けたり、定型の図などを貼り付け、その上から記録することも可能であったりする。また、強調する内容に下線や印を記載することも可能である。さらに、紙にタグをつけたり、色別のファイルに保管したり、視覚性の高い管理を行うことが可能であり、大量の情報にざっと目を通すことも可能となる。
【0003】
しかしながら、医療における紙記載は、破損や保管場所の確保、また、その検索の困難性等が指摘されていた。このため、近年では、紙によって管理されていた書類(カルテや処方箋など)の電子化を図った電子カルテシステムがある。この電子カルテシステムの優れた特性としては、データの保管・管理を一元化したり、共有化したりすることが可能となり、また、大量のデータをキーワード検索にて取得することも可能となることである。
【0004】
なお、従来の電子カルテシステムは、タッチパネルなどの入力表示部から多種多様な電子カルテデータが入力されると、その入力された電子カルテデータが、データベースに即時に登録されることになる。このため、データベースに即時に登録された電子カルテデータを、他の病院職員が読み出して参照することが可能となるため、電子カルテデータの即時伝達を行うことが可能となる。しかしながら、入力表示部から入力される電子カルテデータの確認作業を行う機会が少なくなり、ミスオペレーションが発生する可能性が高くなる。例えば、電子カルテデータの登録が即時に行われることになると、仮に誤った電子カルテデータが入力表示部から入力されたとしても、その誤った電子カルテデータが即時にデータベースに登録されることになるため、その誤った電子カルテデータが他の病院職員に伝達される虞がある。このため、ミスオペレーションに対する防止策が必要となり、入力表示部から入力された電子カルテデータをデータベースに登録する前に、電子カルテデータの検査を行う必要がある。
【0005】
また、従来の電子カルテシステムは、患者選択画面とカルテ参照画面と、は常に画面全体を利用して表示されていた。このため、画面全体を利用して表示されると、複数の画面を同時に参照しながら操作することが困難となり、様々な操作を行う際に、画面上での操作が複雑にならざるを得ない状態を確立していたことになる。このため、ミスオペレーションが発生する可能性が高くなる。
【0006】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、各医療機関が有する患者データをそれぞれ医療機関のコンピュータで管理し、各患者はそれぞれが有する通信手段によって前記コンピュータとデータ通信可能として少なくとも病名、検査結果及び投薬内容を知得可能としかつ診察予約可能とし、前記医療機関終了時にアップロードされ、患者自身に関する様々な情報をコンピュータで管理し、関係者に自己カルテ等の情報を携帯電話やPDA及びパーソナルコンピュータ等を通じて開示し、医療の合理化をはかると共に病院での待ち時間を減らすことができる医療情報開示システムが開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、患者リストの各項目の情報を診療情報データベースから取得して一覧表示する患者リスト表示機能を備えた診療支援装置であって、患者リストの一項目として処方項目を設定する処方項目設定手段と、処方項目が設定されている場合に取得される処方情報と現在日時とに基づいて処方の残り日数を処方毎に各々算出する処方日数算出手段と、処方毎に算出された各処方の残り日数を各々当該処方の対象患者の処方項目の欄に表示する処方表示制御手段と、を有し、患者一覧画面で処方の残り日数が少ない患者を確実に見出して、投薬等が途切れる前に次回の処方を確実に行い得るようにする診療支援装置が開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−196384号公報
【特許文献2】特開2003−91587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
なお、上記特許文献1、2は、患者に関する情報を効率良く管理するものではあるが、その患者に関する情報の保存操作及び表示操作については何ら考慮されたものではない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ミスオペレーションを低減させる電子カルテ管理装置、電子カルテシステム、電子カルテ管理方法及び電子カルテ管理プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
【0011】
本発明にかかる電子カルテ管理装置は、電子カルテを管理する電子カルテ管理装置であって、電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に仮保存する電子カルテ仮保存手段と、仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、電子カルテ仮保存手段により仮保存した電子カルテを正式に確定保存する電子カルテ格納手段と、を有することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明にかかる電子カルテ管理装置は、電子カルテ仮保存手段により仮保存した電子カルテの修正要求を受信した際に、仮保存した電子カルテと、電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて仮保存することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明にかかる電子カルテ管理装置において、電子カルテ格納手段は、仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、仮保存した電子カルテを関連電子カルテに関連づけて確定保存することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明にかかる電子カルテ管理装置は、電子カルテの仮保存が完了した際に、該仮保存した電子カルテを、仮保存要求先に通知する仮保存カルテ通知手段を有し、電子カルテ格納手段は、仮保存要求先から確定保存要求を受信した際に、仮保存した電子カルテを正式に確定保存することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明にかかる電子カルテシステムは、電子カルテを生成するクライアント端末装置と、電子カルテを管理する電子カルテ管理装置と、を有して構成される電子カルテシステムであって、クライアント端末装置は、電子カルテを生成し、該生成した電子カルテの仮保存要求を電子カルテ管理装置に送信する仮保存要求送信手段と、仮保存要求を送信した電子カルテの確定保存要求を電子カルテ管理装置に送信する確定保存要求送信手段と、を有し、電子カルテ管理装置は、仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に仮保存する電子カルテ仮保存手段と、確定保存要求を受信した際に、電子カルテ仮保存手段により仮保存した電子カルテを正式に確定保存する電子カルテ格納手段と、を有することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明にかかる電子カルテシステムにおいて、電子カルテ管理装置は、仮保存要求の電子カルテを一時的に仮保存した際に、該仮保存した電子カルテをクライアント端末装置に送信する仮保存カルテ送信手段を有し、クライアント端末装置は、電子カルテ管理装置から、仮保存した電子カルテを受信した際に、仮保存した電子カルテを表示する仮保存カルテ表示手段を有することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明にかかる電子カルテシステムにおいて、クライアント端末装置は、仮保存カルテ表示手段により表示された電子カルテの閉鎖要求操作が行われた際に、仮保存要求を送信した電子カルテの確定保存要求を送信することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明にかかる電子カルテシステムにおいて、クライアント端末装置は、仮保存カルテ表示手段により表示された電子カルテの修正操作が行われたと判断した際に、修正操作が行われた電子カルテの修正要求を電子カルテ管理装置に送信し、電子カルテ管理装置は、仮保存電子カルテの修正要求を受信した際に、仮保存した電子カルテと、電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて仮保存することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明にかかる電子カルテシステムにおいて、電子カルテ管理装置は、仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、仮保存した電子カルテを関連電子カルテに関連づけて確定保存することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明にかかる電子カルテシステムにおいて、クライアント端末装置は、電子カルテ格納手段により正式に確定保存した確定電子カルテを表示する電子カルテ表示手段と、電子カルテを生成するためのカルテ入力画面を表示するカルテ入力画面表示手段と、を有し、電子カルテ表示手段により表示する確定電子カルテと、カルテ入力画面表示手段により表示するカルテ入力画面と、を重ならないように表示することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明にかかる電子カルテシステムにおいて、クライアント端末装置は、電子カルテ表示手段により表示する確定電子カルテを時系列的に表示することを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法は、電子カルテを管理する電子カルテ管理装置が行う電子カルテ管理方法であって、カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを電子カルテ装置の具備する格納部に一時的に仮保存する電子カルテ仮保存工程と、仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、電子カルテ仮保存工程により格納部に仮保存した電子カルテを正式に格納部に確定保存する電子カルテ格納工程と、を、電子カルテ管理装置が行うことを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、電子カルテ管理装置は、電子カルテ仮保存工程により仮保存した電子カルテの修正要求を受信した際に、仮保存した電子カルテと、電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて格納部に仮保存することを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、電子カルテ管理装置は、仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、仮保存した電子カルテを関連電子カルテに関連づけて格納部に確定保存することを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、電子カルテ管理装置は、電子カルテの仮保存が完了した際に、該仮保存した電子カルテを、仮保存要求先に通知する仮保存カルテ通知工程を行い、仮保存要求先から確定保存要求を受信した際に、仮保存した電子カルテを正式に格納部に確定保存することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法は、電子カルテを生成するクライアント端末装置と、電子カルテを管理する電子カルテ管理装置と、を用いて行う電子カルテ管理方法であって、クライアント端末装置が、電子カルテを生成し、該生成した電子カルテの仮保存要求を電子カルテ管理装置に送信する仮保存要求送信工程と、電子カルテ管理装置が、クライアント端末装置から仮保存要求を受信した際に、該受信した仮保存要求の電子カルテを一時的に電子カルテ管理装置の具備する格納部に仮保存する電子カルテ仮保存工程と、クライアント端末装置が、仮保存要求を送信した電子カルテの確定保存要求を電子カルテ管理装置に送信する確定保存要求送信工程と、電子カルテ管理装置が、クライアント端末装置から確定保存要求を受信した際に、電子カルテ仮保存工程により格納部に仮保存した電子カルテを正式に格納部に確定保存する電子カルテ格納工程と、を行うことを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法は、電子カルテ管理装置が、仮保存要求の電子カルテを一時的に格納部に仮保存した際に、該仮保存した電子カルテをクライアント端末装置に送信する仮保存カルテ送信工程と、クライアント端末装置が、電子カルテ管理装置から仮保存した電子カルテを受信した際に、該受信した電子カルテをクライアント端末装置の具備する表示部に表示する仮保存カルテ表示工程と、を行うことを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、クライアント端末装置は、仮保存カルテ表示工程により表示部に表示した電子カルテの閉鎖要求操作が行われたと判断した際に、仮保存要求を送信した電子カルテの確定保存要求を電子カルテ管理装置に送信することを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、クライアント端末装置は、仮保存カルテ表示工程により表示部に表示した電子カルテの修正操作が行われたと判断した際に、修正操作が行われた電子カルテの修正要求を電子カルテ管理装置に送信し、電子カルテ管理装置は、電子カルテの修正要求を受信した際に、仮保存した電子カルテと、電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて格納部に仮保存することを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、電子カルテ管理装置は、仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、仮保存した電子カルテを関連電子カルテに関連づけて格納部に確定保存することを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、クライアント端末装置は、電子カルテ格納工程により格納部に正式に確定保存した確定電子カルテを表示部に表示する電子カルテ表示工程と、電子カルテを生成するためのカルテ入力画面を表示部に表示するカルテ入力画面表示工程と、を行い、電子カルテ表示工程により表示する確定電子カルテと、カルテ入力画面表示工程により表示するカルテ入力画面と、を重ならないように表示することを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明にかかる電子カルテ管理方法において、クライアント端末装置は、電子カルテ表示工程により表示部に表示する確定電子カルテを時系列的に表示することを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明にかかる電子カルテ管理プログラムは、電子カルテを管理する電子カルテ管理装置において実行される電子カルテ管理プログラムであって、電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に電子カルテ管理装置の格納部に仮保存する電子カルテ仮保存処理と、仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、電子カルテ仮保存処理により格納部に仮保存した電子カルテを正式に格納部に確定保存する電子カルテ格納処理と、を電子カルテ管理装置において実行させることを特徴とするものである。
【0034】
また、本発明にかかる電子カルテ管理プログラムは、電子カルテ仮保存処理により仮保存した電子カルテの修正要求を受信した際に、仮保存した電子カルテと、電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて格納部に仮保存する処理を、電子カルテ管理装置において実行させることを特徴とするものである。
【0035】
また、本発明にかかる電子カルテ管理プログラムにおいて、電子カルテ格納処理は、仮保存した電子カルテを格納部に正式に確定保存する際に、仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、仮保存した電子カルテを関連電子カルテに関連づけて格納部に確定保存することを特徴とするものである。
【0036】
また、本発明にかかる電子カルテ管理プログラムは、電子カルテの仮保存が完了した際に、該仮保存した電子カルテを、仮保存要求先に通知する仮保存カルテ通知処理を、電子カルテ管理装置において実行させ、仮保存要求先から確定保存要求を受信した際に、仮保存した電子カルテを正式に格納部に確定保存することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に電子カルテ管理装置の格納部に仮保存し、その仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、格納部に仮保存した電子カルテを正式に格納部に確定保存する。これにより、ミスオペレーションを低減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
まず、図1を参照しながら、本実施形態における電子カルテシステムについて説明する。
【0039】
本実施形態における電子カルテシステムは、電子カルテを生成するクライアント端末装置(120)と、電子カルテを管理する電子カルテ管理装置(100)と、がネットワーク(110)を介して接続されて構成される電子カルテシステムである。
【0040】
本実施形態における電子カルテシステムは、クライアント端末装置(120)において電子カルテを生成し、該生成した電子カルテの仮保存を要求するための仮保存要求を電子カルテ管理装置(100)に送信する。電子カルテ管理装置(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該受信した仮保存要求の電子カルテを一時的に仮保存する。その後、クライアント端末装置(120)は、電子カルテ管理装置(100)に仮保存要求を行った電子カルテの確定保存を要求するための確定保存要求を電子カルテ管理装置(100)に送信する。電子カルテ管理装置(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から電子カルテの確定保存要求を受信した際に、仮保存を行った電子カルテを正式に確定保存することになる。このように、クライアント端末装置(120)において生成した電子カルテを、一旦、電子カルテ管理装置(100)において仮保存し、その後、クライアント端末装置(120)から電子カルテの確定保存要求が送信された際に、その仮保存した電子カルテを正式に確定保存することで、クライアント端末装置(120)において生成した電子カルテを確認した後に、電子カルテ装置(100)に確定保存することが可能となり、ミスオペレーションを低減させることが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における電子カルテシステムについて詳細に説明する。
【0041】
まず、図1を参照しながら、本実施形態における電子カルテシステムのシステム構成について説明する。
【0042】
本実施形態における電子カルテシステムは、電子カルテサーバ(100)と、WEBクライアント端末装置(120)と、がネットワーク(110)を介して接続して構成される。なお、ネットワーク(110)は、電子カルテサーバ(100)と、WEBクライアント端末装置(120)と、の間で情報の授受ができれば、特に限定するものではなく、有線、無線を問わずあらゆる情報通信形態を適用することは可能である。
【0043】
<電子カルテサーバ100>
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から登録される電子カルテデータを格納管理する情報処理装置であり、電子カルテ格納部(101)と、カルテ伝送部(102)と、カルテ制御部(103)と、中間カルテ格納部(104)と、を有して構成される。
【0044】
電子カルテ格納部(101)は、例えば、図2に示すように、患者の過去の電子カルテデータを格納する格納部である。
【0045】
図2に示すように、電子カルテ格納部(101)は、患者情報に関連づけて、カルテ登録日情報が格納されており、そのカルテ登録日情報に関連づけられてカルテ保存情報や修正元・削除元情報が格納されることになる。
【0046】
なお、患者情報としては、患者を識別するための患者IDや、患者氏名などがあげられる。また、カルテ登録日情報としては、カルテの登録日、患者の入院外来区分などがあげられる。また、カルテ保存情報としては、カルテ記入情報、そのカルテ記入情報を作成した操作者情報、そのカルテ記入情報の送信先となるWEBクライアント端末装置を識別する操作端末、診療科などがあげられる。また、修正元・削除元情報としては、修正・削除前のカルテ保存情報を示す修正元情報、削除元情報、その修正・削除操作を行った操作者情報、その修正・削除操作を行ったWEBクライアント端末装置を識別する操作端末、診療科などがあげられる。なお、電子カルテ格納部(101)で格納管理する電子カルテデータの管理方法は、患者の電子カルテが区分管理されれば特に限定せず、各情報が関連づけられた形態のデータ構造であればあらゆるデータ構造を適用することが可能である。
【0047】
中間カルテ格納部(104)は、例えば、図3に示すように、WEBクライアント端末装置(120)から送信された電子カルテデータを一時的に仮保存する格納部である。
【0048】
図3に示すように、中間カルテ格納部(104)は、操作者情報に関連づけて、患者情報が格納されており、その患者情報に関連づけてカルテ記入情報が格納されることになる。
【0049】
なお、操作者情報としては、操作者を識別するための操作者ID、操作者氏名、その操作者が操作したWEBクライアント端末装置を識別する操作端末、診療科などがあげられる。また、患者情報としては、患者を識別する患者ID、患者氏名、患者の入院外来区分、診療科などがあげられる。また、カルテ記入情報としては、カルテ情報、カルテ情報の修正・削除前のカルテ情報を示す修正元情報、削除元情報などがあげられる。なお、中間カルテ格納部(104)で格納管理する電子カルテデータの管理方法は、患者の電子カルテが区分管理されれば特に限定せず、各情報が関連づけられた形態のデータ構造であればあらゆるデータ構造を適用することが可能である。
【0050】
カルテ伝送部(102)は、電子カルテ格納部(101)に格納されている電子カルテデータと、中間カルテ格納部(104)に仮保存されている電子カルテデータと、を、WEBクライアント端末装置(120)に送信したり、WEBクライアント端末装置(120)から送信された電子カルテデータを受信したりするものである。
【0051】
カルテ制御部(103)は、電子カルテデータに関する制御処理を行うものであり、電子カルテ格納部(101)から電子カルテデータを取得し、該取得した電子カルテデータをWEBクライアント端末装置(120)に送信したり、WEBクライアント端末装置(120)から送信される電子カルテデータを中間カルテ格納部(104)に仮保存したり、その中間カルテ格納部(104)に仮保存した電子カルテデータをWEBクライアント端末装置(120)に送信したり、電子カルテ格納部(101)に確定保存したりするものである。なお、このカルテ制御部(103)における制御処理は、電子カルテアプリケーションプログラムを用いて行うことも可能である。
【0052】
<WEBクライアント端末装置120>
WEBクライアント端末装置(120)は、電子カルテデータを電子カルテサーバ(100)に登録する情報処理装置であり、カルテ伝送部(121)と、カルテ表示部(122)と、カルテ制御部(123)と、を有して構成される。なお、カルテ表示部(122)には、患者一覧画面(1220)と、カルテ主画面(1221)と、カルテ入力画面(1222)と、新規入力画面(1223)と、が表示されることになる。
【0053】
カルテ伝送部(121)は、電子カルテデータを電子カルテサーバ(100)に送信したり、電子カルテサーバ(100)から送信された電子カルテデータを受信したりするものである。
【0054】
カルテ表示部(122)は、電子カルテデータを表示したり、記入したりするものであり、患者一覧画面(1220)と、カルテ主画面(1221)と、カルテ入力画面(1222)と、新規入力画面(1223)と、が表示されることになる。なお、患者一覧画面(1220)は、患者の一覧を表示することになる。また、カルテ主画面(1221)は、患者の過去の電子カルテデータを表示することになる。また、カルテ入力画面(1222)は、電子カルテデータを記入することになる。また、新規入力画面(1223)は、中間カルテ格納部(104)に仮保存した電子カルテデータを表示することになる。
【0055】
(本実施形態における電子カルテシステムにおける処理動作)
次に、図4を参照しながら、本実施形態における電子カルテシステムにおける第1の処理動作について詳細に説明する。なお、図4は、WEBクライアント端末装置(120)のカルテ表示部(122)において電子カルテデータを表示する際の処理動作を示すものである。
【0056】
まず、操作者が、WEBクライアント端末装置(120)の保有する電子カルテアプリケーションプログラムを起動し、該起動した電子カルテアプリケーションプログラムによりカルテ制御部(123)が、カルテ表示部(122)上にログイン画面を表示することになる。そして、操作者が、そのログイン画面から操作者を識別する操作者情報を入力し、患者一覧画面(1220)の表示要求操作を行うことになる。
【0057】
カルテ制御部(123)は、患者一覧画面(1220)の表示要求操作が行われたと判断した際に、カルテ制御部(123)は、そのWEBクライアント端末装置(120)を操作している操作者情報と、患者一覧画面(1220)の取得要求と、を電子カルテサーバ(100)に送信する。
【0058】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、患者一覧画面(1220)の取得要求と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、電子カルテ格納部(101)を検索し、WEBクライアント端末装置(120)から受信した操作者情報に関連づけられたカルテ保存情報を有する患者情報を取得し(図2参照)、該取得した患者情報と、操作者情報と、をWEBクライアント端末装置(120)に送信する。
【0059】
WEBクライアント端末装置(120)は、電子カルテサーバ(100)から、患者情報と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(123)が、電子カルテサーバ(100)から受信した患者情報と、操作者情報と、を基に、カルテ表示部(122)上に、予約患者単位、担当患者単位などでフィルタリングされた患者一覧画面(1220)を表示することになる(ステップS1)。これにより、カルテ表示部(122)上には、図5に示すような患者一覧画面(1220)が表示されることになり、操作者は、カルテ表示部(122)上で患者一覧画面(1220)を参照することが可能となる。
【0060】
なお、患者一覧画面(1220)は、患者表示欄(1220A)と、患者一覧表示TAB(1220B)と、から構成され、患者一覧画面(1220)を管理するための情報が付与されることになる。そして、カルテ表示部(122)上に表示される患者一覧画面(1220)には、その患者一覧画面(1220)を管理するための患者一覧表示TAB(1220B)と関連付けられて表示されることになる。
【0061】
次に、操作者は、カルテ表示部(122)上に表示された患者一覧画面(1220)の患者表示欄(1220A)の中から、過去の電子カルテを参照したい患者を選択し、患者の過去の電視カルテを参照するための参照要求操作を行うことになる。
【0062】
カルテ制御部(123)は、電子カルテの参照要求操作が行われたと判断した際に、患者表示欄(1220A)の中から選択された患者に関する電子カルテの取得要求と、その選択された患者の患者情報と、を電子カルテサーバ(100)に送信する(ステップS2)。
【0063】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、電子カルテの取得要求と、患者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、電子カルテ格納部(101)を検索し、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報に関連付けられた電子カルテデータを取得する(ステップS3)。そして、カルテ制御部(103)は、上記検索取得した電子カルテデータをWEBクライアント端末装置(120)に送信する(ステップS4)。
【0064】
WEBクライアント端末装置(120)は、電子カルテサーバ(100)から、参照要求の患者情報の電子カルテデータを受信した際に、カルテ制御部(123)は、カルテ主画面(1221)をカルテ表示部(122)上に起動・表示し、カルテ制御部(123)は、WEBクライアント端末装置(120)から受信した電子カルテデータを、カルテ主画面(1221)上に表示することになる(ステップS5)。これにより、カルテ表示部(122)上には、図6に示すようなカルテ主画面(1221)が表示されることになり、操作者は、カルテ表示部(122)上に起動・表示したカルテ主画面(1221)上で、患者一覧画面(1220)上から選択操作した患者に関する過去の電子カルテデータを参照することが可能となる。
【0065】
なお、カルテ制御部(123)は、電子カルテサーバ(100)から取得した電子カルテデータをカルテ主画面(1221)上に表示する際に、その電子カルテデータを解析し、電子カルテデータに改竄等があると判断した場合には、エラー表示を行うことになる。なお、電子カルテデータには、入力データ単位毎に電子署名が付与されており、データ制御部(123)は、その電子カルテデータに付与された電子署名の検証を行うことになる。
【0066】
なお、本実施形態におけるWEBクライアント端末装置(120)は、カルテ表示部(122)上に、カルテ主画面(1221)を起動した際に、カルテ制御部(123)が、カルテ表示部(122)上に表示されている患者一覧画面(1220)を、図5の状態から図6に示す状態のように、カルテ表示部(122)の画面の左側に自動的に滑らかに動かし、患者一覧画面(1220)をカルテ表示部(122)上から隠蔽し、非表示状態とし、その患者一覧画面(1220)を管理する患者一覧表示TAB(1220B)のみを表示状態とする(ステップS6)。そして、カルテ表示部(122)上にカルテ主画面(1221)を表示し、該表示したカルテ主画面(1221)上に、過去の電子カルテデータを表示することになる。
【0067】
また、カルテ制御部(123)は、カルテ表示部(122)上に表示したカルテ主画面(1221)を患者情報毎に区分管理することになり、カルテ制御部(123)は、カルテ表示部(122)上にカルテ主画面(1221)を起動・表示した患者を管理するための患者TAB(1221A)を表示し(ステップS7)、該表示した患者TAB(1221A)を選択状態にする(ステップS8)。これにより、カルテ表示部(122)上には、図6に示すように、患者TAB(1221A)が付与されたカルテ主画面(1221)が表示されることになり、操作者は、カルテ表示部(122)上で現在表示されているカルテ主画面(1221)に関する患者の患者TAB(1221A)を分別することが可能となる。
【0068】
なお、本実施形態における電子カルテシステムは、上記選択した患者のカルテ主画面(1221)をカルテ表示部(122)上に表示した状態で、ステップS1〜ステップS8の処理を行い、他の患者のカルテ主画面(1221)を開くことも可能である。
【0069】
例えば、図6に示すように、カルテ表示部(122)上に表示されている患者一覧表示TAB(1220B)を、操作者が選択操作することで、カルテ制御部(123)が、患者一覧画面(1220)の参照要求操作が行われたと判断し、カルテ制御部(123)は、図5に示すように、患者表示欄(1220A)が表示状態となる患者一覧画面(1220)をカルテ表示部(122)上に表示する。そして、操作者が、カルテ表示部(122)上に表示されている患者一覧画面(1220)の患者表示欄(1220A)の中から別の患者を選択操作することで、カルテ制御部(123)は、上記選択操作された患者に関する患者情報の取得要求と、その選択された患者の患者情報と、を電子カルテサーバ(100)に送信し、その選択操作された患者に関する患者情報に関連づけられた電子カルテデータを、電子カルテサーバ(100)から取得する。
【0070】
そして、カルテ制御部(123)は、電子カルテサーバ(100)から電子カルテデータを受信した際に、該受信した電子カルテデータを表示するためのカルテ主画面(1221)をカルテ表示部(122)上に表示する。そして、カルテ制御部(123)は、カルテ主画面(1221)上に電子カルテデータを表示すると共に、そのカルテ主画面(1221)を管理する患者TAB(1221A)をカルテ主画面(1221)に付与して表示することになる。これにより、図6に示す患者TAB(1221A)に付け加えて、更に、今回取得した電子カルテデータを表示するためのカルテ主画面(1221)を管理する患者TAB(1221A)を付与し、図7に示すように、複数の患者TAB(1221A)が表示されることになる。
【0071】
次に、操作者は、患者に対する診察が終了した際に、その患者のカルテ主画面(1221)を閉じるための閉鎖要求操作を行い、カルテ制御部(123)が、そのカルテ主画面(1221)の閉鎖要求操作が行われたと判断した際に、その患者のカルテ主画面(1221)を閉じ、そのカルテ主画面(1221)の患者を管理する患者TAB(1221A)を削除し、カルテ表示部(122)上からその患者TAB(1221A)を消去することになる。
【0072】
このように、本実施形態における電子カルテシステムは、カルテ表示部(122)上に表示した患者一覧画面(1220)の中から選択された患者に関連する電子カルテデータをカルテ主画面(1221)上に表示する際に、そのカルテ主画面(1221)と、患者一覧画面(1220)と、の表示状態が重ならないように表示することで、患者一覧画面(1220)から、複数の患者の電子カルテデータを選択表示することが可能になり、カルテ表示部(122)上で紙カルテと同様に交互に電子カルテを参照しつつ複雑な操作を行うことが可能となる。
【0073】
なお、従来の電子カルテシステムでは、患者一覧画面(1220)は、カルテ表示部(122)上の画面全体に表示されていたので、患者の電子カルテデータを参照しながら他の患者の電子カルテデータを開くことが非常に困難であった。これに対し、本実施形態における電子カルテシステムは、患者一覧画面(1220)をカルテ表示部(122)の画面左側部分に表示し、画面右側部分で患者の電子カルテデータを参照することが可能となるため、患者の電子カルテをいつでも参照することが可能となり、現在の作業内容を把握せず、他の患者の電子カルテを開くことが可能となる。また、患者一覧画面(1220)を非表示状態とすることで、カルテ表示部(122)上での画面を有効利用することが可能となる。なお、本実施形態では、患者一覧画面(1220)をカルテ表示部(122)の画面左側部分に表示することにしたが、カルテ表示部(122)の表示枠沿に表示し、それ以外の部分にて患者の電子カルテデータを参照するように構築することも可能である。
【0074】
次に、図8を参照しながら、図7に示す患者TAB(1221A)の切り替え操作について詳細に説明する。
【0075】
複数の患者に関する過去の電子カルテデータを、電子カルテサーバ(100)から取得した場合には、カルテ表示部(122)上には、図7に示すように、複数の患者TAB(1221A)が表示されることになる。なお、患者TAB(1221A)は、電子カルテサーバ(100)から取得した患者の電子カルテデータの数だけ表示されることになる。この状態において、操作者が、カルテ表示部(122)上で現在選択されている患者TAB以外の他の患者TABを選択操作した際に、カルテ制御部(123)は、その選択操作された他の患者TABにより管理される患者のカルテ主画面(1221)を、カルテ表示部(122)上に表示するように切替制御を行うことになる(ステップS11)。
【0076】
まず、カルテ制御部(123)は、上記選択操作された他の患者TABに関する患者の電子カルテデータの取得要求と、その選択された患者の患者情報と、を電子カルテサーバ(100)に送信することになる(ステップS12)。
【0077】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、電子カルテデータの取得要求と、患者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、電子カルテ格納部(101)を検索し、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報に関連づけられた電子カルテデータを取得することになる(ステップS13)。そして、カルテ制御部(103)は、上記検索取得した電子カルテデータと、患者情報と、をWEBクライアント端末装置(120)に送信する(ステップS14)。
【0078】
WEBクライアント端末装置(120)は、電子カルテサーバ(100)から、電子カルテデータと、患者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(123)は、カルテ主画面(1221)をカルテ表示部(122)上に起動・表示し、カルテ主画面(1221)を切り替え表示することになる。そして、カルテ制御部(123)は、カルテ表示部(122)上に切替・表示したカルテ主画面(1221)上に、WEBクライアント端末装置(120)から受信した電子カルテデータを表示することになる(ステップS15)。そして、カード制御部(123)は、その切替・表示したカルテ主画面(1221)を管理する患者TAB(1221A)の表示状態を他の患者TABとは異なる表示状態とし、選択操作された患者TABを選択状態にすることになる(ステップS16)。
【0079】
このように、本実施形態における電子カルテシステムは、カルテ表示部(122)上に表示した患者の電子カルテデータ(1221)を、患者TAB(1221A)に関連づけて管理し、その患者TAB(1221A)を切り替えることで、その切り替えた患者TAB(1221A)に関連づけられた患者の電子カルテデータ(1221)をカルテ表示部(122)上に表示することが可能となる。
【0080】
なお、従来の電子カルテシステムでは、複数の電子カルテデータ(1221)を同時にカルテ表示部(122)上で参照することが困難であった。これに対し、本実施形態における電子カルテシステムは、患者の電子カルテデータ(1221)と患者TAB(1221A)と、を関連づけてカルテ表示部(122)上に表示することで、患者TAB(1221A)を選択操作するだけで、その選択操作された患者TAB(1221A)に関連づけられた患者の電子カルテデータ(1221)をカルテ表示部(122)上で切り替えて表示することが可能となり、紙カルテのような感覚で複数の電子カルテを交互に参照することが可能となる。
【0081】
次に、図9を参照しながら、本実施形態の電子カルテシステムにおける第2の処理動作について説明する。なお、図9は、電子カルテサーバ(100)が、WEBクライアント端末装置(120)から電子カルテデータを受信した際に、該受信した電子カルテデータを中間カルテ格納部(104)に仮保存し、WEBクライアント端末装置(120)から電子カルテデータの確定保存要求が行われた際に、その中間カルテ格納部(104)に一旦仮保存した電子カルテデータを電子カルテ格納部(101)に確定保存するものである。
【0082】
まず、操作者は、電子カルテアプリケーションプログラムを起動し、上述した第1の処理動作と同様に、WEBクライアント端末装置(120)の具備するカルテ表示部(122)上に、図5に示す患者一覧画面(1220)を表示することになる。次に、操作者は、図5に示す患者一覧画面(1220)の患者表示欄(1220A)の中から過去の電子カルテを閲覧したい任意の患者を選択することになる。
【0083】
WEBクライアント端末装置(120)は、カルテ表示部(122)上に表示された患者一覧画面(1220)の患者表示欄(1220A)の中から任意の患者が選択されたと判断した際に、カルテ制御部(123)が、カルテ主画面(1221)を起動し、その選択された患者に関するカルテ主画面(1221)をカルテ表示部(122)上に表示することになる。
【0084】
この場合、カルテ制御部(123)は、カルテ主画面(1221)の起動を決起とし、WEBクライアント端末装置(120)を操作している操作者に関する操作者情報と、その選択された患者に関する患者情報と、その患者の電子カルテの取得要求と、を電子カルテサーバ(100)に送信する(ステップS21)。
【0085】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、電子カルテの取得要求と、操作者情報と、患者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、WEBクライアント端末装置(120)から受信した操作者情報を基に、操作者ID・操作者氏名・WEBクライアント端末装置ID・診療科などの操作者情報を生成し、該生成した操作者情報を図3に示すように、中間カルテ格納部(104)に格納することになる。次に、カルテ制御部(103)は、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報を基に、電子カルテ格納部(101)を検索し、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報に関連付けられた電子カルテデータを取得し、該取得した電子カルテデータと、患者情報と、操作者情報と、をWEBクライアント端末装置(120)に送信することになる。また、カルテ制御部(103)は、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報を基に、患者ID・患者氏名・入院外来区分・診療科などの患者情報を生成し、該生成した操作者情報を、上記生成した操作者情報に関連づけて、図3に示すように、中間カルテ格納部(104)に格納することになる(ステップS22)。
【0086】
WEBクライアント端末装置(120)は、電子カルテサーバ(100)から、患者の電子カルテデータと、患者情報と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(123)が、その受信した電子カルテデータを、カルテ表示部(122)上に起動・表示したカルテ主画面(1221)上の過去記入情報欄(図10に示す1221B)に表示することになる(ステップS33)。これにより、操作者は、図5に示す患者一覧画面(1220)から選択した任意の患者に関する過去の電子カルテデータを、カルテ表示部(122)上に表示されたカルテ主画面(1221)の過去記入情報欄(1221B)にて参照することが可能となる。なお、カルテ主画面(1221)上の過去記入情報欄(1221B)に表示される電子カルテデータは、登録日毎に区分管理されて時系列で表示されることになり、図10に示す時系列スクロール(1221D)を上下に移動操作することで、過去の電子カルテデータを登録日毎に参照することが可能となる。
【0087】
なお、カルテ制御部(123)は、カルテ表示部(122)上に表示されたカルテ主画面(1221)を、患者情報と、操作者情報と、に関連づけて管理することになる。即ち、図5に示すように、カルテ主画面(1221)と患者TAB(1221A)と、を関連づけて管理することになる。
【0088】
次に、操作者は、カルテ主画面(1221)の過去記入情報欄(1221B)にて過去の電子カルテデータを参照し、患者の新規な電子カルテデータを記入する場合には、カルテ表示部(122)上にカルテ入力画面(1222)を表示させるための表示要求操作を行うことになる。
【0089】
カルテ制御部(123)は、カルテ入力画面(1222)の表示要求操作が行われたと判断した際に、カルテ入力画面(1222)を起動・表示し、図11に示すように、カルテ表示部(122)上にカルテ入力画面(1222)を表示することになる。これにより、操作者は、カルテ表示部(123)上に表示されたカルテ入力画面(1222)上にて新規なカルテデータを記入することが可能となる。なお、カルテ制御部(123)は、カルテ表示部(122)上に表示されたカルテ入力画面(1222)を、患者情報と、操作者情報と、に関連づけて管理することになる。なお、カルテ入力画面(1222)は、図11に示すように、過去記入情報欄(1221B)とは重ならない表示状態でカルテ主画面(1221)上に表示されることになる。または、カルテ主画面(1221)上の最も最上面にて表示されることになる。
【0090】
次に、操作者は、カルテ表示部(122)上に表示されたカルテ入力画面(1222)に患者のカルテデータを記入することになる。なお、カルテ入力画面(1222)に記入されたカルテ記入情報は、WEBクライアント端末装置(120)において一時的に保存されることになる。そして、操作者は、カルテ入力画面(1222)上に記入したカルテデータを電子カルテサーバ(100)に仮保存する場合には、そのカルテ入力画面(1222)上に記入したカルテデータの仮保存要求操作を行うことになる。
【0091】
カルテ制御部(123)は、カルテ入力画面(1222)に記入したカルテデータの仮保存要求操作が行われたと判断した際に、そのカルテ入力画面(1222)に記入されたカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報の仮保存要求と、を電子カルテサーバ(100)に送信することになる(ステップS24)。
【0092】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、カルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報の仮保存要求と、を受信した際に、カルテ制御部(103)は、WEBクライアント端末装置(120)から受信したカルテ記入情報を中間カルテ格納部(104)に一時的に仮保存することになる。
【0093】
この時、カルテ制御部(103)は、WEBクライアント端末装置(120)から受信したカルテ記入情報を基に、カルテID・カルテ情報・修正元情報・削除元情報などのカルテ記入情報を生成し、該生成したカルテ記入情報を、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報と、操作者情報と、に紐づいた状態で中間カルテ格納部(104)に格納することになる。これにより、図3に示すように、中間カルテ格納部(104)に電子カルテデータが格納されることになる。
【0094】
なお、カルテ制御部(103)は、上記作成したカルテ記入情報を中間カルテ格納部(104)に格納した際に、その中間カルテ格納部(104)に格納したカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、をWEBクライアント端末装置(120)に送信することになる(ステップS25)。
【0095】
WEBクライアント端末装置(120)は、カルテ記入情報の仮保存要求を電子カルテサーバ(100)に送信した後に、電子カルテサーバ(100)から、カルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(123)は、新規入力画面(1223)を起動し、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報と、操作者情報と、に関連付けて管理されているカルテ主画面(1221)の過去記入情報欄(図12に示す1221B)の一番下側に、その過去記入情報欄(1221B)と重ならないように、新規入力画面(1223)を表示し、該表示した新規入力画面(1223)上に、WEBクライアント端末装置(120)から受信したカルテ記入情報を表示することになる(ステップS26)。なお、新規入力画面(1223)は、カルテ主画面(1221)上の最も最上面にて表示するように構築することも可能である。
【0096】
これにより、カルテ入力画面(1222)上に記入したカルテ記入情報が、WEBクライアント端末装置(120)から電子カルテサーバ(100)に送信され、電子カルテサーバ(100)の具備する中間カルテ格納部(104)に一時的に仮保存された際に、WEBクライアント端末装置(120)の具備するカルテ表示部(122)上のカルテ主画面(1221)上に表示された新規入力画面(1223)上に、その中間カルテ格納部(104)に仮保存されたカルテ記入情報が表示されることになる。
【0097】
なお、カルテ制御部(123)は、カルテ主画面(1221)上に表示された新規入力画面(1223)上に表示するカルテ記入情報と、カルテ主画面(1221)上の過去記入情報欄(1221B)に表示する電子カルテデータと、を異なる表示形態にて表示する。例えば、新規入力画面(1223)に表示するカルテ記入情報と、過去記入情報欄(1221B)に表示する電子カルテデータと、を異なる色で表示するように構築する。これにより、操作者は、カルテ表示部(122)上のカルテ主画面(1221)を参照することで、過去の電子カルテデータと、新規に記録した電子カルテデータと、を容易に分別することが可能となる。
【0098】
なお、操作者は、一人の患者に対してカルテデータを複数回記入したい場合には、操作者は、上述したカルテ入力画面(1222)の表示要求操作を行い、カルテ表示部(122)上にカルテ入力画面(1222)を起動・表示させ、該起動・表示させたカルテ入力画面(1222)から新規なカルテデータを記入し、該記入したカルテ記入情報を中間カルテ格納部(104)に仮保存させ、その仮保存させたカルテ記入情報を、カルテ主画面(1221)上に起動・表示させた新規入力画面(1223)に表示させる工程を、繰り返し行うことで、一人の患者に対して複数回のカルテデータの仮保存処理を行うことが可能となる。この場合、中間カルテ格納部(104)には、操作者が上述した工程を行った回数の数だけ、カルテ記入情報が格納されることになる。
【0099】
なお、中間カルテ格納部(104)に仮保存されているカルテ記入情報に関し、WEBクライアント端末装置(120)からの修正、削除要求が発生した場合は、中間カルテ格納部(104)に仮保存されているカルテ記入情報の破壊更新、破壊削除が行われることになる。
【0100】
例えば、操作者が、カルテ主画面(1221)上の新規入力画面(1223)上に表示されているカルテ記入情報を修正、削除したい場合には、その新規入力画面(1223)上に表示されているカルテ記入情報の修正、削除操作を行い、カルテ制御部(123)が、その修正、削除処理を行ったカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を電子カルテサーバ(100)に送信することになる。
【0101】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、修正、削除処理を行ったカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、その受信したカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を基に、中間カルテ格納部(104)に一時的に仮保存されているカルテ記入情報の更新・削除処理を行い、該更新・削除処理を行ったカルテ記入情報を中間カルテ格納部(104)に仮保存することになる。なお、この時、改竄防止を考慮し、更新・削除処理を行う前のカルテ記入情報と、更新・削除処理をした後のカルテ記入情報と、を関連づけて格納するようにすることが好ましい。なお、更新・削除処理を行う前のカルテ記入情報と、更新・削除処理を行う前のカルテ記入情報と、更新・削除処理をした後のカルテ記入情報と、を関連づけて格納するか否かは、操作者がクライアント端末装置(120)を用いて任意に設定するように構築することも可能である。
【0102】
また、操作者が、中間カルテ格納部(104)に仮保存した複数のカルテ記入情報の中から修正・削除を行いたい場合には、その修正・削除を行いたいカルテ記入情報の読み出し要求操作を行い、カルテ制御部(103)は、その読み出し要求操作が行われたと判断した際に、そのカルテ記入情報の読出要求と、その読出要求のカルテ記入情報と、そのカルテ記入情報に関連付けられた患者情報と、操作者情報と、を電子カルテサーバ(100)に送信することになる。
【0103】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)からカルテ記入情報の読出要求と、カルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、カルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を基に、中間カルテ格納部(104)から読出要求に該当するカルテ記入情報を検索取得し、該取得したカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、をWEBクライアント端末装置(120)に送信することになる。
【0104】
WEBクライアント端末装置(120)は、電子カルテサーバ(100)から、カルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(123)が、該受信したカルテ記入情報をカルテ表示部(122)上に表示し、操作者が、カルテ記入情報の修正、削除処理を行い、カルテ制御部(123)が、その修正、削除処理を行ったカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を電子カルテサーバ(100)に送信することになる。
【0105】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、修正、削除処理を行ったカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、その受信したカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を基に、中間カルテ格納部(104)に一時的に仮保存されているカルテ記入情報の更新・削除処理を行い、該更新・削除処理を行ったカルテ記入情報を中間カルテ格納部(104)に仮保存することになる。なお、この時、改竄防止を考慮し、更新・削除処理を行う前のカルテ記入情報と、更新・削除処理をした後のカルテ記入情報と、を関連づけて格納するようにすることが好ましい。なお、更新・削除処理を行う前のカルテ記入情報と、更新・削除処理を行う前のカルテ記入情報と、更新・削除処理をした後のカルテ記入情報と、を関連づけて格納するか否かは、操作者がクライアント端末装置(120)を用いて任意に設定するように構築することも可能である。
【0106】
次に、操作者は、患者の診察を終了する場合には、カルテ主画面(1221)の閉鎖操作を行うことになり、カルテ制御部(123)は、カルテ主画面(1221)の閉鎖操作が行われたと判断した際に、そのカルテ主画面(1221)をカルテ表示部(122)から閉じ、そのカルテ主画面(1221)に関連づけられた患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報の確定保存要求と、を電子カルテサーバ(100)に送信する(ステップS27)。
【0107】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報の確定保存要求と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、中間カルテ格納部(104)を検索し、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報と、操作者情報と、に関連づけられたカルテ記入情報を取得することになる。
【0108】
次に、カルテ制御部(103)は、患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報と、を基に、中間カルテ格納部(104)から取得したカルテ記入情報を電子カルテ格納部(101)に確定保存することになる登録日を示すカルテ登録日情報を生成し、該生成したカルテ登録日情報と、カルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を電子カルテ格納部(101)に確定保存することになる。
【0109】
そして、カルテ制御部(103)は、中間カルテ格納部(104)から取得したカルテ記入情報を電子カルテ格納部(101)に確定保存した際に、その確定保存したカルテ記入情報に該当するカルテ記入情報を中間カルテ格納部(104)から削除することになる(ステップS28)。
【0110】
なお、本実施形態における電子カルテシステムは、カルテ表示部(122)上に表示された図5に示す患者一覧画面(1220)の患者表示欄(1220A)の中から、上記処理により電子カルテ格納部(101)に確定保存した患者が選択された場合には、カルテ制御部(123)がカルテ表示部(122)上にカルテ主画面(1221)を起動・表示した際に、上記処理により電子カルテ格納部(101)に確定保存したカルテ記入情報が、その起動・表示したカルテ主画面(1221)の過去記入情報欄(1221B)に表示されることになる。
【0111】
このように、本実施形態における電子カルテシステムは、電子カルテサーバ(100)が、WEBクライアント端末装置(120)から電子カルテデータを受信した際に、該受信した電子カルテデータを中間カルテ格納部(104)に仮保存し、WEBクライアント端末装置(120)から電子カルテデータの確定保存要求が行われた際に、その中間カルテ格納部(104)に一旦仮保存した電子カルテデータを電子カルテ格納部(101)に確定保存することで、電子カルテ格納部(101)に電子カルテデータを格納することを回避することになり、ミスオペレーションの可能性を低減させることが可能となる。
【0112】
次に、図13を参照しながら、中間カルテ格納部(104)に仮保存したカルテ記入情報を、電子カルテ格納部(101)に確定保存する際の処理動作について詳細に説明する。
【0113】
本実施形態の電子カルテシステムにおけるカルテ記入情報の確定保存処理は、操作者が、カルテ主画面(1221)の閉鎖操作を行った際に、カルテ制御部(123)が、カルテ主画面(1221)の閉鎖操作が行われたと判断し、カルテ制御部(123)は、カルテ主画面(1221)を閉じ、そのカルテ主画面(1221)に関連づけられた患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報の確定保存要求と、を電子カルテサーバ(100)に送信する(ステップS31)。
【0114】
電子カルテサーバ(100)は、WEBクライアント端末装置(120)から、患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報の確定保存要求と、を受信した際に、カルテ制御部(103)が、中間カルテ格納部(104)を検索し、WEBクライアント端末装置(120)から受信した患者情報と、操作者情報と、に関連づけられたカルテ記入情報を取得することになる。
【0115】
次に、カルテ制御部(103)は、患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報と、を基に、中間カルテ格納部(104)から取得したカルテ記入情報を電子カルテデータ格納部(101)に確定保存することになる登録日を示すカルテ登録日情報を生成し、該生成したカルテ登録日情報を、図2に示すように、患者情報に関連づけて電子カルテ格納部(101)に確定保存することになる(ステップS32)。これにより、例えば、カルテ登録日情報として、カルテ登録日、入院外来区分などの情報が電子カルテ格納部(101)に格納されることになる。
【0116】
次に、カルテ制御部(103)は、患者情報と、操作者情報と、カルテ記入情報と、を基に、電子カルテ格納部(101)に確定保存するカルテ保存情報を生成し、該生成したカルテ保存情報を、図2に示すように、カルテ登録日情報に紐づいた状態で電子カルテ格納部(101)に確定保存することになる(ステップS33)。これにより、例えば、カルテ保存情報として、カルテ情報、操作者情報などの情報が電子カルテ格納部(101)に格納されることになる。
【0117】
なお、上記生成したカルテ保存情報の中に、過去のカルテデータを修正・削除したカルテデータが存在する場合には、修正・削除後のカルテデータ(図2に示すカルテ保存情報1)とは別に、修正・削除前のカルテデータ(図2に示す修正元・削除元情報1)も併せて電子カルテ格納部(101)に格納することになる。この場合、修正・削除前のカルテデータと、修正・削除後のカルテデータと、を関連づけて電子カルテ格納部(101)に格納することが好ましい。
【0118】
即ち、カルテ制御部(103)は、図14(a)に示すように、中間カルテ格納部(104)から取得したカルテ記入情報と、患者情報と、操作者情報と、を基に、図14(b)に示すように、患者情報と、カルテ登録日情報と、に関連づけて、カルテ保存情報と、修正・削除元情報と、を電子カルテ格納部(101)に確定保存することになる。これにより、修正元・削除元の電子カルテデータを電子カルテ格納部(101)に保存することになるため、電子カルテデータの履歴を管理することが可能となる。
【0119】
次に、カルテ制御部(103)は、中間カルテ格納部(104)から取得したカルテ記入情報を電子カルテ格納部(101)に確定保存した際に、その確定保存したカルテ記入情報に該当するカルテ記入情報を中間カルテ格納部(104)から削除することになる(ステップS34)。
【0120】
このように、本実施形態における電子カルテシステムは、WEBクライアント端末装置(120)が、電子カルテアプリケーションプログラムを起動させ、該起動させた電子アプリケーションプログラムを用いて、患者の電子カルテデータを電子カルテサーバ(100)から取得し、該取得した電子カルテデータをカルテ参照画面にて参照しつつ、新規な電子カルテデータを作成し、該作成した電子カルテデータと、電子カルテデータの仮保存要求と、を電子カルテサーバ(100)に送信し、電子カルテサーバ(100)の具備する中間カルテ格納部(104)に一時的に仮保存することになる。そして、その仮保存した電子カルテデータをカルテ参照画面にて確認し、患者の過去の電子カルテデータと、新規に作成した電子カルテデータと、の相関を確認し、カルテ参照画面を閉鎖することで、新規に作成した電子カルテデータの確定保存要求が、電子カルテサーバ(100)に送信されることになる。そして、電子カルテサーバ(100)は、確定保存要求を受信することで、その確定保存要求の電子カルテデータを中間カルテ格納部(104)から取得し、該取得した電子カルテデータを電子カルテ格納部(101)に確定保存することになる。
【0121】
したがって、新規に作成した電子カルテデータを中間カルテ格納部(104)に一旦格納し、カルテ参照画面にて、その新規に作成した電子カルテデータと、過去の電子カルテデータと、を比較しつつ内容確認を行った後に、電子カルテデータを正式に電子カルテ格納部(101)に格納することになるため、ミスオペレーションを低減させることが可能となる。このため、ミスオペレーションによる病院内での誤情報伝達といった危険を未然に回避することが可能となる。
【0122】
また、中間カルテ格納部(104)に一旦格納した電子カルテデータに対して、修正・削除処理などを施した場合には、その修正・削除前の電子カルテデータと、修正・削除後の電子カルテデータと、を関連づけて、電子カルテ格納部(101)に格納することで、電子カルテデータの履歴管理を行うことが可能となり、誰が、何時、どの端末で、どのような修正・削除を施したのかを確認することが可能となり、電子カルテデータの改竄を防止することが可能となる。
【0123】
また、新規に作成した電子カルテデータと、過去の電子カルテデータと、を同じカルテ参照画面上で表示させるように構築したり、電子カルテデータを時系列で表示させるように構築したりすることで、複数の画面を同時に参照しながら操作することが可能となり、操作者の操作性を向上させることが可能となる。
【0124】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。例えば、上記実施形態の電子カルテシステムにおいて行った一連の処理動作は、コンピュータプログラムにより実行することも可能であり、また、上記のプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録し、その記録媒体からプログラムを情報処理装置に読み込ませることで、上述した処理動作を情報処理装置において実行させることも可能である。また、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からプログラムを情報処理装置に読み込ませることで、上述した処理動作を情報処理装置において実行させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明にかかる電子カルテシステムは、複数の関連性のある情報をデータベースに格納する際に、そのデータベースに格納する情報を正確且つ確実に保存させるための情報管理装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本実施形態における電子カルテシステムのシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示す電子カルテ格納部(101)のデータ構造を示す図である。
【図3】図1に示す中間カルテ格納部(104)のデータ構造を示す図である。
【図4】WEBクライアント端末装置(120)のカルテ表示部(122)において電子カルテデータを表示する際の処理動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】カルテ表示部(122)上に表示される患者一覧画面(1220)を示す図である。
【図6】図5に示す患者一覧画面(1220)の患者表示欄(1220A)の中から任意の患者を選択操作し、その選択操作した患者に関するカルテ主画面(1221)を表示した場合の図である。
【図7】複数の患者を選択操作した場合のカルテ表示部(122)の表示例を示す図である。
【図8】患者TAB(1221A)の切り替え操作を説明するためのシーケンスチャートである。
【図9】電子カルテデータを中間カルテ格納部(104)に仮保存し、電子カルテデータの確定保存要求が行われた際に、その中間カルテ格納部(104)に一旦仮保存した電子カルテデータを電子カルテ格納部(101)に確定保存する際の処理動作を示すシーケンスチャートである。
【図10】カルテ主画面の表示例を示す図であり、過去記入情報欄(1221B)が時系列的に表示されている場合を示す図である。
【図11】カルテ主画面の表示例を示す図であり、カルテ入力画面(1222)を起動・表示した場合を示す図である。
【図12】カルテ主画面の表示例を示す図であり、新規入力画面(1223)を起動・表示した場合を示す図である。
【図13】中間カルテ格納部(104)に仮保存したカルテ記入情報を、電子カルテ格納部(101)に確定保存する際の処理動作を示すシーケンスチャートである。
【図14】中間カルテ格納部(104)に仮保存したカルテ記入情報を、電子カルテ格納部(101)に確定保存する際のデータ構造を示す図であり、(a)は、中間カルテ格納部(104)に仮保存した際のデータ構造を示し、(b)は、電子カルテ格納部(101)に確定保存した際のデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
【0127】
100 電子カルテサーバ
101 電子カルテ格納部
102 カルテ伝送部
103 カルテ制御部
104 中間カルテ格納部
110 ネットワーク
120 WEBクライアント端末装置
121 カルテ伝送部
122 カルテ表示部
1220 患者一覧画面
1220A 患者表示欄
1220B 患者一覧表示TAB
1221 カルテ主画面
1221A 患者TAB
1221B 過去記入情報欄
1221D 時系列スクロール
1222 カルテ入力画面
1223 新規入力画面
123 カルテ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテを管理する電子カルテ管理装置であって、
電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に仮保存する電子カルテ仮保存手段と、
前記仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、前記電子カルテ仮保存手段により仮保存した電子カルテを正式に確定保存する電子カルテ格納手段と、を有することを特徴とする電子カルテ管理装置。
【請求項2】
前記電子カルテ仮保存手段により仮保存した電子カルテの修正要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテと、前記電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて仮保存することを特徴とする請求項1記載の電子カルテ管理装置。
【請求項3】
前記電子カルテ格納手段は、前記仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、前記仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、前記仮保存した電子カルテを前記関連電子カルテに関連づけて確定保存することを特徴とする請求項1記載の電子カルテ管理装置。
【請求項4】
前記電子カルテの仮保存が完了した際に、該仮保存した電子カルテを、仮保存要求先に通知する仮保存カルテ通知手段を有し、
前記電子カルテ格納手段は、
前記仮保存要求先から前記確定保存要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテを正式に確定保存することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子カルテ管理装置。
【請求項5】
電子カルテを生成するクライアント端末装置と、前記電子カルテを管理する電子カルテ管理装置と、を有して構成される電子カルテシステムであって、
前記クライアント端末装置は、
電子カルテを生成し、該生成した電子カルテの仮保存要求を前記電子カルテ管理装置に送信する仮保存要求送信手段と、
前記仮保存要求を送信した前記電子カルテの確定保存要求を前記電子カルテ管理装置に送信する確定保存要求送信手段と、を有し、
前記電子カルテ管理装置は、
前記仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に仮保存する電子カルテ仮保存手段と、
前記確定保存要求を受信した際に、前記電子カルテ仮保存手段により仮保存した電子カルテを正式に確定保存する電子カルテ格納手段と、を有することを特徴とする電子カルテシステム。
【請求項6】
前記電子カルテ管理装置は、
前記仮保存要求の電子カルテを一時的に仮保存した際に、該仮保存した電子カルテを前記クライアント端末装置に送信する仮保存カルテ送信手段を有し、
前記クライアント端末装置は、
前記電子カルテ管理装置から、前記仮保存した電子カルテを受信した際に、前記仮保存した電子カルテを表示する仮保存カルテ表示手段を有することを特徴とする請求項5記載の電子カルテシステム。
【請求項7】
前記クライアント端末装置は、
前記仮保存カルテ表示手段により表示された電子カルテの閉鎖要求操作が行われた際に、前記仮保存要求を送信した前記電子カルテの確定保存要求を送信することを特徴とする請求項6記載の電子カルテシステム。
【請求項8】
前記クライアント端末装置は、
前記仮保存カルテ表示手段により表示された電子カルテの修正操作が行われたと判断した際に、前記修正操作が行われた電子カルテの修正要求を前記電子カルテ管理装置に送信し、
前記電子カルテ管理装置は、
前記仮保存電子カルテの修正要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテと、前記電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて仮保存することを特徴とする請求項6記載の電子カルテシステム。
【請求項9】
前記電子カルテ管理装置は、
前記仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、前記仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、前記仮保存した電子カルテを前記関連電子カルテに関連づけて確定保存することを特徴とする請求項5記載の電子カルテシステム。
【請求項10】
前記クライアント端末装置は、
前記電子カルテ格納手段により正式に確定保存した確定電子カルテを表示する電子カルテ表示手段と、
前記電子カルテを生成するためのカルテ入力画面を表示するカルテ入力画面表示手段と、を有し、前記電子カルテ表示手段により表示する前記確定電子カルテと、前記カルテ入力画面表示手段により表示する前記カルテ入力画面と、を重ならないように表示することを特徴とする請求項5記載の電子カルテシステム。
【請求項11】
前記クライアント端末装置は、
前記電子カルテ表示手段により表示する確定電子カルテを時系列的に表示することを特徴とする請求項10記載の電子カルテシステム。
【請求項12】
電子カルテを管理する電子カルテ管理装置が行う電子カルテ管理方法であって、
電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを前記電子カルテ装置の具備する格納部に一時的に仮保存する電子カルテ仮保存工程と、
前記仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、前記電子カルテ仮保存工程により前記格納部に仮保存した電子カルテを正式に前記格納部に確定保存する電子カルテ格納工程と、を、前記電子カルテ管理装置が行うことを特徴とする電子カルテ管理方法。
【請求項13】
前記電子カルテ管理装置は、
前記電子カルテ仮保存工程により仮保存した電子カルテの修正要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテと、前記電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて前記格納部に仮保存することを特徴とする請求項12記載の電子カルテ管理方法。
【請求項14】
前記電子カルテ管理装置は、
前記仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、前記仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、前記仮保存した電子カルテを前記関連電子カルテに関連づけて前記格納部に確定保存することを特徴とする請求項12記載の電子カルテ管理方法。
【請求項15】
前記電子カルテ管理装置は、
前記電子カルテの仮保存が完了した際に、該仮保存した電子カルテを、仮保存要求先に通知する仮保存カルテ通知工程を行い、
前記仮保存要求先から前記確定保存要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテを正式に前記格納部に確定保存することを特徴とする請求項12から14の何れか1項に記載の電子カルテ管理方法。
【請求項16】
電子カルテを生成するクライアント端末装置と、前記電子カルテを管理する電子カルテ管理装置と、を用いて行う電子カルテ管理方法であって、
前記クライアント端末装置が、電子カルテを生成し、該生成した電子カルテの仮保存要求を前記電子カルテ管理装置に送信する仮保存要求送信工程と、
前記電子カルテ管理装置が、前記クライアント端末装置から前記仮保存要求を受信した際に、該受信した仮保存要求の電子カルテを一時的に前記電子カルテ管理装置の具備する格納部に仮保存する電子カルテ仮保存工程と、
前記クライアント端末装置が、前記仮保存要求を送信した前記電子カルテの確定保存要求を前記電子カルテ管理装置に送信する確定保存要求送信工程と、
前記電子カルテ管理装置が、前記クライアント端末装置から前記確定保存要求を受信した際に、前記電子カルテ仮保存工程により前記格納部に仮保存した電子カルテを正式に前記格納部に確定保存する電子カルテ格納工程と、を行うことを特徴とする電子カルテ管理方法。
【請求項17】
前記電子カルテ管理装置が、前記仮保存要求の電子カルテを一時的に前記格納部に仮保存した際に、該仮保存した電子カルテを前記クライアント端末装置に送信する仮保存カルテ送信工程と、
前記クライアント端末装置が、前記電子カルテ管理装置から前記仮保存した電子カルテを受信した際に、該受信した電子カルテを前記クライアント端末装置の具備する表示部に表示する仮保存カルテ表示工程と、を行うことを特徴とする請求項16記載の電子カルテ管理方法。
【請求項18】
前記クライアント端末装置は、
前記仮保存カルテ表示工程により前記表示部に表示した電子カルテの閉鎖要求操作が行われたと判断した際に、前記仮保存要求を送信した前記電子カルテの確定保存要求を前記電子カルテ管理装置に送信することを特徴とする請求項17記載の電子カルテ管理方法。
【請求項19】
前記クライアント端末装置は、
前記仮保存カルテ表示工程により前記表示部に表示した電子カルテの修正操作が行われたと判断した際に、前記修正操作が行われた電子カルテの修正要求を前記電子カルテ管理装置に送信し、
前記電子カルテ管理装置は、
前記電子カルテの修正要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテと、前記電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて前記格納部に仮保存することを特徴とする請求項17記載の電子カルテ管理方法。
【請求項20】
前記電子カルテ管理装置は、
前記仮保存した電子カルテを正式に確定保存する際に、前記仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、前記仮保存した電子カルテを前記関連電子カルテに関連づけて前記格納部に確定保存することを特徴とする請求項16記載の電子カルテ管理方法。
【請求項21】
前記クライアント端末装置は、
前記電子カルテ格納工程により前記格納部に正式に確定保存した確定電子カルテを前記表示部に表示する電子カルテ表示工程と、
前記電子カルテを生成するためのカルテ入力画面を前記表示部に表示するカルテ入力画面表示工程と、を行い、前記電子カルテ表示工程により表示する前記確定電子カルテと、前記カルテ入力画面表示工程により表示する前記カルテ入力画面と、を重ならないように表示することを特徴とする請求項16記載の電子カルテ管理方法。
【請求項22】
前記クライアント端末装置は、
前記電子カルテ表示工程により前記表示部に表示する確定電子カルテを時系列的に表示することを特徴とする請求項21記載の電子カルテ管理方法。
【請求項23】
電子カルテを管理する電子カルテ管理装置において実行される電子カルテ管理プログラムであって、
電子カルテの仮保存要求を受信した際に、該仮保存要求の電子カルテを一時的に前記電子カルテ管理装置の格納部に仮保存する電子カルテ仮保存処理と、
前記仮保存した電子カルテの確定保存要求を受信した際に、前記電子カルテ仮保存処理により前記格納部に仮保存した電子カルテを正式に前記格納部に確定保存する電子カルテ格納処理と、を前記電子カルテ管理装置において実行させることを特徴とする電子カルテ管理プログラム。
【請求項24】
前記電子カルテ仮保存処理により仮保存した電子カルテの修正要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテと、前記電子カルテを修正した修正電子カルテと、を関連づけて前記格納部に仮保存する処理を、前記電子カルテ管理装置において実行させることを特徴とする請求項23記載の電子カルテ管理プログラム。
【請求項25】
前記電子カルテ格納処理は、前記仮保存した電子カルテを前記格納部に正式に確定保存する際に、前記仮保存した電子カルテに関連する関連電子カルテが存在する場合には、前記仮保存した電子カルテを前記関連電子カルテに関連づけて前記格納部に確定保存することを特徴とする請求項23記載の電子カルテ管理プログラム。
【請求項26】
前記電子カルテの仮保存が完了した際に、該仮保存した電子カルテを、仮保存要求先に通知する仮保存カルテ通知処理を、前記電子カルテ管理装置において実行させ、
前記仮保存要求先から前記確定保存要求を受信した際に、前記仮保存した電子カルテを正式に前記格納部に確定保存することを特徴とする請求項23から25の何れか1項に記載の電子カルテ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−260305(P2006−260305A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78217(P2005−78217)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(390001395)エヌイーシーシステムテクノロジー株式会社 (438)