説明

電子スチルカメラ

【課題】 小型、軽量、薄型で安価に製造することができ、またカメラ本体を直接外部装置のPCカードスロットに挿入することができ、しかもカメラ本体の外部装置との接続部が保護でき、撮影時には安定した保持が行えるようにする。
【解決手段】 カメラ本体4とカバー5とで電子カメラ1を構成する。カメラ本体4は、撮像素子で取り込んだ画像を記憶する記憶装置、PCカード用コネクタ7等を備え、コンピュータ等の外部装置のPCカードスロットに直接挿入されることにより、外部装置のPCカードインタフェースと記憶装置との間で通信が行なわれ、記憶装置に書き込まれた画像データが外部装置へ転送される。また、カメラ本体4は、外部装置に挿入されるPCカードスロット装填部4Aと、光学系ユニットが組み込まれる光学系収納部4Bとを有し、PCカードスロット装填部4Aがカバー5に挿入される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮像素子で取り込んだ画像をフラッシュメモリ等の記憶装置に記憶させ、パーソナルコンピュータ等の外部装置のPCカードスロットに直接接続可能な電子スチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、撮像素子で取り込んだ被写体画像をデジタル信号に変換してフレキシブルディスクやメモリーカード等の記憶媒体に記憶させるようにした電子スチルカメラが知られている。このような電子スチルカメラでは、撮影により画像を記憶させた記憶媒体を撮影後カメラから抜き取って、パーソナルコンピュータのスロットに挿入したり、電子スチルカメラとパーソナルコンピュータとの間をRS−232C等の通信インタフェースで接続したりして、記憶媒体に書き込まれた画像信号をパーソナルコンピュータ等の外部装置に取り込んでいた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の電子スチルカメラは、記憶媒体をカメラから抜き取ってパーソナルコンピュータに挿入し直したり、カメラとパーソナルコンピュータとの間を通信ケーブルで接続したりしなければならず、パーソナルコンピュータとの接続が煩雑であるという問題があった。特に、通信ケーブルで接続する場合には、コンピュータ側でデータを受信するための専用のドライバーソフトが必要であるとともに、当然専用のケーブルを用意しておかなければならず、備品が増えて保管等に不便であるばかりか、ケーブルで接続する作業は、電子機器の使用に慣れた者であっても煩わしいものである。また、記憶媒体としてPCカードを使用したカメラにおいては、メモリとコネクタ以外の電子スチルカメラに必要な部材がカメラ本体側に設けられているため、カメラ本体が大型化し、さらにこのため多くの機能をもたせることができるが故にどうしても高価なものとなってしまう。
【0004】したがって、本発明は、上記した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、小型、軽量、薄型で安価に製造することができ、またカメラ本体を直接外部装置のPCカードスロットに挿入することができ、しかもカメラ本体の外部装置との接続部であるPCカードコネクタが保護でき、撮影時には安定した保持が行えるようにした電子スチルカメラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、外部装置のPCカードスロットに挿入可能なPCカードスロット装填部を有するカメラ本体と、このカメラ本体の前記PCカードスロット装填部が挿抜自在に挿入されるカバーとを備え、前記カメラ本体に、撮像対象からの光情報信号を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子の出力信号を記憶する記憶装置と、前記外部装置のPCカードスロットに挿入されることにより外部装置のPCカードインタフェースと前記記憶装置との間で通信を行うためのインタフェース手段と、前記PCカードスロットのコネクタと接続するためのPCカード用コネクタを組み込んだことを特徴とする。また、本発明は、カバーに、レリーズ釦と、電源およびカメラ本体のPCカード用コネクタが接続されるコネクタを設けたことを特徴とする。また、本発明は、カバーに、電子閃光装置とその制御回路を設けたことを特徴とする。また、本発明は、カバーにグリップ部を設けたことを特徴とする。また、本発明は、外部装置のPCカードスロットに挿入可能なPCカードスロット装填部を有するカメラ本体を備え、このカメラ本体は、撮像対象からの光情報信号を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子の出力信号を記憶する記憶装置と、前記外部装置のPCカードスロットに挿入されることにより外部装置のPCカードインタフェースと前記記憶装置との間で通信を行うためのPCカードインタフェース回路と、前記PCカードスロットのコネクタと接続するためのPCカード用コネクタとを有し、このPCカード用コネクタに電源を内蔵したバッテリケースを着脱可能に接続したことを特徴とする。さらに、本発明は、撮像面を覆う覆い部材を設けたことを特徴とする。
【0006】本発明において、カメラ本体のPCカードスロット装填部がカバーに挿入されることにより、PCカードスロット装填部を保護するとともに、カメラ本体を持ち易くする。カメラ本体をカバーから抜き出し、そのPCカードスロット装填部をパーソナルコンピュータまたはパーソナルコンピュータに接続されたPCカードドライブ装置などの外部装置のPCカードスロットに挿入することにより、外部装置のPCカードインタフェースと記憶装置との間で通信が行われ、記憶装置に書き込まれた画像信号が外部装置から読み出し可能になる。カバーに組み込まれた電子閃光装置は、発光することで暗い場所での閃光撮影を可能にする。カバーのグリップ部により、撮影時における確実な保持を可能にする。バッテリケースによりPCカード用コネクタを保護する。覆い部材により撮像面の変更を可能にする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電子スチルカメラの一実施の形態を示す斜視図、図2はカメラ本体の斜視図、図3は同カメラのブロック図、図4はカメラ本体をパーソナルコンピュータのPCカードスロットに挿入する様子を示す図である。これらの図において、電子スチルカメラ1は、外部装置としてのパーソナルコンピュータ2の側面に設けられたPCカードスロット3に挿入可能なカメラ本体4と、このカメラ本体4の前記PCカードスロット3に挿入される部分、すなわちPCカードスロット装填部4A(以下、スロット装填部と呼ぶ)を通常覆うカバー5とを備えている。
【0008】カメラ本体4は、プラスチックと薄い金属板等によって形成されたカメラケース6を備えている。カメラケース6は、正面視横長矩形で、平面視L字状を呈することにより、前記スロット装填部4Aと、このスロット装填部4Aの長手方向一側端縁部に一体に連設され電気PCカードスロット3には挿入されない未装填部4Bとで構成されている。前記スロット装填部4Aは、前記PCカードスロット3に挿入され得るように、外形寸法が、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association )/JEIDA(Japan Electronic Industry Development Association )規格のICメモリカードあるいはI/Oカード(以下、PCカードと呼ぶ)におけるタイプI、II、III、IVの何れかの寸法規格を満たした平板状に形成されることにより、PCカード体を形成している。
【0009】この場合、本実施の形態においては、タイプIの寸法規格とされることにより、幅が85.6±0.2mm、高さが54.0±0.1mm、厚さが3.3±0.1mmのPCカード体とされる。これにより、カメラ本体4のスロット装填部4Aをパーソナルコンピュータ2のPCカードスロット3にそのまま挿入することができる。また、スロット装填部4Aの未装填部4Bとは反対側の端部には、前記PCカードスロット3内の図示しないコネクタと接続するための、上記PCMCIA/JEIDA規格で規定された、PCカード用コネクタ7が設けられている。このコネクタ7は、PCカードの規格で規定された68ピンのコネクタからなり、PCカ−ドスロット3への逆組み込みを防止するための切欠8と溝9を有している。
【0010】一方、前記未装填部4Bは、後述する撮影レンズ、撮像素子、フィルタ等が収納されることにより光学系収納部を形成するもので、たとえばスロット装填部4Aの表面(または裏面もしくは表裏面)に突出して形成されることにより10mm程度の厚さを有し、前記PCカードスロット3およびカバー5の何れにも挿入されることはない。未装填部4Bの表面には、撮像レンズ11、レリーズ釦12およびホワイトバランスセンサ13が設けられている。
【0011】このようなカメラ本体4の内部には、図3に示すように前記PCカード用コネクタ7、撮影ないし記憶に必要な各種回路、電源等が収納されている。すなわち、同図において、14は撮像レンズ11を通過した光を電気信号に変換する撮像素子としてのCCD素子、15はCCD素子14の出力信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路、16はA/D変換回路15からのデジタルデータを画像信号に変換する信号処理回路、17は信号処理回路16から出力された画像信号を圧縮する画像圧縮回路である。
【0012】また、18はこの電子スチルカメラ1を制御するCPU、19は画像信号を記憶するフラッシュメモリやスタティックRAM(SRAM)等からなる記憶装置である。20はPCカードインタフェース回路であり、PCMIA/JEIDA規格のICメモリカードインタフェースあるいはI/Oカードインタフェース(以下、PCカードインタフェースと呼ぶ)と、前記記憶装置19との間のプロトコル変換処理を行う。
【0013】また、21はバス、22は電子スチルカメラに電力を供給するNi水素もしくはNi−cdガム電池等の電源、23はレリーズ釦12の操作によって動作するレリーズスイッチである。
【0014】前記カバー5は、合成樹脂によって平面視L字状に形成されることにより、一端面が開放し前記カメラ本体4のスロット装填部4Aが挿入される薄箱型のカバー本体5Aと、カバー本体5Aの表面の閉塞端側に前方に向かって一体に突設されたグリップ部5Bとで構成されている。カバー本体5Aの表面の適宜箇所には撮像対象の明るさに応じて自動発光する電子閃光装置24の発光窓24aが設けられ、上面にはカバー5をカメラ本体4に装着した状態において、カメラ本体4を撮影動作させるために用いられるレリーズ釦25が設けられている。グリップ部5Bは、カメラ本体4の未装填部4Bとともに撮影時に手で保持される部分で、内部には前記電子閃光装置24、電子閃光制御回路26、電源27、前記カメラ本体4のPCカード用コネクタ7が接続されるコネクタ28およびレリーズスイッチ29が組み込まれている。30は補色型色フィルタ、50は撮像面を覆い、画角を横長もしくは縦長に変更する覆い部材としてのLCDマスクである。このようなカバー5にカメラ本体4のスロット装填部4Aを挿入してコネクタ7、28どうしを接続して使用すると、薄いPCカード体からなるスロット装填部4Aを手で把持する必要がなく、またPCカード用コネクタ7内に水等が侵入したり、携帯時の破損、損傷等を防止することができる。
【0015】前記LCDマスク50は、カメラ本体4の使用形態によって図5に示すように横長のマスクパタン50a(a)と、縦長のマスクパタン50b(b)とに選択的に切り替えて使用される。カメラ本体4の使用形態としては、カバー5が装着されない場合、縦にして使用される。この時撮像面は横長となる。そのため、横長のマスクパタン50aを使用し、撮像面を横長にする。一方、カバーが装着された場合は横にして使用される。このため、撮像面は縦長となり、使いずらい。そこで、この場合は、縦長のマスクパターン50bを使用し、撮像面を横長にする。マスクパタン50aと50bの切替は、CPU18によってカバー5が装着されたか否かを検知することにより行われる。図6はマスクパタンの切替処理を示すフローチャートである。
【0016】次に、このような電子スチルカメラ1の動作を説明する。撮影に際しては、カバー5をカメラ本体4に装着しない状態と、装着した状態での撮影が可能である。CPU18は、カバー5の装着によってカバー側の電源27が接続されたか否かを判定し、接続された場合は、カバー5側のレリーズ釦25と電源27を使用し、接続されない場合は、カメラ本体4とカバー5が機械的・電気的に接続されないため、当然のことながらカメラ本体4側のレリーズ釦12と電源22が使用されるように構成されている。このようにカバー5側の電源27を優先的に使用する理由は、カバー側は構造的に制約が少なく大きな電源を収納できること、および電子閃光装置24による電力の消費が大きいためである。また、カバー5が装着された場合は、LEDマスク50のパタンを縦長のマスクパタン50bに切り替える。
【0017】カバー5の装着時において、レリーズ釦25の操作によってレリーズスイッチ29を動作させると、撮像レンズ11を通過した撮像対象からの光は、CCD素子14の補色型色フィルタ30により、Ye(黄)色光成分、Cy(シアン)色光成分、Mg(マゼンダ)色光成分、G(緑)色光成分に分離される。そして、Ye、Cy、Mg、Gの各色フィルタに対応したCCD素子14の画素により電気信号に変換される。こうしてCCD素子14から色信号Ye、Cy、Mg、Gが出力される。
【0018】A/D変換回路15は、これらの色信号Ye、Cy、Mg、Gを各々デジタルデータに変換する。次いで、たとえばDSP(Digital Signal Processor)からなる信号処理回路16は、これらのデジタルデータから画像信号を生成する。本実施の形態における画像信号は、DSPの処理の1つである色変換によって生成された輝度信号Y、赤色信号Rから輝度信号Yを引いた(色差信号)R−Y、および青色信号Bから輝度信号Yを引いた(色差信号)B−Yである。
【0019】また、信号処理回路16の処理は、色変換以外にも、画素補間、水平・垂直の輪郭強調、γ(ガンマ)補正等も行う。したがって、信号処理回路16は、これらの処理を行なった後に画像信号を画像圧縮回路17へ出力する。そして、画像圧縮回路17は、信号処理回路16から出力された画像信号を図示しない内部のメモリに一旦蓄えた後、この画像信号にJPEG(Joint Photographic Experts Group )形式の圧縮処理を行う。なお、本実施の形態では、CCD素子14の色フィルタ30に補色型を使用しているが、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色型色フィルタを使用してもよい。この場合は、CCD素子14で得られるR、G、Bの3原色信号から信号処理回路16により画像信号を生成すればよい。
【0020】また、前記レリーズ釦25の操作において、先ずレリーズ釦25が軽く押されると、CPU18は、CCD素子14、A/D変換回路15、信号処理回路16、を制御して、画像圧縮回路17のメモリに画像信号を取り込ませる上記のような動作を行わせる。次いで、この圧縮前の画像信号の輝度レベルに基づいて、画像が最適な明るさとなるようにCCD素子14の信号蓄積時間を調整する。
【0021】そして、レリーズ釦25が更に深く押されると、CPU18は、調整した信号蓄積時間による画像信号を画像圧縮回路17のメモリに取り込ませる。このデータがレリーズ釦25の操作に伴って取り込まれる正規のデータである。このように信号蓄積時間の信号電荷のみを読み出すCCD素子14の電子シャッター動作において、信号蓄積時間を調整することにより、最適な明るさの画像信号が得られる。
【0022】続いて、CPU18は、JPEG形式で圧縮された画像信号を画像圧縮回路17から読み出し、このデータをたとえばOS(Operating System)の一種であるMS−DOSを搭載したパーソナルコンピュータで利用できるように、DOSFAT(Disk Operating System File Allocation Table)の形式で記憶装置19の所定の領域に書き込む。こうして、レリーズ釦25が押される度に、記憶装置19の各領域に圧縮された画像信号が書き込まれることが繰り返され、複数枚の画像信号が記録される。
【0023】次に、撮影が終了すると、カメラ本体4をカバー5から抜き出してスロット装填部4Aを図3に示すようにパーソナルコンピュータ2のPCカードスロット3に差し込む。スロット装填部4Aを差し込むと、カメラ本体4のPCカード用コネクタ7は、PCカードスロット3内のコネクタに接続され、カメラ本体4がパーソナルコンピュータ2に電気的に接続される。このため、パーソナルコンピュータ2は、図示しない内部のPCカードインタフェース(PCカードコントローラ)を介してカメラ本体4内の記憶装置19をアクセスし、記憶装置19に格納された画像信号を読み出す。このとき、PCカードインタフェース回路20は、記憶装置19とPCカードインタフェースとの間のプロトコル変換処理を行い、記憶装置19とパーソナルコンピュータ2(PCカードインタフェース)との間の通信を可能にする。
【0024】このプロトコル変換処理は、PCカードインタフェース回路20とパーソナルコンピュータ2間のPCカードインタフェースの仕様によって異なる。たとえば、記憶装置19がフラッシュメモリの場合、上記仕様がATA(AT Attachment)仕様であれば、ATA−PCカードインタフェース変換となり、AIMS(Auto Indexing Mass Storage)仕様のフラッシュメモリであれば、AIMS−PCカードインタフェース変換となる。
【0025】このようにして、電子スチルカメラ1で得られた画像信号をパーソナルコンピュータ2で利用することができる。なお、本実施の形態では、画像圧縮回路17によって画像信号の圧縮を行なったが、記憶装置19に書き込む画像信号の記録枚数が少ない場合は、圧縮前の画像信号を記憶装置19にそのまま書き込めばよい。また、画像信号を読み取る外部装置として、パーソナルコンピュータ2を例に挙げたが、PCカードスロットを備えたPCカードドライブ装置でもよく、このときはPCカードドライブ装置で読み取られたデータがパーソナルコンピュータへ転送される。
【0026】また、本実施の形態では、信号処理回路16、画像圧縮回路17、CPU18からなるカメラ側回路と、PCカードインタフェース回路20からなるPCカードインタフェース側の回路がバス21によって記憶装置19に接続されているが、このような構成にすると、カメラ側とインタフェース側が記憶装置19に同時にアクセスしてしまう等の実用上の問題が生じる。
【0027】そこで、バス21上のA点とB点にそれぞれバスバッファを設け、電子スチルカメラ1をPCカードスロット3に挿入していない通常の状態では、A点のバスバッファを閉状態(導通状態)、B点のバスバッファを開状態(遮断状態)とする。これにより、カメラ側と記憶装置19が接続され、記憶装置19とPCカードインタフェース回路20との間は切り離されることになる。
【0028】そして、電子スチルカメラ1がPCカードスロット3に挿入されることにより、パーソナルコンピュータ2からPCカード用コネクタ7の電源ピンに電源電圧が供給されると、A点のバスバッファを開状態、B点のバスバッファを閉状態とする。これにより、カメラ側と記憶装置19との間が切り離され、記憶装置19とPCカードインタフェース回路20との間が接続される。こうして、バス21上に制御用のコントローラを設けるよりも簡単な構成で上記問題を解決することができる。
【0029】また、図3の実施の形態では、外部装置との間で通信を行うためのインタフェース手段としてPCカードインタフェース回路10を用いているが、本発明の他の実施の形態として、CPU18をインタフェース手段としてもよい。この場合、PCインタフェース回路10は、双方向の入出力バッファとして機能させる。すなわち、パーソナルコンピュータ2側からアクセスする場合は、カメラ側からパーソナルコンピュータ2側への接続を切り離し、逆にカメラ側からアクセスする場合は、コンピュータ側からカメラ側への接続を切り離す。
【0030】図7は本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。この実施の形態においては、カメラ本体4を縦型としてスロット装填部4Aの表面上端部に未装填部4Bを一体に突設し、カバー5を上面が開放する縦長の薄箱型に形成し、表面上部に未装填部4Bが挿入される開口部31を設けている。また、カバー5にはグリップ部を設けていない。その他の構成は上記した実施の形態と全く同一である。
【0031】図8は本発明のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。この実施の形態においては、カメラ本体4全体をPCMCIA/JEIDA規格におけるタイプIIIの寸法規格としている。このため、カメラ本体4の幅が85.6±0.2mm、高さが54.0±0.1mm、厚さが10.5mmとされる。このようなカメラ本体4においては撮影レンズ、CCD素子等の光学系ユニットを組み込むに十分な厚みを有するので、光学系収納部である未装填部4Bをスロット装填部4Aの表裏面もしくはいずれか一方へ突出形成する必要がない。また、カメラ本体4は、上記したタイプIIIの外形状とされるため、パーソナルコンピュータのPCカードスロット3に完全に挿入されるようになっている。ただし、カバー5にはスロット装填部4Aのみが挿入され、未装填部4Bは撮影を可能にするため、カバー5の外部に突出している。この場合、図7に示した実施の形態と同様にカバー5に開口部31を設けておくと、この開口部から未収納部4Bを外部に露呈させることができるので、カメラ本体4をカバー5内に完全に収納することができる。なお、カバー5はグリップ5Bを一体に有し、電子閃光装置が組み込まれていない。その他の構成は図1〜図7に示した実施の形態と全く同一である。
【0032】図9は本発明のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。この実施の形態においては、カメラ本体4を図8に示した実施の形態と同様にPCMCIA/JEIDA規格におけるタイプIIIの寸法規格を満たす外形状とし、PCカード用コネクタ7にバッテリケース40を着脱可能に接続するようにしている。バッテリケース40の内部には、電源27と、カメラ本体4のPCカード用コネクタ7に接続されるコネクタ28が収納されている。その他の構成は図1〜図7に示した実施の形態と全く同一である。このような構成においても、バッテリケース40は、上記したカバー5と同様にグリップとしての機能を果たすとともに、PCカード用コネクタ7への水等の侵入を防止することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電子スチルカメラによれば、外部装置のPCカードスロットに挿入可能なPCカードスロット装填部を有するカメラ本体と、このカメラ本体の前記PCカードスロット装填部が挿抜自在に挿入されるカバーとを備え、前記カメラ本体に、撮像対象からの光情報信号を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子の出力信号を記憶する記憶装置と、前記外部装置のPCカードスロットに挿入されることにより外部装置のPCカードインタフェースと前記記憶装置との間で通信を行うためのインタフェース手段と、前記PCカードスロットのコネクタと接続するためのPCカード用コネクタを組み込んだので、カバーによってPCカードスロット装填部を保護することができ、携帯時の破損、損傷等を防止するとともに、PCカード用コネクタ内に雨水等が侵入するのを確実に防止することができる。また、記憶装置とPCカード用コネクタを備えているので、パーソナルコンピュータまたはパーソナルコンピュータに接続されたPCカードドライブ装置等の外部装置のPCカードスロットにカメラ本体を直接挿入することができ、従来のように記憶装置をカメラから抜き取って外部装置のスロットに挿入し直す必要がなく、撮影した画像信号を利用する外部装置との接続が容易となる。また、通常コンピュータに付属しているPCカードのドライブソフトを利用することができるので、カメラと外部装置との間を通信ケーブルで接続する場合の専用ドライバーソフトが不要となる。これにより、外部装置は電子スチルカメラからフレキシブルディスクや磁気ディスクと同様にデータを読み出すことができる。また、カバーに電子閃光装置とその制御回路を組み込んでいるので、カメラ本体の小型化、軽量化を図ることができ、しかも被写体の明るさに応じて自動発光させることができ、適正な露光での撮影を可能にする。さらに、カバーにグリップ部を設けているので、撮影時には安定した保持が行なえる。また、電源を内蔵したバッテリケースは、PCカード用コネクタを保護するとともに、グリップとして機能し、撮影時には安定した保持が行なえる。さらに、撮像面を覆う覆い部材を設けているので、カメラ本体を縦にして使用したり横にして使用したりする場合に合わせて撮像面の画角を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子スチルカメラの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 カメラ本体の斜視図である。
【図3】 同カメラのブロック図である。
【図4】 カメラ本体をパーソナルコンピュータのPCカードスロットに挿入する様子を示す図である。
【図5】 (a)、(b)はLCDマスクのマスクパタンを示す図である。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図7】 マスクパタンの選択処理を示すフローチャートを示す図である。
【図8】 本発明のさらに他の実施の形態を示す図である。
【図9】 本発明のさらに他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1…電子スチルカメラ、2…パーソナルコンピュータ、3…PCカードスロット、4…カメラ本体、4A…カメラ本体のPCカードスロット装填部(スロット装填部)、4B…カメラ本体の未装填部、5…カバー、5B…カバーのグリップ部、7…PCカード用コネクタ、11…撮影レンズ、12…レリーズ釦、14…CCD素子、15…A/D変換回路、16…信号処理回路、17…画像圧縮回路、18…CPU、19…記憶装置、20…PCカードインタフェース回路、24…電子閃光装置、25…レリーズ釦、26…電子閃光制御回路、27…電源、28…コネクタ、40…バッテリケース、50…LCDマスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 外部装置のPCカードスロットに挿入可能なPCカードスロット装填部を有するカメラ本体と、このカメラ本体の前記PCカードスロット装填部が挿抜自在に挿入されるカバーとを備え、前記カメラ本体に、撮像対象からの光情報信号を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子の出力信号を記憶する記憶装置と、前記外部装置のPCカードスロットに挿入されることにより外部装置のPCカードインタフェースと前記記憶装置との間で通信を行うためのインタフェース手段と、前記PCカードスロットのコネクタと接続するためのPCカード用コネクタを組み込んだことを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項2】 請求項1記載の電子スチルカメラにおいて、カバーにレリーズ釦と、電源およびカメラ本体のPCカード用コネクタが接続されるコネクタを設けたことを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項3】 請求項2記載の電子スチルカメラにおいて、カバーに電子閃光装置と電子閃光制御回路を設けたことを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項4】 請求項1、2または3記載の電子スチルカメラにおいて、カバーにグリップ部を設けたことを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項5】 外部装置のPCカードスロットに挿入可能なPCカードスロット装填部を有するカメラ本体を備え、このカメラ本体は、撮像対象からの光情報信号を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子の出力信号を記憶する記憶装置と、前記外部装置のPCカードスロットに挿入されることにより外部装置のPCカードインタフェースと前記記憶装置との間で通信を行うためのPCカードインタフェース回路と、前記PCカードスロットのコネクタと接続するためのPCカード用コネクタとを有し、このPCカード用コネクタに電源を内蔵したバッテリケースを着脱可能に接続したことを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載の電子スチルカメラにおいて、撮像面を覆う覆い部材を設けたことを特徴とする電子スチルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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