説明

電子タグの管理対象物への取付具

【課題】 電子タグを管理対象物に取付ける取付具を用いて管理対象物を分解できるようにする。
【解決手段】 蒸気トラップ1を識別するための識別情報が記憶された電子タグ2が取付けられるタグ取付部3bと蒸気トラップ1に取付けられる対象物取付部3aとを有する電子タグ2の蒸気トラップ1への取付具3であって、取付具3の対象物取付部3aが蒸気トラップ1の本体5と蓋体6から成るケーシングを締結するねじ部材としてのボルト8の頭部に嵌り合って取付けられボルト8を回転せしめる形状の内周壁面3cを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理対象物を識別するための識別情報が記憶された電子タグを管理対象物に取付ける取付具に関する。電子タグは、例えば蒸気配管に設置されるバルブやトラップ、あるいは蒸気プラントの設備機器等の管理対象物を保守・点検するときに管理対象物を識別するために用いられる。
【背景技術】
【0002】
従来の電子タグの管理対象物への取付構造は、管理対象物を識別するための識別情報が記憶された電子タグを、取付具としての針金で管理対象物に吊り下げたものである。
【0003】
上記従来のものは、管理対象物を識別するための識別情報が得られるだけであり、管理対象物を修理や保守のために分解するときは、スパナ等の工具を管理対象物のケーシングを締結するねじ部材あるいはケーシングに固定されるねじ部材の頭部の角部に当ててねじ部材を回していた。そのため、スパナ等の工具を持ち歩かなければならない問題点があった。
【特許文献1】特開2003−83849
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、電子タグを管理対象物に取付ける取付具を用いて管理対象物を分解できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、管理対象物を識別するための識別情報が記憶された電子タグが取付けられるタグ取付部と管理対象物に取付けられる対象物取付部とを有する電子タグの管理対象物への取付具であって、取付具の対象物取付部が管理対象物のケーシングを締結するねじ部材あるいはケーシングに固定されるねじ部材の頭部に嵌り合って取付けられねじ部材を回転せしめる形状の内周壁面を有することを特徴とする電子タグの管理対象物への取付具にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、電子タグの管理対象物への取付具が管理対象物のケーシングを締結するねじ部材あるいはケーシングに固定されるねじ部材を回転せしめる工具を兼ねることができ、即座に調節ねじを回転せしめて管理対象物を分解することができるという優れた効果を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の電子タグの管理対象物への取付具は、通常は管理対象物のケーシングを締結するねじ部材あるいはケーシングに固定されるねじ部材の頭部に嵌り合って取付けられている。そして、管理対象物を分解するときは、取付具を回転させることによりねじ部材を回転せしめる。ねじ部材は一般に六角形の頭部が用いられるから、取付具の内周壁面は六角形に形成する。ねじ部材の頭部が四角形や八角形等の六角形以外の場合は、それに合った形状に内周壁面を形成する。
【実施例1】
【0008】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1と図2参照)。図1は管理対象物としての蒸気トラップ1に電子タグ2を取付具3により取付けた状態を示す正面図であり、図2は図1の電子タグ2及び取付具3の平面図である。蒸気トラップ1は入口と出口4を有する本体5と蓋体6とでケーシングを形成し、本体5の四角状のフランジ部7と四角状のフランジから成る蓋体6をねじ部材としてのボルト8で締結し、本体5にねじ部材としてのプラグ9をねじ固定したものである。
【0009】
本体5と蓋体6を締結するねじ部材としてのボルト8の頭部に取付具3が取付けられる。取付具3は本体5にねじ固定されるプラグ9の頭部に取付けてもよい。取付具3は一部(左部)側に対象物取付部3aを有し、他部(右部)側にタグ取付部3bを有する。対象物取付部3aはボルト8やプラグ9の頭部に嵌り合って取付けられ、分解するときにこれられを回転せしめる形状の内周壁面3cを有する。タグ取付部3bの蒸気トラップ1とは反対(上面)側に座金10を介して電子タグ2を小ねじ11で固定する。電子タグ2はRFID(無線周波数識別)技術を用いたもので、アンテナ素子に蒸気トラップ1の識別情報を記憶した回路素子を電気的に接続したものである。取付具3はタグ取付部3bが蒸気トラップ1から離れる方向に向けられて対象物取付部3aの内周壁面3cが蒸気トラップ1のボルト8の頭部嵌り合って取付けられている。
【0010】
電子タグ2に記憶された蒸気トラップ1の識別情報は無線により非接触で図示しないタグ読取装置に伝達される。取付具3は、通常は蒸気トラップ1のボルト8の頭部に嵌り合って取付けられている。そして、蒸気トラップ1の本体5と蓋体6を分解するときは、取付具3を回転させることによりボルト8を回転せしめる。取付具3がボルト8を回転せしめる工具を兼ねることができ、即座にボルト8を回転せしめて蒸気トラップ1を分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例である取付具により電子タグを蒸気トラップに取付けた状態を示す正面図。
【図2】図1の電子タグ及び取付具の平面図。
【符号の説明】
【0012】
1 蒸気トラップ
2 電子タグ
3 取付具
3a 取付具の対象物取付部
3b 取付具のタグ取付部
3c 取付具の対象物取付部の内周壁面
5 本体
6 蓋体
8 ボルト
9 プラグ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象物を識別するための識別情報が記憶された電子タグが取付けられるタグ取付部と管理対象物に取付けられる対象物取付部とを有する電子タグの管理対象物への取付具であって、取付具の対象物取付部が管理対象物のケーシングを締結するねじ部材あるいはケーシングに固定されるねじ部材の頭部に嵌り合って取付けられねじ部材を回転せしめる形状の内周壁面を有することを特徴とする電子タグの管理対象物への取付具。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−171345(P2006−171345A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363525(P2004−363525)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)