説明

電子データファイリング装置

【課題】関連する複数のフォルダに対するバインダの登録作業を簡略化する。
【解決手段】電子データファイリング装置1は、フォルダ間の親子関係を定義する生成規則情報を格納した生成規則データベース13と、生成規則情報で定義された親フォルダにバインダを登録する際、親フォルダに登録したバインダの識別情報を用いて、親フォルダに関連する子フォルダにバインダを登録する登録部14を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば電子データを保管庫としてのバインダを介してフォルダ単位で管理する電子データファイリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子データを管理する場合、例えば情報、文書、図面などの複数の電子データを関連する情報としてまとめて扱う必要が多い。そこで、従来の電子データファイリング装置においては、フォルダ内に登録された複数の電子データの文書情報を一つにまとめてバインダという単位で管理することで、複数の電子データを関連付けていた。一方、電子データの内容によっては、分類上同じフォルダに格納できず同一バインダ下で管理することができないため、フォルダ毎にバインダを登録した後、ユーザが関連するバインダ間の関連付けを行っていた。
また、特許文献1によれば、ユーザが複数のフォルダ毎にそれぞれ登録されている電子データ(文書)を選択し、その電子データをフォルダとは別の分類手段としてのワークスペースに登録することで、ワークスペース上で電子データを関連付けて管理する文書管理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−268700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の電子データファイリング装置では、特にバインダの登録先フォルダが固定化されている場合、複数のフォルダにまたがってバインダを登録する形態が多く、ユーザがフォルダ毎に対応するバインダを登録しなければならず、その上、異なるフォルダのバインダ間の関連付けを一つずつ行わなければならないため、ユーザにとって手間が掛かるという課題があった。
【0005】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、関連する複数のフォルダに対するバインダの登録作業を簡略化した電子データファイリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電子データファイリング装置は、電子データをフォルダ単位で分類し、ユーザに指定された電子データと当該電子データの識別情報をバインダを介してフォルダに登録する構成において、フォルダ間の親子関係を定義する生成規則情報を格納した生成規則データベースと、生成規則データベースの生成規則情報で定義された親フォルダにバインダを登録する際、親フォルダに登録したバインダの識別情報を用いて、親フォルダに関連する子フォルダにバインダを登録する登録部を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の電子データファイリング装置によれば、上述のように構成したことにより、親フォルダにバインダを登録するだけで、関連する子フォルダにも一括してバインダを登録することができる。その結果、関連する複数のフォルダに対するバインダの登録作業を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1の電子データファイリング装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1の電子データファイリング装置において用いる生成規則情報の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1の電子データファイリング装置を用いたデータ管理の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1の電子データファイリング装置において生成するデータを示す図である。
【図5】実施の形態1の電子データファイリング装置の動作処理(バインダ登録処理)を示すフロー図である。
【図6】実施の形態1の電子データファイリング装置の動作処理(電子データ登録処理)を示すフロー図である。
【図7】実施の形態1の電子データファイリング装置の動作処理(バインダ削除処理)を示すフロー図である。
【図8】実施の形態1の電子データファイリング装置の動作処理(バインダ情報変更処理)を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の電子データファイリング装置1の構成を示している。
電子データファイリング装置1は、ユーザにより登録された電子データとその電子データの文書情報(識別情報)をバインダを介してフォルダ単位で分類・管理できる機能を有しており、図1に示すように、操作入力部11、制御部12、生成規則データベース13、登録部14、変更部15、削除部16、ファイリングデータベース17、表示部18、電子データ入力部19、登録電子データ保管領域20で構成されている。
ここで、電子データファイリング装置1におけるフォルダとバインダは電子データの登録用階層を示している。以下の説明において、バインダは、単数または複数の電子データを1つのまとまった関連情報として登録するための保管庫としての役割を有する登録用階層を示し、フォルダは、バインダを登録する直近上位の登録用階層を示すものとする。
【0010】
操作入力部11は、ユーザからの指示を入力するよう機能し、例えばユーザから、バインダまたは電子データの登録指示、変更指示、削除指示、表示指示を入力する。また、操作入力部11は、ユーザから表示画面上の座標を入力すると、その座標に対応する表示画面上に表示されたフォルダ、バインダまたは電子データを識別する情報を表示部18から取得し、制御部12へ出力する。
制御部12は、操作入力部11を介して入力したユーザからの指示に応じて各構成を制御するよう機能する。また、制御部12は、フォルダ、バインダまたは電子データを識別する情報をユーザからの指示に応じて各構成へ出力する。
生成規則データベース13は、フォルダ間の親子関係を定義する生成規則情報をテーブルデータとして格納しており、登録部14からの要求に応じて生成規則情報を出力する。以降、この生成規則情報で親に定義されたフォルダを親フォルダと呼び、子に定義されたフォルダを子フォルダと呼び、特に親フォルダに関連付けられた子フォルダを関連・子フォルダと呼ぶ。
【0011】
登録部14は、操作入力部11と制御部12を介してユーザからのバインダ登録指示を入力すると、ユーザからの入力情報と生成規則データベース13の生成規則情報に基づき、親フォルダに電子データを登録するためのバインダを生成するとともに、親フォルダの関連・子フォルダに親バインダに対応するバインダを生成するよう機能する。ここで、親フォルダに生成されたバインダを親バインダと呼び、子フォルダに生成されたバインダを子バインダと呼び、特に親フォルダに関連付けられた子フォルダに生成されたバインダを関連・子バインダと呼ぶ。
登録部14は、例えば、ユーザに指定された登録先フォルダ情報とユーザからの入力情報に基づき親バインダを識別する文書情報(バインダ識別情報)を設定し、その文書情報を含むバインダ情報と親フォルダを示すフォルダ情報とを関連付けてファイリングデータベース17のファイリング情報に登録する。また、登録部14は、親バインダの文書情報に基づき、生成規則データベース13の生成規則情報を参照して親フォルダの関連・子フォルダを検索し、関連・子フォルダに親バインダの文書情報を用いて関連・子バインダの文書情報を設定し、その文書情報を含むバインダ情報と関連・子フォルダを示すフォルダ情報とを関連付けてファイリングデータベース17のファイリング情報に登録する。ここで、文書情報とは、例えば後で登録される電子データの文書情報としての文書名称、登録部14により自動採番された文書番号、ユーザにより任意に設定された検索キーワードなどで構成される。さらに、登録部14は、生成規則データベース13の生成規則情報に基づき、親バインダと関連・子バインダを関連付ける関連バインダ情報を設定してファイリングデータベース17のファイリング情報に登録する。この関連バインダ情報は、例えば親バインダのバインダ情報に記載した関連・子バインダを示す情報、または関連・子バインダのバインダ情報に記載した関連・親バインダを示す情報であり、関連・親バインダと関連・子バインダとを相互に検索可能に関連付けている。
【0012】
また、登録部14は、操作入力部11と制御部12を介してユーザからの電子データ登録指示を入力すると、その電子データをユーザ指定のバインダに登録するよう機能する。
登録部14は、例えば電子データ入力部19を介して入力された電子データを登録電子データ保管領域20に記録し、その電子データの識別情報(電子データ識別情報)と登録電子データ保管領域20における電子データの保管位置を示す保管場所情報を取得し、ユーザに指定されたバインダのバインダ情報に電子データ識別情報と電子データ保管場所情報を記載してファイリングデータベース17のファイリング情報に登録する。
【0013】
変更部15は、操作入力部11と制御部12を介して変更指示を入力すると、ユーザからの入力情報に基づきファイリングデータベース17のファイリング情報を編集し、ユーザに指定されたフォルダ、バインダ、電子データの登録状態を変更するよう機能する。変更部15は、例えばファイリングデータベース17のファイリング情報から、ユーザに指定されたバインダのバインダ情報を取得し、そのバインダ情報内の文書情報をユーザからの入力情報に基づいて変更する。また、例えばバインダ情報に記載された電子データ識別情報と電子データ保管場所情報を、ユーザからの入力情報と電子データ入力部19からの電子データに基づき変更登録する。
【0014】
また、変更部15は、親バインダの文書情報を変更する際、その親バインダの関連バインダ情報に基づき各関連・子バインダのバインダ情報を取得し、各バインダ情報の文書情報を一括変更するよう機能する。変更部15は、例えば親バインダの関連バインダ情報に基づきファイリングデータベース17のファイリング情報から関連・子バインダのバインダ情報を取得して親バインダのバインダ情報との比較、確認を行い、関連・子バインダのバインダ情報が変更されているかを判定する。変更部15は、関連・子バインダのバインダ情報が変更されていない場合、そのバインダ情報内の文書情報を親バインダの文書情報に基づいて変更する。
【0015】
削除部16は、ユーザからのバインダ削除指示に従って、ユーザに指定されたバインダを削除するよう機能する。削除部16は、例えば操作入力部11と制御部12を介してユーザからのバインダ削除指示を入力すると、ファイリングデータベース17のファイリング情報からユーザに指定されたバインダのバインダ情報を削除する。
また、削除部16は、ユーザからのバインダ削除指示に従って親バインダを削除する際、その親バインダの関連バインダ情報に基づき関連・子バインダを一括削除するよう機能する。削除部16は、例えば親バインダの関連バインダ情報に基づきファイリングデータベース17のファイリング情報から関連・子バインダのバインダ情報を取得して親バインダのバインダ情報との比較、確認を行い、関連・子バインダのバインダ情報が変更されているかを判定する。削除部16は、関連・子バインダのバインダ情報が変更されていない場合、その関連・子バインダのバインダ情報をファイリングデータベース17のファイリング情報から削除する。
【0016】
ファイリングデータベース17は、フォルダ、バインダ、電子データを関連付けるファイリング情報をテーブルデータとして格納しており、登録部14、変更部15、削除部16で処理されたファイリング情報を記憶するよう機能する。また、ファイリングデータベース17は、登録部14、変更部15、削除部16、表示部18からの要求に応じてファイリング情報を提供する。なお、ファイリングデータベース17のファイリング情報の具体例については後述する。
【0017】
表示部18は、操作入力部11と制御部12を介してユーザからの表示指示が入力されると、表示指示に応じてファイリングデータベース17のファイリング情報に基づきフォルダ、バインダ、電子データの登録状態を表示する表示画面を生成し、外部の表示装置へ出力する。また、表示部18は、表示画面上でユーザに指定されたフォルダ、バインダ、電子データを識別する情報を、制御部12からの要求に応じて提供する。
【0018】
電子データ入力部19は、操作入力部11と制御部12を介して電子データの登録指示または変更指示が入力されると、ユーザにより指定された電子データを外部の記憶領域から取得し、登録部14または変更部15に出力するよう機能する。
登録電子データ保管領域20は、登録部14によりバインダに登録された電子データまたは変更部15によりバインダに変更登録された電子データを記憶する記憶領域である。
【0019】
ここで、生成規則データベース13に格納された生成規則情報について図2を用いて説明する。図2に示すように、生成規則情報21は、親フォルダに関連する子フォルダ(関連・子フォルダ)を示しており、関連・子フォルダ番号(関連・子フォルダNo.)とフォルダ名で構成されている。関連・子フォルダは1〜n(ただし、nは予め設定された数)まで設定可能であるが、図2においては、親フォルダに関連・子フォルダが3つ設定されており、関連・子フォルダ1のフォルダ名「フォルダA」、関連・子フォルダ2のフォルダ名「フォルダB」、関連・子フォルダ3のフォルダ名「フォルダC」が設定されている。なお、ここでは、生成規則情報21として1つのテーブルデータを示して説明したが、複数の親フォルダがある場合、親フォルダ毎にテーブルデータが設けられる。
【0020】
図3は、実施の形態1の電子データファイリング装置1を用いたデータ管理の一例を示している。ここでは、図3を用いて、実施の形態1における登録部14のバインダ登録処理のイメージを説明する。なお、図3の生成規則情報は図2で示した生成規則情報21であるものとして説明する。
(1)バインダpは、ユーザからのバインダ登録指示と入力情報に基づき、文書情報が設定されることで生成される。
(2)バインダpを親フォルダとしてのフォルダPに登録する。
(3)フォルダPの生成規則情報21が設定されているか確認する。
(4)フォルダPの生成規則情報21に関連・子フォルダ1としてのフォルダAが登録されているため、バインダpの文書情報を用いてバインダaの文書情報を設定し、バインダaを生成する。
(5)バインダaに対しバインダpを親バインダとする関連バインダ情報を設定するとともに、バインダpに対し関連・子バインダ1をバインダaとする関連バインダ情報を設定する。
(6)バインダaを関連・子フォルダ1としてのフォルダAに登録する。
(7)関連・子フォルダ1に続いて関連・子フォルダ2としてのフォルダBが登録されているため、バインダpの文書情報を用いてバインダbの文書情報を設定し、バインダbを生成する。
(8)バインダbに対しバインダpを親バインダする関連バインダ情報を設定するとともに、バインダpに対し関連・子バインダ2としてバインダbを追加して関連バインダ情報を設定する。
(9)バインダbを関連・子フォルダ2としてのフォルダBに登録する。
(10)関連・子フォルダ2に続いて関連・子フォルダ3としてのフォルダCが登録されているため、バインダpの文書情報を用いてバインダcの文書情報を設定し、バインダcを生成する。
(11)バインダcに対しバインダpを親バインダする関連バインダ情報を設定するとともに、バインダpに対し関連・子バインダ3としてバインダcを追加して関連バインダ情報を設定する。
(12)バインダcを関連・子フォルダ3としてのフォルダCに登録する。
登録部14は、このように親子関係を有するフォルダに対し電子データを登録するためのバインダを一括登録する。
【0021】
このようにしてバインダを登録する際に生成するデータについて説明する。図4は、実施の形態1の電子データファイリング装置で生成するデータおよびデータ間の関係を示している。なお、図4においては、親フォルダPのフォルダ情報P1、親フォルダPに登録したバインダpのバインダ情報p1、関連・子フォルダAのフォルダ情報A1、関連・子フォルダAに登録したバインダaのバインダ情報a1を示し、関連・子フォルダの説明が重複しないように、関連・子フォルダBのフォルダ情報B1、関連・子フォルダBに登録したバインダbのバインダ情報b1、関連・子フォルダCのフォルダ情報C1、関連・子フォルダCに登録したバインダcのバインダ情報c1を省略している。
【0022】
フォルダ情報P1,A1は、図4に示すように、フォルダ名称、フォルダ番号、登録バインダ情報で構成され、電子データファイリング装置1の運用開始に合わせて生成される情報である。フォルダ名称はユーザにより入力されて設定され、フォルダ番号は予め設定された採番体系に従って自動採番され、登録バインダ情報はフォルダに登録されたバインダを示す情報でありバインダ登録時に記載される。登録バインダ情報には、例えばフォルダ情報P1の登録バインダ情報にバインダ情報p1の文書番号が記載され、フォルダ情報A1の登録バインダ情報にバインダ情報a1の文書番号が記載されている。この登録バインダ情報により、図4の破線矢印αに示すように、フォルダ情報とバインダ情報が関連付けられている。
【0023】
バインダ情報p1,a1は大きく分けて識別情報、関連バインダ情報、登録情報で構成される。文書情報は、例えばバインダ名を示す文書名称、登録管理用の文書番号、バインダを検索する際に用いられる検索キーワードで構成され、バインダを識別するための情報である。文書名称はユーザにより入力されて設定され、文書番号は予め設定された採番体系に従ってバインダ作成時に自動採番される。検索キーワードは、ユーザの必要に応じて任意に入力され設定される。
関連バインダ情報はバインダ間の親子関係を示す情報であり、例えば親バインダとしてのバインダ情報p1の関連バインダ情報には関連・子バインダとして一括登録したバインダa,b,cの文書番号が記載され、関連・子バインダとしてのバインダ情報a1には関連・親バインダとしてバインダ情報pの文書番号が記載されている。この関連バインダ情報により、図4の破線矢印βに示すように、バインダ情報どうしが関連付けられ、親バインダと関連・子バインダとを相互に検索可能にしている。
登録情報はバインダに登録された電子データ(登録電子データ)を示す情報であり、電子データ識別情報と電子データ保管場所情報で構成され、電子データ登録時に記載される。電子データ識別情報は、例えば電子データの名称や管理番号であり登録電子データを表示画面上に表示する際に用いられる。電子データ保管場所情報は、電子データ保管領域20における電子データの位置を示すアドレス情報であり、バインダとそのバインダに登録された電子データを関連付ける情報である。
【0024】
次に、実施の形態1の電子データファイリング装置1における<1>バインダ登録処理、<2>電子データ登録処理、<3>バインダ削除処理、<4>バインダ変更処理の動作処理の一例について説明する。
<1>バインダ登録処理
図5は、電子データファイリング装置1のバインダ登録処理のフローを示している。
電子データファイリング装置1の登録部14は、ユーザから指定されたフォルダのフォルダ情報とバインダ登録指示を入力するとバインダ登録処理を開始し、制御部12を介して表示部18にユーザ入力項目(入力情報)の入力表示画面を生成させる。登録部14は、ユーザから操作入力部11と制御部12を介して入力情報を取得すると、その入力情報に基づき文書名称と検索キーワードを記載するとともに自動採番により生成した文書番号を記載して文書情報を設定し、ファイリングデータベース17のファイリング情報に登録する(ステップST101)。
【0025】
登録部14は、バインダの登録先フォルダが生成規則データベース13の生成規則情報21に親フォルダとして設定されているか確認し、親フォルダに設定されている場合、関連・子フォルダを検索するための番号iを初期値(i=1)にする(ステップST102)。
登録部14は、生成規則データベース13の生成規則情報21に関連・子フォルダiが設定されているか確認する(ステップST103)。
登録部14は、生成規則情報21に関連・子フォルダiが設定されていないと判定した場合(ステップST104“NO”)、バインダ登録処理を終了する。
【0026】
一方、登録部14は、生成規則情報21に関連・子フォルダiが設定されていると判定した場合(ステップST104“YES”)、親フォルダに登録された親バインダの文書情報を用いて関連・子フォルダiの文書情報を設定し、ファイリングデータベース17のファイリング情報に登録する(ステップST105)。
登録部14は、親バインダの文書情報に基づき、関連・子バインダの関連バインダ情報として関連・親バインダを設定する(ステップST106)。
登録部14は、関連・子バインダiの文書情報に基づき、親バインダの関連バインダ情報として関連・子バインダを設定する(ステップST107)。
登録部14は、関連・子フォルダを検索するための番号iに1増加(i=i+1)し(ステップST108)、ステップST103からの処理を繰り返す。
【0027】
<2>電子データ登録処理
図6は、電子データファイリング装置1の電子データ登録処理のフローの一例を示している。電子データファイリング装置1の登録部14は、操作入力部11と制御部12を介してユーザからの電子データ登録指示を入力すると処理を開始する。
登録部14は、ユーザに指定された電子データとバインダの文書番号を入力し(ステップST111)、その電子データを電子データ保管領域20に格納して(ステップST112)電子データ識別情報と電子データ保管場所情報を取得する(ステップST113)。
登録部14は、ユーザに指定されたバインダの文書情報に基づきファイリングデータベース17のファイリング情報からバインダ情報を取得し、バインダ情報の登録情報として電子データ識別情報と電子データ保管場所情報を記載してファイリングデータベース17のファイリング情報に登録する(ステップST114)(終了)。
【0028】
ここで、バインダ登録処理におけるフォルダ、バインダ、電子データの具体的一例を示す。例えば、業務に関するプロジェクトを立ち上げる際、プロジェクトの全体計画を記載する「統合マネジメント計画書」を作成し、プロジェクトを構成する下位の計画を記載する「スコープ・マネジメント仕様書」、「タイム・マネジメント仕様書」、「コスト・マネジメント仕様書」、「品質・マネジメント仕様書」等の作成が業務上規定されているものとする。このように規定された業務においては、予め親フォルダとして「統合マネジメント計画書」フォルダを設定し、関連・子フォルダとして「スコープ・マネジメント仕様書」フォルダ、「タイム・マネジメント仕様書」フォルダ、「コスト・マネジメント仕様書」フォルダ、「品質・マネジメント仕様書」フォルダを設定しておく。そして「Aプロ」というプロジェクトを立ち上げる場合に、電子データファイリング装置1を用いると、「統合マネジメント計画書」フォルダ(親フォルダ)に文書名称を「Aプロ」としたバインダ(「Aプロ」バインダ)を登録する際に、「スコープ・マネジメント仕様書」フォルダ、「タイム・マネジメント仕様書」フォルダ、「コスト・マネジメント仕様書」フォルダ、「品質・マネジメント仕様書」フォルダにもそれぞれ「Aプロ」バインダが自動的に一括登録される。この「Aプロ」フォルダ作成時には電子データが登録されていないが、電子データとして各仕様書を作成した後、各仕様書に対応するフォルダの「Aプロ」バインダに電子データを登録していくことで、各仕様書の作成状況が確認できる。そして、ユーザが「Aプロ」バインダに電子データが登録されていないことを認識することで、各仕様書の作成忘れを防止することができる。
【0029】
<3>バインダ削除処理
図7は、電子データファイリング装置1のバインダ削除処理のフローを示している。
電子データファイリング装置1の削除部16は、ユーザからのバインダ削除指示とユーザに指定されたバインダの文書番号を入力すると処理を開始し、その文書番号を用いてファイリングデータベース17のファイリング情報からバインダ情報を取得する。削除部16は、バインダ情報内の関連バインダ情報に関連・子バインダが記載されているかを判定し(ステップST201)、関連・子バインダが記載されていない場合(ステップST201“NO”)、指定されたバインダのバインダ情報のみをファイリングデータベース17のファイリング情報から削除して(ステップST210)処理を終了する。
【0030】
一方、削除部16は、関連バインダ情報に関連・子バインダが記載されていると判定した場合(ステップST201“YES”)、関連バインダ情報に記載された関連・子バインダの文書番号に基づきファイリングデータベース17のファイリング情報から関連・子バインダのバインダ情報を取得する。削除部16は、バインダ情報内の登録情報に電子ファイルが登録されているかを確認するとともに、関連・子バインダの文書情報と親バインダの文書情報とを比較して、関連・子バインダのバインダ情報が変更されて無いかを確認し判定する(ステップST202)。この判定は、実体ファイルの有無の確認による変更判定と、関連・子バインダの文書情報が変更されたかによる変更判定を組み合わせて行われる。
【0031】
削除部16は、関連・子バインダのバインダ情報への変更が有ると判定した場合(ステップST203“NO”)、バインダを削除せず処理を終了する。
一方、削除部16は、関連・子バインダへの変更が無いと判定した場合(ステップST203“YES”)、関連・子バインダを検索するための番号iを初期値(i=1)にする(ステップST204)。削除部16は、関連バインダ情報を確認し(ステップST205)、関連・子バインダiが有るかを判定する(ステップST206)。
【0032】
削除部16は、関連・子バインダiが無いと判定した場合(ステップST206“NO”)、親バインダを削除して(ステップST209)処理を終了する。
一方、削除部16は、関連・子バインダiが有ると判定した場合(ステップST206“YES”)、関連・子バインダiの文書番号に基づきファイリングデータベース17のファイリング情報を検索し関連・子バインダiのバインダ情報を削除する(ステップST207)。
削除部16は、関連・子バインダを検索するための番号iに1増加(i=i+1)し(ステップST208)、ステップST205からの処理を繰り返して関連・子バインダのバインダ情報を一括削除する。
【0033】
<4>バインダ変更処理
図8は、電子データファイリング装置1のバインダ情報変更処理のフローを示している。
電子データファイリング装置1の変更部15は、操作入力部11と制御部12を介してユーザからバインダ情報の変更指示とユーザに指定されたバインダの文書番号を入力すると処理を開始し、その文書番号を用いてファイリングデータベース17のファイリング情報からバインダ情報を取得する。変更部15は、バインダ情報内の関連バインダ情報に関連・子バインダが記載されているかを判定し(ステップST301)、関連・子バインダが記載されていない場合(ステップST301“NO”)、指定されたバインダの文書情報を表示部18を介して変更可能に表示させ、ユーザからの入力情報に基づきバインダの文書情報を変更して(ステップST310)処理を終了する。
【0034】
一方、変更部15は、関連バインダ情報に関連・子バインダが記載されていると判定した場合(ステップST301“YES”)、関連バインダ情報に記載されている関連・子バインダの文書番号に基づきファイリングデータベース17のファイリング情報から関連・子バインダのバインダ情報を取得する。変更部15は、バインダ情報内の登録情報に電子ファイルが登録されているかを確認するとともに、関連・子バインダの文書情報と親バインダの文書情報とを比較して、関連・子バインダのバインダ情報の登録状態が変更されて無いかを確認し判定する(ステップST302)。
【0035】
変更部15は、関連・子バインダ情報への変更が有ると判定した場合(ステップST303“NO”)、バインダを変更させずに処理を終了する。
一方、変更部15は、関連・子バインダ情報への変更が無いと判定した場合(ステップST303“YES”)、関連・子バインダを検索するための番号iを初期値(i=1)にする(ステップST304)。削除部16は、関連バインダ情報を確認し(ステップST305)、関連・子バインダiが有るかを判定する(ステップST306)。
【0036】
変更部15は、関連・子バインダiが無いと判定した場合(ステップST306“NO”)、指定された親バインダの文書情報を表示部18を介して変更可能に表示させ、ユーザからの入力情報に基づき親バインダの文書情報を変更して(ステップST309)処理を終了する。
一方、変更部15は、関連・子バインダiが有ると判定した場合(ステップST306“YES”)、関連・子バインダiの文書情報を表示部18を介して変更可能に表示させ、ユーザからの入力情報に基づき変更する(ステップST307)。
変更部15は、関連・子バインダを検索するための番号iに1増加(i=i+1)し(ステップST308)、ステップST305からの処理を繰り返して関連・子バインダのバインダ情報を一括変更する。
【0037】
なお、これらの登録部14、変更部15、削除部16の処理をそれぞれプログラムで実現する構成にしてもよい。
【0038】
以上のように、実施の形態1による電子データファイリング装置1は、フォルダ間の親子関係を定義する生成規則情報21を格納した生成規則データベース13と、生成規則データベース13の生成規則情報21で定義された親フォルダに親バインダを登録する際、親フォルダに登録した親バインダの文書情報を用いて、親フォルダに関連する子フォルダに子バインダを登録する登録部14を備えたことにより、親フォルダに親バインダを登録するだけで、関連する子フォルダにも一括して関連・子バインダを登録することができる。その結果、関連する複数のフォルダに対するバインダの登録作業を簡略化できる。
【0039】
また、電子データファイリング装置1は、関連バインダ情報をファイリングデータベース17に登録する登録部14を備えることにより、容易に親バインダと関連する子バインダとを相互に検索することができる。その結果、ユーザが電子データの作成状況を容易に確認することができ、バインダに登録すべき電子データの作成忘れを防止することができる。
【0040】
また、電子データファイリング装置1は、ユーザからの指示に従って親バインダを親フォルダから削除する際、ファイリングデータベース17の関連バインダ情報を用いて親バインダに関連する子バインダを子フォルダから削除する削除部16を備えたことにより、ユーザが関連するバインダをフォルダ毎に削除することなく、関連するバインダを自動的に一括削除することができる。
【0041】
また、電子データファイリング装置1は、ユーザからの指示に従って親バインダの文書情報を変更する際、ファイリングデータベース17の関連バインダ情報を用いて、親バインダに関連する子バインダの文書情報を連動して変更する変更部15を備えたことにより、ユーザが関連するバインダ毎に文書情報を変更する作業を行うことなく、関連するバインダの文書情報を自動的に一括変更することができる。
【0042】
さらに、電子データファイリング装置1は、親子関係のあるバインダ間において、バインダにつけた文書名称の連動修正を行う変更部15、連動削除を行う削除部16を備えることにより、バインダ登録初期に見られる不確定情報の作成、修正、削除に対して柔軟な対応が可能である。
【0043】
なお、実施の形態1の電子データファイリング装置1においては、登録部14、変更部15、削除部16を備える構成としたが、登録部14のみ、または登録部14に加え、変更部15と削除部16のいずれか1つを組み合わせる構成にしてもよい。
【0044】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 電子データファイリング装置、11 操作入力部、12 制御部、13 生成規則データベース、14 登録部、15 変更部、16 削除部、17 ファイリングデータベース、18 表示部、19 電子データ入力部、20 登録電子データ保管領域、21 生成規則情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子データをフォルダ単位で分類し、ユーザに指定された電子データと当該電子データの文書情報をバインダを介して前記フォルダに登録する電子データファイリング装置において、
前記フォルダ間の親子関係を定義する生成規則情報を格納した生成規則データベースと、
前記生成規則データベースの生成規則情報で定義された親フォルダにバインダを登録する際、前記親フォルダに登録したバインダの文書情報を用いて、前記親フォルダに関連する子フォルダにバインダを登録する登録部を備えたことを特徴とする電子データファイリング装置。
【請求項2】
登録部は、親フォルダのバインダと、当該親フォルダに関連する子フォルダのバインダとを相互に検索可能な関連バインダ情報をファイリングデータベースに登録することを特徴とする請求項1記載の電子データファイリング装置。
【請求項3】
ユーザからの指示に従って親フォルダのバインダを削除する際、ファイリングデータベースの関連バインダ情報を用いて前記親フォルダのバインダに関連する子フォルダのバインダを削除する削除部を備えたことを特徴とする請求項2記載の電子データファイリング装置。
【請求項4】
ユーザからの指示に従って親フォルダのバインダの文書情報を変更する際、ファイリングデータベースの関連バインダ情報を用いて、前記親フォルダのバインダに関連する子フォルダのバインダの文書情報を連動して変更する変更部を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の電子データファイリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−198635(P2012−198635A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61041(P2011−61041)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】